JP2012076790A - 紙カートン - Google Patents

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Abstract

【課題】トップオープン型の紙カートンであって、中身を取り出そうと手を差し込んだ際に、その差し込んだ手が引っ掛かることがないようにする。
【解決手段】天面パネルにおける左右2筋の破断線L2 を構成する各切込みは、破断方向と同一方向の主体部と、主体部の破断方向の後端から鈍角で斜め外側に突き出た前方屈曲部と、主体部の破断方向の前端から鈍角で斜め外側に突き出た後方屈曲部とからなり、前方屈曲部の先端の位置が、後方屈曲部の先端の位置より外側にあり、後方屈曲部の延長線が前方屈曲部に突き当たるように、前方屈曲部と後方屈曲部の角度と長さが決められている。破断線L2 は、後方屈曲部の先端から前方屈曲部までの間が繋がることで破断が進行する。持ち上げた開封部の方に破断線L2 の破断で生じる三角状の突起が連続して残り、天面パネル14に形成された開口の周囲には三角状の凹みが連続して形成されるだけで突起が残らない。
【選択図】図1

Description

本発明は、板紙からなるカートンの技術分野に属し、詳しくは、直方体形状の板紙製容器であって、菓子類を始めとして、化粧品、医薬品、各種小物などを収納して販売する際に好適に用いられる紙カートンに関するものである。
従来、この種の紙カートンとして、天面パネルを大きく開封して中身を取り出すトップオープン型の紙カートンが知られている。その中でも代表的なものとしては、後側をヒンジとする天面パネルから前方に延設したフラップパネルを前面パネルと貼着し、内容物を収納した後、折込みフラップを折り込んでから側面パネル同士を貼着することにより形成される紙カートンであって、開封時には、フラップパネルの一部からなる摘み部を引っ張り、破断線に沿ってフラップパネルと天面パネルを破断することにより2筋の破断線に囲まれた開閉部分を摘み上げ、天面パネルの中央部を大きく開放して内容物を取り出すように、また、一旦開けた開閉部分は、リクローズするにあたって摘み部分を前面パネルの切込みに差し込んで閉じることにより、自然に開閉部分が開くことを防ぐように構成されたものが広く利用されている。
特開平8−11869号公報 特開平9−193926号公報 特開平11−310226号公報
上記したトップオープン型の紙カートンは、天面パネルとフラップパネルに渡って2筋の破断線を形成してあり、これら2筋の破断線はそれぞれ連続する複数の切込みからなっている。そして、フラップパネルにおける破断線の中央に位置する摘み部を摘んで2筋の破断線の破断を進行させると、切込みの内側に破断が寄って行こうとするため、各切込みは破断進行方向で見て前の切込みの後部が内向きに折れ曲がった形状にすることで、破断が次の切込みに繋がって途切れないようにしている。このため、破断線が破断した後の天面パネルは、開口の縁に沿って、内向きに折れ曲がった部分の先端に紙の千切れた部分が残った状態(鋸刃状という)となり、手を極度に素早く突っ込んだような場合にその突っ込んだ手が引っ掛かることがあり得る。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、天面パネルを大きく開封して中身を取り出すトップオープン型の紙カートンであって、中身を取り出そうと手を差し込んだ際に、その差し込んだ手が引っ掛かることがないようにした紙カートンを提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明に係る紙カートンは、天面パネルから前方に延設したフラップパネルが前面パネルと貼着されており、天面パネルとフラップパネルには連続する複数の切込みからなり開封領域を区画する2筋の破断線が設けられ、フラップパネルにはその前端部に2筋の破断線に繋がる開封開始用の摘み部分が形成されたトップオープン型の紙カートンであって、天面パネルにおける左右2筋の破断線を構成する各切込みは、破断方向と同一方向の主体部と、主体部の破断方向の後端から鈍角で斜め外側に突き出た前方屈曲部と、主体部の破断方向の前端から鈍角で斜め外側に突き出た後方屈曲部とからなり、前方屈曲部の先端の位置が、後方屈曲部の先端の位置より外側にあり、後方屈曲部の延長線が前方屈曲部に突き当たるように、前方屈曲部と後方屈曲部の角度と長さが決められていることを特徴とする。
そして、上記構成の紙カートンにおいて、切込みの主体部にツナギを設けることが好ましい。
本発明の紙カートンは、摘み部分を引っ張っると破断線の切込みが連続的に破断されて開封されるが、天面パネルにおける2筋の破断線は、切込みの主体部の後端から斜め外側に突き出た後方屈曲部の先端から、それより先端が外側にある次の切込みの前方屈曲部までの間が繋がることで破断が進行するので、破断線に沿った破断が確実に行われるとともに、持ち上げた開封部の方に破断線の破断で生じる三角状の突起が連続して残り、天面パネルに形成された開口の周囲には三角状の凹みが連続して形成されるだけで突起が残らないことから、開口に手を入れて内容物を取り出すときにその手が引っ掛かるようなことがない。
また、切込みの主体部にツナギを設けておくことにより、紙カートンを組み立てるブランクのサック貼り工程において、ブランク同士が擦れても切込みがささくれ立つことが防止される。
本発明に係る紙カートンの一例を示す斜視図である。 図1に示す紙カートンを組み立てるブランクの展開図である。 図2に示すブランクにおける天面パネルの右側の一部を拡大して示す拡大図である。 図2に示すブランクにおける天面パネルに形成した右側の破断線の一部を拡大した説明図である。 図1に示す紙カートンをその天面を開けた状態で示す斜視図である。
図1は本発明に係る紙カートンの一例を示すもので、この紙カートンは図2に示すブランクを組み立てて形成されている。
図2のブランクは、紙器用の板紙を打ち抜いて形成されたもので、図示の如く、押罫からなる折線a,b,c,dを介して前面パネル11、底面パネル12、背面パネル13、天面パネル14、フラップパネル15が順次連設されている。そして、底面パネル12の左右辺には折線e,fを介してそれぞれ底面側の側面パネル16,17が連設され、背面パネル13の左右辺には折線g,hを介してそれぞれ折込みフラップ18,19が連設され、天面パネル14の左右辺には折線i,jを介してそれぞれ天面側の側面パネル20,21が連設され、フラップパネル15の左右辺には折線k,lを介してそれぞれ折込みフラップ22,23が連設されている。
フラップパネル15には、ツナギのある切込みにより先端中央に摘み部分15aが区画されており、その摘み部分15aには、折れ曲がりやすいように中央に押罫からなる罫線mが設けられている。そして、摘み部分15の2箇所の根元を起点として末広がり状に延びる開封用の2筋の破断線L1 が形成されており、天面パネル14には、これら2筋の破断線L1 にそれぞれ連続して同じく開封用の破断線L2 がそれぞれ側辺と平行に背面パネル13の近いところまで形成されている。
天面パネル14には、左右の側辺寄りに破断線L2 が形成されているとともに、背面パネル13寄りのところに開封部のヒンジとなる折曲げ線αが左右の破断線L2 の内側に位置する長さで形成されており、左右の破断線L2 とこの折曲げ線αとで囲まれる領域が開封領域(開封部)を形成している。
天面パネル14における左右の破断線L2 は、それぞれフラップパネル15側から背面パネル13側に向かって折曲げ線αの手前に至るまで設けられ、その破断線L2 に繋がり折曲げ線αの端部に至る切込み線βが形成されており、その切込み線βにより折曲げ線αよりも後方に突出する舌片24が区画されている。そして、開封部のヒンジとなる折曲げ線αは、折れ曲がりやすいようにミシン目で形成されている。
フラップパネル15の破断線L1 と天面パネル14の破断線L2 は、いずれも連続する複数の切込みからなっている。このうち、フラップパネル15における2筋の破断線L1 は、末広がり状に形成されており、開封時には各切込みに対して内向きの力が掛かって破断されるため、図示のように、破断方向で見て後側が内向きに折れ曲がった形状の切込みを連続させ、破断が途切れないようにしている。
一方、天面パネル14における左右の破断線L2 は、連続する複数の切込みが側辺と平行に一列に配列されたものである。そして、図3に右側の破断線L2 の全体を示しているが、図4にその破断線L2 の一部を拡大して示すように、これらの切込みyは、破断方向(矢印方向)と同一方向の主体部y1 と、主体部y1 の破断方向の後端Bから鈍角で斜め外側に突き出た前方屈曲部y2 と、主体部y1 の破断方向の前端Cから鈍角で斜め外側に突き出た後方屈曲部y3 とからなっており、前方屈曲部y2 の先端Aの位置が、後方屈曲部y3 の先端Dの位置より外側にあり、後方屈曲部y3 の延長線が前方屈曲部y2 に突き当たるように、前方屈曲部y2 と後方屈曲部y3 の角度と長さが決められている。さらに、サック貼り工程で、ブランク同士が擦れることで切込みyがささくれ立つことを防止するため、主体部y1 のほぼ中央にツナギuが残されている。
前面パネル11には、フラップパネル15の摘み部分15aに対応する位置に差込み部11aが形成されており、組み立てられた紙カートンの開封後において、この差込み部11aに開封部先端の摘み部分15aを差し込んで係止できるようになっている。ここでは、一辺に2箇所のツナギを残した概略矩形状の切込により差込み部11aが区画されており、差込み部11aを押すとツナギのある一辺をヒンジとして撓むことで、摘み部分15aの差込みを容易としている。
また、前面パネル11と底面パネル12の境界には、開封時に摘み部分15aに対する指掛けを容易とする窪みを形成するため、折線aの途中に押罫を紡錘形とした凹部形成領域11bが設けられている。なお、この紡錘形の凹部形成領域11bは、前面パネル11側をミシン目として、製函時において前面パネル11と底面パネル12の境界を折り曲げやすくしている。
図2のブランクは、前面パネル11の表側にフラップパネル15の裏側を貼り合わせたサック貼り状態とされる。このとき、開封部を除いた部分、すなわち破断線L1 より外側の領域で糊付けする。そして、このサック貼りされたものが複数枚をまとめて製函工程へと送られる。
サック貼り状態のブランクから紙カートンを組み立てるには、まず、折り畳んだブランクを角筒状に起こした後、一方の端面側で、折込みフラップ19,23をそれぞれ内側に折り曲げてから、底面側の側面パネル17と天面側の側面パネル21を順次折り曲げて貼り合わせる。
このように一方の端面だけを閉じた状態で他方の開いた方から内容物を投入する。そして、他方の端面側で、折込みフラップ18,22をそれぞれ内側に折り曲げてから、底面側の側面パネル16と天面側の側面パネル20を順次折り曲げて貼り合わせる。これにより図1に示す紙カートンが製函される。
図1に示す紙カートンから内容物を取り出すに際しては、図5に示すように天面を開ける。このように紙カートンの天面を開けるには、前面パネル11の下端にある凹部形成領域11bでできた窪みを利用し、フラップパネル15の摘み部分15aを指で把持して引っ張る。このように摘み部分15aを引っ張ることでフラップパネル15の2筋の破断線L1 を破断し、そのまま上方から後方にかけて引っ張ることで天面パネル12の左右の破断線L2 をそれぞれ破断線L1 に連続して破断しながら、破断された開封部を折曲げ線αのところをヒンジとして回動しつつ蓋として開ける。
図5に示す開封状態では、持ち上げた開封部の周囲に破断線L2 の破断で生じる三角状の突起が残り、天面パネル14に形成された開口の周囲には突起が残らない。すなわち、破断線L2 の破断は、切込みyの主体部y1 の後端から斜め外側に突き出た後方屈曲部y3 の先端Dから、それより先端Aが外側にある次の切込みyの前方屈曲部y2 までの間が繋がることで進行するので、破断が確実に行われるとともに、開封部が開いた後に形成される開口の周縁は三角状の凹みが連続した状態になる。したがって、開口に手を入れて内容物を取り出すときにその手が引っ掛かるようなことがない。
以上、本発明を実施するための形態について詳細に説明してきたが、本発明による紙カートンは、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは当然のことである。
11 前面パネル
11a 差込み部
11b 凹部形成領域
12 底面パネル
13 背面パネル
14 天面パネル
15 フラップパネル
15a 摘み部分
16,17 側面パネル
18,19 折込みフラップ
20,21 側面パネル
22,23 折込みフラップ
24 舌片
1 ,L2 破断線
α 折曲げ線
β 切込み線
a〜l 折線
m 罫線
u ツナギ
y 切込み
1 主体部
2 前方屈曲部
3 後方屈曲部
A 先端
B 後端
C 前端
D 先端

Claims (2)

  1. 天面パネルから前方に延設したフラップパネルが前面パネルと貼着されており、天面パネルとフラップパネルには連続する複数の切込みからなり開封領域を区画する2筋の破断線が設けられ、フラップパネルにはその前端部に2筋の破断線に繋がる開封開始用の摘み部分が形成されたトップオープン型の紙カートンであって、天面パネルにおける左右2筋の破断線を構成する各切込みは、破断方向と同一方向の主体部と、主体部の破断方向の後端から鈍角で斜め外側に突き出た前方屈曲部と、主体部の破断方向の前端から鈍角で斜め外側に突き出た後方屈曲部とからなり、前方屈曲部の先端の位置が、後方屈曲部の先端の位置より外側にあり、後方屈曲部の延長線が前方屈曲部に突き当たるように、前方屈曲部と後方屈曲部の角度と長さが決められていることを特徴とする紙カートン。
  2. 切込みの主体部にツナギを設けたことを特徴とする請求項1に記載の紙カートン。
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