JP2012072388A - 冶金用コークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コークス炉内において軟化溶融した石炭の周辺の環境を模擬した状態で石炭の軟化溶融特性を測定することにより配合炭に使用する石炭の軟化溶融特性を正確に評価することで、配合炭を用いて従来法よりも強度等の品質に優れた冶金用コークスの製造方法を提供する。
【解決手段】2種以上の石炭及び粘結材を配合してなる配合炭を乾留し、コークスを製造する方法であって、配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料1として、所定量を容器3に充填し、試料1の上に上下面に貫通孔を有する材料2を配置し、上下面に貫通孔を有する材料2に一定荷重を負荷させつつ、所定の加熱速度で試料1を加熱し、貫通孔へ浸透した試料1の浸透距離を予め測定しておき、浸透距離が所定の管理値よりも高い石炭及び粘結材については、所定の粒度よりも細かくしてから配合する。
【選択図】図1

Description

この発明は石炭乾留時の軟化溶融特性を評価する試験方法を用いた冶金用コークスの製造方法に関する。特に、コークス強度を維持しながら高品位の石炭の使用量を削減することができる冶金用コークスの製造方法、あるいは、同一配合炭から高強度のコークスを得ることができる冶金用コークスの製造方法に関する。
製銑法として最も一般的に行われている高炉法において使用されるコークスは、鉄鉱石の還元材、熱源、スペーサーなどの数々の役割を担っている。高炉を安定的に効率良く操業するためには、高炉内の通気性を維持することが重要であることから、強度の高いコークスの製造が求められている。コークスは、粉砕し、粒度を調整した種々のコークス製造用石炭を配合した配合炭を、コークス炉内にて乾留することで製造される。コークス製造用石炭は、乾留中約300℃〜550℃の温度域で軟化溶融し、また同時に揮発分の発生に伴い発泡、膨張することで、各々の粒子が互いに接着しあい、塊状のセミコークスとなる。セミコークスは、その後1000℃付近まで昇温する過程で収縮することで焼きしまり、堅牢なコークスとなる。従って、石炭の軟化溶融時の接着特性が、乾留後のコークス強度や粒径等の性状に大きな影響を及ぼすといえる。
また、コークス製造用石炭(配合炭)の接着を強化する目的で、石炭が軟化溶融する温度域で高い流動性を示す粘結材を配合炭に添加してコークスを製造する方法が一般的に行われている。ここで、粘結材とは、具体的にはタールピッチ、石油系ピッチ、溶剤精製炭、溶剤抽出炭などである。これら粘結材についても石炭と同様に、軟化溶融時の接着特性が、乾留後のコークス性状に大きな影響を及ぼすといえる。
上述のとおり、石炭の軟化溶融特性は、乾留後のコークス性状やコークスケーキ構造を大きく左右するため、極めて重要であり、古くからその測定方法の検討が盛んになされてきた。特に、コークスの重要な品質であるコークス強度は、その原料である石炭性状、とりわけ石炭化度と軟化溶融特性に大きく影響される。軟化溶融特性とは、石炭を加熱したときに軟化溶融する性質であり、通常、軟化溶融物の流動性、粘度、接着性、膨張性などにより測定、評価される。
石炭の軟化溶融特性のうち、軟化溶融時の流動性を測定する一般的な方法としては、JIS M 8801に規定されるギーセラープラストメータ法による石炭流動性試験方法が挙げられる。ギーセラープラストメータ法は、425μm以下に粉砕した石炭を所定のるつぼに入れ、規定の昇温速度で加熱し、規定のトルクをかけた撹拌棒の回転速度を目盛板で読み取り、ddpm(dial division per minute)で表示する方法である。
ギーセラープラストメータ法がトルク一定での撹拌棒の回転速度を測定しているのに対し、定回転方式でトルクを測定する方法も考案されている。例えば、特許文献1では、回転子を一定の回転速度で回転させながらトルクを測定する方法が記載されている。
また、軟化溶融特性として物理的に意味のある粘性を測定することを目的にした、動的粘弾性測定装置による粘度の測定方法がある(例えば、特許文献2参照。)。動的粘弾性測定とは、粘弾性体に周期的に力を加えたときに見られる粘弾性挙動の測定である。特許文献2に記載の方法では、測定で得られるパラメータ中の複素粘性率により軟化溶融石炭の粘性を評価しており、任意のせん断速度における軟化溶融石炭の粘度を測定可能な点が特徴である。
さらに、石炭の軟化溶融特性として、活性炭、またはガラスビーズを用い、それらへの石炭軟化溶融物接着性を測定した例が報告されている。少量の石炭試料を活性炭、ガラスビーズで上下方向から挟んだ状態で加熱し、軟化溶融後に冷却を行い、石炭と活性炭、ガラスビーズとの接着性を外観から観察する方法である。
石炭の軟化溶融時の膨張性を測定する一般的な方法としては、JIS M 8801に規定されているジラトメーター法が挙げられる。ジラトメーター法は、250μm以下に粉砕した石炭を規定の方法で成型し、所定のるつぼに入れ、規定の昇温速度で加熱し、石炭の上部に配置した検出棒で、石炭の変位の経時変化を測定する方法である。
さらに、コークス炉内での石炭軟化溶融挙動を模擬するため、石炭軟化溶融時に発生するガスの透過挙動を改善した石炭膨張性試験方法も知られている(例えば、特許文献3参照)。これは、石炭層とピストンの間、もしくは石炭層とピストンの間と石炭層の下部に透過性材料を配置し、石炭から発生する揮発分と液状物質の透過経路を増やすことで、測定環境を、よりコークス炉内の膨張挙動に近づけた方法である。同様に、石炭層の上に貫通経路を有する材料を配置し、荷重を負荷しながら石炭をマイクロ波加熱して石炭の膨張性を測定する方法も知られている(特許文献4参照。)。
特開平6−347392号公報 特開2000−304674号公報 特許第2855728号公報 特開2009−204609号公報
諸富ら著:「燃料協会誌」、Vol.53、1974年、p.779−790 宮津ら著:「日本鋼管技報」、vol.67、1975年、p.125−137
冶金用コークスの製造においては、複数の銘柄の石炭を所定の割合で配合した配合炭を使用するのが一般的であるが、軟化溶融特性を正しく評価できないと、要求されているコークス強度を満足することができないという問題がある。高炉等の竪型炉で所定の強度を満足していない低強度のコークスを使用した場合、竪型炉内での粉の発生量を増加させて圧力損失の増大を招き、竪型炉の操業を不安定化させるとともにガスの流れが局所的に集中する、いわゆる吹き抜けといったトラブルを招く可能性がある。
従来の軟化溶融特性指標は、強度を正確に予測することが出来ない場合も少なくない。そのため、経験的に、軟化溶融特性の評価の不正確さに由来するコークス強度のバラツキを考慮して、目標とするコークス強度を予め高めに設定することでコークス強度を一定値以上に管理することが行われている。しかし、この方法では、一般的に知られている軟化溶融特性に優れた、比較的高価な石炭を使用して配合炭の平均的な品位を高めに設定することが必要となるため、コストの増大を招く。
コークス炉内において、軟化溶融時の石炭は隣接する層に拘束された状態で軟化溶融している。石炭の熱伝導率は小さいため、コークス炉内において石炭は一様に加熱されず、加熱面である炉壁側からコークス層、軟化溶融層、石炭層と状態が異なっている。コークス炉自体は乾留時多少膨張するがほとんど変形しないため、軟化溶融した石炭は隣接するコークス層、石炭層に拘束されている。
また、軟化溶融した石炭の周囲には、石炭層の石炭粒子間空隙、軟化溶融石炭の粒子間空隙、熱分解ガスの揮発により発生した粗大気孔、隣接するコークス層に生じる亀裂など、多数の欠陥構造が存在する。特に、コークス層に生じる亀裂は、その幅が数百ミクロンから数ミリ程度と考えられ、数十〜数百ミクロン程度の大きさである石炭粒子間空隙や気孔に比較して大きい。従って、このようなコークス層に生じる粗大欠陥へは、石炭から発生する副生物である熱分解ガスや液状物質だけではなく、軟化溶融した石炭自体の浸透も起こると考えられる。また、その浸透時に軟化溶融した石炭に作用するせん断速度は、銘柄毎に異なることが予想される。
発明者らは、コークスの強度をより精度よく制御するためには、上記のような石炭がコークス炉内で置かれる環境を模擬した条件で測定される石炭軟化溶融特性を指標として用いる必要があると考えた。なかでも、軟化溶融した石炭が拘束された条件で、かつ周囲の欠陥構造への溶融物の移動、浸透を模擬した条件で測定することが重要であると考えた。しかし、従来の測定方法には以下のような問題があった。
ギーセラープラストメータ法は、石炭を容器に充填した状態での測定のため、拘束、浸透条件を全く考慮していない点で問題である。また、この方法は、高い流動性を示す石炭の測定には適さない。その理由は、高い流動性を示す石炭を測定する場合、容器内側壁部が空洞となる現象(Weissenberg効果)が起こり、撹拌棒が空転し、流動性を正しく評価できない場合があるためである(例えば、非特許文献1参照。)。
定回転方式でトルクを測定する方法についても同様に、拘束条件、浸透条件を考慮していない点で不備がある。また、せん断速度一定下での測定のため、上記で述べたように石炭の軟化溶融特性を正しく比較評価することができない。
動的粘弾性測定装置は、軟化溶融特性として粘性を対象とし、任意のせん断速度下で粘度が測定可能な装置である。よって、測定時のせん断速度を、コークス炉内での石炭に作用する値に設定すれば、コークス炉内での軟化溶融石炭の粘度を測定可能である。しかし、各銘柄のコークス炉内でのせん断速度を予め測定、または推定することは通常は困難である。
石炭の軟化溶融特性として、活性炭、またはガラスビーズを用い、それらへの接着性を測定する方法は、石炭層の存在について浸透条件を再現しようとしているものの、コークス層と粗大欠陥を模擬していない点で問題がある。また、拘束下での測定でない点でも不十分である。
特許文献3に記載されている透過性材料を用いた石炭膨張性試験方法においては、石炭から発生するガス、液状物質の移動を考慮しているが、軟化溶融した石炭自体の移動を考慮していない点で問題である。これは特許文献3で用いる透過性材料の透過度が、軟化溶融石炭が移動するほど十分に大きくないためである。本発明者らが実際に特許文献3に記載の試験を行ったところ、軟化溶融石炭の透過性材料への浸透は起こらなかった。したがって、軟化溶融石炭の透過性材料への浸透を起こさせるためには、新たな条件を考慮する必要がある。
特許文献4にも同様に石炭層の上に貫通経路を有する材料を配置して石炭から発生するガス、液状物質の移動を考慮した石炭の膨張性測定方法が開示されているが、加熱方法に制約があるという問題点の他、コークス炉内における浸透現象を評価するための条件が明確になっていないという問題がある。さらに特許文献4では、石炭溶融物の浸透現象と軟化溶融挙動の関係が明確になっておらず、石炭溶融物の浸透現象と生成するコークスの品質との関係についての示唆も無く、良好な品質のコークスの製造について記載されているものではない。
このように、従来技術ではコークス炉内において軟化溶融した石炭及び粘結材の周辺の環境を十分に模擬した状態で、石炭及び粘結材の流動性、粘性、接着性、浸透性、浸透時膨張率、浸透時圧力などの軟化溶融特性を測定することができない。
そこで、本発明は、コークス炉内において軟化溶融した石炭の周辺の環境を模擬した状態で石炭の軟化溶融特性を測定することにより配合炭に使用する石炭の軟化溶融特性を正確に評価し、その石炭のコークス強度への影響を明確にした上で、コークス強度に悪影響をもたらす石炭の事前処理条件を調整することで悪影響を軽減し、もって従来法よりも強度等の品質に優れた冶金用コークスを製造するための方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
[1]2種以上の石炭または、粘結材を含む2種以上の石炭を配合してなる配合炭を乾留し、コークスを製造する方法であって、
前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を測定し、
前記浸透距離が所定の管理値よりも高い石炭及び粘結材の少なくとも一部を、所定の粒度よりも細かくなるように粉砕してから配合する、
ことを特徴とする、冶金用コークスの製造方法。
[2]2種以上の石炭または、粘結材を含む2種以上の石炭を配合してなる配合炭を乾留し、コークスを製造する方法であって、
前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を測定し、
前記浸透距離が所定の管理値よりも高い石炭及び粘結材の平均粒度を、前記浸透距離が前記管理値よりも低い石炭及び粘結材の平均粒度よりも細かくなるように粉砕してから配合する、
ことを特徴とする、冶金用コークスの製造方法。
[3]2種以上の石炭または、粘結材を含む2種以上の石炭を配合してなる配合炭を乾留し、コークスを製造する方法であって、
前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を予め測定し、
前記浸透距離が所定の管理値よりも高い石炭及び粘結材を前記配合炭に配合する場合に、前記配合炭を構成する石炭及び粘結材全てを所定の粒度よりも細かくなるように粉砕してから配合する、
ことを特徴とする、冶金用コークスの製造方法。
[4]前記所定の粒度が、6mm以上の粒子の全体に占める割合が5mass%以下となるような粒度分布を持つ粒度であることを特徴とする、[1]または[3]に記載の冶金用コークスの製造方法。
[5]前記浸透距離の所定の管理値が、下記式(1)にて規定されることを特徴とする、[1]ないし[4]のいずれかに記載の冶金用コークスの製造方法。
浸透距離=1.3×a×logMF (1)
但し、aは、配合炭を構成する石炭及び粘結材のうち、logMF<2.5の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFを測定し、その測定値を用いて原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数の0.7から1.0倍の範囲の定数であり、
logMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
[6]前記浸透距離の所定の管理値が、下記式(2)にて規定されることを特徴とする[1]ないし[4]のいずれかに記載の冶金用コークスの製造方法。
浸透距離=a’×logMF+b (2)
但し、a’は、配合炭を構成する石炭及び粘結材のうち、logMF<2.5の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFを測定し、その測定値を用いて原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数の0.7から1.0倍の範囲の定数である。bは、前記回帰直線の作成に用いた試料を複数回測定した際の標準偏差の平均値以上で、前記平均値の5倍以下とする、定数であり、
logMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
[7]前記式(1)のaを求めるにあたり、1.75<logMF<2.50の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFの測定値を用いることを特徴とする[5]に記載の冶金用コークスの製造方法。
ここでlogMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
[8]前記式(2)のa’を求めるにあたり、1.75<logMF<2.50の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFの測定値を用いることを特徴とする[6]に記載の冶金用コークスの製造方法。
ここでlogMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
[9]コークス製造に用いる配合炭中に含まれる石炭または粘結材の銘柄と前記各銘柄の石炭または粘結材の配合率を予め決定し、
前記各銘柄の石炭または粘結材の浸透距離及びlogMFを測定し、配合炭に含まれるlogMFが3.0未満の各銘柄の石炭または粘結材の浸透距離と配合率から計算される加重平均浸透距離に対して2倍以上の値を前記浸透距離の管理値とする、
ことを特徴とする、[1]ないし[4]のいずれかに記載の冶金用コークスの製造方法。
ここでlogMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
[10]前記浸透距離の管理値を、石炭または粘結材試料を粒径2mm以下が100mass%となるように粉砕し、該粉砕試料を充填密度0.8g/cm3で、層厚が10mmとなるように容器に充填して試料とし、該試料の上に直径2mmのガラスビーズを浸透距離以上の層厚で配置し、ガラスビーズの上部から圧力50kPaとなるように荷重を負荷しつつ、昇温速度3℃/分で室温から550℃まで不活性ガス雰囲気下で加熱した場合の測定値で15mm以上とすることを特徴とする、[1]ないし[4]のいずれかに記載の冶金用コークスの製造方法。
[11]前記浸透距離が、前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記上下面に貫通孔を有する材料に一定荷重を負荷させつつ前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を測定することにより行われることを特徴とする[1]ないし[9]のいずれかに記載の冶金用コークスの製造方法。
[12]前記浸透距離が、前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記上下面に貫通孔を有する材料を一定容積に保ちつつ前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を測定することにより行われることを特徴とする[1]ないし[9]のいずれかに記載の冶金用コークスの製造方法。
本発明によれば、コークス炉内での石炭軟化溶融特性に大きな影響を及ぼすと考えられる、コークス炉内での石炭軟化溶融層周辺に存在する欠陥構造、特に軟化溶融層に隣接するコークス層に存在する亀裂の影響を模擬し、また、コークス炉内での軟化溶融物周辺の拘束条件を適切に再現した状態での、石炭ないし粘結材の軟化溶融特性の評価が可能である。これにより、特に、従来の軟化溶融特性の評価方法では検出することのできなかった過剰な流動性を示す石炭ないし粘結材由来の欠陥の生成を予測でき、コークス品質に悪影響を及ぼす石炭ないし粘結材を特定することができる。そして、そのような石炭や粘結材の粒度を細かくしてから配合することで、コークス品質に対する悪影響を低減し、高強度の冶金用コークスが製造可能となる。
本発明で使用する石炭ないし粘結材試料と上下面に貫通孔を有する材料に一定荷重を負荷させつつ軟化溶融特性を測定する装置の一例を示す概略図である。 本発明で使用する上下面に貫通孔を有する材料のうち、円形貫通孔をもつものの一例を示す概略図である。 本発明で使用する上下面に貫通孔を有する材料のうち、球形粒子充填層の一例を示す概略図である。 本発明で使用する上下面に貫通孔を有する材料のうち、円柱充填層の一例を示す概略図である。 (A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材を配合してなる配合炭をコークス化した際の、欠陥構造の生成状況を表した模式図である。(a)コークス化前の石炭充填状況。(b)コークス化後の欠陥生成状況。 (A)〜(D)に該当しない石炭ないし粘結材を配合してなる配合炭をコークス化した際の、欠陥構造の生成状況を表した模式図である。(a)コークス化前の石炭充填状況。(b)コークス化後の欠陥生成状況。 (A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材を微粉砕してから配合してなる配合炭をコークス化した際の、欠陥構造の生成状況を表した模式図である。(a)コークス化前の石炭充填状況。(b)コークス化後の欠陥生成状況。 (A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材を除いた残りの石炭ないし粘結材を微粉砕してから配合してなる配合炭をコークス化した際の、欠陥構造の生成状況を表した模式図である。(a)コークス化前の石炭充填状況。(b)コークス化後の欠陥生成状況。 本発明で測定した、石炭軟化溶融物の浸透距離の測定結果を示すグラフである。 実施例1で使用したA炭及びF炭の浸透距離及び最高流動度と、(A)に該当する浸透距離及び最高流動度の範囲との位置関係を示すグラフである。 実施例1で使用したA炭及びF炭の浸透距離及び最高流動度と、(B)に該当する浸透距離及び最高流動度の範囲との位置関係を示すグラフである。 実施例1で測定した、コークスのドラム強度の測定結果を示すグラフである。 実施例2で測定した、コークスのドラム強度の測定結果を示すグラフである。 本発明で使用する石炭試料と上下面に貫通孔を有する材料を一定容積に保ちつつ軟化溶融特性を測定する装置の一例を示す概略図である。
本発明者らは、コークス炉内において軟化溶融した石炭の周辺の環境を模擬した状態で軟化溶融特性を測定可能とし、測定した軟化溶融特性である「浸透距離」とコークス強度の関係について鋭意研究を重ねた結果、従来から報告されている軟化溶融特性にはほとんど差がない石炭であっても、軟化溶融した石炭の周辺の環境を模擬した状態で測定した本発明の方法による軟化溶融特性には差があることを知見した。さらに、本発明の方法で測定した軟化溶融特性に差がある石炭を配合してコークスを製造した場合には、それらのコークス強度も異なっていることを知見し、コークス強度に悪影響を及ぼす石炭はその粒度を細かくしてからコークス製造の原料とすることでその悪影響を軽減できることを見いだして、本発明に至った。
図1に本発明で使用する軟化溶融特性(浸透距離)の測定装置の一例を示す。図1は石炭試料と上下面に貫通孔を有する材料に一定荷重を負荷させて石炭試料を加熱する場合の装置である。容器3下部に石炭を充填して試料1とし、試料1の上に、上下面に貫通孔を有する材料2を配置する。試料1を軟化溶融開始温度以上に加熱し、上下面に貫通孔を有する材料2に試料を浸透させ、浸透距離を測定するものである。加熱は不活性ガス雰囲気下で行なうものとする。なお、浸透距離の測定は、石炭と貫通孔を有する材料を一定容積に保ちつつ加熱するようにしてもよい。その場合に使用する軟化溶融特性(浸透距離)の測定装置の一例を図14に示す。
図1に示す試料1と上下面に貫通孔を有する材料2に一定荷重を負荷して試料1を加熱する場合、試料1が膨張又は収縮を示し、上下面に貫通孔を有する材料2が上下方向に移動する。よって、上下面に貫通孔を有する材料2を介して試料浸透時の膨張率を測定することが可能である。図1に示すように上下面に貫通孔を有する材料2の上面に膨張率検出棒13を配置し、膨張率検出棒13の上端に荷重付加用の錘14を乗せ、その上に変位計15を配置し、膨張率を測定する。変位計15は、試料の膨張率の膨張範囲(−100%〜300%)を測定可能なものを用いれば良い。加熱系内を不活性ガス雰囲気に保持する必要があるため、非接触式の変位計が適しており、光学式変位計を用いることが望ましい。不活性ガスとは、測定温度域で石炭と反応しないガスを指し、代表的なガスとしてはアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等であるが、窒素ガスを使用することが好ましい。上下面に貫通孔を有する材料2が粒子充填層の場合は、膨張率検出棒13が粒子充填層に埋没する可能性があるため、上下面に貫通孔を有する材料2と膨張率検出棒13の間に板を挟む措置を講ずるのが望ましい。負荷させる荷重は、試料上面に配置した上下面に貫通孔を有する材料の上面に対して、均等にかけることが好ましく、上下面に貫通孔を有する材料の上面の面積に対し、5〜80kPa、好ましくは15〜55kPa、最も好ましくは25〜50kPaの圧力を負荷することが望ましい。この圧力は、コークス炉内における軟化溶融層の膨張圧に基づいて設定することが好ましいが、測定結果の再現性、種々の石炭での銘柄差の検出力を検討した結果、炉内の膨張圧よりはやや高めの25〜50kPa程度が測定条件として最も好ましいことを見出した。
加熱手段は、試料の温度を測定しつつ、所定の昇温速度で加熱できる方式のものを用いることが望ましい。具体的には、電気炉や、導電性の容器と高周波誘導を組み合わせた外熱式、またはマイクロ波のような内部加熱式である。内部加熱式を採用する場合は、試料内温度を均一にする工夫を施す必要があり、例えば、容器の断熱性を高める措置を講ずることが好ましい。
加熱速度については、コークス炉内での石炭及び粘結材の軟化溶融挙動を模擬するという目的から、コークス炉内での石炭の加熱速度に一致させるようにする。コークス炉内での軟化溶融温度域における石炭の加熱速度は炉内の位置や操業条件によって異なるが概ね2〜10℃/分であり、平均的な加熱速度として2〜4℃/分とすることが望ましく、もっとも望ましいのは3℃/分程度である。しかし、非微粘結炭のように流動性の低い石炭の場合、3℃/分では浸透距離や膨張が小さく、検出が困難となる可能性がある。石炭は急速加熱することによりギーセラープラストメータによる流動性が向上することが一般的に知られている。従って、例えば浸透距離が1mm以下の石炭の場合には、検出感度を向上させるために、加熱速度を10〜1000℃/分に高めて測定しても良い。
加熱を行なう温度範囲については、石炭及び粘結材の軟化溶融特性の評価が目的であるため、石炭及び粘結材の軟化溶融温度域まで加熱できればよい。コークス製造用の石炭及び粘結材の軟化溶融温度域を考慮すると、0℃(室温)〜550℃の範囲において、好ましくは石炭の軟化溶融温度である300〜550℃の範囲で所定の加熱速度で加熱すればよい。
上下面に貫通孔を有する材料は、透過係数をあらかじめ測定または算出できるものが望ましい。材料の形態の例として、貫通孔を持つ一体型の材料、粒子充填層が挙げられる。貫通孔を持つ一体型の材料としては、例えば、図2に示すような円形の貫通孔16を持つもの、矩形の貫通孔を持つもの、不定形の貫通孔を持つものなどが挙げられる。粒子充填層としては、大きく球形粒子充填層、非球形粒子充填層に分けられ、球形粒子充填層としては図3に示すようなビーズの充填粒子17からなるもの、非球形粒子充填層としては不定形粒子や、図4に示すような充填円柱18からなるものなどが挙げられる。測定の再現性を保つため、材料内の透過係数はなるべく均一で、かつ測定を簡便にするため、透過係数の算出が容易なものが望ましい。したがって、本発明で用いる上下面に貫通孔を有する材料には球形粒子充填層の利用が特に望ましい。上下面に貫通孔を有する材料の材質は、石炭軟化溶融温度域以上、具体的には600℃まで形状がほとんど変化せず、石炭とも反応しないものならば特に指定はない。また、その高さは、石炭の溶融物が浸透するのに十分な高さがあればよく、厚み5〜20mmの石炭層を加熱する場合には、20ないし100mm程度あればよい。
上下面に貫通孔を有する材料の透過係数は、コークス層に存在する粗大欠陥の透過係数を推定して設定する必要がある。本発明に特に望ましい透過係数について、粗大欠陥構成因子の考察や大きさの推定など、本発明者らが検討を重ねた結果、透過係数が1×108〜2×109-2の場合が最適であることを見出した。この透過係数は、下記(3)式で表されるDarcy則に基づき導出されるものである。
ΔP/L=K・μ・u ・・・ (3)
ここで、ΔPは上下面に貫通孔を有する材料内での圧力損失[Pa]、Lは貫通孔を有する材料の高さ[m]、Kは透過係数[m-2]、μは流体の粘度[Pa・s]、uは流体の速度[m/s]である。例えば上下面に貫通孔を有する材料として均一な粒径のガラスビーズ層を用いる場合、上述の好適な透過係数を持つようにするためには、直径0.2mmから3.5mm程度のガラスビーズを選択することが望ましく、もっとも望ましいのは2mmである。
測定試料とする石炭および粘結材はあらかじめ粉砕し、所定の充填密度で所定の層厚に充填する。粉砕粒度としては、コークス炉における装入石炭の粒度(粒径3mm以下の粒子の比率が全体の70〜80質量%程度)としてもよく、粒径3mm以下が70質量%以上となるように粉砕することが好ましいが、小さい装置での測定であることを考慮して、全量を粒径2mm以下に粉砕した粉砕物を用いることが特に好ましい。粉砕物を充填する密度はコークス炉内の充填密度に合わせ0.7〜0.9g/cm3とすることができるが、再現性、検出力を検討した結果、0.8g/cm3が好ましいことを知見した。また、充填する層厚は、コークス炉内における軟化溶融層の厚みに基づいて層厚5〜20mmとすることができるが、再現性、検出力を検討した結果、層厚は10mmとすることが好ましいことを知見した。
以上の浸透距離の測定において、代表的な測定条件を以下に記す。
(1)石炭又は粘結材を粒径2mm以下が100質量%となるように粉砕し、該粉砕された石炭又は粘結材を充填密度0.8g/cmで、層厚が10mmとなるように容器に充填して試料を作成し、
(2)該試料の上に直径2mmのガラスビーズを浸透距離以上の層厚となるように配置し、
(3)前記ガラスビーズの上部から50kPaとなるように荷重を負荷しつつ、加熱速度3℃/分で室温から550℃まで不活性ガス雰囲気下で加熱し、
(4)前記ガラスビーズ層へ浸透した溶融試料の浸透距離を測定する。
石炭及び粘結材の軟化溶融物の浸透距離は、加熱中に常時連続的に測定できることが本来望ましい。しかし、常時測定は、試料から発生するタールの影響などにより、困難である。加熱による石炭の膨張、浸透現象は不可逆的であり、一旦膨張、浸透した後は冷却してもほぼその形状が保たれているので、石炭溶融物が浸透終了した後、容器全体を冷却し、冷却後の浸透距離を測定することで加熱中にどこまで浸透したかを測定するようにしてもよい。例えば、冷却後の容器から上下面に貫通孔を有する材料を取り出し、ノギスや定規で直接測定することが可能である。また、上下面に貫通孔を有する材料として粒子を使用した場合には、粒子間空隙に浸透した軟化溶融物は、浸透した部分までの粒子層全体を固着させている。したがって、前もって粒子充填層の質量と高さの関係を求めておけば、浸透終了後、固着していない粒子の質量を測定し、初期質量から差し引くことで、固着している粒子の質量を導出でき、そこから浸透距離を算出することができる。
このような浸透距離の優位性は、コークス炉内状況に近い測定方法をとることに基づいて原理的に想定されるだけではなく、コークス強度への浸透距離の影響を調査した結果からも明らかとなった。実際、本発明の評価方法により、同程度のlogMF(ギーセラープラストメータ法による最高流動度の常用対数値)を持つ石炭であっても、銘柄により浸透距離に差があることが明らかとなり、浸透距離の異なる石炭を配合してコークスを製造した場合のコークス強度に対する影響も異なることが確認された。
従来のギーセラープラストメータによる軟化溶融特性の評価では、高い流動性を示す石炭の方が石炭粒子同士を接着する効果が高いと考えられてきた。一方で、浸透距離とコークス強度との関係を調査することで、極端に浸透距離の大きい石炭を配合するとコークス化時に粗大な欠陥を残し、かつ薄い気孔壁の組織構造を形成するため、コークス強度が配合炭の平均品位から予想される値に比べて低下することが分かった。これは、浸透距離が大きすぎる石炭は、周囲の石炭粒子間に顕著に浸透することで、その石炭粒子が存在していた部分自体が大きな空洞となり、欠陥となってしまうためと推測される。特にギーセラープラストメータによる軟化溶融特性の評価において高い流動性を示す石炭においては、浸透距離の大小によりコークス中に残存する粗大な欠陥の生成量が異なることが分かった。この関係は粘結材に関しても同様に見られた。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、コークス製造用原料に配合して使用される際に、コークス強度の低下を招く石炭ないし粘結材の浸透距離の範囲は、以下の(A)〜(D)の4通りで規定することが効果的であることを見出した。
(A)浸透距離の範囲を、下記式(4)にて規定する。
浸透距離≧1.3×a×logMF (4)
但し、aは、配合炭を構成する各石炭及び粘結材のうち、logMF<2.5の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFを測定し、その測定値を用いて原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数の0.7から1.0倍の範囲の定数である。
(B)浸透距離の範囲を、下記式(5)にて規定する。
浸透距離≧a’×logMF+b (5)
但しa’は、配合炭を構成する各石炭及び粘結材のうち、logMF<2.5の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及び最高流動度を測定し、その測定値を用いて原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数の0.7から1.0倍の範囲の定数である。bは、前記回帰直線の作成に用いた銘柄から選ばれる1種類以上の同一試料を複数回測定した際の標準偏差の平均値以上で、前記平均値の5倍以下とする、定数である。
(C)コークス製造に用いる配合炭の銘柄と配合率が予め決定できる場合には、配合炭に含まれるlogMFが3.0未満の各銘柄の石炭または粘結材の浸透距離と配合率から計算される加重平均浸透距離に対して2倍以上とする。この時、平均浸透距離は配合率を考慮した加重平均で求めることが好ましいが、単純平均値で代用することも可能である。
(D)粒径2mm以下、100mass%の粒度に調製した石炭試料を0.8g/cm3の充填密度で容器内に厚さ10mmに充填し、貫通孔を有する材料として直径2mmのガラスビーズを用い、50kPaの荷重をかけ、3℃/分の加熱速度で550℃まで加熱して測定した場合に、浸透距離15mm以上とする。
ここで、上記(A)〜(D)の4種類の管理値の決め方を示したのは、浸透距離の値は、設定された測定条件、例えば、荷重、昇温速度、貫通孔を有する材料の種類、装置の構成、等によって変化するためで、上述の例と異なる測定条件の場合があることを考慮して検討した結果、(A)〜(C)のような管理値の決め方が有効であることを見出したことに基づくものである。
また、(A)、(B)の範囲を決める際に使用する式(4)、(5)の定数aおよびa’は、logMF<2.5の範囲にある石炭の少なくとも1つ以上の浸透距離及び最高流動度を測定し、その測定値を用いて原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数の0.7から1.0倍の範囲となるように定める。これは、logMF<2.5の範囲では、石炭の最高流動度と浸透距離の間にはほぼ正の相関が見られるが、強度低下を招く銘柄は、その浸透距離がこの相関から正に大きく偏倚している銘柄であるためである。本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上記回帰式により石炭のlogMF値に応じて求めた浸透距離の1.3倍以上の範囲に該当する銘柄が、強度低下を招く銘柄であることを知見し、式(4)により範囲の規定を行うこととした。また、上記回帰式から、測定誤差を超えて正に偏倚する銘柄を検出するべく、上記回帰式に、同一試料を複数回測定した際の標準偏差の1〜5倍を加えた値以上の範囲に該当する銘柄が、強度低下を招く銘柄であることを知見し、式(5)により範囲の規定を行うこととした。従って、定数bは、同一試料を複数回測定した際の標準偏差の1〜5倍の値を用いれば良く、本発明で述べた測定条件の場合、0.6〜3.0mm程度である。この時、(4)式、(5)式とも、その石炭のlogMF値に基づいて強度低下を招く浸透距離の範囲を定めている。これは、MFが大きいほど一般に浸透距離が高くなるため、その相関からどの程度偏倚するかが重要であるためである。なお、回帰直線の作成には、公知の最小二乗法による直線回帰の方法を用いてもよい。回帰の際に用いる石炭の数は多いほど回帰の誤差が少なくなるので好ましい。特に、MFが小さい銘柄では浸透距離が小さく誤差が大きくなりやすいため、1.75<logMF<2.50の範囲にある石炭の1種以上を用いて回帰直線を求めることが特に好ましい。
ここで、定数aおよびa’、bともに範囲を規定しているのは、これらの値を減少させることで、強度低下を招く石炭がより確実に検出できるようになるためであり、その値は操業上の要求によって調整することができる。ただし、この値を小さくしすぎると、コークス強度に悪影響を及ぼすと推定される石炭が多くなりすぎることおよび、実際は強度低下を招かない石炭であっても強度低下を起こすと誤認してしまうという問題が生じてしまうため、aおよびa’については回帰直線の傾きの0.7〜1.0倍とすることが好ましく、また、bについては同一試料を複数回測定した際の標準偏差の1〜5倍とすることが好ましい。
配合炭に使用する石炭ないし粘結材は、通常、銘柄ごとに様々な品位を予め測定して使用している。浸透距離についても同様に予め銘柄のロット毎に測定しておけばよい。配合炭の平均浸透距離は、予め各銘柄での浸透距離を測定しておき、その値を配合割合に応じて平均してもよいし、配合炭を作成して浸透距離を測定しても良い。これにより配合炭の平均浸透距離に対して極端に浸透距離の大きい銘柄を選定することが可能となる。コークス製造に用いる配合炭は、石炭ないし粘結材に加えて、油類、粉コークス、石油コークス、樹脂類、廃棄物などを含むものであってもよい。
上記(A)〜(D)に該当する石炭及び粘結材は、コークスの原料炭として通常の事前処理条件で使用すると、コークス化の際に粗大な欠陥を残し、かつ薄い気孔壁の組織構造を形成するため、コークス強度の低下を招く。そのため、当該銘柄及び粘結材の配合割合の制限をする措置を講じるのがコークス強度を維持するための手段として簡便かつ有効である。但し、原料の安定調達の観点から、多産地多銘柄の配合を指向する現在のコークス製造においては、(A)〜(D)に該当するような石炭ないし粘結材であっても、それらの使用を余儀なくされる場合が多々ある。
本発明者らは、(A)〜(D)に該当するような石炭ないし粘結材を配合してなる配合炭をコークス原料として使用する場合であっても、配合炭の粒度を変更することで強度低下を抑制可能であることを知見した。その考察の過程を、模式図を用いて以下に説明する。
(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材を配合してなる配合炭をコークス化した際の、欠陥構造の生成状況を図5に模式的に示す。(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材の粒子19は、コークス化の際に充填粒子間の空隙や、粗大な欠陥に大きく浸透するため、薄い気孔壁を形成し、粒子が元あった場所に粗大な欠陥22を残し、コークス強度の低下を招く(図5(b))。
(A)〜(D)に該当しない石炭ないし粘結材20を配合してなる配合炭をコークス化した際の、欠陥構造の生成状況を図6に模式的に示す。(A)〜(D)に該当しない石炭ないし粘結材の粒子20は、コークス化の際に充填粒子間の空隙や、粗大な欠陥にあまり浸透しないため、厚い気孔壁を形成し、粒子が元あった場所に粗大な欠陥を残すこともなく、コークス強度の低下を招くこともない(図6(b))。
(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材19を微粉砕してから配合してなる配合炭をコークス化した際の、欠陥構造の生成状況を図7に模式的に示す。この場合、(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材19の粒子は、コークス化の際に充填粒子間の空隙や、粗大な欠陥に大きく浸透する。しかし、粒子が元あった場所に形成される欠陥は小さくなるため、コークス強度の低下を抑制できる(図7(b))。
(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材を除いた残りの石炭ないし粘結材20を微粉砕してから配合してなる配合炭をコークス化した際の、欠陥構造の生成状況を図8に模式的に示す。この場合、(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材19の粒子の周りは、細かな粒子や欠陥で占められることになり、透過係数が低下する。したがって、コークス化の際に充填粒子間の空隙や、粗大な欠陥に大きく浸透できないため、厚い気孔壁を形成し、粒子が元あった場所に粗大な欠陥を残すこともなく、コークス強度の低下を抑制できる(図8(b))。
上記考察のとおり、(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材を配合する場合、当該石炭ないし粘結材、あるいは当該石炭ないし粘結材を除いた残りの石炭ないし粘結材の粒度を細かくする措置を講じることで、石炭の浸透距離を低下せしめ、粗大な欠陥を低減し、乾留後のコークスの強度低下を抑制することが可能となる。
一方で、配合炭粒度が細かくなると、石炭粒子の比表面積が増えること、粒子間距離が増えることなどの原因により、コークス強度を維持するためには、配合炭全体の溶融性をより高くする必要があると一般的に言われている。したがって、(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材を配合する場合であっても、配合炭全体の溶融性不足が顕在化しない範囲で、配合炭の粒度を細かくすることが重要である。但し、通常の実操業においては、溶融性不足が顕在化するほど配合炭の粒度が細かくなることは殆どないため、粉砕を通常の条件よりも強化することで、高強度のコークスが得られる。
18種類の石炭(石炭A〜R)と1種類の粘結材(粘結材S)について、浸透距離の測定を行った。使用した石炭ないし粘結材の性状を表1に示す。ここで、RoはJIS M 8816の石炭のビトリニット平均最大反射率、logMFはギーセラープラストメータ法で測定した最高流動度(Maximum Fluidity:MF)の常用対数値、揮発分(VM)、灰分(Ash)はJIS M 8812の工業分析法による測定値である。
図1に示した装置を用い、浸透距離の測定を行った。加熱方式は高周波誘導加熱式としたため、図1の発熱体8は誘導加熱コイルであり、容器3の素材は誘電体である黒鉛を使用した。容器の直径は18mm、高さ37mmとし、上下面に貫通孔を有する材料として直径2mmのガラスビーズを用いた。粒度2mm以下に粉砕し室温で真空乾燥した石炭試料2.04gを容器3に装入し、石炭試料の上から重さ200gの錘を落下距離20mmで5回落下させることにより試料1を充填した(この状態で試料層厚は10mmとなった。)。次に直径2mmのガラスビーズを試料1の充填層の上に25mmの厚さとなるように配置した。ガラスビーズ充填層の上に直径17mm、厚さ5mmのシリマナイト製円盤を配置し、その上に膨張率検出棒13として石英製の棒を置き、さらに石英棒の上部に1.3kgの錘14を置いた。これにより、シリマナイト円盤上にかかる圧力は50kPaとなる。不活性ガスとして窒素ガスを使用し、加熱速度3℃/分で550℃まで加熱した。加熱終了後、窒素雰囲気で冷却を行い、冷却後の容器から、軟化溶融した石炭と固着していないビーズ質量を計測した。なお、上記の測定条件は、種々の条件での測定結果の比較により、発明者らが好ましい浸透距離の測定条件として決定したものであるが、浸透距離測定はこの方法に限られるものではない。
なお、ガラスビーズ層の厚みは浸透距離以上の層厚となるように配置すればよい。測定時にガラスビーズ層最上部まで溶融物が浸透してしまった場合には、ガラスビーズを増量して再測定を行なう。発明者らは、ガラスビーズの層厚を変更した試験を行ない、浸透距離以上のガラスビーズ層厚があれば、同一試料の浸透距離測定値は同じになることを確認している。浸透距離の大きい粘結材の測定を行なう際には、より大きな容器を用い、ガラスビーズの充填量も増やして測定を行なった。
浸透距離は固着したビーズ層の充填高さとした。ガラスビーズ充填層の充填高さと質量の関係をあらかじめ求め、軟化溶融した石炭が固着したビーズの質量よりガラスビーズ充填高さを導出できるようにした。その結果が(6)式であり、(6)式より浸透距離を導出した。
L=(G−M)×H ・・・ (6)
ここで、Lは浸透距離[mm]、Gは充填したガラスビーズ質量[g]、Mは軟化溶融物と固着していないビーズ質量[g]、Hは本実験装置に充填されたガラスビーズの1gあたりの充填層高さ[mm/g]を表す。
浸透距離測定結果とギーセラー最高流動度(Maximum Fluidity:MF)の対数値(logMF)の関係を図9に示す。図9より、本実施例で測定した浸透距離は最高流動度と相関は認められるが、同じMFであっても浸透距離の値には差がある。例えば、本装置での浸透距離の測定誤差を検討した結果、同一条件で3回試験を行った結果について標準偏差が0.6であったことを考慮すると、最高流動度がほぼ等しい石炭Aと石炭Cに対して、浸透距離に有意な差が認められた。
次に、上述の(A)〜(D)に該当する石炭の粒度とコークス強度との関係を調査するべく、後述のように(A)〜(D)に該当しない石炭Aを20mass%配合した配合炭、(A)〜(D)に該当する石炭Fを20mass%配合した配合炭を作製し、石炭A、Fのみの粒度を種々変更した場合の乾留後のコークス強度を測定した。
従来のコークス強度を推定するための石炭配合理論において、コークス強度は主に、石炭のビトリニット平均最大反射率(Ro)と、logMFにより決定されると考えられてきた(例えば、非特許文献2参照。)。したがって、配合炭全体の加重平均Ro、加重平均logMFは等しくなるように、種々の石炭を配合した配合炭を作製した(Ro=0.99、logMF=2.2)。石炭Aならびに石炭Fについては粒径1mm未満100mass%、粒径3mm未満100mass%ならびに粒径6mm未満100mass%となるように粉砕し、それ以外の石炭については粒径3mm未満100mass%となるように粉砕し、これらの石炭を使用して表2記載の6水準の配合炭を作製した。
表2に、A炭、F炭を除く配合炭の加重平均浸透距離、すなわち配合炭に含まれるlogMFが3.0未満の石炭の加重平均浸透距離も併せて示す。ここで、配合炭A1〜A3のA炭を除く配合炭の加重平均浸透距離は4.7mmであるのに対し、A炭の浸透距離は8.0mmと、平均の2倍未満になっており(C)および(D)に該当しない。一方、配合炭F1〜F3のF炭を除く配合炭の加重平均浸透距離は5.0mmであるのに対し、F炭の浸透距離は19.5mmと、平均の2倍以上になっており(C)に該当する。当然、F炭は(D)にも該当する。
また、式(1)、式(2)の定数aおよびa’を、配合炭を構成する石炭のうち、logMF<2.5の範囲にある石炭の浸透距離及び最高流動度の値をもとに回帰直線の傾きを計算し、その傾きと一致する2.70に決定した。式(2)の定数bは、本発明例の測定条件での標準偏差0.6の値の5倍から、3.0に決定した。これらの式を元に、本実施例で使用した粘結材の浸透距離及び最高流動度と、上記(A)、(B)の範囲との位置関係を調べた結果を図10、図11にそれぞれ示す。図10、図11より、F炭は(A)、(B)の範囲の何れの条件にも該当する。
表2記載の配合炭全体の水分を8mass%になるように調整し、この配合炭16kgを、嵩密度750kg/m3となるように乾留缶に充填し、その上に10kgの錘を乗せた状態で、炉壁温度1050℃の電気炉内で6時間乾留後、炉から取り出し窒素冷却し、コークスを得た。得られたコークスのコークス強度は、JIS K 2151の回転強度試験法に基づき、15rpm、150回転後の粒径15mm以上のコークスの質量割合を測定し、回転前との質量比をドラム強度DI150/15として算出した。さらに、CSR(熱間CO反応後強度、ISO18894法に準拠して測定)、マイクロ強度(MSI+65)の測定結果も示した。
ドラム強度の測定結果を表2に併せて示す。また、石炭Aならびに石炭Fの最大粒径とドラム強度との関係を図12に示す。どの粒度においても、上記(A)〜(D)に該当する石炭Fを配合した配合炭の方が、(A)〜(D)に該当しない石炭Aを配合した配合炭に比べて強度が低いことを確認した。したがって、本発明で測定した浸透距離の値は、強度に影響を及ぼす因子であり、かつ、従来因子では説明できない因子であることを確認した。また、上記(A)〜(D)に該当しない石炭Aを配合した配合炭と(A)〜(D)に該当する石炭Fを配合した配合炭の何れの場合も、石炭粒度を細かくすることで強度が向上することを確認した。特に上記(A)〜(D)に該当する石炭Fを配合した配合炭の場合、その石炭の粒度を細かくすることに伴う強度の向上が顕著に見られた。
また、特に石炭Fの粒度を、上記(A)〜(D)に該当しない石炭よりも細かくして配合する(配合炭F1)ことによって、強度低下を抑止できることが明らかとなった。なお、本発明において石炭の粒度を細かくするとは、その石炭の最大粒径を小さくしてもよいし、平均粒径を小さくしてもよい。また、特定の篩目より大きい粒子の含有率を減らす(すなわち、特定の篩目より小さい粒子の含有率を増やす)ようにしてもよい。
一般に、通常の実コークス炉の操業において、配合炭の粒度は、ある規定の篩目に配合炭を通過させた際の、全質量に対する篩上または篩下の質量割合で管理されている。したがって、配合炭を構成する銘柄毎に粒度を調整するのは困難である。そこで、上記(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材を配合してなる配合炭を実コークス炉で乾留する場合には、配合炭を構成する全ての石炭ないし粘結材の粒度を細かくする操業を行うことが現実的かつ有効であると考えられる。
本発明者らは、上記(A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材の配合率を種々変更して作製した配合炭を実コークス炉で乾留し、乾留後のコークス強度としてドラム強度DI150/15を測定し、配合炭の粒径6mm以上の割合とコークス強度との関係を調査した。
使用した配合炭の平均性状、乾留温度ならびに乾留後の炭中温度を表3に示す。配合炭の平均性状、乾留温度ならびに乾留後炭中温度の変動幅を少なくして、これらの因子がコークス強度に及ぼす影響を極力排除するようにした。
配合炭の粒径6mm以上の割合と測定したコークス強度との関係を図13に示す。図13が示すとおり、少なくとも上記(A)〜(D)のいずれかに該当する石炭ないし粘結材の配合率が8mass%〜12mass%と比較的多い場合には、粒径6mm以上の割合が増大し、石炭粒度が粗くなると、コークス強度が低下することを確認した。
本実施例から、少なくとも上記(A)〜(D)のいずれかに該当する石炭ないし粘結材を8mass%以上12mass%未満配合した配合炭であっても、前記配合炭全体の粒度を、粒径6mm以上の割合が5mass%以下になるまで細かくすることで、少なくとも上記(A)〜(D)のいずれかに該当する石炭をほとんど含まない配合炭並みの強度が得られることを確認した。これは、浸透距離の大きい石炭は図5に示したような粗大な欠陥を形成しやすいため、粒径の大きな石炭粒子の含有率を減らすことで粗大な欠陥の生成を抑止し、さらには図8に示した浸透を抑制する効果も加わってコークス強度の向上に顕著に寄与したものと考えられる。
したがって、少なくとも上記(A)〜(D)のいずれかに該当する石炭ないし粘結材を配合してなる配合炭を実コークス炉で乾留する場合には、その配合率毎に粒度と強度との関係を求めておき、強度の管理値を達成すると予想される粒度の管理値にしたがって操業を行うことで、強度の低下を抑制できる。従来、コークス強度が低下した場合、強度を向上させるためには比較的高価な強粘結炭を多く配合する必要があったため、製造コストの増大を招いていた。しかし、本発明を適用することで、コークス炉に装入する前の石炭事前処理条件の制御により強度低下を抑制できるため、強粘結炭配合によるコスト増大を回避することが可能となる。
1 試料
2 上下面に貫通孔を有する材料
3 容器
5 スリーブ
7 温度計
8 発熱体
9 温度検出器
10 温度調節器
11 ガス導入口
12 ガス排出口
13 膨張率検出棒
14 錘
15 変位計
16 円形貫通孔
17 充填粒子
18 充填円柱
19 (A)〜(D)に該当する石炭ないし粘結材
20 (A)〜(D)に該当しない石炭ないし粘結材
21 気孔
22 粗大な欠陥

Claims (12)

  1. 2種以上の石炭または、粘結材を含む2種以上の石炭を配合してなる配合炭を乾留し、コークスを製造する方法であって、
    前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を測定し、
    前記浸透距離が所定の管理値よりも高い石炭及び粘結材の少なくとも一部を、所定の粒度よりも細かくなるように粉砕してから配合する、
    ことを特徴とする、冶金用コークスの製造方法。
  2. 2種以上の石炭または、粘結材を含む2種以上の石炭を配合してなる配合炭を乾留し、コークスを製造する方法であって、
    前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を測定し、
    前記浸透距離が所定の管理値よりも高い石炭及び粘結材の平均粒度を、前記浸透距離が前記管理値よりも低い石炭及び粘結材の平均粒度よりも細かくなるように粉砕してから配合する、
    ことを特徴とする、冶金用コークスの製造方法。
  3. 2種以上の石炭または、粘結材を含む2種以上の石炭を配合してなる配合炭を乾留し、コークスを製造する方法であって、
    前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を予め測定し、
    前記浸透距離が所定の管理値よりも高い石炭及び粘結材を前記配合炭に配合する場合に、前記配合炭を構成する石炭及び粘結材全てを所定の粒度よりも細かくなるように粉砕してから配合する、
    ことを特徴とする、冶金用コークスの製造方法。
  4. 前記所定の粒度が、6mm以上の粒子の全体に占める割合が5mass%以下となるような粒度分布を持つ粒度であることを特徴とする、請求項1または請求項3に記載の冶金用コークスの製造方法。
  5. 前記浸透距離の所定の管理値が、下記式(1)にて規定されることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
    浸透距離=1.3×a×logMF (1)
    但し、aは、配合炭を構成する石炭及び粘結材のうち、logMF<2.5の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFを測定し、その測定値を用いて原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数の0.7から1.0倍の範囲の定数であり、
    logMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
  6. 前記浸透距離の所定の管理値が、下記式(2)にて規定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
    浸透距離=a’×logMF+b (2)
    但し、a’は、配合炭を構成する石炭及び粘結材のうち、logMF<2.5の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFを測定し、その測定値を用いて原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数の0.7から1.0倍の範囲の定数である。bは、前記回帰直線の作成に用いた試料を複数回測定した際の標準偏差の平均値以上で、前記平均値の5倍以下とする、定数であり、
    logMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
  7. 前記式(1)のaを求めるにあたり、1.75<logMF<2.50の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFの測定値を用いることを特徴とする請求項5に記載の冶金用コークスの製造方法。
    ここでlogMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
  8. 前記式(2)のa’を求めるにあたり、1.75<logMF<2.50の範囲にある石炭及び粘結材の少なくとも1種以上の浸透距離及びlogMFの測定値を用いることを特徴とする請求項6に記載の冶金用コークスの製造方法。
    ここでlogMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
  9. コークス製造に用いる配合炭中に含まれる石炭または粘結材の銘柄と前記各銘柄の石炭または粘結材の配合率を予め決定し、
    前記各銘柄の石炭または粘結材の浸透距離及びlogMFを測定し、配合炭に含まれるlogMFが3.0未満の各銘柄の石炭または粘結材の浸透距離と配合率から計算される加重平均浸透距離に対して2倍以上の値を前記浸透距離の管理値とする、
    ことを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
    ここでlogMFは、ギーセラー最高流動度MFの常用対数値である。
  10. 前記浸透距離の管理値を、石炭または粘結材試料を粒径2mm以下が100mass%となるように粉砕し、該粉砕試料を充填密度0.8g/cm3で、層厚が10mmとなるように容器に充填して試料とし、該試料の上に直径2mmのガラスビーズを浸透距離以上の層厚で配置し、ガラスビーズの上部から圧力50kPaとなるように荷重を負荷しつつ、昇温速度3℃/分で室温から550℃まで不活性ガス雰囲気下で加熱した場合の測定値で15mm以上とすることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
  11. 前記浸透距離が、前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記上下面に貫通孔を有する材料に一定荷重を負荷させつつ前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を測定することにより行われることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
  12. 前記浸透距離が、前記配合炭を構成する各石炭及び粘結材を試料として容器に充填し、前記試料の上に上下面に貫通孔を有する材料を配置し、前記上下面に貫通孔を有する材料を一定容積に保ちつつ前記試料を加熱し、前記貫通孔へ浸透した前記試料の浸透距離を測定することにより行われることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の冶金用コークスの製造方法。
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