JP2012077344A - 混銑車用作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】旋回アームのロック位置のピッチを細かく設定することが可能になり、融鉄搬送容器内の作業用工具の位置調整が容易になると共に、旋回アームのロックが容易に行なえる構成の混銑車用作業機を提供する。
【解決手段】基端アームの先端に横旋回装置を介して伸縮式旋回アームを取付ける。横旋回装置の旋回輪に同心に外歯歯車構造のロックギヤ62を設ける。基端アームの下アーム12aにロック用油圧シリンダ70により回動可能にロックリンク65を取付ける。ロックリンク65にロックギヤ62の外周に対応してブラケット67を取付ける。ブラケット67のギヤ対向部に沿って複数のロックピン68を取付ける。油圧シリンダ70の伸縮によりロックギヤ62の外周の歯62aに対して複数のロックピン68を噛合または解離する。
【選択図】図6

Description

本発明は、製鉄所内において、融鉄を運搬するための混銑車の補修、解体を行なうための作業機に係り、より詳しくは、混銑車の融鉄搬送容器内部に張り付けてある耐火煉瓦の表面のはつり等の補修作業や、耐火煉瓦の解体作業等を行なう混銑車用作業機に関する。
融鉄の運搬を行なう混銑車は、受銑口を有する融鉄搬送容器を台車上に搭載して構成される。融鉄搬送容器内には耐火煉瓦がセメント等により相互に固着して積層される。このような混銑車は、耐火煉瓦の表面部に付着する地金の剥離やクラック発生部の修理、あるいは耐火煉瓦の解体を行なう必要がある。この補修、解体作業は、融鉄搬送容器の受銑口を横向きにし、この受銑口から融鉄搬送容器内に補修、解体作業用工具を入れて行なう。
このような混銑車用作業機は、例えば特許文献1に記載のように、下部走行体上に上部旋回体を取付け、この上部旋回体に作業用アタッチメントを取付けて構成される。この作業用アタッチメントは、シリンダにより俯仰角変更可能に上部旋回体に取付けられた基端アームと、この基端アームに横旋回装置により旋回可能に取付けられた伸縮式旋回アームと、この旋回アームの先端に縦旋回装置および揺動用シリンダを介して取付けられた作業用工具とにより構成されている。
このような従来の作業用アタッチメントにおいて、作業用工具が作業箇所から受ける反力により、旋回アームは旋回方向の力を受けて旋回し、作業用工具に対面する作業箇所がずれてしまうことがある。このため、旋回アームをロックするロック装置を設ける必要がある。従来のロック装置は、旋回アームに旋回中心を中心としたロック用の円板を設け、このロック用の円板に複数のロック孔を周方向に配設すると共に、基端アームには、このロック孔に挿着するロックピンと、このロックピンをロック孔に着脱可能に挿着する油圧シリンダを取付けた構成を有している。そして補修、解体作業を行なう際には、横旋回装置の作動により旋回アームの旋回角度を作業箇所に好適な角度に合わせ、次にロック用油圧シリンダを伸長させてロックピンをロック孔に挿着して旋回アームをロックしている。
特開2003−121082号公報
しかしながら、融鉄搬送容器に設ける受銑口のサイズは予め設定されており、融鉄搬送容器内の作業を行なう際には、横旋回装置も旋回アームと共に受銑口から融鉄搬送容器内に入れる必要があるため、横旋回装置のサイズを小さく抑える必要がある。このため、ロック用の円板のサイズは制限される。
このようなロック用の円板のサイズの制限や、ロック孔やロックピンの強度を確保する必要から、ロック用の円板に周方向に配設されるロック孔の数が制限され、全周について最大24個(円板の旋回中心回りに約15度程度のピッチ)程度のロック孔しか設けることができないのが実情である。
しかしながら、ロック孔を15度前後の旋回ピッチでしか設けられていないと、旋回アームの先端に取付ける作業用工具の位置を細かく調整することが困難である。そこで、作業用工具の位置調整のため、作業機本体の自走や旋回により位置調整を行なう必要が生じており、このことが作業能率を低下させる原因となっている。
また、ロック孔のピッチが粗いため、ロックピンの位置をロック孔の位置に正確に合わせてロック用油圧シリンダを伸長させないとロックピンをロック孔に挿着することができず、ロックが容易ではないという問題点もある。
このような問題点を解決するため、前記旋回アームを旋回させる装置として、モータにより駆動される旋回装置の代りに、油圧シリンダを旋回用アクチュエータとして用いたものを採用することが考えられる。このような油圧シリンダを旋回アームのアクチュエータに用いれば、旋回アームの旋回位置を微調整することが可能になるとともに、旋回用油圧シリンダをロック手段として用いることも可能となる。
ところが油圧シリンダを旋回用アクチュエータに用いる場合、油圧シリンダの伸縮に伴う旋回範囲が基端アームから見て左側、または右側のいずれかに限られるため、目指す旋回方向によって油圧シリンダの先端のピンによる連結部を付け換える必要がある。しかしながら、このピン付け換え作業は労力、手間を要する困難な作業である。その上、ピンを外して旋回アームをフリーにした状態では、作業機を置いた地面が傾斜していると、旋回アームが不意に旋回するおそれもあり、作業の安全の面で問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、旋回アームのロック位置のピッチを細かく設定することが可能になり、融鉄搬送容器内の作業用工具の位置調整が容易になると共に、旋回アームのロックが容易に行なえる構成の混銑車用作業機を提供することを目的とする。
請求項1の混銑車用作業機は、作業機本体に搭載された基端アームと、
前記基端アームの先端に取付けられた横旋回装置と、
前記横旋回装置の旋回輪に取付けられた伸縮式旋回アームと、
前記旋回アームの先端に取付けられた縦旋回装置と、
前記縦旋回装置により旋回される旋回フレームに油圧シリンダにより傾斜角調整可能に取付けられた作業用工具とを備えた混銑車用作業機において、
前記横旋回装置の旋回輪に同心に固定して設けられた外歯歯車構造のロックギヤと、
前記基端アームにロック用油圧シリンダにより回動可能に取付けられたロックリンクと、
前記ロックリンクに取付けられ、前記ロックギヤの外周に対応した弧状対向部を有するブラケットと、
前記ブラケットの前記弧状対向部に沿って取付けられ、前記ロック用油圧シリンダの伸縮により前記ロックギヤ外周の歯に対して噛合または解離する複数のロックピンとを備えたことを特徴とする。
請求項2の混銑車用作業機は、請求項1に記載の混銑車用作業機において、
前記ブラケットは、ロック解除状態において、前記ロックリンクに対して微小範囲で回動可能に、かつ前記ロックギヤの半径方向に移動可能に取付けられ、
前記ロックピンが前記ロックギヤの歯に噛合したロック状態においては、前記ブラケットは前記ロックギヤに押されて前記ロックリンクに移動不能に保持される構成を有することを特徴とする。
請求項1の発明においては、ロックギヤの外周の複数の歯と、ブラケットに設けた複数のロックピンとの噛合構造、すなわち複数の噛合部によりロックがなされる構造としたので、複数の噛合部によってロックに必要な力を分担することが可能となり、ロックギヤの外周の歯のピッチを、従来のようにピン孔のピッチに比較して小さくすることが可能となる。このため、従来の1本のピンによるロック構造に比較して、細かい旋回位置調整が可能となり、作業機の走行や旋回を要することなく、能率よく補修や解体作業を行なることが可能となる。
また、ロックギヤの外周の歯のピッチおよびロックピンのピッチが小さくなる上、ロックリンクは基端アームに回動可能に取付けられ、ロック動作の初期段階においては、ロックピンは歯の突出方向に対して斜めに移動しながら噛合するため、噛合状態に円滑にかつ容易に移行すると共に、ロックピンとロックギヤ外周の歯との噛合が、ロックリンクの回動支点側から先端側へ移行しながら行なわれるため、ロック状態への移行が円滑にかつ容易に行なわれる。
請求項2の発明によれば、ブラケットは、ロック解除状態において、ロックリンクに対して微小範囲でロックギヤの半径方向および接線方向に移動可能に取付けたので、ロック動作の初期において、ロックピンが歯との噛合方向にずれることにより、ロックピンのロックギヤ外周の歯に対する噛合がさらに円滑に行なわれる。また、ロックピンがロックギヤの歯に噛合したロック状態においては、ブラケットはロックギヤに押されてロックリンクに移動不能に保持されるので、ロックギヤがロックリンクに対して回動することが防止され、ロック状態が確実に維持される。
本発明を適用した混銑車用作業機の一実施の形態を示す側面図である。 図1の混銑車解体機を異なる作業姿勢で示す平面図である。 この実施の形態の横旋回装置を示す一部断面側面図である。 この実施の形態の旋回アームの断面図である。 この実施の形態の旋回アーム先端の作業具に係る装置構成を示す側面図である。 (A),(B)はこの実施の形態のロック装置をそれぞれロック解除状態とロック状態で示す平面図である。 (A),(B)はそれぞれこの実施の形態のロック装置のロックリンクを示す平面図、側面図である。 (A),(B)はそれぞれこの実施の形態のロック装置のブラケットを示す平面図、側面図である。 この実施の形態のロック装置のロック初期動作におけるロックピンの動きを説明する平面図である。 この実施の形態のロック装置のロック解除状態におけるブラケットの動きを説明する平面図である。 この実施の形態のロック装置のロック状態におけるブラケットのロックリンクによる保持状態を示す平面図である。
図1は本発明を適用した混銑車用作業機の一例を示す側面図、図2は平面図である。図1、図2において、1は下部走行体、2はこの下部走行体1上に旋回装置3を介して設置された上部旋回体である。この上部旋回体2は、旋回フレーム2a上に油圧パワーユニット4、運転室5、カウンタウエイト6および保守点検や補修作業用のステップ7等を搭載して構成される。この下部走行体1と上部旋回体2とにより作業機本体8が構成される。
9は融鉄搬送容器90の耐火煉瓦90aの補修、解体を行なう作業用アタッチメントである。10はこの作業用アタッチメント9を構成する基端アームである。この基端アーム10は非伸縮アームによって構成してもよいが、この実施の形態においては、短手方向の断面形状が矩形をなす外アーム11および内アーム12とを摺動可能に嵌合した伸縮アームとして構成している。この作業用アタッチメント9は、旋回フレーム2aと外アーム11との間に設けた俯仰用油圧シリンダ13により俯仰可能に取付ける。14は基端アーム10の伸縮用油圧シリンダであり、この油圧シリンダ14は、基端アーム10に内蔵し、外アーム11と内アーム12に両端をピン連結して取付ける。
図3の側面断面図に示すように、内アーム12の先端は後述の旋回アーム15を装着するため、下アーム12aと上アーム12bとにより構成し、これらにそれぞれ設けたフランジ16,17をボルト18,19によって着脱可能に結合した二又構造としている。
旋回アーム15は、図1、図2に示すように、短手方向の断面形状が矩形をなす外アーム21と、中アーム22と、内アーム23とを伸縮可能に組み合わせて構成する。30はこの旋回アーム15を伸縮させる油圧シリンダであり、伸縮機構については後述する。この旋回アーム15は、図3に示すように、外アーム21を、下アーム12aの上面に設けた横旋回装置25と上アーム12bの下面に設けた横旋回装置26とにより挟持して取付ける。
すなわち、下アーム12aの上面に横旋回装置25の内輪25aをボルト91により固定し、この内輪25aに外輪25bを旋回可能に嵌合し、この外輪25bに外アーム21をボルト92により固定する。一方、上アーム12bの下面に横旋回装置26の内輪26aをボルト93により固定し、この内輪26aに外歯歯車を有する外輪26bを旋回可能に嵌合し、この外輪26bに外アーム21をボルト94により固定する。また、上アーム12bには旋回用油圧モータ27を取付け、その出力ピニオン27aを外輪26の外歯歯車に噛合させる。この構成を有しているので、旋回用油圧モータ27を回転駆動させることにより、旋回アーム15を旋回させることができる。
図4は旋回アーム15の構成を示す断面図である。図4において、30,31は互いに向きを反対にして互いに一体に結合した伸縮用油圧シリンダである。一方の油圧シリンダ30は、そのピストンロッドの先端を、外アーム21の基端部にピン32により連結すると共に、チューブのロッド側の端部をピン33により中アーム22に連結する。他方の油圧シリンダ31はそのピストンロッドの先端を内アーム23の先端側にピン34により連結する。この構成を有するため、油圧シリンダ30,31を同時に伸長させることにより、外アーム21に対して中アーム22が伸長すると共に、中アーム22に対して内アーム23が伸長する。反対に、油圧シリンダ30,31を同時に収縮させることにより、外アーム21に対して中アーム22が収縮すると共に、中アーム22に対して内アーム23が収縮する。
図1、図2に示すように、旋回アーム15の内アーム23の先端に縦旋回装置43を取付ける。図5はこの縦旋回装置43とその旋回側に取付ける装置構成を示す側面図である。図5において、44はこの縦旋回装置43の旋回用油圧モータである。この縦旋回装置43の旋回フレーム45に、作業用工具46支持用のブラケット47を、ピン48を中心として油圧シリンダ49により回動可能に取付ける。この例の作業用工具46は油圧を用いてチゼル46aを往復振動させる油圧ブレーカを用いた場合を示すが、空圧ブレーカあるいは他の補修用の作業具を取付けることも可能である。
52は作業用工具46を搭載したハウジングである。このハウジング52は、ブラケット47に対して進退可能に取付ける。すなわち、ブラケット47とハウジング52にそれぞれレール47a,52aを設け、ブラケット47の先端側に取付けたガイド53をハウジング52に設けたレール52aに摺動可能に嵌合し、ハウジング52の基端側に取付けたガイド54をブラケット47に設けたレール47aに摺動可能に嵌合する。55はハウジング52を進退させて作業用工具46の位置合わせを行なう油圧シリンダであり、この油圧シリンダ55はブラケット47とハウジング52にそれぞれ両端をピンにより連結して取付ける。
ハウジング52には作業用工具46による作業箇所を監視するためのカメラ57を収容すると共に、図1に示すように、旋回アーム15の外アーム21の先端部にもカメラ58を取付け、これらのカメラ57,58によって撮像される映像は運転室5内のモニタ(図示せず)により表示される。
次に旋回アーム15のロック装置について説明する。図3に示すように、旋回アーム15の外アーム21の下面に旋回板25cを取付け、この旋回板25cにボルト60により円筒体61を、横旋回装置25の旋回中心と同心に取付ける。この円筒体61の下部にロックギヤ62を、円筒体61と同心にボルト63によって取付ける。
図6(A),(B)はこの実施の形態のロック装置をそれぞれロック解除状態とロック状態で示す平面図である。図6(A),(B)に示すように、ロックギヤ62はボルト63(図3参照)により円筒体61に取付けるためのボルト挿通孔62aを有すると共に、外周に歯車の歯62bを有する外歯歯車構造を有する。
図6(A),(B)において、65はロックリンクであり、このロックリンク65は下アーム12aにピン66を中心に水平方向に回動可能に取付ける。67はロックリンク65に枢着軸69により取付けたブラケット、68はこのブラケット67に取付けられ、ロックギヤ62の外周の歯62bに噛合するロックピンである。70はロックリンク65を回動させるロック用油圧シリンダであり、この油圧シリンダ70は一端を下アーム12aにピン71により連結し他端をロックリンク65にピン72により連結して取付ける。
次にこのロック装置の構成部材の詳細について説明する。図7(A)の平面図および図7(B)の側面図に示すように、この実施の形態のロックリンク65は、下板65aと上板65bとの間に縦板65c,65dを溶接した構造を有する。また、このロックリンク65の一端には下アーム12aに前記ピン66により枢着するためのボス65eを有する。また、ロックリンク65の下板65a、上板65bにはピン孔65f,65gを設け、このピン孔65f,65gにブラケット67の枢着軸69を取付ける。下板65aと上板65bには後述のブラケット67の弧状面67e,67fを受ける弧状面65xを形成する。
図8(A)の平面図および図8(B)の側面図に示すように、ブラケット67は、ロックリンク65の下板65aと上板65bとの間に嵌まる取付け部67aと、この取付け部67aに溶接され、この取付け部67aより上下幅が大きく、弧状に曲成された縦板67bと、この縦板67aの上下に溶接された弧状の下板67cおよび上板67dとを有する。これらの弧状の下板67cおよび上板67dがロックギヤ62に対向する弧状対向部を構成する。弧状の縦板67bの取付け部67a側の下側の面67eおよび上側の面67fは、ロック時におけるロックリンク65の下板65aおよび上板65bの弧状面65xとの当接面となる。
ブラケット67の取付け部67aは、下板67gと上板67hとこれらの間に溶接した補強板67i,67jとを有し、この下板67gと上板67hに、ブラケット67の枢着軸69を嵌合する長孔67k,67mを設ける。これらの長孔67k,67mは、ロックリンク65の回動方向、すなわちロックギヤ62の半径方向に長い形状を有する。弧状の縦板67bに溶接した下板67cと上板67dには複数のロックピン68(図6(A),(B)参照)をそれぞれ挿着するピン孔67n,67pを設ける。
図3および図6(A),(B)において、ロック用油圧シリンダ70は、下アーム12aに設けたピン71にヘッド側ボス70aを嵌合し、ピストンロッドの先端のボス70bをロックリンク65の下板65aと上板65bとの間に挟み、下板65a、上板65bにそれぞれ設けたピン孔65h,65i(図7(A),(B)参照)に挿着するピン72により、ロックリンク65に連結する。73は下アーム12aに設けられた油圧シリンダ70のストッパである。このストッパ73は、油圧シリンダ70の伸長によりロックピン68がロックギヤ62の歯62bに噛合したロック状態において、油圧シリンダ70の先端をこのストッパ73に当接させ、これによりロックギヤ62に油圧シリンダ70から過大な力が作用することを防止するものである。
この構成において、図1、図2に示すように、融鉄搬送容器90の耐火煉瓦90aの補修あるいは解体作業の際には受銑口90bを横向きとし、旋回アーム15を縮め、基端アーム10を縮めた状態で受銑口90bに作業用アタッチメント9を向ける。そして、作業機の走行や、基端アーム10の伸長により、作業用アタッチメント9における横旋回装置25,26より先の部分を受銑口90bから入れる。受銑口90bに横旋回装置25,26が入った後、旋回装置26の旋回用油圧モータ27の作動により旋回アーム15を旋回させる。そして、作業箇所が奥部の場合には旋回アーム15を伸長させる。そして縦旋回装置43による旋回や油圧シリンダ49の伸縮により作業用工具46を作業箇所に向ける。また、図5に示した油圧シリンダ55の伸縮により作業用工具46の位置合わせを行ない、旋回アーム15の旋回を防止するため、ロックする。そして作業用工具46を作動させて補修や解体作業を行なう。このような作業は、ハウジング52内に取付けたカメラ57の映像や旋回アーム15の外アーム21に取付けたカメラ58の映像をオペレータが見ながら行なう。
前記旋回アーム15のロックは、図6(A)に示すように油圧シリンダ70を収縮させてロックピン68をロックギヤ62の外周の歯62bから外した状態から、図6(B)に示すように、油圧シリンダ70を伸長させてロックピン68をロックギヤ62の外周の歯62bに噛合させることにより行なう。
このように複数のロックピン68がロックギヤ62の複数の歯62bに噛合させる初期動作において、図9に示すように、ロックリンク65はピン66を中心に回動する。このため、まず、ピン66の近傍側のロックピン68から歯62bに対する噛合(初期噛合)が開始される。ここで、図9に示すように、ロックリンク65の回動中心であるピン66側のロックピン68の移動軌跡81は、対応する歯62bの突出方向の線80に対してθで示すような傾斜角をもって傾斜しているので、円滑な噛合がなされる。そしてこのような噛合初期において、ロックピン68の円滑な噛合がなされた後は、歯62bのピッチとロックピン68のピッチが一致するため、後続のロックピン68の歯62bに対する噛合も円滑に行なわれる。
さらにこの実施の形態においては、ブラケット67の長孔67k,67mをロックリンク65に取付けた枢着軸69に嵌合しているので、図10に示すように、ブラケット67はロックリンク65に対して線82の方向(ロックギヤ62の半径方向)に長孔67k,67mの長径の寸法で決まる微小範囲で移動可能である。また、ブラケット67の縦板67bの面67e、67fと、これらの面に対向するロックリンク65側の弧状面65xとの間に隙間(ガタ)があり、このため、線83で示すように、ブラケット67はこの隙間に相当する微小範囲の分だけロックリンク65に対して回動可能である。このため、ロックピン68と歯62bとの初期噛合の際に、ロックピン68はこのロックピン68が歯62bに噛合する方向に若干移動するので、噛合がより円滑に行なわれる。
ロックピン68がロックギヤ62の歯62bに噛合した後は、ブラケット67はロックギヤ62により相対的に押されるため、図11に示すように、ブラケット67の縦板67bの弧状面67e,67fがロックリンク65の弧状面65xに当接する。このため、ブラケット67がロックリンク65により保持された状態となってブラケット67の回動、移動が阻まれ、その結果、ロックギヤ62の回動、すなわち旋回アーム15の旋回が阻まれてロック状態となる。
以上に述べたように、この実施の形態においては、旋回アーム15と一体をなす旋回輪25cにロックギヤ62を取付け、このロックギヤ62の外周の複数の歯62bと、ブラケット67に設けた複数のロックピン68との噛合構造、すなわち複数の噛合部によりロックがなされる構造としている。このため、複数の噛合部によって旋回アーム15のロックに必要な力を分担することが可能となり、ロックギヤ62の外周の歯62bのピッチを、従来のようにピン孔のピッチに比較して小さくすることが可能となる。このため、従来の1本のピンによるロック構造に比較して、細かい旋回位置調整が可能となり、作業機の走行や旋回を要することなく、能率よく補修や解体作業を行なることが可能となる。なお、この実施の形態においては、ロックギヤ62の歯62bの数は36としているので、10度ごとのロックが可能となる構成としているが、必要に応じてより細かいピッチでのロックも可能である。
また、この実施の形態においては、ロックギヤ62の外周の歯62bのピッチおよびロックピン68のピッチが小さくなる上、ロックリンク65は基端アーム10に備えた下アーム12aに回動可能に取付けられ、最初に噛合するロックピン68は歯62bの突出方向に対して角度θを持って斜めに移動しながら噛合するため、ロックが容易となる。
さらにこの実施の形態においては、ブラケット67に設けた長孔67k、67mをロックリンク65に取付けた枢着軸69に嵌合してブラケット67を取付けたので、ロック用油圧シリンダ70によってロックピン68をロックギヤ62の歯62bに噛合してロックする際に、枢着軸69と長孔67k,67mとの嵌合構造によって生じるガタにより、ロックピンのロック孔に対する嵌合がさらに円滑に行なわれる。なお、枢着軸69をロックリンク65に取付ける代りにブラケット67側に取付け、その枢着軸を嵌合する長孔をロックリンク65の下板65a、上板65bに設けてその長孔にブラケット67に取付けた枢着軸を嵌合する構成を採用してもよい。
以上本発明を実施の形態により説明したが、本発明は、上記実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更、付加が可能である。
1:下部走行体、2:上部旋回体、2a:旋回フレーム、3:旋回装置、4:油圧パワーユニット、5:運転室、6:カウンタウエイト、7:ステップ、8:作業機本体、9:作業用アタッチメント、10:基端アーム、11:外アーム、12:内アーム、13:油圧シリンダ、14:油圧シリンダ、15:旋回アーム、21:外アーム、22:中アーム、23:内アーム、25,26:横旋回装置、25a,26a:内輪、25b,26b:外輪、25c:旋回輪、27:旋回用油圧モータ、30,31:伸縮用油圧シリンダ、32〜34:ピン、43:縦旋回装置、44:旋回用油圧モータ、45:旋回フレーム、46:作業用工具、47:ブラケット、48:ピン、49:油圧シリンダ、52:ハウジング、55:油圧シリンダ、57,58:カメラ、61:円筒体、62:ロックギヤ、62a:ボルト挿通孔、62b:歯、65:ロックリンク、66:ピン、67:ブラケット、67k,67m:長孔、68:ロックピン、69:枢着軸、70:油圧シリンダ、71,72:ピン、73:ストッパ、90:融鉄搬送容器、90a:耐火煉瓦、90b:受銑口、91〜94:ボルト

Claims (2)

  1. 作業機本体に搭載された基端アームと、
    前記基端アームの先端に取付けられた横旋回装置と、
    前記横旋回装置の旋回輪に取付けられた伸縮式旋回アームと、
    前記旋回アームの先端に取付けられた縦旋回装置と、
    前記縦旋回装置により旋回される旋回フレームに油圧シリンダにより傾斜角調整可能に取付けられた作業用工具とを備えた混銑車用作業機において、
    前記横旋回装置の旋回輪に同心に固定して設けられた外歯歯車構造のロックギヤと、
    前記基端アームにロック用油圧シリンダにより回動可能に取付けられたロックリンクと、
    前記ロックリンクに取付けられ、前記ロックギヤの外周に対応した弧状対向部を有するブラケットと、
    前記ブラケットの前記弧状対向部に沿って取付けられ、前記ロック用油圧シリンダの伸縮により前記ロックギヤ外周の歯に対して噛合または解離する複数のロックピンとを備えたことを特徴とする混銑車用作業機。
  2. 請求項1に記載の混銑車用作業機において、
    前記ブラケットは、ロック解除状態において、前記ロックリンクに対して微小範囲で回動可能に、かつ前記ロックギヤの半径方向に移動可能に取付けられ、
    前記ロックピンが前記ロックギヤの歯に噛合したロック状態においては、前記ブラケットは前記ロックギヤに押されて前記ロックリンクに移動不能に保持される構成を有することを特徴とする混銑車用作業機。
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