JP2005331262A - 非破壊検査方法及び非破壊検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶接構造物の溶接部の内部に生ずる損傷を、結晶粒粗大化の影響を受けることなく簡単な操作で検出可能な非破壊検査装置を提供する。
【解決手段】磁気測定部11の高感度磁気センサ11aを走査駆動部12により被検体100の表面を順次走査し走査位置毎の磁場強度をイメージ処理部15にて2次元の画像イメージに編集してモニタリング部16に画面表示することにより、損傷箇所と認識して指定した部位の深度方向の損傷位置を、データベース部14に蓄積されている同一透磁率の素材に関する過去の測定結果に基づいて、又は、深度位置を算出するために予め定めた数値計算式に基づいて、数値処理部19にて求め、求めた座標位置を損傷位置編集部21にて画像イメージ上に編集して画面表示及び/又は記録紙に出力する。高感度磁気センサ11aは、超伝導量子干渉素子センサ、磁気インピーダンス素子センサ、フラックスゲート型磁気センサのいずれかとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、非破壊検査方法及び非破壊検査装置に関し、特に、溶接構造物の溶接部の損傷や欠陥を高感度磁気センサを用いて微弱な磁場、磁気、磁界を検出することによって非破壊的に検査する非破壊検査方法及び非破壊検査装置に関するものであり、火力・原子力発電設備、石油化学プラント、鉄道車両、航空機、船舶、橋梁、高層ビル等の構造物の溶接部分の損傷や欠陥を非破壊的に検査する場合に好適に適用することができる。
近年、溶接技術の応用分野としては、益々拡大する傾向にあり、溶接の自動化も進んでいることから、溶接箇所の品質保証や溶接構造物の信頼性を確保することの重要性が更に高まってきている。しかし、溶接部では、局所熱に伴う熱弾塑性挙動を示すために、残留応力、変形は避けられず、概して、溶接構造物の故障につながる主因や遠因となる場合が多い。
溶接構造物の溶接部を検査する非破壊評価法としては、磁粉探傷試験法(MT:Magnetic Particle Testing)、浸透探傷試験法(PT:Penetrant Testing)、放射線透過試験法(RT:Radiographic Testing)、並びに、超音波探傷試験法(UT:Ultrasonic Testing)等が、現在、主に使用されている。
溶接部表面に生ずる微細な割れ等の欠陥の検出に対しては、排熱回収ボイラのチューブパネルの損傷を検査する特許文献1の「伝熱管構造物の製造方法およびその装置」に記載のように、MTやPTが用いられている。また、オーステナイト系ステンレス鋼や非鉄金属などのように、MTの利用が困難な場合には、過流探傷試験法(ET:Eddy current Tseting)も用いられている。しかし、構造物の故障につながる原因の大半が、溶接部の表面ではなく内部に発生した損傷によるものであり、溶接部の表面の検査だけでは故障の原因を検出することができないために、溶接部の内部の損傷や欠陥の早期検出と欠陥箇所の正確な寸法を測定することが必要である。
溶接部の内部欠陥の検査には、現在、RTとUTとが知られている。RTは、放射線やX線の透過を利用しており、被検体を透過した放射線のフィルム映像によって損傷・欠陥の有無や大きさを検査するものである。言うまでもなく、放射線やX線を使用する場合には、被ばくの問題があり、RTは、汎用性の高い検査方法とは言えない。更に、わが国では放射線やX線を使うRTの検査時においては、作業主任者など有資格者の選定等が義務付けられているなど安全性を考慮した制度的な制約も多い。
また、RTにおいては、損傷・欠陥箇所の構造物内部の深さ(深度)方向の位置を得るための情報としては、フィルム映像に写された濃淡のみに限られており、深さ方向の位置情報は数値化された定量的なものではないという問題もある。当然、溶接構造物の厚さが厚くなると、放射線やX線の出力を上げる必要があり、被ばく管理が一層難しくなると共に、被検体が厚くなればなるほど、微細な損傷・欠陥の検出が困難になる。このように、RTは特殊な検査方法と言わざるを得ない。
一方、UTは、超音波の反射を利用するので、例えば、原子炉圧力容器等の容器とノズルの溶接部の損傷を検査する特許文献2の「溶接部検査装置」に記載のように、割れ等の広がりを有する欠陥を検出する場合に用いられる。特に、UTの中でも、超音波飛行時間回折法(TOFD:Time of Flight Diffraction)は、発電設備等の検査手法として、広く整備され、実用化されている。TOFD法の特徴としては、固体の中で最も音速の速い縦波のみを利用し、検査箇所を挟むようにして2つの縦波斜角探触子を対称な位置に対向させて配置し、指向性の悪い縦波を送信側から発信し、回折波を受信側で捕らえる点にある。溶接部を検査する方法としては、溶接線方向に平行に探触子対を走査させる方法(Dスキャン)と垂直に走査させる方法(Bスキャン)の2種類が主なものである。
TOFD法の具体的な適用例としては、例えば、配管の材質が2.25Cr−1Mo鋼からなる溶接部分の熱影響部(HAZ; Heat Affected Zone)の細粒域内部に発生する亀裂状欠陥の検査等に使用されている。しかしながら、溶接構造物の材質に起因して、TOFD法や一般のUTが全く機能しない被検体(素材)も存在している。具体的な一例として、非特許文献1にも記載されているように、例えば、オーステナイト系ステンレス鋼では、溶接によって溶接部が溶融凝固することにより、溶接部の結晶粒が粗大化することから、結晶の粒径の増大に依存して超音波の減衰率が大きくなり、超音波自体の使用が難しいことが良く知られている。即ち、オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部では、超音波の減衰率は2dB/cm以上にも及ぶ例も報告されており、通常、超音波はとても使用することができない。
仮に、溶接部を部分的に焼き入れや冷間加工したりすることができれば、UTでは問題とならない1dB/cm以下まで超音波の減衰率を下げることができるものの、実際には、溶接構造物が大型になればなるほど、後熱処理や冷間加工は難しくなり、このような加工処理は現実的ではない。
また、非特許文献2に示すように、定量的に、超音波で問題となる結晶粒の粗大化が発生するケースとして、オーステナイト系ステンレス鋼の場合には、結晶粒度が4.0程度になると、問題となる粗大粒が認められ、この結晶粒度は、簡単な換算式から結晶粒の平均的な大きさが0.1mmである。即ち、0.1mm程度以上に結晶粒が粗大化したオーステナイト系ステンレス鋼では、一般に、超音波を使用すること自体が困難である。
以上は、オーステナイト系ステンレス鋼の結晶粒粗大化に関する問題の一例を示したものであるが、オーステナイト系ステンレス鋼ほど実機への採用は進んでいないものの、他の材質でも、同様の理由で超音波の使用が困難な場合が存在している。
更に、非特許文献3に示すように、TOFD法では、縦波斜角探触子の設定、測定条件(周波数、探触子間隔、ビーム交軸点)の選択などの点で不確定な要素が多く、測定条件の選択を誤れば、高精度の測定どころか、有害な欠陥の見落としが簡単に起こってしまうことになりかねない。また、探触子を走査させたときの微妙な出力波形の変化から端部エコーを判定する必要があり、判定した検査結果にバラツキが生じ易い。そもそも、TOFD法は、弱い回折波を検出する高感度測定方法であるがために、実際には、強度上問題とならない程度の亀裂や多くのノイズも拾い易く、これらの識別や分離は難しい場合が多い等、その測定精度は、検査者となるUT技術者の技量によるところが大きいという側面もある。
また、一般論ではあるが、非特許文献4に示すように、超音波を使用する検査法は、
(1)狭隘部位の検査が難しい。
(2)検査のための付帯工事が大きい。
(3)原理上、余寿命まではわからない。
等の指摘もある。
以上のように、UTやTOFD法は、熟練度が高い特別な技術者でなければ、精度の高い検査ができない、また、適用できない材質がある、更には、検査装置の操作が難しいという欠点も存在している。
特開平06−300210号公報 特開2000−321255号公報 田中 他:"13 th International Conference on NDE in the Nuclear Industries" (1995) 83. 上羽 他:"核燃料サイクル開発機構公開資料"(2000)JNC TN9400 2000−028. 三原 他:"非破壊検査"49巻(2000)802. 関 他:"火力原子力発電"51巻(2000)1676.
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、検査装置の操作方法に熟練を必要とせず、しかも、金属表面のみならず金属内部の損傷や欠陥を、結晶粒粗大化の影響を受けることなく、検出することができ、溶接構造物の損傷や欠陥を非破壊的に検査することを可能とする非破壊検査方法及び非破壊検査装置を提供することを目的としている。
具体的には、溶接構造物の内面及び表層に発生した亀裂(一例;surface breaking cracks)を外側から非破壊的に検査する非破壊検査方法及び非破壊検査装置、並びに、溶接構造物に内在する損傷や欠陥(一例;internal cracks)を外側から非破壊的に検査する非破壊検査方法及び非破壊検査装置に関し、従来技術と比較して、溶接構造物の損傷や欠陥に対する高精度の検査が可能であり、かつ、操作に熟練を要しない簡便な非破壊検査方法及び非破壊検査装置を提供することを目的としている。
一般に、磁気の伝播は、溶接構造物の材質の透磁率によって決まるものであり、UTやTOFD法で問題となったような結晶粒粗大化の影響を受けることはない。そこで、本発明では、高感度磁気センサを用いて、溶接部分に内在する損傷や欠陥箇所から生じる微弱な磁場強度の変化を測定することとし、UTやTOFD法では問題となる例えばオーステナイト系ステンレス鋼のような材質の構造物であっても、溶接部の結晶粒粗大化の影響を受けることなく、溶接構造物の損傷や欠陥を非破壊的に検査することとしている。
例えば、高橋 他:“日本AEM学会誌”(Vol.9、No.2(2001))にも示されているように、一般に、金属結晶の組織や欠陥が、応力や熱などの外部要因によって変化すれば、金属の磁性が微弱な変化を生ずることは古くから知られており、磁性は、金属の結晶構造や微細組織と密接に関連した極めて構造の変化に敏感な物理量であると考えることができる。即ち、被検体となる溶接構造物においても、溶接部に損傷、欠陥、あるいは、内在・内面の亀裂が発生すると、溶接構造物を構成する材質の磁場強度が僅かに変化するものと考えられる。一般に、この磁場強度の変化量は極めて小さいため、通常の磁気センサでは検出することができない。
そこで、本発明においては、前述したように、通常の磁気センサではなく高感度磁気センサを用いて、被検体試料の外側から、被検体試料の溶接構造物に損傷、欠陥、あるいは、内在・内面の亀裂が発生したことに起因する極めて微弱な磁気的な変化を計測し、溶接部を非破壊的に検査する非破壊検査方法及び非破壊検査装置を提供することとしている。
ここで、本発明に係る非破壊検査方法及び非破壊検査装置に使用可能な具体的な高感度磁気センサとしては、例えば、各種の磁気センサの中でも最も感度が高い超電導量子干渉素子SQUID(Superconducting Quantum Interference Device)を用いたSQUIDセンサが挙げられる。SQUIDセンサは、例えば、田中 他“応用物理”(72巻、2003年、p1039)にも記載されているように、超電導の特性を利用した磁気センサであり、地磁気(数10マイクロテスラ(μT))の1億分の1から10億分の1の小さな磁界まで計測することができるような超高感度磁気センサである。
また、検出感度はSQUIDセンサよりも若干劣るものの、磁気インピーダンス素子(MI)センサでは1ナノテスラ(nT)、最新型のフラックスゲート型(FG)センサでは10ナノテスラ(nT)等の感度が得られている。これらのセンサは、SQUIDセンサとは異なり、冷却を必要とせず、取扱いが比較的容易な高感度磁気センサであり、被検体の材質、適用箇所、用途等によっては、これらの高感度磁気センサも、本発明に係る非破壊検査方法及び非破壊検査装置に使用することが可能である。
なお、一般に、磁場強度は、距離の3乗に反比例する。Itozaki他:“IEICE Trans.on Electronics”(vol.80C(1997),1247)などの発表によると、50μm径程度の鉄粉の場合は、高感度磁気センサSQUIDとの検出距離が5mm程度離れていたとしても、磁場強度の変化の検出に充分な10ピコテスラ(pT)以上の磁場強度が得られるとしている。
従って、簡単な比例換算から、例えば鉄粉のサイズが1mm程度であれば、50mm以上離れた場合であっても、高感度磁気センサの一つであるSQUIDセンサによる検査においては充分な磁場強度が得られる。言い換えれば、簡単のために被検体の比透磁率を1とし(参考:オーステナイト系ステンレス鋼の比透磁率は1.001〜1.05程度)、損傷・亀裂等の異常箇所のサイズが1mm程度であるとすると、50mm厚のオーステナイト系ステンレス鋼の場合であっても、外部から損傷・亀裂等の異常箇所を非破壊的に検査することが可能であると考えることができる。
本発明は、SQUIDセンサ等の高感度磁気センサを用い、溶接構造物の表面を走査し、各走査位置において検出した磁場強度を2次元的にマッピングして磁気分布データに関する磁気分布画像イメージを得ることにより、該磁気分布画像イメージをディスプレイ表示したり、記録紙に印刷して、溶接部における損傷、欠陥、あるいは、内在・内面の損傷(亀裂)の発生の有無を検知することを可能とすることとしている。
また、高感度、高解像度に磁気を検出できるSQUIDセンサの場合には、他の高感度磁気センサと比較して、より局部的な磁気特性の変化を観測することができることから、溶接部分に発生した損傷、欠陥、あるいは、内在・内面の亀裂がたとえ細微なものであっても検知できるというメリットがある。
磁場発生源が点源とみなせると仮定した場合、磁場強度は、前述のように、距離の3乗に反比例することが知られている。それ故、定性的には、内在・内面の亀裂発生箇所の場合は磁場強度が弱く、損傷箇所が表面から深いところに存在しているほど、より弱いものとなる。
即ち、溶接部の損傷や欠陥の深度レベルと磁気(磁場強度)の増減との間には、明らかな相関があり、従って、同一透磁率(比透磁率)の被検体における過去の溶接部の損傷や欠陥の深度レベルと磁気強度の検出値との関係を、該被検体に関する属性データとしてデータベース化することにより、損傷や欠陥の進展具合がどの程度まで及んでいるのかを経験的に予測できる。ここで、損傷や欠陥の進展具合について予め閾値を設けておけば、被検体における検査箇所の健全性を識別して、問題がある箇所を高精度に検知することができる。
本発明においては、過去に測定された測定データについて、被検体の透磁率(又は比透磁率)毎に、磁場強度と損傷箇所の表面からの深度との関係をデータベースとして予め構築しておき、被検体の透磁率(又は比透磁率)の数値を指定すれば、予め構築されているデータベースと照合して磁気的な異常を発する損傷・欠陥箇所の深度を容易に特定することができる。
また、本発明においては、高感度磁気センサで溶接構造物の表面を走査して検出した磁場強度を2次元的にマッピングして得られる磁気分布画像イメージを、磁場強度の強弱に応じた、白黒の濃淡の階調表示として、又は、色信号としてディスプレイに表示することができるようにして、操作に熟練を要することなく、損傷・欠陥箇所を把握可能としている。
また、本発明に係る非破壊検査装置は、少なくとも、高感度磁気センサを備えた磁気測定部、過去において磁気測定部が被検体の表面を走査することにより測定された磁場強度と損傷箇所の表面からの深度との関係を被検体の透磁率(又は比透磁率)毎に蓄積するデータベース部、過去の測定結果又は予め定めた数値計算式に基づいて被検体の損傷箇所を求める数値処理部、測定した磁気分布を2次元的にマッピングした磁気分布画像データを作成するイメージ処理部、並びに、2次元的にマッピングした磁気分布画像イメージを、画面表示するモニタリング部、及び/又は、記録紙に記録する記録機器部により構成されている。
以上のごとき本発明に係る非破壊検査方法及び非破壊検査装置に関する技術手段を整理して纏めると、以下に示す通りである。
第1の技術手段は、被検体である溶接構造物の溶接部の少なくとも内部の損傷を非破壊的に検査する非破壊検査方法であって、
前記被検体の表面を高感度磁気センサで走査して該被検体の各走査位置毎の磁場強度を磁気分布データとして取得し、取得した前記磁気分布データの局部的な変化を検出して、該磁気分布データと、該被検体と同一の透磁率の被検体について過去に測定した測定結果と検知された損傷箇所との対応を示す該被検体の属性データとに基づいて、少なくとも該被検体の内部の損傷を非破壊的に検査することを特徴とする。
第2の技術手段は、被検体である溶接構造物の溶接部の少なくとも内部の損傷を非破壊的に検査する非破壊検査方法であって、
前記被検体の表面を高感度磁気センサで走査して該被検体の各走査位置毎の磁場強度を磁気分布データとして取得し、取得した前記磁気分布データの局部的な変化を検出して、該磁気分布データと、該被検体の深度方向の損傷位置を算出するために予め定めた数値計算式とに基づいて、少なくとも該被検体の内部の損傷を非破壊的に検査することを特徴とする。
第3の技術手段は、前記第1又は第2の技術手段に記載の非破壊検査方法において、取得された前記被検体の磁気分布データを走査位置に対応して2次元的にマッピングした画像イメージとして表示し、表示された該画像イメージ上で指定された指定部位について、該被検体の深度方向の損傷位置を求めることができることを特徴とする。
第4の技術手段は、前記第1乃至第3の技術手段のいずれかに記載の非破壊検査方法において、前記高感度磁気センサが、超伝導量子干渉素子センサ、磁気インピーダンス素子センサ、又は、フラックスゲート型磁気センサのいずれかであることを特徴とする。
第5の技術手段は、被検体である溶接構造物の溶接部の少なくとも内部の損傷を非破壊的に検査する非破壊検査装置であって、
前記被検体の表面を高感度磁気センサで走査して各走査位置毎の磁場強度を磁気分布データとして測定する磁気測定部と、
過去に測定された被検体に関する測定結果を、検知された損傷箇所と共に、被検体の透磁率毎に各被検体の属性データとして蓄積するデータベース部と、
前記磁気測定部により測定された前記磁気分布データの局部的な変化を検出して、該磁気分布データと、前記データベース部に蓄積されている各被検体の属性データのうち、前記磁気測定部で測定した前記被検体と同一の透磁率の被検体の属性データとに基づいて、該被検体の損傷個所の位置を求める数値処理部とを具備していることを特徴とする。
第6の技術手段は、被検体である溶接構造物の溶接部の少なくとも内部の損傷を非破壊的に検査する非破壊検査装置であって、
前記被検体の表面を高感度磁気センサで走査して各走査位置毎の磁場強度を磁気分布データとして測定する磁気測定部と、
前記磁気測定部により測定された前記磁気分布データの局部的な変化を検出して、該磁気分布データと、該被検体の深度方向の損傷位置を算出するために予め定めた数値計算式とに基づいて、該被検体の損傷個所の位置を求める数値処理部とを具備していることを特徴とする。
第7の技術手段は、前記第5又は第6の技術手段に記載の非破壊検査装置において、前記磁気測定部により測定された前記磁気分布データを前記被検体の走査位置に対応して2次元的にマッピングした磁気分布画像イメージを作成するイメージ処理部を具備し、
該イメージ処理部により作成された該磁気分布画像イメージをモニタリング部に画面表示する、及び/又は、該磁気分布画像イメージを記録紙に印刷することを特徴とする。
第8の技術手段は、前記第7の技術手段に記載の非破壊検査装置において、前記モニタリング部に画面表示された前記磁気分布画像イメージ上で任意に指定された指定部位における磁気強度を、前記磁気測定部により測定された前記磁気分布データに基づいて算出する強度演算部を具備し、
前記数値処理部が、前記強度演算部により算出された磁気強度を前記磁気分布データの一部として用いて、前記指定部位における深度方向の損傷位置を求めることを特徴とする。
第9の技術手段は、前記第7又は第8の技術手段に記載の非破壊検査装置において、前記モニタリング部に画面表示された磁気分布画像イメージ上に、及び/又は、記録紙に印刷される磁気分布画像イメージ上に、損傷個所の座標位置を示すデータを合わせて表示していることを特徴とする。
第10の技術手段は、前記第5乃至第9の技術手段のいずれかに記載の非破壊検査装置において、前記高感度磁気センサが、超伝導量子干渉素子センサ、磁気インピーダンス素子センサ、又は、フラックスゲート型磁気センサのいずれかであることを特徴とする。
以上のごとき各技術手段から構成される本発明によれば、以下のような効果がもたらされる。
溶接構造物の被検体に発生する損傷や欠陥を、高感度磁気センサを用いて、溶接部分に内在する損傷や欠陥箇所から生じる微弱な磁場強度の変化として検出しているので、UTやTOFD法では問題となる例えばオーステナイト系ステンレス鋼のような材質の構造物であっても、溶接部の結晶粒粗大化の影響を受けることなく、被検体の損傷や欠陥を非破壊的に検査することができる。
また、同一透磁率(比透磁率)の被検体における過去の被検体の損傷や欠陥の深度レベルと磁気強度の検出値との関係を、該被検体に関する属性データとしてデータベース化しているので、測定した磁気強度の磁気分布データと該属性データとを照合することにより、該被検体に発生している損傷や欠陥を確実に検知し、かつ、その進展具合がどの程度まで及んでいるのかを経験的に予測することもできる。ここで、損傷や欠陥の進展具合について予め閾値を設けておけば、被検体における検査箇所の健全性を識別して、問題がある箇所を高精度に検知することができる。
あるいは、本発明においては、磁気分布データに基づいて損傷箇所の深度方向の位置を算定することができるように予め設定した数値計算式を用いて、簡便に、該被検体に発生している損傷や欠陥の位置を特定することも可能である。
また、被検体の各走査位置において検出した磁場強度を2次元的にマッピングして磁気分布データに関する磁気分布画像イメージを得て、該磁気分布画像イメージをディスプレイ表示したり、記録紙に印刷することも可能であり、かつ、磁場強度の強弱に応じて、白黒の濃淡の階調表示として、又は、色信号として、ディスプレイや記録紙に表示することができるようにしているので、操作に熟練を要することなく、被検体の損傷箇所や欠陥箇所を容易に把握可能である。
また、ディスプレイに表示された磁気分布画像イメージ上で検査者が損傷箇所と認識して任意に指定した指定位置における損傷箇所や欠陥箇所の深度方向の位置も容易に把握することが可能であり、更には、損傷箇所や欠陥箇所に関する座標位置を磁気分布画像イメージと合成して、数値的な値として画面表示したり、記録紙に出力することもできる。
もって、火力・原子力発電設備、石油化学プラント、鉄道車両、航空機、船舶、橋梁、高層ビル等の溶接構造物の内面や表層に発生した損傷(亀裂)、並びに、溶接部に内在する損傷や欠陥を、簡単な操作により、非破壊的に検査することができる。
本発明に係る非破壊検査方法及び非破壊検査装置の実施形態の一例について、非破壊検査装置を例に取って、以下に図面を参照しながら説明する。なお、以下の非破壊検査装置の具体的な説明から、本発明に係る非破壊検査方法についても容易に想到することが可能であるので、ここでは、非破壊検査方法についての説明は省略する。
図1は、本発明に係る非破壊検査装置の構成の一実施例を示す構成図であり、非破壊装置10を、溶接構造物の溶接部を含む被検体100と共に示している。図1において、非破壊装置10は、磁気測定部11、走査駆動部12、記憶部13、データベース部14、イメージ処理部15、モニタリング部16、記録機器部17、強度演算部18、数値処理部19、入力部20、及び、損傷位置編集部21を、少なくとも備えて構成されている。
ここで、磁気測定部11は、走査駆動部12からの駆動により、被検体100の表面を順次走査して、各走査位置における被検体100の磁気信号(磁場強度)を磁気分布データとして測定するものであり、記憶部13は、磁気測定部11で測定した被検体100の磁気信号の検出値(磁気分布データ)を記憶・保存するものであり、データベース部14は、過去に測定した磁気信号の検出値(磁気分布データ)と損傷や欠陥の発生深度位置との関係を、被検体100の材質や透磁率毎に、任意に検索可能な形式にして、被検体100の属性データとして蓄積しているものである。即ち、データベース部14は、被検体100の材質や透磁率毎に、被検体100の磁気分布の局部的な変化に応じて得られる損傷深度位置に関するデータを被検体100の属性データとして記録しているものである。
また、イメージ処理部15は、記憶部13に記憶された被検体100の磁気信号の検出値(磁気分布データ)を所要の2次元的分布にマッピングして磁気分布画像イメージを編集するものであり、モニタリング部16や記録機器部17に対して出力して、該磁気分布画像イメージをモニタリング部16にてディスプレイ表示したり、記録機器部17にて記録紙に印刷することができる。
また、数値処理部19は、磁気信号の局部的な変化が検出された部位を自動的に演算により算出し、算出した算出部位における損傷箇所の深度位置を求めたり、あるいは、検査者が入力部20を介して局部的な変化が認められる部位として指定した指定位置における磁気強度を強度演算部18により算出した結果に基づいて、該指定部位における損傷箇所の深度位置を求めるものである。また、損傷位置編集部21は、数値処理部19にて取得された前記算出部位又は前記指定部位における損傷箇所の座標位置深度に関する情報を、前記磁気分布画像イメージと合わせて、モニタリング部16に画面表示するために、あるいは、記録機器部17にて記録紙に印刷するために、編集するものである。
なお、磁気測定部11には、被検体100の磁気分布を高感度で計測することができる高感度磁気センサ11aが搭載されている。該高感度磁気センサ11aとしては、地磁気(数10マイクロテスラ(μT))の1億分の1から10億分の1の小さな磁界まで計測することができる超電導量子干渉素子SQUIDを搭載したSQUIDセンサ、1ナノテスラ(nT)まで計測可能な磁気インピーダンス素子(MI)センサ、又は、10ナノテスラ(nT)まで計測可能なフラックスゲート型(FG)センサを用いることができる。
即ち、磁気測定部11に搭載される高感度磁気センサ11aとして、1ナノテスラ(nT)程度の磁場感度で検出することが可能な被検体100(溶接構造物の溶接部を含む被検体)については、MIセンサが使用できる。一方、これよりも微弱な磁場強度を検出する必要がある場合には、SQUIDセンサを使用するようにし、更に、被検体100から発せられる磁場強度が極めて小さい場合には、地磁気や磁気ノイズをキャンセルさせるための工夫も必要である。また、10ナノテスラ程度の強い磁場感度でも十分な被検体100については、最新型のFGセンサを使用することもできる。
また、SQUIDセンサの場合は、検出コイルを工夫することにより、現状では、最小で10μm(ミクロンメートル)程度の高解像度で磁気分布の検出が可能であり、どちらかと言うと、局部的な磁気の解析に適している。一方、mm(ミリメートル)オーダの解像度で十分な場合であれば、SQUIDセンサの他に、MIセンサなどでも磁気的な分布を検知することができる。即ち、10μm(ミクロンメートル)程度のような高解像度の磁気分布の検出が必要ではない検査においては、冷却コストがかかるSQUIDセンサを適用することは得策ではない。
被検体100の表面上を、走査駆動部12によって磁気測定部11の走査位置を予め設定した計測ピッチ(例えば、被検体100である溶接構造物の溶接部のサイズが1メートル×2cmの場合、2mm毎のピッチとするなど)ずつ移動させながら、磁気測定部11に搭載の高感度磁気センサ11aにより被検体100の磁気信号を検出していく。高感度磁気センサ11aは、電子機器によって構成されている磁気測定部11のセンサ制御系によって制御され、検出した磁気信号は磁気測定部11に搭載されているADコンバータを介してデジタル信号に変換されて出力される。
記憶部13では、ADコンバータを介して出力されてくるデジタル化された磁気信号の大きさを、予め設定した前記計測ピッチに対応した被検体100の走査位置毎に磁気分布データとして記憶していく。イメージ処理部15では、記憶部13に記憶された被検体100の磁気信号の検出値を、磁場強度の大きさに応じて、白黒の濃淡の階調表示をして、あるいは、色付けをして、走査位置に対応させて2次元的にマッピングして磁気分布画像イメージを編集することができるように工夫されている。従って、イメージ処理部15にて作成された、例えば色付けされた該磁気分布画像イメージを、モニタリング部16に画面表示したり、記録機器部17から記録紙に印刷するようにすれば、磁気強度が局部的に変化して劣化している部位やその劣化程度を極めて簡単に検知することができるので、本非破壊検査装置10を用いて検査することとすれば、検査者として特別な熟練は要せずに、被検体100の損傷箇所やその損傷程度を確実かつ容易に判別することができる。
データベース部14には、過去の測定データが、被検体100の材質や透磁率毎に、それぞれの損傷深度(即ち、損傷の進行程度)との関連を検索可能な形式で、被検体100毎の属性データとして蓄積されており、データベース部14に過去から蓄積されている属性データと或る被検体100を検査した結果の磁気分布データとの対比から、当該被検体100の健全性を判別し、かつ、当該被検体100に発生している損傷や亀裂の進行状況を簡単に把握することができるように構成されている。
また、モニタリング部16は、前述したように、イメージ処理部15で作成された、例えば色付けした磁気分布画像イメージをディスプレイ上に画面表示することにより、検査者に対して検査結果を視覚的に一瞥して判別可能な形式として通知することができる。更に、記録機器部17は、イメージ処理部15で作成された、例えば色付けした該磁気分布画像イメージを、例えば記録紙上にカラー印刷することができる。
強度演算部18は、モニタリング部16に画面表示されている磁気分布画像イメージ上で検査者が例えばマウスを用いてクリックして指定した指定部位を、被検体100の表面上の平面位置(X,Y座標位置)として識別して、該平面位置上の磁場強度を、記憶部13に記憶されている被検体100の磁気信号の実際の検出値を演算することによって推定する。推定された指定部位の磁場強度は、実際に測定されている磁気分布データの一部として用いられて、数値処理部19において、損傷箇所の位置が求められる。
また、入力部20は、検査者が被検体100の材質及び/又は透磁率(比透磁率)を入力することにより被検体100の透磁率(比透磁率)を非破壊検査装置10に通知するものであるが、被検体100の材質しか入力されていない場合には、データベース部14に蓄積されている過去の検査データ即ち属性データの中に含まれている材質と透磁率との換算表に基づいて、自動的に被検体100の透磁率(比透磁率)が取得されるように構成している。
また、数値処理部19では、磁気測定部11により測定されて記憶部13に記憶されている磁気分布データから局部的な磁気変化が発生している変化部位(X,Y座標位置)を抽出して、被検体100の検査結果である磁場強度と入力部20により取得された被検体100の透磁率(比透磁率)とに基づいて、予め設定されている数値計算式を用いてあるいはデータベース部14に蓄積されている属性データから、抽出された該変化部位における損傷箇所の深度位置(Z座標位置)を求める。あるいは、数値処理部19では、モニタリング部16に画面表示されている磁気分布画像イメージ上で例えばマウスをクリックすることにより被検体100の損傷(異常)箇所として認識した部位(X,Y座標位置)における損傷箇所の深度位置(Z座標位置)を、被検体100の検査結果である磁場強度と入力部20により取得された被検体100の透磁率(比透磁率)とに基づいて、予め設定されている数値計算式を用いてあるいはデータベース部14に蓄積されている属性データから求める。
また、損傷位置編集部21では、磁気的な変化部位として識別された(又は、検査者により指定された)被検体100の表面上の平面位置(X,Y座標位置)において、数値処理部19により算出された損傷箇所の深度位置(Z座標位置)を検査者に数値データとして理解させるように、該平面位置(X,Y座標位置)と該損傷箇所の深度位置(Z座標位置)とを磁気分布画像イメージ上に編集して、モニタリング部16に損傷個所の座標位置を数値表示させたり、記録機器部17により記録紙に印刷させる。
次に、多くの構造物に使用されている代表的な金属であるオーステナイト系ステンレス鋼の中から「SUS304」を選び、人工的な溶接欠陥(損傷)を作製した試験片を用いて検査した実施例について説明する。発電用ボイラ管などの溶接部に発生する経年劣化損傷(亀裂)は、例えば、図2に示すように、損傷(亀裂)が発生する位置によって4種類のタイプに分類することができる。図2は、被検体となる発電用ボイラ管の溶接部において発生する経年劣化亀裂の種類を例示するための模式図であり、発電用ボイラ管101を溶接した溶接金属102と該溶接金属周辺の熱影響部103とのいずれかで発生した経年劣化亀裂(損傷)のタイプをTypeIからTypeIVの4種類で分類している。
ここで、TypeI乃至TypeIVの損傷は次の通りである。
(1)TypeI:溶接金属102中に発生した損傷
(2)TypeII:溶接金属102から熱影響部103に進展した損傷
(3)TypeIII:熱影響部103の粗粒域に発生した損傷
(4)TypeIV:熱影響部103の細粒域に発生した損傷
以下の実施例においては、これらの4種類の損傷のタイプのうち、TypeI、II、及び、IIIの3種類のタイプの損傷(亀裂)を人工的に模擬した「SUS304」試験片を被検体として使用した場合について説明する。なお、本実施例に用いる「SUS304」試験片の素材の化学成分は、下の表1のミルシート(鋼材検査証明書:Inspection Certificate)に示した通りであり、量産ラインで大量に製造されているJIS規格を満たす「SUS304」と全く同一の素材である。
Figure 2005331262
図3は、本実施例で使用した溶接損傷(亀裂)を模擬した「SUS304」試験片の形状と人工損傷挿入位置とを表している模式図である。ここで、図3(A)は、試験片104の長さ方向から見た立体図であり、図3(B)は、試験片104の板厚即ち厚み方向から見た正面図である。試験片104の寸法は、幅300mm×長さ320mm×厚み20mmであり、人工損傷としては、前述のように、溶接金属105中の損傷(亀裂)を示すTypeI、溶接金属105から熱影響部に跨る損傷(亀裂)を示すTypeII、熱影響部の粗粒域中の損傷(亀裂)を示すTypeIIIの3種類を模擬し、3種類のタイプの人工損傷それぞれの損傷の進行程度を示す寸法として、次のa,bに示す2種類の大きさの損傷を模擬している。
a:幅0.2〜0.25mm×長さ10mm×高さ5mm
b:幅0.2〜0.25mm×長さ2mm×高さ2mm
また、溶接金属105の試験片104上における位置としては、図3(A),(B)に示すように、試験片104の幅方向の略中心位置(試験片104の左下端を原点(0,0)としたX座標位置で150mmの位置)で、長さ方向に溶接しており、試験片104の人工損傷の作製位置としては、長さ方向では3種類のTypeI,II,IIIのそれぞれのタイプの順で各損傷タイプの大きさをa,bの順に35mmずつの等間隔の位置(即ち、試験片104の左下端を原点(0,0)としたY座標位置で、250mm,215mm,…,110mm,75mmの各位置)にそれぞれ挿入するようにしている。
人工的な溶接損傷(亀裂)の作製方法の詳細は省略するが、溶接材料をTGS−308((株)神戸製鋼所製の溶加棒銘柄)を用いて、次の手順によって作製している。即ち、
(1)試験体の開先加工
(2)自動ティグ(TIG:Tungsten Inert Gas)溶接(非溶極式アーク溶接の一種)による積層溶接
(3)損傷挿入用開先壁面加工
(4)放電加工による人工損傷の挿入
(5)残厚部のマニュアルTIG溶接
という手順を経て、溶接損傷(亀裂)を作製している。
図4は、図3に示した「SUS304」試験片104に対して従来のTOFD法を用いて検査した試験結果を示す測定図と測定結果表とである。図4(A)は、Dスキャン方法による試験結果を示す測定図であり、試験片104の溶接部105の溶接線方向に沿って順次走査した走査位置を横軸に取り、縦軸に各走査位置における超音波の伝播時間を示している。このTOFD法の測定においては、広く使用されている英国AEA Sonomatic社製のTOFD探傷装置を用いて、探触子周波数5MHz、探触子振動子径φ6mmの条件下にて、UT技術者(NDI−UT−3資格取得者)によって検査が実施されたものである。
しかしながら、図4(B)の測定結果表にも示すように、TOFD法の測定に熟練した有資格者による検査によっても、一般的なTOFD法では、図3に示した「SUS304」試験片の人工的な損傷(亀裂)のいずれについても全く検出することが不可能であった。このように、「SUS304」試験片のようなオーステナイト系ステンレス鋼については、溶接時に生じる結晶粒の粗大化の影響を受けて、従来のTOFD法を用いて損傷や欠陥の有無を検査することはできない。
一方、図5は、図3に示した「SUS304」試験片104に対して本発明に係る非破壊検査装置10を用いて検査した試験結果を示す測定図である。ここで、磁気測定部11に搭載する高感度磁気センサ11aとしてはSQUIDセンサを使用して、試験片104の溶接部105を中心にして、長さ250mm×幅50mmの範囲に亙って、2mmのピッチ間隔で、試験片104の表面と裏面との両面を順次走査して磁場強度を測定している。測定時間は片面ずつでそれぞれ約5分間である。図5(A)が試験片104の表面側の測定結果であり、図5(B)が試験片104の裏面側の測定結果である。図5の右側の表示スケール(等高線)で示すように、測定結果は、磁場強度の大きさを白黒の濃淡の階調表示として表示している。図5(A)、(B)に示すように、試験片104に損傷(亀裂)が存在する走査位置では磁場強度が局部的に変化しており、測定結果を表示する磁気分布画像イメージとしては、淡く表示されたり濃く表示されたり、階調が変化して表示される。
なお、図5の測定図に示すように、試験片104に人工的に作製したTypeI、II、IIIのいずれの損傷(亀裂)についても磁気的な変化を検出することができ、かつ、TypeI、II、IIIのそれぞれのタイプに関するa(長さ10mm)とb(長さ2mm)との2種類の大きさのいずれの損傷(亀裂)についても磁気的な変化を検出することができた。
更に、図5に示す測定結果が得られた試験片104について、図3に示した試験片104の挿入位置、大きさの通りに、人工損傷が挿入されているか否かを調べるために、測定に用いた試験片104の破壊検査を行なった。損傷の挿入位置や大きさは、TypeI、II、IIIとも、図3に示す設定通りの位置に2種類(約10mm、約2mm)の大きさの人工損傷が挿入されていることを確認することができた。従って、図3のような損傷箇所に対応した走査位置において、図5に示すように磁場強度の局部的な変化(即ち磁気信号の異常値)が明瞭に検知されることを確認することができた。
図1に示す非破壊検査装置10のイメージ処理部15では、図5の測定図に示したように、各走査位置において測定した磁場強度を2次元的にマッピングする形で、白黒の濃淡階調表示として、モニタリング部16上にディスプレイ表示したり、あるいは、記録機器部17にて記録紙に印刷する例を示しているが、前述したように、イメージ処理部15では、白黒の階調表示のみならず、色付けした磁気分布画像イメージとして編集して出力することにしても良く、この場合、モニタリング部16や記録機器部17において、当然、測定結果のカラー表示や磁場強度の大きさを示す表示スケール(等高線)のカラー表示も何ら問題なく処理することができる構成とされている。
図6は、図5(B)の測定図に示した試験片の裏面側の測定結果を、損傷箇所を示す座標位置(数値データ)と共に表示した一例を示す測定図である。即ち、図6においては、図1の非破壊検査装置10のイメージ処理部15により作成された磁気分布画像イメージのみならず、磁場強度が局部的に変化した変化部位、あるいは、損傷箇所と認識して検査者が例えばマウスを用いてクリックして指定した指定部位のいずれかの平面位置(X,Y座標位置)における、損傷箇所の深度位置(Z座標位置)を、数値処理部19によりデータベース部14の属性データを索引して、あるいは、予め定めた数値計算式を用いて、求めて、損傷位置編集部21により、3次元の座標位置(X,Y,Z)の表示形式に編集して、磁気分布画像イメージと合成した結果をモニタリング部16にてディスプレイ表示している一例を示している。
更に説明すると、例えばイメージ処理部15により2次元的にマッピングして作成された磁気分布画像イメージがモニタリング部16の操作画面上に図5のように画面表示された際に、検査者が操作画面上の局部的に濃淡が変化している部位例えば濃度が濃く変化している部位を試験片104の損傷箇所と判断してマウスでクリックすると、図1の強度演算部18が作動して、クリックされた部位における磁場強度を算出すると共に、図1の損傷位置編集部21が作動して、図6に示すように、まず、クリックした損傷(亀裂)箇所の平面的な座標位置(X,Y座標位置)を画面に表示する。
例えば、TypeIの大きさa部の損傷(亀裂)位置がクリックされていた場合であれば、試験片104の各磁場強度が2mmピッチ間隔で測定されて、記憶部13に記憶されているクリック部位近傍の実際の測定結果とクリック部位との位置関係から、強度演算部18ではクリック部位における磁場強度を算出する。一方、損傷位置編集部21は、クリック部位の平面的な座標位置(X,Y座標位置)を、原点(0,0)を図3の試験片104の左下端に置いた座標位置として設定し、例えば、TypeIの大きさa部の中心位置を正しくクリックしていた場合であれば、図6に示すように、平面的な座標位置を(150,250)として認識し、モニタリング部16に「(150,250,」と画面表示する。
次に、図1の説明において前述したように、予め定めた検査手順に従って、例えば検査者は入力部20を操作して、測定に用いた「SUS304」試験片104の材質あるいはその比透磁率(透磁率)を入力する。具体的には、材質としては、「SUS304」を、あるいは、比透磁率としては、「1.002」を入力する。試験片104の材質のみが入力されていた場合は、データベース部14に格納されている材質と比透磁率(透磁率)との換算表に基づいて、試験片104の比透磁率(透磁率)が取得される。次いで、数値処理部19において、データベース部14に格納されている過去の測定結果のうち、取得された試験片104の比透磁率と同じ比透磁率に関する、過去に測定された磁場強度のデータ(磁気分布データ)とそこで検知された損傷箇所の位置に関するデータとが読み出されて、記憶部13に記憶されている試験片104に関する測定結果の磁気分布データと照合されて、損傷部位と認識してクリックされた指定位置における深度方向(深さ方向)の位置が求められる。
数値処理部19の算出手順の異なる例としては、損傷(亀裂など)の深度位置を求める式として、例えば次のような式(1)を予め設定しておくこともあり得る。
即ち、損傷(亀裂)の深度方向の被検体104表面からの距離Xは、磁場強度が距離の3乗に反比例する関係にあることから、次式(1)に基づいて簡便に算定することができる。なお、深度方向の位置精度を向上したい場合には、式(1)を適宜変形しても構わないし、更に、データベース部14に蓄積されている過去の測定結果の属性データと式(1)又は適宜変形した式とを併用して、損傷箇所の深度方向の座標位置をより精度良く算出するようにしても何ら構わない。
B=μ・A(H)/(X+R)3 ・・・・・(1)
ここで、Bは、高感度磁気センサ11aにより検出した磁場強度(磁束密度)、Rは、高感度磁気センサ11aの検知部から被検体104表面までの距離(リフトオフ)、μは、被検体104の透磁率である。また、A(H)は、磁界の強さに依存する係数であり、使用する高感度磁気センサ11aの種類・仕様や測定環境に依存し、或る程度、経験的な算定や予め数値計算によって決定することが必要なパラメータである。また、A(H)は、損傷や欠陥等によって発生する磁気が、地磁気等の磁界中に置かれた時の磁界の強さであり、損傷や欠陥等の種類が異なれば、当然その数値は異なったものとなる。
本実施例においては、式(1)における係数A(H)を決定するための一例として、新鋼材等のリファレンス試料の測定データに基づいて、係数A(H)を予め決定しておくこととする。
図6の損傷座標位置の表示に関する説明に戻ると、数値処理部19においては、リファレンス試料に基づいて予め決定されている係数A(H)が適用された式(1)に基づいて、図6のクリック部位(例えばX,Y座標位置が(150,250)の部位)における試験片104の表面からの深さ方向の座標位置(Z座標位置)を算出する。算出結果として、例えば図6のTypeIの大きさa部における深度座標位置として「7mm」が得られるので、損傷位置編集部21においては、図6に示すように、(150,250,7)と編集して、モニタリング部16に「(150,250,7)と画面表示する。
本実施例においては、試験片104の損傷(亀裂)を人工的に発生させている異常箇所としては、図3、図5に示すように、6箇所であり、それぞれについて、検査者が損傷部位としてクリックした平面座標位置(X,Y座標位置)において、式(1)により求めた深度方向の座標位置(Z座標位置)は、次に示す表2の通りであった。
Figure 2005331262
従って、各損傷箇所の座標位置としては、損傷位置編集部21によって、それぞれ、X方向、Y方向の平面座標位置、及び、Z方向の深度方向座標位置が、図6に示すように、磁気分布データを示す画像イメージ上に編集されて、モニタリング部16の画面上に画面表示されたり、記録機器部17で記録紙に印刷される。
図6に示すような各損傷箇所を示す座標位置に関する数値は、測定に用いた試験片104の破壊検査で確認した損傷(亀裂)箇所の位置と、平面座標位置(X,Y座標位置)に関しては、2%程度の、深度座標位置(Z座標位置)に関しては、10%程度(即ち20mm厚の試験片104で2mm程度)の、それぞれの誤差範囲内で、略一致した結果が得られており、実用上、全く問題はないことが判った。
なお、実施例で示した試験片104の材質のような「SUS304」の場合、他のオーステナイト系ステンレス鋼と同様に、素材に対する加工率によって比透磁率が変化することが知られている。例えば、冷間加工率を0〜25%と変更した場合、それぞれに応じて、比透磁率が「1.002」〜「1.05」に変化している。従って、検査者が入力部20から入力する被検体の透磁率(比透磁率)としては、材質の一般的な物理定数から透磁率(比透磁率)を選んで入力しても構わないが、更なる検査精度を求める場合には、被検体の透磁率(比透磁率)を実測した実測値を入力することが望ましい。
図5及び図6に示すように、厚さ20mmの被検体即ち試験片104の場合であれば、試験片104の裏面からの検査(試験片104を裏返して行なった検査)においても、表面からの検査と同様に、前述した合計6種類の損傷(亀裂)を全て検出することができた。更に、実施例における試験結果においては、図5に示すように、試験片104の表面からの検査で磁場強度が強いものは、逆に、裏面からの検査では弱くなる傾向が得られており、試験結果としての矛盾はなく、正しい評価結果であるということができる。また、本実施例で使用した「SUS304」試験片の厚さは、図3に示すように20mmであるが、図5に示すように、磁気分布画像イメージとしての表示は、局部的な磁場強度の変化が明瞭に判別可能な表示となっており、本発明は、20mmよりも更に板厚が厚い金属の場合であっても充分適用が可能である。
なお、図5や図6に示すような本実施例では、特別な磁気シールド等を一切行なっていない通常の環境磁気ノイズ下でなされている。また、本発明に係る非破壊検査装置10の操作方法は、前述したように極めて簡単であり、その操作に当たっての特別の技術資格なども必要はなく、かつ、従来のUTのように、検査結果が検査者の熟練度に依存するような曖昧さも排除することができる。また、本発明による非破壊検査装置10においては、X線や放射線のように、被ばくの問題、環境問題、取扱いが煩雑というようなデメリットもない。
以上のように、本発明に係る非破壊検査方法及び非破壊検査装置は、溶接構造物における溶接箇所の検査に極めて有効であることが実証できた。なお、本実施例では、ラボスケールの小型の試験片を使用したが、非破壊検査装置10全体あるいは磁気計測部11を自走制御装置に載置して自走させるようにすれば、大型のプラントや大型の構造物の溶接箇所の検査についても簡単に適用することができる。
本発明に係る非破壊検査装置の構成の一実施例を示す構成図である。 被検体となる発電用ボイラ管の溶接部において発生する経年劣化亀裂の種類を例示するための模式図である。 本実施例で使用した溶接損傷を模擬した試験片の形状と人工損傷挿入位置とを表している模式図である。 図3に示した試験片に対して従来のTOFD法を用いて検査した試験結果を示す測定図と測定結果表とである。 図3に示した試験片に対して本発明に係る非破壊検査装置を用いて検査した試験結果を示す測定図である。 図5の測定図に示した試験片の裏面側の測定結果を、損傷箇所を示す座標位置と共に表示した一例を示す測定図である
符号の説明
10…非破壊検査装置、11…磁気測定部、11a…高感度磁気センサ、12…走査駆動部、13…記録制御部、14…データベース部、15…イメージ処理部、16…モニタリング部、17…記録機器部、18…強度演算部、19…数値処理部、20…入力部、21…損傷位置編集部、100…被検体、101…発電用ボイラ管、102…溶接金属、103…熱影響部、104…試験片、105…溶接金属。

Claims (10)

  1. 被検体である溶接構造物の溶接部の少なくとも内部の損傷を非破壊的に検査する非破壊検査方法であって、
    前記被検体の表面を高感度磁気センサで走査して該被検体の各走査位置毎の磁場強度を磁気分布データとして取得し、取得した前記磁気分布データの局部的な変化を検出して、該磁気分布データと、該被検体と同一の透磁率の被検体について過去に測定した測定結果と検知された損傷箇所との対応を示す該被検体の属性データとに基づいて、少なくとも該被検体の内部の損傷を非破壊的に検査することを特徴とする非破壊検査方法。
  2. 被検体である溶接構造物の溶接部の少なくとも内部の損傷を非破壊的に検査する非破壊検査方法であって、
    前記被検体の表面を高感度磁気センサで走査して該被検体の各走査位置毎の磁場強度を磁気分布データとして取得し、取得した前記磁気分布データの局部的な変化を検出して、該磁気分布データと、該被検体の深度方向の損傷位置を算出するために予め定めた数値計算式とに基づいて、少なくとも該被検体の内部の損傷を非破壊的に検査することを特徴とする非破壊検査方法。
  3. 請求項1又は2に記載の非破壊検査方法において、取得された前記被検体の磁気分布データを走査位置に対応して2次元的にマッピングした画像イメージとして表示し、表示された該画像イメージ上で指定された指定部位について、該被検体の深度方向の損傷位置を求めることができることを特徴とする非破壊検査方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の非破壊検査方法において、前記高感度磁気センサが、超伝導量子干渉素子センサ、磁気インピーダンス素子センサ、又は、フラックスゲート型磁気センサのいずれかであることを特徴とする非破壊検査方法。
  5. 被検体である溶接構造物の溶接部の少なくとも内部の損傷を非破壊的に検査する非破壊検査装置であって、
    前記被検体の表面を高感度磁気センサで走査して各走査位置毎の磁場強度を磁気分布データとして測定する磁気測定部と、
    過去に測定された被検体に関する測定結果を、検知された損傷箇所と共に、被検体の透磁率毎に各被検体の属性データとして蓄積するデータベース部と、
    前記磁気測定部により測定された前記磁気分布データの局部的な変化を検出して、該磁気分布データと、前記データベース部に蓄積されている各被検体の属性データのうち、前記磁気測定部で測定した前記被検体と同一の透磁率の被検体の属性データとに基づいて、該被検体の損傷個所の位置を求める数値処理部とを具備していることを特徴とする非破壊検査装置。
  6. 被検体である溶接構造物の溶接部の少なくとも内部の損傷を非破壊的に検査する非破壊検査装置であって、
    前記被検体の表面を高感度磁気センサで走査して各走査位置毎の磁場強度を磁気分布データとして測定する磁気測定部と、
    前記磁気測定部により測定された前記磁気分布データの局部的な変化を検出して、該磁気分布データと、該被検体の深度方向の損傷位置を算出するために予め定めた数値計算式とに基づいて、該被検体の損傷個所の位置を求める数値処理部とを具備していることを特徴とする非破壊検査装置。
  7. 請求項5又は6に記載の非破壊検査装置において、前記磁気測定部により測定された前記磁気分布データを前記被検体の走査位置に対応して2次元的にマッピングした磁気分布画像イメージを作成するイメージ処理部を具備し、
    該イメージ処理部により作成された該磁気分布画像イメージをモニタリング部に画面表示する、及び/又は、該磁気分布画像イメージを記録紙に印刷することを特徴とする非破壊検査装置。
  8. 請求項7に記載の非破壊検査装置において、前記モニタリング部に画面表示された前記磁気分布画像イメージ上で任意に指定された指定部位における磁気強度を、前記磁気測定部により測定された前記磁気分布データに基づいて算出する強度演算部を具備し、
    前記数値処理部が、前記強度演算部により算出された磁気強度を前記磁気分布データの一部として用いて、前記指定部位における深度方向の損傷位置を求めることを特徴とする非破壊検査装置。
  9. 請求項7又は8に記載の非破壊検査装置において、前記モニタリング部に画面表示された磁気分布画像イメージ上に、及び/又は、記録紙に印刷される磁気分布画像イメージ上に、損傷個所の座標位置を示すデータを合わせて表示していることを特徴とする非破壊検査装置。
  10. 請求項5乃至9のいずれかに記載の非破壊検査装置において、前記高感度磁気センサが、超伝導量子干渉素子センサ、磁気インピーダンス素子センサ、又は、フラックスゲート型磁気センサのいずれかであることを特徴とする非破壊検査装置。
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