JP2012069575A - 積層型電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 好適な実施形態の積層型電子部品は、セラミック層と内部電極層及び段差解消層とが交互に積層された内層部と、この内層部をその積層方向の両側から挟むように設けられた外層部とを備えており、セラミック層が、誘電体成分とSi酸化物を含む添加成分とを含有し、段差解消層又は外層部が、誘電体成分とSi酸化物及びAl酸化物を含む添加成分とを含有する。
【選択図】 図2
Description
図1は好適な実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面構成を模式的に示す図である。積層セラミックコンデンサC1は、内層部10と、この内層部10を挟むように上下に位置する一対の外層部20とを備えている。積層セラミックコンデンサC1の外表面には、一対の端子電極40が形成されている。端子電極40は、例えば、端子用の電極に適用される公知の金属材料からなるものであり、複数の金属層から構成されてもよい。なお、積層セラミックコンデンサC1の外形寸法は、適宜、所望とする寸法にあわせて設定される。例えば、「1005」タイプである場合、長手方向の長さが1.0mm、幅が0.5mm、高さが0.5mmである。
内部電極層14は、金属等の導電性を有する材料によって構成される。例えば、セラミック層12の構成材料が耐還元性を有することから、卑金属を用いることが好ましい。卑金属としては、Ni又はNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、Co及びAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましい。この場合、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。
セラミック層12は、誘電体成分とSi酸化物を含む添加成分とを含有する誘電体磁器組成物によって構成される。誘電体成分は、誘電体磁器組成物の主成分であって、誘電特性を発現する成分である。この誘電体成分としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)が好ましい。
段差解消層16は、誘電体成分と、Si酸化物及びAl酸化物とを含む添加成分とを含有する誘電体磁器組成物によって構成される。これらの層における誘電体成分は、特に制限されないが、セラミック層12との間の焼成ムラを小さくする観点から、セラミック層12におけるものと同じであることが好ましく、BaTiO3が好適である。
外層部20は、誘電体成分と、Si酸化物及びAl酸化物とを含む添加成分とを含有する誘電体磁器組成物によって構成される。誘電体成分、Si酸化物及びAl酸化物としては、段差解消層16と同様のものを適用でき、焼成ムラを小さくする観点からは、段差解消層16と同じ成分を適用することが好ましい。
次に、上述した好適な実施形態の積層セラミックコンデンサの製造方法の好適な実施形態について説明する。
(サンプル1)
まず、セラミック層を形成するための誘電体成分の原料として、平均粒径0.2μmのBaTiO3の粉末を準備し、また添加成分の原料として、SiO2、MgO、V2O5、Y2O5、MnCO3、及びBaCO3の粉末をそれぞれ準備した。これらを、焼成後の組成が、BaTiO3100モルに対して、SiO20.6モル、MgO1.25モル、V2O50.05モル、Y2O50.6モル、MnCO30.15及びBaCO30.2モルとなるように混合した。
段差解消層及び外層部における単位量あたりのSi酸化物の含有量及びAl酸化物の含有量が表1に示す通りとなるように、セラミックペーストCP2及びCP3の配合を変えたこと以外は、サンプル1と同様にして、サンプル2〜17の積層セラミックコンデンサを製造した。
サンプル1〜17の積層セラミックコンデンサを、それぞれ10000個ずつ作製し、それらについて層間での剥がれやクラックが生じているか否かを確認した。そして、各サンプルに対応する10000個の積層セラミックコンデンサのうち、剥がれ及びクラックの少なくとも一方が生じていたものの発生割合(ppm)を求めた。得られた結果を表1に示す。
(サンプル18〜19)
段差解消層及び外層部における単位量あたりのSi酸化物の含有量及びAl酸化物の含有量が表2に示す通りとなるように、セラミックペーストCP2及びCP3の配合を変えたこと以外は、サンプル1と同様にして、サンプル18〜19の積層セラミックコンデンサを製造した。
Claims (7)
- セラミック層と内部電極層及び段差解消層とが交互に積層された内層部と、該内層部をその積層方向の両側から挟むように設けられた外層部と、を備えており、
前記セラミック層は、誘電体成分とSi酸化物を含む添加成分とを含有し、
前記段差解消層又は前記外層部は、誘電体成分とSi酸化物及びAl酸化物を含む添加成分とを含有する、
積層型電子部品。 - 前記段差解消層又は前記外層部における単位量あたりのSi酸化物の含有量は、前記セラミック層における単位量あたりのSi酸化物の含有量よりも多い、請求項1記載の積層型電子部品。
- 前記段差解消層又は前記外層部における単位量あたりのSi酸化物の含有量は、前記段差解消層又は前記外層部における単位量あたりのAl酸化物の含有量よりも多い、請求項1又は2記載の積層型電子部品。
- 前記外層部における単位量あたりの前記添加成分の含有量は、前記段差解消層における単位量あたりの前記添加成分の含有量よりも多い、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
- 前記セラミック層は、その平面形状が長方形であり、
前記段差解消層における、前記内部電極層よりも前記セラミック層の短辺側の領域を第1領域とし、前記内部電極層よりも前記セラミック層の長辺側の領域を第2領域としたとき、
前記段差解消層の前記第2領域における単位量あたりの添加成分の含有量が、前記段差解消層の前記第1領域における単位量あたりの添加成分の含有量よりも多い、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層型電子部品。 - 前記段差解消層又は前記外層部に含まれる粒子のBET値が、前記セラミック層に含まれる粒子のBET値よりも大きい、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層型電子部品。
- セラミック層と内部電極層及び段差解消層とが交互に積層された内層部と、該内層部をその積層方向の両側から挟むように設けられた外層部と、を備える積層型電子部品の製造方法であって、
前記セラミック層の前駆体層と前記内部電極層の前駆体層及び前記段差解消層の前駆体層とが交互に積層されるとともに、その積層方向の両側から挟むように前記外層部の前駆体層を積層した積層体を形成する工程と、
前記積層体を焼成する工程と、を有しており、
前記セラミック層の前駆体層は、誘電体成分の原料成分と、Si酸化物の原料成分とを含有しており、
前記段差解消層の前駆体層又は前記外層部の前駆体層は、誘電体成分の原料成分と、Si酸化物の原料成分及びAl酸化物の原料成分とを含有している、積層型電子部品の製造方法。
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