以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係る遊技台(例えば、スロットマシン100等の回胴遊技機やパチンコ機等の弾球遊技機)について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
まず、本発明の第1の実施形態に係るスロットマシン100について説明する。
<全体構成>
まず、図1および2を用いて、スロットマシン100の全体構成について説明する。図1は、スロットマシン100の外観斜視図を示したものである。
図1に示すスロットマシン100は、本体101と、本体101の正面に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には、(図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110乃至112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110乃至112が構成されている。リール110乃至112上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110乃至112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール110乃至112は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール110乃至112の背面には、図柄表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110乃至112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110乃至112を停止させる。
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン114は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン114の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよく、ベット数に関係なく、一律に同一数の入賞ラインを有効な入賞ラインとして設定してもよい。
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
ベットボタン130乃至132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130乃至132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器とした。
スタートレバー135は、リール110乃至112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130乃至132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110乃至112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット136には、ストップボタン137乃至139が設けられている。ストップボタン137乃至139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110乃至112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110乃至112に対応づけられている。以下、ストップボタン137乃至139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン137乃至139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137乃至139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。音孔159は、スロットマシン100内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は、遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には音孔143が設けられている。
この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された液晶表示装置157(演出画像表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが液晶表示装置157の手前で水平方向外側に開くと液晶表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。
図2は、前面扉102を開けた状態のスロットマシン100を示す正面図である。本体101は、上面板261、左側の側面板260、右側の側面板260、下面板264および背面板242で囲われ、前面に開口する箱体である。本体101の内部には、背面板242の上部に設けた通風口249と重ならない位置に、内部に主制御基板を収納した主制御基板収納ケース210が配置され、この主制御基板収納ケース210の下方に、3つのリール110乃至112が配置されている。主制御基板収納ケース210及びリール110乃至112の側方、即ち向って左側の側面板260には、内部に副制御基板を収納した副制御基板収納ケース220が配設してある。また、向かって右側の側面板260には、主制御基板に接続されて、スロットマシン100の情報を外部装置に出力する外部集中端子板248が取り付けられている。
そして、下面板264には、メダル払出装置180(バケットに溜まったメダルを払出す装置)が配設され、このメダル払出装置180の上方、即ちリール110乃至112の下方には、電源基板を有する電源装置252が配設され、電源装置252正面には電源スイッチ244を配設している。電源装置252は、スロットマシン100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して後述する主制御部300、副制御部400、500等の各制御部、各装置に供給する。さらには、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
メダル払出装置180の右側には、メダル補助収納庫240が配設してあり、この背後にはオーバーフロー端子が配設されている(図示省略)。電源装置252には、電源コード265を接続する電源コード接続部が設けられ、ここに接続された電源コード265が、本体101の背面板242に開設した電源コード用穴262を通して外部に延出している。
前面扉102は、本体101の左側の側面板260にヒンジ装置276を介して蝶着され、図柄表示窓113の上部には、演出装置160、および、この演出装置160を制御する演出制御基板(図示省略)、上部スピーカ272、を設けている。図柄表示窓113の下部には、投入されたメダルを選別するためのメダルセレクタ170、このメダルセレクタ170が不正なメダル等をメダル受皿161に落下させる際にメダルが通過する通路266等を設けている。さらに、音孔159に対応する位置には低音スピーカ277を設けている。
<制御部>
次に、図3を用いて、スロットマシン100の制御部の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は、制御部の回路ブロック図を示したものである。
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの停止位置等を記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドックタイマ)314を搭載している。
なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
主制御部300は、水晶発振器315aと、0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、スタートレバー135センサ、ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、リール112のインデックスセンサ、等)の状態を監視している。
なお、センサ回路320がスタートレバー135センサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数値生成回路316に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。ストップボタン137センサ、ストップボタン138センサ、および、ストップボタン139センサは、各々のストップボタン137乃至139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、メダル投入ボタン130乃至132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
リール110のインデックスセンサ、リール111のインデックスセンサ、および、リール112のインデックスセンサは、各リール110乃至112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。CPU304は、この信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。
主制御部300は、リール装置110乃至112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ600に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ338(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
また、基本回路302には、情報出力回路334(外部集中端子板248)を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300は、電源管理部(図示しない)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406は、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等を記憶する。
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
また、第1副制御部400には、音源IC418を設けており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277を設けている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS−ROM(サウンドROM)が接続されており、このS−ROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネル162ランプ、等)が接続されている。また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。
第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御および各種演出用駆動装置165の制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、液晶表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置165の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
<主制御基板収納ケース>
次に、図4乃至6を用いて、本実施形態の主制御基板収納ケース210について説明する。図4(a)は、主制御基板収納ケース210の正面図であり、同図(b)は、主制御基板収納ケース210の背面図である。また、図5(a)は、主制御基板収納ケース210の外観斜視図であり、同図(b)は、主制御基板収納ケース210の分解斜視図である。
これらの図に示されるように、主制御基板収納ケース210は、底面が略矩形の角皿状である基板収納体211および蓋体212を合体させることにより構成される箱状の部材である。この主制御基板収納ケース210の内部の空間には、主制御部300を構成する主制御基板213が収納される。この主制御部213には、遊技制御を行うCPU304と共にROM306やRAM308等の電子部品が実装されている。
基板収納体211の下側縁には門型のヒンジ部211aが2箇所に設けられ、左右側縁の上部には矩形状の突起である係止凸部211bがそれぞれ設けられている。そして、蓋体212の下側縁にはヒンジ部211aと係合するフック状のフック部212aが2箇所に設けられ、左右側縁の上部には係止凸部211bと係止する開口を備える係止舌片212bがそれぞれ設けられている。
従って、主制御基板収納ケース210を組み立てる場合には、まず、蓋体212のフック部212aを基板収納体211のヒンジ部211aに係合させ、次に、ヒンジ部211aを中心に蓋体212を揺動させて基板収納体211と蓋体212を組み合わせると共に、蓋体212の係止舌片212bを基板収納体211の係止凸部211bに係止させる。
主制御基板213は、ネジ213aによって角部を基板収納体211に固定された状態で、主制御基板収納ケース210内部に収納される。なお、基板収納体211および蓋体212は、それぞれ透明または半透明の樹脂から構成されており、主制御基板収納ケース210内部に収納された主制御基板211を外部から視認することが可能となっている。
主制御基板収納ケース210の上部には、封止ピン214を挿入して基板収納体211と蓋体212を分離できないように封止(封印、かしめ)するための封止部700が、4箇所に設けられている。この封止部700は、基板収納体211に形成された基板側封止部710、および蓋体212に形成された蓋側封止部720から構成されている。
基板側封止部710および蓋側封止部720は、基板収納体211および蓋体212を合体させた場合に、基板側封止部710が蓋側封止部720内に収容され、封止ピン214が挿入される挿入孔がそれぞれ連通するように構成されている。そして、この連通した挿入孔に挿入された封止ピン214が、基板側封止部710および蓋側封止部720のそれぞれに取り外し不可能に係止するようになっている。すなわち、封止部700は、挿入された封止ピン214によって基板側封止部710と蓋側封止部720が互いに分離不可能に結合されることで、主制御基板収納ケース210を封止するように構成されている。
なお、封止ピン214は、連結部材214aによって2つが連結された状態となっている。また、封止部700は、封止ピン214を蓋側封止部720のみに係止させることによって封止ピン214を仮止めできるように構成されている。
図6(a)は、図5(b)におけるA部およびB部の拡大図であり、基板収納体211および蓋体212を合体させた状態を示している。また、図6(b)は、一旦封止した主制御基板収納ケース210を開封した状態を示した斜視図である。
一旦封止した主制御基板収納ケース210を開封する場合には、図6(a)に示されるように、蓋側封止部720と蓋体212を接続する4つの接続部720aを切断し、蓋側封止部720を蓋体212から切り離す。さらに、封止ピン214の連結部材214aを切断する。これにより、基板収納体211と蓋体212の結合が解除され、図6(b)に示されるように、主制御基板収納ケース210を開封することができる。
基板収納体211および蓋体212を分離した後は、図6(b)に示されるように、蓋側封止部720が基板側封止部710と結合したまま基板収納体211に残ることととなり、主制御基板収納ケース210を開封した痕跡が残るようになっている。なお、本実施形態では、封止部700を4箇所に設けているため、主制御基板収納ケース210の封止を4回行うことができるようになっている。
図4および5に戻って、主制御基板収納ケース210の上部中央は、封印シール215を貼付ける部分となっている。基板収納体211の上部中央には、正面側(蓋体212側)に向けて突出する矩形状の凸部211cが設けられており、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、蓋体212の上部中央に設けられた凹部212c内に収容されるようになっている。そして、封印シール215は、基板収納体211の凸部211cの表面とその下方の蓋体212の表面に跨って貼付けられる。従って、主制御基板収納ケース210を開封するには、封止部700による封止の解除と共に、封印シール215を剥がす、または破断する必要があり、これによっても主制御基板収納ケース210を開封した痕跡が残るようになっている。すなわち、主制御基板収納ケース210は、封止部700と共に封印シール215よっても封止されている。
<封止部>
本実施形態では、主制御基板収納ケース210において、封止部700に本発明の第一の内壁部730および第二の内壁部740を設けることにより、複数の主制御基板収納ケース210から取り出した部材を組み合わせて新たな主制御基板収納ケース210を再生する不正行為を防止するようにしている。以下、図7乃至10を用いて、封止部700の構成について詳細に説明する。
図7(a)は、基板側封止部710を拡大して示した斜視図であり、正面側(蓋体212側)から見た場合を示している。同図に示されるように、基板側封止部710は、基板収納体211の外周に面した(外側周囲に面した)外壁部711と、外壁部711から蓋体212側に向けて突設された略矩形断面の筒状の係止部712と、から構成されている。
外壁部711は、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、主制御基板収納ケース210の背面側から蓋側封止部720および封止ピン214を遮蔽するように、背面外側に面する壁状に形成されている。また、係止部712は、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、蓋側封止部720の下部内に挿入されるように形成されており、封止ピン214が係止する部分となっている。従って、係止部712の上部には、封止ピン214の先端部が挿入される挿入孔713が設けられている。なお、係止部712の周囲には、蓋体212を適宜に位置決めするためのガイド枠714が形成されている。
図7(b)は、封止ピン214の外観斜視図である。同図に示されるように、封止ピン214は、略円柱状の基部214bと、基部214bから突設された略棒状の挿入部214cと、挿入部214の先端部に設けられた舌片状の基板側係止片214dと、挿入部214cの基端部近傍に設けられた舌片状の蓋側係止片214eと、から構成されている。また、封止ピン214は、連結部材214aによって連結されることにより、二つで一組となっている。
図8(a)および(b)は、蓋側封止部720を拡大して示した斜視図であり、背面側(基板収納体211側)から見た場合を示している。これらの図に示されるように、蓋側封止部720は、基板収納体211側が開口した略直方体の箱状に形成されている。
蓋側封止部720は、正面側部分は、蓋体212の外周に面した(外側周囲に面した)外壁部721となっている。外壁部721は、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、主制御基板収納ケース210の正面側から基板側封止部710および封止ピン214を遮蔽するように、正面外側に面する壁状に形成されている。
蓋側封止部720の上部には、封止ピン214が挿入される上部挿入孔722が設けられており、この上部挿入孔722の周囲には、封止ピン214の基部214bを囲む防護枠722aが形成されている。また、蓋側封止部720の内部には、蓋側封止部720の内部を上下に2分割する仕切壁723が設けられており、この仕切壁723には、上部挿入孔722と連通する下部挿入孔724が形成されている。
蓋側封止部720の内部は、この仕切壁723によって上下に2分割されており、下側部分は基板側封止部710の係止部712が挿入される挿入部725となっている。従って、上部挿入孔722および下部挿入孔724は、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、基板収納体211の挿入孔713と連通するようになっている。
蓋側封止部720の上側部分は、背面側に略矩形状の板部材726が溶着等によって固定されることで、閉塞されるようになっている。また、挿入部725の内部には、挿入された封止ピン214の先端を受ける受け部727が設けられており、この受け部727は、挿入部725内に基板側封止部710の係止部712が挿入された場合に、筒状の係止部712内に嵌り込むように形成されている。また、受け部724の先端には、遮蔽板728が設けられている。
本実施形態では、遮蔽板728によって、本発明の内壁部、具体的には挿入された封止ピン214の先端部を遮蔽する第一の内壁部730を構成している。また、蓋側封止部720の上側部分を塞ぐ板部材726によって、本発明の内壁部であり、挿入された封止ピン214の基端部を遮蔽する第二の内壁部740を構成している。
図9(a)は、主制御基板収納ケース210の一部を示した平面図であり、同図(b)は、同図(a)のC−C線断面を拡大して示した断面図である。なお、これらの図では、図の左側の封止部700が封止状態であり、図の右側の封止部700が封止ピン214を仮止めした仮止め状態となっている。
同図(b)に示されるように、封止状態においては、封止ピン214の挿入部214cが、蓋側封止部720の上部挿入孔722および下部挿入孔724、ならびに基板側封止部710の挿入孔713を通して挿入され、先端部が基板側封止部710の係止部712内において蓋側封止部720の受け部727に略当接した状態となっている。
そして、封止ピン214は、基板側係止片214dが基板側封止部710の係止部712の上部に係止し、蓋側係止片214eが蓋側封止部720の上部に係止した状態となっている。これにより、基板側封止部710および蓋側封止部720は分離不可能に結合され、主制御基板収納ケース210が封止される。なお、本実施形態では、防護枠722aによって封止ピン214の基部214bを囲むと共に、受け部727によって基板側係止片214eの変形を制限することにより、封止状態の封止ピン214を取り外そうとする行為が困難となるようにしている。
封止ピン214を仮止めした状態においては、挿入部214cが蓋側封止部720の上部挿入孔722のみに挿入された状態となっている。これにより、基板側係止片214dが蓋側封止部720の上部に係止した状態となるため、封止ピン214の紛失を防止することができる。
図10(a)は、主制御基板収納ケース210の正面図であり、同図(b)は、同図(a)のD−D線断面図であり、同図(c)は、同図(a)のE−E線断面図である。なお、同図(b)は仮止め状態を示しており、同図(c)は封止状態を示している。
上述のように、本実施形態では、封止部700において、蓋体212の一部である第一の内壁部730および第二の内壁部740を設けている。この第一の内壁部730および第二の内壁部740は、同図(b)および(c)に示されるように、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、基板収納体211の一部である基板側封止部710の外壁部711と、挿入された封止ピン214の挿入部214cの間の空隙に配置されるようになっている。
具体的には、第一の内壁部730は、封止状態において、基板側封止部710の外壁部711と封止ピン214の先端部の基板側係止片214dとの間の空隙に配置され、基板側係止片214dを遮蔽するようになっている(同図(c)参照)。また、第二の内壁部740は、封止状態においては、基板側封止部710の外壁部711と封止ピン214の基端側の蓋側係止片214eとの間の空隙に配置されて蓋側係止片214eを遮蔽し(同図(c)参照)、仮止め状態においては、基板側封止部710の外壁部711と封止ピン214の先端部の基板側係止片214dとの間の空隙に配置されて基板側係止片214dを遮蔽するようになっている(同図(b)参照)。
すなわち、本実施形態では、封止状態においては、基板側係止部710の係止部712に係止している基板側係止片214dは、第一の内壁部730および基板側封止部710の外壁部711によって二重に遮蔽され、蓋側封止部720に係止している蓋側係止片214eは、第二の内壁部740および基板側封止部710の外壁部711によって二重に遮蔽されるようになっている。また、仮止め状態においては、蓋側封止部720に係止している基板側係止部214dは、第二の内壁部740および基板側封止部710の外壁部711によって二重に遮蔽されるようになっている。
本実施形態では、このように、封止部700のいずれかの部分に係止している封止ピン214の基板側係止片214dおよび蓋側係止片214eを、基板側封止部710の外壁部711および第一の内壁部730または第二の内壁部740によって二重に遮蔽するようにしている。このようにすることで、封止ピン214にアクセスして取り外そうとする行為が困難となるため、主制御基板収納ケース210の封止状態を不正に解除しようとする不正行為を効果的に防止することができる。
また、本実施形態の構成では、封止ピン214を基板収納体211の一部である外壁部711と、蓋体212の一部である第一の内壁部730または第二の内壁部740とによって二重に遮蔽しているため、基板収納体211または蓋体212のいずれか一方のみを破壊して封止状態を解除したり、封止ピン214を取り外したりする行為を困難にすることができる。従って、本実施形態によれば、複数の主制御基板収納ケース210を部分的に破壊して取り出した基板収納体211、蓋体212および封止ピン214等の部材を組み合わせて、新たな主制御基板収納ケース210を再生する不正行為(いわゆるニコイチ不正)を防止することが可能となっている。
なお、本実施形態では、基板側封止部710および蓋側封止部720を、基板収納体211および蓋体212と同様に透明または半透明の素材から構成すると共に、第一の内壁部730および第二の内壁部740について、少なくとも基板側封止部710の外壁部711に対向する対向面を着色するまたは有色の素材から構成するようにしている。従って、本実施形態では、第一の内壁部730および第二の内壁部740の状態を、透明または半透明の基板側封止部710の外壁711を通して外部から容易に視認できるようになっている。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態に係るスロットマシンは、上記第1の実施形態に係るスロットマシン100において封止部700の構成を一部変更したものであり、他の構造については同一である。このため、同一部分については図中において同じ符号を付すと共にその説明は省略し、以下、図11乃至14を用いて、封止部700についてのみ説明する。
<封止部>
図11(a)および(b)は、本実施形態の基板側封止部710を拡大して示した斜視図であり、正面側(蓋体212側)から見た場合を示している。これらの図に示されるように、本実施形態の基板側封止部710は、係止部712の正面側の先端に略矩形状の板部材715が溶着等によって固定され、係止部712内部が閉塞されるようになっている。そして、本実施形態では、この係止部712の内部を塞ぐ板部材715および係止部712の周壁712aによって、挿入された封止ピン214の先端部を遮蔽する本発明の第一の内壁部730を構成している。
図12(a)および(b)は、本実施形態の蓋側封止部720を拡大して示した斜視図であり、背面側(基板収納体211側)から見た場合を示している。本実施形態の蓋側封止部720は、基板側封止部710において係止部712の先端を塞いだことにより、受け部727および遮蔽板728を省略した構成となっている。
図13(a)は、主制御基板収納ケース210の一部を示した平面図であり、同図(b)は、同図(a)のF−F線断面を拡大して示した断面図である。なお、これらの図では、図の左側の封止部700が封止状態であり、図の右側の封止部700が仮止め状態となっている。
同図(b)に示されるように、封止状態においては、封止ピン214の挿入部214cが、蓋側封止部720の上部挿入孔722および下部挿入孔724、ならびに基板側封止部710の挿入孔713を通して挿入され、先端部が基板側封止部710の係止部712内に収容された状態となっている。
封止状態において、封止ピン214は、基板側係止片214dが基板側封止部710の係止部712の上部に係止し、蓋側係止片214eが蓋側封止部720の上部に係止した状態となっており、これにより、主制御基板収納ケース210が封止されるようになっている。また、仮止め状態においては、封止ピン214の挿入部214cが蓋側封止部720の上部挿入孔722のみに挿入された状態となっており、基板側係止片214dが蓋側封止部720の上部に係止した状態となっている。
図14(a)は、主制御基板収納ケース210の正面図であり、同図(b)は、同図(a)のG−G線断面図である。なお、同図(b)は封止状態を示している。本実施形態では、同図(b)に示されるように、第一の内壁部730は、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、蓋側封止部720の外壁部721と、挿入された封止ピン214の挿入部214cの間の空隙に配置されるようになっている。
従って、本実施形態では、封止状態において基板側係止部710の係止部712に係止している基板側係止片214dは、第一の内壁部730および蓋側封止部720の外壁部721によって二重に遮蔽されるようになっている。さらに、本実施形態では、係止部712の周壁部712aによっても第一の内壁部730を構成しているため、封止状態において基板側係止片214dは、上下左右からも第一の内壁部730によって囲まれた状態となっている。すなわち、本実施形態の第一の内壁部730は、封止ピン214の基板側係止片214dを囲む形状となっている。
このようにすることで、封止ピン214にアクセスして取り外そうとする行為がより困難となるため、主制御基板収納ケース210の封止状態を不正に解除しようとする不正行為を効果的に防止することができる。また、基板収納体211または蓋体212のいずれか一方のみを破壊して封止状態を解除したり、封止ピン214を取り外したりする行為がより困難となるため、いわゆるニコイチ不正を防止することができる。
特に、本実施形態では、封止ピン214を取り外そうとして挿入部214cを切断した場合に、基板側係止片214dを含む先端部を第一の内壁部730と外壁部711に囲まれた空間内に残すことができるため、基板収納体211または蓋体212のいずれか一方のみを破壊して封止ピン214を取り外そうとする行為を非常に困難にすることができる。
なお、本実施形態(および第1の実施形態)では、封止ピン214の挿入部214cを切断した場合、蓋側係止片214eを含む部分が、板部材726と、蓋側封止部720の周壁部720aの上側部分と、仕切壁723と、外壁部721とによって囲まれた空間内に残されることとなる。すなわち、本実施形態(および第1の実施形態)では、第二の内壁部740は、板部材726と、蓋側封止部720の周壁部720aの上側部分と、仕切壁723から構成され、封止状態において封止ピン214の蓋側係止片214eを囲む形状となっているとみなすことができる。
さらに、本実施形態では、基板収納体211の一部である第一の内壁部730を、蓋体212の一部である蓋側封止部720の外壁部721と封止ピン214の挿入部214c(基板側係止片214d)の間の空隙に配置し、蓋体212の一部である第二の内壁部740を、基板収納体211の一部である基板側封止部710の外壁部711と封止ピン214の挿入部214c(蓋側係止片214e)の間の空隙に配置しているため、基板収納体211または蓋体212のいずれか一方のみを破壊して封止状態を解除したり、封止ピン214を取り外したりする行為が非常に困難となっている。
なお、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、基板側封止部710および蓋側封止部720を透明または半透明の素材から構成すると共に、第一の内壁部730について少なくとも蓋側封止部720の外壁部721に対向する対向面を着色するまたは有色の素材から構成するようにし、第二の内壁部740について少なくとも基板側封止部710の外壁部721に対向する対向面を着色するまたは有色の素材から構成するようにしている。従って、本実施形態では、第一の内壁部730の状態を透明または半透明の蓋側封止部720の外壁721を通して容易に視認すると共に、第二の内壁部740の状態を、透明または半透明の基板側封止部710の外壁711を通して外部から容易に視認できるようになっている。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態に係るスロットマシンは、上記第1の実施形態に係るスロットマシン100において主制御基板収納ケースの構成を変更したものであり、他の構造については同一である。このため、同一部分については図中において同じ符号を付すと共にその説明は省略し、以下、図15および16を用いて、主制御基板収納ケースおよび封止部についてのみ説明する。
<主制御基板収納ケースおよび封止部>
図15(a)は、本実施形態の主制御基板収納ケース800の外観斜視図であり、同図(b)は、主制御基板収納ケース800の分解斜視図である。これらの図に示されるように、主制御基板収納ケース800は、底面が略矩形の角皿状である基板収納体801および蓋体802を合体させることにより構成される箱状の部材であり、この主制御基板収納ケース800の内部の空間には、主制御部300を構成する主制御基板213が収納される。
本実施形態では、基板収納体801および蓋体802は、それぞれの側壁部801aおよび802aを重ねて合体されるように構成されている。具体的には、基板収納体801および蓋体802は、基板収納体801の側壁部801aの外側に蓋体802の側壁部802aを重ねた状態で合体することで、主制御基板収納ケース800を構成する。なお、基板収納体801の側壁部801aには4箇所に係合凸部801bが設けられ、蓋体802の側壁部802aには、この係合凸部801bと係合する係合孔802bが設けられている。
また、本実施形態の主制御基板収納ケース800は、封止ピン810を挿入して基板収納体801と蓋体802を分離できないように封止するための封止部820を、側部の1箇所に備えている。
封止ピン810は、蓋体802に固定される固定部811と、封止部820に挿入される挿入部812と、固定部811と挿入部812を連結する連結部813と、から構成されている。固定部811は、矩形状の部材であり、蓋体802の正面部802cに設けられた係止孔802d内に挿入されて係止する係止部811aを備えている。また、挿入部812は、先端部に係止片812aを備えている。
封止部820は、基板収納体801の側壁部801aと略一体的に設けられた基板側封止部821、および蓋体802の側壁部802aの近傍に設けられた蓋側封止部822から構成されている。基板側封止部821は、基板収納体801の側壁部801aを一部とする略矩形断面の筒状に形成されており、略コの字状断面の周壁部821aを有している。また、基板側封止部821の側壁部801aと共通する部分には、封止ピン810の挿入部812を挿入する挿入孔821bが設けられている。
蓋側封止部822は、略直方体の箱状に形成されており、基板収納体801と蓋体802を合体させた場合に、基板側封止部821の内部に挿入されるようになっている。従って、蓋側封止部822は、蓋体802の側壁部802aのやや内側に設けられている。また、蓋側封止部822の周壁部822aには、基板収納体801と蓋体802を合体させた場合に基板側封止部821の挿入孔821aと連通する挿入孔822bが設けられている。なお、蓋体802の側壁部802aには、封止ピン810の挿入部812の挿入を可能にするために、蓋側封止部822の挿入孔822bが形成された面に対向する部分に切欠部802eが設けられている。
図16(a)は、図15(a)のH−H線断面図であり、図16(b)は、図15(a)のI−I線断面図である。なお、図16(a)および(b)は、封止状態を示している。これらの図に示されるように、封止状態においては、封止ピン810の挿入部812が基板側封止部821の挿入孔821bおよび蓋側封止部822の挿入孔822bを通して挿入され、係止片812aが蓋側封止部822に係止した状態となっている。これにより、本実施形態では、封止ピン810の挿入部812が、基板収納体801および蓋体802が互いに分離する方向へ移動するのを制限することで、主制御基板収納ケース800が封止されるようになっている。
そして、本実施形態では、基板収納体801の側壁部801a、および基板側封止部821の周壁部821aによって、本発明の内壁部830を構成している。また、蓋側封止部822の周壁部822aによって、本発明の第三の内壁部840を構成している。すなわち、本実施形態では、蓋体802の一部である側壁部802aと封止ピン810の挿入部812(係止片812a)の間の空隙に、基板収納体801の一部である内壁部830を二重に配置すると共に、この内壁部830と封止ピン810の挿入部(係止片812a)の間の空隙に、さらに蓋体802の一部である第三の内壁部840を配置している。
このようにすることで、封止ピン810の挿入部812にアクセスして取り外そうとする行為をより困難にすることができる。また、基板収納体801または蓋体802のいずれか一方のみを破壊して封止状態を解除したり、封止ピン810の挿入部812を取り外したりする行為をより困難にすることができる。これにより、いわゆるニコイチ不正を防止することができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。本実施形態に係るスロットマシンは、上記第1の実施形態に係るスロットマシン100において封止部の構成を変更したものであり、他の構造については同一である。このため、同一部分については図中において同じ符号を付すと共にその説明は省略し、以下、図17および18を用いて、封止部についてのみ説明する。
<封止部>
図17(a)および(b)は、本実施形態の主制御基板収納ケース210の一部を示した斜視図である。これらの図に示されるように、本実施形態の封止部900は、ワンウェイネジ901によって基板収納体211と蓋体212を分離できないように封止(封印、かしめ)するように構成されており、主制御基板収納ケース210の側部において4箇所に設けられている。
封止部900は、基板収納体211の側部から突出して形成された略円筒状の基板側封止部910と、同様に蓋体212の側部から突出して形成された略円筒状の蓋側封止部920と、から構成されている。この基板側封止部910および蓋側封止部920は、互いに対向する位置にそれぞれ設けられている。
基板側封止部910は、中心部にワンウェイネジ901のネジ部901aと螺合する螺合孔911が設けられている。また、基板側封止部910の蓋側封止部920と対向する面には、螺合孔911の周囲において円環状の溝部912が形成されている。蓋側封止部920は、中心部にワンウェイネジ901のネジ部901aが挿入される挿入孔921が形成されている。また、蓋側封止部920の基板側封止部910と対向する面には、略円筒状の突出部922が設けられている。
蓋側封止部920の挿入孔921は、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、基板側封止部910の螺合孔911と連通するようになっている。また、蓋側封止部920の突出部922は、基板収納体211と蓋体212を合体させた場合に、基板側封止部910の溝部912内に嵌り込むようになっている。
なお、基板側封止部910は、接続部913を介して基板収納体211に接続されると共に、接続部913を介して基板側封止部910同士が互いに接続されている。同様に、蓋側封止部920は、接続部923を介して蓋体212に接続されている。従って、本実施形態では、この接続部913、923を切断して基板側封止部910および蓋側封止部920を切り離すことによって封止状態を解除するようになっている。
図18(a)および(b)は、封止部900の断面を示した断面図である。なお、同図(a)は、封止前の状態を示しており、同図(b)は、封止状態を示している。同図(b)に示されるように、封止状態では、ワンウェイネジ901のネジ部901aが蓋側封止部920の挿入孔921通して挿入され、蓋側封止部920の挿入孔921の一部および基板側封止部920の螺合孔921と螺合した状態となっており、これにより本実施形態では、主制御基板収納ケース210が封止されるようになっている。また、封止状態では、ワンウェイネジ901の頭部901bは蓋側封止部920の周壁部920aによって囲まれており、容易にアクセスできないようになっている。
上述のように、封止状態では、蓋側封止部920の突出部922が基板側封止部910の溝部912内に収容された状態となっている。そして、基板側封止部910の溝部912の外側の部分は、基板収納体211の外側周囲に面すると共に突出部922を外側から囲む外壁部914を構成している。従って、本実施形態では、蓋側封止部920の突出部922によって、本発明の内壁部930を構成し、基板側封止部910の溝部912の内側の部分によって、本発明の第三の内壁部940を構成している。
すなわち、本実施形態では、基板収納体211の一部である基板側封止部910の外壁部914と、ワンウェイネジ901のネジ部901aの間の空隙に、蓋体212の一部である内壁部930を配置すると共に、この内壁部930とワンウェイネジ901のネジ部901aの間の空隙に、さらに基板収納体211の一部である第三の内壁部940を配置している。
このようにすることで、ワンウェイネジ901にアクセスして取り外そうとする行為をより困難にすることができる。また、基板収納体211または蓋体212のいずれか一方のみを破壊して封止状態を解除したり、ワンウェイネジ901を取り外したりする行為をより困難にすることができる。これにより、いわゆるニコイチ不正を防止することができる。
以上説明したように、上記各実施形態に係るスロットマシンは、遊技制御を行う遊技制御用CPU(上記各実施形態では、主制御部300のCPU304)を備える制御回路基板(上記各実施形態では、主制御基板213)と、制御回路基板213を収納し、制御回路基板213を封止するためのケースであって、第一のケース体(上記各実施形態では、基板収納体211、801)と第二のケース体(上記各実施形態では、蓋体212、802)を合体させた箱状の基板収納ケース(上記各実施形態では、主制御基板収納ケース210、800)と、を備えた遊技台であって、第一のケース体211、801は、自身の外周に面した第一の外壁部(第1、2の実施形態では外壁部711、第3の実施形態では側壁部801a、第4の実施形態では外壁部914)を有し、第二のケース体212、802は、自身の外周に面した第二の外壁部(第1、2の実施形態では外壁部721、第3の実施形態では側壁部802a、第4の実施形態では周壁部920a)を有し、第一の外壁部711、801a、914と第二の外壁部721、802a、920aから囲まれる空間内に設けられて封止の状態を保持すると共に、第一の外壁部711、801a、914または第二の外壁部721、802a、920aのいずれか一方を少なくとも破壊しない限り封止の状態の解除が不可とされた封止保持部(第1、2の実施形態では封止ピン214の基板側係止片214dおよび蓋側係止片214e、第3の実施形態では封止ピン810の係止片812a、第4の実施形態ではワンウェイネジ901)を備え、基板収納ケース210、800は、第一の外壁部711、801a、914と封止保持部214d、214e、812a、901の間の空隙に、第二のケース体212、802の一部である内壁部(第1の実施形態では第一の内壁部730および第二の内壁部740、第2の実施形態では第二の内壁部740、第3の実施形態では第三の内壁部840、第4の実施形態では内壁部930)が配置されている、または第二の外壁部721、802a、920aと封止保持部214d、214e、812a、901の間の空隙に第一のケース体212、802の一部である内壁部(第2の実施形態では第一の内壁部730、第3の実施形態では内壁部830、第4の実施形態では第三の内壁部940)が配置されている。
このような構成とすることで、複数の基板収納ケース210、800から取り出した部材を組み合わせて新たな基板収納ケース210、800を再生する不正行為(いわゆるニコイチ不正)を効果的に防止することができる。すなわち、第一のケース体211、801と第二のケース体212、802の両方を破壊しない限り封止保持部214d、214e、812a、901に到達できないため、基板収納ケース210、800のニコイチ不正を防止することができる。なお、蓋体212、802を第一のケース体とし、基板収納体211、801を第二のケース体としてもよいことは言うまでもない。
また、第2の実施形態に係るスロットマシンでは、第一のケース体211と第二のケース体212の各々には、封止状態において連通する連通孔(基板側封止部710の挿入孔713、ならびに蓋側封止部720の上部挿入孔722および下部挿入孔724)が形成され、連通孔713、722、724に挿入される挿入部材(封止ピン214)を備え、封止保持部214d、214eは、挿入部材214の一部に形成されると共に、連通孔713、722、724に挿入された挿入部材214の非挿入方向への移動を規制する規制部(封止ピン214の基板側係止片214dおよび蓋側係止片214e)を含み、内壁部(第一の内壁部730)は、規制部214dが封止の状態を保持する位置で、規制部214dの周囲を囲む形状とされている。
このようにすることで、挿入部材214の取外しをより困難にすることができる。また、挿入部材214の規制部214d以外を破壊(切断)された場合に、規制部214dを内壁部730に囲まれた空間または内壁部730と外壁部711に囲まれた空間の内部に、規制部214dを残すことが可能となるため、ニコイチ不正の防止を強化することができる。
また、第1、2の実施形態に係るスロットマシンでは、規制部214d、214eは、挿入部材214の先端付近に形成された第一の規制部(基板側係止片214d)と、先端付近から離れた第二の規制部(蓋側係止片214e)と、を含み、内壁部(第一の内壁部730および第二の内壁部740)は、第一の外壁部711または第二の外壁部721(第1の実施形態では第一の外壁部711、第2の実施形態では第二の外壁部721)と第一の規制部214dの間の空隙に配置された第一の内壁部730と、第一の外壁部711と第二の規制部214eの間の空隙に配置された第二の内壁部740と、を含んでいる。
このようにすることで、第一のケース体211または第二のケース体212のいずれか一方のみを破壊して封止を解除または規制部214d、214eを取り外そうとする行為をより困難にすることが可能となり、ニコイチ不正の防止をより強化することができる。
また、第2の実施形態に係るスロットマシンでは、第一の内壁部730は、第一の規制部(基板側係止片214d)が封止の状態を保持する位置で、第一の規制部214dの周囲を囲む形状とされ、第二の内壁部740は、第二の規制部(蓋側係止片214e)が封止の状態を保持する位置で、第二の規制部214eの周囲を囲む形状とされている。
このようにすることで、第一の規制部214dおよび第二の規制部214eの取外しをより困難にすることができる。また、第一の規制部214dと第二の規制部214eとの間が破壊(切断)された場合に、第一の規制部214dを内壁部730に囲まれた空間または内壁部730と外壁部711に囲まれた空間の内部に残し、第二の規制部214eを内壁部740に囲まれた空間または内壁部740と外壁部721に囲まれた空間の内部に残すことが可能となるため、ニコイチ不正の防止をより強化することができる。
また、第一の外壁部711、801a、914および第二の外壁部721、802a、920aは、透明又は半透明の素材から形成され、内壁部730、740、830、840、930、940は、第一の外壁部711、801a、914または第二の外壁部721、802a、920aに対向する対向面が有色の素材から形成されるようにしてもよい。このようにすることで、内壁部730、740、830、840、930、940の破損状況が視認しやすくなるため、不正行為の発見を容易にすることができる。
また、第3、4の実施形態に係るスロットマシンでは、内壁部830、840、930、940は、内壁部830、930と封止保持部812a、901の間の空隙に配置される第三の内壁部840、940を含んでいる。このようにすることで、第一のケース体211、801または第二のケース体212、802のいずれか一方のみを破壊して封止を解除または封止保持部812a、901を取り外そうとする行為をより困難にすることが可能となり、ニコイチ不正の防止をより強化することができる。
なお、本発明に係る遊技台は、上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態では、主制御基板収納ケース210、800に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば副制御基板収納ケース220等、その他の制御基板を収納するケースに本発明を適用するようにしてもよい。また、封止保持部または規制部は、上記各実施形態において示した構造に限定されるものではなく、係止、結合または締結可能なその他の既知の構造を採用することができる。
また、上記各実施形態では、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシンの例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンやパチンコ機などにも、本発明は適用可能である。
具体的には、本発明に係る遊技台は、「所定の遊技領域に遊技球を発射する発射装置と、発射装置から発射された遊技球を入球可能に構成された入賞口と、入賞口に入球した遊技球を検知する検知手段と、検知手段が遊技球を検知した場合に遊技球(賞球)を払出す払出手段と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技状態の推移を告知するようなパチンコ機」にも好適である。
さらに、本発明をアレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、スマートボール、およびカジノマシン等に適用しても、同様の効果を得ることができる。
また、本発明の実施形態に記載された作用および効果は、本発明から生じる最も好適な作用および効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用および効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。