JP2021001814A - 非破壊検査方法及び非破壊検査装置 - Google Patents

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Keiji Tsukada
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Abstract

【課題】被検査体のクリーニング処理を行うことなく板厚寸法の計測を行うことができる非破壊検査方法及び非破壊検査装置を提供する。【解決手段】被検査体に交流磁場を印加する印加コイルと、交流磁場で被検査体に生じさせた渦電流の磁場を検出する磁気センサとを備えた磁気プローブを用い、磁気センサの出力信号から、交流磁場と同位相の実数成分と、交流磁場から位相が90°ずれた虚数成分とを検出して磁気ベクトルとし、この磁気ベクトルを用いて被検査体の厚みを計測する際に、磁気プローブの被検査体からのリフトオフ距離を特定して、リフトオフ距離の補正を自動的に行う。【選択図】 図1

Description

本発明は、インフラ構造物の金属材料に生じる減肉を磁気を用いて検査する非破壊検査方法及び非破壊検査装置に関する。
従来、橋梁のような鉄鋼やアルミ合金等の金属材料で作られたインフラ構造物は、金属材料が経年劣化することから、その安全性が適切に確保されているかを定期的に検査することが求められている。しかしながら、特に地方自治体が管理するようなインフラ構造物では、多くの場合で検査が適切に行われているとは言えず、現在大きな社会問題となっている。
インフラ構造物における経年劣化としては、金属材料の腐食による減肉がよく知られており、この減肉が生じることで構造物の強度が著しく低下することとなるため、検査によって減肉の発生状況を確認することは極めて重要である。
従来よく使われる検査方法としては、超音波を利用した検査方法があり、特殊な場合ではX線を利用した検査方法が用いられることがある。また、最近では磁気を利用した検査方法である渦電流探傷法も用いられるようになっている。
超音波を利用した検査方法では、超音波を効率よく被検査体に伝播させるために超音波プローブと被検査体との間に接触媒質を塗る必要がある。この場合、河川や港湾等に設置した鉄鋼製の金属構造物では、藻や貝などの付着物や保護材などで覆われていることが多く、あらかじめそれらを取り除かなければ検査をすることはできなかった。
またX線を利用した検査方法では、被検査体を挟んでX線源と検知器とを配置する必要があるため、設置場所が確保できないことで適用できない構造の検査体が多く、しかも、X線の使用制限もあるため、社会インフラなどの検査には適用し難いという事情もあった。
一方、磁気を利用した検査方法では、特に渦電流探傷法の場合には、被検査体の金属構造物に交流磁場を印加して渦電流を発生させることができれば、金属構造物の表面に非磁性の付着物等が存在していても検査可能な方法であり、金属構造物の厚みを計測して、金属構造物に生じた減肉を特定することができる。
渦電流探傷法には、従来、パルス磁場を印加して発生する磁気信号の時間減衰を見て板厚を検査する方法が知られている。
また、本発明者は、印加コイルを用いて数Hzから数10Hzの極低周波の交流磁場を被検査体に印加し、磁気センサを用いて被検査体に生じた渦電流が生成する磁場を検出するとともに、各周波数での検出信号から板状とした被検査体の板厚を測定する方法を報告した。
すなわち、印加コイルと磁気センサからなる渦電流プローブとし、印加コイルで周波数を掃引しながら交流磁場を被検査体に印加し、磁気センサで各周波数における磁気を検出して出力させた信号の強度と位相を成分とする磁気ベクトル化し、この磁気ベクトルを縦軸を虚軸、横軸を実軸とするグラフにプロットして得られる磁気スペクトルが被検査体の板厚変化に応じて変化することを用いたものである。
さらに、磁気スペクトルを用いずに、より迅速に被検査体の板厚を推定できる方法として、異なる2つの周波数の交流磁場を用いて得られた磁気センサの出力信号から2つの磁気ベクトルを生成し、この2つの磁気ベクトルの差ベクトルの位相から被検査体の板厚を判定する方法を報告した。(例えば、特許文献1参照。)。
特開2017−067743号公報
上述した従来のパルス渦電流探傷法や2つの周波数を用いた渦電流探傷法等の磁気を用いた探傷法を、実際の港湾施設の金属構造物に対して利用しようとした場合、超音波を利用した検査方法のようにプローブを被検査体に密着させる必要がないとはいえ、被検査体の金属構造物の表面に厚く付着した貝殻を介在させた状態で磁気プローブを被検査体に向けることとなるので、磁気プローブから被検査体までの距離であるリフトオフ距離が比較的大きくなる傾向があった。
特に、リフトオフ距離が数cm以上となると、測定誤差が無視できなくなり、正確な板厚を検査することができないという問題があった。
このような場合、一定のリフトオフ距離を想定した補正を行うことで対応可能と考えることもできるが、実際の被検査体に貝などの付着物がどのくらいの厚みで付着しているかはケースバイケースであり、その一方で、検査精度を向上させるには、磁気プローブを被検査体に可能な限り近接させておくことが望ましい。
本発明者は、このようなリフトオフ距離の影響を低減すべく研究を行う中で、本発明を成すに至ったものである。
本発明の非破壊検査方法は、被検査体に交流磁場を印加する印加コイルと、交流磁場で被検査体に生じさせた渦電流の磁場を検出する磁気センサとを備えた磁気プローブを用い、磁気センサの出力信号から、交流磁場と同位相の実数成分と、交流磁場から位相が90°ずれた虚数成分とを検出して磁気ベクトルとし、この磁気ベクトルを用いて被検査体の厚みを計測する非破壊検査方法である。
特に、本発明の非破壊検査方法では、以下のステップ(a)〜(d)を有していることに特徴を有している。
(a)第1の周波数とした交流磁場を被検査体に印加して第1の磁気ベクトルを生成するステップ。
(b)第1の周波数よりも大きい第2の周波数とした交流磁場を被検査体に印加して第2の磁気ベクトルを生成するステップ。
(c)第1の磁気ベクトルと第2の磁気ベクトルとの第1の差ベクトルを生成するステップ。
(d)第1の差ベクトルの強度から磁気プローブの被検査体からのリフトオフ距離を特定するステップ。
さらに、本発明の非破壊検査方法では、以下のステップ(e)〜(h)を有していることにも特徴を有している。
(e)第1の周波数よりは大きく、第2の周波数よりは小さい第3の周波数とした交流磁場を被検査体に印加して第3の磁気ベクトルを生成するステップ。
(f)第3の周波数よりも小さい第4の周波数とした交流磁場を被検査体に印加して第4の磁気ベクトルを生成するステップ。
(g)第3の磁気ベクトルと第4の磁気ベクトルとの第2の差ベクトルを生成するステップ。
(h)リフトオフ距離と、第2の差ベクトルの位相から被検査体の厚みを特定するステップ。
さらに、本発明の非破壊検査方法では、1の周波数と第4の周波数とが同じ周波数である事にも特徴を有し、第2の周波数は100Hzより大きく、第3の周波数は100Hzより小さいことにも特徴を有するものである。
また、本発明の非破壊検査装置は、被検査体に交流磁場を印加する印加コイルと、交流磁場で被検査体に生じさせた渦電流の磁場を検出する磁気センサとを備えた磁気プローブを備えた非破壊検査装置であって、さらに、交流磁場を生じさせる交流電流源と、磁気センサの出力信号を解析する解析機とを備え、解析機には、磁気センサの出力信号から、交流磁場と同位相の実数成分と、交流磁場から位相が90°ずれた虚数成分とを検出して磁気ベクトルを生成する磁気ベクトル生成手段を設け、この磁気ベクトルを用いて被検査体の厚みを計測するものである。
特に、本発明の非破壊検査装置では、第1の周波数とした交流磁場を被検査体に印加して生成した第1の磁気ベクトルと、第1の周波数よりも大きい第2の周波数とした交流磁場を被検査体に印加して生成した第2の磁気ベクトルとの第1の差ベクトルを生成する第1の差ベクトル生成手段を解析機に設けるとともに、第1の差ベクトルの強度から磁気プローブの被検査体からのリフトオフ距離を特定するリフトオフ距離特定手段を解析機に設けていることに特徴を有するものである。
さらに、本発明の非破壊検査装置では、第1の周波数よりは大きく、第2の周波数よりは小さい第3の周波数とした交流磁場を被検査体に印加して生成した第3の磁気ベクトルと、第3の周波数よりも小さい第4の周波数とした交流磁場を被検査体に印加して生成した第4の磁気ベクトルとの第2の差ベクトルを生成する第2の差ベクトル生成手段を解析機に設けるとともに、リフトオフ距離と第2の差ベクトルの位相から被検査体の厚みを特定する厚み特定手段を解析機に設けていることにも特徴を有するものである。
本発明によれば、第1の差ベクトルの強度情報からリフトオフ距離を特定でき、このリフトオフ距離を利用して第2の差ベクトルの位相情報から被検査体の厚みを測定する際のリフトオフ距離分の補正を行うことができ、簡便に被検査体の厚みを正確に計測することができる。
本発明に係る非破壊検査装置の概略説明図である。 磁気ベクトルの軌跡である磁気スペクトルのグラフである。 被検査体がアルミニウム板である場合の板厚及びリフトオフ距離の位相との相関を示すグラフである。 被検査体がアルミニウム板である場合の板厚及びリフトオフ距離の強度との相関を示すグラフである。 被検査体が鉄鋼材SS400である場合の板厚及びリフトオフ距離の位相との相関を示すグラフである。 被検査体が鉄鋼材SS400である場合の板厚及びリフトオフ距離の強度との相関を示すグラフである。
まず、本発明の非破壊検査装置について説明する。本発明の非破壊検査装置は、図1に示すように、被検査体Tに交流磁場を印加して被検査体Tに渦電流を生じさせる印加コイル11と、被検査体Tに生じさせた渦電流の磁場を検出する磁気センサ12とを備えた磁気プローブ10を備えている。この磁気プローブ10と被検査体Tとの距離がリフトオフ距離である。
本実施形態では、印加コイル11は円形コイルとし、この円形コイルの中心位置に磁気センサ12を配置している。さらに、印加コイル11と同軸として円形コイルで構成したキャンセルコイル13を設けている。磁気センサ12は、このキャンセルコイル13の中心位置に配置して、印加コイル11によって生成された磁場が磁気センサ12に入力されることをキャンセルコイル13で生成した磁場で抑制し、磁気センサ12のダイナミックレンジが狭まることを抑制している。
磁場センサ12としては、本実施形態では磁気抵抗素子(MR)を用いているが、磁気抵抗素子以外にも、トンネル型MR素子(TMR)、磁気インピーダンス素子(MI)、ホール素子、あるいは超伝導量子干渉素子(SQUID)等を利用することができる。
印加コイル11には、交流電流源20を接続して交流電流を供給し、交流磁場を生成可能としている。特に、本実施形態では、交流電流源20は、波形発生器21から入力された波形信号に基づいて交流電流を出力することとしている。特に、本実施形態では、波形発生器21から出力された所定周波数の交流波形に基づいて交流電流源20から交流電流を出力しているが、複数の周波数を含む波形に基づいて交流電流源20から電流を出力してもよいし、印加コイル11から広い周波数帯を有するパルス磁場を発生させるように交流電流を通電しもよい。なお、被検査体Tに作用させる交流磁場の強度は、周波数に関わらず一定であることが望ましい。
磁気センサ12の出力信号は、本実施形態では計測回路30に入力し、この計測回路30で増幅等の出力調整を行って検波器40に入力している。検波器40には波形発生器21から交流電流源20に入力した波形信号と同じ波形信号を入力し、この波形信号を参照信号として、参照信号と同位相である実数成分の信号と、参照信号から位相が90°ずれた虚数成分の信号を検波して出力している。
本実施形態では検波器40を用いているが、磁気センサ12の出力信号の時間波形をAD変換し、後述する解析器50でフーリエ解析あるいはウェーブレット解析することでデジタル的に同位相である実数成分の信号と、位相が90°ずれた虚数成分の信号とを生成してもよい。この場合、検波器40は不要となり、装置を小型化することができる。
検波器40で生成された実数成分の信号と、虚数成分の信号とを解析機50に入力して、所定の解析処理を行っている。
解析機50は、本実施形態では所用のプログラムをインストールしたパーソナルコンピュータで構成し、後述するように所用のプログラムによって、磁気ベクトル生成手段、第1差ベクトル生成手段、リフトオフ距離特定手段、第2差ベクトル生成手段、厚み特定手段として機能させている。
以下において、本発明の非破壊検査方法でリフトオフ距離を特定して、被検査体の厚みを計測できることを説明する。
本発明の非破壊検査方法では、上述した非破壊検査装置を用い、被検査体Tに交流磁場を印加することで被検査体Tに渦電流を生じさせ、この渦電流によって生じる磁場を磁気センサ12で検出している。
渦電流に基づく磁場を磁気センサ12で検出することで出力された出力信号のうち、検波器40で、被検査体に印加している交流磁場の周波数と同位相の実数成分と、交流磁場から位相が90°ずれた虚数成分とを検出して解析機50に入力している。
解析機50では、入力された実数成分と虚数成分とをベクトル成分とする磁気ベクトルとして解析処理を行っている。
図2に、交流磁場の周波数を3Hz、10Hz、20Hz、50Hz、100Hz、500Hzとした場合の各磁気ベクトルの軌跡である磁気スペクトルを示す。図2において、横軸は、磁気センサ12の出力信号の実数成分とし、縦軸は、磁気センサ12の出力信号の虚数成分としている。ここで、被検査体Tは、板厚3mmのアルミニウム板としている。
板厚を2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mmとした被検査体Tを準備し、かつ、リフトオフ距離をそれぞれ0mm、10mm、20mm、30mmとして、50Hzの周波数(後述する第3の周波数)とした交流磁場を被検査体Tに印加して生成される磁気ベクトルと、3Hzの周波数(後述する第4の周波数)とした交流磁場を被検査体Tに印加して生成される磁気ベクトルとの差ベクトル(後述する第2差ベクトル)の位相を、横軸を板厚としてプロットして得られるグラフを図3に示す。
図3に示すように、差ベクトルの位相には、アルミニウムの板厚と相関関係があり、しかもリフトオフ距離とも相関関係があることがわかる。
同様に、500Hzの周波数(後述する第2の周波数)とした交流磁場を被検査体Tに印加して生成される磁気ベクトルと、3Hzの周波数(後述する第1の周波数)とした交流磁場を被検査体Tに印加して生成される磁気ベクトルとの差ベクトル(後述する第1差ベクトル)の強度を、横軸をリフトオフ距離としてプロットして得られるグラフを図4に示す。
図4に示すように、500Hzの周波数とした交流磁場を被検査体Tに印加した場合には、板厚に関係なく、リフトオフ距離だけで差ベクトルの強度がほぼ同じ変化をしていることがわかる。特に、図4のグラフでは、縦軸は対数軸であり、差ベクトルの強度変化は板厚に関係なくリフトオフ距離だけに依存していることがわかる。
これは500Hzという高い周波数での交流磁場が、被検査体Tの深部までほとんど届かずに、被検査体Tの表面層にとどまっているために、板厚に依存しない信号となっていることに起因すると考えられる。
このように被検査体Tの板厚に依存しない高い周波数の交流磁場を用いることで、リフトオフ距離を反映した信号を得ることができることを示している。
上述した被検査体Tは非磁性材料のアルミニウム板の場合であるが、鉄鋼材SS400の場合も、以下に示すようにほぼ同様となっている。
板厚を2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mmとした被検査体Tを準備し、かつ、リフトオフ距離をそれぞれ0mm、10mm、20mm、30mmとして、50Hzの周波数(後述する第3の周波数)とした交流磁場を被検査体Tに印加して生成される磁気ベクトルと、3Hzの周波数(後述する第4の周波数)とした交流磁場を被検査体Tに印加して生成される磁気ベクトルとの差ベクトル(後述する第2差ベクトル)の位相を、横軸を板厚としてプロットして得られるグラフを図5に示す。
この場合、アルミニウム板と異なり、リフトオフ距離による位相変化は小さいが、同様に、差ベクトルの位相には、鉄鋼材の板厚と相関関係があり、しかもリフトオフ距離とも相関関係があることがわかる。
次いで、500Hzの周波数(後述する第2の周波数)とした交流磁場を被検査体Tに印加して生成される磁気ベクトルと、3Hzの周波数(後述する第1の周波数)とした交流磁場を被検査体Tに印加して生成される磁気ベクトルとの差ベクトル(後述する第1差ベクトル)の強度を、横軸をリフトオフ距離としてプロットして得られるグラフを図6に示す。
図6に示すように、アルミニウム板の場合と比較して若干の差はあるが、板厚に関係なく、リフトオフ距離だけで差ベクトルの強度がほぼ同じ変化をしていることがわかる。特に、図6のグラフでも、縦軸は対数軸であり、差ベクトルの強度変化は板厚に関係なくリフトオフ距離だけに依存していることがわかる。
本発明の非破壊検査方法は、上述した特性を利用したものであり、非破壊検査装置を以下のように動作させている。
まず、非破壊検査装置では、被検査体の設計情報から被検査体の材質及び厚み寸法を入力し、第1〜第4の周波数を設定する。ちなみに、非破壊検査装置の解析機には、あらかじめ各検査条件でのデータ、すなわち図3〜6のデータが登録されている。
第1の周波数及び第4の周波数は、差ベクトルを生成する際に用いる磁化ベクトルを生成するためのものであり、できるだけ低い周波数であることが望ましい。第1の周波数と第4の周波数は、同一周波数である必要はないが、同一周波数としておくことで、第4の周波数での計測を省略することができる。以下に説明する実施形態では、第4の周波数は、第1の周波数と同一周波数とする。
第1の周波数よりも大きい第2の周波数は、上述したように第2の周波数での交流磁場が、被検査体の表面層にとどまる状態となる周波数であって、一般的には100Hz以上が望ましい。
一方、第3の周波数は、第2の周波数での交流磁場を被検査体内に侵入させる必要があるため、第1の周波数よりは大きく、第2の周波数よりは小さいことが望ましく、例えば10〜100Hz程度が望ましい。なお、第4の周波数は、第3の周波数よりも小さい周波数である。
非破壊検査装置は、まず、磁気プローブを被検査体の検査対象領域に位置させ、波形発生器での周波数の設定を第1の周波数として、第1の周波数とした交流磁場を被検査体に印加する。
被検査体に第1の周波数とした交流磁場が印加されることで、磁気プローブの磁気センサは検出信号を出力し、非破壊検査装置は解析機を磁気ベクトル生成手段として機能させて第1磁気ベクトルを生成し、所用の記憶手段に記憶させている。
次いで、非破壊検査装置は、波形発生器での周波数の設定を第2の周波数として、第2の周波数とした交流磁場を被検査体に印加する。
被検査体に第2の周波数とした交流磁場が印加されることで、磁気プローブの磁気センサは検出信号を出力し、非破壊検査装置は解析機を磁気ベクトル生成手段として機能させて第2磁気ベクトルを生成し、所用の記憶手段に記憶させている。
次いで、非破壊検査装置は解析機を第1差ベクトル生成手段として機能させて、記憶手段に記憶されていた第1磁気ベクトルと第2磁気ベクトルとを読み出して、第1差ベクトルを生成している。
さらに、非破壊検査装置は解析機をリフトオフ距離特定手段として機能させて、第1差ベクトルの強度と、解析機の記憶手段にあらかじめ記憶された図4または図6のような相関データからリフトオフ距離を特定している。
次いで、非破壊検査装置は、波形発生器での周波数の設定を第3の周波数として、第3の周波数とした交流磁場を被検査体に印加する。
被検査体に第3の周波数とした交流磁場が印加されることで、磁気プローブの磁気センサは検出信号を出力し、非破壊検査装置は解析機を磁気ベクトル生成手段として機能させて第3磁気ベクトルを生成し、所用の記憶手段に記憶させている。
次いで、非破壊検査装置は解析機を第2差ベクトル生成手段として機能させて、記憶手段に記憶されていた第3磁気ベクトルと第4磁気ベクトルに相当する第1磁気ベクトルとを読み出して、第2差ベクトルを生成している。
さらに、非破壊検査装置は解析機を厚み特定手段として機能させて、第2差ベクトルの位相と、解析機の記憶手段にあらかじめ記憶された図3または図5のような相関データと、先に特定したリフトオフ距離から、板厚寸法を特定している。
次いで、非破壊検査装置は特定された板厚寸法と、あらかじめ記憶させていた検査対象領域の厚み寸法のデータとの差から、減肉量を特定する。
このように、本発明の非破壊検査方法及び非破壊検査装置では、リフトオフ距離の特定手段を設けていることで、リフトオフ距離を考慮することなく検査を実施することができる。
本発明の非破壊検査方法及び非破壊検査装置は、被検査体に藻や貝などが付着していたり、保護材などでコーティングされていても、それらの除去作業を行うことなく、被検査体の厚み計測を行うことができ、金属材料を用いたインフラ構造物の保守点検作業を効率的に行うことができる。
10 磁気プローブ
11 印加コイル
12 磁気センサ
13 キャンセルコイル
20 交流電流源
21 波形発生器
30 計測回路
40 検波器
50 解析器
T 被検査体

Claims (6)

  1. 被検査体に交流磁場を印加する印加コイルと、前記交流磁場で前記被検査体に生じさせた渦電流の磁場を検出する磁気センサとを備えた磁気プローブを用い、
    前記磁気センサの出力信号から、前記交流磁場と同位相の実数成分と、前記交流磁場から位相が90°ずれた虚数成分とを検出して磁気ベクトルとし、
    この磁気ベクトルを用いて前記被検査体の厚みを計測する非破壊検査の方法において、
    第1の周波数とした交流磁場を前記被検査体に印加して第1の磁気ベクトルを生成するステップと、
    前記第1の周波数よりも大きい第2の周波数とした交流磁場を前記被検査体に印加して第2の磁気ベクトルを生成するステップと、
    前記第1の磁気ベクトルと前記第2の磁気ベクトルとの第1の差ベクトルを生成するステップと、
    前記第1の差ベクトルの強度から前記磁気プローブの前記被検査体からのリフトオフ距離を特定するステップと
    を有する非破壊検査方法。
  2. 前記第1の周波数よりは大きく、前記第2の周波数よりは小さい第3の周波数とした交流磁場を前記被検査体に印加して第3の磁気ベクトルを生成するステップと、
    前記第3の周波数よりも小さい第4の周波数とした交流磁場を前記被検査体に印加して第4の磁気ベクトルを生成するステップと、
    前記第3の磁気ベクトルと前記第4の磁気ベクトルとの第2の差ベクトルを生成するステップと、
    前記リフトオフ距離と、前記第2の差ベクトルの位相から前記被検査体の厚みを特定するステップと
    を有する請求項1に記載の非破壊検査方法。
  3. 前記第1の周波数と、前記第4の周波数とが同じ周波数である請求項2に記載の非破壊検査方法。
  4. 前記第2の周波数は100Hzより大きく、前記第3の周波数は100Hzより小さい請求項3に記載の非破壊検査方法。
  5. 被検査体に交流磁場を印加する印加コイルと、前記交流磁場で前記被検査体に生じさせた渦電流の磁場を検出する磁気センサとを備えた磁気プローブと、
    前記交流磁場を生じさせる交流電流源と、
    前記磁気センサの出力信号を解析する解析機と
    を備え、
    前記解析機には、前記磁気センサの出力信号から、前記交流磁場と同位相の実数成分と、前記交流磁場から位相が90°ずれた虚数成分とを検出して磁気ベクトルを生成する磁気ベクトル生成手段を設けて、この磁気ベクトルを用いて前記被検査体の厚みを計測する非破壊検査装置において、
    前記解析機には、
    第1の周波数とした交流磁場を前記被検査体に印加して生成した第1の磁気ベクトルと、前記第1の周波数よりも大きい第2の周波数とした交流磁場を前記被検査体に印加して生成した第2の磁気ベクトルとの第1の差ベクトルを生成する第1の差ベクトル生成手段と、
    前記第1の差ベクトルの強度から前記磁気プローブの前記被検査体からのリフトオフ距離を特定するリフトオフ距離特定手段と
    を設けた非破壊検査装置。
  6. 前記解析機には、
    前記第1の周波数よりは大きく、前記第2の周波数よりは小さい第3の周波数とした交流磁場を前記被検査体に印加して生成した第3の磁気ベクトルと、前記第3の周波数よりも小さい第4の周波数とした交流磁場を前記被検査体に印加して生成した第4の磁気ベクトルとの第2の差ベクトルを生成する第2の差ベクトル生成手段と、
    前記リフトオフ距離と、前記第2の差ベクトルの位相から前記被検査体の厚みを特定する厚み特定手段と
    を設けた請求項5に記載の非破壊検査装置。
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