JP2012076068A - 固液分離方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】円筒状の回転体1と、回転体の外周面に設けられた凹部36と、凹部内に設けられて回転体の外周面に相当する位置にある凹部の開口部と凹部の底面との間を移動可能な押体44と、押体と凹部の開口部との間で形成された収容部51と、回転体を回転可能に収容し、固体と液体とが混在した固液混合物の入口部66と出口部68と入口部の一端と出口部の一端とに連接されて回転体の外周面を所定角度範囲で覆う脱水孔73付きの脱水板71とを有したケーシング2と、押体44の押圧駆動制御機構99とを備えた固液分離装置を用い、収容部51に収容された固液混合物を押体44により脱水板71の方向に押圧して固液混合物中から液体を脱水する固液分離方法において、回転体1の回転中は押体44による脱水動作を停止し、回転体1が停止している時に脱水動作を行う。
【選択図】図1
Description
押体を回転体の外周面の方向に移動させる動作を停止することによって押体による脱水動作を停止した後に、回転体を回転させたので、回転体の回転中における固液混合物と脱水板との摩擦を小さくできるとともに、押体の駆動制御を簡単にできる。
押体を回転体の外周面の方向に移動させる動作を停止した状態からさらに押体を凹部の底面に近づく方向に移動させた状態に設定することによって押体による脱水動作を停止した後に、回転体を回転させたので、回転体の回転中における固液混合物と脱水板との摩擦をより小さくできる。
押圧駆動制御機構99が、油圧制御装置96、油タンク52、油送ケーブル53;54;54及び油圧制御弁56による油圧制御機構と、押圧機構41とにより構成される。
爪車301は、円板304の周面307に周方向に沿って等間隔隔てて設けられた複数の歯305を備えたものであり、円板304の中心に取付孔306を備える。例えば、後壁部62より突出する回転軸10の一端部10aが爪車301の取付孔306に嵌め込まれて、爪車301と回転軸10とが一緒に回転可能なように、爪車301が回転軸10に回転不能に固定される。
また、前壁部64より突出する回転軸10の他端部10bには、回転軸10が軸受90より抜けるのを防止するための抜け止め308が取り付けられている(図2参照)。
以上により、爪車301を回転させると軸受90;91により回転可能に支持された回転軸10及び回転体1も一緒に回転するように構成される。
尚、上下又は左右に2個1組の油圧ジャッキを用いれば、爪車301を一方向にスムーズに回転させることができる。例えば、2個1組の油圧ジャッキは、ピストン311が最大に伸長している場合(図5参照)において、ピストン311同士が互いに平行に位置し、かつ、ピストン311の先端位置同士が、爪車301の円板304の周面307上において爪車301の回転中心を通る一直線上に位置するように設けられる。
油圧ジャッキ302A;302Bは、ピストン311の伸縮方向(ピストンの中心軸の延長方向)と円板304の周面307に接する円の接線とが平行となるように配置され、ヒンジ312によりピストン311が爪車301に近付く方向、及び、爪車301から離れる方向に回転可能なようにベースフレーム313に取り付けられている。このベースフレーム313により固液分離装置を設置面に安定に設置できる。
また、ピストン311を爪車301の回転中心に近付く方向に付勢するための付勢手段としてのコイルバネ315を備える。コイルバネ315は、一端がシリンダー310に連結され、他端が固液分離装置の静止部に連結される。即ち、コイルバネ315の他端は、例えば図5に示すように他後壁部62の外面62aやベースフレーム313等の静止部に連結される。
押圧キャップ317は、棒状体の中心軸を中心とした図外の有底孔が棒状体の一端面から他端面に向けて形成されて、ピストン軸316の先端側が有底孔内に嵌め込まれてピストン軸316の先端部に固定されたものである。
押圧キャップ317の先端側には、爪車301に近付く方向に突出して爪車301の互いに隣り合う歯305と歯305との間の谷間に入り込んで歯305を押圧する爪318を有し、この爪318における押圧キャップ317の先端面が押圧面320として機能し、爪318の突出方向先端面が摺動面321として機能する。
尚、油タンク330;油給排用ケーブル331;油圧制御弁332からなる油圧給排機構は、上側の油圧ジャッキ302A、下側の油圧ジャッキ302B毎に対応して設けられ、上側の油圧ジャッキ302A及び下側の油圧ジャッキ302Bを統括して制御する油圧制御装置333は、例えば、上下の油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311の伸長動作及び縮退動作を同時に行わせたり(図8参照)、あるいは、上下の油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311の伸長動作を交互に行わせる。上下の油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311の伸長動作及び縮退動作を同時に行わせた場合、爪車301を回転させるための力が大きくなり、爪車301を回転させやすくなる。上下の油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311の伸長動作を交互に行わせた場合、上下の油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311の伸長動作及び縮退動作を同時に行わせた場合に比べて、爪車301をより連続的に回転させることができ、収容部51内の固体が出口部68より排出されるまでの作業時間を短くできる。
また、上側の回転力付与機構302の場合、ピストン311を縮めてピストンの摺動面321が滑面326を超えた場合に重力によって回転力付与機構302がヒンジ312を回転中心として下方に回転して爪318が直後の歯305の後方の周面307に落下するので、コイルバネ315を設けても良いし、設けなくても良い。
図1に示すように、収容部51が入口部66を介して投入された固液混合物を受け入れ可能なように位置されている状態において押体44のピストン43を最大縮退状態として収容部51内に固液混合物を収容し、図8(a)に示すように、油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311の押圧面320を爪車301の歯305の受圧面325側に接触させる。そして、図8(b)に示すように、油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311を1ストローク動作させて爪車301の歯305を押圧することによって、図1に示すように、当該収容部51の押体44と脱水板71とが向かい合うように回転体1を45°回転させる。固液混合物を収容した収容部51が入口部66に対応した位置から回転体1を最初に回転させる際には、押体44のピストン43を最大縮退状態としておく。これにより、回転体1の回転時における固液混合物と脱水板71との摩擦を少なくできる。
回転体1を45°回転させた後に、押体44のピストン43を伸長させて押体44により収容部51内の固液混合物を脱水板71の方向に押圧することにより脱水作業が行われる。つまり、油圧制御装置96が、押圧機構41のシリンダー42に油圧を供給し始めるよう油圧制御弁56を制御することにより、押圧機構41の押体44の先端に設けられた押体44が回転体1の外周面32の方向に移動し、押体44によって固液混合物が脱水板71の方向に押圧されて固液混合物中の水が脱水孔73を経由して排水空間77に排出される。
このような脱水作業を所定時間(例えば数秒間又は数十秒間)行った後、図8(c)に示すように、油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311を縮退させると、ピストン311の爪318の摺動面321が滑面326を滑って爪318が爪車301の回転方向に対して直後の歯305の後に位置する。つまり、ピストン311を縮めてピストン311の摺動面321が滑面326を超えた場合に、油圧ジャッキ302A;302Bがヒンジ312を回転中心として下方に回転して爪318が直後の歯305の後方の周面307と接触する。油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311を縮退させる際には、押体44を回転体1の外周面32の方向に移動させる動作を続行又は停止した状態としておけば、固液混合物と脱水板71との摩擦力を大きくでき、回転体1の逆方向回転を防止できる。尚、上述した逆回転防止爪を備えている場合においては、油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311を縮退させる際に、押体44のピストン43を縮退させた状態としても良い。
そして、爪318を直後の歯305の後方(回転体1の回転方向に対する後方)に位置させ、かつ、押体44による脱水動作を停止状態に設定した後、油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311を1ストローク動作させて回転体1をさらに45°回転させる。以後、油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311を1ストローク動作させて回転体1を回転させる場合には、押体44による脱水動作を停止状態に設定してから回転体1を回転させる。
ここで、押体44による脱水動作を停止状態に設定するとは、押体44により収容部51内の固液混合物を脱水板71の方向に押圧する動作、即ち、押体44を回転体1の外周面32の方向に移動させる動作を停止した状態に設定すること、又は、押体44のピストン43を縮退させた状態、即ち、押体44を回転体1の外周面32の方向に移動させる動作を停止した状態からさらに押体44を凹部36の底面(平板21の外面31)に近づく方向に移動させた状態に設定することを言う。
そして、回転体1を回転させた後、上記押体44による脱水動作を行う。
即ち、油圧ジャッキ302A;302Bと爪車301と押体44との関係は図7に示したように、油圧ジャッキ302A;302Bのピストン311を1ストローク動作させたときは回転体1が回転し、このとき、押体44による脱水動作は停止する。また、押体44による脱水動作を行っている場合は、油圧ジャッキ302A;302Bの駆動を停止し、回転体1を回転させない。つまり、ピストン311を1ストローク動作させて回転体1を回転させた後に回転体1を回転させないで脱水動作を行うという作業を繰り返し行う。
このように、回転体1を回転させる動作と脱水動作とを時間をずらして別々に行うことにより、所定時間の脱水動作を複数回行う。つまり、脱水板71が存在する区間において、回転体1が回転していないときに所定時間の脱水動作を行うことで、固液混合物を十分に脱水できるとともに、回転体1の回転動作中は脱水動作を行わないので、固液混合物と脱水板71との摩擦を小さくできる。即ち、回転体1の回転中は、固液混合物と脱水板71との摩擦を小さくするために、押体44による脱水動作を停止し、回転体1が停止している時に脱水動作を行うようにしたので、回転体1を容易に回転させることができて、かつ、摩擦による脱水板71の磨耗を少なくできる。
また、回転体1の回転中は押体44による脱水動作を停止するようにしたので、回転体1の回転時における固液混合物と脱水板71との摩擦による脱水板71の磨耗を少なくでき、固液分離装置の脱水性能を良好に維持できるようになる。
また、実施形態1では、回転体1の外周囲に沿った方向において所定間隔を隔てて複数の収容部51を設け、この複数の収容部51の開口部35を覆える大きさの脱水板71を備えたので、回転体1の回転に伴って複数の収容部51に連続的に固液混合物を収容させ、複数の収容部51に収容された固液混合物を連続的に脱水処理できる。即ち、脱水処理を効率的に行える。
図9;10に示すように、回転駆動制御機構3を、回転体1の回転軸10を回転させるための回転力付与機構としてモーター350と、モーター制御機構351とを備えた構成としても良い。モーター350は、例えば、後壁部62に形成されたモーター取付部360に取り付けられ、モーター350のモーター軸352と回転軸10とに回転伝達ベルト353が掛け回され、モーター軸352の回転力が回転伝達ベルト353を介して回転軸10に伝達される。回転軸10の一端には角度センサ(エンコーダ)354が取り付けられており、角度センサ354とモーター制御装置355とが信号線356により互いに接続され、モーター350とモーター制御装置355とが信号線357により互いに接続される。角度センサ354は、回転軸10の中心と何れか1つの仕切壁体16の断面の中心とを結ぶ線と交わる回転軸10の外周面の位置が角度検出基準(原点)となるよう回転軸10に取り付けられる。モーター制御装置355が角度センサ354からの角度信号を入力してモーター350の駆動及び停止を制御する。モーター制御機構351は、角度センサ354とモーター制御装置355とにより構成される。
そして、実施形態1と同じように、回転体1を所定角度回転する毎に停止し、回転体1の回転中は、固液混合物と脱水板71との摩擦を小さくするために、押体44による脱水動作を停止し、回転体1が停止している時に脱水動作を行うことにより、実施形態1と同じように、脱水板71の磨耗を少なくできて、固液分離装置の脱水性能を良好に維持できるようになる。
回転体1の外周面32に設ける収容部51の数は、1つ以上であれば良い。この場合、複数の収容部51は、回転軸10を中心とした周回りに(360/n)°の間隔で配置される。尚、nは2以上の収容部51の数である。
油圧駆動の押圧機構41の代わりに、水圧駆動や空気圧駆動の押圧機構、あるいは、カムとばねを用いた押圧機構を使用しても良い。
また、回転体1の回転軸10側から外周面32に近くなるにつれて幅広となる収容部、即ち、収容部を仕切る仕切壁体の壁面が回転体の半径線と平行な面に形成されて、壁面が末広がりとなった収容部を形成し、押体として、ばね機構などで幅が可変に構成されたものを使用することも可能である。
爪車(ラチェット)301と回転力付与機構302とを前壁部64の外面64aに設けても良い。
35 収容部の開口部、36 凹部、41 押圧機構、44 押体、51 収容部、
66 入口部、67 脱水部、68 出口部、71 脱水板、72 外板、
73 脱水孔、78 排水孔、99 押圧駆動制御機構。
Claims (3)
- 円筒状の回転体と、回転体の回転駆動制御機構と、回転体の外周面に外周面より窪むように設けられた凹部と、凹部内に設けられて回転体の外周面に相当する位置にある凹部の開口部と凹部の底面との間を移動可能な押体と、押体と凹部の開口部との間で形成された収容部と、回転体を回転可能に収容し、固体と液体とが混在した固液混合物の入口部と出口部と入口部の一端と出口部の一端とに連接されて回転体の外周面を所定角度範囲で覆う脱水孔付きの脱水板とを有したケーシングと、押体の押圧駆動制御機構とを備えた固液分離装置を用い、
収容部に収容された固液混合物を押体により脱水板の方向に押圧して固液混合物中から液体を脱水する固液分離方法において、
回転体の回転中は押体による脱水動作を停止し、回転体が停止している時に脱水動作を行うことを特徴とする固液分離方法。 - 押体を回転体の外周面の方向に移動させる動作を停止することによって押体による脱水動作を停止した後に、回転体を回転させたことを特徴とする請求項1に記載の固液分離方法。
- 押体を回転体の外周面の方向に移動させる動作を停止した状態からさらに押体を凹部の底面に近づく方向に移動させた状態に設定することによって押体による脱水動作を停止した後に、回転体を回転させたことを特徴とする請求項1に記載の固液分離方法。
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