JP2012074224A - 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、固体高分子形燃料電池単セル、固体高分子形燃料電池スタック、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 - Google Patents
固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、固体高分子形燃料電池単セル、固体高分子形燃料電池スタック、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】アノードの電極触媒層中に入った水素である燃料ガスや、カソードの電極触媒層中に入った酸素および空気である酸化剤ガスが、電極触媒層の外周部から電極部外に抜け出てしまうこと、および膜電極接合体作製時の膜部のしわを防止することを課題とする。
【解決手段】高分子電解質膜1と、触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とからなり、高分子電解質膜1を狭持する第一の電極触媒層2および第二の電極触媒層3とからなる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体12において、少なくとも第一の電極触媒層2および第二の電極触媒層3のうち、どちらか一方の端部21の少なくとも一部における触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、一部を除いた部分における触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度に比べて高くする。
【選択図】図2
【解決手段】高分子電解質膜1と、触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とからなり、高分子電解質膜1を狭持する第一の電極触媒層2および第二の電極触媒層3とからなる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体12において、少なくとも第一の電極触媒層2および第二の電極触媒層3のうち、どちらか一方の端部21の少なくとも一部における触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、一部を除いた部分における触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度に比べて高くする。
【選択図】図2
Description
本発明は、固体高分子形燃料電池において、発電性能向上および膜電極接合体のしわ防止のための技術に関する。
燃料電池は、水素などの燃料ガスと空気などの酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換して発電する発電装置であり、高効率かつ環境負荷が低いなどの利点を有する。中でも電解質に高分子を用いる固体高分子形燃料電池は、低温での動作が可能であるため家庭用あるいは車載用の電源としての利用が見込まれている。
固体高分子形燃料電池は、高分子電解質膜の両面に電極を設けた膜電極接合体を備える。膜電極接合体の製造方法としては、基材として用いた転写シート上に、導電性物質に接した触媒粒子と高分子電解質が溶媒に分散された触媒インクを塗布、乾燥させ、電極触媒層を形成し、転写シート上の電極触媒層を熱プレス、あるいは熱ラミネートすることにより高分子電解質膜の両面に電極触媒層を接合する方法が挙げられる。また、基材としてガス拡散層を用い、ガス拡散層上に触媒インクを塗布、乾燥させ、電極触媒層を形成したガス拡散層を高分子電解質膜に熱プレスや熱ラミネートすることや、高分子電解質膜に触媒インクを直接塗布、乾燥させることにより高分子電解質膜の両面に電極触媒層を接合する方法が挙げられる。
作製された膜電極接合体は固体高分子形燃料電池単セルに組み込まれる。固体高分子形燃料電池単セル内部の構造としては、膜電極接合体の外側にガス拡散層があり、これらを挟持するようにセパレータが接合している。セパレータはガス流路を備えており、燃料極(アノード)では主に水素である燃料ガス、空気極(カソード)では主に酸素および空気である酸化剤ガスを、流路を介してアノードおよびカソードに供給する役割を持つ。またセパレータは膜電極接合体で生じた起電力により流れた電流を集める集電体としての役割も有すため、導電性を持つ材料から作られる必要がある。なお、アノードおよびカソードに供給されるガスが混合されると電極での電気化学反応を阻害するため、混合されないようにシールする必要があり、膜電極接合体の外周部にある高分子電解質膜を覆うようにガスケットが配置される。
燃料電池は、車載用や家庭用といった実用機では、大電流を確保するために固体高分子形燃料電池単セルを複数直列に接続させスタックとしたものを指す。
膜電極接合体の電極触媒層は、主に4つの要求特性を持っており、それらの特性の性能が高いとき燃料電池の発電特性は高くなることが知られている。
第一の要求特性として、導電性物質に接した触媒粒子と高分子電解質と燃料および酸化剤ガスの三相界面がより多く存在することである。またプロトン伝導性のある高分子電解質は電極触媒層中で三相界面を形成しつつ、つながって形成されることが求められる。第二として導電性物質がつながり電極として導電性を持っていることである。第三としてセパレータの流路とガス拡散層を通じて運ばれた燃料ガスおよび酸化剤ガスが触媒層の奥まで届き、供給されたガスが無駄にならないことである。第四として、電極反応により生成した水を程良く保持、排出することである。
膜電極接合体の電極触媒層は、主に4つの要求特性を持っており、それらの特性の性能が高いとき燃料電池の発電特性は高くなることが知られている。
第一の要求特性として、導電性物質に接した触媒粒子と高分子電解質と燃料および酸化剤ガスの三相界面がより多く存在することである。またプロトン伝導性のある高分子電解質は電極触媒層中で三相界面を形成しつつ、つながって形成されることが求められる。第二として導電性物質がつながり電極として導電性を持っていることである。第三としてセパレータの流路とガス拡散層を通じて運ばれた燃料ガスおよび酸化剤ガスが触媒層の奥まで届き、供給されたガスが無駄にならないことである。第四として、電極反応により生成した水を程良く保持、排出することである。
第三の要求特性に対し、アノードの電極触媒層中に入った水素である燃料ガスや、カソードの電極触媒層中に入った酸素および空気である酸化剤ガスは、電極触媒層の外周部から電極部外に抜け出てしまう問題がある。この問題を防止するために、ガス拡散層や電極触媒層端部を覆うようにガスケットを配置することが検討されている。また、ガス拡散層を覆うようにガスケットを、電極触媒層を覆うようにサブガスケットを配置することも検討されている。
また、膜電極接合体を作製する際、熱プレスや熱ラミネートを行うと、膜電極接合体の電極周辺の膜部にしわがよるといった問題があり、この問題を解決するために、特許文献1では、熱プレス時、アノードおよびカソードで電極触媒層を載せた離型材シートの外側に弾性ゴムを配置する方法が開示されている。
また、熱プレス時、プレス部材間に空気などが入り、電極触媒層中の圧力分布や熱分布を均一にならず電極が転写されない部分があるという問題があり、この問題を解決させるため、特許文献2にはプレス部材間に多孔質シートを挿入する方法が開示されている。
また、熱プレス時、プレス部材間に空気などが入り、電極触媒層中の圧力分布や熱分布を均一にならず電極が転写されない部分があるという問題があり、この問題を解決させるため、特許文献2にはプレス部材間に多孔質シートを挿入する方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている方法は複雑であり、材料も増えてしまうため、材料のコストや製造プロセスも煩雑になるという問題がある。また、特許文献1に記載されているアノードおよびカソードで電極触媒層を載せた離型材シートの外側に弾性ゴムを配置する方法では、電極周辺の高分子電解質膜部にしわがよる問題が完全に解決できないという問題がある。
特許文献2に記載されている方法では、材料も増えてしまうため、材料のコストや製造プロセスも煩雑になるという問題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ガスケットおよびサブガスケットと併用することで、電極触媒層に供給されるガスをより有効に使用することを可能にする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、固体高分子形燃料電池単セル、固体高分子形燃料電池スタック、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、ガスケットおよびサブガスケットと併用することで、電極触媒層に供給されるガスをより有効に使用することを可能にする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、固体高分子形燃料電池単セル、固体高分子形燃料電池スタック、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法の提供を目的とする。
また本発明は、同時に、熱および圧力をかけて膜電極接合体を作製する際、電極周辺部の高分子電解質膜のしわを防止すること、および、プレス部材間に空気などが入ることを防止することを可能にする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、固体高分子形燃料電池単セル、固体高分子形燃料電池スタック、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明による固体高分子形燃料電池用膜電極接合体は、高分子電解質膜と、触媒粒子と前記触媒粒子と接する導電性物質と高分子電解質を含み、前記高分子電解質膜を狭持する第一の電極触媒層および第二の電極触媒層とからなる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、
前記第一の電極触媒層および前記第二の電極触媒層のうち、少なくとも一方の電極触媒層は、その端部の少なくとも一部における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、前記一部を除いた部分における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度に比べて高いことを特徴とする。電極触媒層の端部の触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した密度が、他の部分の密度よりも高いために、電極触媒層に供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスが電極触媒層の外周部から電極部外に抜け出にくくなるため、ガスが無駄にならずに有効に使用されるため、発電特性を向上させることができた。また、ガスの無駄がないために、ガスの流量を減らすことができた。
前記第一の電極触媒層および前記第二の電極触媒層のうち、少なくとも一方の電極触媒層は、その端部の少なくとも一部における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、前記一部を除いた部分における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度に比べて高いことを特徴とする。電極触媒層の端部の触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した密度が、他の部分の密度よりも高いために、電極触媒層に供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスが電極触媒層の外周部から電極部外に抜け出にくくなるため、ガスが無駄にならずに有効に使用されるため、発電特性を向上させることができた。また、ガスの無駄がないために、ガスの流量を減らすことができた。
また、前記一部における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、1.3g/cm3以上2.5g/cm3以下であることが好ましい。これにより、電極触媒層に供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスが電極触媒層の外周部から電極部外に抜け出にくくなるため、ガスが無駄にならずに有効に使用されるため、発電特性を向上させることができた。また、ガスの無駄がないために、ガスの流量を減らすことができた。
そして、前記一部における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質との配合比率が、前記一部を除いた部分における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質との配合比率と同一であることが好ましい。配合比率が同一であれば、触媒インクの組成を変更する必要がなく、電極触媒層の作成が容易である。
さらに、電極触媒層中のある1点から最も近い電極触媒層の外周部までの距離をXとすると、前記端部が0mm≦X≦2mmの範囲に入ることが好ましい。この条件によれば、電極触媒層の作成が容易である。
さらに、電極触媒層中のある1点から最も近い電極触媒層の外周部までの距離をXとすると、前記端部が0mm≦X≦2mmの範囲に入ることが好ましい。この条件によれば、電極触媒層の作成が容易である。
また、本発明による固体高分子形燃料電池単セルは、上記の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を用いたことを特徴とする。高分子電解質膜のしわを防止し、かつ、プレス部材間に空気などが入ることを防止しつつ作成された固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を用いた固体高分子形燃料電池単セルを実現できる。
また、本発明による固体高分子形燃料電池スタックは、上記の燃料電池単セルを複数有し、前記燃料電池単セルが積層されていることを特徴とする。高分子電解質膜のしわを防止し、かつ、プレス部材間に空気などが入ることを防止しつつ作成された固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を用いた固体高分子形燃料電池スタックを実現できる。
また、本発明による固体高分子形燃料電池スタックは、上記の燃料電池単セルを複数有し、前記燃料電池単セルが積層されていることを特徴とする。高分子電解質膜のしわを防止し、かつ、プレス部材間に空気などが入ることを防止しつつ作成された固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を用いた固体高分子形燃料電池スタックを実現できる。
また、本発明による固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法は、第一、第二および第三の工程を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法において、
前記第一の工程は、触媒粒子と導電性物質と高分子電解質とからなる第一の触媒インクを第一の基材上に塗布し、乾燥し、第一の電極触媒層を形成する工程であり、
前記第二の工程は、触媒粒子と導電性物質と高分子電解質とからなる第二の触媒インクを第二の基材上に塗布し、乾燥し、第二の電極触媒層を形成する工程であり、
前記第三の工程は、高分子電解質膜を用意し、前記高分子電解質膜の両面に、前記第一の電極触媒層および前記第二の電極触媒層とが対向するように配置し、前記第一の基材の第一の電極触媒層が形成されていない面側に、第一の部材を配置し、前記第二の基材の第二の電極触媒層が形成されていない面側に、第二の部材を配置し、熱および圧力をかけることで前記高分子電解質膜に前記第一の電極触媒層および第二の電極触媒層を転写させる工程であり、
第三の工程において、前記第一の部材および前記第二の部材が前記高分子電解質膜の最も近くにある厚さ200μm以上の部材であるとき、前記第一の部材および前記第二の部材の一方の部材の硬度が、もう一方の部材の硬度と異なることを特徴とする。一方の部材の硬度が、もう一方の部材の硬度と異なることにより、基材のおよび電極触媒層の端部にかかる圧力は電極触媒層から端部を除いた部分にかかる圧力よりも強くなる。このため、上記固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を容易に製造できる。
前記第一の工程は、触媒粒子と導電性物質と高分子電解質とからなる第一の触媒インクを第一の基材上に塗布し、乾燥し、第一の電極触媒層を形成する工程であり、
前記第二の工程は、触媒粒子と導電性物質と高分子電解質とからなる第二の触媒インクを第二の基材上に塗布し、乾燥し、第二の電極触媒層を形成する工程であり、
前記第三の工程は、高分子電解質膜を用意し、前記高分子電解質膜の両面に、前記第一の電極触媒層および前記第二の電極触媒層とが対向するように配置し、前記第一の基材の第一の電極触媒層が形成されていない面側に、第一の部材を配置し、前記第二の基材の第二の電極触媒層が形成されていない面側に、第二の部材を配置し、熱および圧力をかけることで前記高分子電解質膜に前記第一の電極触媒層および第二の電極触媒層を転写させる工程であり、
第三の工程において、前記第一の部材および前記第二の部材が前記高分子電解質膜の最も近くにある厚さ200μm以上の部材であるとき、前記第一の部材および前記第二の部材の一方の部材の硬度が、もう一方の部材の硬度と異なることを特徴とする。一方の部材の硬度が、もう一方の部材の硬度と異なることにより、基材のおよび電極触媒層の端部にかかる圧力は電極触媒層から端部を除いた部分にかかる圧力よりも強くなる。このため、上記固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を容易に製造できる。
また、前記一方の部材が弾性ゴムであり、前記もう一方の部材が剛性のある金属であることが好ましい。第一の部材および第二の部材の一方を弾性ゴム、もう一方の部材を剛性のある金属とすることにより、金属と接する基材はほとんど緩衝されないため、基材のおよび電極触媒層の端部にかかる圧力は電極触媒層から端部を除いた部分にかかる圧力よりも強くなる。このため、上記固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を容易に製造できる。
さらに、前記弾性ゴムの硬度がショアA30以上ショアA80以下であり、前記金属の硬度がビッカース硬さHV50以上であることが好ましい。これにより、適切に緩衝され、上記固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を容易に製造できる。
そして、前記第一の基材および前記第一の電極触媒層の水平面の面積が同一であることと、前記第二の基材および前記第二の電極触媒層の水平面の面積が同一であることと、の少なくとも一方が成立することが好ましい。電極触媒層の面積と基材の面積とが同じことで、基材の分圧力のかかる部分の厚みが増加するため、より電極触媒層端部に圧力がかかりやすくなる。
そして、前記第一の基材および前記第一の電極触媒層の水平面の面積が同一であることと、前記第二の基材および前記第二の電極触媒層の水平面の面積が同一であることと、の少なくとも一方が成立することが好ましい。電極触媒層の面積と基材の面積とが同じことで、基材の分圧力のかかる部分の厚みが増加するため、より電極触媒層端部に圧力がかかりやすくなる。
本発明によれば、ガスケットおよびサブガスケットと併用することで、電極触媒層に供給されるガスをより有効に使用することができる。また、熱および圧力をかけて膜電極接合体を作製する際、電極周辺部の高分子電解質膜のしわを防止すること、および、プレス部材間に空気などが入ることを防止することができる。
以下に、本発明の実施形態による膜電極接合体および燃料電池について説明する。なお、本発明は、以下に記載する各実施の形態に限定されうるものではなく、当業者の知識に基づいて設計の変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
(固体高分子形燃料電池単セル)
まず、本発明の実施形態による固体高分子形燃料電池単セルについて説明する。図1は、本発明の実施の形態による固体高分子形燃料電池単セルの分解模式図である。
(固体高分子形燃料電池単セル)
まず、本発明の実施形態による固体高分子形燃料電池単セルについて説明する。図1は、本発明の実施の形態による固体高分子形燃料電池単セルの分解模式図である。
同図において、本発明の実施の形態による固体高分子形燃料電池単セル13にあっては、カソード触媒層2とアノード触媒層3とが高分子電解質膜1を挟んで対向し、膜電極接合体12を形成している。膜電極接合体12のカソード触媒層2、アノード触媒層3と対向してカソードガス拡散層4、アノードガス拡散層5が配置される。これらにより、それぞれカソード6、アノード7が構成される。そして、カソード6側、アノード7側に、セパレータ10がそれぞれ配置される。各セパレータ10には、ガス流通用のガス流路8がリブ11によって構成され、相対する面には冷却水流通用の冷却水流路9が備えられている。各セパレータ10は、導電性でかつ不透過性の材料によって構成される。
カソード6側のセパレータ10のガス流路8からは、酸化剤ガスとして、例えば酸素を含むガスが供給される。一方、アノード7側のセパレータ10のガス流路8からは燃料ガスとして、例えば水素が供給される。そして、酸化剤ガスと燃料ガスを触媒の存在下で電極反応させることにより、アノードとカソードの間に起電力を生じることができる。
図1に示した固体高分子形燃料電池は単セル13であるが、本実施形態にあっては、セパレータ10を介して複数のセルを積層した燃料電池とすることもできる。
図1に示した固体高分子形燃料電池は単セル13であるが、本実施形態にあっては、セパレータ10を介して複数のセルを積層した燃料電池とすることもできる。
(膜電極接合体)
図2に膜電極接合体の電極触媒層部の密度についての説明図を示した。図2は、図1の膜電極接合体12の拡大図である。図2はアノードとカソードのどちらとしても構わないが、説明の便宜のため、カソードとする。しかし、本実施形態の電極触媒層部の密度はカソード触媒層に限定されない。
図2に示すように、本実施形態の膜電極接合体では、カソード触媒層2の外周部20近傍に、図中の斜線をクロスした模様で示した端部21が存在する。本実施形態では端部21の少なくとも一部における触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、カソード触媒層2から端部21を除いた部分2´の密度に比べて高い。
図2に膜電極接合体の電極触媒層部の密度についての説明図を示した。図2は、図1の膜電極接合体12の拡大図である。図2はアノードとカソードのどちらとしても構わないが、説明の便宜のため、カソードとする。しかし、本実施形態の電極触媒層部の密度はカソード触媒層に限定されない。
図2に示すように、本実施形態の膜電極接合体では、カソード触媒層2の外周部20近傍に、図中の斜線をクロスした模様で示した端部21が存在する。本実施形態では端部21の少なくとも一部における触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、カソード触媒層2から端部21を除いた部分2´の密度に比べて高い。
また、端部21の一部における、触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度は、1.3g/cm3以上2.5g/cm3以下であることが好ましい。電極触媒層の密度が1.3g/cm3未満では、電極触媒層の密度が低く、供給されたガスが電極触媒層から抜け出にくくなる効果が薄い。また、2.5g/cm3を超える密度を持った電極触媒層は作製することが困難である。
端部21の一部における触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質との配合比率は、カソード触媒層2から端部21を除いた部分2´における触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質との配合比率と同一であることが好ましい。配合比率が同一でなくても、供給されたガスが電極触媒層から抜け出にくくなる効果は変わらないが、触媒インクの組成を変更する必要が生じるため、電極触媒層の作製が困難になる。
電極触媒層中のある1点から最も近い電極触媒層の外周部20までの距離をXとすると、端部21は、0mm≦X≦2mmの範囲に入る。距離Xが2mmを超える場合、本実施形態の製造方法での作製は困難になる。また、電極触媒層の密度が高い部分が増えると、発電時に発生する水の抜けが悪くなることや、供給されたガスの拡散性が低下することがあり、発電特性が悪くなることがある。
(膜電極接合体の製造方法)
以下に、本実施形態の膜電極接合体の製造方法について記載する。
以下の説明では、請求項に記載してある名称と同様に、第一(第二)の触媒インク、第一(第二)の電極触媒層、第一(第二)の基材、第一(第二)の部材、を用いる。そして、簡便のため、第一をカソード側、第二をアノード側として説明する。ただし、本実施形態では第一がアノード側、第二がカソード側でも構わない。
膜電極接合体の製造方法は第一、第二および第三の工程を有している。第一の工程は、触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とからなる第一の触媒インクを第一の基材上に塗布し、乾燥し、第一の電極触媒層(カソード)を形成する工程である。第二の工程は、触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とからなる第二の触媒インクを第二の基材上に塗布し、乾燥し、第二の電極触媒層(アノード)を形成する工程である。第三の工程は熱と圧力をかけ、高分子電解質膜に電極触媒層を形成する工程である。
以下に、本実施形態の膜電極接合体の製造方法について記載する。
以下の説明では、請求項に記載してある名称と同様に、第一(第二)の触媒インク、第一(第二)の電極触媒層、第一(第二)の基材、第一(第二)の部材、を用いる。そして、簡便のため、第一をカソード側、第二をアノード側として説明する。ただし、本実施形態では第一がアノード側、第二がカソード側でも構わない。
膜電極接合体の製造方法は第一、第二および第三の工程を有している。第一の工程は、触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とからなる第一の触媒インクを第一の基材上に塗布し、乾燥し、第一の電極触媒層(カソード)を形成する工程である。第二の工程は、触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とからなる第二の触媒インクを第二の基材上に塗布し、乾燥し、第二の電極触媒層(アノード)を形成する工程である。第三の工程は熱と圧力をかけ、高分子電解質膜に電極触媒層を形成する工程である。
以下に、第三の工程について図を用いて詳細に説明する。
図3に本実施形態の膜電極接合体の作製方法において熱プレス工程を用いた場合のプレス構成図を示した。図3では、熱プレス工程について説明をしている。ただし、本発明は熱と圧力をかけ、高分子電解質膜に電極触媒層を形成するものであれば、熱プレスに限定されない。
図3に示すように、熱プレス工程により高分子電解質膜1とカソード触媒層2、アノード触媒層3が接合される。熱プレス工程にあっては、第一の基材15および第二の基材16を高分子電解質膜1の両面に、カソード触媒層2、アノード触媒層3と高分子電解質膜1が対向するように配置する。そして、第一の基材15のカソード触媒層2が形成されていない面の側に第一の部材18を、第二の基材16のアノード触媒層3が形成されていない面の側に第二の部材19を配置する。第一の部材18の第一の基材15側の面とは反対の面側および第二の部材19の第二の基材16側の面とは反対の面側には他の部材17が配置される。他の部材17は複数あっても構わない。
図3に本実施形態の膜電極接合体の作製方法において熱プレス工程を用いた場合のプレス構成図を示した。図3では、熱プレス工程について説明をしている。ただし、本発明は熱と圧力をかけ、高分子電解質膜に電極触媒層を形成するものであれば、熱プレスに限定されない。
図3に示すように、熱プレス工程により高分子電解質膜1とカソード触媒層2、アノード触媒層3が接合される。熱プレス工程にあっては、第一の基材15および第二の基材16を高分子電解質膜1の両面に、カソード触媒層2、アノード触媒層3と高分子電解質膜1が対向するように配置する。そして、第一の基材15のカソード触媒層2が形成されていない面の側に第一の部材18を、第二の基材16のアノード触媒層3が形成されていない面の側に第二の部材19を配置する。第一の部材18の第一の基材15側の面とは反対の面側および第二の部材19の第二の基材16側の面とは反対の面側には他の部材17が配置される。他の部材17は複数あっても構わない。
図3の構成において、熱プレス機14による熱プレスを行い、第一および第二の基材を高分子電解質膜1から剥離することで、膜電極接合体を作製することができる。
第三の工程において、第一の部材18の硬度が第二の部材19の硬度と異なることで、第一の基材15および第二の基材16が第一の部材18および第二の部材19に接する場合の緩衝の仕方が異なり、第一の基材15および第二の基材16にかかる圧力がそれぞれ異なる。
第三の工程において、第一の部材18の硬度が第二の部材19の硬度と異なることで、第一の基材15および第二の基材16が第一の部材18および第二の部材19に接する場合の緩衝の仕方が異なり、第一の基材15および第二の基材16にかかる圧力がそれぞれ異なる。
第一の部材18および第二の部材19の一方は、弾性ゴムが良く、もう一方の部材は剛性のある金属が良い。どちらか一方に剛性のある金属がある場合、金属と接する基材はほとんど緩衝されないため、基材および電極触媒層の端部にかかる圧力は電極触媒層から端部を除いた部分にかかる圧力よりも強くなることが確認されている。
一方、第一の部材18および第二の部材19の両方がどちらも弾性ゴムの場合は、第一の基材15および第二の基材16の両者が緩衝されるために、基材および電極触媒層の端部にかかる圧力は、電極触媒層から端部を除いた部分にかかる圧力とほぼ同じになる。また、第一の部材18および第二の部材19の両方がどちらも剛性のある金属の場合は、第一の基材15および第二の基材16の両者にかかる圧力の緩衝がしきれないために、電極触媒層内部で圧力ムラが出てしまう。
一方、第一の部材18および第二の部材19の両方がどちらも弾性ゴムの場合は、第一の基材15および第二の基材16の両者が緩衝されるために、基材および電極触媒層の端部にかかる圧力は、電極触媒層から端部を除いた部分にかかる圧力とほぼ同じになる。また、第一の部材18および第二の部材19の両方がどちらも剛性のある金属の場合は、第一の基材15および第二の基材16の両者にかかる圧力の緩衝がしきれないために、電極触媒層内部で圧力ムラが出てしまう。
第三の工程において、第一の部材18および第二の部材19は、第一の基材15および第二の基材16を除いたとき、高分子電解質膜1の最も近くにある厚さ200μm以上の部材であることが望ましい。これは、200μmより薄い部材では剛性がなくなってしまい、剛性のある金属と接する基材がほとんど緩衝されないという現象が起こらず、前述のような片側は圧力を緩衝し、もう一方は圧力を緩衝しないという関係が成り立たないからである。
第一の基材および第二の基材を保護する目的として、第一の基材と第一の部材、および第二の基材と第二の部材の間に、200μmよりも薄いフィルムであれば、挿入した状態で熱プレスを行っても構わない。
また、弾性ゴムの硬度がショアA30以上ショアA80以下であることが好ましい。弾性ゴムの硬度がショアA30より小さいものは緩衝されすぎるため圧力がかかりにくくなってしまうことや、ショアA80より大きいものは緩衝が弱くなり、電極触媒層内部で圧力ムラが発生してしまう。
また、弾性ゴムの硬度がショアA30以上ショアA80以下であることが好ましい。弾性ゴムの硬度がショアA30より小さいものは緩衝されすぎるため圧力がかかりにくくなってしまうことや、ショアA80より大きいものは緩衝が弱くなり、電極触媒層内部で圧力ムラが発生してしまう。
上記の弾性ゴムとしては、フッ素ゴム、シリコンゴム、ウレタンゴムなどのゴム材を用いることができる。また、ゴム内が多孔質になっているスポンジタイプのゴムも使用できる。
上記の金属の硬度は、ビッカース硬さHV50以上であることが好ましい。この硬度以上でないと、緩衝が起こってしまう。硬度が高いことには問題は無い。金属としては、ステンレス鋼(SUS)、鉄、銅、鋼、チタン、アルミニウムなど、硬度が規定内にあれば種類は問わない。
上記の金属の硬度は、ビッカース硬さHV50以上であることが好ましい。この硬度以上でないと、緩衝が起こってしまう。硬度が高いことには問題は無い。金属としては、ステンレス鋼(SUS)、鉄、銅、鋼、チタン、アルミニウムなど、硬度が規定内にあれば種類は問わない。
ところで、第一の基材15および第一の電極触媒層(カソード触媒層2)の水平面の面積が同一であることと、第二の基材16および第二の電極触媒層(アノード触媒層3)の水平面の面積が同一であることと、の少なくとも一方が成立することが好ましい。電極触媒層の面積と基材の面積とが同じことで、基材の分圧力のかかる部分の厚みが増加するため、より電極触媒層端部21に圧力がかかりやすくなる。
第一の基材15および第二の基材16は、転写シートを用いても良いし、ガス拡散層を用いても良い。ガス拡散層を用いる場合は、基材を剥離する必要は無い。
第一の基材15および第二の基材16に転写シートを用いる場合、転写シートは触媒インクの転写性が良いシートであれば何でも良い。フッ素系のシートやフッ素系やシリコン系の離形剤が塗布されたフィルムが好適に用いられる。
第一の基材15および第二の基材16に転写シートを用いる場合、転写シートは触媒インクの転写性が良いシートであれば何でも良い。フッ素系のシートやフッ素系やシリコン系の離形剤が塗布されたフィルムが好適に用いられる。
熱プレス工程で高分子電解質膜1及び電極触媒層にかけるプレス圧力は、膜電極接合体12の電池性能に影響する。電池性能の良い膜電極接合体12を得るには高分子電解質膜1及び電極触媒層にかけるプレス圧力は、0.5MPa以上20MPa以下の範囲内であることが好ましく、さらには1MPa以上15MPa以下の範囲内であることが好ましい。プレス圧力が上記範囲を超える場合には電極触媒層が圧縮されすぎ、電池性能が低下することがある。またプレス圧力が上記範囲を下回る場合には電極触媒層と高分子電解質膜1の接合性が低下して電池性能が低下してしまう。上記範囲内であれば、本実施形態における基材端部の圧力差は発生する。
また、熱プレスの温度は、高分子電解質膜1及び電極触媒層の高分子電解質のガラス転移点(Tg)付近に設定するのが好ましい。具体的には、熱プレスの温度は高分子電解質膜1のガラス転移点−40℃(Tg−40℃)以上高分子電解質膜1のガラス転移点+60℃(Tg+60℃)以下の範囲内であることが好ましい。熱プレスの温度が高分子電解質膜1のガラス転移点−40℃(Tg−40℃)を下回る場合、電極触媒層と高分子電解質膜1の間で十分な界面密着性が得られず電池性能が低下してしまう。一方、熱プレスの温度が高分子電解質膜1のガラス転移点+60℃(Tg+60℃)を超える場合、高分子電解質が軟化して電極触媒層の空孔がつぶれてしまいガスや生成水の拡散性が低下し電池性能が低下してしまう。
本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体にあっては、第一の部材18の硬度が第二の部材19の硬度と異なることで、電極触媒層の端部21にかかる圧力が強くなった結果、電極触媒層の端部21において、触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した密度が、他の部分の密度よりも高いために、電極触媒層に供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスが電極触媒層の外周部から電極部外に抜け出にくくなるため、ガスが無駄にならずに有効に使用されるため、発電特性を向上させることが可能となった。
また、本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法にあっては、第一の部材あるいは第二の部材に剛性のある金属を用いることで、第一の基材15、高分子電解質膜1、第二の基材16がよれることなく、熱と圧力をかけることができるため、第一の基材15および第二の基材16を高分子電解質膜1から剥離した場合、高分子電解質膜1の電極触媒層が無い部分にしわをよりにくくさせることが可能になった。
(固体高分子形燃料電池単セルなどに適する材質など)
次に、より詳細に、本実施形態の固体高分子形燃料電池単セル13、膜電極接合体12について説明する。
本実施形態の膜電極接合体12に用いられる高分子電解質膜1としては、プロトン伝導性を有するものであれば良く、フッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)などを用いることができる。炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質膜を用いることができる。中でも、高分子電解質膜1としてデュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。
次に、より詳細に、本実施形態の固体高分子形燃料電池単セル13、膜電極接合体12について説明する。
本実施形態の膜電極接合体12に用いられる高分子電解質膜1としては、プロトン伝導性を有するものであれば良く、フッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることができる。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)、旭硝子(株)製Flemion(登録商標)、旭化成(株)製Aciplex(登録商標)、ゴア社製Gore Select(登録商標)などを用いることができる。炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の電解質膜を用いることができる。中でも、高分子電解質膜1としてデュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。
本実施形態の第一、第二の触媒インクに含まれる高分子電解質としては、プロトン伝導性を有するものであれば良く、高分子電解質膜1と同様の素材を用いることができ、フッ素系高分子電解質、炭化水素系高分子電解質を用いることができる。第三のインクへの投入方法としては、高分子電解質は固体でも液体でも構わない。フッ素系高分子電解質としては、例えば、デュポン社製Nafion(登録商標)系材料などを用いることができる。また、炭化水素系高分子電解質膜としては、スルホン化ポリエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリエーテルエーテルスルホン、スルホン化ポリスルフィド、スルホン化ポリフェニレン等の高分子電解質膜を用いることができる。中でも、高分子電解質としてデュポン社製Nafion(登録商標)系材料を好適に用いることができる。なお、電極触媒層と高分子電解質膜1との密着性を考慮すると、高分子電解質膜1と同一の材料を用いることが好ましい。
本実施形態で用いる触媒粒子としては、白金やパラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウムの白金族元素の他、鉄、鉛、銅、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属又はこれらの合金が使用できる。また、酸化物、複酸化物等も使用できる。また、これらの触媒の粒径は、0.5nm以上1μm以下が好ましい。更に好ましくは1nm以上5nm以下が良い。
これらの触媒粒子と接する導電性物質は、一般的にカーボン粒子が使用される。カーボン粒子の種類は、微粒子状で導電性を有し、触媒粒子におかされないものであればどのようなものでも構わないが、カーボンブラックやグラファイト、黒鉛、活性炭、カーボンファイバー、カーボンナノチューブ、フラーレンが使用できる。カーボン粒子の粒径は、小さすぎると電子伝導パスが形成されにくくなり、また大きすぎると電極触媒層のガス拡散性が低下したり、触媒粒子の利用率が低下したりするので、10nm以上1000nm以下程度が好ましい。更に好ましくは、10nm以上100nm以下が良い。触媒粒子は導電性物質に担持されていることが多く、この場合は導電性担体と呼ばれる。しかし、担持されずに触媒粒子と導電性物質を混合しただけの場合でも良い。また、触媒粒子が導電性を持つ場合、別に導電性物質を設けなくても良い。
第一、第二の触媒インクの分散媒として使用される溶媒は、触媒粒子や触媒粒子と接した導電性物質や高分子電解質を浸食することがなく、高分子電解質を動性の高い状態で溶解または微細ゲルとして分散できるものあれば特に制限はない。
なお、溶媒としては揮発性の有機溶媒や水が含まれることが望ましく、有機溶媒に関しては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、1−プロパノ―ル、2−プロパノ―ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノ−ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等の極性溶剤等が使用される。また、これらの溶剤や水のうち二種以上を混合させたものも使用できる。分散剤が含まれていても良い。
なお、溶媒としては揮発性の有機溶媒や水が含まれることが望ましく、有機溶媒に関しては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール、1−プロパノ―ル、2−プロパノ―ル、1−ブタノ−ル、2−ブタノ−ル、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、ペンタノ−ル等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、メチルイソブチルケトン、へプタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトニルアセトン、ジイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、メトキシトルエン、ジブチルエーテル等のエーテル系溶剤、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジアセトンアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール等の極性溶剤等が使用される。また、これらの溶剤や水のうち二種以上を混合させたものも使用できる。分散剤が含まれていても良い。
第一、第二の触媒インク中の固形分含有量は、多すぎるとインクの粘度が高くなるため電極触媒層表面にクラックが入りやすくなり、また逆に少なすぎると成膜レートが非常に遅く、生産性が低下してしまうため、0.1質量%以上50質量%以下の範囲内であることが好ましい。また、インクの粘度は、0.1cP以上2000cP以下の範囲内であることが好ましく、さらには5cP以上100cP以下の範囲内であることが好ましい。
第一、第二の触媒インクの塗布方法としては、ドクターブレード法、ディッピング法、スクリーン印刷法、ロールコーティング法、スプレー法などを用いることができる。
乾燥工程の温度は、特に制限されるものではないが(基材温度)℃以上150℃以下で行うことが好ましい。これよりも温度を高くすると、電極触媒層の乾燥ムラの発生や、高分子電解質膜1に与える熱処理の影響も大きくなるため、適切でない。乾燥工程の温度が触媒インク中の溶媒の沸点以上では蒸発速度が著しく大きくなることから、溶媒の沸点未満であることが好ましい。
乾燥工程の温度は、特に制限されるものではないが(基材温度)℃以上150℃以下で行うことが好ましい。これよりも温度を高くすると、電極触媒層の乾燥ムラの発生や、高分子電解質膜1に与える熱処理の影響も大きくなるため、適切でない。乾燥工程の温度が触媒インク中の溶媒の沸点以上では蒸発速度が著しく大きくなることから、溶媒の沸点未満であることが好ましい。
本実施形態におけるガス拡散層は、ガス拡散性と導電性とを有する材質から成るものであれば何でも良い。例えば、カーボンペーパー、カーボンクロス、不織布などのポーラスカーボン材を用いることができる。また、予めガス拡散層に撥水加工を施すことや、撥水加工を施したガス拡散層上にMPL(マイクロポーラスレイヤ)を形成させても良い。これらの撥水加工を施したガス拡散層やMPL付のガス拡散層はカソード6及びアノード7のどちらに用いても良い。
本実施形態におけるセパレータ10は、燃料ガスが供給されるためのガス流路8があり、集電体としての役割を持つものであれば何でも良い。燃料電池セパレータの基材としては、非金属系と金属系に分けられ、非金属系セパレータとしては、例えば緻密カーボングラファイト等のカーボン系材料、樹脂材料を用いることができる。金属系の材料としては、例えばステンレス鋼(SUS)、チタン、アルミニウム等を用いることができる。なお、ガス拡散層とセパレータ10は一体構造となっていても構わない。金属系の場合では、錆止め防止のための導電性樹脂がコーティングされているタイプでも構わない。
本実施形態における膜電極接合体12およびその製造方法について、以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本実施形態は下記例によって制限されるものではない。
・第一および第二のインクの作製方法
本実施例では、第一のインクと第二のインクに同じインクを用いた。以下、触媒インクという。白金担持量が50重量%である白金担持カーボン触媒に水、1−プロパノールを重量比1:2で混合し、遊星型ボールミル(5mm)で分散処理を行った。
・第一および第二のインクの作製方法
本実施例では、第一のインクと第二のインクに同じインクを用いた。以下、触媒インクという。白金担持量が50重量%である白金担持カーボン触媒に水、1−プロパノールを重量比1:2で混合し、遊星型ボールミル(5mm)で分散処理を行った。
・第一の工程および第二の工程(電極触媒層の作製方法)
前述のように第一のインクおよび第二のインク(触媒インク)に同じものを用いていることから、第一の工程と第二の工程を同時に説明する。
触媒インクを第一および第二の基材としてPTFEシート(厚さ100μm)を選択し、プレート上に基材を固定し、ドクターブレードにより触媒インクを基材上に塗布した。塗膜が形成された基材をオーブン(熱風循環恒温乾燥機41−S5H/佐竹化学機械工業社製)に入れ、オーブンの温度を50℃に設定し5分間乾燥させることで基材である転写シート上に電極触媒層を作製した。白金担持量は、第二の基材をアノードとし約0.3mg/cm2、第一の基材をカソードとし約0.5mg/cm2となるように調節した。
前述のように第一のインクおよび第二のインク(触媒インク)に同じものを用いていることから、第一の工程と第二の工程を同時に説明する。
触媒インクを第一および第二の基材としてPTFEシート(厚さ100μm)を選択し、プレート上に基材を固定し、ドクターブレードにより触媒インクを基材上に塗布した。塗膜が形成された基材をオーブン(熱風循環恒温乾燥機41−S5H/佐竹化学機械工業社製)に入れ、オーブンの温度を50℃に設定し5分間乾燥させることで基材である転写シート上に電極触媒層を作製した。白金担持量は、第二の基材をアノードとし約0.3mg/cm2、第一の基材をカソードとし約0.5mg/cm2となるように調節した。
・第三の工程(膜電極接合体の作製方法)
電極触媒層が形成された第一の基材(カソード)および第二の基材(アノード)を25cm2に2枚切り取り、高分子電解質膜(Nafion212膜(登録商標/デュポン社製))の両面に電極触媒層が正対するように基材を配置し、さらに、その両側から保護フィルム(PTFEシート、厚さ100μm)で電極触媒層が形成された第一の基材、高分子電解質膜1、および第二の基材を挟み込んだ。
第一の部材としてステンレス鋼板(ビッカース硬さHV200、厚さ1mm)を、第二の部材としてシリコンゴム(ショアA70、厚さ1mm)を熱プレス機(油圧卓上成形機、山田興産社製)に配置した。
プレス温度130℃、プレス時間10分、プレスゲージ圧力120kgf/cm2の条件で熱プレスした(実効圧力は結果を参照)。熱プレス後、転写シートを剥離して膜電極接合体を得た。
電極触媒層が形成された第一の基材(カソード)および第二の基材(アノード)を25cm2に2枚切り取り、高分子電解質膜(Nafion212膜(登録商標/デュポン社製))の両面に電極触媒層が正対するように基材を配置し、さらに、その両側から保護フィルム(PTFEシート、厚さ100μm)で電極触媒層が形成された第一の基材、高分子電解質膜1、および第二の基材を挟み込んだ。
第一の部材としてステンレス鋼板(ビッカース硬さHV200、厚さ1mm)を、第二の部材としてシリコンゴム(ショアA70、厚さ1mm)を熱プレス機(油圧卓上成形機、山田興産社製)に配置した。
プレス温度130℃、プレス時間10分、プレスゲージ圧力120kgf/cm2の条件で熱プレスした(実効圧力は結果を参照)。熱プレス後、転写シートを剥離して膜電極接合体を得た。
(比較例)
実施例から、第一の部材と第二の部材とを変更し、膜電極接合体を作製したものを比較例とした。第一の部材および第二の部材の変更以外の変更点はない。
実施例の第三の工程において、第一の部材をシリコンゴム(ショアA70、厚さ1mm)、第二の部材はそのままシリコンゴム(ショアA70、厚さ1mm)として、熱プレス機に配置し、熱プレスを行い、転写シートを剥離して、膜電極接合体を得た。
実施例から、第一の部材と第二の部材とを変更し、膜電極接合体を作製したものを比較例とした。第一の部材および第二の部材の変更以外の変更点はない。
実施例の第三の工程において、第一の部材をシリコンゴム(ショアA70、厚さ1mm)、第二の部材はそのままシリコンゴム(ショアA70、厚さ1mm)として、熱プレス機に配置し、熱プレスを行い、転写シートを剥離して、膜電極接合体を得た。
<結果1> (プレス時の圧力分布と電極触媒層密度)
実施例および比較例について、プレスを行っている間、膜電極接合体にかかる実効圧力を圧力測定フィルム(プレスケールLLW、富士フィルム社製)を用いて測定し、圧力測定システムである、FPD−305E(専用濃度計)およびFPD−306E(専用圧力換算機)を用い、数値化した。なお、プレスケールは室温での測定しかできないため、実効圧力は室温で所定のプレス圧をかけたときの値である。また、膜電極接合体の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、電極触媒層の密度を顕微鏡で観察された画像より求めた。これらの結果を下記の表に示す。
実施例および比較例について、プレスを行っている間、膜電極接合体にかかる実効圧力を圧力測定フィルム(プレスケールLLW、富士フィルム社製)を用いて測定し、圧力測定システムである、FPD−305E(専用濃度計)およびFPD−306E(専用圧力換算機)を用い、数値化した。なお、プレスケールは室温での測定しかできないため、実効圧力は室温で所定のプレス圧をかけたときの値である。また、膜電極接合体の断面を走査型電子顕微鏡で観察し、電極触媒層の密度を顕微鏡で観察された画像より求めた。これらの結果を下記の表に示す。
実施例では、電極触媒層の端部(電極触媒層の外周部から内側に1mm)の実効圧力が、電極触媒層から端部を除いた部分に比べ、圧力が高くなっていることが分かる。一方、比較例では、端部と端部を除いた部分とはほとんど同じ圧力になっている。また、電極触媒層の密度としても、実施例での端部に比べ、実施例の端部を除いた部分や比較例の電極触媒層の密度は低くなっていることが分かる。また、実施例の方が電極触媒層中の全体的な圧力ムラが少ないことが確認できた。
<結果2> (膜電極接合体のしわ発生と発電特性評価)
実施例の方法で作製した膜電極接合体は、比較例の方法で作製した膜電極接合体に比べ、電極部以外の膜部に発生するしわが少ないことが確認された。また、これらの膜電極接合体を単セルに組み込み、発電特性評価を行ったところ、実施例の方法で作製した膜電極接合体の方が、比較例の方法で作製した膜電極接合体よりもわずかながら、発電特性が良いことが確認された。
実施例の方法で作製した膜電極接合体は、比較例の方法で作製した膜電極接合体に比べ、電極部以外の膜部に発生するしわが少ないことが確認された。また、これらの膜電極接合体を単セルに組み込み、発電特性評価を行ったところ、実施例の方法で作製した膜電極接合体の方が、比較例の方法で作製した膜電極接合体よりもわずかながら、発電特性が良いことが確認された。
これらの結果から、実施例の作製方法によって作製された膜電極接合体12では、熱プレス時に電極触媒層端部21にかかる圧力が高くなったことで、端部21の電極触媒層密度が高くなる。その結果、電極触媒層内に流入したガスが有効に使用され、発電特性が上がったと考えられる。また、実施例により作製した膜電極接合体12は電極部以外の膜部にしわが発生しにくい。これは、熱プレス時に、剛性のあるステンレス鋼に、第一の基材15、高分子電解質膜1、第二の基材16がよれることなく、張り付いている状態で熱と圧力をかけることができたためだと考えられる。
このように、本実施形態の膜電極接合体12およびその製造方法は、非常に簡便な方法により、電極触媒層に供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスが電極触媒層の外周部20から電極部外に抜け出にくくなるため、ガスが無駄にならずに有効に使用されることで、膜電極接合体12の発電特性向上に寄与する。また、第一の基材15、高分子電解質膜1、第二の基材16が熱プレス時に剛性のある部材に張り付いていることで、電極触媒層にかかる圧力が均一になり、圧力ムラ、熱ムラを防止し、発電特性向上に寄与するとともに、膜電極接合体12の作製時に膜部にしわを発生しにくくさせる。
さらに本実施形態においては、電極触媒層について説明したが、ガスケットやサブガスケットと併用させることで、電極触媒層からのガスの漏れをより抑制させることができる。
さらに本実施形態においては、電極触媒層について説明したが、ガスケットやサブガスケットと併用させることで、電極触媒層からのガスの漏れをより抑制させることができる。
(まとめ)
以上説明したように、本実施形態によれば、電極触媒層の端部の触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した密度が、他の部分の密度よりも高いために、電極触媒層に供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスが電極触媒層の外周部から電極部外に抜け出にくくなるため、ガスが無駄にならずに有効に使用されるため、発電特性を向上させることができた。また、ガスの無駄がないために、ガスの流量を減らすことができた。
以上説明したように、本実施形態によれば、電極触媒層の端部の触媒粒子と触媒粒子に接する導電性物質と高分子電解質とを合計した密度が、他の部分の密度よりも高いために、電極触媒層に供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスが電極触媒層の外周部から電極部外に抜け出にくくなるため、ガスが無駄にならずに有効に使用されるため、発電特性を向上させることができた。また、ガスの無駄がないために、ガスの流量を減らすことができた。
また、本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体にあっては、熱および圧力をかけて膜電極接合体を作製する際、電極周辺部の高分子電解質膜のしわを防止することができた。
また、本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体にあっては、プレス部材間に空気などが入ることを防止することが可能になった結果、空気が入ることによってかかる圧力のムラや温度のムラを低減させることができ、発電特性を向上させることができた。
なお、本発明は、電極触媒層における対策に関するものであり、特許文献2のように他の部材は必要としないため、材料のコストや製造プロセスが煩雑になることによるコストの増加を抑えることができる。
また、本実施形態の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体にあっては、プレス部材間に空気などが入ることを防止することが可能になった結果、空気が入ることによってかかる圧力のムラや温度のムラを低減させることができ、発電特性を向上させることができた。
なお、本発明は、電極触媒層における対策に関するものであり、特許文献2のように他の部材は必要としないため、材料のコストや製造プロセスが煩雑になることによるコストの増加を抑えることができる。
本実施形態の固体高分子形燃料電池膜電極接合体は、ガスが無駄にならずに有効に使用できるため、発電特性の向上に寄与する。また、ガス流量を低減できることや、膜部のしわを低減させることで、製造プロセスを簡易にさせ、コストを抑えることができる。したがって、本発明は高分子形燃料電池、特に家庭用燃料電池システムや燃料電池自動車などにおける、固体高分子形燃料電池単セルやスタックに好適に活用することができる。
1・・・・高分子電解質膜
2・・・・カソード触媒層
2´・・・カソード触媒層から端部21を除いた部分
3・・・・アノード触媒層
4・・・・カソードガス拡散層
5・・・・アノードガス拡散層
6・・・・空気極(カソード)
7・・・・燃料極(アノード)
8・・・・ガス流路
9・・・・冷却水流路
10・・・セパレータ
11・・・リブ
12・・・膜電極接合体
13・・・固体高分子形燃料電池用単セル
14・・・熱プレス機
15・・・第一の基材
16・・・第二の基材
17・・・他の部材
18・・・第一の部材
19・・・第二の部材
20・・・外周部
21・・・端部
X・・・・電極触媒層中のある1点から最も近い電極触媒層の外周部20までの距離
2・・・・カソード触媒層
2´・・・カソード触媒層から端部21を除いた部分
3・・・・アノード触媒層
4・・・・カソードガス拡散層
5・・・・アノードガス拡散層
6・・・・空気極(カソード)
7・・・・燃料極(アノード)
8・・・・ガス流路
9・・・・冷却水流路
10・・・セパレータ
11・・・リブ
12・・・膜電極接合体
13・・・固体高分子形燃料電池用単セル
14・・・熱プレス機
15・・・第一の基材
16・・・第二の基材
17・・・他の部材
18・・・第一の部材
19・・・第二の部材
20・・・外周部
21・・・端部
X・・・・電極触媒層中のある1点から最も近い電極触媒層の外周部20までの距離
Claims (10)
- 高分子電解質膜と、触媒粒子と前記触媒粒子と接する導電性物質と高分子電解質を含み、前記高分子電解質膜を狭持する第一の電極触媒層および第二の電極触媒層とからなる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体において、
前記第一の電極触媒層および前記第二の電極触媒層のうちの、少なくとも一方の電極触媒層は、その端部の少なくとも一部における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、前記一部を除いた部分における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度に比べて高いことを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。 - 前記一部における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質とを合計した電極触媒層の密度が、1.3g/cm3以上2.5g/cm3以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 前記一部における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質との配合比率が、前記一部を除いた部分における前記触媒粒子と前記導電性物質と前記高分子電解質との配合比率と同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 電極触媒層中のある1点から最も近い電極触媒層の外周部までの距離をXとすると、前記端部が0mm≦X≦2mmの範囲に入ることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体。
- 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体を用いたことを特徴とする固体高分子形燃料電池単セル。
- 請求項5に記載の燃料電池単セルを複数有し、前記燃料電池単セルが積層されていることを特徴とする固体高分子形燃料電池スタック。
- 第一、第二および第三の工程を有する固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法において、
前記第一の工程は、触媒粒子と導電性物質と高分子電解質とからなる第一の触媒インクを第一の基材上に塗布し、乾燥し、第一の電極触媒層を形成する工程であり、
前記第二の工程は、触媒粒子と導電性物質と高分子電解質とからなる第二の触媒インクを第二の基材上に塗布し、乾燥し、第二の電極触媒層を形成する工程であり、
前記第三の工程は、高分子電解質膜を用意し、前記高分子電解質膜の両面に、前記第一の電極触媒層および前記第二の電極触媒層とが対向するように配置し、前記第一の基材の第一の電極触媒層が形成されていない面側に、第一の部材を配置し、前記第二の基材の第二の電極触媒層が形成されていない面側に、第二の部材を配置し、熱および圧力をかけることで前記高分子電解質膜に前記第一の電極触媒層および第二の電極触媒層を転写させる工程であり、
第三の工程において、前記第一の部材および前記第二の部材が前記高分子電解質膜の最も近くにある厚さ200μm以上の部材であるとき、前記第一の部材および前記第二の部材の一方の部材の硬度が、もう一方の部材の硬度と異なることを特徴とする固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。 - 前記一方の部材が弾性ゴムであり、前記もう一方の部材が剛性のある金属であることを特徴とする請求項7に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
- 前記弾性ゴムの硬度がショアA30以上ショアA80以下であり、前記金属の硬度がビッカース硬さHV50以上であることを特徴とする請求項8に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
- 前記第一の基材および前記第一の電極触媒層の水平面の面積が同一であることと、前記第二の基材および前記第二の電極触媒層の水平面の面積が同一であることと、の少なくとも一方が成立することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010217678A JP2012074224A (ja) | 2010-09-28 | 2010-09-28 | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、固体高分子形燃料電池単セル、固体高分子形燃料電池スタック、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010217678A JP2012074224A (ja) | 2010-09-28 | 2010-09-28 | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、固体高分子形燃料電池単セル、固体高分子形燃料電池スタック、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 |
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JP2010217678A Pending JP2012074224A (ja) | 2010-09-28 | 2010-09-28 | 固体高分子形燃料電池用膜電極接合体、固体高分子形燃料電池単セル、固体高分子形燃料電池スタック、固体高分子形燃料電池用膜電極接合体の製造方法 |
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JP2020095794A (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用膜電極ガス拡散層接合体の製造方法 |
CN111919319A (zh) * | 2018-03-30 | 2020-11-10 | 凸版印刷株式会社 | 电极催化剂层、膜电极接合体以及固体高分子型燃料电池 |
-
2010
- 2010-09-28 JP JP2010217678A patent/JP2012074224A/ja active Pending
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CN111919319B (zh) * | 2018-03-30 | 2024-06-11 | 凸版印刷株式会社 | 电极催化剂层、膜电极接合体以及固体高分子型燃料电池 |
JP2020095794A (ja) * | 2018-12-10 | 2020-06-18 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用膜電極ガス拡散層接合体の製造方法 |
JP7110961B2 (ja) | 2018-12-10 | 2022-08-02 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料電池用膜電極ガス拡散層接合体の製造方法 |
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