JP2012070868A - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Abstract

【課題】装着時に臀部に余りが発生すといった事態や、排泄物の吸収後に股間部が過度に垂れ下がったりするといった事態が発生し難いものでありながら、凹凸や皺が殆ど無い良好な見栄えを有する、使い捨ておむつを提供する。
【解決手段】上記課題は、吸収体56よりも裏面側に、吸収体56の一方の側縁近傍から他方の側縁近傍までの幅を有する弾性伸縮シート25が、少なくとも股間部からその後側部分までの前後方向範囲にわたり、縦方向に120〜200%の伸長率で伸張された状態で固定されている、ことを特徴とする使い捨ておむつにより解決される。
【選択図】図2

Description

本発明は、使い捨ておむつに関するものである。
乳幼児用の使い捨ておむつには、主に大別してテープタイプと、パンツタイプとがあり、一般に、ハイハイをし出す前はテープタイプが使用し易く、その後はパンツタイプが使用し易い。
一般的なパンツタイプ使い捨ておむつは、前身頃及び後身頃を有する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、吸収体を含む内装体とを備え、外装シートの前身頃と後身頃とが両側部において接合されることにより、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成されているものである。
パンツタイプ使い捨ておむつにおいては、身体へのフィット性を向上させるために、外装シートに、種々の弾性伸縮部材を伸長状態で固定することが行われており、ウエスト開口部の縁部において幅方向に沿うウエスト縁部弾性伸縮部材、ならびにウエスト縁部弾性伸縮部材よりも股間側において幅方向に沿うウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材を設けることが、広く採用されている。この他に、前身頃及び後身頃において脚開口部に沿うように湾曲する脚付根部弾性伸縮部材を備えているものが知られている。
一方、テープタイプ使い捨ておむつは、パンツタイプ使い捨ておむつと比べて胴回り方向のフィット性に劣るため、これを改善するために、背側部分のウエスト部に幅方向に沿って弾性伸縮する背側弾性伸縮部材を設けたり、ファスニングテープに弾性伸縮する部材を設けたり、両側部における股間部を含む前後方向範囲に脚付根部弾性伸縮部材を設けたりすることが知られている。
ただし、これら従来の使い捨ておむつは、装着時に臀部に余りが発生し、この余りがもこもことして装着感が悪化したり、排泄物の吸収後に股間部が過度に垂れ下がったりするという問題点があった。
この問題点を解決するものとして、糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材を用いて、内装体における吸収体よりも外側に、縦方向に沿う縦方向弾性伸縮部材を幅方向に間隔を空けて複数本設けること(特許文献1〜3参照)が提案されている。このような縦方向弾性伸縮部材を備えると、その収縮力により、内装体が持上げられて身体に対するフィット性が向上するようになる。
特開2005−204744号公報 特開2004−329386号公報 特開2008−188050号公報
しかし、このような縦方向弾性伸縮部材を設けると、その部分のみが収縮することにより、縦方向に沿う凹溝が形成され、見栄えが不格好になるという問題点を有していた。
そこで、本発明の主たる課題は、装着時に臀部に余りが発生すといった事態や、排泄物の吸収後に股間部が過度に垂れ下がったりするといった事態が発生し難いものでありながら、凹凸や皺が殆ど無い良好な見栄えを有する、使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
前後方向中央を含む前後方向範囲である股間部と、前後方向中央より前側に延在する前身頃と、前後方向中央より後側に延在する後身頃と、前身頃から後身頃まで延在する吸収体と、吸収体の表面側を覆う液透過性トップシートと、吸収体の裏面側を覆う液不透過性シートとを備え、
前記吸収体よりも裏面側に、前記吸収体の一方の側縁近傍から他方の側縁近傍までの幅を有する弾性伸縮シートが、少なくとも股間部からその後側部分までの前後方向範囲にわたり、縦方向に120〜200%の伸長率で伸張された状態で固定されている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように弾性伸縮シートが低伸長率で設けられていると、その幅方向全体にわたり縦方向収縮力が均一に作用するため、凹凸や皺が殆ど無い良好な見栄えとなる。しかも、このような低伸長率であっても、十分に広い幅方向範囲にわたり面状に収縮力が作用するため、内装体が全体的に持上げられて身体に対するフィット性が向上し、装着時の臀部の余りや、吸収後の股間部の垂れ下がりは従来以上に防止できるようになる。なお、伸長率とは自然長を100%とした値を意味する。
<請求項2記載の発明>
少なくとも前記後身頃における幅方向両側部に、胴回り弾性伸縮部材が幅方向に伸長された状態で固定されており、この胴回り弾性伸縮部材と前記弾性伸縮シートの後端部とが重なるように配置されている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、胴回り弾性伸縮部材と弾性伸縮シートの後端部とが重なるように配置されていると、後身頃における胴回り弾性伸縮部材によるフィット部分を支えとして、弾性伸縮シートの持上げ作用が発揮されるため、弾性伸縮シートによる持ち上げ作用が向上し、装着時の臀部の余りや、吸収後の股間部の垂れ下がりをより一層効果的に防止できるようになる。
<請求項3記載の発明>
前記弾性伸縮シートの後端部が、胴回り弾性伸縮部材の表裏いずれか一方側からウエスト側を回り込んで他方側に折り返されている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、弾性伸縮シートの後端部が胴回り弾性伸縮部材に掛け止められていると、胴回り弾性伸縮部材が弾性伸縮シートの後端部をより強固に支えることができる。よって、弾性伸縮シートによる持ち上げ作用が更に向上し、装着時の臀部の余りや、吸収後の股間部の垂れ下がりをより一層効果的に防止できるようになる。
<請求項4記載の発明>
前記弾性伸縮シートは、前記股間部の幅方向中央部にくり抜き部を有するとともに、前記股間部の両側部に脚周りに沿う括れ部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
吸収体の裏面側に弾性伸縮シートを縦方向伸長状態で設けると、弾性伸縮シートを有する部位には縦方向の収縮力が作用するため、吸収体の股間部に幅方向に沿う畝状の隆起が形成される等の変形を生じたり、吸収体の股間部が収縮により硬くなり、脚周りに対するフィット性が低下したりするおそれがある。これに対して、上述のようなくり抜き部及び括れ部を設けると、股間部における吸収体の変形やフィット性の低下を防止できるようになる。
<請求項5記載の発明>
前記液不透過性シートが前記弾性伸縮シートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
このように、液不透過性シートの素材として弾性伸縮素材を用いることにより、本発明の弾性伸縮シートを構成すれば、別途弾性伸縮シートを張り付ける必要がなくなり、製造が容易になり、製造コストを低減できるとともに、別体の弾性伸縮シートの追加による通気性の低下も回避することができる。
<請求項6記載の発明>
前記前身頃及び後身頃を構成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、前記吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されることにより、胴回り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであって、前記内装体における前記吸収体よりも裏面側に、前記弾性伸縮シートが設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
本発明の弾性伸縮シートは、このようなパンツタイプ使い捨ておむつの内装体に設けることが好ましい。すなわち、このようなパンツタイプ使い捨ておむつでは内装体を外装シートとは別ラインで製造することができ、その際のラインの搬送方向(MD方向)が内装体の縦方向となるため、弾性伸縮シートを縦方向伸長状態で取り付けることが容易となり、既存の設備で容易に製造することが可能となる。
以上のとおり、本発明によれば、装着時に臀部に余りが発生すといった事態や、排泄物の吸収後に股間部が過度に垂れ下がったりするといった事態が発生し難いものでありながら、凹凸や皺が殆ど無い良好な見栄えを有するようになる、等の利点がもたらされる。
パンツタイプ使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 内装体の要部を示す、展開状態における平面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの要部のみを示す、断面図である。 パンツタイプ使い捨ておむつの斜視図である。 各種の内装体を示す、展開状態における平面図である。 他の例における図1の5−5断面相当の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ詳説する。
図1〜図8は、パンツタイプ使い捨ておむつの一例100を示している。このパンツタイプ使い捨ておむつ100は、製品外面(裏面)をなす外装シート12と、外装シートの内面に貼り付けられた内装体200とから構成されているものである。内装体200は、尿等の排泄物等を吸収保持する部分であり、外装シート12は着用者に装着するための部分である。なお、断面図における点模様部分は各構成部材を接合する接合部分を示しており、ホットメルト接着剤などのベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより形成されるものである。なお、「前後方向(縦方向)」とは展開状態で腹側(前側)と背側(後側)を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向(左右方向)を意味する。
(内装体)
内装体200は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体200は、図3〜図5に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート11と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えているものであり、吸収機能を担う本体部である。符号40は、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に設けられた中間シート(セカンドシート)を示しており、符号60は、内装体200の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体200の両側に設けられた、身体側に起立するバリヤーカフス60を示している。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであり、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
バリヤーカフス60を設ける場合、表面シート30の両側部は、液不透過性シート11とバリヤーカフス60との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート11及びバリヤーカフス60に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収体へ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、中間シート(「セカンドシート」とも呼ばれている)40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収体へ移行させて吸収体による吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収体からの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収体56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収体56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。
(液不透過性シート)
液不透過性シート11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂等からなるプラスチックフィルムや、不織布の表面にプラスチックフィルムを設けたラミネート不織布、プラスチックフィルムに不織布等を重ねて接合した積層シートなどを例示することができる。液不透過性シート11には、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材を用いることが好ましい。透湿性を有するプラスチックフィルムとしては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性プラスチックフィルムが広く用いられている。このほかにも、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、プラスチックフィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート11として用いることができる。
液不透過性シート11は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート11の内側、特に吸収体56側面に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータを設けることができる。
(バリヤーカフス)
バリヤーカフス60は、内装体200の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を遮断し、横漏れを防止するために設けられているものである。本実施の形態のバリヤーカフス60は、内装体200の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、バリヤーカフス60は、内装体200の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸長状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。バリヤーカフス60のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体200の側縁部の裏面に固定された取付部分65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分)とされている。また、突出部分66のうち前後方向両端部は、取付部分65から内装体200の側部を通り表面シート30の側部表面まで延在し且つこの表面シート30の側部表面に対してホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる。突出部分のうち前後方向中間部は非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸長状態で固定されている。
バリヤーシート62としてはスパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは470〜1240dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示のように、二つに折り重ねたバリヤーシートの間に防水フィルムを介在させることもできる。
バリヤーカフス60の自由部分に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。
バリヤーカフス60の取付部分65の固定対象は、内装体200における表面シート30、液不透過性シート11、吸収要素50等適宜の部材とすることができる。
かくして構成されたバリヤーカフス60では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図3に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分65が内装体200の裏面側に位置していると、股間部及びその近傍においてバリヤーカフス60が幅方向外側に開くように起立するため、バリヤーカフス60が脚周りに面で当接するようになり、フィット性が向上するようになる。
バリヤーカフス60の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、バリヤーカフス60の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、バリヤーカフス60をトップシート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
なお、図示形態と異なり、内装体200の左右各側においてバリヤーカフスを二重に(二列)設けることもできる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収体56と、この吸収体56の全体を包む包装シート58とを有する。包装シート58は省略することもできる。
(吸収体)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収体56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
吸収体56は長方形形状でも良いが、図6にも示すように、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有する砂時計形状を成していると、吸収体56自体とバリヤーカフス60の、脚回りへのフィット性が向上するため好ましい。
また、吸収体の寸法は適宜定めることができるが、前後方向及び幅方向において、内装体の周縁部又はその近傍まで延在しているのが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
吸収体56には、その一部又は全部に高吸収性ポリマー粒子を含有させることができる。高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収体56内に供給された液が吸収体56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収体56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収体56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収体56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収体56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包装シート)
包装シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMS不織布(SMS、SSMMS等)が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレン複合材などを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
包装シート58の包装形態は適宜定めることができるが、製造容易性や前後端縁からの高吸収性ポリマー粒子の漏れ防止等の観点から、吸収体56の表裏面及び両側面を取り囲むように筒状に巻き付け、且つその前後縁部を吸収体56の前後から食み出させ、この食み出し部分を表裏方向に潰してホットメルト接着剤等の接合手段により接合する形態が好ましい。
(外装シート)
外装シート12は、前後方向中央から腹側に延在する前身頃Fを構成する部分と、前後方向中央から背側に延在する後身頃Bを構成する部分とを有し、これら前身頃Fの両側部と後身頃Bの両側部とが接合されて、図8に示すように、装着者の胴を通すためのウエスト開口部WO及び脚を通すための左右一対の脚開口部LOが形成されているものである。符号12Aは接合部分を示している(以下、この部分をサイドシール部ともいう)。なお、股間部とは、前後方向中央を含む前後方向範囲であり、装着時に股間に位置する部分を意味する。
外装シート12は、ウエスト開口部WOから脚開口部LOの上端に至る前後方向範囲として定まる胴周り部Tと、脚開口部LOを形成する部分の前後方向範囲(前身頃Fのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と後身頃Bのサイドシール部12Aを有する前後方向領域と間)として定まる中間部Lとを有する。胴周り部Tは、概念的にウエスト開口部の縁部を形成する「ウエスト縁部」Wと、これよりも下側の部分である「ウエスト下部」Uとに分けることができる。これらの縦方向の長さは、製品のサイズによって異なり、適宜定めることができるが、一例を挙げると、ウエスト縁部Wは15〜40mm、ウエスト下部Uは65〜120mmとすることができる。一方、中間部Lの両側縁は被着者の脚周りに沿うように括れており、ここが着用者の脚を入れる部位となる。この結果、外装シート12は、全体としては略砂時計形状をなしている。外装シート12の括れの程度は適宜定めることができ、図1〜図8に示す形態のように、すっきりとした外観とするために最も幅が狭い部分では内装体200の幅より狭くすることが好ましいが、最も幅が狭い部分でも内装体200の幅以上となるように定めてもよい。
外装シート12は、図3〜図5に示されるように、二枚のシート基材12S,12Hをホットメルト接着剤等の接着剤により張り合わせて形成されるものであり、内側に位置する内側シート基材12Hはウエスト開口部WOの縁までしか延在していないが、外側シート基材12Sは内側シート基材12Hのウエスト側の縁を回り込んでその内側に折り返されており、この折り返し部分12rは内装体200のウエスト側端部上までを被覆するように延在されている。
シート基材12S,12Hとしては、シート基材であれば特に限定無く使用できるが、不織布であるのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維(芯鞘構造やサイドバイサイド構造等)などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。不織布を用いる場合、構成繊維の繊度は1.0〜3.0dtex程度、坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。また、後述する伸縮不織布を用いるのも好ましい形態であり、その場合、次述の細長状弾性伸縮部材15〜19の一部又は全部を省略することもできる。
そして、外装シート12には、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シート基材12S,12H間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸長率で設けられている。細長状弾性伸縮部材15〜19としては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。外装シート12の両シート基材12S,12Hの貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定には種々の塗布方法によるホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、後身頃B及び前身頃Fのウエスト端部(上端部)Wにおける内側シート基材12Hの内側面と外側シート基材12Sの折り返し部分12rの外側面との間には、幅方向全体にわたり連続するように、複数のウエスト縁部弾性伸縮部材17が縦方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。また、ウエスト縁部弾性伸縮部材17のうち、ウエスト下部Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、内装体200と重なっていてもよいし、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。このウエスト縁部弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸長率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、ウエスト縁部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸長率にする必要はなく、例えばウエスト縁部Wの上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸長率が異なるようにしてもよい。
また、前身頃F及び後身頃Bのウエスト下部Uにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなるウエスト下部弾性伸縮部材15,19が複数本、縦方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
ウエスト下部弾性伸縮部材15,19としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸長率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、前身頃F及び後身頃Bの中間部Lにおける内側シート基材12Hの外側面と外側シート基材12Sの内側面との間には、内装体200と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、細長状弾性伸縮部材からなる中間部弾性伸縮部材16が複数本、縦方向に間隔を空けて、かつ所定の伸長率で幅方向に沿って伸長された状態で固定されている。
中間部弾性伸縮部材16,18としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸長率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
なお、図示のように、ウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材15,19,16,18が、内装体200と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体200が幅方向に必要以上に収縮することがなく、モコモコと見た目が悪かったり吸収性が低下したりすることがない。この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、内装体200と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が細かく切断され、収縮力が作用せず(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)に、その幅方向両側のみが収縮力作用部分として構成されている形態も含まれる。もちろんウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材15,19,16,18の配設形態は上記例に限るものではなく、ウエスト下部Uの幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、ウエスト下部弾性伸縮部材及び中間部弾性伸縮部材15,19,16,18の一部または全部を、内装体200を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
(外装シート分割構造)
上述の例では、前身頃Fから後身頃Bまでを一体的な外装シート12により連続的に覆っているが、外装シートが、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとに分割されており、腹側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シートの幅方向中央部内面に内装体の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シートと背側外装シートとが股間側で連続しておらず、離間されている形態も採用することができる。この離間距離は150〜250mm程度とすることができる。この場合、内装体における液不透過性シートの裏面には、内装体の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シートと背側外装シートとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シートを固定することもできる。股間部外装シートとしては、前述した外装シートに用いられるものと同様の資材を用いることができる。股間部外装シートも本発明の外装シートに相当する。
(後処理テープ)
外装シート12の後身頃Bの外面における幅方向中央部には、後処理テープ70(固定手段)が設けることができる。後処理テープ70は、おむつ100を表面シート30が内側に且つ前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ状態で固定するためのものである。一般的な後処理テープ70は、図5に示すように、基端部71が外装シート12の外面に接着剤等により固定されるとともに、この基端部71よりも先端側の部分は三つ折り(断面Z字状)や二つ折りで折り畳まれて、折り重なり部分間が仮止め接着剤72により剥離可能に固定(仮固定)されている。また、先端部に白色等の不透明色に着色された摘み部73を有するとともに、この摘み部73を除く部分が透明または半透明であり、この後処理テープ70における透明または半透明の部分を通して、後処理テープ70の外面側から後述するデザインが視認可能になっている。具体的な構造は適宜構成することができるが、図示形態では、全体を透明又は半透明の複数の基材を長手方向に連結して形成するとともに、摘み部73に着色テープ74を張り合わせた構造を採用している。
廃棄時には、おむつ100を表面シート30が内側になるとともに前身頃Fが内側となるように丸め若しくは折り畳んだ後、後処理テープ70の折り重なり部分を剥離して展ばし、丸めた若しくは折り畳んだおむつ100の後身頃Bからウエスト開口部WOを越えて反対側の外面まで巻き付けるようにして接着剤により固定する。後処理テープ70は、不使用時にはコンパクトに折り畳まれ、使用時には長尺状に展開できる三つ折り形状のものが特に好適である。
後処理テープ70等の固定手段は、前身頃Fに設けてもよく、後身頃Bと前身頃Fの両方に設けてもよい。
(弾性伸縮シート)
液不透過性シート11と外装シート12との間には、吸収体56の一方の側縁近傍から他方の側縁近傍までの幅を有する弾性伸縮シート25が、吸収体56の前端部近傍から後端部近傍までの前後方向範囲にわたり、縦方向に120〜200%の伸長率で伸張された状態で固定されている。この固定は、ホットメルト接着剤のベタ、ビード、カーテン、サミットまたはスパイラル塗布などにより行うことができる。弾性伸縮シート25は、横方向には10%以下、好ましくは5%以下、より好ましくは実質的に伸長していない(換言すれば縦方向にのみ伸長されている)ことが好ましい。このように弾性伸縮シート25が縦方向に低伸長率で設けられていると、その幅方向全体にわたり縦方向収縮力が均一に作用するため、凹凸や皺が殆ど無い良好な見栄えとなる。しかも、このような低伸長率であっても、十分に広い幅方向範囲にわたり面状に収縮力が作用するため、内装体200が全体的に持上げられて身体に対するフィット性が向上し、装着時の臀部の余りや、吸収後の股間部の垂れ下がりは従来以上に防止できるようになる。
弾性伸縮シート25は吸収体56と重なる範囲内にのみ設ける他、吸収体56の周縁からはみ出すように設けることもできる。後者の場合、弾性伸縮シート25が吸収体56と重ならない部分まで設けられていると、その部分が吸収体56と重なる部分よりも大きく収縮し、部位によっては見栄えに影響するが、前者の場合はそのようなことはない。もっとも、後者の場合であっても、弾性伸縮シート25の両側部を少なくとも股間部において吸収体56の側縁からはみ出させて、当該はみ出し部分の縦方向収縮により脚周りに対するフィット性を向上させる等、応用の仕方によっては好ましい形態となる。
弾性伸縮シート25の素材としては、弾性を有するゴム又はプラスチックのフィルムやいわゆる伸縮不織布を用いることができる。伸縮不織布としては、縦方向及び横方向に1.5〜3倍程度伸長するものが好ましく、縦方向及び横方向に2倍伸長した時の応力は幅40mmあたり1〜5N(チャック間80mm、負荷速度500mm/分)程度のものが好ましい。また、伸縮不織布の繊維目付は20〜100g/m2程度のものが好ましく、厚みは1mm以下であるのが好ましい。不織布の製法は特に限定されないが、エアスルー法、スパンボンド法、スパンレース法によるものが好ましい。伸縮不織布は一枚で使用する他、複数枚張り合わせて使用することもできる。
弾性伸縮シート25は、表裏方向の通気性を有するものが好ましく、液透過性を有するものの他、液透過性を有しないものも用いることができる。通気性の弾性伸縮シート25は表裏方向に貫通する通気孔を備えているため、蒸れ防止効果だけでなく、柔軟性も向上する利点がある。またこのような通気孔は、例えば弾性伸縮シート25の基材に打ち抜き加工を施して形成する他、弾性伸縮シート25の製造に際して、弾性伸縮素材の原料(樹脂やゴム等)中に微粒子充填材を混練してシートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して微粒子充填材をシートから脱落させて空孔を残す方法により形成することができる。
また、弾性伸縮シート25として液透過性を有しない素材を用いる場合は、その素材を液不透過性シート11に用いて、液不透過性シート11を本発明の弾性伸縮シートとして構成するのも好ましい(図示略)。これにより、別途弾性伸縮シート25を張り付ける必要がなくなり、製造が容易になり、製造コストを低減できるとともに、別体の弾性伸縮シート25の追加による通気性の低下も回避することができる。
弾性伸縮シート25を設ける前後方向範囲は、少なくとも股間部からその後側部分までの範囲であれば足りるが、股間部の前側から後側までの範囲に設けると腹側への持上げ作用も発揮されるため好ましい。より具体的には、展開状態のおむつにおける吸収体56の前端を0%、後端を100%としたとき、弾性伸縮シート25の前端は−20〜+20%、特に−10〜+10%の範囲に位置しているのが好ましく、弾性伸縮シート25の後端は+80〜+120%、特に+90〜+110%の範囲に位置しているのが好ましい。また、弾性伸縮シートは、その収縮力が実質的に前後方向に連続的に作用する限り、複数の素材を継ぎ合わせて構成することもできる。
弾性伸縮シート25を設ける幅方向範囲は、吸収体56の一方の側縁近傍(側縁の外側及び内側の両方を含む。以下同じ。)から他方の側縁近傍までであれば特に限定されないが、展開状態のおむつにおける吸収体56の一方の側縁を0とし、他方の側縁を100としたとき、弾性伸縮シート25の一方の側縁は−15〜+15%、特に−10〜10%の範囲に位置しているのが好ましく、弾性伸縮シート25の他方の側縁は+85〜+115%%、特に+90〜+110%の範囲に位置しているのが好ましい。また、弾性伸縮シート25は、その収縮力が実質的に幅方向に連続的に作用する限り、複数の素材を継ぎ合わせて構成することもできる。
図6に示すように、弾性伸縮シート25の前後端部(少なくとも後端部)は、胴回り部Tに幅方向伸長状態で設けられる弾性伸縮部材15,19と重なるように配置されていると好ましい。図6に示す例では、弾性伸縮シート25の前後両端部における両側部が、ウエスト下部弾性伸縮部材15,19の幅方向中央側の端部と重なるように配置されているが、これに代えて又はこれとともにウエスト縁部弾性伸縮部材17と重なるように配置しても良い。また、図示例のように、弾性伸縮シート25の両側部のみ重なる形態が好ましいが、ウエスト縁部弾性伸縮部材17のように幅方向に連続する弾性伸縮部材と弾性伸縮シート25とを重ねる場合等は、弾性伸縮シート25の幅方向全体が重なる形態としても良い。これにより、後身頃Bにおける胴回り弾性伸縮部材によるフィット部分を支えとして、弾性伸縮シート25の持上げ作用が発揮されるため、弾性伸縮シート25による持ち上げ作用が向上し、装着時の臀部の余りや、吸収後の股間部の垂れ下がりをより一層効果的に防止できるようになる。
他方、弾性伸縮シート25の形状は、トリムロスを抑える点では図9(a)及び(b)に示す例のように前端と後端とを共通の形状とし、かつ側縁は直線状とするのが好ましいが、図6、図9(c)及び(d)に示すように他の形状を採用することもできる。なお、図9(b)に示す形態は、後端が弧状に張り出す形状であるため臀部の膨らみに対するフィット性が向上する利点を有する。
吸収体56の裏面側に弾性伸縮シート25を縦方向伸長状態で設けると、弾性伸縮シート25を有する部位には縦方向の収縮力が作用するため、吸収体56の股間部に幅方向に沿う畝状の隆起が形成される等の変形を生じたり、吸収体56の股間部が収縮により硬くなり、脚周りに対するフィット性が低下したりするおそれがある。そこで、図6、図9(c)及び(d)に示すように、股間部の幅方向中央部にくり抜き部25Cを設けるのは好ましい。くり抜き部25Cの形状は適宜定めることができ、図6に示すように矩形とする他、図9(c)に示すように後側に向かうにつれて幅が狭くなる台形としたり、図9(d)に示すように菱形としたりすることができる。また、これに代えて又はこれとともに、図6、図9(c)及び(d)に示すように、股間部の両側部に脚周りに沿う括れ部25Nを形成するのも好ましい。このようなくり抜き部25Cや括れ部25Nを設けると、股間部における吸収体56の変形やフィット性の低下を防止できるようになる。
(その他)
(a)弾性伸縮シート25は、吸収体56の裏面側である限り、吸収体56と液不透過性シート11との間の他、図10に示すように、外装シート12のシート基材12S,12H間に設けることもできる。
(b)図10に示すように、弾性伸縮シート25の前後両端部(少なくとも後端部)は、胴回り部Tに幅方向伸長状態で設けられる弾性伸縮部材の表裏いずれか一方側からウエスト側を回り込んで他方側に折り返されて、掛け止められていると好ましい。図10に示す例では、弾性伸縮シート25の前後両端部が、ウエスト縁部弾性伸縮部材17に掛け止められているが、これに代えてウエスト下部弾性伸縮部材15,19に掛け止めるように構成しても良い。これにより、弾性伸縮シート25の前後端部をより強固に支えることができる。よって、弾性伸縮シート25による持ち上げ作用が更に向上し、装着時の臀部の余りや、吸収後の股間部の垂れ下がりをより一層効果的に防止できるようになる。
(c)上記例は、パンツタイプ使い捨ておむつへの適用例であるが、テープタイプ使い捨ておむつにも適用することができる。
本発明は、使い捨ておむつに利用できるものである。
11…液不透過性シート、12…外装シート、12r…折り返し部分、25…弾性伸縮シート、200…内装体、30…トップシート、40…中間シート、50…吸収要素、56…吸収体、58…包装シート、60…側部バリヤーカフス、62…バリヤーシート。

Claims (6)

  1. 前後方向中央を含む前後方向範囲である股間部と、前後方向中央より前側に延在する前身頃と、前後方向中央より後側に延在する後身頃と、前身頃から後身頃まで延在する吸収体と、吸収体の表面側を覆う液透過性トップシートと、吸収体の裏面側を覆う液不透過性シートとを備え、
    前記吸収体よりも裏面側に、前記吸収体の一方の側縁近傍から他方の側縁近傍までの幅を有する弾性伸縮シートが、少なくとも股間部からその後側部分までの前後方向範囲にわたり、縦方向に120〜200%の伸長率で伸張された状態で固定されている、
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 少なくとも前記後身頃における幅方向両側部に、胴回り弾性伸縮部材が幅方向に伸長された状態で固定されており、この胴回り弾性伸縮部材と前記弾性伸縮シートの後端部とが重なるように配置されている、請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記弾性伸縮シートの後端部が、胴回り弾性伸縮部材の表裏いずれか一方側からウエスト側を回り込んで他方側に折り返されている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記弾性伸縮シートは、前記股間部の幅方向中央部にくり抜き部を有するとともに、前記股間部の両側部に脚周りに沿う括れ部を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記液不透過性シートが前記弾性伸縮シートである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記前身頃及び後身頃を構成する外装シートと、この外装シートの内面に固定された、前記吸収体を含む内装体とを備え、前身頃における外装シートの両側部と後身頃における外装シートの両側部とがそれぞれ接合されることにより、胴回り部が環状に形成されるとともに、ウエスト開口部及び左右一対の脚開口部が形成された、パンツタイプ使い捨ておむつであって、前記内装体における前記吸収体よりも裏面側に、前記弾性伸縮シートが設けられている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
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