JP2012080618A - 車両用回生制動制御装置 - Google Patents

車両用回生制動制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】運転者に対するブレーキ感または制動感のばらつきを低減できる車両用回生制動制御装置を提供することを目的とする。
【解決手段】車両が平坦路を走行していると判定したときに車両の加速度に基づいて走行抵抗を算出し、この算出した走行抵抗に基づいて車両の平坦路走行時の回生制動力を算出し、この算出した回生制動力に基づき電動機2の回生制動力を制御する制御部4を備え、制御部4は、算出した平坦路走行時の回生制動力に基づいて、車両が登坂走行している際の電動機2の回生制動力、または、降坂走行している際の電動機2の回生制動力を制御する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両が制動する際の運動エネルギを電気エネルギに変換して蓄電池に回収する車両用回生制動制御装置に関するものである。
近年、低炭素社会の実現に向けて電気自動車(EV:Electric Vehicle)、およびハイブリッド車(Hybrid Vehicle)が注目されている。このような電気自動車、およびハイブリッド車では回生制動を行っている。
この回生制動は、通常は駆動力として用いている電動機を発電機として動作させることで、車両減速時に熱として消費されていたエネルギを電気エネルギとして回収することができる。回収したエネルギは蓄電池に蓄積されて車両の駆動力や電気負荷に再利用される。この再利用により、上記電気自動車においては蓄電池の単位容量あたりの走行距離である「電費」の改善となる。
また、ハイブリッド車ではこの再利用により「電費」の改善をするとともに、この電費改善がひいては、車両の燃費の改善につながる。
ところで、車両が登坂して走行しているとき(以下、「登坂走行時」と称する)、車両が平坦路を走行しているとき(以下、「平坦路走行時」と称する)と比べて、車両には走行抵抗と回生制動に加え勾配抵抗が加わる。車両が登坂して走行しているときに回生制動力を加えすぎると、運転者の要求以上に車両速度が低下するため運転者がアクセルを踏み足してしまい、かえって車両の電費または燃費を悪化させる。
一方、車両が降坂して走行しているとき(以下、「降坂走行時」と称する)では、平坦路走行時と比較して、重力加速度に伴う加速力が加わるため大きな回生制動力が加えられる。
従って、車両が平坦路走行時の回生制動力と比較して、車両が登坂走行時は、回生制動力を小さくし、車両が降坂走行時は、回生制動力を大きくするように制御すればよい。
このような制御を行なう従来技術として、車両の走行する道路勾配に応じて回生制動力を制御する車両用回生制動制御装置がある(例えば、特許文献1参照)。
具体的には、従来の車両用回生制動制御装置は、車両の駆動力として用いている電動機のトルクを検出し、駆動力の伝達効率、およびタイヤ動半径とから、タイヤに伝達されるタイヤの駆動力もしくはタイヤ制動力Fを算出する。車両の加速に伴う加速抵抗をRa、走行抵抗をRとすると、タイヤの駆動力(タイヤの制動力)Fは、ベクトル換算でF=Ra+Rと表され、走行抵抗Rは、R=F−Raと表される。
さらに、走行抵抗Rは、道路勾配θ、車両速度Vの関数として、R(θ、V)で表され、転がり抵抗、空気抵抗、旋回抵抗、および勾配抵抗を含んでいる。この転がり抵抗、空気抵抗、および旋回抵抗は、車両諸元である車両重量、および車両諸元に基づいて算出した転がり抵抗係数、車両前面投影面積、空気抵抗係数等に基づいて算出し、走行抵抗R(θ、V)から差し引くことで勾配抵抗を推定している。
なお、車両諸元とは、車両の車種に共通する要素(車両重量、全長、全幅、全高、ギア
比、ファイナルギア比、タイヤ半径など)であり、各車両に固有の誤差要因を含まないものである。
このように、従来の車両用回生制動制御装置は、車両の走行に関する力の釣合いに基づいて演算により勾配抵抗を推定し、車両の走行する道路勾配に応じて回生制動力を制御している。
国際公開第97/10966号
しかしながら、従来の車両用回生制動制御装置は車両諸元に基づいて勾配抵抗を推定していたので、各車両に固有の誤差要因が考慮されていなかった。例えば、各車両に固有の誤差要因としては、車両の乗員数や積載物によって変動する車両重量の変化、または、タイヤの空気圧変動による転がり抵抗係数の変化などがある。これら各車両に固有の誤差要因により転がり抵抗係数の変化すると、その結果、走行抵抗が変化してしまう。
車両諸元に基づいて勾配抵抗を求めて回生制動を行なった場合、回生制動力を車両諸元に基づいて一律に発生させるため、この各車両に固有の誤差要因により発生した走行抵抗の変化により、運転者がブレーキをかけた際のブレーキ感(ブレーキを踏んでから車両が減速するときの運転者の感じる感覚)、または、制動感(ブレーキをかけず、かつ、アクセルを踏んでないときに自然に減速するときの運転者の感じる感覚)が変化してしまうという問題がある。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたものであり、運転者に対するブレーキ感または制動感のばらつきを低減できる車両用回生制動制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の車両用回生制動制御装置は、車両の駆動輪の車軸に連結され減速する際の運動エネルギを電気エネルギに変換することで回生制動力を発生させる電動機と、前記車両に搭載され前記電動機により変換された電気エネルギを蓄積する蓄電池とを備えた車両用回生制動制御装置であって、車両が走行している道路の勾配を算出する道路傾斜角算出部と、前記道路傾斜角算出部が算出した道路の勾配に基づき前記車両が平坦路を走行していると判定したときに前記車両の加速度に基づいて走行抵抗を算出し、この算出した走行抵抗に基づいて前記車両の平坦路走行時の回生制動力を算出し、この算出した回生制動力に基づき前記電動機の回生制動力を制御する制御部とを備え、前記制御部は、算出した平坦路走行時の回生制動力に基づいて、前記車両が登坂走行している際の前記電動機の回生制動力、または、降坂走行している際の前記電動機の回生制動力を制御するものである。
本発明の車両用回生制動制御装置は、実際に車両が平坦路を走行している際の走行抵抗を算出している。この走行抵抗には各車両に固有の誤差要因が加味されており、本発明の車両用回生制動制御装置は、この走行抵抗に基づいて平坦路走行時の回生制動力を算出し、この回生制動力に基づいて車両が登坂走行している際の回生制動力、または、降坂走行している際の回生制動力を制御している。
このように走行抵抗には各車両に固有の誤差要因を加味することで運転者に対するブレーキ感または制動感のばらつきを低減できるという効果を奏する。
本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置のブロック図 加速度センサが検出する加速度の各軸について説明する図 車両の道路に対する傾斜角度算出の方法について説明する図 ジャイロセンサのヨー回転方向の角速度について説明する図 本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置の動作を説明するフロー図 車両速度と走行抵抗との関係を説明するための図 モータ回転数と回生トルクとの関係を説明するための図 本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置の動作を説明するフロー図 道路傾斜角と回生トルク増減係数との関係を説明するための図
以下、本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置について図1〜図4を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置のブロック図である。図2は加速度センサが検出する加速度の各軸について説明する図であり、図3が車両の道路に対する傾斜角度の算出の方法について説明する図である。また、図4がジャイロセンサのヨー回転方向の角速度について説明する図である。
図1に示すように、車両用回生制動制御装置1は、車両に搭載される装置であり、この車両の駆動輪の車軸に連結され車両が回生制動力により減速する際の運動エネルギを電気エネルギに変換して蓄電池へ出力する電動機2を備え、電動機2が出力する電気エネルギを蓄電池3に蓄電するものである。
電動機2が発生する回生制動力の大きさは制御部4により制御される。制御部4は、加速度センサ5、車両速度検出部6、道路傾斜角算出部7、車両旋回検出部8、アクセル開度検出部9、およびブレーキ踏み込み量検出部10の各出力に基づいて車両の走行抵抗力(以下、単に「走行抵抗」)を算出し、この走行抵抗に基づいて回生制動力を制御する。これらの算出方法等は後に詳述する。
以下、各部について詳細に説明する。
電動機2は車両の駆動輪の車軸に連結され、車両が回生制動力により減速する際の運動エネルギを
電気エネルギに変換して出力する発電機として用いられるものである。また、この電動機2は車軸を回転させるための走行用モータとしても用いられる。電動機2を、発電機としての用いるのか、走行用モータとして用いるかの切換えは制御部4により行なわれる。
電動機2は、そのロータが外力(車両の駆動輪の車軸の回転力)により回転させられる場合には発電機となって回生電力を発生させる。具体的には、電動機2のロータが外力により回転させられると、これらの磁界の相互作用により、電動機2の電機子コイルの両端に起電力が発生して発電動作する。この発電動作により発生した電気エネルギは、蓄電池3へ出力される。
電動機2が発電動作を行なっている際は、発電に要するトルクが車両の駆動輪の車軸に対してその回転を止める方向のトルクとして作用し、制動力(回生制動力)を生じさせる
どの程度の回生電力を発生させるか、すなわち、どの程度の回生制動力を生じさせるかは、制御部4により制御される。制御部4は運転者がブレーキペダルを所定に踏み込んだ場合には、この踏み込みの程度に応じて回生制動力を制御する。制御部4は、電動機2のロータ側の電機子コイル、または、ステータ側の界磁コイルに流れる電流を調整して、回転変化する磁界、もしくは、界磁の大きさを調整することにより回生制動力の制御を行なう。
蓄電池3は、電動機2が出力する電気エネルギを蓄電するものである。蓄電された電気エネルギは、図示しないDC/DCコンバータにより降圧されてオーディオ機器、ナビゲーション装置などの車載機器へ供給される。また、蓄電された電気エネルギを図示しないインバータにより交流に変換してエアコン用の電動コンプレッサへ供給される。蓄電池3には、例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池、または高容量のキャパシタを用いることができる。
制御部4は、加速度センサ5、車両速度検出部6、道路傾斜角算出部7、車両旋回検出部8、アクセル開度検出部9、およびブレーキ踏み込み量検出部10の各出力に基づいて車両の走行抵抗を算出し、この走行抵抗に基づいて回生制動力を制御するものである。
制御部4はCPU或いはMPUと、ROM・RAM・等とから構成されている。CPU或いはMPUが、図示しないROMに格納されるプログラムを実行することによって各種演算、制御信号の出力等を行なう。
制御部4が担う機能としては「走行抵抗算出機能」、「回生トルク基準値更新機能」、および「回生制動力算出機能」がある。これら機能の詳細については後述する。
加速度センサ5は、車両の加速度を検出するものである。図2を用いて加速度センサが検出する加速度の各軸について説明する。加速度センサ5は図2に示す2つの方向に対して各軸方向の加速度を検出する加速度センサである。
加速度センサ5は、前後方向検知軸(図2のXb軸)の加速度、左右方向検知軸(図2のYb軸)の加速度を検知するものである。
加速度センサ5が検出したXb軸方向の加速度は、道路傾斜角算出部7へ出力されて道路傾斜角を算出するために利用される。また、Xb軸方向の加速度は、制御部4へ出力されて車両減速時の走行抵抗を算出するためにも利用される。
車両速度検出部6は、車両の速度を検出するものである。車両速度の算出方法としては、例えば、車速パルスによる方法、または、エンジン回転数およびギア比を用いる方法がある。
道路傾斜角算出部7は、加速度センサ5が検出した加速度、および、車両速度検出部6が検出した車両の速度に基づいて、車両の道路に対する傾斜角度θを算出するものである。
具体的には、車両進行方向の加速度Axと、車両の移動に伴う加速度Accとから、車両の傾斜角度θを算出する。この車両の移動に伴う加速度Accは、車両速度検出部6が検出した車両速度を時間微分することで算出する。
図3は車両の道路に対する傾斜角度を算出の方法について説明する図である。図3に示すように、重力加速度Gの進行方向成分の加速度をAgとすると、Ag=G*sinθと表すことができる。一方、車両の移動に伴う加速度Accは、Acc=Ax−Agと表すことができる。この2つの式からAgを消すとsinθ=(Ax−Acc)/Gとなる。この式をθについて解くことで傾斜角度θを求めることができる。
車両旋回検出部8は、車両が旋回しているか否かを判定するものである。この車両が旋回しているか否かを判定する方法としては、例えば、以下の方法がある。
1つ目の方法としては、図示しない操舵角センサを利用する方法がある。操舵角センサが検出したハンドルの操舵角に基づいて車両が旋回しているか否かを判定することができる。
2つ目の方法としては、ジャイロセンサを利用する方法がある。ジャイロセンサは、車両の所定の軸を中心とする回転の角速度を検出するものである。
このジャイロセンサの一例としては、例えば、車両の前後方向軸を中心とする回転(ロール回転方向)の角速度、車両の上下方向軸を中心とする回転(ヨー回転方向)の角速度、および車両の左右方向軸を中心とする回転(ピッチ回転方向)の角速度を検出するものがある。
車両旋回検出部8は、特に、図4に示すように、ジャイロセンサのヨー回転方向の角速度(Wbz)の変化に基づいて車両が旋回しているか否かを判定することができる。
3つ目の方法としては、加速度センサ5の左右方向検知軸(図2のYb軸)の加速度を利用する方法がある。車両が旋回している場合はYb軸方向の加速度Ayが検出される。一方、車両が旋回していない場合はYb軸方向の加速度Ayは略ゼロとなる。車両旋回検出部8は、加速度Ayが所定の値を超えた場合に車両が旋回していると、所定の値以下の場合は車両が旋回していないと判断することができる。
アクセル開度検出部9は、アクセルペダルの踏み込み量を検出するものである。少なくとも、所定の閾値を設定し、アクセルペダルが踏まれたか否かを判定できればよい。
ブレーキ踏み込み量検出部10は、運転者がブレーキをかけた際に、ブレーキペダルの踏み込み量を検出するものである。踏み込み量の検出は、例えば、ブレーキペダルに取り付けた赤外線センサの出力に基づいて、ブレーキペダルとフロアとの距離に基づいて算出することができる。また、ブレーキペダルを踏むことにより発生する負圧や油圧(踏み込み力)を検出して踏み込み量を検出することもできる。
記憶部11は各種情報を記憶するものであり、例えば、ハードディスク、フラッシュメモリなどの不揮発の記憶素子を用いることができる。記憶部11は制御部4により記憶された情報が読み出される。また、記憶部11は制御部4により新たな情報の書き込みが行なわれる。
記憶部11が記憶する情報としては、当該車両の車両諸元、後述する車両速度と走行抵抗の関係を表す情報、後述するモータ回転数と回生トルクの関係に関する情報があらかじめ記憶されている。
また、記憶部11は、は制御部4により随時更新される情報として、後述する車両固有の車両速度と走行抵抗の関係に関する情報、および後述する車両固有の走行抵抗によって
更新した値に関する情報を記憶する。
報知部12は、制御部4が算出した走行抵抗が所定の値よりも大きい場合、運転者に報知する。例えば、音により報知するためのスピーカ、または、光により報知するLED、液晶ディスプレイなどの画面により構成される。
以上のように構成された車両用回生制動制御装置についてその処理動作を説明する。まず、図5〜図7を用いて制御部4の走行抵抗算出機能および回生トルク基準値更新機能について説明する。その後、図8、図9を用いて制御部4の回生制動力算出機能について説明する。
図5は本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置の動作を説明するフロー図である。
また、図6は車両速度と走行抵抗との関係を説明するための図、図7はモータ回転数と回生トルクとの関係を説明するための図である。
まず、S001において、制御部4は、道路傾斜角算出部7が算出した車両の道路に対する傾斜角度θを取得する。
S001の次に、制御部4は、S001で取得した道路の傾斜角度θがゼロか否かを判定する(S002)。傾斜角度θがゼロでなければ(S002でNO)、制御部4は処理をS001に戻す。傾斜角度θがゼロの場合(S002でYES)、制御部4は処理をS003に進める。なお、制御部4は、道路の傾斜角度θが±0.1deg以内であれば、道路の傾斜角度θがゼロであると判定する。制御部4が、道路の傾斜角度θがゼロであると判定した場合とは、すなわち平坦路走行時である。
車両が平坦路走行時である(S002でYES)場合、制御部4は、アクセル開度検出部9の出力に基づきアクセルペダルが踏まれたか否かを判定する(S003)。
S003の次に、制御部4は、S004またはS005において走行抵抗の算出を行なう(制御部4の機能の1つである走行抵抗算出機能)。この走行抵抗算出機能について図6を用いて説明する。
走行抵抗算出は車両が加速しているときと、減速しているときとで算出の方法が異なる。車両が減速しているとき(S003でNO)の走行抵抗の算出がS004であり、車両が加速しているとき(S003でYES)の走行抵抗の算出がS005である。以下、詳述する。
アクセル開度検出部9でアクセルOFFと判断された場合、タイヤ駆動力(以下、タイヤ制動力F)を走行抵抗とする。ここで、タイヤ制動力Fとは、駆動源(エンジンまたは電動機)から車両のタイヤに伝達された駆動力である。このタイヤ制動力Fは、車両重量W×加速度Axで算出される。車両が減速しているときであるので、加速度Axはマイナスの値となる。ただし、この算出方法はブレーキペダルが踏まれていない場合である。
アクセル開度検出部9でアクセルOFFと判断された場合でも、ブレーキペダルが踏まれている場合は、制御部4はタイヤ制動力Fと機械ブレーキ量とから走行抵抗を算出する(S004)。
ここで、機械ブレーキ量とは、ディスクブレーキやドラムブレーキといった運動エネルギを熱エネルギに変換することによって制動の程度を表すものである。機械ブレーキ量は
ブレーキによる制動の程度をあらわすものであり、換言すれば加速度に基づいた加速抵抗力(加速抵抗Rb)として測定できる。
走行抵抗Rは、タイヤ制動力Fから加速抵抗Rbを減ずることで算出することができる(R=F−Rb)。
なお、車両の加速度Axは、加速度センサ5で検出された加速度、もしくは、車両速度検出部6が検出した車速の時間微分値を用いる。道路の傾斜角度θがゼロである場合、加速度センサ5で検出された加速度と車両速度検出部6が検出した車速の時間微分値とは等しくなる。
アクセルペダルが踏まれている場合(S003でYES)、制御部4は、タイヤ駆動力Fと加速抵抗Raとから走行抵抗Rを算出する(S005)。
加速抵抗Raは、予め記憶しておいた車両重量Wと車両の加速度Axの乗算から算出する(Ra=W×Ax)。加速度Axの算出はS004と同様である。
走行抵抗Rは、タイヤ駆動力Fから加速抵抗Raを減算することで算出することができる(R=F−Ra)。
S004またはS005の次に、制御部4は、車両旋回検出部8の出力に基づいて、走行抵抗を算出した際に車両が旋回中であったか否かを判断する(S006)。
制御部4は、旋回中であった場合(S007)と、旋回中でなかった場合(S008)とで別々に算出した走行抵抗を記憶部11に記憶させる。旋回中か否かで走行抵抗を分類する理由は、旋回していると走行抵抗に旋回抵抗が加わってしまうので、旋回していないときのデータに基づいて走行抵抗を算出することで、走行抵抗算出の精度を向上できるからである。
S007またはS008の次に、制御部4は、車両速度毎に十分な走行抵抗のデータが蓄積されたか否かを判定する(S009)。
制御部4は、算出した走行抵抗が正規分布に従うかどうかを判定し、正規分布であると判定した場合に十分な走行抵抗のデータが蓄積されたと判断することができる。正規分布に従うデータのみ使用することで走行抵抗の演算精度を向上させることができる。
車両速度毎に十分な走行抵抗のデータ量が蓄積されたと判定されたと判定したとき(S009でYES)、制御部4は収集した走行抵抗の平均値を算出し、これを平坦路走行時の車両固有の走行抵抗とする(S010)。
制御部4は、算出した走行抵抗の標準偏差を算出し、この標準偏差が中心値(収集した走行抵抗の平均値)から所定の値以内に入る走行抵抗について平均値を算出することもできる。また、算出した走行抵抗の標準偏差があらかじめ実験等で算出した標準偏差以内である場合に、収集した走行抵抗の平均値を算出するようにしてもよい。
算出された走行抵抗は走行抵抗が算出された際の車両速度[km/h]ごとに記憶部11に記憶される。この走行抵抗を以下「車両固有の走行抵抗」と呼ぶ。図6は記憶部11に記憶された車両速度ごとの走行抵抗を説明する図である。
図6の「車両諸元に基づく走行抵抗」は、あらかじめ記憶部11に記憶された車両速度ごとの走行抵抗である。これは、車両諸元、すなわち、車両の車種に共通する要素(車両
重量、全長、全幅、全高など)から算出された走行抵抗である。「車両諸元に基づく走行抵抗」は各車両に固有の誤差要因を含まないものであるため、あらかじめ記憶部11に記憶させておくことができる。
一方、図6の「車両固有の走行抵抗」が、S010にて算出された、当該車両固有の走行抵抗を表すものである。
図6の走行抵抗は車両が旋回中である場合と、旋回中でない場合とに分けて記憶部11に記憶される。
なお、走行抵抗には、「転がり抵抗」、「空気抵抗」、「勾配抵抗」、「加速抵抗」、「旋回抵抗」がある。図6中の実線は、「転がり抵抗」と「空気抵抗」を示している。
転がり抵抗はμr×W×g(μrは転がり抵抗係数、Wは車両重量[kg]、gは重力加速度[m/s^2])で表すことができる。なお、転がり抵抗係数は、通常の道路の場合、0.01〜0.02となる。
また、空気抵抗はμd×A×(ρ/2)×V^2(μdは空気抵抗係数、Aは前面投影面積[m^2]、ρは空気密度[kg/cm^2]、1気圧の標準大気圧において、ρ=1.226)で表すことができる。Vは車両速度[m/s^2]である。この式によると、空気抵抗は車両速度の2乗に比例する。
また、勾配抵抗はW×g×sinθ(Wは車両重量[kg]、gは重力加速度[m/s^2]、θは道路傾斜角[deg])で表すことができる。
また、加速抵抗は(W+ΔW)×g×a(Wは車両重量[kg]、ΔWは回転部分相当重量[kg]、gは重力加速度[m/s^2]、aは車両加速度[m/s^2])で表すことができる。
S010で算出した走行抵抗(車両旋回なし)は、S002で平坦路走行時であるため「勾配抵抗」は含まれず、S004、S005で加速抵抗を減じているので「加速抵抗」も含まれず、車両が車両旋回していないときのデータであるため「旋回抵抗」も含まれていない。その結果、図6の走行抵抗は「転がり抵抗」と「空気抵抗」とで構成されている。
S010で車両固有の走行抵抗を算出した後、制御部4は、回生トルク基準値を車両固有の走行抵抗に基づいて更新する(制御部4の回生トルク基準値更新機能)(S011)。
まず、制御部4は、記憶部11に記憶した「車両諸元に基づく走行抵抗」と「車両固有の走行抵抗」との比率を算出する。この比率を以下、車両固有係数と呼ぶ。この車両固有係数は、車両固有の要素により車両諸元に基づく走行抵抗がどの程度変化しているかを表す係数となる。
この車両固有係数は速度ごとに算出した車両固有係数を平均化して算出する。例えば、図6の場合だと、「車両固有の走行抵抗」が「車両諸元に基づく走行抵抗」の約10%増となっているので、車両固有係数は0.9となる。
なお、車両固有係数は、「車両固有の走行抵抗」と「車両諸元に基づく走行抵抗」との比率ではなく、両者の差分に基づいて算出することもできる。
次に、制御部4は、あらかじめ記憶部11に記憶した回生トルク基準値にその係数を乗算して回生トルク基準値を更新する。図7はモータ回転数と回生トルクとの関係を説明するための図である。図7の回生トルク基準値は、車両諸元に基づいて算出されたモータの回転数と回生トルク[Nm]の関係を表すものである。回生トルク基準値は、各車両に固有の誤差要因を含まないものであるため、あらかじめ記憶部11に記憶させておくことができる。
制御部4は、回生トルク基準値に車両固有係数を乗算して、この結果を記憶部11に記憶させる。この乗算結果が図7の「更新した回生トルク基準値」である。この「更新した回生トルク基準値」は後に説明するように回生トルクを補正する際に用いる。
なお、記憶部11には、モータ回転数に対する回生トルクの制限値も記憶されている。回生トルク基準値を更新する際に、この回生トルクの制限値を超える場合は更新した値はこの制限値となるようにする。電動機2の破損を未然に防ぐためである。
制御部4は、S011を終了すると、処理を終了(図5のエンド)し、その後、処理を再度スタート(図5のスタート)へ戻す。
次に、図8、図9を用いて制御部4の回生制動力算出機能について説明する。図8は本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置の動作を説明するフロー図である。また、図9は道路傾斜角と回生トルク増減係数との関係を説明するための図である。図5の処理と図8の処理とは互いに独立して実行される。
まず、制御部4は、道路傾斜角算出部7が算出した車両の道路に対する傾斜角度θを取得し(S101)、その後、アクセルペダルが踏まれたか否かを判定する(S102)。アクセルペダルが踏まれている場合(S102でYES)は、制御部4は再度S101を実行する。
アクセルペダルが踏まれていない場合(S102でNO)、制御部4は、電動機2のモータ回転数を取得する(S103)。S103の次に、制御部4は、S103で取得した電動機2のモータ回転数に対応する「更新した回生トルク基準値」を記憶部11から読み出す(S104)。
S104の次に、制御部4は、S101で算出した道路の傾斜角度θに応じた回生トルク増減係数を算出し、この係数を回生トルク基準値に乗算する。
図9を用いて回生トルク増減係数について説明する。図9は道路傾斜角と回生トルク増減係数との関係を説明するための図である。平坦路走行時の回生トルク増減係数は「1」である。記憶部11に記憶した「更新した回生トルク基準値」は平坦路走行時のものであるので、車両が平坦路を走行している際は、回生トルク基準値から変更する必要がないので「1」としている。
一方、登坂走行時は道路の傾斜角度θが大きくなる(図9のグラフの右方向)につれて回生トルク増減係数は減少する。このようにするのは、登坂を走行するときは、平坦路走行時の走行抵抗に加え、勾配抵抗が加わるためである。勾配抵抗が加わる分だけ、回生トルクを小さく設定する必要がある。勾配抵抗は傾斜角度θが大きくなるにつれて大きくなる。そこで、勾配抵抗は傾斜角度θが大きくなるにつれて回生トルクを小さくしていく必要があるので回生トルク増減係数を減少させている。
これに対し、降坂走行時は道路の傾斜角度θが大きくなる(図9のグラフの左方向)につれて回生トルク増減係数は増加していく。降坂を走行するときは、平坦路走行時と比較して、重力加速度に伴う加速力が加わるため、回生トルクを大きく設定することが可能となる。
S105の次に、制御部4は、ブレーキ踏み込み量検出部10からブレーキ踏み込み量を取得して、このブレーキ踏み込み量に基づいてブレーキがONかOFFを判定する。
ブレーキ踏み込み量が所定の閾値を以上であるときとブレーキがONである(S106でYES)と、所定の閾値より小さい場合はブレーキがOFF(S106でNO)であると判定する。ブレーキがOFF(S106でNO)であると判定した場合、制御部4は処理をS108に進める。
一方、ブレーキがON(S106でYES)であると判定した場合、制御部4はブレーキ踏み込み量検出部10から取得したブレーキ踏み込み量に応じて、回生トルク増減係数と回生トルク基準値とを乗算した結果を補正する。
具体的には、ブレーキ踏み込み量に応じて、S105で算出した回生トルク(回生トルク増減係数と回生トルク基準値とを乗算した値)を小さくなるように補正する。
例えば、S105で算出した回生トルクにブレーキ踏み込み量に応じた係数を乗算することができる。このブレーキ踏み込み量に応じた係数は、ブレーキ踏み込み量がゼロ(踏み込みなし)からブレーキ踏み込み量が100%(完全に踏み込んだ場合)に変化するにつれ1から0へ変化するような係数にする。この結果、ブレーキ踏み込み量が大きくなるのに従い回生トルクを小さく設定することになる。
また、別の方法として、S105で算出した回生トルクの大きさを変更せず、ブレーキ踏み込み量の大きさ、または、回生トルクの大きさに応じて機械ブレーキ量Rbの制動力を可変に制御してもよい。
制御部4は、算出した回生トルクの目標値として設定して回生制動力を制御する。具体的には、「制御する回生トルク(今回値)=(算出した回生トルク目標値+所定係数K×制御する回生トルク(前回値))/所定係数L」としローパスフィルタ処理後の回生トルクを設定して回生制動力を制御するのが好ましい。急激な回生トルクの変化を防ぐためである。例えば、所定係数Kを9と、所定係数Lを10とおくと、制御する回生トルク(今回値)は前回の制御する回生トルク(今回値)が9割、算出した回生トルク目標値を1割の比率で混合した値となる。
ブレーキがON(S106でYES)である場合は、S107で補正された回生トルクが目標値となる。一方、ブレーキがOFF(S106でNO)である場合は、回生トルク増減係数と回生トルク基準値とを乗算した結果が算出した回生トルクの目標値となる。
制御部4は、S108を終了した後(図8のエンド)、再度処理をスタート(図8のスタート)へ戻す。
以上のように本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置は、実際に車両が平坦路を走行している際の走行抵抗を算出している。この走行抵抗には各車両に固有の誤差要因が加味されており、本発明の車両用回生制動制御装置は、この走行抵抗に基づいて平坦路走行時の回生制動力を算出し、この回生制動力に基づいて車両が登坂走行している際の回生制動力、または、降坂走行している際の回生制動力を制御している。
このように走行抵抗には各車両に固有の誤差要因を加味することで運転者に対するブレーキ感または制動感のばらつきを低減できる。
なお、制御部4は、アクセルおよびブレーキのいずれもが踏み込まれていないとき、または、車両が略一定速度で走行しているときに走行抵抗を算出するようにすることもできる。
車両が略一定速度で走行しているときは、加速抵抗を考慮する必要がないので走行抵抗の算出精度が高くなるという効果を奏する。また、アクセルおよびブレーキのいずれもが踏み込まれていないときは機械ブレーキ量を考慮する必要がないので走行抵抗の算出精度が高くなるという効果を奏する。
なお、制御部4は車両速度検出部6が検出した速度が所定の値よりも大きいときにS108の回生制動力を制御するようにすることができる。車両が低速で走行しているときは、回生制動を発生させる電動機2に供給する励磁電力の方が大きくなり省エネルギにならない。このため、回生制動を行わない方がよい。そこで、上記のようにすることにより省エネルギ効果を向上できるという効果を奏する。
また、制御部4は、車両速度検出部6が検出した速度が所定の値よりも大きいときに回生制動力を制御する際、この所定の値を車両が登坂走行している際と降坂走行している際とで異なる値とすることができる。特に、制御部4は、登坂走行している際の所定の値を、降坂走行している際の所定の値よりも大きくするのが好ましい。
登坂走行している際は、勾配抵抗の影響で減速度が速いため、回生制動力の制御の更新頻度を速くしないと、瞬間的に所定値を下回って回生制動をかけてしまう可能性がある。逆に、降坂走行している際は、勾配抵抗の影響で減速度が緩いため、所定値に対して回生制動力の制御の更新頻度を低くしても所定値で制御が可能である。そのため、登坂走行している際の所定の値を降坂走行している際の所定の値よりも大きくしておき所定値を下回らないようにするのが好ましい。
なお、制御部4は、道路傾斜角算出部7が算出した道路勾配と、この算出以前に算出した道路勾配との差の絶対値が所定の値よりも大きいときに回生制動力を制御するようにすることができる。この「この算出以前に算出した」とは、例えば、以前に回生制動力を制御したときである。
以前に回生制動力を制御したときの道路勾配と比較して、今回算出した道路勾配との差の絶対値が所定値より小さい場合は以前と同様の回生制動力とする。
その他、道路傾斜角算出部7の算出を所定時間ごとにサンプリングして道路勾配の絶対値を算出し、このサンプリング毎の道路勾配の絶対値の変化量が所定値より大きい場合に回生制動力を制御するようにすることもできる。
このようにすることにより、車両にかかる回生制動力を事前に推定することができ、制御部4の演算による時間的な遅れが発生しない。また、車両にかかる回生制動力を頻繁に変更する必要がなくなる。
また、制御部4は、車両旋回検出部8が旋回中と判定したときと旋回中と判定していないときとでそれぞれ車両の走行抵抗を算出し、この算出した走行抵抗のそれぞれに基づいて車両の平坦路走行時の回生制動力を算出し、この算出した回生制動力に基づき車両旋回検出部8が旋回中と判定したときと旋回中と判定していないときとで電動機2の回生制動
力の制御を異ならせることができる。
このようにすることにより、車両旋回時には、旋回抵抗を考慮した回生制動力の制御を行なうことができるという効果を奏する。
なお、制御部4は、走行抵抗を定期的に初期化することができる。例えば、走行開始時点で初期化することができる。その他、最新の走行抵抗のデータの所定数(例えば100個)の平均値を求め、この平均値と、それまでより過去の算出した平均値、すなわち、最新の所定数分の走行抵抗のデータ以上前のデータの平均値と比較して、差が所定の値より大きい場合に走行抵抗を初期化する。
各車両に固有の誤差要因は随時変化する。例えば、乗員の数が変化すると車両重量が変化する。定期的に初期化することで、車両重量や転がり抵抗係数といった車両固有の誤差の変化に追従することができるという効果を奏する。
なお、本発明の一実施の形態における車両用回生制動制御装置は道路傾斜角算出部7により車両の道路に対する傾斜角度θを算出すると記載したが、一般的な道路では、平坦路を走行する割合が多いこと
から、道路傾斜角算出部7を用いずに走行抵抗を求めるようにしてもよい。このようにすることにより道路傾斜角算出部7を構成する道路勾配を算出するためのセンサを用いる必要がなくなるという効果を奏する。
本発明は、車両が制動する際の運動エネルギを電気エネルギに変換して蓄電池に回収する車両用回生制動制御装置等として有用である。
1 車両用回生制動制御装置
2 電動機
3 蓄電池
4 制御部
5 加速度センサ
6 車両速度検出部
7 道路傾斜角算出部
8 車両旋回検出部
9 アクセル開度検出部
10 ブレーキ踏み込み量検出部
11 記憶部
12 報知部

Claims (12)

  1. 運動エネルギを電気エネルギに変換して回生制動力を発生させる電動機と、前記電動機により変換された電気エネルギを蓄積する蓄電池とを備えた車両用回生制動制御装置であって、
    前記車両が走行している道路の勾配を算出する道路傾斜角算出部と、
    前記道路傾斜角算出部が算出した道路の勾配に基づき前記車両が平坦路を走行していると判定したときに前記車両の加速度に基づいて走行抵抗を算出し、
    この算出した走行抵抗に基づいて前記車両の平坦路走行時の回生制動力を算出し、
    この算出した回生制動力に基づき前記電動機の回生制動力を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、算出した平坦路走行時の回生制動力に基づいて、
    前記車両が登坂走行している際の前記電動機の回生制動力、または、降坂走行している際の前記電動機の回生制動力を制御することを特徴とする車両用回生制動制御装置。
  2. 前記制御部は、前記車両のタイヤに伝達されたタイヤ駆動力から加速度に基づいた加速抵抗を減ずることで走行抵抗を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用回生制動制御装置。
  3. 前記制御部は、アクセルおよびブレーキのいずれもが踏み込まれていないとき、または、前記車両が略一定速度で走行しているときに走行抵抗を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用回生制動制御装置。
  4. 前記車両の速度を検出する車両速度検出部をさらに備え、
    前記制御部は前記車両速度検出部が検出した速度が所定の値よりも大きいときに回生制動力を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用回生制動制御装置。
  5. 前記制御部は、前記車両速度検出部が検出した速度が所定の値よりも大きいときに回生制動力を制御する際、この所定の値を前記車両が登坂走行している際と降坂走行している際とで異なる値とすることを特徴とする請求項4に記載の車両用回生制動制御装置。
  6. 前記制御部は、前記車両速度検出部が検出した速度が所定の値よりも大きいときに回生制動力を制御する際、登坂走行している際の所定の値を、降坂走行している際の所定の値よりも大きくすることを特徴とする請求項5に記載の車両用回生制動制御装置。
  7. 前記制御部は、前記道路傾斜角算出部が算出した道路勾配と、この算出以前に算出した道路勾配との差の絶対値が所定の値よりも大きいときに回生制動力を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用回生制動制御装置。
  8. 前記車両が旋回中であるか否かを判定する車両旋回検出部をさらに備え、
    前記制御部は、前記車両旋回検出部が旋回中と判定したときと旋回中と判定していないときとでそれぞれ前記車両の走行抵抗を算出し、この算出した走行抵抗のそれぞれに基づいて前記車両の平坦路走行時の回生制動力を算出し、
    この算出した回生制動力に基づき前記車両旋回検出部が旋回中と判定したときと旋回中と判定していないときとで前記電動機の回生制動力の制御を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の車両用回生制動制御装置。
  9. 前記制御部は、走行抵抗を定期的に初期化することを特徴とする請求項1に記載の車両用回生制動制御装置。
  10. 前記制御部は、算出した走行抵抗が正規分布に従うかどうかを判定し、正規分布であると判定した場合に算出した走行抵抗に基づいて前記車両の平坦路走行時の回生制動力を算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用回生制動制御装置。
  11. 前記制御部が算出した走行抵抗が所定の値よりも大きい場合、運転者に報知する報知部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用回生制動制御装置。
  12. 運動エネルギを電気エネルギに変換して回生制動力を発生させる電動機と、前記電動機により変換された電気エネルギを蓄積する蓄電池とを備えた車両用回生制動
    制御装置であって、
    前記車両の加速度に基づいて走行抵抗を算出し、
    この算出した走行抵抗に基づいて前記車両の回生制動力を算出し、
    この算出した回生制動力を平坦路走行時の回生制動力とし、
    この回生制動力に基づき前記電動機の回生制動力を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、算出した平坦路走行時の回生制動力に基づいて、
    前記車両が登坂走行している際の前記電動機の回生制動力、または、降坂走行している際の前記電動機の回生制動力を制御することを特徴とする車両用回生制動制御装置。
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