JP4875837B2 - 固体型色素増感素子、及びその製造方法 - Google Patents

固体型色素増感素子、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体型色素増感素子、及びその製造方法に関する。
機能材料 2003年6月号 Vol.23 No.6 p.26〜33 CuIを用いる全固体型色素増感太陽電池 色素増感太陽電池は安価で高性能な次世代型太陽電池として期待を集めている。ヨウ素系の電解液を用いる湿式太陽電池はエネルギー変換効率が10%前後で、色素増感太陽電池の中では最もエネルギー変換効率が高いが、電解液および腐食性のあるヨウ素を用いることから安全性、耐久性の面で問題が指摘されている。この問題を解決するために、電解液部分の固体化の研究が進められているが、湿式にくらべ十分なエネルギー変換効率が得られていない。
第5図は、従来の固体型色素増感太陽電池の断面図である。従来の固体型色素増感太陽電池は、支持基板101上に、負電極102、TiO2からなる短絡防止層103が積層され、短絡防止層103上に、Ru系の色素105を吸着した多孔質TiO2層104を堆積し、多孔質TiO2膜104の孔を埋めるようにCuI層106を堆積して、正電極107を重ねた構造をしている。透明な支持基板101を通して入射した光を、色素105が吸収し励起状態になる。色素からN型の半導体である多孔質TiO2層104に電子が注入され、負電極102から外部回路を経由して正電極107に電子が流れる。電子を放出した色素は酸化状態にあるが、正電極107からP型の半導体であるCuIに流れてきた電子により再び還元され、発電プロセスが繰り返される。多孔質TiO2層を使用しているため、色素が光を吸収する表面積が大きく、エネルギー変換効率を高めている。多孔質TiO2層104の孔は一部が、負電極102まで貫通しており、短絡防止層103がない場合には、P型半導体であるCuI層106と負電極102が短絡してしまい、太陽電池として機能しなくなる。そのため、従来、N型半導体であるTiO2薄膜を負電極102と多孔質TiO2層104の間に形成し短絡を防止していた(非特許文献1)。
第6図 (a)ないし(f)は、いずれも従来の固体型色素増感太陽電池の製造方法を示す断面図である。ガラスからなる支持基板101上にITOなどからなる透明な負電極102を堆積する(第6図(a))。次に、Ti(OPr)4、アセチルアセトンのエタノール溶液からスプレー熱分解法によりTiO2膜からなる短絡防止層103を負電極102上に堆積する(第6図(b))。次に、TiO2微粒子を加えたTi(OPr)4を含むゲル状液を、短絡防止層103上に滴下し、かさぶた状のTiO2塊を成長させ、さらに450℃で焼成を行い、多孔質TiO2層104を形成する(第6図(c))。次に、Ru系の色素105を含む溶液に多孔質TiO2層104を浸し、多孔質TiO2層104に色素105を吸着させる(第6図(d))。加熱した支持基板101の多孔質TiO2層104上にCuI溶液を、多孔質TiO2層104が十分CuI層106に覆われるまで滴下する(第6図(e))。支持基板上に形成した短絡防止層、多孔質TiO2層、色素、 CuI層からなる多層膜を正電極で挟んで、太陽電池を完成する(第6図(f))。
従来の固体型色素増感太陽電池は、TiO2からなる短絡防止層を使用しているため、TiO2粒子間の電気的な導通パスを形成するには400℃以上の熱処理が必要になる。そのため、膜質がもろくなり、十分緻密な膜を形成することができなかった。短絡防止層にできた微細な孔部にCuIが滲み込み、CuI層と負電極の間に微小な電流が流れ、エネルギー変換効率の向上を妨げる要因になっていた。
また、短絡防止層に孔部ができないように短絡防止層を厚くすると、短絡防止層が太陽電池の内部抵抗として機能し、やはりエネルギー変換効率を低下させる要因になっていた。
また、400℃以上の熱処理が必要なため、プラスティックなどの耐熱性の低い支持基板上に太陽電池を作製することができなかった。柔軟性のない重量のあるガラスなどの基板上に太陽電池を作製しなければならないため、その用途が限定されていた。
本発明に係る固体型色素増感素子は、支持基板と、前記支持基板上に配置された第一電極層と、前記第一電極層上に配置された短絡防止層と、前記短絡防止層上に配置された多孔質の金属酸化層からなるN型半導体層と、前記N型半導体層の表面に吸着された色素と、前記N型半導体層の孔部を埋め込んで前記N型半導体層上に配置されたP型半導体層と、前記P型半導体層上に配置された第二電極層からなる固体型色素増感素子であって、前記短絡防止層がN型導電性ポリマー、又は、フラーレン若しくは内包フラーレンを内部に分散させたN型導電性ポリマーからなることを特徴とする。
(作用)
短絡防止層の材料として、抵抗率が小さく、膜質が緻密なN型導電性ポリマー膜を使用することにより、P型半導体層と負電極の短絡を防止でき、同時に太陽電池の内部抵抗を小さくできるので、エネルギー変換効率が向上する。
また、短絡防止層の材料として、N型導電性ポリマー膜のかわりに、フラーレン、内包フラーレンを蒸着した薄膜を使用することも可能である。フラーレン、又は、内包フラーレンは、N型の半導体として機能し、導電性ポリマー膜と同様に膜質が緻密で、より抵抗率が低いため、エネルギー変換効率がさらに向上する。
本発明の固体型色素増感太陽電池によれば、以下の効果が得られる。
(1)固体型であるため、湿式の太陽電池に比べ、安全性、耐久性の点で優れている。
(2)薄くても緻密な抵抗率の小さい短絡防止層が形成できるので、太陽電池の短絡電流が従来の固体型色素増感太陽電池に比べ1.5〜3倍に増加し、太陽電池のエネルギー変換効率が向上する。
(3)常温あるいは100℃以下の低温で太陽電池を作製できるので、プラスティックなどの耐熱性の低い基板を使用できる。軽くて薄いフィルムタイプの太陽電池が製造できるので、住宅窓や携帯電話などへの応用が可能になる。また、ロール・ツー・ロールの製造工程が使用できるので、大幅な製造コストの低減が可能になる。
(4)プラスティック基板の材料として、ペットボトルなどに広く使用されているポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォンを使用することにより、原材料費の削減に効果がある。
(5)短絡防止層に柔軟性のある材料を使用することにより、繊維状の固体型色素増感太陽電池の作製が可能になる。
本発明により繊維状の固体型色素増感太陽電池を作製すれば、さらに以下の効果が得られる。
(6)あらゆる角度からの光を受け入れて、電気エネルギーに変換できるので、エネルギー変換効率が高い。
(7)繊維状の太陽電池を加工して布状の太陽電池を作成できるため、製造設備の規模によらずに大面積の太陽電池を製造することができる。
(8)繊維状、あるいは布状の太陽電池は柔軟性があるため、太陽電池の機能を持つテント、傘、衣服などの多様な用途がある。
短絡防止層の材料として、N型導電性ポリマー膜のかわりに、フラーレン、又は内包フラーレンを内部に分散させたN型導電性ポリマーを使用することもできる。フラーレン、又は内包フラーレンをドープすることによりN型導電性ポリマーの抵抗率を下げることができる。
第1図は、本発明の第一の実施例に係る固体型色素増感太陽電池の断面図である。本発明の第一の実施例に係る固体型色素増感太陽電池は、支持基板1上に、負電極2、内包フラーレンを内部に分散したN型導電性ポリマーからなる短絡防止層3が積層され、短絡防止層3上に、Ru系の色素5を吸着した多孔質TiO2層4を堆積し、多孔質TiO2層4の孔を埋めるようにCuI層6を堆積して、正電極7を重ねた構造をしている。
第2図(a)ないし(f)は、本発明の第一の実施例に係る固体型色素増感太陽電池の製造方法を示す断面図である。支持基板1、及び負電極2として、透明電極となるFTO(フッ素ドープ酸化スズ)薄膜を堆積したガラス基板を用いる。透明電極としては、他にもITO(酸化インジウム-酸化スズ)、ATO(酸化スズ-酸化アンチモン)が使用できる(第2図(a))。次に、内包フラーレンを内部に分散させたN型導電性ポリマーからなる短絡防止層3を、ディッピング、蒸着、めっきなどによりコーティングする(第2図(b))。例えば、N型導電性ポリマーとして、Na、 K、 Ca、AsF5/AsF3、又はClO4 -をドーパントするポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)の中のいずれか一つの材料を使用する。次に、短絡防止層3上で、TiO2ナノ粒子を1×105Pa〜1×106Pa程度の圧力で加圧プレスして多孔質TiO2層を形成する(第2図(c))。次に、Ru系の色素5を含む溶液に多孔質TiO2層4を浸し、多孔質TiO2層4に色素105を吸着させる(第2図(d))。色素5として、高価なRu系色素のかわりに、クマリン系色素を使用することも可能である。加熱した支持基板1の多孔質TiO2層4上にCuI溶液を、多孔質TiO2層4が十分CuI層6に覆われるまで滴下する(第2図(e))。支持基板1上に形成した負電極2、短絡防止層3、多孔質TiO2層4、色素5、 CuI層6からなる多層膜を正電極7で挟んで、太陽電池を完成する(第2図(f))。
多孔質TiO2層4を常温あるいは100℃以下の低温で堆積する方法としては、加圧プレス法の他に、静電的電着法、又はレーザー照射法を用いることも可能である。静電的電着法を用いる場合には、TiO2ナノ粒子懸濁液の中に被膜基板を浸し、被膜基板に電界をかけることによりTiO2ナノ粒子を被膜基板上に堆積させる。レーザー照射法を用いる場合には、TiO2ナノ粒子懸濁液を被膜基板上に塗布した後、レーザを照射してTiO2薄膜を緻密化する。
短絡防止層として、フラーレン、内包フラーレンを蒸着した薄膜を使用することも可能である。フラーレン、又は、内包フラーレンは、光を吸収すると電子を奪って、電子過多となり、ホッピングで電子を輸送する性質があり、N型の半導体として機能する。たとえば、Naを内包したC60からなる内包フラーレンを真空室内で500〜600℃に加熱して、昇華させ被膜基板上に蒸着する。被膜基板自体は100℃以上にはならないため、耐熱性の低い基板上に蒸着することが可能である。内包フラーレンの蒸着膜は、導電性ポリマー膜と同様に、緻密で、柔軟性があり、さらに、抵抗率が低いため、色素増感太陽電池の短絡防止層に適している。
また、短絡防止層として、フラーレン、又は内包フラーレンを内部に分散させたN型導電性ポリマーからなる薄膜を使用することもできる。フラーレン、又は内包フラーレンをドープすることによりN型導電性ポリマーの抵抗率を下げることができる。
また、短絡防止層の厚さとしては、10nm以上、200nm以下とするのが好ましい。短絡防止層の厚さが10nm未満である場合には、短絡防止層自身がもろくなるため、P型半導体層と負電極の間にリーク電流が流れやすくなり、急激にエネルギー変換効率が低下するという問題が発生する。また、短絡防止層の厚さが200nmより厚くなると、短絡防止層がフィルターとして機能する。入射光が短絡防止層に吸収される割合が増加し、色素増感素子の色素に光が吸収される量が減少するため、この場合でも、色素増感素子のエネルギー変換効率が大幅に低下するという問題が発生する。短絡防止層の厚さを10nm以上、200nm以下とすることにより、短絡防止層の膜質を緻密なものとし、かつ、短絡防止層による入射光の吸収を最小限にすることができるので、従来の固体型色素増感素子に比べ、大幅なエネルギー変換効率の向上が可能になる。
本発明によれば、多孔質TiO2膜4の形成に加圧プレス法、静電的電着法、レーザー照射法などの低温プロセスを使用するため、支持基板1として、耐熱性の低いプラスティック基板を使用することができる。プラスティック基板として、ペットボトルなどに広く使用されているポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルサルフォン(PES)などを使用すれば、原材料費の削減に効果がある。
第3図は、本発明の第二の実施例に係る固体型色素増感太陽電池の斜視図である。本発明の第二の実施例に係る固体型色素増感太陽電池は、導電性ポリマーからなる負電極線8に、内包フラーレンを内部に分散したN型導電性ポリマーからなる短絡防止膜9を被膜し、短絡防止膜9上に、Ru系の色素11を吸着した多孔質TiO2膜10を被膜し、多孔質TiO2膜10の孔を埋めるようにCuI膜12を被膜して、CuI膜12上に導電性ポリマーからなる正電極膜13を被膜した構造をしている。
例えば、負電極線8、又は正電極膜13の材料としては、ポリアセチレン、ポリアセン、オリゴアセン、ポリチアジル、ポリチオフェン、ポリ(3−アルキルチオフェン)、オリゴチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレンの中のいずれか一つの材料を使用する。短絡防止膜9のN型導電性ポリマー材料としては、Na、 K、 Ca、AsF5/AsF3、又はClO4 -をドープしたポリパラフェニレン、ポリチオフェン、ポリ(3−メチルチオフェン)の中のいずれか一つの材料を使用する。
実施例では、負電極線8の材料として、導電性ポリマーを使用しているが、高導電グラファイト繊維、銅線、銀線、又はアルミニウム線などの導電性繊維を使用することも可能である。また、負電極線8となる導電性の繊維として中空領域を有する繊維を使用することも可能である。中空領域を有する繊維を使用した場合、線状の太陽電池を、より軽量にすることができる。さらに、導電膜で被膜した繊維を使用することも可能である。例えば、導電膜で被膜する繊維の材料としては、PET繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、又はナイロン繊維を使用する。また、繊維の材料としては、絶縁体材料に限らず、半導体材料や導電体材料を使用することも可能である。繊維を被膜する導電膜としては、金属、合金、又は金属化合物からなる薄膜を使用する。また、線状太陽電池の中心となる導電性繊維の材料として、高分子有機材料を用いる場合には、導電体領域にフラーレン、又は内包フラーレンを混合することが好ましい。フラーレンとしては、Cn(n=60〜80)が好ましい。内包フラーレンの内包原子としては、Na、Li、H、N、Fが好ましい。
また、繊維上に導電膜を被膜する方法としては、次にあげる方法の中のいずれか一つの方法を使用する。
1)Cu、Ni、又はCuとNiの合金を、無電解メッキ法により繊維上に被膜する。
2)Al、又はAgを繊維上に蒸着する。
3)硫化銅を繊維上に化学結合させる。
第4図(a)ないし(f)は、本発明の第二の実施例に係る固体型色素増感太陽電池の製造方法を示す斜視図である。負電極線8を支持材として(第4図(a))、負電極線8上に、内包フラーレンを内部に分散させたN型導電性ポリマーからなる短絡防止膜9を、ディッピング、蒸着、めっきなどにより被膜する(第4図(b))。次に、短絡防止膜9上で、TiO2ナノ粒子を静電的電着法により電着し、多孔質TiO2膜10を形成する(第4図(c))。次に、Ru系の色素5を含む溶液に支持材を浸し、多孔質TiO2膜10に色素11を吸着させる(第4図(d))。さらに、多孔質TiO2膜10が十分CuI膜12に覆われるまで、CuI膜をディッピング、蒸着、めっきなどにより被膜する(第4図(e))。次に、正電極膜13をCuI膜12上にディッピング、蒸着、めっきなどにより被膜して太陽電池を完成する(第4図(f))。
(測定実施例1)
第7図は、従来の色素増感型太陽電池と本発明の色素増感型太陽電池の光電変換特性を測定したデータである。光電変換特性の測定に用いた太陽電池は以下に記載する方法で作成した。
従来の太陽電池の製造方法
(1)基板の用意、負電極の形成:厚さ0.5mmの透明な石英ガラス基板(30mm×30mm)を用意した。さらに、用意したガラス基板上に厚さ340ÅのITO膜をスパッター法により形成した。ガラス基板上のITO膜は、太陽電池の負電極として使用した。透明なガラス基板側は、太陽電池の受光部として用いた。
(2)短絡防止層の形成:Ti(OPr)4、アセチルアセトンのエタノール溶液からスプレー熱分解法により、短絡防止層となる酸化チタン膜をITO膜上に厚さ0.5mm堆積した。
(3)N型半導体層の形成:シーアイ化成製酸化チタン粉末(平均粒子径30nm)を用意し、Ti(OPr)4を含むゲル状液にチタン粉末を溶解した。次に、酸化チタン粉末を溶解したゲル状液を基板上の酸化チタン膜上に滴下し、かさぶた状の酸化チタン塊を成長させ、N型半導体層を堆積した。さらに、酸化チタンからなる短絡防止層の膜質を緻密なものとするために、加熱オーブン中で、窒素雰囲気で450℃30分の加熱処理を行った。
(4)色素の吸着:シグマ製Ru錯体をクロロフォルムに2.8×10-4mol/lの濃度で溶解し、Ru錯体溶液を用意した。N型半導体層を形成した基板を用意したRu錯体溶液に30時間浸した後、乾燥して、酸化チタン上にRu錯体を吸着させた。
(5)P型半導体層の形成:Ru錯体からなる色素(Ru系の色素)を吸着した基板上に、CuI溶液を滴下し、P型半導体層を形成した。
(6)正電極の形成:基板上に太陽電池の正電極となるITO電極(30mm×30mm)を載置して、固体型色素増感太陽電池を完成した。
本発明の太陽電池の製造方法
(1)基板の用意、負電極の形成:厚さ125μmの王子トービ製ITO付きPETフィルム基板(30mm×30mm)を用意した。PETフィルム基板上のITO膜は、太陽電池の負電極として機能する。PETフィルム基板とITO膜は透明で、負電極側は太陽電池の受光部となる。
(2)短絡防止層の形成:抵抗加熱式蒸着装置の真空チャンバー内にPETフィルム基板を置いて、チャンバー内部を真空度2×10-6Torrに減圧した。蒸発源として、粉末状のNa内包フラーレン(Na@C60)を50mg用意した。蒸発源を約600℃に加熱し、PETフィルム基板上に太陽電池の短絡防止層として機能する内包フラーレン膜を堆積した。30秒の蒸着により、厚さ約50nmの内包フラーレン膜が堆積された。蒸着工程中、PETフィルム基板の温度は、20℃から50℃までの温度に保たれ、PETフィルム基板が変質、変形することはない。
(3)N型半導体層の形成:シーアイ化成製酸化チタン粉末(平均粒子径30nm)を用意し、Ti(OPr)4を含むゲル状液にチタン粉末を溶解した。次に、酸化チタン粉末を溶解したゲル状液を基板上の酸化チタン膜上に滴下し、かさぶた状の酸化チタン塊を成長させた。さらに、テフロンシート(登録商標)、シリコンゴム、金属板(真鋳製)を積層した加圧板を2枚用意した。2枚の加圧板により酸化チタンと短絡防止層をのせたPETフィルム基板を挟着し、ねじ締めにより圧力4.9×105Paに加圧した。加圧した状態で、基板を約90℃のオーブンで窒素雰囲気中60時間加熱し、基板上に酸化チタン粉末を密着させ、酸化チタンからなるN型半導体層を形成した。本発明の製造方法によれば、短絡防止層の緻密化の熱処理を含め、400℃以上の熱処理が不要なため、基板に耐熱性の低い基板を使用することが可能である。
(4)色素の吸着:シグマ製Ru錯体をクロロフォルムに2.8×10-4mol/lの濃度で溶解し、Ru錯体溶液を用意した。N型半導体層を形成した基板を用意したRu錯体溶液に30時間浸した後、乾燥して、酸化チタン上にRu錯体を吸着させた。
(5)P型半導体層の形成:Ru錯体からなる色素(Ru系の色素)を吸着した基板上に、CuI溶液を滴下し、P型半導体層を形成した。
(6)正電極の形成:基板上に太陽電池の正電極となるITO電極(30mm×30mm)を載置して、固体型色素増感太陽電池を完成した。
以上の方法で作成した太陽電池セルを、負電極側からハロゲンランプにより中心波長700nm、光強度3mWの光を照射し、太陽電池セルの正電極、及び、負電極間のI-V特性を半導体パラメータ測定装置(アジレント製4155)により測定した。光を照射する照射面積が、従来の太陽電池セル、本発明の太陽電池セルのいずれにおいても同一となるように、基板表面に一辺が1cmの正方形の孔を開けた黒い画用紙を貼り付けた。
図7の測定データに示すように、起電力に関しては、従来の太陽電池、本発明の太陽電池のいずれも約0.6Vと同程度であるが、短絡電流を比較すると、従来の太陽電池が-0.4mA/cm2、本発明の太陽電池が-0.65mA/cm2と本発明の太陽電池のほうが同一強度の光照射に対し、約1.6倍の電流が流すことができる。
複数のセルに対して短絡電流を測定し、従来の太陽電池の測定データと比較した結果、測定実施例1に係る本発明の太陽電池は従来の太陽電池と比較して、1.5倍から3.0倍の短絡電流を流すことができることがわかった。
(測定実施例2)
短絡防止層として、内包フラーレンの蒸着膜ではなく、N型導電性ポリマーに内包フラーレンを分散させた塗布膜を用いて、太陽電池セルを作成し測定実施例1と同様の測定方法で光電変換特性を測定した。基板の用意、負電極の形成、N型半導体層の形成、色素の吸着、P型半導体層の形成、正電極の形成については、測定実施例1に記載した本発明の太陽電池の製造方法と同じ方法により作成した。
測定実施例2における短絡防止層の作成方法は以下の通りである。
短絡防止層の形成:N型導電性ポリマーとして、アルドリッチ製ポリピロール(商品番号53,057-3)を用意した。粉末状のNa内包フラーレン(Na@C60)を10wt%の重量比でポリピロールからなる導電性ポリマーに分散させ、塗布法によりITO膜上に厚さ100nmの短絡防止層を形成した。
さらに、短絡防止層の上に、N型半導体層の形成、色素の吸着、P型半導体層、正電極の形成を行って、本発明の測定実施例2に係る太陽電池セルを完成した。
測定実施例2において、測定実施例1と同様の測定方法により、太陽電池の短絡電流を測定したところ、従来の太陽電池と比較して、測定実施例1と同様に、1.5倍から3.0倍の短絡電流を流すことができることがわかった。
本発明の第一の実施例に係る固体型色素増感太陽電池の断面図である。 (a)ないし(f)はいずれも本発明の第一の実施例に係る固体型色素増感太陽電池の製造方法を示す断面図である。 本発明の第二の実施例に係る固体型色素増感太陽電池の斜視図である。 (a)ないし(f)はいずれも本発明の第二の実施例に係る固体型色素増感太陽電池の製造方法を示す斜視図である。 従来の固体型色素増感太陽電池の断面図である。 (a)ないし(f)はいずれも従来の固体型色素増感太陽電池の製造方法を示す断面図である。 固体色素増感型太陽電池の光電変換特性の測定データである。
符号の説明
1、101 支持基板
2、102 負電極
3、103 短絡防止層
4、104 多孔質TiO2
5、105 Ru系色素
6、106 CuI層
7、107 正電極
8 負電極線
9 短絡防止膜
10 多孔質TiO2
11 Ru系色素
12 CuI膜
13 正電極膜

Claims (6)

  1. 支持基板と、前記支持基板上に配置された第一電極層と、前記第一電極層上に配置された短絡防止層と、前記短絡防止層上に配置された多孔質の金属酸化層からなるN型半導体層と、前記N型半導体層の表面に吸着された色素と、前記N型半導体層の孔部を埋め込んで前記N型半導体層上に配置されたP型半導体層と、前記P型半導体層上に配置された第二電極層からなる固体型色素増感素子であって、前記短絡防止層がN型導電性ポリマー、又は、フラーレン若しくは内包フラーレンを内部に分散させたN型導電性ポリマーからなることを特徴とする固体型色素増感素子
  2. 前記N型半導体層がTiO2からなり、前記P型半導体層がCuIからなることを特徴とする請求項1記載の固体型色素増感素子。
  3. 前記支持基板がプラスティック材料からなることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の固体型色素増感素子。
  4. 前記支持基板がポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、又はポリエーテルサルフォンからなることを特徴とする請求項項記載の固体型色素増感素子。
  5. 前記短絡防止層の厚さが、10nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の固体型色素増感素子。
  6. 第一電極層を堆積した支持基板上に、蒸着法、塗布法、ディッピング、スピンコート、又はめっきにより短絡防止層を堆積する工程と、前記短絡防止層上に、加圧プレス法、静電的電着法、又はレーザー照射法によりN型半導体層を堆積する工程と、前記N型半導体層上に前記色素を吸着させる工程と、前記N型半導体層上に前記P型半導体層を堆積させる工程と、前記P型半導体層上に第二電極膜を置くことにより、前記第一電極層、前記短絡防止層、前記N型半導体層、前記P型半導体層からなる多層構造を前記支持基板と前記第二電極膜により挟持する工程とからなり、請求項1乃至5のいずれか1項記載の固体型色素増感素子を製造する固体型色素増感素子の製造方法。
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