JP2012068061A - 非破壊検査装置、非破壊検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一定の電流値の渦電流を検査対象物の表面に発生させるべく、周波数が高くなると振幅が小さくなる交流電流を励磁コイルに供給する電流供給部と、検査対象物の表面からの磁界を測定して磁界強度に応じた磁界信号を出力する磁気センサを有し、励磁コイルに第1周波数、第1周波数とは異なる第2周波数の交流電流を供給している際に、磁気センサから得られる検査対象物の表面に対して窪んだ傷の近傍の磁界強度に応じた第1磁界信号、第2磁界信号と、磁気センサから得られる検査対象物の表面に設けられた所定深さの穴の近傍の磁界強度に応じた第3磁界信号と、第4磁界信号とを用い、前記第1及び第2磁界信号の値の変化と、第3及び第4磁界信号の値の変化と、所定深さと、に基づいて、窪んだ傷の深さを算出する。
【選択図】図9
Description
I=α×B×σ×f・・・(1)
つまり、電流値Iは、励磁コイル21に供給される交流電流の周波数fの変化に応じて変化する。しかしながら、本実施形態の電流供給回路20は、磁界強度Bが周波数fに反比例するような交流電流IA、すなわち、周波数fの上昇に応じて振幅が小さくなる交流電流IAを励磁コイル21に供給する。この結果、検査対象物15の表面に流れる渦電流の電流値Jeは、周波数fに関わらず式(2)にように一定値となる。
Je=α×(B/f)×σ×f=α×B×σ・・・(2)
また、検査対象物15の内部、すなわち、検査対象物15の表面から裏面の深さ方向に流れる渦電流Jは、表皮効果に影響により式(3)のようになる。
J=Je×exp((−A)×((2πf×μ×σ)/2)1/2)・・・(3)
なお、式(3)では、検査対象物15の深さをA、透磁率をμとしている。つまり、電流Jは、検査対象物15の表面からの深さAが深くなるほど小さくなる。したがって、例えば、電流供給回路20が異なる周波数f1〜f3の交流電流IAを励磁コイル21に供給した際の渦電流Jは、例えば図2に示すような波形となる。図2では、周波数f1が最も低い周波数であり、周波数f3が最も高い周波数である。
ここで、傷30の深さdに応じて電圧信号Voがどのように変化するかを、検査対象物15の断面図である図3を参照しつつ説明する。なお、ここでは、検査対象物15の表面から裏面までの厚さをtとしている。
ここで、電圧信号Voに基づいて深さdを測定する測定装置23の詳細について説明する。測定装置23は、図6に示すように、ADC(AD変換器)50、メモリ51、マイコン52を含んで構成される。
取得部61は、周波数f1,f2の交流電流IAの夫々が供給されている際の電圧信号Voを取得し、その電圧値をメモリ51に格納する。また、取得部61は、周波数f2の交流電流IAが供給されている際の電圧値をメモリ51に格納すると、例えば、測定装置23のLED(不図示)を点灯させる。
なお、詳細は後述するが、取得部61は、例えば、傷30が測定された際の一組の電圧値と、穴31が測定された際の一組の電圧値を取得してメモリ51に格納する。
警報出力部63は、算出部62が算出した深さdが所定以上の深さである場合、警報を出力する。なお、警報は、例えば測定装置23に設けられたスピーカ(不図示)から発生するビープ音である。
ここで、傷30の深さdの測定方法の一例について説明する。なお、ここでは、傷30の深さdは、検査対象物15の厚さtよりも浅いこととする。
利用者は、非破壊検査装置10を、傷30が測定できるような位置に設置する。なお、傷30が測定できるような位置(以下、位置Aと称する)とは、例えば、図1に示すように、傷30を迂回した渦電流による磁界B2を磁気センサ22が測定できる位置である。
そして、利用者は、位置Aに非破壊検査装置10を設置すると、測定装置23の操作部(不図示)を操作し、マイコン52に図8に示す処理を実行させる。
d=((V1−V2)/(V3−V4))×t・・・(4)
また、警報出力部63は、算出部62に算出された深さdが所定以上であるか否かを判定する(S203)。そして、警報出力部63は、算出された深さdが所定以上でない場合(S203:NO)、処理を終了する。一方、警報出力部63は、算出された深さdが所定以上である場合(S203:YES)、警報を出力し(S204)、処理を終了する。
ところで、検査対象物15の表面の傷30を表面から測定する方法について説明したが、例えば、検査対象物15の裏面に傷を表面から測定することも可能である。
20 電流供給回路
21 励磁コイル
22 磁気センサ
23 測定装置
30,35 傷
31,32 穴
50 ADC(ADコンバータ)
51 メモリ
52 マイコン
60 制御部
61 取得部
62 算出部
63 警報出力部
Claims (7)
- 一定の電流値の渦電流を検査対象物の表面に発生させるべく、周波数が高くなると振幅が小さくなる交流電流を励磁コイルに供給する電流供給部と、
前記検査対象物の表面からの磁界を測定して、磁界強度に応じた磁界信号を出力する磁気センサと、
前記電流供給部が前記励磁コイルに第1周波数の交流電流を供給している際に、前記磁気センサから得られる前記検査対象物の表面に対して窪んだ傷の近傍の磁界強度に応じた第1磁界信号と、前記電流供給部が前記励磁コイルに前記第1周波数とは異なる第2周波数の交流電流を供給している際に、前記磁気センサから得られる前記窪んだ傷の近傍の磁界強度に応じた第2磁界信号と、を取得する第1取得部と、
前記電流供給部が前記励磁コイルに前記第1周波数の交流電流を供給している際に、前記磁気センサから得られる前記検査対象物の表面に設けられた所定深さの穴の近傍の磁界強度に応じた第3磁界信号と、前記電流供給部が前記励磁コイルに前記第2周波数の交流電流を供給している際に、前記磁気センサから得られる前記所定深さの穴の近傍の磁界強度に応じた第4磁界信号と、を取得する第2取得部と、
前記第1及び第2周波数の夫々に対応する前記第1及び第2磁界信号の値の第1の変化と、前記第1及び第2周波数の夫々に対応する前記第3及び第4磁界信号の値の第2の変化と、前記所定深さと、に基づいて、前記窪んだ傷の深さを算出する算出部と、
を備えることを特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項1に記載の非破壊検査装置であって、
前記算出部は、
前記第1及び前記第2の変化の比を、前記所定深さに乗算して前記窪んだ傷の深さを算出すること、
を特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項1または請求項2に記載の非破壊検査装置であって、
前記所定深さの穴は前記検査対象物を貫通する穴であること、
を特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項1〜3の何れか一項に記載の非破壊検査装置であって、
前記電流供給部は、
前記磁気センサに前記第1及び第3磁界信号を取得させる際に、表皮深さが前記所定深さよりも深くなるような前記第1周波数の交流電流を前記励磁コイルに供給し、前記磁気センサに前記第2及び第4磁界信号を取得させる際に、表皮深さが前記所定深さよりも浅くなるような前記第2周波数の交流電流を前記励磁コイルに供給すること、
を特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項1〜4の何れか一項に記載の非破壊検査装置であって、
前記算出部が算出した前記傷の深さが所定以上である場合、警報を出力する警報出力部を更に備えること、
を特徴とする非破壊検査装置。 - 請求項1〜5の何れか一項に記載の非破壊検査装置であって、
前記磁気センサはSQUIDであること、
を特徴とする非破壊検査装置。 - 第1周波数で第1振幅の第1交流電流を励磁コイルに供給して一定の電流値の渦電流を検査対象物の表面に発生させている際に、前記検査対象物の表面に対して窪んだ傷の近傍の磁界強度に応じた第1磁界信号を取得し、
前記第1周波数より高い第2周波数で前記第1振幅より小さい第2振幅の第2交流電流を前記励磁コイルに供給して前記一定の電流値の渦電流を前記検査対象物の表面に発生させている際に、前記窪んだ傷の近傍の磁界強度に応じた第2磁界信号を取得し、
前記第1交流電流を前記励磁コイルに供給して前記一定の電流値の渦電流を前記検査対象物の表面に発生させている際に、前記検査対象物の表面に設けられた所定深さの穴の近傍の磁界強度に応じた第3磁界信号を取得し、
前記第2交流電流を前記励磁コイルに供給して前記一定の電流値の渦電流を前記検査対象物の表面に発生させている際に、前記所定深さの穴の近傍の磁界強度に応じた第4磁界信号を取得し、
前記第1及び第2周波数の夫々に対応する前記第1及び第2磁界信号の値の第1の変化と、前記第1及び第2周波数の夫々に対応する前記第3及び第4磁界信号の値の第2の変化と、前記所定深さと、に基づいて、前記窪んだ傷の深さを算出すること、
を特徴とする非破壊検査方法。
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