JP2012076163A - 用紙加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】裁ち屑の一部が隣接する用紙の上に乗ってしまい、裁ち屑とともに用紙も排出されたり、裁ち屑がうまく排除されなかったりする。
【解決手段】用紙加工装置の第3裁断装置部5が、上回転刃と下回転刃とを擦り合わせて用紙を裁断するスリッター5A、5Bを有しており、スリッター5A、5Bが、上回転刃側において、裁断により生成した裁ち屑を斜め下向きに案内する、裁ち屑ガイド81と、上回転刃側において、裁ち屑に隣接する用紙片を裁ち屑ガイド81で案内された裁ち屑と共に斜め上向きに案内する、上向きガイド82と、下回転刃側において、裁断により生成した用紙片を斜め下向きに案内する、下向きガイド83と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、用紙を搬送しながら用紙に加工を施す用紙加工装置に関するものである。
一般的な用紙加工装置は、加工手段として、用紙を搬送方向に裁断する裁断手段を、複数個備えており、各裁断手段の裁断位置を任意に設定可能となっている。そのような用紙加工装置においては、用紙は、各裁断手段を通過する毎に、設定された位置で搬送方向に裁断され、これにより、目的とする用紙片と不要な裁ち屑とが生成し、裁ち屑は、下方に排除される。
特開2005−239309号公報
ところで、従来の用紙加工装置においては、次のような不具合があった。
(i)裁ち屑と共に隣接する用紙片も排除されてしまう。
(ii)裁ち屑がうまく排除されない。
(iii)裁ち屑に隣接する用紙に傷が付く。
本発明は、上記不具合を解消できる用紙加工装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記不具合の発生原因を追求し、生成した裁ち屑の一部が隣接する用紙片の上に載ってしまうことが原因であることを突き止めて、本発明を成した。
本発明は、用紙を搬送しながら用紙に加工を施す用紙加工装置において、用紙を1枚ずつ搬送する搬送手段と、搬送手段で構成された搬送経路の途中に設けられ、用紙を搬送方向に裁断する、裁断手段と、を少なくとも備えており、上記裁断手段が、上回転刃と下回転刃とを擦り合わせて用紙を裁断するスリッターを、備えており、上記スリッターが、搬送方向に対する直交方向における上回転刃側において、裁断により生成した裁ち屑を斜め下向きに案内する裁ち屑ガイドを、備えている、ことを特徴としている。
本発明は、更に、次の構成を採用するのが好ましい。
(A)上記スリッターが、上記直交方向における上回転刃側において、裁ち屑に隣接する用紙片を裁ち屑ガイドで案内された裁ち屑と共に斜め上向きに案内する上向きガイドを、更に備えている。
(B)上記スリッターが、上記直交方向における下回転刃側において、裁断により生成した用紙片を斜め下向きに案内する下向きガイドを、更に備えている。
(C)上記裁断手段の搬送方向下流に、裁ち屑排除手段を、更に備えており、裁ち屑排除手段が、裁ち屑排除部材を備えており、裁ち屑排除部材が、裁ち屑を下向きに案内する裁ち屑排除ガイドと、上記直交方向における上回転刃側の用紙片を斜め上向きに案内する第1上ガイドと、上記直交方向における下回転刃側の用紙片を斜め上向きに案内する第2上ガイドと、を備えている。
(D)第1上ガイドの上方に、斜め上向きに案内された用紙片を横方向に案内する横ガイドを、備えている。
本発明によれば、生成した裁ち屑を、裁ち屑ガイドによって斜め下向きに案内するので、隣接する用紙片の下側に位置させることができる。したがって、その後に、裁ち屑を下方に排除する際に、隣接する用紙片を伴うことなく、裁ち屑のみを排除できる。
上記構成(A)によれば、裁ち屑に隣接する用紙片を、下側に位置した裁ち屑と共に、上向きガイドによって、斜め上向きに案内して、搬送経路の搬送面の高さ位置にできるので、用紙片及び裁ち屑を、次段の搬送ローラのニップ部へ円滑に送り込むことができ、ジャムの発生を防止できる。
上記構成(B)によれば、裁ち屑に隣接する用紙片を、下向きガイドによって、斜め下向きに案内して、搬送経路の搬送面の高さ位置にできるので、用紙片を、次段の搬送ローラのニップ部へ円滑に送り込むことができ、ジャムの発生を防止できる。
上記構成(C)によれば、次の効果を発揮できる。
(a)用紙片の下側に位置している裁ち屑を、裁ち屑排除ガイドによって、下向きに案内するので、裁ち屑を、隣接する用紙片を伴うことなく、確実に下方に排除できる。
(b)裁ち屑に隣接する用紙片を、第1上ガイドによって、上向きに案内して搬送経路の搬送面の高さ位置にできるので、次段の搬送ローラのニップ部へ円滑に送り込むことができ、ジャムの発生を防止できる。
(c)裁ち屑に隣接する用紙片を、第2上ガイドによって、上向きに案内して搬送経路の搬送面の高さ位置にできるので、次段の搬送ローラのニップ部へ円滑に送り込むことができ、ジャムの発生を防止できる。
上記構成(D)によれば、裁ち屑に隣接する用紙片を、第1上ガイドによって上向きに案内する際に、横ガイドによって横方向に案内できるので、ばたつかせることなく、次段の搬送ローラのニップ部へ円滑に送り込むことができ、この点からも、ジャムの発生を防止できる。
本発明の用紙加工装置の全体を示す縦断面略図である。 用紙が裁断される態様の一例を示す平面略図である。 第3裁断装置部を搬送方向下流側から見た斜視図である。 図3のIV矢視図である。 第3裁断装置部の一方のスリッターを搬送方向下流側から見た正面図である。 図5のVI矢視斜視図である。 図5のVII矢視斜視図である。 図5のVIII矢視図である。 図8のIX−IX断面図である。 図5のX−X断面図である。 図10のXI部分の拡大図である。 図5のXII−XII断面図である。 図12のXIII部分の拡大図である。 図7の部分拡大図である。 裁ち屑排除装置部の搬送方向下流側から見た斜視図である。 図15のXVI矢視図である。 裁ち屑排除装置部の一方の裁ち屑排除部材を搬送方向上流側から見た正面図である。 図17のXVIII矢視斜視図である。 図17のXIX矢視斜視図である。 図17のXX矢視部分図である。 図17のXXI矢視部分図である。 第3裁断装置部の一方のスリッターの用紙出口部を出る際の用紙の状態を示す斜視図である。
図1は、本発明の用紙加工装置1の全体を示す縦断面略図である。用紙加工装置1は、装置本体90の両端に、給紙トレイからなる給紙部91と排紙トレイからなる排紙部92とを備えている。給紙部91から排紙部92へは、多数個の上下一対の搬送ローラ21からなる搬送手段によって、搬送経路20が構成されている。そして、搬送経路20には、少なくとも、第1裁断装置部3、第2裁断装置部4、及び第3裁断装置部5が、搬送方向(矢印Y方向)に並んで、且つ、間に上下一対の搬送ローラ21を置いて、設けられている。これらの裁断装置部(裁断手段)は、用紙を搬送方向に裁断する。更に、搬送経路20には、第3裁断装置部5の搬送方向下流に、裁ち屑排除装置部(裁ち屑排除手段)6が設けられている。裁ち屑排除装置部6は、生成した裁ち屑を下方に排除する。これらの装置部は、全て装置本体90に支持されており、また、装置本体90に対して固定して設けられ、又は、装置本体90に対してユニットとして着脱自在に設けられている。また、これらの装置部及び搬送ローラ21には、駆動手段(図示せず)が連結されている。
また、用紙加工装置1は、装置全体の作動を制御する制御手段7を装置本体90内に備えている。制御手段7は、操作パネル(図示せず)に接続したCPUを有している。更に、用紙加工装置1は、用紙の裁断によって生成する裁ち屑を収容するためのゴミ箱93を、装置本体90内の底部に有している。
図2は、第1裁断装置部3、第2裁断装置部4、及び第3裁断装置部5によって用紙100が裁断される態様の一例を示す、平面略図である。各裁断装置部は、一対のスリッターを有しており、各スリッターによって用紙100を搬送方向に裁断するようになっている。なお、スリッターの詳細については、後に説明する。図2の態様では、用紙100は、第1裁断装置部3のスリッター3A、3Bによって実線Aa、Abに沿って裁断され、次いで、第2裁断装置部4のスリッター4A、4Bによって実線Ba、Bbに沿って裁断され、最後に、第3裁断装置部5のスリッター5A、5Bによって実線Ca、Cbに沿って裁断されるようになっており、これにより、用紙片100A、100B、100Cと裁ち屑110A、110B、110C、110Dとが生成するようになっている。
図3は、第3裁断装置部5を搬送方向下流側から見た斜視図である。図4は、図3のIV矢視図である。この第3裁断装置部5は、ユニットの形態を有しているが、ユニットでなくてもよい。第3裁断装置部5は、ケース部500と2個のスリッター5A、5Bとを備えている。ケース部500は、頂板501と、2枚の側板502、503と、底フレーム504とで、構成されている。2個のスリッター5A、5Bは、ケース部500内に支持されている。頂板501上には2個の取っ手5011が付いている。2枚の側板502、503は、頂板501の両側から鉛直下方に向けて設けられている。両側板502、503間には、2本のねじ軸511と、1本の上ガイド軸512と、1本の下ガイド軸513と、1本の回転軸514と、が渡設されている。これらの軸は、全て平行である。
図5は、スリッター5Aを搬送方向下流側から見た正面図である。図6は、図5のVI矢視斜視図である。図7は、図5のVII矢視斜視図である。更に、図8は、図5のVIII矢視図である。図9は、図8のIX−IX断面図である。図10は、図5のX−X断面図である。図11は、図10のXI部分の拡大図である。図12は、図5のXII−XII断面図である。図13は、図12のXIII部分の拡大図である。図14は、図7の部分拡大図である。スリッター5Aは、上回転刃51と下回転刃52とを搬送経路20の搬送面200にて擦り合わせることにより、搬送面200上の用紙100を裁断するようになっている。スリッター5Aは、上回転刃51を保有する上体53と、下回転刃52を保有する下体54と、からなっている。そして、上体53は、螺合部531を通るねじ軸511の回転に伴って、上ガイド軸512に沿って移動できるようになっている。また、下体54は、上体53と共に下ガイド軸513に沿って移動できるようになっている。また、上回転刃51は、回転軸514の回転によって回転するようになっている。下回転刃52は、上回転刃51に従動して回転するようになっている。
ところで、図4に示されるように、搬送方向(矢印Y方向)に対する直交方向を矢印Xで表すと、図9に示されるように、上回転刃51と下回転刃52とは、矢印X方向においてずれて位置している。そして、スリッター5Aにおいて、上回転刃51側をXa側と称し、下回転刃52側をXb側と称することとする。
スリッター5Aは、上回転刃51と下回転刃52とを搬送経路20の搬送面200にて擦り合わせることにより、搬送面200上の用紙100を裁断するようになっているので、スリッター5Aにおいては、特に図9に示されるように、上回転刃51側(Xa側)の第1搬送面201は、搬送面200よりも少し低くなっており、下回転刃52側(Xb側)の第2搬送面202は、搬送面200よりも少し高くなっている。
そして、スリッター5Aは、上体53と下体54との間の用紙出口部50の近傍に、裁ち屑ガイド81と上向きガイド82と下向きガイド83とを、備えている。これらのガイドは、可撓性材料例えば樹脂からなる板体でできており、適度な硬さに設定されている。その適度な硬さとは、ガイドが、幅寸法の小さい裁ち屑のような腰の弱い用紙に対しては、殆ど撓むことなく用紙をしっかりと案内するよう機能し、且つ、幅寸法の大きい、裁ち屑に隣接する用紙片のような、腰の強い用紙に対しては、用紙の搬送を妨げることがないように適度に撓むよう機能する、硬さである。特に図8及び図14に示されるように、裁ち屑ガイド81は、上回転刃51と下回転刃52との擦り合わせ部を通って搬送方向に延びた線Sの直近位置から、Xa側に寸法W1だけ延びており、且つ、第1搬送面201より上の位置から第1搬送面201より下の位置まで斜め下方に寸法L1だけ延びている。上向きガイド82は、線Sの直近位置からXa側に寸法W2だけ延びており、且つ、第1搬送面201より下の位置から搬送面200の位置まで斜め上方に寸法L2だけ延びている。下向きガイド83は、線Sの直近位置からXb側に寸法W3だけ延びており、且つ、第2搬送面202より上の位置から搬送面200の位置まで斜め下方に寸法L3だけ延びている。なお、寸法W1は、裁ち屑110Cの幅寸法より小さく設定されている。寸法W2は、裁ち屑110Cの幅寸法より大きく設定されている。寸法W3は、用紙片100Aの幅寸法より小さく設定されている。また、寸法L1と寸法L2とは、裁ち屑ガイド81と上向きガイド82との間に、用紙が通過できる隙間が構成される大きさに、設定されている。上向きガイド82と下向きガイド83とは、平面視で同程度まで延びている。
スリッター5Bは、スリッター5Aと同じ構成を有しているが、スリッター5Aとは矢印X方向において反転した構成を有している。
第2裁断装置部4のスリッター4A、4Bは、第3裁断装置部5のスリッター5A、5Bと同じ構成を有している。しかしながら、図2の裁断態様の場合には、スリッター4A、4Bは、ガイド81、82、83を備えていなくてもよい。
第1裁断装置部3のスリッター3A、3Bは、ガイド81、82、83が取り除かれたスリッター5A、5Bと同じ構成を有しており、且つ、裁ち屑110A、110Bを両回転刃51、52の直ぐ下流の位置で排除する排除手段(図示せず)を有している。
図15は、裁ち屑排除装置部6の搬送方向下流側から見た斜視図である。図16は、図15のXVI矢視図である。この裁ち屑排除装置部6は、ユニットの形態を有しているが、ユニットでなくてもよい。裁ち屑排除装置部6は、2枚の側板602、603と、一対の裁ち屑排除部材6A、6Bと、を備えている。側板602と側板603との間には、1本のガイド軸605と、2本のねじ軸606、607と、1本のローラ604と、が渡設されている。
図17は、裁ち屑排除部材6Aを搬送方向上流側から見た正面図である。図18は、図17のXVIII矢視斜視図である。図19は、図17のXIX矢視斜視図である。裁ち屑排除部材6Aは、上部に螺合部621を有し、中央部にガイド孔622を有し、下部にガイド部623を有する、縦長のフレーム体である。裁ち屑排除部材6Aは、螺合部621を通るねじ軸606の回転に伴って、ガイド軸605に沿って移動できるようになっている。
ガイド部623は、矢印X方向の中央に裁ち屑排除ガイド63を有し、Xa側に第1上ガイド64を有し、Xb側に第2上ガイド65を有している。
裁ち屑排除ガイド63は、搬送方向上流側に傾斜面631を有しており、板体でできている。傾斜面631は、搬送面200より上の位置から搬送面200より下の位置まで、且つ、搬送方向上流から下流に向けて、斜め下方に傾斜している。
図20は、図17のXX矢視部分図である。第1上ガイド64は、搬送方向上流側から、第1傾斜面641と第2傾斜面642とを有しており、樹脂成形体でできている。第1傾斜面641は、搬送面200より下の位置から搬送面200の僅か下の位置まで、且つ、搬送方向上流から下流に向けて、斜め上方に傾斜している。第2傾斜面642は、第1傾斜面641に続いており、搬送方向上流から下流に向けて、搬送面200の位置まで斜め上方に傾斜している。第1傾斜面641は、第2傾斜面642に比して、急な傾斜を有している。第1上ガイド64は、図17に示されるように、幅寸法W4を有するように肉厚に形成されている。
更に、第1上ガイド64は、上方に、横ガイド645を備えている。横ガイド645は、第1傾斜面641及び第2傾斜面642に対向して且つ隙間646を明けて、設けられており、板体でできている。
図21は、図17のXXI矢視部分図である。第2上ガイド65は、搬送方向上流側から、第1傾斜面651と第2傾斜面652と第3傾斜面653とを有しており、板体でできている。第1傾斜面651は、搬送面200より下の位置から搬送面200の僅かに下の位置まで、且つ、搬送方向上流から下流に向けて、斜め上方に傾斜している。第2傾斜面652は、第1傾斜面651に続いており、搬送方向上流から下流に向けて、搬送面200の位置まで斜め上方に傾斜している。第3傾斜面653は、第2傾斜面652に続いており、搬送方向上流から下流に向けて、搬送面200の僅かに下の位置まで斜め下方に傾斜している。第2上ガイド65は、2本のピン625を介して、裁ち屑排除ガイド63から少し離れて設けられている。
裁ち屑排除ガイド63と第1上ガイド64と第2上ガイド65との矢印X方向における位置関係は、裁ち屑排除部材6Aをスリッター5Aの搬送方向下流に配置した場合において、裁ち屑排除ガイド63が裁ち屑ガイド81の搬送方向下流に位置し、第1上ガイド64が上向きガイド82のみの搬送方向下流に位置し、第2上ガイド65が下向きガイド83の搬送方向下流に位置するようになっている。
裁ち屑排除部材6Bも、裁ち屑排除部材6Aと同様に、上部に螺合部621を有し、中央部にガイド孔622を有し、下部にガイド部623を有する、縦長のフレーム体である。なお、裁ち屑排除部材6Bのガイド部623は、裁ち屑排除部材6Aのガイド部623とは矢印X方向において反転した構成を有している。
次に、上記構成の用紙加工装置1の作動について、図2を参照しながら説明する。なお、用紙100には、主印刷部と共に位置マーク及びバーコード(図示せず)が印刷されている。
まず、給紙部91から用紙100が一枚ずつ搬送経路20に送り出される。そして、情報読取手段(図示せず)へ入る。情報読取手段は、CCDセンサーによって、用紙100の位置マーク及びバーコードを読む。この読取情報は、制御手段7に送られる。制御手段7は、該読取情報を記憶し、それに基づいて、後続の各手段を制御する。例えば、バーコードで示された加工情報が、用紙100に対して、図2の態様の裁断処理を施すことを内容とするものである場合には、3個の裁断装置部3、4、5及び裁ち屑排除装置部6は、次のように作動する。
情報読取手段を通過した用紙100は、第1裁断装置部3へ入る。第1裁断装置部3は、次のように作動する。即ち、制御手段7によって、スリッター3Aが実線Aaの位置に移動され、スリッター3Bが実線Abの位置に移動される。そして、制御手段7によって、駆動手段が作動して回転軸514が回転され、スリッター3A、3Bの上回転刃51が回転するとともに下回転刃52も従動して回転する。これにより、用紙100は、実線Aa、Abに沿って裁断され、裁ち屑110A、110Bが生成する。生成した裁ち屑110A、110Bは、第1裁断装置部3のスリッター3A、3Bの両回転刃51、52の直ぐ下流の位置に一体に設けられた排除手段(図示せず)によって、ゴミ箱93へ排除される。したがって、用紙100は、裁ち屑110A、110Bが無い状態で、第2裁断装置部4へ搬送される。
第2裁断装置部4も、第1裁断装置部3と同様に作動する。但し、第2裁断装置部4では、スリッター4Aが実線Baの位置に移動され、スリッター4Bが実線Bbの位置に移動される。したがって、用紙100は、実線Ba、Bbに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、用紙片100B、100Cが生成し、裁ち屑は生成しない。そして、用紙100は、第3裁断装置部5へ搬送される。
第3裁断装置部5も、第1裁断装置部3と同様に作動する。但し、第3裁断装置部5では、スリッター5Aが実線Caの位置に移動され、スリッター5Bが実線Cbの位置に移動される。したがって、用紙100は、実線Ca、Cbに沿って即ち搬送方向に、裁断される。これにより、用紙100は、用紙片100A、100B、100Cと裁ち屑110C、110Dとになる。
そして、用紙100は、スリッター5A、5Bによって裁断された直後に、ガイド81、82、83によって次のように案内される。ここでは、スリッター5Aの用紙出口部50における案内について、説明する。
(1)まず、用紙出口部50を出る時の用紙100は、図22(A)に示される状態にある。すなわち、用紙片100Aは、第2搬送面202を通るので、搬送面200よりも少し高い位置にある。裁ち屑110C及び用紙片100Bは、第1搬送面201を通るので、搬送面200より少し低い位置にある。
(2)次に、用紙出口部50を出て来た用紙100は、図22(B)に示される状態となる。すなわち、裁ち屑110Cが、裁ち屑ガイド81に接触して斜め下向きに案内され、これにより、裁ち屑110Cが、用紙片100Bの下側に確実に位置することとなる。
(3)そして、用紙100は、図22(C)に示される状態となる。すなわち、用紙100Bは、下側に位置した裁ち屑110Cと共に、上向きガイド82に接触して斜め上向きに案内され、搬送面200の高さ位置となる。また、用紙100Aは、下向きガイド83に接触して斜め下向きに案内され、搬送面200の高さ位置となる。
なお、スリッター5Bの用紙出口部50における案内も、スリッター5Aの場合と同様である。すなわち、裁ち屑110Dは、用紙片100Cの下側に確実に位置することとなる。そして、用紙100Cは、下側に位置した裁ち屑110Dと共に、上向きガイド82に接触して斜め上向きに案内され、搬送面200の高さ位置となる。また、用紙100Aは、下向きガイド83に接触して斜め下向きに案内され、搬送面200の高さ位置となる。
以上のように、第3裁断装置部5によれば、スリッター5A、5Bがガイド81、82、83を有しているので、次のような効果を発揮できる。
(a)生成した裁ち屑110C、110Dを、裁ち屑ガイド81によって斜め下向きに案内するので、隣接する用紙片100B、100Cの下側に位置させることができる。したがって、その後に、裁ち屑110C、110Dを下方に排除する際に、隣接する用紙片100B、100Cを伴うことなく、裁ち屑110C、110Dのみを排除できる。
(b)用紙片100B、100Cを、下側に位置した裁ち屑110C、110Dと共に、上向きガイド82によって、斜め上向きに案内して、搬送面200の高さ位置にできるので、用紙片100B、100C及び裁ち屑110C、110Dを、次段の搬送ローラ21のニップ部へ円滑に送り込むことができ、ジャムの発生を防止できる。
(c)用紙片100Aを、下向きガイド83によって、斜め下向きに案内して、搬送面200の高さ位置にできるので、用紙片100Aを、次段の搬送ローラ21のニップ部へ円滑に送り込むことができ、ジャムの発生を防止できる。
更に、用紙加工装置1においては、第3裁断装置部5によって裁断された用紙100が、裁ち屑排除装置部6へ搬送される。このとき、裁ち屑排除装置部6においては、制御手段7によって、裁ち屑排除部材6A、6Bが次のような位置に移動されている。すなわち、裁ち屑排除部材6Aは、スリッター5Aの搬送方向下流に位置しており、裁ち屑排除部材6Bは、スリッター5Bの搬送方向下流に位置している。そして、裁ち屑排除部材6Aのガイド部623において、裁ち屑排除ガイド63は裁ち屑ガイド81の搬送方向下流に位置し、第1上ガイド64は上向きガイド82のみの搬送方向下流に位置し、第2上ガイド65は下向きガイド83の搬送方向下流に位置している。
裁ち屑排除装置部6へ搬送されて来た用紙100は、裁ち屑排除部材6A、6Bによって、次のように処理される。ここでは、裁ち屑排除部材6Aにおける処理について、説明する。
(1)スリッター5Aによって裁断された用紙100は、図22(C)に示されるように、用紙片100A、100Bと裁ち屑110Cとになり、用紙片100Bは、下側に位置した裁ち屑110Cと共に、搬送面200の高さ位置で、裁ち屑排除部材6Aに向けて搬送され、用紙片100Aは、搬送面200の高さ位置で、裁ち屑排除部材6Aに向けて搬送される。
(2)搬送されて来た裁ち屑110Cは、裁ち屑排除ガイド63の傾斜面631に接触して下向きに案内されて、ゴミ箱93へ排除される。このとき、裁ち屑110Cは、用紙片100Bの下側に位置しているので、用紙片100Bを伴うことなく、下向きに案内されて排除される。
(3)搬送されて来た用紙片100Bは、自重により下向きになろうとするが、第1上ガイド64の第1傾斜面641又は第2傾斜面642に接触して斜め上向きに案内されるので、搬送面200の高さ位置となる。また、用紙片100Bは、第1上ガイド64によって片持ち支持された状態となるので、上下にばたつきやすい状態となるが、横ガイド645によって、横方向に案内され、すなわち、隙間646内に上方から抑えられるので、ばたつくことなく、次段へ搬送される。
(4)搬送されて来た用紙片100Aは、自重により下向きになろうとするが、第2上ガイド65の第1傾斜面651又は第2傾斜面652に接触して斜め上向きに案内されるので、搬送面200の高さ位置となる。
なお、裁ち屑排除部材6Bにおける処理も、裁ち屑排除部材6Aの場合と同様である。すなわち、裁ち屑110Dは、用紙片100Cの下側に位置しているので、用紙片100Cを伴うことなく、裁ち屑排除ガイド63によって下向きに案内されて排除される。また、用紙片100Cは、第1上ガイド64によって上向きに案内されて、搬送面200の高さ位置となる。また、用紙片100Cは、横ガイド645によって横方向に案内されるので、ばたつくことなく、次段へ搬送される。更に、用紙片100Aは、第2上ガイド65によって上向きに案内されて、搬送面200の高さ位置となる。
以上のように、裁ち屑排除装置部6によれば、裁ち屑排除部材6A、6Bがガイド63、64、65を有しているので、次のような効果を発揮できる。
(a)用紙片100B、100Cの下側に位置している裁ち屑110C、110Dを、裁ち屑排除ガイド63によって、下向きに案内するので、裁ち屑110C、110Dを、隣接する用紙片100B、100Cを伴うことなく、確実に下方に排除できる。
(b)用紙片100B、100Cを、第1上ガイド64によって、上向きに案内して搬送面200の高さ位置にできるので、次段の搬送ローラ21のニップ部へ円滑に送り込むことができ、ジャムの発生を防止できる。
(c)用紙片100Aを、第2上ガイド65によって、上向きに案内して搬送面200の高さ位置にできるので、次段の搬送ローラ21のニップ部へ円滑に送り込むことができ、ジャムの発生を防止できる。
(d)用紙片100B、100Cを、第1上ガイド64によって上向きに案内する際に、横ガイド645によって横方向に案内できるので、ばたつかせることなく、次段の搬送ローラ21のニップ部へ円滑に送り込むことができ、この点からも、ジャムの発生を防止できる。
以上のように、上記構成の用紙加工装置1によれば、用紙100に対して、両縁以外の裁ち屑が生成するような裁断を行う場合において、裁ち屑及び用紙片を、ジャムを発生させることなく、円滑に搬送することができ、更に、裁ち屑のみを確実に排除して、用紙片のみを、ジャムを発生させることなく、円滑に搬送することができる。
なお、上記構成の用紙加工装置1は、次のような変形構成を採用してもよい。
(1)裁断手段や裁ち屑排除手段以外の、加工手段を、備えてもよい。
(2)スリッター5Aは、3つのガイド81、82、83の内、少なくとも裁ち屑ガイド81を、又は、少なくとも裁ち屑ガイド81及び上向きガイド82を、備えていればよい。
(3)第1上ガイド64は、横ガイド645を備えていなくてもよい。
(4)裁ち屑排除装置部6は、一対の裁ち屑排除部材6A、6Bを有し且つ搬送方向に対する直交方向(矢印X方向)に延びた列を、1列だけ有しているが、搬送方向に並んで複数列有してもよい。これによれば、スリッターの数に応じた数の裁ち屑排除部材を有することができ、それ故に、裁ち屑の数が増しても、全ての裁ち屑を排除することができる。
本発明の用紙加工装置は、隣接する用紙片を伴うことなく、裁ち屑のみを排除できるので、産業上の利用価値が大である。
1 用紙加工装置 20 搬送経路 3 第1裁断装置部 4 第2裁断装置部 5 第3裁断装置部 51 上回転刃 52 下回転刃 3A、3B、4A、4B、5A、5B スリッター 6 裁ち屑排除装置部 6A、6B 裁ち屑排除部材 63 裁ち屑排除ガイド 64 第1上ガイド 65 第2上ガイド 645 横ガイド 81 裁ち屑ガイド 82 上向きガイド 83 下向きガイド 100A、100B、100C 用紙片 110C、110D 裁ち屑

Claims (5)

  1. 用紙を搬送しながら用紙に加工を施す用紙加工装置において、
    用紙を1枚ずつ搬送する搬送手段と、
    搬送手段で構成された搬送経路の途中に設けられ、用紙を搬送方向に裁断する、裁断手段と、
    を少なくとも備えており、
    上記裁断手段が、上回転刃と下回転刃とを擦り合わせて用紙を裁断するスリッターを、備えており、
    上記スリッターが、搬送方向に対する直交方向における上回転刃側において、裁断により生成した裁ち屑を斜め下向きに案内する裁ち屑ガイドを、備えている、
    ことを特徴とする用紙加工装置。
  2. 上記スリッターが、上記直交方向における上回転刃側において、裁ち屑に隣接する用紙片を裁ち屑ガイドで案内された裁ち屑と共に斜め上向きに案内する上向きガイドを、更に備えている、
    請求項1記載の用紙加工装置。
  3. 上記スリッターが、上記直交方向における下回転刃側において、裁断により生成した用紙片を斜め下向きに案内する下向きガイドを、更に備えている、
    請求項1又は2に記載の用紙加工装置。
  4. 上記裁断手段の搬送方向下流に、裁ち屑排除手段を、更に備えており、
    裁ち屑排除手段が、裁ち屑排除部材を備えており、
    裁ち屑排除部材が、裁ち屑を下向きに案内する裁ち屑排除ガイドと、上記直交方向における上回転刃側の用紙片を斜め上向きに案内する第1上ガイドと、上記直交方向における下回転刃側の用紙片を斜め上向きに案内する第2上ガイドと、を備えている、
    請求項1ないし3のいずれか一つに記載の用紙加工装置。
  5. 第1上ガイドの上方に、斜め上向きに案内された用紙片を横方向に案内する横ガイドを、備えている、
    請求項4記載の用紙加工装置。
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