JP2012069417A - 非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法及び正極活物質並びにそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法及び正極活物質並びにそれを用いた非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】一般式LiMnO(x≧1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物を固相法で製造することができる非水電解質二次電池の正極活物質の製造方法並びに非水電解質二次電池用正極活物質及びそれを備えた非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】一般式LiMnO(x≧1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質を製造する方法であって、リチウム源と4価のマンガン源とを混合し、4価のマンガンを還元しながら、600℃未満の温度でリチウム源とマンガン源を反応させて、リチウムマンガン複合酸化物を製造することを特徴としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質二次電池用正極活物質であるリチウムマンガン複合酸化物の製造方法、非水電解質二次電池用正極活物質、及びそれを用いた非水電解質二次電池に関するものである。
従来、LiCoOを正極活物質として用いた正極を備える非水電解質二次電池が知られている。しかしながら、Coは希少で高価な資源であるため、LiCoOを正極活物質として用いた場合、非水電解質二次電池の生産コストが高くなる。このため、LiCoOに代わる新たな正極活物質が盛んに研究開発されている。
特に最も安価な遷移金属の一つであるマンガン酸化物を正極材料に使用することが望まれており、スピネル型構造のLiMn(空間群Fd3m)、単斜晶のLiMnO(空間群C2/m)、斜方晶のLiMnO(空間群Pmnm)などのリチウムマンガン酸化物が注目され、その研究開発が行われつつある。中でもLiMnO中ではマンガンが3価であるため、3.5価であるLiMnと比較して高い充放電容量が得られることから、次世代の低コスト正極材料として期待されている。
しかしながら、従来から行われている種々のリチウム化合物と3価のマンガン化合物との混合物を500℃〜900℃で固相反応させる方法では、斜方晶のLiMnOしか得られない。また、この斜方晶のLiMnOは、電気化学的なリチウムの挿入・脱離は可能であるものの、充放電の繰り返しにより、スピネル相へと転移していくため、充放電サイクルに対する充放電曲線の安定性に乏しい。
非特許文献1においては、γ−MnOとLiOHと還元剤としての炭素を混合し、アルゴン下600℃で反応させることによりリチウム化スピネル構造のマンガン酸化物と斜方晶のLiMnOの混合物が得られることが報告されている。しかしながら、この方法で合成したリチウム化スピネル構造のマンガン酸化物と斜方晶のLiMnOの混合物は10サイクル後の放電容量が160mAh/g程度と低くなるという課題があった。
そこで大きな初期放電容量を有し、且つ、充放電サイクルの安定性に優れる単斜晶のLiMnOの合成が検討されている。現在のところ、この化合物の合成は、通常の固相反応で合成した単斜晶構造を有するNaMnOを、Liイオンを含む非水溶媒中でイオン交換することにより行われている(特許文献1)。
しかし、この方法ではα−NaMnOの製造及びそのイオン交換という2段階を必要とするため、大量生産が困難であるなどの問題や、イオン交換後も一部のNaが活物質中に残り、このNaが電池内で悪影響を及ぼすという問題があった。
これを解決するため、特許文献2では、マンガン原料の少なくとも1種を水溶性リチウムとアルカリ金属水酸化物とを含む水溶液中で、130℃〜300℃で水熱処理することにより単斜晶のLiMnOを得ている。しかし、この方法では水熱処理により合成しているため、固相法より高コストとなるという問題があった。
また特許文献3では、固相法により単斜晶構造を有するLiMn1−yAl(0.06≦y<0.25)を合成しているものの、電気化学的に不活性なAlを添加するため、初期放電容量が140mAh/g程度と低くなってしまうという問題があった。
特表2000−503453号公報 特開平11−21128号公報 特開2000−348722号公報
R. J. Gummow, DC Liles and M. M. Thackeray, Materials Research Bulletin Volume 28, Issue 12, (1993) 1249
本発明の目的は、一般式LiMnO(x≧1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物を固相法で製造することができる非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法並びに非水電解質二次電池用正極活物質及びそれを備えた非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明は、一般式LiMnO(x≧1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質を製造する方法であって、リチウム源と4価のマンガン源とを混合し、4価のマンガンを還元しながら、600℃未満の温度でリチウム源とマンガン源を反応させて、リチウムマンガン複合酸化物を製造することを特徴としている。
本発明の製造方法においては、リチウム源と4価のマンガン源とを混合し、4価のマンガン源を還元しながら、600℃未満の温度でリチウム源とマンガン源とを反応させて、リチウムマンガン複合酸化物を製造している。このため、従来技術のように、NaイオンをLiイオンにイオン交換する必要がなく、またイオン交換を経て作製した場合と比較して、活物質中に含まれるNa含有量を大幅に減らすことができる。さらに、固相法で合成することができるため、大量の活物質を低コストで合成することができる。
本発明においては、リチウム源とマンガン源を還元剤の存在下で反応させて、4価のマンガンを還元することが好ましい。還元剤としては、還元性ガス及び固体状炭素などが挙げられる。
また、リチウム源とマンガン源を反応させる反応温度は、300℃以上600℃未満であることが好ましい。
本発明の非水電解質二次電池用正極活物質は、一般式LiMnO(x>1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物からなることを特徴としている。
本発明の正極活物質は、上記のリチウムマンガン複合酸化物からなるので、大きな初期放電容量を有し、かつ充放電サイクル特性に優れている。
本発明の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池であって、正極活物質が上記本発明の正極活物質であることを特徴としている。
本発明の非水電解質二次電池においては、上記本発明の正極活物質を用いているので、大きな初期充放電容量が得られ、充放電サイクル特性に優れている。
本発明によれば、一般式LiMnO(x≧1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物を固相法で製造することができる。従って、従来のようにNaイオンをLiイオンにイオン交換する工程が必要でなく、大量の活物質を低コストで製造することができる。さらに、活物質中に含まれるNaの含有量を大幅に低減することができる。
本発明の正極活物質は、大きな初期放電容量を有し、充放電サイクル特性に優れている。従って、本発明の正極活物質を用いた本発明の非水電解質二次電池は、大きな初期放電容量を有し、充放電サイクル特性に優れている。
本発明に従う実施例において得られたリチウムマンガン複合酸化物のX線回折チャートを示す図。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
<4価のマンガン源>
本発明において用いる4価のマンガン源は、4価のマンガンの化合物であれば特に限定されるものではない。4価のマンガン源の代表的なものとしては、二酸化マンガン(MnO)が挙げられる。二酸化マンガンは、種々の構造をとるが、いずれの構造を有する二酸化マンガンでも使用可能である。またLiMnOなども4価のマンガン化合物であり、原料として使用することができる。たとえばMnOとLiMnOの混合物も原料として使用可能である。
<リチウム源>
本発明において用いるリチウム源は、リチウムを含有する化合物であれば特に限定されるものではない。リチウム源としては、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチウム、硝酸リチウム、シュウ酸リチウム、酢酸リチウムなどが挙げられる。
<リチウム源と4価のマンガン源の混合比>
リチウム源とマンガン源の混合比はLi/Mnのモル比で1以上であることが好ましい。Li/Mnの混合比を1以上とすることにより、大きな初期放電容量を有し、かつ優れた充放電サイクル特性を示す。さらに、リチウム源とマンガン源の混合比をLi/Mnのモル比で1より大きくすることがより好ましい。Li/Mnの混合比を1より多くすることにより、さらに大きな初期放電容量が得られる。
Li/Mnのモル比が1未満であると、初期放電容量が低下する場合がある。
<還元剤>
本発明においては、リチウム源とマンガン源を還元剤の存在下で反応させて、4価のマンガンを還元することが好ましい。還元剤としては、水素ガスや炭素ガスなどの還元性ガスを用いてもよいし、固体状炭素などを用いてもよい。固体状炭素は、入手が容易で、安価であり、かつ添加量のコントロールも容易であるため好ましく用いられる。
固体状炭素としては、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの結晶性が低く、比表面積の大きい炭素材料が好ましく用いられる。結晶性が低く、比表面積の大きい固体状炭素を用いることにより、4価のマンガンと容易に反応し、還元をより短時間で行うことができる。
還元剤として添加する固体状炭素の量は、炭素マンガン(C/Mn)のモル比で、0.03以上であることが好ましい。C/Mnのモル比が0.03未満の場合には、還元が十分に進まず、単斜晶のLiMnOが得られない場合がある。従って、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物が得られない場合がある。
全ての4価のマンガンが炭素によって還元され3価のマンガンとなる場合、必要な炭素量は、炭素(C)/マンガン(Mn)のモル比で、0.25である。しかしながら、添加する炭素量を、C/Mn=0.25より多くしてもよい。過剰の炭素は、未反応のまま合成後も活物質中に残るが、未反応の炭素が電池特性に悪影響を及ぼすことはない。また、電極を作製した際、残存した炭素は、電極内の導電性に寄与することができる。
しかしながら、活物質を合成した後、残存する炭素が多すぎる場合には、電極の充填性が低下するなどの問題が発生するので、C/Mnのモル比は、2.5未満であることが好ましい。
<反応温度>
本発明においては、リチウム源とマンガン源を反応させる際の反応温度を600℃未満としている。反応温度が600℃以上になると、空間群Pmnmの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物が生成し易くなるため、600℃未満であることが好ましい。600℃未満であれば、単斜晶の一般式LiMnO(x≧1)が安定であり、600℃以上になると斜方晶のリチウムマンガン複合酸化物が安定となる。そのため、600℃以上の高温では、本発明のリチウムマンガン複合酸化物が得られ難い。
また、反応温度は300℃以上であることが好ましい。反応温度が低すぎると、リチウム源と4価のマンガン源との反応が不十分となる場合がある。
また、二酸化マンガン(MnO)は、不活性ガスの雰囲気下、400℃以上で、酸素を放出し、Mnとなる。従って、このようなことも考慮しながら、反応温度(焼成温度)、還元剤の種類及び量を適宜調節することが好ましい。
本発明においてさらに好ましい反応温度は、350℃以上550℃以下であり、さらに好ましくは400℃以上500℃以下である。
本発明において反応時間(焼成時間)は、特に限定されるものではないが、一般には、1〜24時間の範囲内であることが好ましい。
<反応雰囲気>
本発明において、固体状還元剤の存在下でリチウム源とマンガン源を反応させる際の雰囲気は、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気または窒素ガス雰囲気であることが好ましい。このような雰囲気中で反応させることにより、4価のマンガンを還元しながら、リチウム源とマンガン源を反応させることができる。
<非水電解質二次電池>
本発明の非水電解質二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備えており、正極活物質が、上記本発明の正極活物質であることを特徴としている。
〔正極〕
本発明において、正極は、上記本発明の正極活物質を含むものである限りにおいて特に限定されない。正極は、例えば、金属箔や合金箔などの導電箔からなる集電体と、その集電体の表面上に形成されている正極活物質層とを有し、その正極活物質層に上記本発明の正極活物質が含まれているものであってもよい。また、正極活物質層には、上記本発明の正極活物質の他に、バインダー、導電剤などの他の材料が含まれていてもよい。
正極活物質層に添加するバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルアセテート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、スチレン−ブタジエンラバー、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。これらのバインダーは、単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
正極活物質の導電率が高い場合は、正極活物質層に導電剤を添加する必要は必ずしもない。一方、正極活物質の導電率が低い場合は、正極活物質層に導電剤を添加することが好ましい。
導電剤としては、カーボンブラックなどの炭素材料や、導電性酸化物、導電性窒化物、導電性炭化物などが挙げられる。
〔負極〕
本発明において、負極は特に限定されない。負極は、例えば、リチウム、ケイ素、炭素材料、錫、ゲルマニウム、アルミニウム、鉛、インジウム、ガリウム、リチウム含有合金、ケイ素合金、予めリチウムを吸蔵させた炭素材料やケイ素材料などを負極活物質として含むものであってもよい。また、負極は、負極集電体と、負極集電体の上に形成されている負極活物質層とを有していてもよい。負極活物質層は、上記正極合剤層と同様に、上記のような負極活物質に加えて、バインダーや導電剤を含んでいてもよい。
〔非水電解質〕
本発明において、非水電解質も特に限定されない。非水電解質の溶媒としては、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、エステル類、環状エーテル類、鎖状エーテル類、ニトリル類、アミド類等が挙げられる。環状炭酸エステルの具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられる。これらの環状炭酸エステルの水素基の一部または全部がフッ素化されたものも非水電解質の溶媒として用いることができる。環状炭酸エステルの水素基の一部または全部がフッ素化されたものの具体例としては、トリフルオロプロピレンカーボネートやフルオロエチルカーボネートなどが挙げられる。鎖状炭酸エステルの具体例としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。これらの鎖状炭酸エステルの水素基の一部または全部がフッ素化されたものも非水電解質の溶媒として用いることができる。エステル類の具体例としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。環状エーテル類の具体例としては、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1、3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、プロピレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、フラン、2−メチルフラン、1,8−シネオール、クラウンエーテルなどが挙げられる。鎖状エーテル類の具体例としては、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、メチルフェニルエーテル、エチルフェニルエーテル、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、o−ジメトキシベンゼン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、1,1−ジメトキシメタン、1,1−ジエトキシエタン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルなどが挙げられる。ニトリル類の具体例としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド類の具体例としては、ジメチルホルムアミド等が挙げられる。上記溶媒の複数を混合したものを非水電解質の溶媒として用いてもよい。
非水電解質に加えるリチウム塩としては、例えば、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiAsF、ジフルオロ(オキサラト)ホウ酸リチウムや、それらの2種以上の混合物が挙げられる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能なものである。
<実験1>
(実施例1)
〔正極活物質の作成〕
γ−MnO(キシダ化学社製、1級、純度90%)と、LiOH(キシダ化学社製、特級、純度98%)を、モル比(Li:Mn)で1:1となるように混合し、さらにこの混合物に、還元剤としての固体状炭素(ケッチェンブラック)を、モル比(Mn:C)で4:1となるように混合した。γ−MnOと、LiOHと、ケッチェンブラックとの混合物に、アセトンを加え、この混合物をボールミルを用いて200rpmの速度で1時間攪拌混合した。
得られた混合物を取り出し、乾燥した後、アルゴン(Ar)気流中450℃で焼成した。
焼成により得られた粉末のXRD測定を行い、主成分の構造を特定した。主成分のピークは、PDF#87−1255と一致したことから、空間群C2/mで表される構造を有していることがわかった。従って、得られた粉末は、LiMnOで表され、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物であることが特定された。
〔正極の作製〕
上記のようにして得られた正極活物質を90質量%、導電剤としてのアセチレンブラックを5質量%となるように混合し、この混合物に、バインダーとしてのポリアクリロニトリル(PAN)を5質量%となるように添加し、これにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適当量加え混合して、正極合剤スラリーを作製した。
作製した正極合剤スラリーを、ドクターブレード法を用いて集電体としてのアルミニウム箔の上に塗布し、塗布後ホットプレートを用いて80℃で乾燥させた。乾燥後、ローラーを用いて圧延を行い、正極を得た。
〔試験セルの作製〕
上記のようにして作製した正極を作用極として用い、対極及び参照極としてリチウム金属を用いて、試験セルを作製した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)ジエチレンカーボネート(DEC)を体積比で30:70の割合で混合した混合溶媒に、LiPFを1モル/リットルの濃度となるように添加したものを用いた。
〔充放電サイクル試験〕
上記の試験セルについて、40mA/gの定電流で4.3Vになるまで充電し、さらに4.3Vの定電圧で電流値が10mA/gになるまで定電圧充電させた後、10分間休止し、その後40mA/gの定電流で2.0Vになるまで放電させる充放電試験を行った。
1サイクル目の放電容量(初期放電容量)を測定し、表1に結果を示した。
なお、後述する実施例4及び比較例1については、上記の充放電サイクルを10サイクル行い、10サイクル後の放電容量を求めた。
(実施例2〜7)
焼成温度、Li/Mnモル比、及びC/Mnモル比を表1に示す値としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を作製した。
得られた正極活物質について、実施例1と同様にして主成分を同定した。また、得られた正極活物質を用いて、実施例1と同様にして正極を作製し、作製した正極を用いて試験セルを作製し、実施例1と同様にして充放電試験を行った。
XRDによる主成分の同定結果、及び初期放電容量を表1に示す。
(比較例1)
3価のマンガン源であるMn(アルドリッチ社製)を、リチウム源としてのLiOHと、モル比(Li:Mn)で1:1となるように混合し、この混合物にアセトンを加えた後、ボールミルを用い、200rpmの速度で1時間混合した。その後、混合物を取り出し、乾燥した後、アルゴン(Ar)気流中650℃で焼成した。
得られた焼成粉末のXRD測定を行い、主成分の構造を測定した。主成分のピークは、PDF#35−0749と一致したことから、空間群Pmnmで表される構造を有していることがわかった。
上記実施例と同様にして正極を作製し、得られた正極を用いて試験セルを作製して、充放電試験を行った。初期放電容量を表1に示す。
(比較例2)
焼成温度、Li/Mnモル比、及びC/Mnモル比を、表1に示す値としたこと以外は、実施例1と同様にして正極活物質を作製し、得られた正極活物質を用いて正極を作製し、得られた正極を用いて試験セルを作製して、充放電試験を行った。
XRD測定による正極活物質の主成分の同定結果、及び初期放電容量を表1に示す。
なお、実施例4及び比較例1については、10サイクル後の放電容量を測定し、測定結果を表1に示した。
Figure 2012069417
表1に示すように、本発明に従い、リチウム源と4価のマンガン源とを混合し、4価のマンガンを還元しながら、600℃未満の温度でリチウム源とマンガン源を反応させた実施例1〜7においては、空間群C2/mの結晶構造を有する一般式LiMnO(x≧1)で表わされるリチウムマンガン複合酸化物が得られている。実施例5〜7においては、一般式LiMnOにおけるxが、それぞれ1.10、1.20、1.30になっている。
比較例1においては、空間群Pmnmの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物を作製しているが、表1に示す結果から明らかなように、このようなリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として用いた場合、初期放電容量が著しく低くなっており、また10サイクル後の放電容量も低くなっている。従って、本発明の製造方法で得られる一般式LiMnO(x≧1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として用いることにより、高い放電容量及び良好なサイクル特性が得られることがわかる。
比較例2においては、Li/Mnモル比を0.95としており、一般式LiMnOにおけるXが1未満となると初期放電容量が低下することがわかる。
また、実施例5〜7と実施例1〜4の比較から明らかなように、一般式LiMnO(x>1)を正極活物質として用いることにより、さらに高い放電容量が得られることがわかる。
<実験2>
(実施例8〜13)
焼成温度、Li/Mnモル比、及びC/Mnモル比を表2に示す値にする以外は、実施例1と同様にして正極活物質を作製した。
(比較例3〜6)
焼成温度、及びLi/Mnモル比を表2に示す値とし、C/Mnモル比を0、すなわち還元剤を添加せずに焼成する以外は、実施例1と同様にして正極活物質を作製した。
(比較例7及び8)
焼成温度、Li/Mnモル比、及びC/Mnモル比を表2に示す値とする以外は、実施例1と同様にして正極活物質を作製した。
実施例8〜13及び比較例3〜8において作製した正極活物質のXRD測定による主成分の同定結果を表2に示す。
Figure 2012069417
表2に示す実施例8〜13及び表1に示す実施例1〜7の結果から明らかなように、焼成温度については350℃〜550℃の範囲において、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物が得られている。また、C/Mnモル比が0.0625〜0.25の範囲において、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物が得られている。
比較例3に示す結果から明らかなように、還元剤なしに、焼成温度550℃で焼成した場合、反応が十分に進行しないことがわかる。また、還元剤なしに、焼成温度650℃〜900℃の範囲で焼成した場合、空間群Pmnmの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物が得られることがわかる。
また、比較例7及び8から明らかなように、還元剤の存在下に焼成した場合であっても、焼成温度が600℃以上の場合、空間群Pmnmの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物が得られるか、あるいは還元が進みすぎることがわかる。
〔X線回折チャート〕
実施例7、比較例1及び比較例6のX線回折チャートを図1に示す。図1に示すように、実施例7の正極活物質は主成分が空間群C2/mの結晶構造を有している。比較例1及び比較例6の正極活物質は、主成分が空間群Pmnmの結晶構造を有している。

Claims (6)

  1. 一般式LiMnO(x≧1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物からなる非水電解質二次電池用正極活物質を製造する方法であって、
    リチウム源と4価のマンガン源とを混合し、4価のマンガンを還元しながら、600℃未満の温度で前記リチウム源と前記マンガン源を反応させて、前記リチウムマンガン複合酸化物を製造することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  2. 前記リチウム源と前記マンガン源を還元剤の存在下で反応させて、4価のマンガンを還元することを特徴とする請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 前記還元剤が、還元性ガスまたは固体状炭素であることを特徴とする請求項2に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 前記反応温度が300℃以上600℃未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
  5. 一般式LiMnO(x>1)で表わされ、空間群C2/mの結晶構造を有するリチウムマンガン複合酸化物からなることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
  6. 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水電解質とを備える非水電解質二次電池であって、
    前記正極活物質が、請求項5に記載の正極活物質であることを特徴とする非水電解質二次電池。
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