以下、本発明の好ましい一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。ここでは遊技媒体に遊技メダルを用いる回胴式遊技機を例にする。
[第1実施形態]
<機械的構成:図1、図2>
図1は、本発明の第1実施形態に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
本実施形態に係る回胴式遊技機は、遊技機本体として、図1に示すように、遊技に供する各種遊技部品を収納するための遊技機筐体1と、遊技機筐体1の前面側に開閉自在に取り付けられた前扉2とを備えている。
前扉2には、そのほぼ中央に第1の表示窓3が、またその上側に第2の表示窓4が設けられている。
下側の第1の表示窓3は回胴視認部であり、回胴装置210の横並びに3個配設された回胴5a、5b、5c(以下、必要に応じて、回胴5aを「左回胴5a」、回胴5bを「中回胴5b」、回胴5cを「右回胴5c」と称する)が、この回胴視認部3に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。これら回胴5a、5b、5cの停止時の図柄の組合せにより遊技結果が導出表示されるようになっている。
回胴5a、5b、5cのそれぞれには、その外周に複数種類の図柄が表示された図柄配列帯が形成されている。これらの回胴5a、5b、5cは、それぞれパルスモータからなる回胴駆動モータ211a、211b、211c(図3参照)により回転駆動され、これにより、各図柄が変動表示される。なお、各回胴は、回胴駆動モータのような電気的駆動源を用いて物理的に回転または停止が行われる回胴に限定されず、後述する液晶表示装置6のような画像表示装置に表示され、画像上で回転または停止が行われるような演出的な回胴であっても良い。また、回胴の数は3個に限定されるものではなく、2個、4個など、何個配設されていても良い。
図2に、各回胴5a、5b、5cが有する図柄配列帯200を例示する。図示の「1ST」の図柄配列帯は左回胴5aに、「2ND」の図柄配列帯は中回胴5bに、「3RD」の図柄配列帯は右回胴5cに対応している。
図柄配列帯200には、内部抽選により当選した役(以下、「当選役」とも称する)に対応する図柄の組合せを構成するための図柄(構成要素図柄)が複数種類表示されている(内部抽選の対象となる役の種類(当選役種別)および当選役に対応する図柄の組合せについての詳細は後述する)。図柄配列帯200における図柄の種類には、赤7(参照符号31)、リプレイ(参照符号32)、ベル(参照符号33)、スイカ(参照符号34)、チェリー(参照符号35)、BAR(参照符号36)、ブランク(参照符号37)の計7種類の図柄が採用され、これらの図柄が回胴の回転方向に計21コマ配置され、図柄の並び順に沿って0番〜20番のコマ番号(図柄番号)が割り当てられている。
図1を再び参照して、回胴視認部3には、左上から右下に斜めに横断する入賞ラインと、左下から右上に斜めに横断する入賞ラインと、上段を水平方向に横断する入賞ラインと、中段を水平方向に横断する入賞ラインと、下段を水平方向に横断する入賞ラインの計5本の入賞ライン3aが施されており、いわゆる「5ライン」機の構成となっている。これらの入賞ラインは、単位遊技(1ゲーム)に対する賭け数(ベット(BET)数)に応じて有効として扱われるライン数が変化する。この有効とされた入賞ライン(以下、「有効入賞ライン」と称する)上で、3つの回胴5a、5b、5cが停止した際の停止図柄の組合せが、当選役に対応する図柄の組合せと一致したことを条件に、その図柄の組合せに応じた遊技価値が遊技者に付与される。たとえば、所定枚数(たとえば、9枚)の遊技メダルの払い出しを伴う役が内部抽選により当選(内部当選)し、これに対応する図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止した場合(図柄の組合せについて遊技メダルなどの遊技価値を獲得するために必要な組合せとしてあらかじめ定められたものが遊技結果として導出表示された場合)、遊技機筐体1内のホッパーユニット500(メダル払出装置:図3参照)が作動し、配当として当該所定枚数分の遊技メダルの払い出しが行われる。この遊技メダルは、遊技者が遊技を開始する際に必要なものであり、遊技価値を有するものといえる。
回胴視認部3の上側に設けられた第2の表示窓4は液晶画面視認部であり、前扉2の裏側に装着された画像表示装置としての液晶表示装置6(LCDユニット)の表示画面(液晶画面)6aに対応して、たとえば、回胴視認部3よりも少し小さい矩形状に形成されている。この液晶画面6aが液晶画面視認部4に臨ませて、遊技者側から視認し得るように設けられている。液晶画面6aには、遊技に関連する様々な演出が画像により表示される。なお、本実施形態では液晶表示装置6により画像表示装置を構成しているが本発明はこれに限られない。たとえば、画像表示装置として、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、電子ペーパディスプレイ、または有機ELディスプレイ(OELD:Organic ElectroLuminescent Display)などを採用しても良い。また画像表示装置に限らず、7セグメント、LEDなどを用いた表示装置を画像表示装置に替えて採用しても良い。
また、回胴視認部3の左右両側には、遊技に関する演出を光の装飾により現出する装飾ランプ部13が設けられている。装飾ランプ部13は、LED(発光手段)を内蔵し、その発光色の種類や発光態様(点滅、点灯、消灯など)による光演出効果を発揮する。
また、回胴視認部3の下方の段部には、遊技媒体である遊技メダルを投入するためのメダル投入口7と、貯留装置(遊技機に投入された遊技メダル、または入賞によって獲得した遊技メダルを貯留して、その貯留数を電磁的方法によって記憶可能とする機能部(いわゆる「クレジット機能」):図示せず)にクレジットされた範囲内において、1ゲームに対して許容される賭け数の上限値(1ゲームに対して投入可能な遊技メダル数(最大賭数)。本実施形態は、遊技メダル3枚が最大賭数となっている)まで遊技メダルを一度に擬似投入し得るMAXベットボタン8、押した回数に応じて上記賭け数の上限値まで遊技メダルを加算的に擬似投入し得る1ベットボタン9、クレジット精算を行うための貯留メダル精算ボタン10などが設けられている。
また、回胴視認部3の上記段部の下側に横長状に設けられた操作パネル部14には、メダル投入口7内に詰まったメダルを返却させるための返却ボタン15、回胴5a、5b、5cの回転を開始させるための回胴回転始動レバー11、各回胴5a、5b、5cの回転を個別に停止させるための3個の回胴回転停止ボタン12a、12b、12c(左回胴停止ボタン12a、中回胴停止ボタン12b、右回胴停止ボタン12c)が設けられている(以下、これら回胴回転停止ボタンを、単に「回胴回転停止ボタン12」と総称する場合がある)。
なお、上記したMAXベットボタン8、1ベットボタン9、貯留メダル精算ボタン10、回胴回転始動レバー11、および回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのそれぞれには、これらが操作されたときの操作検出情報(検出信号)を生成するスイッチ(MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9a、貯留メダル精算スイッチ10a、回胴回転始動スイッチ11a(始動スイッチ)、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’(停止スイッチ):図3参照)が設けられている。また、メダル投入口7の内部には、投入された遊技メダルを検出するメダル検出センサ(メダル検出センサ7a:図3参照)が設けられている。
操作パネル部14の下方には、遊技機の魅力をアピールするための色彩や絵柄が施され装飾パネル部17が設けられている。
また、装飾パネル部17の下方には、前扉2と一体的に装着された横長状のメダル受け皿18が設けられ、このメダル受け皿18には、ホッパーユニット500(図3参照)から払い出された遊技メダルや返却された遊技メダルを前側に排出するための遊技メダル払出口19が開口している。
さらにまた、前扉2の前扉上部両側と前扉下部両側には、遊技に関する効果音を外部に出力する音響出力部としてのスピーカ16が設けられている。
なお、図示はしていないが、遊技者が視認し易い位置(たとえば、回胴視認部3近傍の位置)に、または遊技機1の適所に、現在の賭け数(遊技メダル投入枚数)を表示する遊技メダル投入枚数表示部、クレジット数を表示する遊技メダル貯留枚数表示部、回胴回転始動レバー11の操作が有効な状態になったことを報知する遊技開始表示部、遊技結果に応じて払い出される遊技メダルの枚数を報知する遊技メダル払出枚数表示部、遊技メダルの投入の受付可能状態であるか否かを報知する遊技メダル投入表示部、再遊技が作動中である旨を報知する再遊技表示部などが設けられている。
また、視覚、聴覚、触覚など、人間の五感を刺激することにより演出効果を発揮可能な刺激伝達手段であればいずれも本発明に係る演出手段として機能することができる。装飾ランプ部13やLEDなどの光発生手段、演出表示装置、スピーカ16などの音響発生装置、遊技者の体に振動を伝える加振装置、または遊技者の体に風圧を与える風圧装置はその代表例である。上記演出表示装置は、画像表示装置や液晶表示装置6と同じく、視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(たとえば、7セグによる表示装置)も含む点で画像表示装置と異なる。上記液晶表示装置6は画像表示装置の代表例であるが、液晶表示装置と言った場合は主として画像で表示するタイプを指し、LEDや7セグメントの表示装置のように画像以外の表示により演出を表現するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<制御装置:図3、図4>
次に、図3を参照して、本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置について説明する。図3は、遊技動作制御を行うための制御装置の構成の概要を示す制御ブロック図である。なお、図1および図2と同じ構成要素には同じ参照番号を付してある。
本実施形態に係る回胴式遊技機の制御装置は、遊技動作制御を統括的に司る主制御基板(主制御手段:以下、必要に応じて「主制御部」とも称する)400と、主制御基板400から演出制御コマンドを受けて、画像と光と音についての演出動作制御(演出手段に対する演出の現出制御)を統括的に司る演出制御部(演出制御手段)410と、外部電源(図示せず)から遊技機に必要な電源を生成し供給する電源基板440とを中心に構成される。演出制御部410は、具体的には、演出制御基板420と液晶制御基板460とを含んで構成され、液晶制御基板460には画像表示装置としての液晶表示装置6が接続されている。なお、図3において電源供給ルートは省略してある。
主制御基板400には、遊技中継基板370を介して、メダル投入口7からの遊技メダルを検出するメダル検出センサ7aと、MAXベットボタン8の操作を検出するMAXベットスイッチ8aと、1ベットボタン9の操作を検出する1ベットスイッチ9aと、貯留メダル精算ボタン10の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ10aと、回胴回転始動レバー11の操作を検出する回胴回転始動スイッチ11aと、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’を搭載した停止スイッチ基板360とが接続され、主制御基板400は、これらからの検出信号を受信可能となっている。
なお、回胴回転始動レバー11、回胴回転停止ボタン12a、12b、12c、MAXベットボタン8、1ベットボタン9、または貯留メダル精算ボタン10には、その内部にLED(図示せず)が設けられており、そのLEDの発光態様(たとえば、発光色)により、上記のレバー操作やボタン操作の有効期間または無効期間が遊技者に報知可能となっている。
また主制御基板400には、回胴中継基板330を介して、回胴装置210の回胴5a、5b、5cを回転駆動するための回胴駆動モータ211a、211b、211cが接続され、主制御基板400は、これら回胴駆動モータを駆動させるための制御信号を送信可能となっている。
また、主制御基板400には、回胴位置検出センサ(各回胴に設けられ、現在の回胴の回転位置や回胴の回転状態を検出するためのセンサ)212a、212b、212cが接続され、主制御基板400は、これら回胴位置検出センサからの検出信号を受信可能となっている。
また、主制御基板400には、払出中継基板350を介してホッパーユニット500に設けられた払出制御基板450と、ホッパーユニット500から払い出される遊技メダルを検出するメダル払出センサ520と、ホッパータンク(図示せず)から溢れた余剰の遊技メダルを監視する満杯検知金具600とが接続されている。
主制御基板400は、遊技メダルの払い出しが必要な場合、払い出し枚数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板450に送信可能となっている。主制御基板400から払出制御コマンドが送られてくると、払出制御基板450は、ホッパーモータ510を駆動させて、指定された枚数分の遊技メダルの払い出し処理を行う。払い出された遊技メダルは、メダル払出センサ520により検出され、その検出信号は主制御基板400に入力される。
また、主制御基板400には、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータ(パチンコホールの遊技機を統括的に管理するコンピュータ)HCが接続され、主制御基板400は、所定の遊技情報をホールコンピュータHCに送信可能となっている。
また、主制御基板400には、出玉率に変化をもたらす「設定」を変更する設定スイッチ(図示せず)や遊技動作エラーを解除するリセットスイッチ(図示せず)などを含む回胴設定基板430が接続され、主制御基板400は、これらスイッチからの検出信号を受信可能となっている。
さらにまた、主制御基板400には、演出I/F基板340を介して演出制御基板420が接続されている。この演出制御基板420の主な役割は、主制御基板400からの演出制御コマンドの受信、演出パターンの抽選や液晶制御基板460への液晶制御コマンドの送信、スピーカ46の音制御、装飾ランプ13、LEDの発光制御などである。
演出制御基板420には、演出I/F基板340を介して液晶制御基板460が接続されている。この液晶制御基板460の主な役割は、演出制御基板420からの液晶制御コマンドの受信や液晶制御コマンドに基づく液晶表示装置6の画像表示制御などである。
次に図4を参照して、主制御基板400および演出制御部410に関する回路構成とその機能について具体的に説明する。ここでは、演出制御部410として、主制御基板400に接続されている演出制御基板420に着目しながら説明する。
図4は図3に示す主制御基板400および演出制御基板420の回路構成を概略的に示すブロック図である。先ず、主制御基板400の回路構成について説明する。
主制御基板400は、メインCPU401cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、メインROM401aと、メインRAM401bとを搭載したマイクロコンピュータ401(本実施形態ではZ80システム相当品を採用している)を中心に構成され、その他、周辺基板間の信号を入出力するI/Oポート回路402、カウンタ回路403、主制御基板400に接続された外部周辺基板との信号のやり取りを仲介するインターフェース(I/F)回路404〜406、モータ駆動回路407、およびスイッチ入力回路408を含んで構成されている。メインROM401aには、一連の遊技機制御手順が記述された制御プログラムの他、回胴の停止制御用の停止データを記述した停止テーブル(図示せず)、役を抽選するための役抽選テーブル(図5)、当選フラグ設定テーブル(図示せず)、入賞による払い出し枚数を設定するための入賞払出テーブル(図示せず)などの遊技動作制御に必要となる所定のデータが格納されている。またメインRAM401bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、当選役を決定するための役の抽選(内部抽選)に利用される内部抽選用乱数値、抽選結果情報(当選番号情報や当選フラグ)、遊技状態情報など、遊技の進行に必要なデータが処理状態に応じて格納され利用される。
また、マイクロコンピュータ401には、メインROM401a、メインRAM401b、メインCPU401cの他、CTC(Counter Timer Circuit)401dやメインCPU401cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路401eを含んで構成されている。CTC401dは、8bitのカウンタやタイマを集積した回路であり、周期的割り込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を付与するものである。そこで、本実施形態では、CTC401dを利用して、CPU401cに1.5ms程度の時間間隔でタイマ割込みをかけている。
カウンタ回路403には、ハードウェア的に一定範囲の乱数を生成する乱数生成回路とその乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とが設けられている。メインCPU401cは、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を内部抽選用乱数値として取得し、その乱数値を役に関する抽選に利用する。役に関する抽選(内部抽選)は、主制御部400(マイクロコンピュータ401)がその機能部を担う「役抽選手段」により、各回胴5a、5b、5cの回転による単位遊技(1ゲーム)の実行ごとに行われる。上記役抽選手段は、後述の図5の役抽選テーブルを参照して、取得した内部抽選用乱数値がどの当選領域に属するかを判定し、いずれの役に当選したのか、またはハズレであるのかを決定し、その抽選結果情報をメインRAM401bに格納する。この抽選結果情報は、原則として、1ゲームごとにクリアされるようになっている。
主制御基板400からは、処理状態を特定可能な制御情報としての演出制御コマンドが、演出制御基板420とのI/F回路404が備える出力バッファ回路404aを介して出力される。この演出制御コマンドは、演出I/F基板340を通して、その内部に設けられた主制御基板400用の入力バッファ回路340aを介して演出制御基板420に入力されるようになっている。
I/F回路としては、演出制御基板420とのI/F回路404、遊技中継基板370とのI/F回路405、およびその他の基板とのI/F回路406が設けられている。I/F回路405のスイッチ入力回路408には、遊技機本体に配置された各種スイッチやセンサからの信号が入力される。
モータ駆動回路407は、マイクロコンピュータ401(メインCPU401c)の制御の下、回胴駆動モータ211a、211b、211cを制御するための駆動パルス信号を供給し、回胴5a、5b、5cの回転制御および停止制御を行う。
回胴の回転制御は、遊技開始条件となる規定枚数(本実施形態では、3枚としている)の遊技メダルが投入され、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力が確認されたことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、または1ベットスイッチ9aからの検出信号に基づき、遊技開始条件となる規定枚数の遊技メダルが投入されたことを確認すると、遊技開始条件を成立させる。そして、この遊技開始条件成立中に回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認すると、モータ駆動回路407を介して回胴駆動モータ211a、211b、211cを駆動制御して各回胴5a、5b、5cを回転始動させ、その後、各回胴を略一定速度で回転させるように制御する。このようにして、各回胴を回転させる回転動作を実現している。
回転中の回胴の停止制御は、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力を確認したことを条件に行われる。具体的には、マイクロコンピュータ401は、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’からの操作検出信号の入力を確認すると、そのタイミングで特定位置(本実施形態では、回胴視認部3の最下段水平方向のライン上(いわゆる「枠内下段」)に相当する位置)に存在する図柄番号(停止操作図柄番号)を取得し、所定の停止テーブル(図示せず)に基づき、上記停止操作図柄番号からどれだけのコマ数分移動させて回胴を停止させるかを割り出し、目的の位置に回胴を停止させる停止動作を実現している。上記特定位置に存在する図柄番号は、回胴位置検出センサ212a、212b、212cからの検出信号に基づき、現在、基点となる位置からどれだけの移動量で回胴が回転しているかを監視することにより把握される。
上述の停止テーブルには、停止操作番号に対応する滑りコマ数を最大引き込みコマ数範囲内で定めた停止データが定められている。具体的には、回胴の停止操作タイミング(停止操作図柄番号)に応じて特定の図柄を有効入賞ライン上に停止させたり、特定の図柄を有効入賞ライン上に停止させないようにしたりする回胴の停止制御用の停止データが定められている。この停止テーブルには、内部抽選結果に応じて選択される複数種類の停止テーブルが含まれ、たとえば、全回胴の滑りコマ数を一括して定めた全回胴用停止テーブルや、各回胴ごとの滑りコマ数を一括して定めた停止テーブル(たとえば、左回胴5aの滑りコマ数を定めた左回胴用停止テーブル、中回胴5bの滑りコマ数を定めた中回胴用停止テーブル、右回胴5cの滑りコマ数を定めた右回胴用停止テーブル)や、回胴の停止操作手順(押し順および停止操作タイミングの少なくともいずれか一方の手順)に応じて選択される停止テーブルなどが含まれる。これらの停止テーブルは、内部抽選結果や回胴の停止操作順序(回胴の停止操作順番(押し順)や停止操作タイミング)に応じて選択される
。斯様な停止テーブルを用いて、いわゆる「引き込み制御」が実現される。
この「引き込み制御」とは、従来から知られているように、内部抽選により当選役が決定された場合、回胴回転停止ボタン12が操作されたタイミングで有効入賞ライン上に存在する当該当選役に対応する図柄の組合せを構成し得る図柄(当選役に対応する図柄の組合せを構成する一要素となる図柄:当選役の構成要素図柄)を除き、所定の滑りコマ数(本実施形態では最大4コマ)の範囲内に有効入賞ライン上に停止可能となる当選役の構成要素図柄が存在する場合、その図柄を有効入賞ライン上に引き込む形態で回胴の停止位置を制御する停止制御態様である。したがって、当選役の構成要素図柄が上記停止操作図柄番号から最大引き込みコマ数分引き込んで有効入賞ライン上に停止可能であれば、基本的にはその図柄が有効入賞ライン上に引き込まれる。このような引き込み制御の特性を利用し、各回胴の図柄配列帯における図柄配置構成や停止操作図柄番号に応じた滑りコマ数を定めれば、当選役に対応する図柄の組合せに関し、回胴の停止操作タイミングにかかわらず有効入賞ライン上に必ず停止可能(100%引き込み可能(引き込み率100%))にしたり、停止操作タイミングによっては最大滑りコマ数引き込んでも有効入賞ライン上に停止不可能(「取りこぼし」を可能にする)にしたりすることもできる。
一方、内部抽選によりいずれの役にも当選していない、つまり「ハズレ(当選番号0:図5参照)」当選の場合には、いずれの役(当選番号1〜12:図5参照)に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止させない回胴の停止位置が決定される。したがって、「ハズレ」となったゲームでは、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効入賞ライン上に停止することはなく、遊技結果は常に「ハズレ」となる。なお、各回胴5a、5b、5cの有効入賞ライン上にどの図柄が停止したかは、回胴の停止毎に把握することができるようになっている。このように主制御部400は、停止スイッチ(回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’)の停止操作を契機に、当選役に対応する図柄の組合せが遊技結果として導出表示されるように回胴の停止位置を制御する停止制御手段としての役割を担う。
なお、本実施形態の図柄配列帯200(図2参照)には、各回胴における‘リプレイ(リプレイ図柄32)’や‘ベル(ベル図柄33)’や‘スイカ(スイカ図柄34)’に関しては、上述の引き込み制御の下においては、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、その図柄を有効入賞ライン上に引き込むことができる(停止させることができる)図柄配置構成となっている。つまり、これらの図柄に関しては、所定の有効入賞ライン上への引き込み率を100%可能にする図柄配置構成を採用している。しかし他の図柄、たとえば、各回胴における‘赤7(赤7図柄31)’や‘BAR(BAR図柄36)’に関しては、回胴の停止操作タイミングによっては必ずしも有効入賞ライン上に引き込むことができない(停止させることができない)図柄配置構成となっている。つまり、回胴の停止操作タイミングによっては、いわゆる「取りこぼし」が発生し得る図柄配置構成を採用している。なお、図柄配置構成については、本発明の目的を達成できるものであれば特に制限されず、適宜変更することができる。
次に、演出制御部410の演出制御基板420について説明する。演出制御基板420は、サブCPU421cを内蔵したマイクロプロセッサを搭載すると共に、サブROM421aと、サブRAM421bとを搭載したマイクロコンピュータ421を中心に構成され、その他、CTC401dと同様の機能を持つCTC421d、サブCPU421cに割り込み信号を付与する割り込みコントローラ回路421e、演出I/F基板340との間の信号を入出力するI/Oポート回路422、カウンタ回路423などを含んで構成されている。サブROM421aには、一連の演出制御手順が記述された演出制御プログラムの他、当選役や遊技状態の別に応じた演出を選択するための演出パターン選択テーブル(図示せず)、当選役に応じた後述の押し順報知演出を選択するための押し順報知演出選択テーブル(図示せず)などの演出動作制御に必要となる所定のデータが格納されている。またサブRAM421bはワークエリアやバッファメモリとして機能し、演出制御コマンドや演出に関する抽選に利用される演出抽選用乱数値や演出制御部側の遊技状態(演出状態)情報など、演出を現出させるために必要なデータが格納され利用される。
また演出制御基板420には、主制御基板400からの演出制御コマンドを受けて光と音についての演出処理を行うため、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置に対する光表示制御部と、スピーカ16を含む音響発生装置に対する音響制御部が設けられている。
カウンタ回路423は、カウンタ回路403と同様に乱数生成回路とサンプリング回路とを含む。サブCPU421cは、演出処理状態に応じて(たとえば、演出制御コマンドを受信したタイミング)上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数発生回路が示している数値を演出用乱数値として取得する。この演出用乱数値は、主として演出パターンの抽選に利用される。
演出制御基板420は、主制御基板400から送られてくる演出制御コマンドに基づき、あらかじめ用意された複数種類の演出パターンの中から抽選によりあるいは一意に決定し、これを実行指示する制御信号を必要なタイミングで上記音響発生装置(図示せず)や光表示装置(図示せず)に送信する。これにより、演出パターンに対応する効果音の再生と、装飾ランプ13やLED等の点灯点滅駆動とが実現される。また、演出制御基板420は、演出制御コマンドに関連付けられた液晶制御コマンドを、液晶表示装置6に表示する画像再生が必要なタイミングで液晶制御基板460に送信する。これにより、時系列的に種々の演出パターンが展開されていくことにより、広義の意味での演出シナリオが現出される。
液晶制御基板460は、演出制御基板420から受信した液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6の表示制御を行うために必要な制御データを生成してVDPに出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの動作手順を記述したプログラムを内蔵する制御ROMと、ワークエリアやバッファメモリとして機能する制御RAMとを、また上記液晶制御CPUに接続されて画像展開処理を行う映像表示プロセッサVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開する必要な画像データ(後述の警告表示演出や押し順報知演出などによる画像表示による演出に必要とされる種々の画像データを含む)を格納した画像データROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAMとを含んで構成されている。液晶制御基板460側では、演出制御基板420から送られてくる上記液晶制御コマンドに基づき、液晶表示装置6に対する画像表示制御が行われる。これにより、演出シナリオに対応する画像表示演出が実現される。
なお、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなり、これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)およびイベント(EVENT)各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、メインCPU401cは、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部410の演出制御基板420にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行なう。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定および出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行なう。サブCPU421cは、ストローブ信号が送信されて来ると、これに対応して割り込みを発生させ、この割り込み処理によりコマンドを受信する。ストローブ信号はメインCPU401cにより、サブCPU421cが確実にコマンドを受信することが可能になるように所定期間アクティブ状態に制御される。また液晶制御コマンドの送信に際しては、演出制御基板420は割り込み用ストローブ信号を発生し、液晶制御基板460にMODE信号とEVENT信号とで構成される2バイト長の液晶制御コマンドを前後して送信する。
<役抽選テーブル:図5>
次に図5を参照して、本実施形態の回胴式遊技機に用いられる役抽選テーブルについて説明する。図5は、通常遊技状態(以下、「通常遊技」と略称する)中、RT(リプレイタイム)遊技中、およびボーナス遊技中に用いられる役抽選テーブルを例示したものである。
各役抽選テーブルには、複数種類の役種別(当選種別)ごとに対応した当選領域を有する抽選領域が定められている。本実施形態の抽選領域の大きさは、65536となっており、この範囲内で各当選領域が定められている。
内部抽選の対象となる役は、ハズレを含み、小役1、小役2、AT1〜AT6、RP1〜RP3、BBの計13種類設けてある。なお、図中の当選役種別には、当選番号に対応する役名称(当選役名称)を示してある。
図5を参照すれば、通常遊技中に選択される通常遊技中用役抽選テーブル(図5の「通常遊技中」の欄参照)とRT遊技中に選択されるRT遊技中用役抽選テーブル(同図の「RT遊技中」の欄参照)とでは、RP1〜RP3の当選確率が異なる。具体的には、RT遊技中は、RP1〜RP3の各当選確率(当選確率=「当選領域の大きさ/抽選領域の大きさ」)が、通常遊技中よりも高確率に設定されている(本実施形態では、RP1〜RP3の合算当選確率に関し、RT遊技中は約1/1.47、通常遊技中は約1/7.28となっている)。詳細は後述するが、このRP1〜RP3は再遊技の作動に係る役であり、その当選により再遊技の作動に起因する図柄の組合せが遊技結果として導出表示されることを許容する役である。したがってRT遊技中は、RP1〜RP3の当選確率が高確率に変動され、通常遊技中よりも再遊技が高確率で作動することから、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が通常遊技よりも増加する、といった遊技者に有利な遊技状態(再遊技高確率抽選状態)に置かれる。
また上記ボーナス遊技中に選択されるボーナス遊技中用役抽選テーブル(同図の「ボーナス遊技中」の欄参照)を参照すれば、小役2の当選確率が通常遊技よりも著しく高く設定されている。本実施形態のボーナス遊技中においては、ハズレおよび小役2のみが内部抽選対象役とされ、小役2が非常に高確率で当選するようになっている。詳細は後述するが、この小役2は、その当選により所定枚数の遊技メダルの払い出しを伴う図柄の組合せが遊技結果として導出表示されることを許容する役である。したがってボーナス遊技中においては、小役2にほぼ毎ゲーム当選するので、遊技者に有利な遊技状態(特別遊技状態)に置かれる。
<内部抽選の対象となる役の種類、入賞となる図柄の組合せ(入賞役種別)、および配当の関係について:図6および図7>
次に図6を参照しながら、内部抽選の対象となる役の種類(当選役種別)、入賞となる図柄の組合せ(入賞役種別)、および配当の関係について説明する。図7は、内部抽選の対象となる役の種類(当選役種別)、入賞となる図柄の組合せ(入賞役種別)、および配当の関係について例示した図である。なお、図中の「左回胴」「中回胴」「右回胴」のそれぞれの欄に対応する図柄は、回胴5a、5b、5cにおける有効入賞ライン上の停止図柄を示す。
本実施形態の当選役種別には、図5に示したように、ハズレを含み、小役1、小役2、AT1〜AT6、RP1〜RP3、およびBBの計13種類設けてある。これらの役のいずれかが内部抽選により当選役として決定された場合、その当選役に対応する当選フラグが成立して、遊技結果として、その当選役に応じた図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止表示することが許容される。そして、各回胴が停止した際に、図示の図柄の組合せのいずれかが有効入賞ライン上に停止した場合、その図柄の組合せに対応する役が成立したとして、当該図柄の組合せに応じた入賞が発生する。ここでは、配当を伴う特定の図柄の組合せを「入賞役」と称し、この入賞役として扱われる図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止することを、特に「入賞」と称する場合がある。
(AT役1〜6)
次に図6および図7を参照しながら、先ず、当選番号3〜8のAT1〜AT6について説明する。
AT1〜AT6は、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なるように定められている役(押順規定役)となっている。具体的には、回胴の停止操作順番(以下、「押し順」と称する)が一致した場合には遊技価値が相対的に高い、つまり遊技者に有利に作用する入賞役が有効入賞ライン上に停止し得るように定められており、押し順が一致しない場合には当該有利に作用する入賞役よりも遊技価値が相対的に低い、つまり遊技者に不利に作用する入賞役が有効入賞ライン上に停止し得るように定められている。また本実施形態では、押し順が一致しない場合、停止操作タイミングよっては、上記入賞役として扱われない図柄の組合せ(取りこぼし目)も停止し得るように定められている。
AT1(当選番号3)を代表的に説明すれば、AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せ(入賞役)は、図6に示すように、(1)「ベル」−「ベル」−「ベル」の図柄の組合せ(6択ベル役)、(2)「スイカ」−「スイカ」−「赤7」の図柄の組合せ(スイカ役1)の計2種類の図柄の組合せとなっている。具体的には、内部抽選によりAT1が当選役として決定された場合、入賞役として、6択ベル役とスイカ役1とが入賞許容状態に置かれることになる。このことから、上記AT1は、その当選により6択ベル役の入賞を許容する役とスイカ役1の入賞を許容する役とに重複当選可能な役、つまり一回の内部抽選で複数種類の役に同時当選可能な重複役(いわゆる「同時当選役」)としての性質を有するものと言える。
ここで、AT1の当選により入賞が許容される上記2種類の図柄の組合せ(入賞役)のうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、上記引き込み制御の下、押し順と回胴の停止操作タイミングとに基づき決定されるようになっている。以下、図6を参照しながら、AT1の当選により入賞が許容される図柄の組合せについて、停止制御の観点から具体的に説明する。
(押し順一致の場合)
押し順が「左回胴5a」→「中回胴5b」→「右回胴5c」で回胴の停止操作が行われた場合(押し順一致の場合)、6択ベル役(配当:遊技メダル12枚)が有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御(引き込み制御)が行われる。ここで、既に説明したように‘ベル’の図柄33は、上記引き込み制御下において、所定の有効入賞ライン上への引き込み率が100%となるように配置されている。これにより、押し順が一致した場合には、回胴の停止操作タイミングにかかわらず、6択ベル役が有効入賞ライン上に停止するようになっている。
(押し順不一致の場合)
しかし、それ以外の押し順で回胴の停止操作が行われた場合(押し順不一致の場合)、スイカ役1(配当:遊技メダル6枚)が有効入賞ライン上に停止するように回胴の停止制御が行われる。ここで、スイカ役1は、上記引き込み制御の関係上、右回胴5cの停止操作タイミングが所定のタイミングである場合に限り、スイカ役1が有効入賞ライン上に停止可能となっている。具体的には、押し順が不一致であり、かつ右回胴5cの停止操作タイミングがスイカ役1の一構成要素図柄(‘赤7’の図柄31)を有効入賞ライン上に停止不可能なタイミングで回胴の停止操作がされた場合、入賞役として扱われない図柄の組合せ、すなわち配当を得ることができない図柄の組合せ(たとえば、「スイカ」−「スイカ」−「リプレイ(またはベル)」など)が有効入賞ライン上に停止し、その結果、AT1に関する「取りこぼし」が発生するようになっている(この「取りこぼし」発生時の図柄の組合せを「取りこぼし目」と称する)。これは、右回胴5cの‘赤7’が、最大引きコマ数分回胴を移動させても有効入賞ライン上に引き込み不可能とされる停止操作位置(停止操作図柄番号0〜11、19、または20となる位置)が存在するように配置されているからである(図2参照)。
以上のように、押し順一致の場合には、遊技者に有利に作用する図柄の組合せ(遊技メダル12枚の払い出しを伴う「6択ベル役」)が遊技結果として導出表示され、押し順不一致の場合には、遊技者に不利に作用する図柄の組合せ(遊技メダル6枚の払い出しを伴う「スイカ役1」か、または配当が得られない「取りこぼし目」)が遊技結果として導出表示され得るようになっている。
なお、重複記載を避けるため詳細な説明は省略するが、AT2〜AT6についてもAT1と同事象の引き込み制御が行われるようになっている。ただし、図6に示すように、AT1、AT3、およびAT5は、その当選により「6択ベル役」または「スイカ役1」の入賞を許容する役として定めてあり、AT2、AT4、およびAT6は、その当選により「6択ベル役」または「スイカ役2(「スイカ」−「スイカ」−「BAR」の図柄の組合せ。配当:遊技メダル6枚)」の入賞を許容する役として定めてある。また、同図の「押し順」の欄に示すように、「6択ベル役」が入賞となる押し順は、各ATごとに固有の押し順が定められている。なお、各回胴5a、5b、5cのいずれが第N番目(N=1、2、3)に停止操作対象となった回胴(以下、「第N停止操作回胴」を称する)に該当するか否かは、主制御部400がその機能部を担う「停止操作順番監視手段」により把握される。この停止操作順番監視手段は、各回胴の回転状態および停止状態を監視し、回転中の回胴と停止中の回胴とに基づき、停止操作対象となった回胴が何番目に停止操作されたかを把握している。
(RP1〜RP3)
次に図6および図7を参照しながら、当選番号9〜11のRP1〜RP3について説明する。
RP1(当選番号9)を代表的に説明すれば、RP1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、図6(「当選番号9」の欄参照)に示すように、(1)「リプレイ」−「リプレイ」−「リプレイ」の図柄の組合せ(リプレイ役)と、(2)「リプレイ」−「リプレイ」−「スイカ」の図柄の組合せ(パンク役)の計2種類の図柄の組合せとなっている。具体的には、内部抽選によりRP1が当選役として決定された場合、入賞役として、リプレイ役またはパンク役が入賞許容状態に置かれることになる。このRP1は、その当選により、リプレイ役の入賞を許容する役と、パンク役の入賞を許容する役とに重複当選可能な重複役としての性質を有するものと言える。
RP1の当選により許容される図柄の組合せのうち、いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かは、押し順だけにより決定されるようになっている。この点、押し順だけでなく停止操作タイミングも関係するAT1〜AT6とは、その性質を異にする。しかし、RP1は、少なくとも押し順に応じて入賞役が異なるように定められている点で、押順規定役に属するものである(RP2およびRP3も同様)。具体的には、第1停止操作回胴(第1番目に停止操作された回胴)が左回胴5aである場合には「リプレイ役」が有効入賞ライン上に停止し、第1停止操作回胴が中回胴5bまたは右回胴5cである場合には「パンク役」が有効入賞ライン上に停止するようになっている。いずれの図柄の組合せが有効入賞ライン上に停止するか否かはそのときの押し順により決定され、上記引き込み制御の関係上、各回胴の停止操作タイミングにかかわらず、これらの図柄の組合せのうちいずれか一方が必ず有効入賞ライン上に停止するようになっている。
また、上述のリプレイ役またはパンク役が入賞した場合には、配当として、今回のゲームで投入した遊技メダルの枚数と同一の枚数を擬似的に付与して次回のゲームを開始可能とする「再遊技」が付与される(図7参照)。この再遊技は、遊技者が遊技メダルを減らすことなく次回のゲームが可能になるという点で、遊技メダルと同様に遊技価値を有するものと言える。
ここで、リプレイ役に関しては、通常遊技中およびRT遊技中に入賞した場合の配当は、共に上述の再遊技の付与となっている。しかしパンク役に関しては、RT遊技中においてはその配当を異にし、再遊技の付与とRT遊技の終了となっている。このパンク役入賞によるRT遊技の終了後は、通常遊技に移行されるようになっている。パンク役は、遊技状態の移行契機となる遊技状態移行契機役としての性質を有し、本実施形態においては、RT遊技を終了させるRT遊技終了契機役として機能する。この点において、上記パンク役は、リプレイ役よりも遊技者にとって不利に作用する入賞役としての位置付けとなっている。
なお、重複記載を避けるため詳細な説明は省略するが、RP2とRP3とについてもRP1と同事象の引き込み制御が行われるようになっている。また図柄の組合せの種類やその配当については、上述したRP1と同じである。ただし、図6に示すように、RP2においては、第1停止操作回胴が中回胴5bである場合には「リプレイ役」が有効入賞ライン上に停止し、それ以外の回胴が第1停止操作回胴である場合には「パンク役」が有効入賞ライン上に停止するようになっている(同図「当選番号10」の欄参照)。また、RP3においては、第1停止操作回胴が右回胴5cである場合には「リプレイ役」が有効入賞ライン上に停止し、それ以外の回胴が第1停止操作回胴である場合には「パンク役」が有効入賞ライン上に停止するようになっている(同図「当選番号11」の欄参照)。
(小役1)
次に、当選番号1の小役1について説明する。
小役1の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「チェリー」−「ANY(「ANY」とは、図柄種は問わないという意味である)」−「ANY」の図柄の組合せ(チェリー役)となっている。具体的には、内部抽選により小役1が当選役として決定された場合、上記のチェリー役が入賞許容状態に置かれることになる。なお、チェリー役が入賞した場合の配当は、遊技メダル2枚の払い出しとなっている(図7参照)。
(小役2)
次に、当選番号2の小役2について説明する。
小役2の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、(1)「ベル」−「ベル」−「赤7」の図柄の組合せ(特殊ベル役1)、(2)「ベル」−「ベル」−「BAR」の図柄の組合せ(特殊ベル役2)、(3)「ベル」−「ベル」−「チェリー」の図柄の組合せ(特殊ベル役3)の計3種類の図柄の組合せとなっている。具体的には、内部抽選により小役2が当選役として決定された場合、入賞役として、特殊ベル役1、または特殊ベル役2、もしくは特殊ベル役3が入賞許容状態に置かれることになる。なお、上述の特殊ベル役1〜3のいずれかが入賞した場合の配当は、遊技メダル15枚の払い出しとなっている。
また、上記の小役1と小役2は、その当選により、押し順にかかわらず、特定の入賞役の入賞を許容する役(押順不問役)となっている。この点、AT1〜AT6や、RP1〜RP3のように、少なくとも押し順に応じて異なる入賞役が入賞し得る押順規定役とは性質を異にする。
(BB:ボーナス)
次に図6を参照しながら、当選番号12のBB(ボーナス)について説明する。
BB(特別役に相当する)の当選により入賞が許容される図柄の組合せは、「赤7」−「赤7」−「赤7」の図柄の組合せ(ボーナス役)となっている。具体的には、内部抽選によりBBが当選役として決定された場合、特別表示態様であるボーナス役が入賞許容状態に置かれることになる。上記ボーナス役が入賞した場合、配当として、次回ゲームから通常遊技よりも遊技者に有利なボーナス遊技(特別遊技状態)が発生する。本実施形態のボーナス遊技中においては、小役2の当選確率が著しく高まり(本実施形態では65535/65536で当選:図5の「ボーナス遊技中」の欄参照)、ほぼ毎ゲーム、小役2の当選により特殊ベル役1〜特殊ベル役3のいずれかが入賞可能状態に置かれる。このため、ボーナス遊技中は、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が通常遊技よりも著しく増加し、遊技者は短時間で大量の遊技メダルを獲得することができるようになっている。このボーナス遊技は、規定枚数(たとえば、360枚)以上の遊技メダルの払い出しがあったことを条件に終了される。
また本実施形態では、上記ボーナス遊技が終了したことを条件にRT遊技が発生し(遊技状態がRT遊技に移行される)、パンク役が入賞したこと、または特定のゲーム数(たとえば、複数種類のゲーム数(たとえば、30ゲーム、50ゲーム、70ゲーム、100ゲーム)のうちから所定の抽選により決定されたゲーム数)が消化されたこと、あるいはRT遊技中においてBBが内部当選したことを条件に終了するようになっている。このRT遊技に関しては、主制御部400がその機能部を担う「再遊技高確率遊技制御手段」により、その発生および終了が管理制御される。
なお、RT遊技の発生条件は、上述の発生条件の他、たとえば、(a)内部抽選によりBBに当選したことを、(b)ボーナス役が入賞したことを、(c)通常遊技中に特定の図柄の組合せ(RT遊技開始契機役(たとえば、本実施形態のチェリー役や、RT遊技の開始契機となる役を別途設けても良い)が入賞したことを、(d)ボーナス遊技が終了してから所定のゲーム数を消化したこと、またはRT遊技開始契機役が入賞してから所定のゲーム数を消化したこと、などを条件としても良い。また、上記の発生条件に、さらに追加的な条件として、所定の抽選(RT遊技発生抽選)に当選したことを条件に付加しても良い。また、RT遊技の終了条件は、上述の終了条件の他、(e)RT遊技中にボーナス役が入賞したことを、(f)RT遊技中に特定の図柄の組合せ(RT遊技終了契機役(たとえば、本実施形態のチェリー役や、RT遊技の終了契機となる役を別途設けても良い)が入賞したこと、などを条件としても良い。また、上記の終了条件に、さらに追加的な条件として、所定の抽選(RT遊技終了抽選)に当選したことを条件に付加しても良い。
(BBの持ち越しについて)
上記BBは、その当選フラグを次回以降のゲームに持ち越し可能な持越役として設定されている。このため、BBに当選した場合においては、ボーナス役が入賞するまで、複数のゲーム数に亘りその当選フラグの成立状態が維持可能となっている。換言すれば、ボーナス役に当選した当該ゲームでボーナス役を取りこぼした場合、ボーナス役が入賞するまでは、その入賞許容状態が維持されるようになっている。このBBの当選フラグ(ボーナス当選フラグ)が持ち越されている状態を「ボーナス持越遊技」と称する。一方、BB以外の役は、その当選フラグを次回のゲームに持ち越すことができない持越不可能役として設定されている。
(遊技状態について)
本実施形態に係る回胴式遊技機では、主制御部(主制御基板400)側で制御される基本的な遊技状態の他、副制御部(演出制御部410)側で制御される追加的な遊技状態が設けられている。主制御部側で制御される遊技状態(以下、必要に応じて「主制御側遊技状態」と称する)には通常遊技の他、上記したRT遊技とボーナス遊技とがあり、演出制御部410側で制御される遊技状態(以下、必要に応じて「演出制御側遊技状態」と称する)には後述のAT(アシストタイム)遊技がある。
(AT遊技)
AT遊技は、役の抽選結果に関連する情報を、液晶表示装置6、装飾ランプ部13、スピーカ16等の演出手段を用いて、画像表示演出、効果音、光演出等により遊技者に報知する特典遊技状態である。このAT遊技は、主制御部(主制御基板400)400側で制御される遊技状態(通常遊技やRT遊技やボーナス遊技)とは異なり、演出制御部410(演出制御基板420)側で制御される遊技状態である。演出制御部410は、AT遊技を含む複数種類の演出状態を統括的に管理する「演出状態管理手段」を含み、この演出状態管理手段には、上記AT遊技の発生および終了を管理制御する「特典遊技制御手段」としての機能部が含まれる。本実施形態においては、RT遊技の発生と共にAT遊技を発生させ、RT遊技の終了と共にAT遊技を終了させる構成となっている。このRT遊技とAT遊技とが同時に発生中の遊技状態(遊技機全体から捉えた遊技状態)は、ART(アシストリプレイタイム)遊技と称される。なお、上記ART遊技中にパンク役の入賞か、またはBBの内部当選により、主制御側遊技状態がRT遊技から通常遊技に移行されてRT遊技が終了し、これに伴い演出制御側遊技状態がAT遊技から通常遊技用の演出状態(通常演出状態)に移行されることになる。
AT遊技が発生すると、役の抽選結果に関連する情報として、特定の入賞役を入賞させ易いように遊技者に対して有利な特別演出が現出される。
本実施形態では、AT1〜AT6やRP1〜RP3のように、遊技結果として導出表示される図柄の組合せが押し順に応じて異なるように定めた複数種類の役が設けられている。AT遊技中では、上記特別演出として、遊技者に有利に作用する図柄の組合せの入賞過程を案内する情報(遊技者に有利に作用する図柄の組合せが入賞させるための回胴の停止操作手順に関する情報(以下、「入賞手順」と称する))が遊技者に報知されるようになっている。したがって、AT1〜AT6のいずれかに当選した場合は「6択ベル役」を入賞させるための押し順が、またRP1〜RP3のいずれかに当選した場合は「パンク役」の入賞を回避させる押し順が遊技者に報知される。これにより本実施形態のART遊技中(RT遊技+AT遊技)においては、RP1〜RP3のいずれかに当選した場合は「パンク役」の入賞を回避させつつ、ART遊技を規定の終了ゲーム数まで継続させることが可能になる。さらにAT1〜AT6のいずれかに当選した場合は「6択ベル役」の入賞手順が報知されることから「6択ベル役」の入賞が容易になる。その結果、1ゲーム当りの平均獲得遊技メダル枚数が通常遊技よりも増加するといった遊技者に有利なゲーム展開がなされる。
このようなAT遊技中における入賞手順を報知する特別演出(以下、上記入賞手順を報知する演出態様を「押し順報知演出」と称する)の現出制御は、演出制御部410がその機能部を担い、当選役(AT1〜AT6、RP1〜RP3)に応じて、現出すべき押し順報知演出を決定し、演出手段に対してその演出を現出させる。具体的には、効果音や光演出と共に、液晶表示装置6の画面上に、6択ベル役やパンク役の入賞手順を画像表示(特別表示)する、といった演出態様を現出させる。以下では、遊技に関する演出(以下、必要に応じて「遊技演出とも称する)に関し、特に画像表示による演出態様に着目しながら説明する。
<空回し時の表示系:図8、図9>
図8および図9は、回胴が回転状態とされてから回胴の停止操作が行われることなく所定時間が経過した場合(以下、「空回し状態」と称する)、液晶画面6aに表示画面を概略的に示した図である。図8は非ART遊技中(通常遊技中またはボーナス遊技中)の空回し状態中の表示画面を、図9はART遊技中における空回し状態中の表示画面を例示した図である。
本実施形態では、回胴が回転から所定時間経過した場合に回胴を自動停止させる自動停止機能は備えておらず、回胴回転停止ボタン12の操作により回胴を停止させる構成となっている。このため、上記「空回し状態」が発生すると、回胴が自動停止しない旨の情報として、遊技者に回胴の停止操作を促す警告的な演出(警告表示演出)を現出させるようになっている。具体的には、図8に示すように、たとえば「リールを停止して下さい」という所定の警告表示を液晶画面6aに表示させるようになっている。図示の警告表示演出の表示画面(以下、「警告表示演出画面」と略す)は、主として、遊技の進行が長時間妨げられて遊技機の稼働率の低下が招来されることを防止するためのものであり、通常、遊技動作異常を示すエラー表示と同じ位置付けとなっている。それ故、このような警告表示演出を現出する際には、現在現出中の遊技演出から上記警告表示演出に切り替え制御する(現在現出中の遊技演出を中断して、液晶画面6aに警告表示するものと考えられる。
ここで、上記警告表示演出画面に切り替わった場合に問題となるのは、ART遊技中の遊技演出が押し順報知演出の場合である。たとえば、押し順報知演出中、遊技者が何らかの都合により遊技機から長時間離れた場合、遊技者が再び遊技機に戻ってきたときには、既に警告表示演出画面に切り替わってしまっており、押し順報知演出が消えてしまっているといった事態が想定される。特に、パンク役の入賞を回避させるための入賞手順が報知されているのにもかかわらず警告表示演出画面に切り替わってしまった場合、遊技者がその入賞手順を確実に記憶していない限り、折角のART遊技が終了してしまうといった危機に直面し得る。ART遊技は、遊技者の利益を大きく左右する遊技状態であることから、このような事態は、遊技者に遊技機に対する不信感を与え、遊技興趣を低下させてしまう原因ともなり兼ねない。
そこで本発明では、空回し状態により遊技の進行が長時間妨げられて遊技機の稼働率の低下が招来されることを防止すると共に、上述の問題を解消すべく、ART遊技中に対応する専用の警告表示演出画面が現出されるようになっている。具体的には、押し順報知演出中に空回し状態が発生したときには、専用の警告表示演出として、図9に示すような、少なくとも、本来の押し順報知演出の内容表示(入賞手順に関する表示)を遊技者に認識し得る表示態様を維持しながら、警告表示を液晶画面6aに表示させる。この表示態様は、換言すれば、警告表示演出と共に、本来の押し順報知演出が重複的に表示された態様(重複表示態様に相当する)を表現する演出態様となっている。ここでいう「重複的な表示された態様」とは、たとえば、警告表示と押し順表示演出の内容表示とが実際に重複する表示領域に表示される(たとえば、押し順報知演出の背景演出として、警告表示を点滅表示させる)といった表示態様に限らず、図9のように、警告表示と押し順報知演出の内容表示とが異なる表示領域に表示される(たとえば、警告表示と押し順報知演出の内容表示とを上下に並べて表示させる)といった表示態様も含む概念である。
これにより、空回し状態中が発生して警告表示がなされる場合であっても、押し順報知演出の内容は画面上に表示されたままとなっているため、遊技者は安心して遊技機から離れることができる。
<遊技動作制御処理>
次に、本実施形態に係る回胴式遊技機の遊技動作制御に関する処理手順について詳細に説明する。
<主制御部側の処理:図10、図11>
まず図10、図11を参照して、主制御部(主制御基板)400側における処理手順について説明する。図10、図11は、主制御部400側で実行される遊技制御処理を説明するための処理手順を示した図である。主制御部400側の遊技制御処理は、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図10)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理:図11)とを含んで構成されている。なお、これらの処理は、メインCPU401cにより実行されるものであるが、説明の便宜上、処理を実行する主体を主制御部400と称して説明する。
(1.主制御側メイン処理:図10)
図10は、遊技動作制御プログラムに従い実行される主制御基板400側のメイン処理(以下、「主制御側メイン処理」と称する)を示すフローチャートである。
遊技機に電源が投入されると、電源基板440から電源が投入された旨の電源投入信号が送られる。この電源投入信号を受けて主制御部400は、図10に示す主制御側メイン処理を開始する。
この主制御側メイン処理では、電源投入時の初めての処理としてステップS11の初期設定処理が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS12〜S27の処理が行われる。
図10おいて、まず主制御部400は、電源投入が行われてから初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定を実行する(ステップS11)。
上記の初期設定処理が正常に終了した後、次に、RAM初期化処理(ステップS12)を行う。このRAM初期化処理では、前回のゲーム終了時において使用した所定のデータをクリアし、今回のゲームに必要なワークエリアを確保する。
次に、遊技状態フラグ生成処理を行う(ステップS13)。この遊技状態フラグ生成処理では、現在の遊技状態(通常遊技中、ボーナス持越遊技中、ボーナス遊技中、RT遊技中など)を確認し、これに対応する遊技状態フラグ(通常遊技フラグ(通常遊技中)、ボーナス間フラグ(ボーナス持越遊技中)、ボーナス作動フラグ(ボーナス遊技中)、RT作動フラグ(RT遊技中)を示すフラグ)を設定する。これにより今回のゲームの遊技状態が確定され、その遊技状態に応じた処理が行われことになる。
次に、遊技メダル投入処理を行う(ステップS14)。この遊技メダル投入処理は賭数管理手段として機能し、主に、遊技機本体に投入された遊技メダルの検出、クレジットの管理、再遊技の要求があった場合の遊技メダルの自動投入処理などを行うと共に、遊技開始に要する規定枚数の遊技メダルが投入されたか否かを監視する。上記規定枚数の遊技メダルの投入が確認された場合は、遊技開始条件(ゲーム開始条件)を成立させ、この条件成立状態を保持したまま、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号が送られてくるのを待つ。またここでは、演出制御コマンドとして、遊技メダルが投入されたことを示す「メダル投入コマンド」をセットする。このメダル投入コマンドは遊技メダルが投入されるごとに送られる。
続いて、上記遊技開始条件成立の下、回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号を受けると、主制御部400は、カウンタ回路403のカウンタ値に基づき、内部抽選用乱数値を取得する(ステップS15:乱数取得処理)。
次に、内部抽選処理を行う(ステップS16)。この内部抽選処理では、ステップS15で取得した内部抽選用乱数値と現在の遊技状態に対応する役抽選テーブル(図5)とに基づく内部抽選により当選役を決定し、その内部抽選結果(当選役に関する当選情報)に基づき、当選役に対応する当選フラグを設定する。これにより、当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)が入賞許容状態に置かれる。またここでは、演出制御コマンドとして「回転開始コマンド」をセットする。この回転開始コマンドには、現在の遊技状態情報や当選情報(内部抽選結果情報(当選番号情報や当選フラグ情報))が含まれる。この回転開始コマンドは、演出制御部410側が空回し状態の発生を監視するためのコマンドとしても利用される(詳細は、図15にて後述する)。
次に、回胴回転始動時の設定処理(回胴回転開始設定処理)を行う(ステップS17)。この回胴回転開始設定処理では、各回胴5a、5b、5cの回転を開始時に必要となるデータ、たとえば、遊技開始待機タイマ(たとえば、4.1秒)をセットしたり、回胴の回転状態を示す回胴状態フラグを‘全回胴回転中’にセットしたりする。上記遊技開始待機タイマとは、遊技開始条件成立中に回胴回転始動スイッチ11aからの操作検出信号の入力を確認した場合であっても、前回のゲームにおける各回胴が回転始動したときから所定時間を経過しなければ、各回胴5a、5b、5cの回転を開始させないようにするためのタイマである。またここでは、演出制御コマンドとして、回胴の回転始動を示す「回胴起動コマンド」をセットする。これにより、以後、各回胴5a、5b、5cが回転状態に入る。
そして、回胴回転中(回転状態中)に回胴回転停止ボタン12a、12b、または12cが操作された場合、具体的には、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、または12c’からの操作検出信号が送られてきた場合、停止対象となった回胴を停止制御するための回胴停止処理を行う(ステップS18)。この回胴停止処理では、主として、上記当選情報(または設定中の当選フラグ)と回胴の停止操作手順(押し順や停止操作タイミング)とに基づき、停止テーブルから滑りコマ数を割り出し、停止対象となった回胴を停止制御する。上記停止テーブルは、遊技状態や当選情報や当選フラグや回胴の停止操作手順などに応じて、停止対象となった回胴を停止制御するために必要な停止テーブルが選択される。またここでは、演出制御コマンドとして、回胴の停止操作時には「停止情報受付コマンド」が、回胴が停止した際には「停止結果情報コマンド」がセットされる。この「停止情報受付コマンド」には回胴の停止操作に関する情報(たとえば、押し順を示すデータ(停止操作順番(押し順)データ)、現在停止している回胴数を示すデータ(停止回胴数データ)、停止対象となった回胴を示すデータ(停止対象回胴データ)など)が含まれ、上記「停止結果情報コマンド」には回胴の停止位置に関する情報(たとえば、入賞ライン上の停止図柄情報)が含まれる。また、上記停止情報受付コマンドは、演出制御部410側が空回し状態の発生を監視するためのコマンドとしても利用される(詳細は、図16にて後述する)
そして全回胴の停止が確認された後、次に入賞判定処理を行う(ステップS19)。この入賞判定処理では、当選役に対応する図柄の組合せ(入賞役)が有効入賞ライン上に停止したかどうか、つまり入賞を発生させるか否かを確認し、入賞が確認された場合には当該停止した図柄の組合せに基づき、払い出すべき遊技メダル枚数の設定処理を行う。またここでは、演出制御コマンドとして「入賞情報コマンド」をセットする。この入賞情報コマンドには、全回胴が停止した旨を示す情報や全回胴停止時の停止図柄情報(たとえば、入賞役情報、有効入賞ライン上の停止図柄情報、現在の遊技状態情報など)が含まれる。この入賞情報コマンドは、演出制御部410側が空回し状態の発生を監視するためのコマンドとしても利用される(詳細は、図17にて後述する)。
次に、メダル払出処理を行う(ステップS20)。このメダル払出処理では、上記ステップS19の入賞判定処理で設定された払い出し情報に基づき、ホッパーユニット500を駆動制御して目的枚数(ステップS19の入賞判定処理で設定された枚数)の遊技メダルの払い出し処理や、必要に応じてクレジットの加算処理を行う。またここでは、演出制御コマンドとして「払出情報コマンド(払出制御コマンド)」をセットする。この払出情報コマンドには、今回払い出すべき遊技メダルの払い出し枚数に関する情報が含まれる。
次に、RT遊技管理処理を行う(ステップS21)。このRT遊技管理処理では、RT遊技中であれば、RT遊技終了条件が成立したか否かを判定し、当該終了条件が成立した場合には、RT遊技を終了させるための設定処理を行う。本実施形態では、ボーナス遊技が終了したことを条件にRT遊技が発生させ、所定のゲーム数が消化されたこと、またはRT遊技中に内部抽選によりBBに当選したことを条件にRT遊技を終了させるように管理制御される。このRT遊技管理処理は、RT遊技の発生およびその終了を管理制御する再遊技高確率遊技制御手段として機能し、当該再遊技高確率遊技制御手段は、所定の発生条件に基づき、RT遊技を発生させる再遊技高確率遊技発生制御手段と、所定の終了条件に基づき、そのRT遊技を終了させる再遊技高確率遊技終了制御手段としての機能を含む。
上記のRT遊技管理処理を終えると、次に、再遊技作動図柄(リプレイ役またはパンク役)が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS22)。再遊技作動図柄が停止した場合には(ステップS22:YES)、再遊技を付与するための設定処理(再遊技作動開始設定処理)を行う(ステップS25)。そして、上記再遊技作動開始設定処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
一方、再遊技作動図柄が停止していない場合(ステップS22:NO)、ステップS23の処理に移行し、現在の遊技状態がボーナス遊技中であるか否かを判定する(ステップS23)。現在の遊技状態がボーナス遊技中である場合(ステップS23:YES)、ボーナス遊技作動中処理を行う(ステップS26)。このボーナス遊技作動中処理では、主に、ボーナス遊技の継続およびその終了に要求される設定処理を行う。またボーナス遊技の終了条件を満たした場合は、遊技状態をRT遊技に移行させるなどの遊技状態移行処理も行う。そして、上記ボーナス遊技作動中処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行する。
一方、現在の遊技状態がボーナス遊技中でない場合(ステップS23:NO)、ステップS24の処理に移行し、ボーナス役が有効入賞ライン上に停止したか否かを判定する(ステップS24)。ボーナス役が有効入賞ライン上に停止した場合(ステップS24:YES)、ボーナス遊技移行に必要なボーナス開始前処理を行う(ステップS27:ボーナス遊技作動開始処理)。そして、上記ボーナス遊技作動開始処理を終えると、ステップS12のRAM初期化処理に移行し、これにより、次回ゲームからは、ボーナス遊技に移行される。ボーナス役が有効入賞ライン上に停止していない場合(ステップS24:NO)、何もせずにそのままステップS12のRAM初期化処理に移行する。
<2.主制御側タイマ割込処理:図11>
次に、図11を参照して、上記主制御側メイン処理実行中に割り込んで1.5ms程度ごとに実行される主制御側のタイマ割込処理(主制御側タイマ割込処理)について説明する。図11は、CTC401dからの一定時間ごとの割り込みで起動される主制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
図11において、まず、主制御部400は、タイマ割込みが生じると、割り込み禁止状態に設定して、各レジスタの内容を所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS41)。
次に、ポート入力処理を行う(ステップS42)。このポート入力処理では、遊技機に設けられたスイッチ類やセンサ類(回胴回転始動スイッチ11a、回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’、メダル検出センサ7a、MAXベットスイッチ8a、1ベットスイッチ9aなど)からの検出情報を管理する。
次に、回胴回転制御処理を行う(ステップS43)。回胴回転制御処理では、回胴状態フラグを確認した際の回胴始動時や回胴停止指令フラグを確認した際の回胴停止時において、回胴駆動モータに出力するパルス信号を管理制御したり、現在の回胴の回転位置やその速度を監視したりする。
次に、定期更新処理を行う(ステップS44)。この定期更新処理では、遊技動作に用いられる各種タイマ(遊技動作時間を管理するタイマ)を更新したり、ウォッチドッグタイマを定期的にクリアしたりする。定期更新処理が実行されない場合、例えば、遊技動作制御に異常が発生してプログラムが暴走状態となった場合、ウォッチドッグタイマがタイムアップすると、メインCPU401cが自動的にリセットされて上記暴走状態から復帰する。
次に、コマンド出力処理を行う(ステップS45)。このコマンド出力処理では、遊技の進行に伴う処理状態に応じてセットされる演出制御コマンドを演出制御基板420側に送信する。主制御部400は、割り込み毎に演出制御コマンドを1バイト分出力している。1つの演出制御コマンドは2バイト長であるので、連続する2回のタイマ割り込みで1つの演出制御コマンドが送信される。
次に、メダル情報出力処理を行う(ステップS46)。このメダル情報出力処理では、遊技メダル投入や遊技メダル払出しの際のメダル払出信号を出力する。上記各信号は、外部集中端子基板310を介してホールコンピュータHCに送信される。
次に、表示出力処理を行う(ステップS47)。この表示出力処理では、遊技機に設けられたLEDや7セグメントの発光を制御するための発光制御信号を出力する。
次に、異常監視処理を行う(ステップS48)。この異常監視処理では、上記入力管理処理の情報に基づいて遊技機が正常状態であるか異常状態(遊技動作エラー)であるかを監視する。
そして、上記のステップS41〜ステップS48の処理を終えた後、一時退避していたレジスタの内容を復帰させる復帰処理を行い(ステップS49)、割り込みの許可状態に設定する。これにより、タイマ割込処理を終了して、割り込み前の上記主制御側メイン処理に戻り、次のタイマ割り込みが発生するまで当該主制御側メイン処理を行う。
<演出制御部側の処理:図12〜図18>
次に、図12〜図18を参照して、演出制御部410側における処理手順について説明する。なお、演出制御部410の制御主体は、正確には演出制御基板420のサブCPU421cや液晶制御基板460のCPUなどを含んだものであるが、主制御基板400から演出制御コマンドを受けた演出制御基板420(サブCPU421c)側がこれに関連する液晶制御コマンドを液晶制御基板460に送信する関係上、以下では、演出制御基板420が行う処理手順を中心に説明し、演出制御基板420の機能と液晶制御基板460の機能とを特に必要がない限り区別することなく、演出制御動作処理を実行する主体を演出制御部410として説明する。またCPU、RAMなどは、演出制御基板420のサブCPU421c、サブRAM421bなどで代表させる。
(3.演出制御側メイン処理:図12)
図12は、演出制御部側のメイン処理(演出制御側メイン処理)を示すフローチャートである。演出制御部410は、遊技機本体に対して外部から電源が投入されると、図13に示す演出制御側のメイン処理を開始する。
この演出制御側のメイン処理では、まず電源投入時の初めての処理としてステップS61が行われ、これ以外の場合には正常動作時の処理としてステップS62〜S65の処理が行われる。
図12において、まず演出制御部410は、電源投入時の初めての処理として、遊技動作開始前における必要な初期設定処理を行う(ステップS61)。
続いて正常動作時の処理として、演出用乱数更新処理を行う(ステップS62)。この演出用乱数更新処理では、主として、演出内容を選択するために利用される演出抽選用乱数値を定期的に更新している。
次に、コマンド受信割り込み、タイマ割り込み、外部INT等を許可する割り込み許可状態に設定し(ステップS63)、その後、割り込み禁止状態に設定する(ステップS64)。続いてウォッチドッグタイマをクリアし(ステップS65)、電断が発生しない限り、ステップS62〜ステップS65の処理を繰り返す。
(4.コマンド受信割込処理:図13)
次に、図13を参照して、演出制御部410が実行する演出制御側のメイン処理において、主制御基板400からの演出制御コマンドを受信した場合に実行されるコマンド受信割込処理について説明する。図13は、コマンド受信割込処理を示すフローチャートである。このコマンド受信割込処理は、次に述べる演出制御側タイマ割込処理(図14)よりも優先して実行される。
図13において、まず演出制御部410は、主制御基板400からの演出制御コマンドを受信したことを確認すると、所定のレジスタを所定のスタック領域に退避させる退避処理を行う(ステップS71)。
次に、演出制御部410は、受信した演出制御コマンドをサブRAM421bの所定の演出制御コマンド格納領域(コマンド受信バッファ)に格納し(ステップS72)、レジスタの内容を復帰して(ステップS73)、コマンド受信割り込み処理を終了する。
(5.演出制御側タイマ割込処理:図14)
次に、図14を参照して、上記演出制御側メイン処理実行中に割り込んで2ms程度ごとに実行される演出制御側タイマ割込処理について説明する。図14は、一定時間(2ms)ごとの割り込みで起動される演出制御側のタイマ割込処理を示すフローチャートである。
図14において、まず、演出制御部410は、レジスタを所定のスタック領域に退避させるレジスタ退避処理を行う(ステップS81)。
次に、定期更新処理を行う(ステップS82)。この定期更新処理では、演出パターンを選択するために利用される演出抽選用乱数の初期値や、演出パターンの実行に必要なタイマの内容を割り込みごとに更新する。上記タイマの代表的なものは、演出の発生に関するタイムスケジュールを管理するタイマである。このタイマにより遊技中の演出において、その遊技進行の時間軸上で、どのような演出パターンを、どれだけの時間幅をもって、演出手段である装飾ランプ(LED)やスピーカ16や液晶表示装置6などにより現出させるかについての時間的なスケジュールが管理される。
次に、停止警告タイマ管理処理を行う(ステップS83)。この停止警告タイマ管理処理では、主に後述の停止警告タイマ(タイマT)を管理し、空回し状態が発生した場合、液晶表示装置6に対し警告表示演出の現出制御(警告表示の表示制御を含む)を行う。この停止警告タイマは、回胴の回転時間を計時するためのタイマであり、空回し状態が発生したか否かは、この停止警告タイマを利用して把握される。本実施形態では主制御部400側ではなく、演出制御部410側で空回し状態が発生したか否かを監視する形態となっている。なお、上記停止警告タイマ管理処理の詳細については、図18にて後述する。
次に、コマンド対応処理を行う(ステップS84)。このコマンド対応処理では、上記コマンド受信バッファに演出制御コマンドが格納されているか否かを割り込みごとに監視し、演出制御コマンドが格納されていればこのコマンドを読み出し、読み出した演出制御コマンドに対応した演出処理(たとえば、演出パターン(広義には、演出シナリオ)の抽選)を行う。ここでは、上述したコマンド受信割込処理で新しいものに更新された演出制御コマンドが優先的に処理されることになる。上記演出制御コマンドの中には、メダル投入コマンド、回転開始コマンド、回胴起動コマンド、停止情報受付コマンド、停止結果情報コマンド、入賞情報コマンド、その他、ボーナス遊技の開始や終了した旨を示すボーナス遊技に係るコマンドなどが含まれる。
次に、演出シナリオを更新させて演出を進行させる演出進行処理を行う(ステップS85)。この演出シナリオ更新処理では、上記コマンド対応処理(ステップS84)において設定された上記演出内容(演出データ)に基づいて、演出の進行に係るタイムスケジュールの下、液晶表示装置6の画像を表示制御するための液晶制御コマンドの作成、または発光手段(装飾ランプ13やLED)を作動させるための発光制御信号、あるいはスピーカ16を作動させるための音制御信号を作成し、その出力設定を行う。
続いて、ステップS85で作成した液晶制御コマンドまたは制御信号を出力するための出力処理(映像、音、光)を行う(ステップS86)。この出力処理では、上記出力設定された制御信号などがある場合には、必要なタイミングで演出制御基板(サブCPU421c)420から液晶制御基板(液晶制御CPU)460に対して液晶制御コマンドを出力したり、装飾ランプ13やLEDを含む光表示装置の表示制御部、またはスピーカ16を含む音響発生装置の音響制御部に対して制御信号を出力したりする。液晶制御基板(液晶制御CPU)460側では上記液晶制御コマンドに基づく画像表示制御が行われる。これにより、液晶表示装置6での画像による演出表示やスピーカ16からの音演出や装飾ランプ13による光演出が展開され、演出手段による種々の演出パターンが遊技進行の時間軸上で現出されていくことにより、広義の意味での演出シナリオが実現される。
そして、ステップS86の出力処理を終えると、退避したレジスタの内容を復帰して(ステップS87)、演出制御側タイマ割込処理を終了する。
(6.コマンド対応処理:図15〜図17)
次に、説明の便宜上、ステップS83の停止警告タイマ管理処理の説明よりも先に、演出制御コマンドを受信した場合のステップS84のコマンド対応処理について説明しておく。ここでは、本実施形態と関連の深い「回転開始コマンド」、「停止情報受付コマンド」、「入賞情報コマンド」を受信した場合について説明し、他の演出制御コマンドを受信した場合の説明は省略する。
(6−1.回転開始コマンド受信処理:図15)
図15は、図14のコマンド対応処理(ステップS84)の一つである回転開始コマンド受信処理を示すフローチャートである。この回転開始コマンド受信処理は、図10の内部抽選処理(ステップS16)でセットされる回転開始コマンドを受信した場合に行われる。
図15おいて、まず演出制御部410は、停止警告タイマに所定時間、たとえば、3000ms(30秒)に相当するタイマ値(T=1500)をセットする(ステップS601)。この停止警告タイマにより回胴の回転時間(回胴の回転状態中の時間)が計時され、回胴の停止操作が行われることなく、計時された回転時間が所定時間(停止警告タイマにセットされた時間。ここでは、3000ms)を経過した場合、警告表示演出が現出されるようになっている(後述の停止警告タイマ管理処理:図18参照)。なお、回胴の回転状態が発生したとされるタイミング、つまり回胴の回転時間の計時開始タイミングは、正確には、回胴始動時に送られてくる「回胴起動コマンド」の受信したときが好ましいが、「回転開始コマンド」を受信したことを以って回胴の回転始動時とみなしても特に問題はない。その理由は、上記「回転開始コマンド」を受信したときから「回胴起動コマンド」の受信までの時間差は最大で数秒程度であるため、その時間差は無視しても特に問題はないと考えられるからである。勿論、上記「回転開始コマンド」ではなく、「回胴起動コマンド」を受信したことを条件に、ステップS601の処理と同様の処理を行うように構成しても良い。したがって、回胴の回転時間の計時開始タイミングとしては、遊技開始条件下で回胴回転始動レバー11の操作を検出したことを条件に開始しても良いし(回胴回転始動スイッチ11aからの検出信号を受信したことを条件に)、回胴が回転したときを条件にしても良い。
次に、当選役種別情報を取得する(ステップS602)。ここでは、回転開始コマンドに含まれる当選役に関する情報(内部抽選結果情報)から、今回のゲームの当選役情報を取得する。
次に、現在の演出状態を取得する(ステップS603)。この演出状態は、演出制御部410側で管理されている遊技状態(演出制御側遊技状態(演出状態))であり、基本的には主制御側遊技状態と整合性が取られる形態で管理されている。また、演出制御側遊技状態は、主制御側遊技状態に関する情報を含む演出制御コマンド(たとえば、回転開始コマンドや入賞情報コマンド)が送られてくる度に、必要に応じて変更される。この演出制御側遊技状態が如何なる状態下に置かれているかに応じて、同じ当選役であっても異なる演出が選択されるようになっている。
次に、取得した演出状態に応じた演出処理を行う。演出状態がAT遊技中(遊技機全体から捉えた遊技状態としては、ART遊技中)である場合(ステップS604:YES)、AT遊技中用の演出を選択する(AT遊技中回転開始コマンド受信時の演出選択処理:ステップS605)。ここでは、上記当選役情報がAT1〜AT6またはRP1〜RP3のいずれかである場合、その当選役に対応する押し順報知演出を、押し順報知演出選択テーブル(図示せず)から選択する。たとえば、当選役がAT1の場合には、これに対応する6択ベル役の入賞手順(「左→中→右」の押し順を報知)を報知するための押し順報知演出が選択され、当選役がRP1の場合には、これに対応するパンク役の入賞回避の入賞手順、つまりリプレイ役の入賞手順(第1停止操作回胴「左回胴」の押し順を報知)を報知する押し順報知演出が選択される。そして、その選択した演出(演出データ)をセットする(ステップS606)。これにより、液晶表示装置6の画面上に、「6択ベル役」や「リプレイ役」の入賞手順を画像表示する、といった演出態様が現出されることになる。
一方、演出状態がAT遊技中以外の場合には(ステップS604:NO)、当選役と演出状態(ここでは、通常遊技中またはボーナス遊技中に対応する演出状態)とに応じた所定の演出を選択し(その他の演出状態に応じた回転開始コマンド受信時の演出選択処理:ステップS607)、その選択した演出をセットする(ステップS606)。
そして、ステップS606の処理を終えると、回転開始コマンド受信処理を抜ける。
(6−2.停止情報受付コマンド受信処理:図16)
図16は、図14のコマンド対応処理(ステップS84)の一つである停止情報受付コマンド受信処理を示すフローチャートである。この停止情報受付コマンド受信処理は、図10の回胴停止処理(ステップS18)でセットされる停止情報受付コマンドを受信した場合に行われる。
図16おいて、まず演出制御部410は、ステップS601の処理(図15)と同様にして、停止警告タイマに所定時間、たとえば、3000ms(30秒)に相当するタイマ値(T=1500)をセットする(ステップS611)。ここでは、回胴回転停止ボタン12a、12b、12cのいずれかが操作される度に、上記停止警告タイマに新たなタイマ値(T=1500)が再セットされる。これにより、一度停止操作されると、当該停止操作から所定時間(ここでは、3000ms)が経過した場合に、警告表示演出が現出されることになる。このようにする理由は、回胴の停止操作が確認されれば、遊技者が実際に遊技に興じていると考えられるからであり、回胴が回転したときから全回胴が停止するまでの時間を上記回転時間とするよりも、回胴の停止操作がある度に回胴の回転時間の計時を新たに開始させ、当該停止操作があったときから全回胴が停止するまでの時間を上記回転時間とする方が「空回し状態」の発生をより正確に監視する上で好ましいからである。なお、‘第3番目’の停止操作は全回胴が停止することとなる停止操作となることから、この点に着目し、‘第1番目‘の停止操作や‘第2番目’の停止操作を確認した場合(全回胴が停止することとなる停止操作を除いた他の停止操作を確認した場合)に限り、上記停止警告タイマに新たなタイマ値をセットしても良い。また、各停止操作ごとに、異なるタイマ値をセットしても良い。また、このステップS611やステップS601の処理において上記停止警告タイマにセットされる時間は、遊技者が遊技を中断して遊技機から離れていると想定される一般的な時間幅(全回胴の停止操作時間は、遊技初心者であっても数十秒程度)間であれば特に限定されない。
次に、回胴の停止操作に関する情報(停止操作情報)を取得する(ステップS612)。停止情報受付コマンドは、回胴の停止操作に関する情報(たとえば、押し順を示すデータ(停止操作順番(押し順)データ)、現在停止している回胴数を示すデータ(停止回胴数データ)、停止対象となった回胴を示すデータ(停止対象回胴データ)など)が含まれる。この停止情報受付コマンドを受信した場合、演出制御部410は、当該停止情報受付コマンドに含まれている情報から停止操作情報として、現在如何なる押し順で回胴が停止操作されたか、停止対象となった回胴がいずれの回胴であるか、現在停止している回胴はいくつあるか、などの情報を取得する(ステップS612)。演出制御部410は、この停止操作情報から、現在の回胴の回転状態および停止状態を把握することができるようになっている。
次に、現在現出中の遊技演出情報を取得する(ステップS613)。現在現出中の「遊技演出情報」とは、現在、どのような演出データがセットされているかを示す情報であり、この情報は、演出制御部410がその機能部を担う「遊技演出情報管理手段」により管理される。
次に、取得した遊技演出情報に基づき、「警告表示演出」が現出中であるか否かを判定する(ステップS614)。警告表示演出が現出中でない場合(ステップS614:NO)、ステップS616の処理に移行する。一方、警告表示演出が現出中である場合(ステップS614:YES)、当該警告表示演出を終了し、本来の演出に切り替える(警告表示演出終了処理:ステップS615)。これにより、警告表示演出が表示中であっても、遊技者が一度回胴回転停止ボタン12a、12b、または12cを操作すれば、全回胴停止前であっても警告表示演出が終了されて本来の演出が再表示されるため、警告表示の煩わしさを解消することができるようになっている。
続くステップS616の処理では、取得した遊技演出情報に基づき、現在現出中の演出が「押し順報知演出」であるか否かを判定する。現在現出中の演出が「押し順報知演出」である場合には(ステップS616:YES)、押し順報知演出種別に応じた演出を選択する(押し順報知演出中の停止情報受付コマンド受信時の演出選択処理:ステップS617)。ここでは、たとえば、AT1当選時の押し順報知演出中に、その報知内容とは異なる押し順で(たとえば、第1停止操作回胴を中回胴5bとしてしまった場合)には、押し順が一致しなかった旨を報知する押し順失敗演出が選択され、報知内容と正しい押し順で回胴回転停止ボタンが操作された場合には、押し順が一致した旨を報知する押し順成功演出が選択される。一方、現在現出中の演出が「押し順報知演出」でない場合(ステップS616:NO)、その他の演出に応じた停止情報受付コマンド受信時の演出が選択される(その他の演出中の停止情報受付コマンド受信時の演出選択処理:ステップS619)。
そして上記ステップS617、S619の処理において選択された演出をセットし(ステップS618)、停止情報受付コマンド受信処理を抜ける。
(6−2.入賞情報コマンド受信処理:図17)
図17は、図14のコマンド対応処理(ステップS84)の一つである入賞情報コマンド受信処理を示すフローチャートである。この入賞情報コマンド受信処理は、図10の入賞判定処理(ステップS19)でセットされる入賞情報コマンドを受信した場合に行われる。
図17おいて、まず演出制御部410は、入賞情報コマンドを受信した場合、全回胴が停止したとして、停止警告タイマをクリアする(ステップS651)。これにより、新たな回転開始コマンドを受信するまで、停止警告タイマは‘0’のままとなる。
次に、入賞役に関する情報(入賞役種別情報)を取得する(ステップS652)。入賞情報コマンドは、入賞役情報や入賞ライン情報や遊技状態情報などを含んでいる。この入賞情報コマンドを受信した場合、演出制御部410は、当該コマンドに含まれている情報から入賞役の種別を解析し、その情報を取得する。
次に、現在の演出状態を取得する(ステップS653)。
次に、現在の演出状態と入賞役情報とに基づき、全回胴停止時における演出を選択し(入賞情報コマンド受信時の演出選択処理:ステップS654)、選択された演出をセットして(ステップS655)、入賞情報コマンド受信処理を抜ける。
(7.停止警告タイマ管理処理:図18)
図18は、図14の停止警告タイマ管理処理を示すフローチャートである。
図18において、まず演出制御部410は、停止警告タイマを確認し、当該停止警告タイマが‘0’であるか否かを判定する(ステップS501)。停止警告タイマが‘0’である場合には(ステップS501:YES)、ステップS504の処理に移行する。
上記停止警告タイマが‘0’でない場合には(ステップS501:NO)、そのタイマ値を割り込みごとに減算する減算処理(停止警告タイマT←T−1)を行い(ステップS502)、減算後の停止警告タイマが‘0’であるか否かを判定する(ステップS503)。減算後の停止警告タイマが‘0’でない場合には(ステップS503:NO)、そのまま何もせずに停止警告タイマ管理処理を抜ける。一方、上記減算後の停止警告タイマが‘0’である場合には(ステップS503:YES)、ステップS504の処理に移行する。
続くステップS504の処理では、回胴が回転中(回胴回転中)であるか否かを判定する(ステップS504)。ここで、「回胴回転中」の期間は、「回転開始コマンド」を受信したときから「入賞情報コマンド」を受信するまでの期間を「回胴回転中」としても良いし、「回胴起動コマンド」を受信したときから「入賞情報コマンド」を受信するまでの期間を「回胴が回転中」であると判定しても良い。換言すれば、上記「回胴回転中」の期間は、所定の遊技開始条件の下で回胴回転始動レバー11が操作されたときから全回胴が停止するまでの期間か、または全回胴が回転始動したときから当該全回胴が停止するまでの期間とすることができる。
回胴が回転中でない場合には(ステップS504:NO)、停止警告タイマが‘0’であっても空回し状態でないため、そのまま何もせずに停止警告タイマ管理処理を抜ける。一方、回胴が回転中である場合には(ステップS504:YES)、空回し状態が発生したとして、次に、現在現出中の遊技演出情報を取得し(ステップS505)、警告表示演出が現出中であるか否かを判定する(ステップS506)。
警告表示演出が現出中である場合(ステップS506:YES)、既に警告表示演出が液晶画面6a上に表示中であり、その表示状態を維持する必要があることから、そのまま何もせずに停止警告タイマ管理処理を抜ける。一方、警告表示演出が現出中でない場合(ステップS506:YES)、続いて、押し順報知演出が現出中であるか否かを判定する(ステップS507)
押し順報知演出が現出中である場合(ステップS507:YES)、押し順報知演出中の警告表示演出として、図9に示すような、押し順報知演出による入賞手順を遊技者に認識し得る表示態様を維持しながら、警告表示演出による警告表示を表示し得る演出態様となるAT遊技中用の警告表示演出(AT遊技用警告表示演出)をセットする(ステップS508)。この「AT遊技用警告表示演出」とは、「遊技者に回胴の停止操作を促す警告表示」と、「遊技者が今回のゲームの押し順報知演出の内容(入賞手順)を認識し得る表示」を含む特殊な演出態様である。これに対し、押し順報知演出が現出中でない場合(ステップS507:NO)、図8に示すような演出態様となる押し順報知演出中以外のその他の演出中の警告表示演出(通常用警告表示演出)をセットする(ステップS509)。この通常用警告表示演出を表示する際は、AT1〜AT6やRP1〜RP3に関する入賞手順が報知されているといった状況下ではないため、現在現出中の演出を中断し、警告表示だけを表示する専用の警告表示演出に切り替え制御する構成としても良いし、また「AT遊技用警告表示演出」のように、現在現出中の演出内容を遊技者に認識し得る表示態様を維持しながら警告表示を表示するような演出態様であっても良い。
なお、上記ステップS507の処理では、押し順報知演出が現出中であるか否かを判定する構成として説明したが、演出状態を判定する構成としても良い。具体的には、S507の処理において、AT遊技中であるか、それ以外の遊技中であるかを判定し、その判定結果に応じて、ステップS508またはS509の処理を実行するように構成しても良い。この場合、AT遊技中である場合は、上記警告表示演出として、現在現出中の演出内容を遊技者に認識し得る表示態様を維持しながら警告表示を表示するような演出態様をセットするようにすれば良い。
以上のように演出制御部410は、画像表示装置(たとえば、液晶表示装置6)に対して演出を画像により表示制御する表示制御手段(たとえば、図14の演出制御側タイマ割込処理の画像表示に関する処理、液晶制御基板420)としての機能部を含み、スピーカ16や装飾ランプ13に代表される各種演出手段に対する演出制御動作を統括的に司る演出制御手段としての役割を果たす。また、本実施形態の演出制御部410は、始動スイッチ(回胴回転始動スイッチ11a)に起因する前記回胴の回転時間を計時する回転時間計時手段(図14のステップS83、S84(図15のS601、図16のS611、図17のS651、図18のS502))を含むことができる。また上記表示制御手段は、特典遊技状態中(AT遊技中またはART遊技中)において、上記役抽選手段(主制御部410(図10のステップS16))により決定された当選役が押順規定役(たとえば、AT1〜AT6、RP1〜RP3など)であることを条件に、その当選役に対応した有利に作用する図柄の組合せが遊技結果として導出表示し得る停止操作手順(入賞手順)に関する情報を報知する特別表示(押し順報知演出による入賞手順報知画像)を上記画像表示装置に対して表示制御する特別表示制御手段と(図14のステップS84(図15のS602〜S607))、停止スイッチ(回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、12c’)の停止操作が行われることなく上記回転時間計時手段により計時された時間が所定時間(たとえば、3000ms)に達したことを条件に、遊技者に対して上記停止スイッチの停止操作を促す警告表示(たとえば、図8または図9)を上記画像表示装置に対して表示制御する警告表示制御手段と(図14のステップS83(図18のステップS501、S503、S504〜S509))、を含むことができる。そして、上記警告表示制御手段は、上記特別表示が前記画像表示装置に表示中である場合、当該特別表示における停止操作手順に関する情報を遊技者が認識し得る表示態様で維持しながら前記警告表示を表示する重複表示態様(たとえば、図9)となるように上記画像表示装置に対して表示制御するように構成される。また、上記回転時間計時手段は、停止スイッチによる停止操作が行われる度に、新たに前記回胴の回転時間の計時を開始し(図14のステップS83、S84(図16のS611、図18のS502))、上記警告表示制御手段は、上記回転時間計時手段により、その新たな回胴の回転時間が計時されてから上記停止スイッチの停止操作が行われることなく上記所定時間が計時された場合、上記警告表示を前記画像表示装置に対して表示制御することができる(図14のステップS83、S84(図16のS611、図18のステップS501、S503、S504〜S509))。また、上記警告表示制御手段は、上記重複表示態様が上記画像表示装置に表示中の場合、前記停止スイッチの停止操作が行われたことを条件に、当該重複表示態様から本来の前記特別表示を再表示するように上記画像表示装置に対して表示制御することができる(図14のS84(図16のS614、S615))。なお、括弧内は本実施形態における対応要素を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
以上、本発明に係る好ましい一実施形態を説明したが、以下のような実施形態を採用しても良い。
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、演出制御部410側が警告表示演出を現出させるタイミングを管理する形態を説明したが本発明はこれに限られない。本発明は、主制御部400側がその機能部を有する形態であっても良い。具体的には、主制御部400側が、回胴の回転時間を計時する機能部(回転時間計時手段)を含むことができる。この場合、主制御部410側で、回胴回転停止ボタン12の停止操作が行われることなく(回胴回転停止スイッチ12a’、12b’、または12c’からの検出信号を検出することなく)、上記計時手段が所定時間(たとえば、30秒)を計時した場合、演出制御部410に対してその旨を示す演出制御コマンド(以下、「回胴停止警告コマンド」と称する)を送信して、演出制御部410側が上記回胴停止警告コマンドを受信した場合、画像表示装置(液晶表示装置6)に対して上記回胴回転指示演出を現出制御することができる。
演出制御部410が上記回胴停止警告コマンドを受信した場合の処理としては、図14のコマンド対応処理(ステップS84)において、上記回胴停止警告コマンド受信時の処理を別途設け、押し順報知演出が現出中である場合には「AT遊技用停止指示演出」をセットし、押し順報知演出が現出中でない場合には「通常停止指示演出」をセットして、そのセットした警告表示演出を液晶表示装置6に対して現出制御する。その後、全回胴が停止して、演出制御部410側で「入賞情報コマンド」を受信した場合、上記AT遊技用停止指示演出または通常停止指示演出が現出中である場合はこれを解除する、といった構成とすることができる。
以上のように、本実施形態の主制御部400は、回胴の回転が開始したときから所定時間内に全回胴が停止したか否かを判定する機能部を含み、演出制御部410は、上記判定手段の判定結果に基づき、上記停止スイッチの停止操作を促す警告表示を前記画像表示装置に対して表示制御する機能部を含むことができる。なお、演出制御部410による警告表示(通常遊技中の警告表示またはART遊技中の警告表示)の表示制御は、第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
[第3実施形態]
上記に説明した第1および第2実施形態では、AT遊技中において、図9に示すような「遊技者に回胴の停止操作を促す警告表示」と、「遊技者が今回のゲームの押し順報知演出の内容(入賞手順)を認識し得る表示」とを同時に液晶画面6aに表示させる構成を説明したが本発明はこれに限られない。たとえば、押し順報知演出中に空回し状態が発生した場合、一旦、その押し順報知演出を隠蔽状態にして、上記警告表示だけを液晶画面6aに表示し、所定の条件の下、その隠蔽状態を解除して、当該押し順報知演出を、再び液晶画面6a上に表示させる構成としても良い。
具体的には、押し順報知演出中においても、図8の非ART遊技中と同じ画面表示(たとえば、「リールを停止してください」だけの警告表示)に切り替え制御して、押し順報知演出それ自体またはその内容(入賞手順)に関する表示を隠蔽状態とし(この機能部を「隠蔽手段」と称する)、その隠蔽状態中において、遊技機に設けられた回胴回転停止ボタン12以外の所定の操作手段(たとえば、MAXベットボタン8、1ベットボタン9、貯留メダル精算ボタン10、または回胴回転始動レバー11など)の操作を検出した場合、その隠蔽状態を解除して、本来の押し順報知演出を、再び液晶画面6a上に表示させる(この機能部を「隠蔽解除手段」と称する)、といった構成にすることができる。
また、上記第1実施形態においては、上記の各操作手段が操作された際の検出信号は主制御部400側に送信される構成として説明した。しかし本実施形態の場合、(A)上記操作手段の操作を主制御部400が検出した場合(回胴が回転中の場合は、上記操作手段の本来の機能は無効扱いとされるようになっている)、その旨を示す演出制御コマンドを送信可能に構成し、演出制御部410側において、この演出制御コマンド受信したときの遊技演出が上記隠蔽状態中であるか否かを判定し、当該隠蔽状態中である場合、その隠蔽状態を解除するように構成することができる。
また(B)上記操作手段が操作された際の検出信号を演出制御部410側にも送信可能に構成し、演出制御部410側において、この検出信号を受信したときの遊技演出が上記隠蔽状態中であるか否かを判定し、当該隠蔽状態中である場合は、その隠蔽状態を解除さすように構成することができる。
また本実施形態においては、(C)別途、遊技者が操作可能な演出介入操作手段(演出介入操作ボタン(スイッチ):図示せず)を設けることができる。この場合、たとえば、演出介入操作ボタンが操作された際の検出信号を主制御部400に送信することなく、演出制御部410側だけに送信する構成とすることができる。演出制御部410側において、この検出信号を受信したときの遊技演出が上記隠蔽状態中であるか否かを判定し、当該隠蔽状態中である場合、その隠蔽状態を解除するように構成することができる。
なお、上記(A)〜(C)の構成において、(D)上記隠蔽解除手段を機能させるために利用される操作手段が所定の解除手順で操作されたことを条件に、上記隠蔽状態を解除可能な構成としても良い。具体的には、隠蔽状態中において上記操作手段が所定の解除手順で操作されたか否かを判定し(この機能部を「隠蔽状態解除判定手段」と称する)、当該操作手段が所定の解除手順で操作された場合、その隠蔽状態を解除する、といった構成としても良い。上記所定の解除手順としては、1または複数の操作手段を利用し、たとえば、「MAXベットボタン8を押しながら、回胴回転始動レバー11を押下する」という手順や、「演出介入操作ボタンを所定回数(たとえば、複数回)押下する」という手順などが挙げられる。
上記(A)〜(D)のように構成した場合、次のような効果を奏することができる。
従来よりパチンコ店には、他人の出玉を盗んだり、他人の遊技機を勝手に弄り悪戯したりする悪意のある者が存在することが知られている。このため、遊技者が遊技機から離れている間、悪意のある者が勝手に回胴を停止させてしまうといった行為に及ぶ可能性も否定できない。たとえば、遊技者が遊技機から長時間離れている状況下において、ART遊技の終了契機役となる「パンク役」の入賞手順が報知されたままであると、上述のような悪意のある者がいた場合、確実にパンク役を入賞させられてしまう恐れがある。その結果、本来の遊技者が遊技機に戻ってきたときには、既にART遊技が終了してしまっているといった最悪な事態も想定し得る。このような事態は、パチンコ店と遊技者間のトラブルの原因ともなり、またパチンコ店に対する不信感を与えることにもなり兼ねない。
そこで本実施形態においては、上記隠蔽状態中の液晶画面6aの表示を見ても、一見して、押し順報知演出中であるか否かを判別することができないようにし、悪意のある遊技者がいた場合であっても、遊技機を勝手に弄くるといった悪意の行為を防止する効果がある。特に、上記(D)のように構成した場合、上記隠蔽状態を解除するために少なからず時間を要することになることから、その行為を防止する効果がさらに高まる。これらは、犯罪者の心理を突くものであり、隠蔽状態とすることは悪意のある者が他人の遊技機を弄る動機を抑制させ、また隠蔽状態の解除に時間を要するようにすることは、店員や周囲の遊技者などに注目される確率が高まることから、他人の遊技機を弄る動機をより一層抑制させることができる。この結果、押し順報知演出の内容が報知されたままの状態よりも、その内容を一旦隠蔽状態とする方が、遊技者に対して安心感を与えることができる。このように構成しても本発明の目的を達成することができる。
[第4実施形態]
本発明では、回胴を自動的に停止させるための自動停止機能は備えていない。このため、たとえば、回胴が回転したまま常識的な範囲を逸脱するような時間(たとえば、数時間)、遊技機が放置されている場合には、遊技進行が長時間妨げられて遊技機の稼働率が著しく低下することから、パチンコ店にとって好ましくない。また、他の遊技者がその遊技機で遊技を行いたくとも、本来の遊技者が単に食事やトイレなどの理由により遊技機から少しの時間だけ離れているだけであるのか、それとも遊技自体を放棄したものであるのか、あるいは悪戯により回胴が回転したまま放置されているのか、などを判断することができない。
このような問題を解消するため、本実施形態では、警告表示演出中の現出時間(警告表示演出が現出されたときからの経過時間)か、または停止警告タイマとは別のタイマを設けて回胴の回転時間を計時し(この機能部を「遊技開放計時手段」と称する)、その遊技開放計時手段により計時される時間に基づき、上記警告表示演出から他の演出に切り替え制御する(この機能部を「遊技開放演出制御手段」と称する)ように構成することができる。具体的には、回胴回転停止ボタン12の停止操作が行われることなく(回胴回転停止スイッチからの検出信号を検出することなく)、当該遊技開放計時手段により所定時間(たとえば、30秒)が計時された場合、上記警告表示演出から他の演出に切り替え制御可能に構成する。ここで、上記「他の演出」とは、遊技者が遊技機から長時間離れている旨に関する情報(以下、「離席時間情報」と称する)を報知する演出態様である。
このように、一旦、警告表示演出を報知しておきながら、時間経過に伴い離席時間情報を報知するようにすれば、遊技機が相当な時間放置されたままになっていることを、パチンコ店の店員や他の遊技者が知ることができ、その遊技機を空き台として整理することができるようになる。この結果、遊技機の稼働率が低下してしまうことをより一層防止することができる。なお、「離席時間情報」を報知する演出態様としては、たとえば、液晶表示装置6による画像表示演出により、上記遊技開放計時手段により計時される時間を表示したり、遊技機が開放されるまでの時間をカウントダウン形式で表示したり、遊技機を開放すべきである旨を表示したりする、といった演出態様が挙げられる。勿論、上述の画像表示演出と共に、スピーカ16による音演出や装飾ランプ部13による光演出を伴っても良い。また「離席時間情報」を報知する際は、もはや遊技機が放置状態であるみなし、たとえば押し順報知演出中であってもその演出を強制的に終了させ、上述のような「離席時間情報」を報知する演出態様に切り替えてしまっても良い。斯様な「離席時間情報」を報知する演出を演出手段に対して現出制御する遊技開放演出制御手段は、演出制御部410がその機能部を担うことができる。また、上記遊技開放計時手段としての機能部は、主制御部400が担っても良いし、演出制御部410が担っても良い。
[第5実施形態]
本発明は自動停止機能を備えていないとして説明したが、特定の遊技状態中および特定の役が内部当選中の少なくともいずれか一方の場合、回胴を自動停止させる(この機能部を「特別自動停止機能」と称する)ように構成しても良い。たとえば、遊技者に有利な特定の遊技状態(たとえば、RT遊技やART遊技)中の場合には回胴を自動停止させず、それ以外の遊技状態(たとえば、通常遊技)中の場合には回胴を自動停止させるように構成しても良い。また、AT1〜AT6またはRP1〜RP3のように、回胴の停止操作手順(押し順や停止操作タイミング)に応じ、遊技者に「有利/不利」をもたらすような遊技結果が導出表示され得る役に内部当選した場合には回胴を自動停止させず、それ以外の役に内部当選した場合には回胴を自動停止させるように構成しても良い。このようにすれば、遊技者が自己の都合により遊技機から離れていたとしても、思わぬ不利益を与えてしまうことを防止することができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好ましい実施形態に係る回胴式遊技機について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明を逸脱しない範囲において各種構成要素の改変が可能である。また、以上に説明した実施形態では、遊技媒体として遊技メダルを使用する回胴式遊技機を例に説明したが、他の遊技媒体、たとえば遊技球を用いる回胴式遊技機にも適用可能である。