JP2012074345A - 色素増感太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】光吸収効率の向上を図るとともに安価に製造することができる新規な構造のタンデム型色素増感太陽電池を提供する。
【解決手段】色素増感太陽電池10は、光が入射される側から順に、アノード基板12、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14、第一の電解液層16a、電解液レドックス触媒層18、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20、多孔質支持体層19、第二の電解液層16bおよびカソード基板22を設けたものである。導体により導電性層12bから導出される電子はカソード基板22に導入され、例えば照明用の電池回路が構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素を担持する多孔質酸化物半導体層が入射する光の進行方向に対して直列に2段設けられる、いわゆるタンデム型の色素増感太陽電池に関する。
色素増感太陽電池は、湿式太陽電池あるいはグレッツェル電池等と呼ばれ、シリコン半導体を用いることなくヨウ素溶液に代表される電気化学的なセル構造をもつ点に特徴がある。具体的には、透明な導電性ガラス板(透明導電膜を積層した透明基板:アノード基板)に二酸化チタン粉末等を焼付け、これに色素を吸着させて形成したチタニア層等の多孔質半導体層(多孔質酸化物半導体層)と導電性ガラス板(導電性基板:カソード基板)からなる対極の間に電解液としてヨウ素溶液等を配置した、簡易な構造を有する。透明な導電性ガラス板の側から色素増感太陽電池セル内に導入される太陽光が色素に吸収されることで電子が発生する。
色素増感太陽電池は、材料が安価であり、作製に大掛かりな設備を必要としないことから、低コストの太陽電池として注目されている。
色素増感太陽電池は、現在11%程度の太陽光の変換効率が報告されているが、効率のさらなる向上が求められており、種々の観点から検討がなされている。
そのうちのひとつとして、光の吸収効率の改善が種々検討されている。
すなわち、色素増感太陽電池に用いられている色素について従来から種々検討が行われているが、400nmから近赤外以上の波長までの幅広い波長領域の光を高効率で吸収できる色素は今のところ得られていない。このため、色素を吸着させた多孔質半導体層で吸収されなかった光はそのまま吸収ロスとなる。なお、光の吸収効率を上げる目的で色素を吸着させた多孔質半導体層の厚みを大きくすることも考えられるが、この場合、実際には、種々の理由で吸収効率の向上にはつながらず、逆に吸収効率が低下するおそれもある。
光吸収効率の向上を図るために、色素を担持する多孔質酸化物半導体層を入射する光の進行方向に対して直列に2段設ける、いわゆるタンデム型の色素増感太陽電池が検討されている。
例えば、異なる種類の色素を吸着した2層の多孔質半導体層を重ねるとともに、2層の多孔質半導体層の間にFTO(フッ素をドープした酸化スズ膜)を含む電極を配し、このようにして構成される2つのセルから並列的に電気を取り出す技術が検討されている(非特許文献1参照)。
また、第一増感色素を有する第一アノードと第一増感色素とは異なる第二増感色素を有する第二アノードが離隔して配置され、両アノード間に典型的には網目電極からなるカソードが設けられ、これら各電極間に電解質を充填した色素増感太陽電池が検討されている(特許文献1参照)。
この電池のカソードの両側に形成される2つの電池セルを並列に接続することで、第一アノード側から入射される入射光を効率よく利用することができるとされている。
また、それぞれ増感色素が吸着した多孔質酸化チタン膜を載置したアノードおよび対極であるカソードが離隔して配置され、アノードおよびカソードの両極間に透明対極が設けられ、これら各電極間に電解質を充填した色素増感太陽電池が検討されている(特許文献1参照)。この場合、透明対極の中間層として形成される絶縁層のアノード側の面がカソード電極として機能し、透明対極の絶縁層のカソード側の面がアノード電極として機能することで、透明対極の両側に形成される2つの電池セルを並列に接続した、上記特許文献1に類似する構成となっている(非特許文献2参照)。なお、この非特許文献2には図面より判読されるこれ以上の開示がないため、透明電極の材料や構造等は明らかではない。
なお、上記のようなタンデム型の色素増感太陽電池についてのものではないが、本発明者らは、多孔質半導体層部を2層に設けるとともにそれら2層の多孔質半導体層部の間に貫通孔を有する導電層部(集電極)を設け、導電層部を光入射側に設けられる透明基板の透明導電膜に電気的に接続した色素増感太陽電池を提案している(特許文献2参照)。
この色素増感太陽電池によれば、多孔質半導体層の厚みを厚くした場合においても高い変換効率を得ることができる。
また、npタンデム型の色素増感太陽電池についてのものではあるが、アノード基板、色素増感n型半導体層、電解質層、色素増感p型半導体層およびカソード基板がこの順に配置されたものが検討されている(特許文献3参照)。
この色素増感太陽電池によれば、pサイドの電気抵抗を低減することにより、pサイドの変換効率を向上させて、電池全体としての変換効率を向上させることが可能であるとされている。
特開2008−53042号公報 特開2008−16405号公報 特開2006−147280号公報
W. Kubo et al/Jounal ofPhotochemistry and Photobiology A Chemistry 164(2004) 日経エレクトロニクスの記事、平成21年3月4日検索、インターネット、URL:http://techon.nikkeibp.co.jp:80/article/NEWS/20080306/148570/
しかしながら、上記した従来技術はいずれも、光吸収効率のさらなる向上を要するものであったり、電池構造上、高価な透明導電膜を多く用いることで電池の製造コストが高くなるものであったり、あるいは電池を大型化する際に不都合を生じるおそれがある等、さらなる改善の余地が大きいと思われる。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、光吸収効率の向上を図るとともに安価に製造することができる新規な構造のタンデム型色素増感太陽電池を提供することを目的とする。
本発明に係る色素増感太陽電池は、光が入射される側から順に、アノード基板、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層、第一の電解液層、電解液レドックス触媒層、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層、多孔質支持体層、第二の電解液層およびカソード基板を設けてなることを特徴とする。
このとき、好ましくは、前記アノード基板に代えて透明基板が設けられ、前記第一の色素担持多孔質酸化物半導体層の内部または該第一の色素担持多孔質酸化物半導体層と前記第一の電解液層の間に配置される多孔質導電性金属層をさらに有するとともに、前記多孔質支持体層が前記第二の色素担持多孔質酸化物半導体層の内部または該第二の色素担持多孔質酸化物半導体層のいずれかの側に設けられる。
また、好ましくは、前記多孔質導電性金属層が、不規則に形成される深い孔状の多数の貫通孔を有するとともに、該多孔質導電性金属層を貫通して該多孔質導電性金属層の両側の層に接する多数の多孔質半導体粒子を有することを特徴とする。
また、本発明に係る色素増感太陽電池は、光が入射される側から順に、アノード基板、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層、第一の電解液層、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層、多孔質導電性金属支持体層、第二の電解液層およびカソード基板を設けてなることを特徴とする。
このとき、好ましくは、前記アノード基板に代えて透明基板が設けられ、前記第一の色素担持多孔質酸化物半導体層の内部または該第一の色素担持多孔質酸化物半導体層と前記第一の電解液層の間に配置される多孔質導電性金属層をさらに有するとともに、前記多孔質導電性金属支持体層が前記第二の色素担持多孔質酸化物半導体層の内部または該第二の色素担持多孔質酸化物半導体層のいずれかの側に設けられる。
また、好ましくは、前記多孔質導電性金属層が、不規則に形成される深い孔状の多数の貫通孔を有するとともに、該多孔質導電性金属層を貫通して該多孔質導電性金属層の両側の層に接する多数の多孔質半導体粒子を有することを特徴とする。
また、本発明に係る色素増感太陽電池は、好ましくは、前記アノード基板を構成する導体層が多孔質導電性金属層を含むことを特徴とする。
また、本発明に係る色素増感太陽電池は、好ましくは、前記第二の色素担持多孔質酸化物半導体層に担持される色素が、前記第一の色素担持多孔質酸化物半導体層に担持される色素の光吸収波長よりも長い光吸収波長を有することを特徴とする。
本発明に係る色素増感太陽電池は、光が入射される側から順に、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層、第一の電解液層、およびカソード基板を設けるとともに、アノード基板、または、アノード基板に代えて透明基板を設けるとともにさらに多孔質導電性金属層を設け、ならびに、電解液レドックス触媒層、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層、多孔質支持体層および第二の電解液層をさらに設け、または、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層、多孔質導電性金属支持体層および第二の電解液層をさらに設けるため、光の吸収効率に優れ、また、高価な透明導電膜を必ずしも必要とせず、あるいは多量に用いる必要がないため、電池の製造コストを低減することができる。
図1は、本実施の形態の第一の例に係る色素増感太陽電池の構成を模式的に示す図である。 図2は、本実施の形態の第一の例に係る色素増感太陽電池の変形例の構成を模式的に示す図である。 図3は、第一の色素(Dye2)および第二の色素(Dye1)の化学構造を示す図である。 図4は、本実施の形態の第二の例に係る色素増感太陽電池の構成を模式的に示す図である。 図5(A)は、本実施の第二の形態に係る色素増感太陽電池の多孔質導電性金属層の製造方法の製造工程を説明するための電池部材構造の模式図であり、多孔質半導体層形成工程を説明するための図である。 図5(B)は、本実施の第二の形態に係る色素増感太陽電池の多孔質導電性金属層の製造方法の製造工程を説明するための電池部材構造の模式図であり、混合層形成工程を説明するための図である。 図5(C)は、本実施の第二の形態に係る色素増感太陽電池の多孔質導電性金属層の製造方法の製造工程を説明するための電池部材構造の模式図であり、導電性金属膜形成工程を説明するための図である。 図5(D)は、本実施の第二の形態に係る色素増感太陽電池の多孔質導電性金属層の製造方法の製造工程を説明するための電池部材構造の模式図であり、焼成ステップを含む微粒子層消失工程を説明するための図である。 図5(E)は、本実施の第二の形態に係る色素増感太陽電池の多孔質導電性金属層の製造方法の製造工程を説明するための電池部材構造の模式図であり、焼成ステップを含まない微粒子層消失工程を説明するための図である。 図6は、本実施の形態の第三の例に係る色素増感太陽電池の構成を模式的に示す図である。 図7は、本実施の形態例に係る色素増感太陽電池のトップセルと類似構造の単セルを有する色素増感太陽電池製造実施例3において得られるTi膜のSEM写真を示す図である。
本発明の実施の形態(以下、本実施の形態例という。)について、図を参照して、以下に説明する。
本実施の形態の第一の例に係る色素増感太陽電池について、図1を参照して説明する。
本実施の形態例に係る色素増感太陽電池10は、光が入射される側から順に、アノード基板12、アノード基板12に保持される第一の色素担持多孔質酸化物半導体層(以下、これを単に第一の半導体層ということがある。)14、第一の電解液層16a、電解液レドックス触媒層18、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層(以下、これを単に第二の半導体層ということがある。)20、多孔質支持体層19、第二の電解液層16bおよびカソード基板22を設けたものである。多孔質支持体層19の第一の電解液層16aに向けて設けられる第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の表面に電解液レドックス触媒層18が担持される。なお、図1中、参照符号24は、電解液層16a、16b等を封入して固定するスペーサを示す。
アノード基板12は、例えば、ガラスまたは樹脂フィルム等で形成される透明基板12aとその基板12a上に設けられる光透過性を有する導体層12bで構成することができる。
アノード基板12の導体層12bは、特に限定するものではなく、ITO(スズをドープしたインジウム膜)、FTO(フッ素をドープした酸化スズ膜)、あるいはまたSnO膜等を用いることができる。また、導体層12bは、これらFTO等とともに多孔質導電性金属層を含むものであってもよい。このような多孔質導電性金属層として、金属メッシュ、予め無数の孔を形成した金属層または溶射や薄膜形成法等により形成した多孔質金属層等を用いることができる。
カソード基板22は、例えば、導電性金属層の内側面に触媒膜を設ける等の適宜の構造とすることができる。
第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14および第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20において担持される色素(以下、これらをそれぞれ第一および第二の色素ということがある。)は、多孔質半導体層を形成する半導体材料に吸着させる色素であり、400nm〜1000nmの波長に吸収をもつものである。このような色素として、例えば、COOH基を有する、ルテニウム色素、フタロシアニン色素などの金属錯体、シアニン色素などの有機色素を挙げることができる。
第一および第二の色素は同一種類の色素を用いることができる。ただし、第一の色素として、セル内を進行する過程で消失しやすい短波長の光を吸収する、例えば図3に示すDye2の化学構造を有する色素を用い、第二の色素として第一の色素よりも長波長の光を吸収する、例えば図3に示すDye1の化学構造を有する色素を用いると、より好ましい。
第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14および第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20において色素を担持する多孔質酸化物半導体層は、半導体材料として、例えば、チタン、スズ、ジルコニウム、亜鉛、インジウム、タングステン、鉄、ニッケルあるいは銀等の金属の酸化物を用いることができる。
多孔質酸化物半導体層は、半導体材料が300℃以上の温度で焼成されたものであり、より好ましくは450℃以上の温度で焼成されたものである。一方、焼成温度の上限は特にないが、多孔質半導体層の材料の融点よりは十分に低い温度とし、より好ましくは550℃以下の温度とする。また、多孔質半導体層の材料としてチタン酸化物(チタニア)を用いる場合、ルチル結晶に移行しない程度の温度で、チタン酸化物の導電性が高いアナターゼ結晶の状態で焼成することが好ましい。
第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14および第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の多孔質酸化物半導体層は、同一の半導体材料、例えばチタン酸化物で形成してもよい。しかし、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14の多孔質酸化物半導体層をチタン酸化物で形成し、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の多孔質酸化物半導体層をスズ酸化物で形成すると、スズ酸化物の伝導帯のエネルギー準位がチタン酸化物の伝導帯のエネルギー準位よりも低く長波長の光を吸収する色素のLUMOと合っているため(適合させ易いため)、より好ましい。
第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14および第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の多孔質酸化物半導体層は、それぞれその厚みを特に限定するものではないが、好ましくは、14μm以上の厚みとする。
第一および第二の電解液層16a、16bは、ヨウ素、リチウムイオン、イオン液体、t-ブチルピリジン等を含むものであり、例えばヨウ素の場合、ヨウ化物イオンおよびヨウ素の組み合わせからなる酸化還元体を用いることができる。酸化還元体は、これを溶解可能な適宜の溶媒を含む。
多孔質支持体層19は、光を十分に透過できるとともに電解液が通過できる多孔性を有し、かつ薄膜であっても第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20を確実に支持できるものであれば特に限定するものではなく、適宜の無機材料で形成してもよいし、また、適宜の金属材料で形成してもよい。
多孔質支持体層19上に設けられる第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20に担持される電解液レドックス触媒層18は、電解液層16a、16bの上記酸化還元体を酸化還元して(例えば、酸化還元体がヨウ素を含む場合は、I をIに還元する)、電子を第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14に渡すことを促進するものであり、単に触媒層ともいうことができる。電解液レドックス触媒層18が無い場合は、I をIに還元できずI が蓄積することになり、電子を渡した色素が十分に還元される良好な効率が得られなくなる。電解液レドックス触媒層18は、例えば、白金、導電性高分子、炭素等の材料で形成することができる。電解液レドックス触媒層18は、例えばスパッタ法等の適宜の成膜法により形成することができる。
導体により導体層12bから導出される電子はカソード基板22に導入され、例えば照明電源としての電池回路が構成される。
太陽電池10は、構造的には、光の進行方向に第一の半導体層14および第二の半導体層20が積み重ねられたいわゆるタンデム構造(タンデム型)電池であり、電池作用面からみると、第一の半導体層14および第一の電解液層16aならびに第二の半導体層20および第二の電解液層16bを備えることにより、2つの電池セルが直列に配列された直列型電池ということができる。
この場合、多孔質支持体層19に相当する部材が電解質の流通を阻害する非孔質部材、例えば透明導電膜や金属膜であると、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14を含んで構成されるセル(セル1とする)と第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20を含んで構成されるセル(セル2とする。)に流れる電流量が同じでない場合、例えばセル2に電流が流れにくいとき、それが律速となり、性能が低下する。極端なケースとして、セル2に長波長吸収色素を用いるとき、長波長に乏しい光がセル2に入射してもセル2に電気は流れない。
これに対して、本実施の形態の例に係る色素増感太陽電池10によれば、セル1およびセル2間の電解液の流通が確保されるため、色素1と色素2の吸収量のバランスを考慮する必要がない。たとえセル2に全く電流が流れないときでも、電池10は機能することになる。
以上説明した本実施の形態の第一の例に係る色素増感太陽電池10によれば、高い発電効率で高電圧を得ることができる。また、FTO膜等の透明導電膜に比べて電極を安価に形成することができるため、電池を安価に製造することができる。また、電池を大型化する際にFTO膜等に比べて電極によって生じる電力のロスが小さい。
ここで、本実施の形態の第一の例に係る色素増感太陽電池10の変形例について説明する。
図2に示す変形例に係る色素増感太陽電池10aは、基本的な構成は色素増感太陽電池10と同様である。このため、各部材についての重複する説明は省略する。
色素増感太陽電池10aは、色素増感太陽電池10の電解液レドックス触媒層18が省略されるとともに、多孔質支持体層19に代えて多孔質導電性金属支持体層19aが設けられる点が色素増感太陽電池10と異なる。
多孔質導電性金属支持体層19aは、多孔質支持体層19としての機能とともに電解液レドックス触媒層18に相当する機能を奏する。
多孔質導電性金属支持体層19aは、金属メッシュ、予め無数の孔を形成した金属層または溶射や薄膜形成法等により形成した多孔質金属層等を用いることができる。これにより、多孔質導電性金属支持体層19aを安価に形成することができる。
以上説明した変形例に係る色素増感太陽電池10aによれば、電解液レドックス触媒層18を省略した分だけ構成を簡易にした色素増感太陽電池10aにより色素増感太陽電池10とほぼ同様の効果を得ることができる。
色素増感太陽電池10、10aの具体的な製造例を以下に示す。
色素増感太陽電池10、10aの効果は、色素増感太陽電池10、10aと類似の構成について実施した以下の例から容易に理解することができる。
(本実施の形態の第一の例に係る色素増感太陽電池の製造例1)
透明ガラス基板上にFTO膜(表面抵抗 10Ω/□)を形成し、その上にチタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥して厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。このポーラスチタニア層に上述の第一の色素(Dye2)を吸着させることにより第一の電極部を作製する。一方、直径20μmの網目を有するメッシュステンレス基板(厚さ25μm)上にチタンをスパッタで製膜し、その後酸素を導入しながらさらにチタンをアークプラズマ製膜することにより、表面を保護したステンレスメッシュ構造を作製する。メッシュ構造の片側の面にチタニアペーストをコートし、450度30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。メッシュ構造のポーラスチタニアの表面に白金をスパッタした後、このチタニア層に上述の第二の色素(Dye1)を吸着させることにより第二の電極部を作製する。電解液は、ポーラスなPTFE(Polytetrafluoroethylene)膜(厚み50μm、80%空孔率)に電解液をしみこませたゲル電解液を用いる。対極は、チタンに白金をスパッタすることにより作製する。これらを順次積層し、言い換えれば、対極を第二の電極部のポーラスチタニア層面と対向させて、太陽電池を作製する。
(本実施の形態第一の例に係る色素増感太陽電池の製造例2)
透明ガラス基板上にFTO膜(表面抵抗 10Ω/□)を形成し、チタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。このチタニア層に第一の色素を吸着させることにより第一の電極部を作製する。一方、直径20μmの網目を有するメッシュステンレス基板(厚さ25μm)上にチタンをスパッタで製膜し、その後酸素を導入しながらさらにチタンをアークプラズマ製膜することにより、表面を保護したステンレスメッシュ構造を作製する。メッシュ構造の片側にチタニアペーストをコートし、450℃で30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。このチタニア層に第二の色素を吸着させることにより第二の電極部を作製する。電解液は、ポーラスなPTFE膜(厚み50μm、80%空孔率)に電解液をしみこませたゲル電解液を用いる。対極は、チタンに白金をスパッタすることにより作製する。これらを順次積層し、言い換えれば、対極を第二の電極部のポーラスチタニア層面と対向させて、太陽電池を作製する。
(本実施の形態第一の例に係る色素増感太陽電池と類似構造の色素増感太陽電池製造実施例1)
透明ガラス基板上にFTO膜(表面抵抗 10Ω/□)を形成し、その上にチタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥して厚み2μmのポーラスチタニア層を作製した。このポーラスチタニア層に上述の第一の色素(Dye2)を吸着させることにより第一の電極部を作製した。一方、直径20μmの網目を有するメッシュステンレス基板(厚さ25μm)上にチタンをスパッタで製膜し、その後酸素を導入しながらさらにチタンをアークプラズマ製膜することにより、表面を保護したステンレスメッシュ構造を作製した。メッシュ構造にチタニアペーストをコートし、450度30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製した。メッシュ構造のポーラスチタニア層が設けられていない側の表面に白金をスパッタした後、このチタニア層に上述の第二の色素(Dye1)を吸着させることにより第二の電極部を作製した。電解液は、ポーラスなPTFE(Polytetrafluoroethylene)膜(厚み50μm、80%空孔率)に電解液をしみこませたゲル電解液を用いた。対極は、チタンに白金をスパッタすることにより作成した。これらを順次積層し、言い換えれば、対極を第二の電極部のポーラスチタニア層面と対向させて、太陽電池を作製した。
得られた太陽電池は、第一の電極部と対極を電気的に接続したときのセル(複合セル)の性能はVocが0.81V, Jsc が5.2mA/cm2, FFが0.67, 効率が2.8%であった。また、この太陽電池とは別途作製した第一の電極部と対極で構成されるセル(単セル1)の性能はVoc が0.4V, Jsc が5.4mA/cm2, FFが0.70, 効率が1.5%であり、一方、この太陽電池とは別途作製した第二の電極部と対極で構成されるセル(単セル2)の性能はVoc が0.42V, Jsc が4.9 mA/cm2, FFが0.70, 効率が1.44 %であった。従来の電池にほぼ相当する単セル1のみの場合に比べて、複合セルは単セル1および単セル2の合計値にほぼ匹敵するVoc値の上昇がみられた。IPCE値は500nmの吸収波長をもつ第一の色素を有する単セル1に相当するピークと700nmの吸収波長をもつ第二の色素を有する単セル2に相当するピークがみられた。
(本実施の形態第一の例に係る色素増感太陽電池と類似構造の色素増感太陽電池製造実施例2)
透明ガラス基板上にFTO膜(表面抵抗 10Ω/□)を形成し、チタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製した。このチタニア層に第一の色素を吸着させることにより第一の電極部を作製した。一方、直径20μmの網目を有するメッシュステンレス基板(厚さ25μm)上にチタンをスパッタで製膜し、その後酸素を導入しながらさらにチタンをアークプラズマ製膜することにより、表面を保護したステンレスメッシュ構造を作製した。メッシュ構造の上にチタニアペーストをコートし、450℃で30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製した。このチタニア層に第二の色素を吸着させることにより第二の電極部を作製した。電解液は、ポーラスなPTFE膜(厚み50μm、80%空孔率)に電解液をしみこませたゲル電解液を用いた。対極は、チタンに白金をスパッタすることにより作成した。これらを順次積層し、言い換えれば、対極を第二の電極部のポーラスチタニア層面と対向させて、太陽電池を作製した。
得られた太陽電池は、太陽電池の性能は第一の電極部および第二の電極部と対極を電気的に接続したときのセル(複合セル)の性能はVocが0.4V, Jsc が12.1mA/cm2, FFが0.60, 効率が2.9%であった。また、この太陽電池とは別途作製した第一の電極部と対極で構成されるセル(単セル1)の太陽電池性能はVoc が0.4V, Jsc が5.4mA/cm2, FFが0.70, 効率が1.5%であり、一方、この太陽電池とは別途作製した第二の電極部と対極で構成されるセル(単セル2)の性能はVoc が0.42V, Jsc が4.9 mA/cm2, FFが0.70, 効率が1.44 %であった。従来の電池にほぼ相当する単セル1のみの場合に比べて、複合セルは単セル1および単セル2の合計値にほぼ匹敵するJsc値の上昇がみられた。IPCE値は500nm の吸収波長をもつ第一の色素を有する単セル1に相当するピークと700nmの吸収波長をもつ第二の色素を有する単セル2に相当するピークがみられた。
つぎに、本実施の形態の第二の例に係る色素増感太陽電池について、図4を参照して説明する。なお、本実施の形態の第二の例およびさらに説明する第三の例において、第一の例と同様の構成については、重複する説明を省略することがある。
本実施の形態の第二の例に係る色素増感太陽電池40は、光が入射される側から順に、透明基板12aと、透明基板12a上に配置される第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14と、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層(以下、これを単に第一の半導体層ということがある。)14の透明基板12aとは反対側の表面(第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14の上面)に配置される多孔質導電性金属層30と、第一の電解液層16aと、電解液レドックス触媒層18と、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層(以下、これを単に第二の半導体層ということがある。)20と、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の第二の電解液層16bの側に配置される多孔質支持体層19と、第二の電解液層16bと、カソード基板22が設けられる。カソード基板22は、導電膜を備えた基板(導電性基板)である。なお、図4中、参照符号24は、電解液層16a、16b等を封入して固定するスペーサを示す。
透明基板12aは、例えば、ガラス板であってもよくあるいはプラスチック板であってもよい。プラスチック板を用いる場合、例えば、PET,PEN、ポリイミド、硬化アクリル樹脂、硬化エポキシ樹脂、硬化シリコーン樹脂、各種エンジニアリングプラスチックス、メタセシス重合で得られる環状ポリマ等が挙げられる。
多孔質導電性金属層30は、適宜のものを用いることができ、例えば、導電性メッシュ金属や、導電性金属薄膜等を用いることができる。導電性金属薄膜は、塗布法等の簡易な方法や好ましくはスパッタリングにより第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14上に形成することができる。
多孔質導電性金属層30は、適度の導電性を有するものである限り、適宜の金属を選定して用いることができる。ここで、金属とは、金属単体のみでなく、金属酸化物等の金属化合物や合金を含む。
多孔質導電性金属層30は、金属の表面を緻密な酸化物半導体、例えばチタニアにより被覆したものであってもよい。ただし、ヨウ素等の酸化還元体を含む電解液による多孔質導電性金属層30の腐食を確実に防ぐ観点からは、耐食性金属を用いることがより好ましい。耐食性金属としては、タングステン(W)、チタン(Ti)もしくはニッケル(Ni)またはこれらの混合物、あるいはこれらの金属化合物を好適に用いることができるが、これら以外にも、例えば表面を不動態化した金属を用いることができる。
多孔質導電性金属層30の厚みは、膜の面積抵抗を小さくする観点からは厚ければ厚い方が望ましく、好ましくは100nm以上であり、より好ましくは200nm以上である。導電性金属層30の厚みの上限は特に限定するものではない。
多孔質導電性金属層30は、外部電極(集電極)に電気的に接続される。
多孔質導電性金属層30を設けることで、通常透明基板12a上に設けられるITO(スズをドープしたインジウム膜)、FTO(フッ素をドープした酸化スズ膜)、あるいはまたSnO膜等の導体層を省略していわゆるTCO―lessの構成とすることができ、光の透過、吸収効率が高い。
多孔質導電性金属層30は、図5(E)に示すように、不規則に形成される深い孔状の多数の貫通孔26を有するとともに、多孔質導電性金属層30を貫通して多孔質導電性金属層30の両側の層(図1の場合、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14)に接する多数の多孔質半導体粒子25を有すると、より好ましい。ここで、深い孔状の貫通孔26とは、多孔質導電性金属層30の厚みが厚い場合においても相対的に小さな径を有する孔が確実に多孔質導電性金属層30を貫通する程度の奥行きの深い孔の意味であり、例えば孔の径の寸法に比べて数倍あるいは数十倍程度の奥行き寸法をもつ長尺円柱状の孔をいう。
具体的には、貫通孔26は、不規則に配置され、製造条件によっては無数に形成されるが、電解液を十分に浸透、透過できるものである限り適当な数形成されれば十分である。貫通孔26の長さ(深さ)は、多孔質導電性金属層30の厚みに対応して定まるものであるが、好ましくは、100nm〜5μmである。深い孔状の貫通孔26は、例えば、非特許文献1のようなランダムな小さい孔に比べて電解液の第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14への拡散性が高い。貫通孔26の径は、特に限定するものではないが、0.1μm〜5μmであることが好ましく、0.2μm〜3μmであることがより好ましい。
多孔質導電性金属層30は、貫通して一端が第一の電解液層16aに露出し、他端が第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14に接合する多数の多孔質半導体粒子25を有する。
多孔質半導体粒子25は、材料として第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14の材料と同じ種類のものを用いてもよく、また、両者で異なる種類の材料を用いてもよい。また、多孔質半導体粒子25の粒径についても第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14の材料と同じ程度の寸法のものを用いてもよく、また、両者で異なる粒径寸法の材料を用いてもよい。
多孔質半導体粒子25は、形状を特に限定するものではない。例えば、針状や楕円柱状の形状異方性を有するものを用いることができる。
多孔質半導体粒子25は、多孔質導電性金属層30を確実に貫通させるためには、少なくとも長手方向の寸法を100nm以上に調製することが好ましい。
多孔質半導体粒子25は、10〜40nmの一次粒子径を有する粒子の凝集物を用いることができる。
多孔質半導体粒子25は、例えば300〜550℃の温度で焼成することが好ましい。
ここで、多孔質導電性金属層30の好適な製造方法を、図5(A)〜図5(E)を参照して以下に説明する。
まず、透明基板12aに第一の色素担持多孔質酸化物半導体層(第一の半導体層)14の材料を塗布し第一の半導体層14を形成する(図5(A)参照)。ここで、第一の半導体層14は、第一の半導体層14の材料を塗布した後、焼成したものをいう。
ついで、多孔質半導体粒子(多孔質半導体層の材料として用いられる粒子)25と、加熱によりまたは溶剤洗浄により除去可能な、形状異方性を有する微粒子28を混合して例えばペースト状の混合物を調製して第一の半導体層14上に配置して混合層を形成する(混合層形成工程 図5(B)参照)。このとき、微粒子28として例えば微細なファイバー形状の材料を単独で使用すると、だま(粒状の塊)になるおそれがあるが、多孔質半導体粒子25を併用することにより、からまりを抑制する効果がある。混合層は、例えば混合物のスラリーをエレクトロスプレイで多孔質半導体層14上に分散させることによって形成することができる。このとき、引き続き、例えば300〜550℃程度の温度で混合層に焼成処理を実施してもよい。
ついで、混合層上に多孔質導電性金属層30を形成する(多孔質導電性金属層形成工程 図5(C)参照)。このとき、形状異方性を有する微粒子28と多孔質半導体粒子25の混合物は、多孔質を貫通して、図5(C)中、混合物の上端が露出し、さらには混合物の一部が全体として露出する。なお、図5(C)は、発明の理解のために混合層の厚みが多孔質導電性金属層30の厚みの10倍近くの厚みであるように模式的に示しているが、混合層の厚みは、多孔質導電性金属層30の一倍〜数倍程度であれば十分である。
ついで、加熱によりまたは溶剤洗浄により微粒子28を消失させる(微粒子消失工程 図5(D)、図5(E)参照)。これにより、多孔質導電性金属層30に多数の深い孔である貫通孔26が不規則に形成される。また、このとき、加熱によりまたは溶剤洗浄によっては消失しない多孔質半導体粒子25は、一端が多孔質半導体層14と接合されるとともに他端が多孔質導電性金属層30から露出する。なお、混合層の厚みが多孔質導電性金属層30の厚みよりも大きいときは、多孔質導電性金属層30上に多孔質半導体粒子25と接合された多孔質半導体粒子層が部分的に形成される。部分的に形成される多孔質半導体粒子層は、そのまま残してもよく、また、適当な方法で除去してもよい。
なお、図5(D)は、混合層を焼成するステップを含むときの多孔質導電性金属層形成工程を示し、図5(E)は、混合層を焼成するステップを含まないときの導電性金属膜形成工程を示す。
ついで、第一の半導体層14に色素を添着して、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14を得る。
使用する微粒子28の材料は、加熱により微粒子層を除去するときは、第一の半導体層14等の予め形成した層に熱的ダメージを与えない温度で熱分解して消失するもの用い、その熱分解温度付近の温度で焼成する。この第一の半導体層14等の予め形成した層に熱的ダメージを与えない温度は、例えば500℃よりも十分低い温度をいい、より好ましくは、200℃以下程度である。これにより、例えば500℃以上の温度で多孔質導電性金属層30を加熱したときに起こりえる多孔質導電性金属層30への熱的影響も軽減される。また、溶剤洗浄により微粒子層を除去するときは、多孔質半導体層等の予め形成した層に化学的ダメージを与えない溶剤と、その溶剤を用いた洗浄によって容易に除去可能な微粒子材料を組み合わせて用いる。
このような微粒子材料は、特に限定するものではないが、例えばポリスチレンやポリメタクリル酸メチル等の樹脂や酸化亜鉛等の金属酸化物を好適に用いることができる。また、溶剤洗浄に用いる溶剤は、特に限定するものではなく、微粒子材料に合わせて適宜選択すればよく、例えば樹脂を溶解することができるトルエン等の有機溶剤や、金属を溶解することができる希塩酸などの酸を用いることができる。
上記の材料で形成される微粒子28は、形状異方性を有するものを用いる。このような微粒子として、好ましくは、多面体の頂点を先端とする多数の足を有する微粒子または針状微粒子を用いる。ただし、これに限らず、例えば楕円球(例えば豆やラグビーボール形状)状の微粒子を用いてもよい。
微粒子28として多面体の頂点を先端とする多数の足を有する微粒子を用いる場合、例えば、微粒子が第一の半導体層14の上に1層のみ散布等されたときであっても、微粒子上に形成される適度に厚みの厚い多孔質導電性金属層を確実に貫通して孔を形成することができる程度の寸法を有することが好ましく、そのような微粒子の寸法は、多孔質導電性金属層30の厚みに応じて異なるが、例えば1〜30μmである。
一方、微粒子28として針状微粒子や楕円球微粒子を用いる場合、例えばエレクトロススプレイ法により散布することで、針状微粒子等を第一の半導体層14の上に起き上がり、あるいは立った状態とすることができる。このため、そのような針状微粒子等の寸法は特に限定するものではないが、多孔質導電性金属層30の厚みに応じて適度の長さとし、また、第一の半導体層14の上に針状微粒子等が重なり合うように散布することが好ましい。針状微粒子等の寸法は、上記多面体の頂点を先端とする多数の足を有する微粒子の同様の寸法とすることができる。
これらの形状異方性を有する微粒子28を第一の半導体層14上に配置することで、微粒子を消失させた後の第一の半導体層14にも深い孔が形成される。そして、上記多孔質導電性金属層30を貫通する孔と連通するこの深い孔を介して第一の半導体層14の内部での電解液の浸透、拡散がより良好に行われる。
本実施の形態の第二の例に係る色素増感太陽電池40は、導体により多孔質導電性金属層30から導出される電子はカソード基板22に導入され、例えば照明用の電池回路が構成される。
この場合、多孔質支持体層19に相当する部材が電解質の流通を阻害する非孔質部材、例えば透明導電膜や金属膜であると、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14を含んで構成されるセル(トップセル セル1とする)と第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20を含んで構成されるセル(ボトムセル セル2とする。)に流れる電流量が同じでない場合、例えばセル2に電流が流れにくいとき、それが律速となり、性能が低下する。極端なケースとして、セル2に長波長吸収色素を用いるとき、長波長に乏しい光がセル2に入射してもセル2に電気は流れない。
これに対して、本実施の形態では、セル1およびセル2間の電解液の流通が確保されるため、色素1と色素2の吸収量のバランスを考慮する必要がない。たとえセル2に全く電流が流れないときでも、色素増感太陽電池40は機能することになる。
以上説明した本実施の形態の第二の例に係る色素増感太陽電池40によれば、高い発電効率で高電圧を得ることができる。また、FTO膜等の透明導電膜に比べて電極を安価に形成することができるため、電池を安価に製造することができる。また、電池を大型化する際にFTO膜等に比べて電極によって生じる電力のロスが小さい。
ここで、本実施の形態の第二の例に係る40の変形例について説明する。
多孔質導電性金属層30は、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14の内部に配置してもよい。すなわち、多孔質導電性金属層30を第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14の一部と残部で挟んだ構成としてもよい。
また、多孔質支持体層19は、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の内部に配置した構成、すなわち、多孔質支持体層19を第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の一部と残部で挟んだ構成としてもよい。さらに、多孔質支持体層19は、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の電解液レドックス触媒層18の側に配置してもよい。
つぎに、本実施の形態の第三の例に係る色素増感太陽電池42について、図6を参照して説明する。
色素増感太陽電池42の色素増感太陽電池40と同様の構成要素については、重複する説明を省略する。
本実施の形態の第三の例に係る色素増感太陽電池42は、多孔質導電性金属層30が第一の色素担持多孔質酸化物半導体層14の一部と残部で挟まれて配置されている点および第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の第二の電解液層16bの側に多孔質導電性金属支持体層19aが設けられるとともに電解液レドックス触媒層18がない点が、色素増感太陽電池40と異なる。
多孔質導電性金属支持体層19aは、金属メッシュ、予め無数の孔を形成した金属層または溶射や薄膜形成法等により形成した多孔質金属層等を用いることができる。これにより、多孔質導電性金属支持体層19aを安価に形成することができる。
多孔質導電性金属支持体層19aは、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の内部に配置した構成、すなわち、多孔質導電性金属支持体層19aを第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の一部と残部で挟んだ構成としてもよい。さらに、多孔質導電性金属支持体層19aは、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層20の第一の電解液層16aの側に配置してもよい。
本実施の形態の第三の例に係るに係る色素増感太陽電池42によれば、電解液レドックス触媒層18を省略した分だけ構成を簡易にした色素増感太陽電池42により色素増感太陽電池10aとほぼ同様の効果を得ることができる。
色素増感太陽電池40、42の具体的な製造例を以下に示す。
色素増感太陽電池40、42の効果は、色素増感太陽電池40、42と類似の構成について実施した以下の例から容易に理解することができる。
(本実施の形態の第二の例に係る色素増感太陽電池の製造例)
透明ガラス基板上にチタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥して厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。ポーラスチタニア層の表面に酸化亜鉛のテトラポッド(テトラポッドは商標 以下同じ)型結晶(商品名パナテトラ、ファイバー部位の平均繊維長約10μm 平均繊維径約1μm:株式会社アムテック製)と酸化チタンの微粒子(商品名AEROXIDE(登録商標)TiO2P25、一次粒子の平均粒子径 約20nm、凝集体サイズ200nm:日本アエロジル(株)製)との混合組成物スラリーをエレクトロスプレイ法により分散する。混合物中の組成は、酸化亜鉛ファイバーとチタニア微粒子を50:50の比率で調整する。エレクトロスプレイ分散後、500℃で30分焼成する。この後、スパッタ法によりTi膜(Ti層)を形成する(膜厚300nm)。残存するテトラポッド型結晶を希塩酸でリンスすることにより、取り除き、導電性Ti層を作製する。ポーラスチタニア層に上述の第一の色素(Dye2)を吸着させることにより第一の電極部を作製する。
一方、直径20μmの網目を有するメッシュステンレス基板(厚さ25μm)上にチタンをスパッタで製膜し、その後酸素を導入しながらさらにチタンをアークプラズマ製膜することにより、表面を保護したステンレスメッシュ構造を作製する。メッシュ構造の片側の面にチタニアペーストをコートし、450℃30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。メッシュ構造のポーラスチタニアの表面に白金をスパッタした後、このチタニア層に上述の第二の色素(Dye1)を吸着させることにより第二の電極部を作製する。
第一および第二の電極部に用いる電解液は、ポーラスなPTFE(Polytetrafluoroethylene)膜(厚み50μm、80%空孔率)に電解液をしみこませたゲル電解液を用いる。対極は、チタンに白金をスパッタすることにより作製する。これらを順次積層し、言い換えれば、対極を第二の電極部のポーラスチタニア層面と対向させて、太陽電池を作製する。
(本実施の形態の第三の例に係る色素増感太陽電池の製造例)
透明ガラス基板上にチタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥して厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。ポーラスチタニア層の表面に酸化亜鉛のテトラポッド型結晶と酸化チタンの微粒子との混合組成物スラリーをエレクトロスプレイ法により分散する。混合物中の組成は、酸化亜鉛ファイバーとチタニア微粒子を50:50の比率で調整する。エレクトロスプレイ分散後、500℃で30分焼成する。この後、スパッタ法によりTi膜(Ti層)を形成する(膜厚300nm)。残存するテトラポッド型結晶を希塩酸でリンスすることにより、取り除き、導電性Ti層を作製する。さらに、導電性Ti層上にチタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥して厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。ポーラスチタニア層に上述の第一の色素(Dye2)を吸着させることにより第一の電極部を作製する。
一方、直径20μmの網目を有するメッシュステンレス基板(厚さ25μm)上にチタンをスパッタで製膜し、その後酸素を導入しながらさらにチタンをアークプラズマ製膜することにより、表面を保護したステンレスメッシュ構造を作製する。メッシュ構造の片側にチタニアペーストをコートし、450℃で30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製する。このチタニア層に第二の色素(Dye1)を吸着させることにより第二の電極部を作製する。電解液は、ポーラスなPTFE膜に電解液をしみこませたゲル電解液を用いる。対極は、チタンに白金をスパッタすることにより作製する。これらを順次積層し、言い換えれば、対極を第二の電極部のポーラスチタニア層面と対向させて、太陽電池を作製する。
(本実施の形態の第二の例に係る色素増感太陽電池のボトムセルと類似構造の単セルを有する色素増感太陽電池製造実施例)
透明ガラス基板上にFTO膜(表面抵抗 10Ω/□)を形成し、その上にチタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥して厚み2μmのポーラスチタニア層を作製した。このポーラスチタニア層に上述の第一の色素(Dye2)を吸着させることにより第一の電極部を作製した。一方、直径20μmの網目を有するメッシュステンレス基板(厚さ25μm)上にチタンをスパッタで製膜し、その後酸素を導入しながらさらにチタンをアークプラズマ製膜することにより、表面を保護したステンレスメッシュ構造を作製した。メッシュ構造にチタニアペーストをコートし、450度30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製した。メッシュ構造のポーラスチタニア層が設けられていない側の表面に白金をスパッタした後、このチタニア層に上述の第二の色素(Dye1)を吸着させることにより第二の電極部を作製した。電解液は、ポーラスなPTFE(Polytetrafluoroethylene)膜(厚み50μm、80%空孔率)に電解液をしみこませたゲル電解液を用いた。対極は、チタンに白金をスパッタすることにより作成した。これらを順次積層し、言い換えれば、対極を第二の電極部のポーラスチタニア層面と対向させて、太陽電池を作製した。
得られた太陽電池は、第一の電極部と対極を電気的に接続したときのセル(複合セル)の性能はVocが0.81V, Jsc が5.2mA/cm2, FFが0.67, 効率が2.8%であった。また、この太陽電池とは別途作製した第一の電極部と対極で構成されるセル(単セル1)の性能はVoc
が0.4V, Jsc が5.4mA/cm2, FFが0.70, 効率が1.5%であり、一方、この太陽電池とは別途作製した第二の電極部と対極で構成されるセル(単セル2)の性能はVoc
が0.42V, Jsc が4.9 mA/cm2, FFが0.70, 効率が1.44 %であった。従来の電池にほぼ相当する単セル1のみの場合に比べて、複合セルは単セル1および単セル2の合計値にほぼ匹敵するVoc値の上昇がみられた。IPCE値は500nmの吸収波長をもつ第一の色素を有する単セル1に相当するピークと700nmの吸収波長をもつ第二の色素を有する単セル2に相当するピークがみられた。
(本実施の形態の第三の例に係る色素増感太陽電池のボトムセルと類似構造の単セルを有する色素増感太陽電池製造実施例)
透明ガラス基板上にFTO膜(表面抵抗 10Ω/□)を形成し、チタニアペーストを塗布し、450℃で30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製した。このチタニア層に第一の色素を吸着させることにより第一の電極部を作製した。一方、直径20μmの網目を有するメッシュステンレス基板(厚さ25μm)上にチタンをスパッタで製膜し、その後酸素を導入しながらさらにチタンをアークプラズマ製膜することにより、表面を保護したステンレスメッシュ構造を作製した。メッシュ構造の上にチタニアペーストをコートし、450℃で30分乾燥し厚み2μmのポーラスチタニア層を作製した。このチタニア層に第二の色素を吸着させることにより第二の電極部を作製した。電解液は、ポーラスなPTFE膜(厚み50μm、80%空孔率)に電解液をしみこませたゲル電解液を用いた。対極は、チタンに白金をスパッタすることにより作成した。これらを順次積層し、言い換えれば、対極を第二の電極部のポーラスチタニア層面と対向させて、太陽電池を作製した。
得られた太陽電池は、太陽電池の性能は第一の電極部および第二の電極部と対極を電気的に接続したときのセル(複合セル)の性能はVocが0.4V, Jsc が12.1mA/cm2, FFが0.60, 効率が2.9%であった。また、この太陽電池とは別途作製した第一の電極部と対極で構成されるセル(単セル1)の太陽電池性能はVocが0.4V、Jscが5.4mA/cm2、FFが0.7、効率が1.5%であり、一方、この太陽電池とは別途作製した第二の電極部と対極で構成されるセル(単セル2)の性能はVocが0.42V、Jscが4.9
mA/cm2、FFが0.70,、効率が1.44 %であった。従来の電池にほぼ相当する単セル1のみの場合に比べて、複合セルは単セル1および単セル2の合計値にほぼ匹敵するJsc値の上昇がみられた。IPCE値は500nm
の吸収波長をもつ第一の色素を有する単セル1に相当するピークと700nmの吸収波長をもつ第二の色素を有する単セル2に相当するピークがみられた。
(本実施の形態の第二または第三の例に係る色素増感太陽電池のトップセルと類似構造の単セルを有する色素増感太陽電池製造実施例)
ガラス基板にチタニアペースト(HT ペースト1層、Dペースト5層:ソラロニクス社製)を20μmの厚みに塗布し、500℃で30分焼成してチタニア(チタニア層、多孔質半導体層)を形成した。焼成基板のチタニア表面に酸化亜鉛のテトラポッド型結晶(商品名パナテトラ、ファイバー部位の平均繊維長約10μm 平均繊維径約1μm:株式会社アムテック製)と酸化チタンの微粒子(商品名AEROXIDE(登録商標)TiO2P25、一次粒子の平均粒子径 約20nm、凝集体サイズ200nm:日本アエロジル(株)製)との混合組成物スラリーをエレクトロスプレイ法により分散した。混合物中の組成は、酸化亜鉛ファイバーとチタニア微粒子を50:50の比率で調整した。エレクトロスプレイ分散後、500℃で30分焼成した。この後、スパッタ法によりTi膜(Ti層)を形成した(膜厚300nm)。残存するテトラポッド型結晶を希塩酸でリンスすることにより、取り除き、導電性Ti層を作製した。
このとき得られるTi膜のSEM写真を図7に示す。Ti膜中に形成された深い孔状の貫通孔群(図7中、黒い部分)と、Ti膜を貫通して先端が露出する多孔質半導体粒子群(図7中、白い粒子あるいは下地と同様の灰色の粒子部分)を観察することができる。
ついで、0.05wt%の色素溶液(ブラックダイ、アセトニトリル:tブチルアルコール=1:1:ソラロニクス社製)に上記のTi層を形成した基板を浸漬した(20時間)。
対極には白金スパッタ処理を行ったフッ素ドープ酸化錫ガラス(ソラロニクス社製)を使った。Ti層を形成した基板と対極を50μm厚のスペーサー(ハイミラン、三井デュポン社)で封止した。得られたセルの中に、ヨウ素40mM, LiI 500mM,
t-Butylpyridine 580mM のアセトニトリル溶液からなる電解液を注入して、5mm角の電池(電池セル)を作製した。
作製した太陽電池特性を、ソーラーシミュレータを用いAM1.5、100mW/cm2の擬似太陽光を色素増感太陽電池に照射し、測定して評価したところ、10.8%の効率を得た。
10、10a、40、42 色素増感太陽電池
12 アノード基板
12a 透明基板
12b 導体層
14 第一の色素担持多孔質酸化物半導体層
16a 第一の電解液層
16b 第二の電解液層
18 電解液レドックス触媒層
19 多孔質支持体層
19a 多孔質導電性金属支持体層
20 第二の色素担持多孔質酸化物半導体層
22 カソード基板
24 スペーサ
25 多孔質半導体粒子
26 貫通孔
28 微粒子
30 多孔質導電性金属層

Claims (7)

  1. 光が入射される側から順に、アノード基板、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層、第一の電解液層、電解液レドックス触媒層、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層、多孔質支持体層、第二の電解液層およびカソード基板を設けてなることを特徴とする色素増感太陽電池。
  2. 前記アノード基板に代えて透明基板が設けられ、前記第一の色素担持多孔質酸化物半導体層の内部または該第一の色素担持多孔質酸化物半導体層と前記第一の電解液層の間に配置される多孔質導電性金属層をさらに有するとともに、前記多孔質支持体層が前記第二の色素担持多孔質酸化物半導体層の内部または該第二の色素担持多孔質酸化物半導体層のいずれかの側に設けられてなることを特徴とする請求項1記載の色素増感太陽電池。
  3. 光が入射される側から順に、アノード基板、第一の色素担持多孔質酸化物半導体層、第一の電解液層、第二の色素担持多孔質酸化物半導体層、多孔質導電性金属支持体層、第二の電解液層およびカソード基板を設けてなることを特徴とする色素増感太陽電池。
  4. 前記アノード基板に代えて透明基板が設けられ、前記第一の色素担持多孔質酸化物半導体層の内部または該第一の色素担持多孔質酸化物半導体層と前記第一の電解液層の間に配置される多孔質導電性金属層をさらに有するとともに、前記多孔質導電性金属支持体層が前記第二の色素担持多孔質酸化物半導体層の内部または該第二の色素担持多孔質酸化物半導体層のいずれかの側に設けられてなることを特徴とする請求項3記載の色素増感太陽電池。
  5. 前記アノード基板を構成する導体層が多孔質導電性金属層を含むことを特徴とする請求項1または3記載の色素増感太陽電池。
  6. 前記多孔質導電性金属層が、不規則に形成される深い孔状の多数の貫通孔を有するとともに、該多孔質導電性金属層を貫通して該多孔質導電性金属層の両側の層に接する多数の多孔質半導体粒子を有することを特徴とする請求項2または4記載の色素増感太陽電池。
  7. 前記第二の色素担持多孔質酸化物半導体層に担持される色素が、前記第一の色素担持多孔質酸化物半導体層に担持される色素の光吸収波長よりも長い光吸収波長を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の色素増感太陽電池。
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