JP2012084639A - 電装収納箱の吸気口構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧損の増大を招くことなく水の侵入を防ぎ得る電装収納箱の吸気口構造を提供する。
【解決手段】外気6を利用して内部の電装品を空冷するようにした電装収納箱の側壁に、該電装収納箱内で前記側壁に沿うインテークダクト7と連通するように設けられた吸気口5の構造に関し、複数列のルーバー10を吸気口5を遮蔽するように外気6の取り込み方向と逆向きに傾斜させて配設すると共に、前記吸気口5の開口面に対する前記各ルーバー10のインテークダクト7内への張り出し高さを前記外気6の取り込み方向に段階的に低くする。
【選択図】図2

Description

本発明は、電装収納箱の吸気口構造に関するものである。
近年、ディーゼル−電気ハイブリッドエンジンの開発が進められているが、この種のディーゼル−電気ハイブリッドエンジンは、ディーゼルエンジンのフライホイールハウジング内に超薄型の三相交流機を内蔵させ、エンジンの起動時には三相交流機をスタータとして作動させ、車両の発進加速時には三相交流機をトルクアシスト用モータとして作動させ、車両の制動時には三相交流機を電気ブレーキとして作動させることによって、三相交流機にディーゼルエンジンの補佐をさせ、ディーゼルエンジンの負担を軽減して、燃費の向上を図り且つディーゼルエンジンによる大気汚染物質の排出量を低減させるようにしたものである。
このようなディーゼル−電気ハイブリッドエンジンを搭載したハイブリッド自動車においては、モータ駆動用のバッテリ(ニッケル水素電池)を搭載する必要があり、しかも、このバッテリを効率良く空冷し得るようにしなければならないが、特にハイブリッド自動車がキャブオーバトラック等である場合には、バッテリをキャブ側に搭載することがスペース的に困難であるため、図4に示す如く、バッテリを収容したバッテリパック1(電装収納箱)をシャシフレーム2に対しブラケット3を介して架装させるようにしている。
図5に示す如く、前記バッテリパック1の内部には、多数のバッテリセル4aから成るバッテリ4(電装品)が収容されており、バッテリパック1の吸気口5から取り込んだ外気6をインテークダクト7のU字型流路を通してブロワ8に導き、該ブロワ8からバッテリ4の直下に流し込んで各バッテリセル4a間を通し上方へ抜き出すことでバッテリ4を強制的に空冷するようにしており、各バッテリセル4a間を通し上方へ抜き出た外気6は、吸気口5と反対側のバッテリパック1の側壁1aに開口された排気口9から外部へ排出されるようになっている。
ここで、インテークダクト7がバッテリパック1内で側壁1aに沿って配置されて上方に折り返すU字型流路を成しているのは、ブロワ8までの距離を長くとり且つ水が導かれ難い流路構造とすることで、ルーバー10を通り抜けた水がブロワ8まで導かれ難くしているからである。
尚、この種のバッテリパック1に関連する先行技術文献情報としては下記の特許文献1等がある。
特開2008−80930号公報
先の図4に示してある通り、この種のハイブリッド自動車におけるバッテリパック1の吸気口5には、複数列のルーバー10をバッテリパック1の内側へ向け外気6の取り込み方向と逆向きに切り起こしたルーバープレート11が備えられており、該ルーバープレート11の各ルーバー10により外部からの水の侵入を抑制しつつ外気6をインテークダクト7に取り込めるようになっているが、前記ルーバープレート11が備えられる吸気口5は、バッテリパック1内で側壁1aに沿って延びるインテークダクト7に連通するようになっているため、バッテリパック1の内側へ向けて切り起こした各ルーバー10がインテークダクト7内の流路断面積を狭めて圧損の増大を招く虞れがあった。
即ち、前記バッテリパック1のエンクロージャを構成する部品については、導電性の材質であることが保安基準により定められているため、ルーバー10を板金部品のルーバープレート11からプレス加工により切り起こして形成しなければならず、しかも、外気6を取り込み易くするために開口部を大きくしようとしてルーバー10の切り起こし高さを大きくとればとるほど、インテークダクト7内の流路断面積が狭められて圧損の増大を招いてしまうという事情があった。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、圧損の増大を招くことなく水の侵入を防ぎ得る電装収納箱の吸気口構造を提供することを目的とする。
本発明は、外気を利用して内部の電装品を空冷するようにした電装収納箱の側壁に、該電装収納箱内で前記側壁に沿うインテークダクトと連通するように設けられた吸気口の構造であって、複数列のルーバーを吸気口を遮蔽するように外気の取り込み方向と逆向きに傾斜させて配設すると共に、前記吸気口の開口面に対する前記各ルーバーのインテークダクト内への張り出し高さを前記外気の取り込み方向に段階的に低くしたことを特徴とするものである。
而して、このようにすれば、各ルーバーのインテークダクト内への張り出し高さが外気の取り込み方向に段階的に低くしてあるので、各ルーバーを経て取り込まれる外気が下流側に向かうにつれ合流して流量が増えていく一方、インテークダクト内の流路断面積は段階的に増えていくことになり、外気の流量増加に見合う流路断面積を確保することが可能となる。
しかも、外気の取り込み方向の上流側にあるルーバーを経て取り込まれる外気がインテークダクト内の吸気口に対し奥側を流れる一方、外気の取り込み方向の下流側にあるルーバーを経て取り込まれる外気はインテークダクト内の吸気口に対し手前側を流れるため、上流側のルーバーを経た外気を下流側のルーバーと干渉させることなく円滑に取り込むことが可能となる。
尚、各ルーバーが外気の取り込み方向と逆向きに傾斜した配置となっていて、外気が取り込み方向と逆向きに一旦振られてからインテークダクト内に取り込まれるようになっているため、水が慣性により外気の流れから逸脱してルーバーの傾斜面に衝突し易くなり、外部からインテークダクト内への水の侵入が効果的に阻まれることになる。
また、各ルーバーをルーバープレートからプレス加工により切り起こして形成する場合には、ルーバーの複数列を一組として各組毎に切り起こし高さを低くすると良く、より好ましくは、各ルーバーを外気の取り込み方向の上流側の複数列と下流側の複数列とで二組に分け、上流側の複数列に対し下流側の複数列のルーバーの切り起こし高さを低くすると良い。
即ち、各ルーバーをルーバープレートからプレス加工により切り起こして形成する場合、各ルーバーの切り起こし高さが違っていると、夫々の高さに応じた抜き型と工程が必要となるため、各ルーバーを組分けして各組毎に切り起こし高さを低くするようにすれば、抜き型と工程が少なくて済むことになる。
上記した本発明の電装収納箱の吸気口構造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
(I)本発明の請求項1に記載の発明によれば、各ルーバーを経て取り込まれる外気が下流側に向かうにつれ合流して流量が増えていくのに応じ、インテークダクト内の流路断面積を段階的に増やして外気の流量増加に見合う流路断面積を確保することができ、しかも、上流側のルーバーを経た外気を下流側のルーバーと干渉させることなく円滑に取り込むことができるので、圧損の増大を招くことなく水の侵入を防ぐことができ、電装収納箱内に収容された電装品を侵入水から保護することができる。
(II)本発明の請求項2、3に記載の発明によれば、各ルーバーをルーバープレートからプレス加工により切り起こして形成するにあたり、各ルーバーを組分けして各組毎に切り起こし高さを低くすることで抜き型と工程を大幅に減らすことができ、ルーバーの製作に要するコストの大幅な削減を図ることができる。
本発明を実施する形態の一例を示す正面図である。 図1のII−II矢視の断面図である。 本発明の別の形態例を示す断面図である。 ハイブリッド自動車のバッテリパックの斜視図である。 図4のバッテリパックの内部の様子を示す斜視図である。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図4及び図5と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
図1及び図2に示す如く、本形態例においては、前述した図4及び図5と同様に構成したバッテリパック1(図4参照:電装収納箱)に関し、複数列のルーバー10をプレス加工によりバッテリパック1の内側へ向けて切り起こしたルーバープレート11が吸気口5を遮蔽するように備えられ、前記各ルーバー10がインテークダクト7により導かれる外気6の取り込み方向に並べられ且つ該外気6の取り込み方向と逆向きに切り起こされており、前記各ルーバー10のルーバープレート11に対する切り起こし高さ(図2中に一部のルーバー10についてhで示している高さ、即ち、吸気口5の開口面に対する前記各ルーバー10のインテークダクト7内への張り出し高さ)が上流側の複数列に対し下流側の複数列が低くなるように設定されている。
即ち、ここに図示している例では、ルーバー10の上流側の五列を一組とし且つ下流側の五列を一組として二組に分け、各組毎に切り起こし高さを揃えて上流側の五列に対し下流側の五列の切り起こし高さが低くなるようにしてある。尚、ルーバー10を三組以上に組分けして各組毎に切り起こし高さを低くするようにしても良いことは勿論である。
而して、このようにすれば、各ルーバー10のインテークダクト7内への張り出し高さが外気6の取り込み方向に段階的に低くしてあるので、各ルーバー10を経て取り込まれる外気6が下流側に向かうにつれ合流して流量が増えていく一方、インテークダクト7内の流路断面積は段階的に増えていくことになり、外気6の流量増加に見合う流路断面積を確保することが可能となる。
しかも、外気6の取り込み方向の上流側にあるルーバー10を経て取り込まれる外気6がインテークダクト7内の吸気口5に対し奥側を流れる一方、外気6の取り込み方向の下流側にあるルーバー10を経て取り込まれる外気6はインテークダクト7内の吸気口5に対し手前側を流れるため、上流側のルーバー10を経た外気6を下流側のルーバー10と干渉させることなく円滑に取り込むことが可能となる。
尚、各ルーバー10が外気6の取り込み方向と逆向きに傾斜した配置となっていて、外気6が取り込み方向と逆向きに一旦振られてからインテークダクト7内に取り込まれるようになっているため、水が慣性により外気6の流れから逸脱してルーバー10の傾斜面に衝突し易くなり、外部からインテークダクト7内への水の侵入が効果的に阻まれることになる。
従って、上記形態例によれば、各ルーバー10を経て取り込まれる外気6が下流側に向かうにつれ合流して流量が増えていくのに応じ、インテークダクト7内の流路断面積を段階的に増やして外気6の流量増加に見合う流路断面積を確保することができ、しかも、上流側のルーバー10を経た外気6を下流側のルーバー10と干渉させることなく円滑に取り込むことができるので、圧損の増大を招くことなく水の侵入を防ぐことができ、バッテリパック1内に収容されたバッテリ4を侵入水から保護することができる。
また、本形態例のように、各ルーバー10をルーバープレート11からプレス加工により切り起こして形成する場合、各ルーバー10の切り起こし高さが違っていると、夫々の高さに応じた抜き型と工程が必要となるため、各ルーバー10を組分けして各組毎に切り起こし高さを低くするようにすれば、抜き型と工程を大幅に減らすことができ、ルーバー10の製作に要するコストの大幅な削減を図ることができる。
即ち、各ルーバー10をルーバープレート11からプレス加工により切り起こして形成するにあたり、各ルーバー10の切り起こし高さを一列ずつ全て変えてしまうと、プレス加工で抜き型を行う時に、ルーバー打ち抜き用の型が順番に一つずつ未加工のルーバープレート11に当たってしまうことになり、型の耐久性がもたないという問題があるため、現実的にはルーバー10の切り起こし高さを変更した分だけ型と工数を増やしてプレス加工を行わなければならなくなるからである。
ただし、図3に示す如く、各ルーバー10の切り起こし高さを一列ずつ全て変えて細かく段階的に低くなるように設定し、各ルーバー10の列の数に対応した数の型を用い且つ複数の工程をかけてプレス加工を行うことも可能であり、このようにすれば、より圧損を少なく抑えることが可能となる。
尚、本発明の電装収納箱の吸気口構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、電装収納箱は必ずしもハイブリッド自動車のバッテリパックに限定されないこと、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
1 バッテリパック(電装収納箱)
1a 側壁
4 バッテリ(電装品)
5 吸気口
6 外気
7 インテークダクト
10 ルーバー
11 ルーバープレート

Claims (3)

  1. 外気を利用して内部の電装品を空冷するようにした電装収納箱の側壁に、該電装収納箱内で前記側壁に沿うインテークダクトと連通するように設けられた吸気口の構造であって、複数列のルーバーを吸気口を遮蔽するように外気の取り込み方向と逆向きに傾斜させて配設すると共に、前記吸気口の開口面に対する前記各ルーバーのインテークダクト内への張り出し高さを前記外気の取り込み方向に段階的に低くしたことを特徴とする電装収納箱の吸気口構造。
  2. 各ルーバーをルーバープレートからプレス加工により切り起こして形成すると共に、ルーバーの複数列を一組として各組毎に切り起こし高さを低くしたことを特徴とする請求項1に記載の電装収納箱の吸気口構造。
  3. 各ルーバーをルーバープレートからプレス加工により切り起こして形成すると共に、各ルーバーを外気の取り込み方向の上流側の複数列と下流側の複数列とで二組に分け、上流側の複数列に対し下流側の複数列のルーバーの切り起こし高さを低くしたことを特徴とする請求項1に記載の電装収納箱の吸気口構造。
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