JP2012081732A - 裏面保護シート - Google Patents
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Abstract
本発明は太陽光発電モジュ−ル用の新規裏面保護シ−トであり、本シート部材を用いた太陽電池モジュ−ルに関する。更に詳しくは、力学強度、耐熱性、耐候性、防湿性、防汚性等の諸特性に優れ、モジュールの信頼性と製造容易性に寄与する新規裏面保護シ−トを提供することである。
【解決手段】
本発明の裏面保護シートは、少なくともフッ素系樹脂からなる保護層とクロス共重合体系樹脂からなる支持層から構成される裏面保護シートである。本裏面保護シートは、力学強度、耐熱性、耐候性、防湿性、防汚性の諸特性に優れ、そのシンプルな構成と容易な製造方法故に製造コストがより低減できる可能性を有する。
【選択図】 なし
Description
以上のような課題を解決すべく、各種検討がなされており、例えばポリオレフィン系樹脂組成物層(特許文献1)、ポリスチレン系樹脂組成物層(特許文献2)やポリフェニレンエーテル樹脂組成物層(特許文献3)を含む裏面保護シートが検討されている。
本保護層には酸化チタン等の白色顔料など、適当な顔料を最大50質量%まで含むことができる。さらに本保護層には、通常裏面保護シートに添加することができる公知の老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を含むことができる。
さらには本発明に用いられる裏面保護シートの保護層として、フッ素樹脂系の塗料を塗布してなる塗膜を用いることも可能である。この場合も、公知の顔料、老化防止剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤等を必要量含むことができる。
従来、支持層には延伸PET樹脂が用いられている。延伸PET樹脂は、その高い力学強度、耐熱性
が特徴であり広く本用途に用いられている。しかし、二軸延伸等に手間がかかること、さらに多層フィルムの製造において共押出法が採用できないこと等、当該分野のコストダウンの要求に答えることが困難である。
オレフィンとしては、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、すなわちプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンが挙げられる。本発明においてはオレフィンの範疇に環状オレフィンも含まれ、本環状オレフィンの例としては、ビニルシクロヘキサンやシクロペンテン、ノルボルネン等が挙げられる。好ましくは、エチレンまたはエチレンとα−オレフィンすなわちプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、または1−オクテン等の混合物が用いられ、更に好ましくは、エチレンが用いられる。
ここで芳香族ポリエンとは、10以上30以下の炭素数を持ち、複数の二重結合(ビニル基)と単数または複数の芳香族基を有し配位重合可能なモノマーであり、二重結合(ビニル基)の1つが配位重合に用いられて重合した状態において残された二重結合がアニオン重合可能な芳香族ポリエンである。好ましくは、オルトジビニルベンゼン、パラジビニルベンゼン及びメタジビニルベンゼンのいずれか1種または2種以上の混合物が好適に用いられる。さらにクロス共重合体のうち、好ましくは主鎖がエチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体であり、かつ側鎖がポリスチレン鎖であるクロス共重合体が最も好ましく用いられる。
太陽電池において、長期にわたる信頼性を確保する上で電気絶縁性は重要である。本クロス共重合体自体は、体積抵抗率1×1016Ω・cm以上、絶縁破壊電圧20kV/1mm以上を示すことができる。これは従来のPET系樹脂に比べ高いため、支持層の材料として好適である。さらに水蒸気の浸透を防ぐことは、腐食、絶縁不良等の電気的トラブルを防ぐために重要である。本クロス共重合体は、低い水蒸気透過率、具体的には5g/m2・day(1mm厚さのフィルムとして)以下の低い水蒸気透過率を示すため好適である。本水蒸気透過率はJISZ0208カップ法、に従い、40℃、湿度90%の条件で求めた。
本ポリフェニレンエ−テル系樹脂は例えばSABIC Innovative Plastics社から製品名ノリルとして、また旭化成ケミカルズ社からは製品名ザイロンとして、三菱エンジニアリングプラスチックス社からは製品名ユピエースとして入手することができる。ポリフェニレンエ−テル樹脂の例としてはポリ(2,6−ジメチル−1、4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテルポリ(2−エチル−6−イソプロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−クロロエチル−1,4−フェニレン)エーテル単位等の単独の繰り返し構造からなる重合体またはこれら単位の共重合体が挙げられる。ポリフェニレンエーテル共重合体は、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体あるいはo−クレゾールとの共重合体あるいは2,3,6−トリメチルフェノール及びo−クレゾールとの共重合体等、ポリフェニレンエーテル構造を主体としてなるポリフェニレンエーテル共重合体を含む。さらに、種々のフェニレンエーテルユニット、例えばアミノメチル基やN−フェニルアミノメチル基を有するフェニレンエーテル単位を全体の20重量%まで、その部分構造として共重合していても良い。
ポリフェニレンエーテル系樹脂に含まれる芳香族ビニル化合物系重合体としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン等の芳香族ビニル化合物の単独重合体またはこれらの共重合体等が挙げられる。芳香族ビニル化合物と共重合可能なモノマーとしては、ブタジエン、イソプレン、その他の共役ジエン類、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらのアミド誘導体やエステル誘導体、アクリロニトリル、無水マレイン酸及びその誘導体が挙げられる。芳香族ビニル化合物系重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、3万から50万の範囲である。また、これらの樹脂をポリブタジエン等のゴムで補強したいわゆるハイインパクトポリスチレン(HIPS)でも良い。芳香族ビニル化合物系重合体は、本発明に用いられるポリフェニレンエーテル系樹脂全質量に対して80質量%まで含むことができる。
原料樹脂であるクロス共重合体のMFR値(200℃、加重98N)は特に規定されることはないが、一般的に0.1g/10分以上300g/10分以下、実質的に非架橋状態での上記耐熱性を考慮すると0.1g/10分以上100g/10分以下である。クロス共重合体とPPE樹脂からなる樹脂組成物のMFRや溶融粘度、張力は、その配合組成や原料樹脂により任意に調整できる点がメリットであるが、例えば保護層の樹脂と支持層の樹脂からなる多層シートを、経済的に有利な共押出法により製造しようとする場合、スキルを有する当業者は両者のMFRや溶融粘度、張力を比較的近い適切な範囲に調整することが出来る。
さらに本発明の裏面保護シ−トの支持層には、入射した光を効率よく反射または散乱し再度利用可能にするために白色の顔料を添加することも出来る。このような白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化アルミニウム等の金属酸化物;炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機化合物のうちの1種類のみを単独で用いても良く、2種類以上を併用して用いても良い。本発明においては、なかでも酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウムを好ましく用いることができ、さらに好ましくは、少ない添加量で十分な光反射性や散乱性を示す酸化チタンを用いることができる。
本発明の樹脂あるいはそのシートを熱可塑性の太陽光発電装置用封止材として用いるには、封止材としての特性向上を目的として、必要に応じて下記「老化防止剤」を加える事ができる。
支持層に用いられるクロス共重合体系樹脂には老化防止剤を添加することができる。例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、ビタミンE系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。その使用量は、樹脂組成物100質量部に対して3量部以下である。
本裏面保護シ−トの支持層には、他に本発明の目的を損なわない範囲内で必要に応じて、通常の樹脂に用いられる添加剤、例えば帯電防止剤、着色剤、滑剤、発泡剤、難燃剤、難燃助剤等を添加しても良い。
ドライラミネート法や押出ラミネ−ト法において用いる着剤層(接着剤)としては、例えば、ポリ酢酸ビニル系接着剤、ポリアクリル酸エステル系接着剤、反応型(メタ)アクリル系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸、メタクリル酸等のモノマーとの共重合体等からなるエチレン共重合体系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、尿素樹脂またはメラミン樹脂等からなるアミノ樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリウレタン系接着剤、クロロプレンゴム、スチレンーブタジエンゴム等からなるゴム系接着剤、その他等の接着剤を使用することができる。上記の接着剤の組成系は、水性型、溶液型、エマルジョン型、分散型等のいずれの組成物形態でもよく、また、その性状は、フィルム・シート状、粉末状、固形状等のいずれの形態でもよく、更に、接着機構については、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれの形態でもよいものである。而して、上記の接着剤は、例えば、ロールコート法、グラビアロールコート法、キスコート法、その他等のコート法、あるいは、印刷法等によって施すことができ、そのコーティング量としては、0.1〜10g/m2 (乾燥状態)位が望ましい。
以上は加水分解縮合性基としてメトキシ基、エトキシ基を有する例であるが、トリイソプロポキシ基やアセトキシ基も使用できる。
シランカップリング剤の使用量に特に制限はないが、樹脂に混練等で添加する場合、一般的には樹脂に対し0.05質量%〜10質量%の範囲で用いられる。塗布する場合、一般的に0.1g/m2〜20g/m2の範囲で用いられる。
カップリング剤を添加または塗布し、必要に応じてさらにエネルギー線を照射することを特徴とする、支持層のクロス共重合体系樹脂シートと保護層のフッ素樹脂シ−トの新規接着方法は以下の通りである。
クロス共重合体系樹脂及び/またはフッ素樹脂からなるシ−トにカップリング剤を塗布する場合、その塗布の方法は任意の公知の方法を用いることが出来る。塗布方法として例えばグラビアコーティング法、ロールコーティング法あるいはディップコーティング法、噴霧法等公知の方法が例示できる。この際、カップリング剤は適当な溶媒に希釈して用いても、希釈せずに用いても良い。
その後、必要に応じて、これらシ−トに対しエネルギー線を照射することができる。エネルギー線を照射することで、層間接着力が増加し、安定することが期待できる。エネルギー線の照射は、カップリング剤を添加混練、または塗布した方の樹脂シ−トに対して行う。
クロス共重合体系樹脂及び/またはフッ素樹脂にカップリング剤を添加、混練する場合、支持層のクロス共重合体系樹脂シートと保護層のフッ素樹脂シ−トの接着は、共押出法やカップリング剤を添加混練した樹脂の押出による押出ラミネート法で行うのが好ましく、特に共押出法で行うのが経済的に最も好ましい。また、クロス共重合体系樹脂及び/またはフッ素樹脂にカップリング剤を塗布する場合には、支持層のクロス共重合体系樹脂シートと保護層のフッ素樹脂シ−トの接着は熱ラミネーションまたはカップリング剤塗布樹脂シ−トに対する押出ラミネーションが好ましく、特に熱ラミネーションが好ましい。
本加速電圧は、シ−トの厚さ等により適切に制御する。本発明において、電子線処理による表面近傍の樹脂とカップリング剤間の相互作用強化による接着性付与を目的とする場合には、電子線の加速電圧は低い方が好ましく、好ましくは10keV〜250keV、さらに好ましくは10keV〜150keVである。ここで言う相互作用強化とは、例えば表面近傍の樹脂やカップリング剤間のグラフト、架橋、化学反応、分子鎖の絡み合い等、接着性強化に繋がる化学的あるいは物理的相互作用の強化を示す。エネルギー線の照射は、カップリング剤を樹脂に添加する場合、シ−トに塗布する場合共に同様に行われるが、樹脂方面近傍のみの相互作用強化が目的である場合、カップリング剤の利用効率の高さという観点からは、カップリング剤の塗布が好ましい。カップリング剤の塗布の場合、エネルギー線は塗布面に対し照射する。
<原料樹脂>
実施例、比較例に用いた原料樹脂は以下の通りである。
下記クロス共重合体は、WO2000/37517、またはWO2007/139116号公報記載の製造方法で製造したもので、下記組成は、同様にこれら公報記載の方法で求めた。これらのクロス共重合体は配位重合により得られるエチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体とスチレンモノマーの共存下でアニオン重合を行うことにより得られる、エチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体鎖とポリスチレン鎖を有する共重合体である。以下、クロス共重合体を規定するために、用いられるエチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体のスチレン含量、ジビニルベンゼン含量、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)、クロス共重合体中のエチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の含量、ポリスチレン鎖の分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を示す。また、全スチレン含量は、クロス共重合体に含まれるエチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体鎖とポリスチレン鎖に含まれるスチレン含量を合計した含量である。
エチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体のスチレン含量25モル%、ジビニルベンゼン含量0.035モル%、Mw=90000、Mw/Mn=2.3
エチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の含量67質量%、
ポリスチレン鎖のMw=44000、Mw/Mn=1.2
全スチレン含量70質量%
<クロス共重合体B>
エチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体のスチレン含量26モル%、ジビニルベンゼン含量0.035モル%、Mw=114000、Mw/Mn=2.3
エチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の含量80質量%、
ポリスチレン鎖のMw=23000、Mw/Mn=1.2
全スチレン含量65質量%
<クロス共重合体C>
エチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体のスチレン含量16モル%、ジビニルベンゼン含量0.045モル%、Mw=90000、Mw/Mn=2.3
エチレン−スチレン−ジビニルベンゼン共重合体の含量80質量%、
ポリスチレン鎖のMw=26000、Mw/Mn=1.2
全スチレン含量53質量%
上記クロス共重合体Aを80質量部、PPE樹脂(PX−100L、三菱エンジニアリングプラスチック社製)20質量部、酸化防止剤Irganox1076、0.2質量部、紫外線吸収剤、光安定剤、それぞれLA36、LA77Y各0.3質量部を容量250mlバンバリー混練機(ラボプラストミル)で、250℃、10分間混練して得た。
<クロス共重合体/PPEコンパウンド2>
上記クロス共重合体Bを80質量部、PPE樹脂(PX−100L、三菱エンジニアリングプラスチック社製)20質量部、酸化防止剤Irganox1076、0.2質量部、紫外線吸収剤、光安定剤、それぞれLA36、LA77Y各0.3質量部を容量250mlバンバリー混練機(ラボプラストミル)で、250℃、10分間混練して得た。
<クロス共重合体/PPEコンパウンド3>
上記クロス共重合体Bを50質量部、PPE樹脂(PX−100F、三菱エンジニアリングプラスチック社製)50質量部、酸化防止剤Irganox1076、0.2質量部、紫外線吸収剤、光安定剤、それぞれLA36、LA77Y各0.3質量部を容量250mlバンバリー混練機で、250℃、10分間混練して得た。
<クロス共重合体/PPEコンパウンド4>
上記クロス共重合体Cを70質量部、PPE樹脂(PX−100F、三菱エンジニアリングプラスチック社製)30質量部、酸化防止剤Irganox1076、0.2質量部、紫外線吸収剤、光安定剤、それぞれLA36、LA77Y各0.3質量部を容量250mlバンバリー混練機で、250℃、10分間混練して得た。
電気化学工業(株)製DXフィルム:PVDF(アルケマ社製カイナー740)80質量%、ポリメチルメタアクリレート樹脂(三菱レーヨン社製HBS000)20質量%、厚さ20μmを用いた。
耐光剤はLA36(紫外線吸収剤)、LA77Y(光安定剤)いずれも株式会社ADEKA製を用いた。
酸化防止剤はチバ・ジャパン株式会社製Irganox1076を用いた。
ウレタン系接着剤
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(2.0重量%)を含有する2液硬化型のウレタン系ラミネ−ト用接着剤を用いた。
バンバリ式混練機(ラボプラストミル)を使用し、クロス共重合体とPPE樹脂、及び添加物の合計約250gを250℃、100rpm、10分間混練して樹脂組成物を作製した。
クロス共重合体及びコンパウンド1のサンプルシートは加熱プレス法で温度200℃、時間3分間、圧力50kg/cm2の条件下成形した。クロス共重合体コンパウンド2,3のサンプルシートは、温度250℃、時間3分間、圧力50kg/cm2の条件下成形した。
JIS K−6251に準拠し、得られたフィルムを2号1/2号型テストピース形状にカットし、島津製作所AGS−100D型引張試験機を用い、引張速度500mm/minにて初期引張弾性率、破断点伸び、破断強度を測定した。
硬度はJIS K−7215プラスチックのデュロメーター硬さ試験法に準じてタイプAのデュロメーター硬度を求めた。この硬度は瞬間値である。
クロス共重合体/PPEコンパウンドは、幅100mm、長さ200mm、厚さ0.2mmのプレスシートを用いた。加熱ラミネーションは、150℃の金属ロ−ルと130℃のゴムロール、ロール圧力0.3MPa、に0.5m/minで通過させることで行った。接着層としてホットメルト樹脂を用いる場合、厚さ20μmのホットメルト樹脂シートを、接着用樹脂を用いる場合は厚さ30μmの樹脂シ−トを支持層と保護層シ−トの間に挟み、同様の条件で実施した。
<多層シ−ト作成:ウレタン接着剤使用>
一方、ウレタン系接着剤を用いる場合は、2液硬化型のウレタン系接着剤を使用し、これを、グラビアロールコート法により、一方のシート上に5g/m2 (乾燥状態)になるようにコーティングした。もう一方のシートと対面させ、上記50℃のロールと通過させドライラミネーションを行った。その後50℃で5日間エージングを行った。
多層シートを幅15mm、長さ150mmの短冊状にカットし、島津製作所AGS−100D型引張試験機を用い、T型剥離法、引張速度100mm/minにて測定した。剥離強度8N/15mm以上を層間接着力合格(表中丸印)とした。
水蒸気透過率は、クロス共重合体/PPEコンパウンドは0.5mm厚さシートを用い、多層シートはそのままの厚さで、JISZ0208カップ法に従い、40℃、湿度90%の条件で100時間まで測定した。
クロス共重合体/PPEコンパウンドは0.5mm厚さシートを用い、多層シートはそのままの厚さでJISK6911に従い、室温(23℃)で測定した。
クロス共重合体/PPEコンパウンドは0.5mm厚さシートを用い、多層シートはそのままの厚さでJISC2110に従い、室温(23℃)で測定した。
3.2mm厚さの強化ガラスに密着させた0.5mm厚さシートを用い、フェードメータ−(光源カ−ボンア−クランプJISD0205)、シャワー無し、ブラックパネル温度83℃、1000時間の条件で実施した。光はガラス面から照射した。
試験後のサンプルを短冊状に切断し、 JIS K−6251に準拠し島津製作所社製AGS−100D型引張試験機を用いて、引張速度500mm/minにて引っ張り試験を行った。耐候性試験前と比較し、破断点強度、破断点伸びの変化がプラスマイナス20%以下である場合、合格とした。
クロス共重合体/PPEコンパウンド1を用いて得られた0.2mm厚さの支持層シートと保護層であるPVDF系樹脂シートをウレタン系接着剤で接着した。50℃で5日間保持し、ウレタン接着層を安定化して裏面保護シートを得た。支持層と保護層界面の層間接着力測定を行ったところ、剥離強度約10N/15mm以上で、保護層シートが材料破壊した。
実施例1と同様にして、ただし支持層シ−トと保護層であるPVDF系樹脂シートの接着をホットメルト樹脂シートで用いて行った。すなわち、支持層シートとPVDF系樹脂シートの間にホットメルト樹脂シート厚さ20μmを挟み、上記の加熱ラミネーションにより多層化し裏面保護シートを得た。支持層と保護層界面の層間接着力測定を行ったところ、剥離強度約10N/15mm以上で、保護層シートが材料破壊した。
クロス共重合体/PPEコンパウンド2、3、4を用いて得られた0.30mm厚さの支持層シートと保護層であるPVDF系樹脂シートをウレタン系接着剤でラミネーションし接着した。50℃で5日間保持し、ウレタン接着層を安定化して裏面保護シートを得た。支持層と保護層界面の層間接着力測定を行ったところ、剥離強度約10N/15mm以上で、保護層シートが材料破壊した。
クロス共重合体/PPEコンパウンド2を用いて得られた0.30mm厚さの支持層シートに下記の様にしてシランカップリング剤を塗布した。
シクロヘキサンに対し、シランカップリング剤(エボニック社製1146)を25質量%の濃度で溶解し、塗布用の溶液を調整した。上記のシ−トに、バーコーターを用い上記シクロヘキサン溶液を開口厚さ4.6ミクロンで塗布した。その後ドラフト中で一昼夜乾燥した。
本シ−トと保護層であるPVDF系樹脂シート(コロナ処理済み)を上記加熱ラミネーションで接着して裏面保護シートを得た。支持層と保護層界面の層間接着力測定を行ったところ、剥離強度約10N/15mm以上で、保護層シートが材料破壊した。
クロス共重合体/PPEコンパウンド2を用いて得られた0.30mm厚さの支持層シートに下記の様にしてシランカップリング剤を塗布した。
シクロヘキサンに対し、シランカップリング剤:3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学KBE−903)を2質量%の濃度で溶解し、塗布用の溶液を調整した。上記のシ−トに、バーコーターを用い上記シクロヘキサン溶液を開口厚さ45.7ミクロンで塗布した。その後ドラフト中で一昼夜乾燥した。
得られたシ−トのカップリング剤塗布面に対し、加速電圧125kVで50kGyの電子線照射を1回行った。照射から数日後、本シ−トと保護層であるPVDF系樹脂シート(コロナ処理済み)を上記加熱ラミネーションで接着して裏面保護シートを得た。支持層と保護層界面の層間接着力測定を行ったところ、剥離強度約10N/15mm以上で、保護層シートが材料破壊した。
クロス共重合体/PPEコンパウンド2を用いて得られた0.30mm厚さの支持層シートと保護層であるPVDF系樹脂シートを接着用樹脂フィルム(日油株式会社製モデイパーA4100、厚さ30μm)を間に挟み、上記の加熱ラミネーションにより接着した。支持層と保護層界面の層間接着力測定を行ったところ、剥離強度約10N/15mm以上で、保護層シートが材料破壊した。
PVF(20ミクロン)/PET(250ミクロン)/PVF(20ミクロン)3層構成のバックシートを用い各種測定を行った。
クロス共重合体/PPEコンパウンド2を用いて得られた0.3mm厚さの支持層シートとEVA封止材シート(厚さ0.4mm)を重ね合わせ、NPC社製真空ラミネーター中で0.1MPaで150℃、30分間真空ラミネート処理を行い、封止材層を架橋した。その後支持層と封止材層界面の層間接着力測定を行ったところ、剥離強度約20N/15mm以上であることを確認した。
Claims (6)
- 少なくとも、フッ素系樹脂からなる保護層とクロス共重合体系樹脂からなる支持層から構成される裏面保護シート。
- クロス共重合体系樹脂に用いられるクロス共重合体が、芳香族ビニル化合物とオレフィンモノマーから構成されることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電モジュ−ル用裏面保護シート。
- クロス共重合体系樹脂がクロス共重合体及び少なくとも1種以上の熱可塑性樹脂から構成され、クロス共重合体を40質量%以上含む樹脂組成物から構成されることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電モジュ−ル用裏面保護シート。
- クロス共重合体系樹脂がクロス共重合体とポリフェニレンエーテル系樹脂から構成されることを特徴とする請求項3記載の太陽光発電モジュ−ル用裏面保護シート。
- フッ素系樹脂がポリビニリデンフルオライド(PVDF)系樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の太陽光発電モジュ−ル用裏面保護シート。
- 請求項1〜5のいずれか一項記載の太陽光発電モジュ−ル用裏面保護シートを構成要素として含む太陽光発電モジュール。
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