JP2012076643A - 気体回収装置及び摩擦抵抗低減型船舶 - Google Patents

気体回収装置及び摩擦抵抗低減型船舶 Download PDF

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Abstract

【課題】気泡の混ざった水から気泡をより効率的に回収することを可能とする摩擦抵抗低減船舶用の気体回収装置を提供する。
【解決手段】摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置は、気体回収室51と、仕切り板19とを具備している。気体回収室51は、船体の内側に設けられている。仕切り板19は、船体の外側を流れる気体を含んだ水を気体回収室51へ取り込むための気体回収口41aを有し、船体の内側と外側とを仕切っている。仕切り板19は、気体回収室51の底部である。気体回収口41aは、船体の内側と外側とを連通する気体流路42の外側の開口部である。気体流路42は、少なくとも船首側の内壁を構成し、気体回収室51の内部へ伸びる流路部材61を備えている。
【選択図】図4

Description

本発明は、摩擦抵抗低減型船舶に関し、特に気体回収装置を備える摩擦抵抗低減型船舶に関する。
航行時に船底面や船側面を気泡流で覆うことにより船体摩擦抵抗を低減する船舶(摩擦抵抗低減型船舶)が知られている。摩擦抵抗低減型船舶は、船首付近の船底又は船側から水中へ空気を吹き出すことにより、船底面や船側面を気泡流で覆うことで船体の摩擦抵抗を低減している。ここで、気泡が船尾のプロペラに巻き込まれると推進効率が低下したりプロペラ起振力が増大したりする問題が発生する。
気泡のプロペラへの巻き込みを防止する技術として、特開2009−248831号公報(以下、特許文献1;関連する公開WO2009122736(A1))に気泡巻き込み防止装置が開示されている。この気泡巻き込み防止装置は、船尾側の船底に設けられた気泡吸込み口と、気液分離室とを備えている。気泡吸込み口は、気泡混じりの海水を吸い込む。気液分離室は、吸い込まれた海水を空気と海水とに分離する。分離された空気は大気に放出される。
また、特開平11−227675号公報(以下、特許文献2;関連する公開EP0903287(A2、A3))には、摩擦抵抗低減船の空気吹き出し器に、船幅方向に一連に延びるシーチェストを設けることが開示されている。このシーチェストは、各空気吹き出し部と連通するように、船底外板の内側に取り付けられている。
一般に、シーチェストと船底外板とは、安全性を考慮し、船体内部に海水が浸入しないように水密に構成している。つまり、シーチェストと船底外板とは、例えば、溶接等により、一体に形成されている。一方で、シーチェスト内部には、特許文献2の例では、各空気吹き出し部を介して海水が流入するため、シーチェスト内部は、海洋生物が付着したり、あるいは、海水により錆びたりしてしまう場合がある。このとき、シーチェスト内部を定期的にメンテナンスする必要があるが、従来の摩擦抵抗低減船の空気吹き出し器のような構成では、シーチェスト内部に作業員が立ち入ることができず、メンテナンスを行うことは難しい。
特開2009−248831号公報 特開平11−227675号公報
本発明の目的は、気泡の混ざった水から気泡をより効率的に回収することが可能な空気回収口を有する気体回収装置、及びそれを有する摩擦抵抗低減型船舶を提供することである。また、本発明の他の目的は、気泡が船尾のプロペラに巻き込まれることをより効果的に防止することが可能な気体回収装置、及びそれを有する摩擦抵抗低減型船舶を提供することである。更に、本発明の他の目的は、底部に複数の空気回収口が形成された気体回収チャンバ用にシーチェストを設けた場合、そのメンテナンスを容易に行うことが可能な気体回収装置、及びそれを有する摩擦抵抗低減型船舶を提供することである。
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
以下に、[発明を実施するための形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と発明を実施するための形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
従って、上記課題を解決するために、本発明の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置は、気体回収室(51)と、仕切り板(19)とを具備している。気体回収室(51)は、船体(10)の内側に設けられる。仕切り板(19)は、船体(10)の外側を流れる気体を含んだ水を気体回収室(51)へ取り込むための気体回収口(41a)を有し、船体(10)の内側と外側とを仕切る。仕切り板(19)は気体回収室(51)の底部である。気体回収口(41a)は、気体回収室(51)の内側と船体(10)の外側とを連通する気体流路(42)の船体(10)の外側の開口部である。気体流路(42)は、少なくとも船首(11)側の内壁を構成し、気体回収室(51)の内部へ伸びる流路部材(61、70、51c)を備える。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、流路部材(61、70、51c)は、船首(11)側において船体(10)の内側から外側に近づくに連れて船首(11)側に近づく面を有することが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、流路部材(61、70、51c)は、船首(11)側において、仕切り板(19)に対して傾斜又は曲面を有することが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、流路部材(61、70、51c)は、平板、曲がり板、円管又はそれらの組合せで形成されていることが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、流路部材(61、70、51c)は、気体回収室(51)における船首(11)側の側面を含むことが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、流路部材(61、70、51c)は、更に、気体流路(42)の船尾(12)側の内壁を構成することが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、気体回収室(51)の内部に仕切り板(19)に平行に設けられた拡散板(51b)を更に具備する。拡散板(51b)の仕切り板(19)側の面と、流路部材(61)の気体回収室(51)側の端部とが結合することが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、気体回収室(51)を覆うように船体(10)の内側の仕切り板(19)上に配設されたシーチェスト(135)を更に具備することが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、シーチェスト(135)は、その内部空間を仕切るように配設された隔壁(145)を含む。隔壁(145)は、貫通孔(148)を有することが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、仕切り板(19)に形成された出入口(151)と、出入口(151)とシーチェスト(135)の内部とを連通する連絡通路(150)とを更に具備することが好ましい。
上記の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、気体回収室(51)は、船底(13)側に配設された下部ケーシング(58a)と、船上側に配設された上部ケーシング(58b)とを備える。上部ケーシング(58b)は、下部ケーシング(58a)に対し、着脱自在に構成されていることが好ましい。
本発明の摩擦抵抗低減型船舶は、船体(10)と、摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置とを具備する。摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置は、船体(10)の船底(13)又は船側(18)に設けられた気体吹き出し口(31)から水中に吹き出された気体を、気体吹き出し口(31)よりも船尾(12)側の船底(13)に設けられた気体回収口(41a)から回収する。摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置は、上記各段落のいずれかに記載されている。
本発明により、気泡の混ざった水から気泡をより効率的に回収することが可能となる。また、気泡が船尾のプロペラに巻き込まれることをより効果的に防止することが可能となる。
図1Aは、本発明の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶の構成の一例を示す側面図である。 図1Bは、本発明の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶の構成の一例を示す底面図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶に設けられた気体回収口の構成の一例を示す平面図である。 図3Aは、気体回収装置に用いる気体回収チャンバの構成の一例を示す断面図である。 図3Bは、気体回収装置に用いる気体回収チャンバの構成の一例を示す斜視図である。 図4は、気体回収口及びその周辺の構成の一例を示す断面図である。 図5は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例を示す断面図である。 図6は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す断面図である。 図7は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す断面図である。 図8Aは、本発明の第2の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶に設けられた気体回収口の構成例を示す平面図である。 図8Bは、気体回収装置に用いる気体回収チャンバの構成の一例を示す斜視図である。 図9は、気体回収口及びその周辺の構成の一例を示す断面図である。 図10は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例を示す断面図である。 図11は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す断面図である。 図12は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す断面図である。 図13は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す断面図である。 図14Aは、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す気体回収口の平面図である。 図14Bは、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す気体回収口の平面図である。 図14Cは、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す気体回収口の平面図である。 図15Aは、本発明の第3の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶に設けられた気体回収装置に用いる気体回収チャンバの構成の一例を示す断面図である。 図15Bは、本発明の第3の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶に設けられた気体回収装置に用いる気体回収チャンバの構成の一例を示す斜視図である。 図16は、気体回収口及びその周辺の構成の一例を示す断面図である。 図17は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例を示す断面図である。 図18は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例を示す断面図である。 図19Aは、本発明の第4の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶に設けられた気体回収装置に用いる気体回収チャンバの構成の一例を示す断面図である。 図19Bは、本発明の第4の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶に設けられた気体回収装置に用いる気体回収チャンバの構成の一例を示す斜視図である。 図20Aは、気体回収口及びその周辺の構成の変形例を示す断面図である。 図20Bは、気体回収口及びその周辺の構成の変形例を示す斜視図である。 図21は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例を示す断面図である。 図22は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例を示す断面図である。 図23は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例を示す断面図である。 図24は、複数の気体回収チャンバを収容するシーチェスト周りの構成例を示す斜視図である。 図25は、複数の気体回収チャンバを収容するシーチェスト周りの構成例を示す断面図である。 図26は、複数の気体回収チャンバを収容するシーチェスト周りの他の構成例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態に係る気体回収装置、及びそれを用いた摩擦抵抗低減型船舶に関して、添付図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る気体回収装置及びそれを用いた摩擦抵抗低減型船舶及の構成について説明する。
図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶の構成の一例を示す側面図である。この摩擦抵抗低減型船舶は、船体10と、船体10内に設けられた気体吹き出し装置30と、船体10内に設けられた気体回収装置40とを備えている。船体10は、船首11と、船尾12と、船底13と、プロペラ16と、舵17と、船側18とを備えている。
気体吹き出し装置30は、航行時に、船底13や船側18を気泡流で覆うように、船首11付近の船底13や船側18から水中(例示:海水中)へ気体(例示:空気、主機等からの排出ガス)を吹き出す。気体吹き出し装置30は、気体吹き出し口31と、気体供給部34とを備えている。気体吹き出し口31は、船底13の船首11側の部分に設けられ、水中へ気体を吹き出す。ただし、気体吹き出し口31は、船側18の船首11側の部分に設けられていてもよい。気体供給部34は、コンプレッサ又はブロワを含み、気体吹き出し口31へ気体を供給する。水中へ吹き出される気体によって形成される気泡流によって船底13が覆われて船体10の摩擦抵抗が低減される。
気体回収装置40は、航行時に、船底13や船側18を覆うようにして流れる気泡流から気泡(空気に例示される気体の泡)を回収する。気体回収装置40は、気体回収口41と、気体回収室としての気体回収チャンバ51とを備えている。気体回収口41は、船底13の船尾12側の部分に設けられ、水中から気泡を含む水を取り込む。気体回収チャンバ51は、気液分離機能を有し、気泡を含む水を気体と水とに分離する。分離された空気は、流路55を介して外部(大気中)へ、又は、流路55、56を介して気体供給部34へ送出される。気体供給部34が流路56から供給された気体を気体吹き出し口31から水中に吹き出す場合、大気から取り込んだ空気を吹き出す場合に比べて、気体吹き出しのためのエネルギが削減される。
気体回収チャンバ51は、気液分離室としての機能を有する。気体回収チャンバ51の詳細は後述される。気体回収口41は、気体吹き出し口31より船尾12側かつプロペラ16より船首11側に配置されている。気体回収口41は船体10の内側と外側とを仕切る仕切り板に設けられている。仕切り板は、船底13の外板に例示される。気体回収チャンバ51の底板と仕切り板とは重なっていても良いし、離れていても良い。気体回収口41がプロペラ16より船首11側で気体を回収するため、気泡がプロペラ16に巻き込まれることが防止される。
図1Bは、本発明の第1の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶の構成の一例を示す底面図である。本図において、船体10の船長方向(前後方向)及び船幅方向(左右方向)が、それぞれX及びYで示されている。船体10は、左舷14と、右舷15とを備えている。この図の例では、プロペラ16は船体10のセンターラインCL上に配置されている。気体吹き出し口31は、3個設けられ、互いに離れている。気体回収口41は、3個設けられ、互いに離れている。ただし、プロペラ16や気体吹き出し口31や気体回収口41は一例であり、本発明においてそれらの数や位置や形状はこの例に限定されるものではない。
気体回収口41は、例えば、複数の気体回収口によって形成されている。以下では、複数の気体回収口をまとめて示す場合には気体回収口41とし、個々の気体回収口を示す場合には気体回収口41aと示すことにする。気体回収口41は、船幅方向Yに延びる帯形状に形成されている。中央の気体回収口41はセンターラインCLをまたぐように、左舷側の気体回収口41はセンターラインCLよりも左舷14側に、右舷15側の気体回収口41はセンターラインCLよりも右舷15側にそれぞれ設けられている。このように気体回収口41が船幅方向Yの広い範囲に分布するため、船底13の船幅方向Yに広い範囲で気体を回収することができる。
図2は、気体回収口41の構成例を示す平面図である。気体回収口41aは、矩形のスリット形状を有し、船幅方向Yに延びる平行な2直線L1及びL2に沿って配列されている。直線L1に沿って配列されたスリットと直線L2に沿って配列されたスリットとは、船幅方向Yに沿う位置がずれている。各スリットの長手方向は船幅方向Yに平行である。気体回収口41aの上方の船体10内側には気体回収チャンバ51と流路55が、気体回収口41aごとに設けられている。なお、複数の気体回収口41aに一つの気体回収チャンバ51が設けられていてもよい。
次に、本実施の形態に係る気体回収装置40について更に説明する。
まず、気体回収装置40の気体回収チャンバ51の構成について説明する。
図3Aは、気体回収装置40に用いる気体回収チャンバ51の構成の一例を示す断面図(船幅方向Yを法線とする断面の図)である。気体回収チャンバ51は、気体回収口41aから取り込んだ気泡を含む水を、底板51aの取り入れ口50から取り入れる。そして、気泡52aを含む水52を気体と水とに分離する(気液分離)。分離後の気体は流路55から送出され、船体10の外部に排出され、又は気体供給部34に供給される。分離後の水はバルブ54及びポンプ(図示されず)を介して船体10から排出される。
図3Bは、気体回収装置40に用いる気体回収チャンバ51の構成の一例を示す斜視図である。気体回収チャンバ51の底板51aは、船底13の仕切り板(19;後述)と重なっていても良いし、一体(同一)であっても良い。以下では、底板51aと仕切り板19とは一体(同一)として説明する。その場合、取り入れ口50は、気体回収口41aである。すなわち、気体回収口41a(=取り入れ口50)は、船幅方向Yに伸びるスリットである。なお、この図のように一つの気体回収チャンバ51に対して、一つの気体回収口41aが設けられていてもよいし、複数の気体回収口41aが設けられていてもよい。
次に、気体回収装置40の気体回収口41a及びその周辺の構成について説明する。
図4は、気体回収口及びその周辺の構成の一例を示す断面図(船幅方向Yを法線とする断面の図)である。本図は、図2のAA’断面を示している。本図において、左側が船首11側、右側が船尾12側であるとする。また、白抜き矢印は水の流れ200を示し、水の流れ200は気体吹き出し口31からの気泡の流れと見ることもできる(以下、本明細書において同様である)。
仕切り板19は、船体10の船底13(又は船側18)を形成する外板に例示される。仕切り板19は、気体流路42を有している。気体流路42は、仕切り板19の一方の側である船体10の内側と、他方の側である船体10の外側とを連通する。気体回収口41aは、その気体流路42における船体10の外側の開口である。気体回収口41aは、図の紙面に垂直な方向に伸びるスリット(図2)である。図2で示されるスリットの長手方向は、図の紙面に垂直な方向である。
気体流路42は、仕切り板19の船首11側の端部19cを覆い、仕切り板19から更に気体回収チャンバ51の内側に斜めに伸びた流路部材61を備えている。また、気体流路42は、仕切り板19の船尾12側の端部19dを覆い、仕切り板19から更に気体回収チャンバ51の内側に斜めに伸びた流路部材62を備えている。従って、気体流路42は、仕切り板19を船体内側表面19aから船体外側表面19bに斜めに貫通し、更に気体回収チャンバ51の内側の流路部材61、62の端まで伸びている。このとき、気体流路42は、船首11側であって船体10(気体回収チャンバ51)の内側の端42a及び船体10の外側の端42b(いずれも流路部材61の端)と、船尾12側であって船体10(気体回収チャンバ51)の内側の端42c及び船体10の外側の端42d(いずれも流路部材62の端)とを有している。すなわち、流路部材61は、端42aから端42bまでの面を構成している。流路部材62は、端42cから端42dまでの面を構成している。
気体流路42は、船首11側の側面(端42aから端42bまでの面)が、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。言い換えれば、船首11側の側面において、流路部材61が、船首11から船尾12に向かって、徐々に気体回収口41aの内部に入り込んで行く。この図の例では、流路部材61(仕切り板19の端部19cを覆う平板状の部材)が仕切り板19に垂直な方向に対して船首11側(図の左側)に向かうように傾斜Sを有している。その傾斜Sは、図に示されるように、仕切り板19に平行な面F(例示:船体外側表面19b)を基準として、角度αだけ傾いている。その角度αは、気泡を取り込むエネルギの点から2度以上80度以下が好ましい。
更に、気体流路42は、船尾12側の側面(端42cから端42dまでの面)が、傾斜Sと平行な傾斜S’を有している。この図の例では、流路部材62(仕切り板19の端部19dを覆う平板状の部材)が、船首11側の傾斜Sに対向するような平行な傾斜S’を有している。その傾斜S’も角度αを有している。このとき、平行に並んだ流路部材61と流路部材62との両端は、他の流路部材(平行四辺形)で互いに接続される。
気体回収口41aに入った気泡混じりの水は、気体流路42を経て気体回収チャンバ51に回収される。
このように、気体流路42の船首11側の側面(流路部材61)は、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く(例示:角度αだけ傾斜)ことにより、船首11側の気体吹き出し口31から流れてきた気泡を気体回収口41aに迎え入れやすくし、取り込みやすくすることができる。それにより、気体吹き出し口31からの気泡を気体回収口41aに極めて効率的に回収することが可能となる。
また、気体流路42の構造において、船尾12側の側面(流路部材62)も更に角度αだけ傾斜させ、傾斜Sと平行な傾斜S’としている。このような構成により、更に、船首11側の気体吹き出し口31から流れてきた気泡が、船尾12側の側面に衝突したとき、気体回収口41aから逃げ出しにくく、より確実に気体回収口41a内部に回収することができる。よって、気体回収口41aに入った気泡をより確実に気体回収口41a内部に回収することができる。
更に、流路部材61、62を気体回収チャンバ51の内部まで延伸していてので、気泡混じりの水を気体回収チャンバ51の上方にまで運ぶことができる。それにより、気泡が早く水面に到達するので、気泡が水から除去されやすくなり、気液分離の機能を向上させることができる。
なお、気体流路42の船首11側の側面が船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づく構造としては、傾斜S(断面が直線的)だけでなく、Rを形成する方法(後述の変形例)や、それ以外の曲面(断面が必ずしも直線的でない)などで実現できる(以下、本明細書において同じ)。
このように、気体流路42の構造において、船首11側の側面が、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。すなわち、船首11側に向かう傾斜Sを有している。水から見れば、流れ200の向きに進むに連れて徐々に気体回収口41aの内部に入り込んでいく(船体10内部に近づいていく)ことになる。このように、本実施の形態では、徐々に気体回収口41aの内部に入っていく流れを作ることができる。加えて、気泡混じりの水を水面近傍に早期に導くことができる。そのため、気泡の混ざった水から気泡(気体)をより効率的に回収することが可能となる。それにより、気泡が船尾のプロペラに巻き込まれることをより効果的に防止することが可能となる。
次に、気体回収装置40の気体回収口41a及びその周辺の構成の変形例について説明する。
(第1の実施の形態の変形例1)
図5は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例1を示す断面図(船幅方向を法線方向とする断面図)である。
本変形例は、図4の場合と比較して、流路部材61のみが気体回収チャンバ51の内部に深く入り、流路部材62が無いという点で図4の場合と異なっている。すなわち、気体流路42における船首11側の側面(端42aから端42b)が、傾斜Sを有し、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。言い換えれば、船首11側の側面において、流路部材61が、船首11から船尾12に向かって、徐々に気体回収口41aの内部に入り込んで行く。一方、気体流路42における船尾12側の側面(端42cから端42dまでの面)は、仕切り板19の端部19dである。
この場合にも、図4の場合と同様に、流路部材61の傾斜Sによる気泡の混ざった水から気泡(気体)をより効率的に回収できるという効果を奏すことができる。また、気泡混じりの水を気体回収チャンバ51の所定の領域(水面側の領域)に運べるので、気液分離の機能を向上させることができる。
(第1の実施の形態の変形例2)
図6は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例2を示す断面図である。
本変形例は、図4の場合と比較して、気体流路42における船首11側及び船尾12側の側面(流路部材61、62)が、傾斜S、S’ではなく、曲面R、R’である点で図4の場合と異なっている。曲面の半径は、例えば、仕切り板19の板厚よりも大きくする。この場合、船首11側の曲面(流路部材61)が凸面であり、船尾12側の曲面(流路部材62)が凹面である。その凸面と凹面とは対向し、互いに平行である。すなわち、流路部材61、62は、曲面を有する板(曲がり板)であり、それぞれ船首11側及び船尾12側の仕切り板19の端部19c、19dを覆いつつ、気体回収チャンバ51の内部に向かって曲がって伸びている。その他については、図4Aの場合と同様である。
この場合にも、気体流路42の構造において、船首11側の側面が、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。すなわち、船首11側に向かう曲面を有している。水から見れば、流れ200の向きに進むに連れて徐々に気体回収口41aの内部に入り込んでいく(船体10内部に近づいていく)ことになる。従って、このような場合についても、図4Aの場合と同様の効果を得ることができる。
なお、図6の場合とは逆に、船首11側の曲面(流路部材61)が凹面であり、船尾12側の曲面(流路部材62)が凸面であってもよい。その場合も、図6と同様の効果を得ることができる。
(第1の実施の形態の変形例3)
図7は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例3を示す断面図である。
本変形例は、図6の場合と比較して、流路部材61のみが気体回収チャンバ51の内部に深く入り、流路部材62が無く、流路部材61(船首11側の曲面)が凹面であるという点で図6の場合と異なっている。すなわち、気体流路42における船首11側の側面(端42aから端42b)が、曲面Rを有している。曲面の半径は、例えば、仕切り板19の板厚よりも大きくする。すなわち、流路部材61は、曲面を有する板(曲がり板)であり、船首11側の仕切り板19の端部19cを覆いつつ、気体回収チャンバ51の内部に向かって曲がって伸びている。ただし、その曲面は、図6の場合と同様の凸面であっても良い。その他については、図6の場合と同様である。
この場合にも、気体流路42の構造において、船首11側の側面が、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。すなわち、船首11側に向かう曲面を有している。水から見れば、流れ200の向きに進むに連れて徐々に気体回収口41aの内部に入り込んでいく(船体10内部に近づいていく)ことになる。従って、このような場合についても、図5の場合と同様の効果を得ることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶及び気体回収装置の構成について説明する。
図1A〜図1Bについては、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
図8Aは、気体回収口41の構成例を示す平面図である。気体回収口41aは、円孔形状を有し、船幅方向Yに沿って配列されている。気体回収口41aの上方の船体10内側には気体回収チャンバ51と流路55が設けられている。
次に、本実施の形態に係る気体回収装置40について更に説明する。
まず、気体回収装置40の気体回収チャンバ51の構成について説明する。
図3Aについては、第1の実施の形態と同様であるのでその説明を省略する。
図8Bは、気体回収装置40に用いる気体回収チャンバ51の構成の一例を示す斜視図である。気体回収チャンバ51の底板51aは、船底13の仕切り板19と重なっていても良いし、一体(同一)であっても良い。以下では、底板51aと仕切り板19とは一体(同一)として説明する。その場合、取り入れ口50は、気体回収口41aでる。すなわち、気体回収口41a(=取り入れ口50)は、船幅方向Yに沿って並んだ円孔形状を有している。伸びるスリットである。
次に、気体回収装置40の気体回収口41a及びその周辺の構成について説明する。
図9は、気体回収口及びその周辺の構成の一例を示す断面図である。本図は、図8AのAA’断面を示している。本実施の形態は、図4(第1の実施の形態)の場合と比較して、流路部材として平板や曲がり板ではなく、ストレートな円管(直管)を用いている点で第1の実施の形態と異なっている。これは、気体流路42が図8Aに示されるように円孔形状を有していることによる。円管の気体回収チャンバ51内の端部は、内部の水面と略平行になるように、仕切り板19に平行にすることが好ましい。この場合、流路部材70として、当該円孔形状の内径と概ね同一の外径を有する円管を用いる。円管を用いるので、流路部材70は、気体流路42の内壁の全周を覆う。それにより、極めて容易に流路部材70を気体流路42に取り付けることができる。その他については、図4の場合と同様である。
気体流路42の形状がスリット形状と円孔形状と異なっているが、図9の断面形状は、実質的に図4の断面形状とみなすことができる。従って、図4の場合と同様の効果を得ることができる。また、仕切り板19の開口部に円管の流路部材70を取り付けることで、気体流路42(気体回収口41a)の形状を容易に整えることができる。それにより、気体流路42(気体回収口41a)を、容易に製造することができる。
次に、気体回収装置40の気体回収口41a及びその周辺の構成の変形例について説明する。
(第2の実施の形態の変形例1)
図10は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例1を示す断面図である。
本変形例は、図9の場合と比較して、流路部材70としてストレートな円管(直管)ではなく、緩やかに曲がった円管を用いている点で図9と異なっている。これに対応して、気体流路42は、図10に示されるように、気体流路42の船尾12側に向かって凸な曲面である。このような緩やかに曲がった円管を用いると、その円管は、仕切り板19から緩やかに曲がりながら船体10の内側の船尾12側に向かい、更に緩やかに曲がって上方に向かい、仕切り板19と垂直になる。その他については、図9の場合と同様である。このような場合についても、図9の場合と同様の効果を得ることができる。
(第2の実施の形態の変形例2)
図11は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例2を示す断面図である。
本変形例は、図10の場合と比較して、緩やかに曲がった円管(流路部材70)を、その向きを変えて用いている点で図10の場合と異なっている。これに対応して、気体流路42は、図11に示されるように、気体流路42の船尾12側に向かって凹な曲面である。このような緩やかに曲がった円管を用いると、その円管は、仕切り板19から緩やかに曲がりながら船体10の内側の上方に向かい、更に緩やかに曲がって船尾12側に向かい、仕切り板19と平行になる。その他については、図10の場合と同様である。このような場合についても、図10の場合と同様の効果を得ることができる。
(第2の実施の形態の変形例3)
図12は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例3を示す断面図である。
本変形例は、図11の場合と比較して、先の部分が急激に曲がった円管(流路部材70)を用いている点で図11の場合と異なっている。これに対応して、気体流路42は、図12に示されるように、気体流路42の船尾12側に向かって凹な曲面である。このような先の部分が急激に曲がった円管を用いると、その円管は、仕切り板19から船体10の内側の上方に向かい(第1部材71)、その後に急激に曲がって船尾12側に向かい(第2部材72)、仕切り板19と平行になる。その他については、図11の場合と同様である。このような場合についても、傾斜(S)の効果を除いて、図11の場合と同様の効果を得ることができる。また、気泡を含む水が気体回収口41aから入ったとき、船底13の流れと同じ向きに進むので、その流れを安定化させることができる。それにより、気泡を含む水を安定的に気体回収口41aに引き込みやすくすることができる。なお、本変形例において、傾斜Sを有するように、第1部材71の端部を曲がり部分に近い箇所にしても良い。
(第2の実施の形態の変形例4)
図13は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例4を示す断面図である。
本変形例は、図12の場合と比較して、ストレートの円管を所定の角度(例示:120〜140°)で接合した複合管(流路部材70)を用いている点で図12の場合と異なっている。このような複合管は、図12の先の部分が急激に曲がった円管の曲面を、直線で近似することで、略同等の形状を実現していると考えることができる。この場合、気体流路42は、船首11側の側面(端42aから端42bまでの面)が、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。すなわち、図9の場合と同様に、傾斜Sを有している。その他については、図12の場合と同様である。このような場合についても、図12の場合と同様の効果を得ることができる。また、傾斜Sにより、船首11側の気体吹き出し口31から流れてきた気泡を気体回収口41aに迎え入れやすくし、取り込みやすくすることができる。
(第2の実施の形態の変形例5)
図14Aは、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例5を示す気体回収口の平面図である。
本変形例では、図8A及び図8Bの場合と比較して、気体回収口41aが、船幅方向Yに延びる平行な2直線L1及びL2に沿って配列されている点で、図8A及び図8Bの場合と異なっている。直線L1に沿って配列された円孔と直線L2に沿って配列された円孔とは、空船幅方向Yに沿う位置がずれている。位置をずらすことにより、船底13の仕切り板19の強度を高めることができる。その他については、図8A及び図8Bの場合と同様である。このような場合についても、図8A及び図8Bの場合と同様の効果を得ることができる。
(第2の実施の形態の変形例6)
図14Bは、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例6を示す気体回収口の平面図である。
本変形例では、図8A及び図8Bの場合と比較して、気体回収口41aが、円孔形状ではなく、長孔形状を有している点で、図8A及び図8Bの場合と異なっている。図14Bの場合、気体回収口41aは、長孔形状を有し、船幅方向Yに配列されている。気体回収口41aの長手方向は船幅方向Yに垂直である。この場合、図14Bの長孔形状のうちの船長方向Xの半円状の両端部には、図9などの円管を半分に切断して用いることができる。一方、長孔形状のうちの船幅方向の直線状の側面には、平板を用いることができる。すなわち、図8A及び図8Bの場合と比較して、円管ではなく、円管と平板とを組み合わせた平たい管(対向する一対の面は半円状)を用いることができる。あるいは、曲がり板と平板との組合せと見ることもできる。
(第2の実施の形態の変形例7)
図14Cは、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例7を示す気体回収口の平面図である。
本変形例では、図14Bの場合と比較して、気体回収口41aは、船幅方向Yに延びる平行な2直線L1及びL2に沿って配列されている点で、図14Bの場合と異なっている。直線L1に沿って配列された円孔と直線L2に沿って配列された円孔とは、空船幅方向Yに沿う位置がずれている。位置をずらすことにより、船底13の仕切り板19の強度を高めることができる。その他については、図14Bの場合と同様である。このような場合についても、図14Bの場合と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶及び気体回収装置の構成について説明する。
図1A〜図1B、図2については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る気体回収装置40について更に説明する。
まず、気体回収装置40の気体回収チャンバ51の構成について説明する。
図15A及び図15Bは、気体回収装置40に用いる気体回収チャンバ51の構成の一例を示す断面図(船幅方向Yを法線とする断面の図)及び斜視図である。気体回収チャンバ51は、気体回収口41aから取り込んだ気泡を含む水を、底板51aの取り入れ口50から取り入れる。そして、気泡52aを含む水52を気体と水とに分離する(気液分離)。分離後の気体は流路55から送出され、船体10の外部に排出され、又は気体供給部34に供給される。分離後の水はバルブ53及びポンプ(図示されず)を介して船体10から排出される。
気体回収チャンバ51は、船長方向Xに平行な側面51c、51dと、船幅方向Yに平行な側面51e、51fを有する直方体構造を有している。気体回収チャンバ51の内部には、仕切り板19と平行に拡散板51bが設けられている。拡散板51bは、船幅方向Yの幅が気体回収チャンバ51の内部の船幅方向Yの幅(側面51cと側面51dとの間)よりも小さい、又は、船長方向Xの幅が気体回収チャンバ51の内部の船長方向Xの幅(側面51eと側面51fとの間)よりも小さい。この図の例では、後者である。また、拡散板51bは、気体回収チャンバ51の内部に取り込まれた水の水面よりも仕切り板19に近くなるような位置に設けられている。すなわち、拡散板51bは、気体回収チャンバ51の内部の水の中に没するように設けられている。そのため、この図の場合、気泡を含む水は、拡散板51bと気体回収チャンバ51の側面51e、51fとの狭い隙間G1、G2を通過する。そのとき、気泡同士の距離が近づくため、気泡が合体しやすくなり、気液分離を促進することができる。
気体回収チャンバ51の底板51aは、船底13の仕切り板19と重なっていても良いし、一体(同一)であっても良い。以下では、底板51aと仕切り板19とは一体(同一)として説明する。その場合、取り入れ口50は、気体回収口41aである。すなわち、気体回収口41a(=取り入れ口50)は、船幅方向Yに伸びるスリットである。このスリットの船長方向Xの幅及び船幅方向Yの幅は、いずれも拡散板51bのそれらの幅よりも小さいことが好ましい。それにより、気泡が確実に拡散板51bにより流れの方向を邪魔され、変更され、他の気泡と合体しやすくなるからである。なお、この図のように一つの気体回収チャンバ51に一つの気体回収口41aが設けられていてもよいし、複数の気体回収口41aが設けられていてもよい。
次に、気体回収装置40の気体回収口41a及びその周辺の構成について説明する。
図16は、気体回収口及びその周辺の構成の一例を示す断面図(船幅方向Yを法線とする断面の図)である。本図は、図2のAA’断面を示している。仕切り板19については、第1の実施の形態で説明したとおりである。
気体流路42は、船首11側の側面に、仕切り板19の船首11側の端部19cを覆い、仕切り板19から更に気体回収チャンバ51の内側に斜めに伸びた流路部材61を備えている。流路部材61の気体回収チャンバ51側の端部61aは、拡散板51bの中央部に接続されている。従って、気体流路42は、一方の側面が、流路部材61の側面及び拡散板61bの下方の面である。また、他方の側面が、仕切り板19の端部19d及び拡散板51bと対向する船体内側側面19aである。このとき、気体流路42は、船首11側であって船体10(気体回収チャンバ51)の内側の端42a(拡散板51bの端)及び船体10の外側の端42b(流路部材61の端)と、船尾12側であって船体10(気体回収チャンバ51)の内側の端42c(仕切り板19)及び船体10の外側の端42d(仕切り板19の端部19d)とを有している。
気体流路42は、船首11側の側面(端42aから端42bまでの面)の端部(端42b近傍)が、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。言い換えれば、船首11側の側面において、流路部材61が、船首11から船尾12に向かって、徐々に気体回収口41aの内部に入り込んで行く。この図の例では、流路部材61(仕切り板19の端部19cを覆う部材)が仕切り板19に垂直な方向に対して船首11側(図の左側)に向かうように傾斜Sを有している。その傾斜Sは、図に示されるように、仕切り板19に平行な面F(例示:船体外側表面19b)を基準として、角度αだけ傾いている。その角度αは、気泡を取り込むエネルギの点から2度以上80度以下が好ましい。
気体回収口41aに入った気泡混じりの水は、気体回収チャンバ51に回収され、主に、気体流路42(流路部材61及び拡散板51b)により隙間G2に導かれる。そのとき、気泡同士の距離が近づくため、気泡が合体しやすくなり、気液分離を促進することができる。
このように、気体流路42の船首11側の側面(流路部材61)は、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く(例示:角度αだけ傾斜)ことにより、船首11側の気体吹き出し口31から流れてきた気泡を気体回収口41aに迎え入れやすくし、取り込みやすくすることができる。それにより、気体吹き出し口31からの気泡を気体回収口41aに極めて効率的に回収することが可能となる。また、気体流路42の構造において、拡散板51bにより、主に隙間G2に気泡交じりの水を導くことができるので、気泡の合体を促進させて、気液分離を効率的に行うことができる。
次に、気体回収装置40の気体回収口41a及びその周辺の構成の変形例について説明する。
(第3の実施の形態の変形例1)
図17は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例1を示す断面図(船幅方向を法線方向とする断面図)である。
本変形例は、図16の場合と比較して、気体流路42における船首11側の側面の流路部材61が、傾斜Sではなく、曲面Rである点で図16の場合と異なっている。曲面の半径は、例えば、仕切り板19の板厚よりも大きくする。この場合、船首11側の曲面(流路部材61)は凸面である。すなわち、流路部材61は、曲面を有する板(曲がり板)であり、船首11側の仕切り板19の端部19cを覆いつつ、気体回収チャンバ51の内部に向かって曲がって伸びている。その他については、図17の場合と同様である。
この場合にも、気体流路42の構造において、船首11側の側面が、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。すなわち、船首11側に向かう曲面を有している。水から見れば、流れ200の向きに進むに連れて徐々に気体回収口41aの内部に入り込んでいく(船体10内部に近づいていく)ことになる。従って、このような場合についても、図17の場合と同様の効果を得ることができる。
なお、図16の場合とは逆に、船首11側の曲面(流路部材61)が凹面であってもよい。その場合も、図16と同様の効果を得ることができる。
(第3の実施の形態の変形例2)
図18は、気体回収口及びその周辺の構成の他の変形例2を示す断面図である。
本変形例は、図16の場合と比較して、気体流路42における船首11側の側面の流路部材61が、拡散板51bの中央部ではなく、船首11側の端部に接続している点で図16の場合と異なっている。すなわち、流路部材61の端部61aは、拡散板51bの船首11側の端部に接続している。その他については、図16の場合と同様である。
この場合にも、図16の場合と同様の効果を得ることができる。また、この場合、隙間G2の幅が図16の場合と比較して小さくなるので、気泡を合体させる効果がより大きくなる。その結果、より効率的に気液分離を促進させることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶及び気体回収装置の構成について説明する。
図1A〜図1B、図2については、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る気体回収装置40について更に説明する。
まず、気体回収装置40の気体回収チャンバ51の構成について説明する。
図19A及び図19Bは、気体回収装置40に用いる気体回収チャンバ51の構成の一例を示す断面図(船幅方向Yを法線とする断面の図)及び斜視図である。気体回収チャンバ51は、気体回収口41aから取り込んだ気泡を含む水を、底板51aの取り入れ口50から取り入れる。そして、気泡52aを含む水52を気体と水とに分離する(気液分離)。分離後の気体は流路55から送出され、船体10の外部に排出され、又は気体供給部34に供給される。分離後の水はバルブ53及びポンプ(図示されず)を介して船体10から排出される。
気体回収チャンバ51の底板51aは、船底13の仕切り板19と重なっていても良いし、一体(同一)であっても良い。以下では、底板51aと仕切り板19とは一体(同一)として説明する。その場合、取り入れ口50は、気体回収口41aである。なお、この図のように一つの気体回収チャンバ51に一つの気体回収口41aが設けられていてもよいし、複数の気体回収口41aが設けられていてもよい。
次に、気体回収装置40の気体回収口41a及びその周辺の構成について説明する。
仕切り板19は、船体10の船底13(又は船側18)を形成する外板に例示される。仕切り板19は、気体流路42を有している。気体流路42は、仕切り板19の一方の側である船体10の内側と、他方の側である船体10の外側とを連通する。気体流路42の船首11側の側面は、仕切り板19の端部19cであり、船尾12側の側面は、仕切り板19の端部19dである。気体回収口41aは、その気体流路42における船体10の外側の開口である。気体回収口41aは、船幅方向Yに伸びるスリットである。そのスリットの船首11側の端面、すなわち、船首11側の端部19cが、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。言い換えれば、船首11側の端部19cが、船首11から船尾12に向かって、徐々に気体回収口41aの内部に入り込んで行く。この図の例では、端部19cが仕切り板19に垂直な方向に対して船首11側(図の左側)に向かうように傾斜Sを有している。その傾斜Sは、図に示されるように、仕切り板19に平行な面F(例示:船体外側表面19b)を基準として、角度αだけ傾いている。その角度αは、気泡を取り込むエネルギの点から2度以上80度以下が好ましい。
気体回収チャンバ51は、船長方向Xに平行な側面51c、51dと、船幅方向Yに平行な側面51e、51fを有する菱面体構造を有している。船首11側の側面51eは、気体回収口41aの船首11側の端面(端部19c)に連続的に接続している。そして、その気体回収口41aの船首11側の端面(端部19c)と同様に、その側面51eは、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く。言い換えれば、船首11側の側面51eが、船首11から船尾12に向かって、徐々に気体回収口41aの内部に入り込んで行く。この図の例では、端部19cに連続して、側面51eが仕切り板19に垂直な方向に対して船首11側(図の左側)に向かうように傾斜Sを有している。その傾斜Sは、図に示されるように、仕切り板19に平行な面F(例示:船体外側表面19b)を基準として、角度αだけ傾いている。その角度αは、気泡を取り込むエネルギの点から2度以上80度以下が好ましい。側面51eに対向する船尾12側の側面51fは、側面51eと平行に設けられている。それに対応して、左舷14側及び右舷15側の側面51d、51cは、船首11側に傾いた平行四辺形の形状を有している。
気体回収口41aに入った気泡混じりの水は、端部19c及び側面51eの傾斜Sに導かれ、気体回収チャンバ51に回収される。このように、気体流路42の船首11側の側面(端部19c及び側面51e)は、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く(例示:角度αだけ傾斜)。それにより、船首11側の気体吹き出し口31から流れてきた気泡を気体回収口41aに迎え入れやすくし、取り込みやすくすることができる。それにより、気体吹き出し口31からの気泡を気体回収口41aに極めて効率的に回収することが可能となる。また、流路部材61と側面51eとを兼用にするので、構造が簡単で製造が容易となる。
次に、気体回収装置40の気体回収口41a及びその周辺の構成の変形例について説明する。
(第4の実施の形態の変形例1)
図20A及び図20Bは、気体回収口及びその周辺の構成の変形例1を示す断面図(船幅方向を法線方向とする断面図)及び斜視図である。
本変形例は、図19A及び図19Bの場合と比較して、気体回収チャンバ51の形状が菱面体形状ではなく、半円筒形状である点で図19A及び19Bの場合と異なっている。半円筒形状の半径は、例えば、気体回収口41aの船長方向Xに平行な側面の長さ程度又はそれ以下とする。この場合、船首11側の曲面)は凹面である。すなわち、気体回収口41aの船首11側の端部19cから気体回収チャンバ51の船首11側の側面51eは、全体として曲面R1を有している。すなわち、船体10の外側に近づくに連れて船首11側に近づいて行く曲面R1を有している。言い換えれば、船首11側の側面51eが、船首11から船尾12に向かって、徐々に気体回収口41aの内部に入り込んで行く。その他については、図19A及び図19Bの場合と同様である。このような場合についても、図19A及び図19Bの場合と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施の形態の変形例2)
図21は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例2を示す断面図である。
本変形例は、図19A及び図19Bの場合と比較して、気体回収チャンバ51における船幅方向Yを法線とする断面形状が、菱形ではなく台形である点で、図19A及び図19Bの場合と異なっている。更に、気体回収チャンバ51の底板51a部分(この図では、船尾12側の仕切り板19の端の部分19f)が設けられていない点で、更に、図19A及び図19Bと異なっている。ただし、当該部分19fは設けられていてもよい。その他については、図19A及び図19Bの場合と同様である。この場合にも、図19A及び図19Bの場合と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施の形態の変形例3)
図22は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例3を示す断面図である。
本変形例は、図21の場合と比較して、気体回収チャンバ51における船幅方向Yを法線とする断面形状が、台形ではなく、船首11側の側面が下に凸な曲面である点で、図21の場合と異なっている。その他については、図21の場合と同様である。この場合にも、図21の場合と同様の効果を得ることができる。
(第4の実施の形態の変形例4)
図23は、気体回収口及びその周辺の構成の変形例4を示す断面図である。
本変形例は、図21の場合と比較して、気体回収チャンバ51における船幅方向Yを法線とする断面形状が、台形ではなく、船尾12側の側面が下に上に凸な曲面である点で、図21の場合と異なっている。その他については、図21の場合と同様である。この場合にも、図21の場合と同様の効果を得ることができる。
(第5の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る摩擦抵抗低減型船舶及び気体回収装置の構成について説明する。
図1A〜図1Bについては、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施の形態に係る気体回収装置40について更に説明する。
図24及び図25は、複数の気体回収チャンバ51を収容するシーチェスト135周りの構成例を示す斜視図及び断面図である。シーチェスト135は、例えば、複数の気体回収口41(図1Bの例では3つ)に対応して複数(例えば3つ)設けられている。すなわち、中央の気体回収口41用の気体回収チャンバ51を収容するシーチェスト135と、左舷側及び右舷側の気体回収口41用の気体回収チャンバ51と備えている。これらシーチェスト135は、何れも略同様の構成となっている。そのため、図24及び図25では、中央の気体回収口41用の気体回収チャンバ51の構成を示し、その内容を説明する。
気体回収チャンバ51は、第1の実施の形態〜第4の実施の形態(各実施の形態の変形例を含む)で説明された気体回収チャンバ51のいずれかを用いることができる。特に制限はない。
図24に示すように、シーチェスト135は、長方体となる箱状に形成され、その長手方向を船幅方向Yと一致させており、船体10の内部の船底13の仕切り板19上に配設されている。一つの気体回収口41に設けられた複数の気体回収口41a(例示:図2、図8A、図14A〜図14C)に対して、複数の気体回収チャンバ51が設けられている。シーチェスト135の長手方向、複数の気体回収チャンバ51の配列方向、及び複数の気体回収口41aの配列方向は同方向となる。なお、気体回収口41aの数と気体回収チャンバ51の数とは必ずしも一致しなくてよい。このシーチェスト135の内部は、その内部を作業空間V1として機能させるべく、図25に示すように、作業者Pに比して一回り大きな空間に形成されている。また、シーチェスト135は、船体1内部に海水が浸入しないように水密に構成されており、シーチェスト135と船底13との接続部分は、例えば、溶接等により接合されている。さらに、シーチェスト135の天壁面から複数の流路55が貫通し、各気体回収チャンバ51に接続されている。
このとき、シーチェスト135内部には、船長方向Xに延在すると共に骨材として用いられる複数のロンジ145が、船幅方向Yに平行に配設されている。このため、シーチェスト135内部は、複数のロンジ145により、複数の分割作業空間V2に区分けされる。つまり、複数のロンジ145は、シーチェスト135内部の作業空間V1を分割する複数の隔壁として機能している。
複数のロンジ145により区分けされたシーチェスト135内部の各分割作業空間V2には、複数の気体回収チャンバ51を分割作業空間V2の数で割った一部の気体回収チャンバ51が配設されている。このため、作業者Pが各分割作業空間V2に配設された各気体回収チャンバ51のメンテナンスを行うべく、各分割作業空間V2を往来可能なように、各ロンジ145には往来用貫通孔148がそれぞれ形成される。
このシーチェスト135の船幅方向Yにおける一方の端部には、その船長方向Xの船首11側にアクセスルーム150が隣接して配設されている。このアクセスルーム150は、シーチェスト135と同様に、直方体となる箱状に形成され、船体10内部の船底13の仕切り板19上に配設されている。また、アクセスルーム150は、シーチェスト135と同様に、船体10内部に海水が浸入しないように水密に構成されており、アクセスルーム150と仕切り板19との接続部分、およびアクセスルーム150とシーチェスト135との接続部分は、例えば、溶接等により接合されている。
そして、このアクセスルーム150の底面の仕切り板19(いわゆる、船底13)には、作業者Pが船外からアクセスルーム150に出入するための出入口151が貫通形成され、また、アクセスルーム150とシーチェスト135との間の壁部には、アクセス用貫通孔152が形成されている。これにより、作業者Pは、アクセス用貫通孔152を介してアクセスルーム150からシーチェスト135へ往来することが可能となる。よって、アクセスルーム150は、出入口151とシーチェスト135とをつなぐ連絡通路として機能している。なお、この出入口151には、グレーチング材等により構成された蓋体が設置されている。
これにより、作業者Pが船外からシーチェスト135内部へ立ち入る場合は、出入口151を介してアクセスルーム150内に入室し、このアクセスルーム150からアクセス用貫通孔152を介してシーチェスト135内へ入室することが可能となる。そして、シーチェスト135内に入室した作業者Pは、区分けされた複数の分割作業空間V2を、往来用貫通孔148を介して往来することが可能となる。
次に、図25を参照して、シーチェスト135内の各分割作業空間V2に配設された一部の気体回収チャンバ51(図示では1つ)について説明する。各分割作業空間V2に配設された各気体回収チャンバ51は、下側(仕切り板19側)に配設された下部ケーシング58aと、その上側に配設された上部ケーシング58bとで構成されている。
下部ケーシング58aは、断面長方形状の枠体に形成され、船底13の仕切り板19に形成された複数の空気回収口41aを囲むように配設される。そして、下部ケーシング58aの下端部と仕切り板19とは溶接等により接合されている。また、下部ケーシング58aの上端部には、下部ケーシング58aの外側に突出する下部側フランジ59aが形成されている。
上部ケーシング58bは、下面を開口した断面長方形状の箱体に形成され、下部ケーシング58aに対接して配設される。そして、上部ケーシング58bの下端部には、上部ケーシング58bの外側に突出する上部側フランジ59bが形成されている。これにより、下部側フランジ59aおよび上部側フランジ59bが対接するため、下部側フランジ59aおよび上部側フランジ59bをボルト止めすることで、下部ケーシング58aに対し、上部ケーシング58bを固定することができる。一方、このボルト止めを外すことで、下部ケーシング58aに対し、上部ケーシング58bを取り外すことができる。また、上部ケーシング58bの天壁面には、上記したように、流路55が接続される気体排出口128が形成されている。
従って、下部ケーシング58aに対し、上部ケーシング58bを取り外すことで、作業者Pは、各気体回収チャンバ51の内部、すなわち上部ケーシング58bおよび下部ケーシング58aの内部に対し、防食剤の塗布や海洋生物の除去等のメンテナンスを行うことが可能となる。
以上の構成によれば、各シーチェスト135を水密に構成することができると共に、各シーチェスト135と各気体回収チャンバ51との間に作業空間V1を設けることができる。このため、船体10内部に海水が浸入することを防止することができると共に、各気体回収チャンバ51のメンテナンスを行うことが可能となる。
また、複数のロンジ145により、各シーチェスト135内部が複数の分割作業空間V2に区分けされたとしても、各ロンジ145に往来用貫通孔148を形成することにより、作業者Pは複数の分割作業空間V2を往来することが可能となる。これにより、複数の分割作業空間V2に配設された各気体回収チャンバ51を効率よくメンテナンスすることができる。
さらに、船底13の仕切り板19に出入口151を形成すると共に、アクセスルーム150を配設することで、出入口151からアクセスルーム150を介して各シーチェスト135の内部にアクセスすることができる。このとき、各ロンジ145には往来用貫通孔148が形成されているため、シーチェスト135にアクセスする場合は1つの出入口151を形成すれば足りる。なお、本実施の形態において、シーチェスト135が3つ形成される場合には、3つの出入口151を形成する必要がある。
また、各気体回収チャンバ51の下部ケーシング58aに対し、上部ケーシング58bを着脱自在に構成することができるため、気体回収チャンバ51内部のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
なお、本実施の形態では、シーチェスト135に隣接するアクセスルーム150を配設し、このアクセスルーム150に出入口151を形成して、シーチェスト135にアクセスするように構成している。しかし、図26に示すように、アクセスルーム150を廃し、シーチェスト135内に出入口151を形成してもよい。これによれば、アクセスルーム150を配設する必要がないため、船体摩擦抵抗低減装置の構成を簡易なものとすることができる。
本発明は上記各実施の形態(変形例を含む)に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、各実施の形態及びその変形例の技術は、技術的に矛盾の発生しない限り、そのいくつかを相互に組み合わせることが可能である。
10 船体
11 船首
12 船尾
13 船底
14 左舷
15 右舷
16 プロペラ
17 舵
18 船側
19 仕切り板
19a 船体内側表面
19b 船体外側表面
19c、19d 端部
30 気体吹き出し装置
31 気体吹き出し口
34 気体供給部
40 気体回収装置
41、41a 気体回収口
42 気体流路
42a、42b、42c、42d 端
50 取り入れ口
51 気体回収チャンバ
51a 底板
51b 拡散板
51c、51d、51e、51f 側面
52 水
52a 気泡
54 バルブ
55、56 流路
58a 下部ケーシング
58b 上部ケーシング
59a 下部フランジ
59b 上部フランジ
61、62、70、71、72 流路部材
128 空気供給口
135 シーチェスト
145 ロンジ
148 往来用貫通孔
150 アクセスルーム
151 出入口
152 アクセス用貫通孔
200 流れ
201 気泡

Claims (12)

  1. 船体の内側に設けられた気体回収室と、
    前記船体の外側を流れる気体を含んだ水を前記気体回収室へ取り込むための気体回収口を有し、前記船体の内側と外側とを仕切る仕切り板と
    を具備し、
    前記仕切り板は前記気体回収室の底部であり、
    前記気体回収口は、前記気体回収室の内側と前記船体の外側とを連通する気体流路の前記船体の外側の開口部であり、
    前記気体流路は、少なくとも船首側の内壁を構成し、前記気体回収室の内部へ伸びる流路部材を備える
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  2. 請求項1に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記流路部材は、前記船首側において前記船体の前記内側から前記外側に近づくに連れて前記船首側に近づく面を有する
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  3. 請求項2に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記流路部材は、前記船首側において、前記仕切り板に対して傾斜又は曲面を有する
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記流路部材は、平板、曲がり板、円管又はそれらの組合せで形成されている
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記流路部材は、前記気体回収室における前記船首側の側面を含む
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記流路部材は、更に、前記気体流路の船尾側の前記内壁を構成する
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記気体回収室の内部に前記仕切り板に平行に設けられた拡散板を更に具備し、
    前記拡散板の前記仕切り板側の面と、前記流路部材の前記気体回収室側の端部とが結合する
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記気体回収室を覆うように前記船体の内側の前記仕切り板上に配設されたシーチェストを更に具備する
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  9. 請求項8に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記シーチェストは、その内部空間を仕切るように配設された隔壁を含み、
    前記隔壁は、貫通孔を有する
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  10. 請求項9に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記仕切り板に形成された出入口と、
    前記出入口と前記シーチェストの内部とを連通する連絡通路と
    を更に具備する
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  11. 請求項8乃至10のいずれか一項に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置において、
    前記気体回収室は、
    船底側に配設された下部ケーシングと、
    船上側に配設された上部ケーシングと
    を備え、
    前記上部ケーシングは、前記下部ケーシングに対し、着脱自在に構成されている
    摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置。
  12. 船体と、
    前記船体の船底又は船側に設けられた気体吹き出し口から水中に吹き出された気体を、前記気体吹き出し口よりも船尾側の前記船底に設けられた気体回収口から回収する請求項1乃至11のいずれか一項に記載の摩擦抵抗低減型船舶用の気体回収装置と
    を具備する
    摩擦抵抗低減型船舶。
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