JP2012066279A - ベアリングレースの製造方法 - Google Patents

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【課題】旧オーステナイト結晶粒度を11番以上とし、ベアリングレースの長寿命化を図ることができるようにする。
【解決手段】ベアリングレースの製造方法において、熱間圧延された軸受鋼を焼鈍して加工素材6とする素材製造工程1と、素材製造工程1で製造された加工素材6を冷間鍛造しリング素材7を成形する冷間鍛造工程2と、冷間鍛造工程2で成形されたリング素材7に冷間でリング圧延を施すことでベアリングレース素材を成形する冷間リング圧延工程4と、冷間リング圧延工程4で成形されたベアリングレース素材8に熱処理を施しベアリングレースを製造する熱処理工程5とを備えている。冷間鍛造工程2における加工度F1が0.5以上0.8以下となるように冷間鍛造を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸受鋼からベアリングレースを製造するベアリングレースの製造方法に関する。
従来より、ベアリング軸受の外枠及び内枠を構成するベアリングレースは、主に、日本工業規格JISに定められている軸受鋼(SUJ2)から製造されていて、ベアリングレースの製造方法は、大別すると以下の4通がある。
第1に、軸受鋼用の棒鋼に対して熱間鍛造を行ってベアリングレースを製造する方法がある。この第1方法(熱間鍛造方法)では、棒鋼を切断して加熱後、熱間鍛造し、球状化焼鈍し、切削加工後に焼入れ・焼戻し研磨している。
第2に、軸受鋼用の線材に対して切削を行うことでベアリングレースを製造する方法がある。この第2方法(線材切削方法)では、線材を球状化焼鈍し、磨棒して全切削した後、焼入れ・焼戻し研磨している。
第3に、軸受鋼用のパイプに対して切削を行うことでベアリングレースを製造する方法がある。この第3方法(パイプ切削方法)では、パイプを球状化焼鈍し、切削した後、焼入れ・焼戻し研磨している。
第4に、軸受鋼用の線材に対して冷間鍛造を行ってベアリングレースを製造する方法がある。この第4方法(冷間鍛造方法)では、線材を球状化焼鈍し、冷間鍛造し、切削加工後に焼入れ・焼戻し研磨している。
第1方法(熱間鍛造方法)では、比較的大径まで加工できる利点はあるものの、加熱が必須であるためエネルギーコストがかかってしまう。第2方法(線材切削方法)では、内面を切削してリング状の素材を製造するため歩留まりが非常に悪くなる。第3方法(パイプ切削方法)では、パイプでは一般的な線材棒鋼と比較して、素材コストが高くなり実用的ではない。第1〜第3の方法に対して、第4方法である冷間鍛造方法ではエネルギー低減、歩留まり向上、製造コスト低減が可能であり、他の製造方法に対して優れた加工方法である。
しかしながら、ベアリングレースには様々な形状があり、冷間鍛造のみの製造では、様々な形状のベアリングレースを製造することが難しいのが実情である。
さて、軸受鋼では、様々な環境で使用されるため長寿命化が望まれており、長寿命化をする技術として、例えば、特許文献1の技術が開示されている。
特許文献1では、転がり軸受(ベアリングレース)において、少なくとも固定輪の軸受鋼の合金組成成分が重量比に対して、Cr=0.50〜1・60%を含有すると共にAl=0.02〜0.10%、N=0.005〜0.02%、V=0.02〜0.30%、Nb=0.02〜0.30%の範囲内で、Al、N並びにV及びNbの内の少なくとも一種を含み、且つ、0.08%<Al+4N+V+Nb<0.8%の関係を満足するようにしている。
そして、特許文献1では、成分を規定することによって、旧オーステナイト結晶粒度を11番以上とし、長寿命化が図れるようにしている。
特開平10−30150号公報
しかしながら、特許文献1では、旧オーステナイト結晶粒度を11番以上をするために成分調整を行っているが、この技術を用いてベアリングレースを製造した場合、ベアリングレース(軸受鋼)の成分範囲が所望とするものから外れてしまう虞がある。即ち、特許文献1の技術を用いた場合、旧オーステナイト結晶粒度を11番以上にできたとしても、所望の成分値を有するベアリングレースを製造することが困難な場合があった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、様々な形状のベアリングレースを製造できると共に、軸受鋼を加工する加工処理にて粒度を増加させることによって旧オーステナイト結晶粒度を11番以上とし、ベアリングレースの長寿命化を図ることができるベアリングレースの製造方法を提供することを目的とする。
目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、熱間圧延された軸受鋼を焼鈍して加工素材とする素材製造工程と、素材製造工程で製造された加工素材を冷間鍛造しリング素材を成形する冷間鍛造工程と、冷間鍛造工程で成形されたリング素材に冷間でリング圧延を施すことでベアリングレース素材を成形する冷間リング圧延工程と、冷間リング圧延工程で成形されたベアリングレース素材に熱処理を施しベアリングレースを製造する熱処理工程と、を備えたベアリングレースの製造方法であって、冷間鍛造工程における加工度F1が0.5以上0.8以下となるように冷間鍛造を行う点にある。
冷間リング圧延工程後の総加工度が0.9以下となるように、冷間鍛造工程と冷間リング圧延工程とを行うことが好ましい。
冷間鍛造工程における加工度F1は、式(1)により求めることが好ましい。
Figure 2012066279
冷間鍛造工程と冷間リング圧延工程との間に、冷間鍛造工程で製造されたリング素材を550〜700℃の間で焼鈍する焼鈍工程を有することが好ましい。
冷間鍛造工程でにおける条件を設定するに際しては、(i)〜(iv)のステップを行うことが好ましい。
(i) ベアリングレース素材の外径Dpと冷間リング圧延工程での圧下量ΔRとから、冷間鍛造後のリング素材の外径Dfを算出するステップ。
(ii) 冷間鍛造工程における加工度F1を満たすように、算出された冷間鍛造工程後のリング素材の外径Df及び高さHfを基にして、素材製造工程で製造される加工素材の外径Db及び高さHbを算出するステップ。
(iii) 算出された加工素材の高さHbが加工素材の外径Dbよりも小さい場合に、加工素材の外径Dbを再計算すべく、リング圧延工程での圧下量ΔRを大きくして、(i)のステップに戻るステップ。
(iv) 加工素材の高さHbが加工素材の外径Dbより大きい場合に、加工度F1、リング素材の外径Dfを冷間鍛造工程における条件とするステップ。
本発明によれば、様々な形状のベアリングレースを製造できると共に、軸受鋼を加工する加工処理にて粒度を増加させることによって旧オーステナイト結晶粒度を11番以上とし、ベアリングレースの長寿命化を図ることができる。
ベアリングレースの製造方法の手順を示したものである。 加熱温度と加熱後硬度との関係図である。 加工度と結晶粒度との関係図である。 加工度等の条件を設定するときの手順を示したものである。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
軸受鋼に対して冷間鍛造を行うと、当該軸受鋼の結晶粒度が増加し、寿命が向上することが知られている。そのため、本発明では、軸受鋼を用いてベアリングレースを製造するに際し、当該ベアリングレースの寿命を向上させるために、冷間鍛造を必ず行うこととしている。
しかしながら、冷間鍛造のみでは、様々な形状のベアリングレースを製造することは難しいのが実情である。例えば、冷間鍛造では、円柱状の軸受鋼を軸方向に圧下して形状を整えるという方法をとることから、冷間鍛造で大きな外径のベアリングレースを製造するためには、ベアリングレースの外径の大きさに伴って元材である円柱状の軸受鋼を大きくする必要がある。元材である軸受鋼を大きくし過ぎると、冷間鍛造を行う設備に多大な負荷が掛かってしまうと共に、設備制限によって大きくできる軸受鋼にも限界があり、その結果、冷間鍛造のみでは、大きなベアリングレースには対応できないということがある。
このことから、様々な形状のベアリングレースができるようにするために、ベアリングレースを製造するにあたっては、冷間鍛造に加え、加工性の優れたリング圧延も行うこととしている。
以下、本発明について詳しく説明する。
図1に示すように、本発明のベアリングレースの製造方法では、素材製造工程1と、冷間鍛造工程2と、焼鈍工程3と、リング圧延工程4と、熱処理工程5とを有している。
素材製造工程1では、線材や棒鋼などの軸受鋼を所定の長さに切断し、球状化焼鈍(焼き鈍しによって結晶粒を粒状又は球状化する)することによって加工素材6としている。加工素材6は円柱状であり、その直径はDb、長さ(高さ)はHbとなっている。なお、加工素材6、即ち、線材、棒鋼の成分は、JISG4805で定義されている高炭素クロム軸受鋼鋼材(SUJ2)である。なお、必要に応じて、球状化焼鈍後の軸受鋼を酸洗及び皮膜処理し、その後、低減面率の引抜加工を行うことで加工素材6とする場合もある。
冷間鍛造工程2では、素材製造工程1で製造された加工素材6を金型等を用いたうえで冷間鍛造し、リング状のリング素材7を成形する。
焼鈍工程3では、冷間鍛造工程2で製造されたリング素材7を550〜700℃の間で焼鈍する。具体的には、冷間鍛造工程2の終了後のリング素材7を加熱装置などに入れて、当該リング素材7を550℃〜700℃の温度になるまで加熱する。そして、加熱したリング素材7を空冷したり、温度調節できる炉内に入れて温度調整することによって徐冷し、焼鈍を行う。焼鈍時間は、30分程度である。なお、焼鈍時間は、これに限定されない。
図2は、冷間鍛造後のリング素材7を加熱したときのリング素材7のビッカース硬度を示したものである。
図2に示すように、冷間鍛造工程2後のリング素材7を550℃以上に加熱して焼鈍すると冷間鍛造工程2によって硬くなったリング素材7を柔らかくすることができる。即ち、冷間鍛造工程2後のリング素材7を550℃以上加熱すると、当該リング素材7のビッカース硬度が急激に低下することとなり、当該リング素材7をリング圧延工程4にて加工し易くすることができる。また、リング素材7が700℃となるように加熱した場合は、リング素材7の冷間鍛造後の硬さHVが290(HV=290)であったものを、当該リング素材7を冷間鍛造工程2前の硬さ、即ち、加工素材6と同じ硬さ(HV=190)にすることができる。しかしながら、リング素材7を700℃を超えて加熱してしまうとリング素材7の内部組織が変化し、その後の加工が難しくなったり、加熱等によるコスト高となる。
したがって、上述したようにリング素材7を550〜700℃の間で焼鈍することが好ましい。
リング圧延工程4では、中空状のリング素材7に対して、当該リング素材7の外周面にロールを接触させると共に、内周面に別のロールを接触させ、2つのロールによってリング素材7を挟んで拡径圧延することにより、リング素材7の外径を大きくしている。即ち、リング圧延工程4では、リング素材7を圧延することによって当該リング素材7よりも外径の大きなベアリングレース素材8を製造している。このリング圧延工程4では、ベアリング球が入る溝や、レースの外径形状も成形することができる。
このように、冷間鍛造工程2した後にリング圧延工程4を経ることによって、例えば、外径の大きなベアリングレース素材8を製造することができる。
熱処理工程5は、リング圧延工程4が終了したリング素材7に熱処理を行う処理であり、具体的には、ベアリングレース素材8に焼き入れを行った後に焼き戻しを行っている。
ベアリングレース素材8に焼き入れは、バッチ式で行われ、例えば、油による冷却(急冷)を行い、焼き戻しは、自然冷却としている。具体的には、焼き入れは、均熱温度840℃で40分間置き、その後、100℃とされた冷却油により、15分間冷却を行う。焼き戻しは、均熱温度190℃で60分間置き、その後、自然冷却(徐冷)を10分以上行う。
さて、上述したように、ベアリングレースの寿命を長くするためには、当該ベアリングレースにおける旧オーステナイト結晶粒度を11番以上にする必要がある。
ここで、発明者らは、ベアリングレースの製造を行うに際して、処理(加工)を行う前の素材の断面積と処理後(加工後)の断面積との変化(処理前の断面積/処理後の断面積)を加工度として定義し、この加工度によって結晶粒度がどのように変化するか実験を行った。なお、結晶粒度の測定は、「JIS G0551 鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法」に基づいて行った。
図3及び表1は、加工度と結晶粒度との関係をまとめたものである。
Figure 2012066279
図3及び表1に示すように、切削のみでベアリングレースを製造した場合(図中、○)加工度は零であって結晶粒度は10.5となる。冷間鍛造工程2のみでベアリングレースを製造した場合(図中、△)、加工度は0.5以上となり旧オーステナイト結晶粒度は11番以上となる。
そのため、冷間鍛造工程2において加工度を0.5以上にすれば、旧オーステナイト結晶粒度は11番以上にすることができ、ベアリングレースの長寿命化を図ることができる。
なお、冷間鍛造工程2における加工度F1は、式(1)により求めることができる。
Figure 2012066279
表1に示すように、冷間鍛造工程2において加工度F1が0.8を超えてしまうと、0.075mmを超えるクラック(疵)が生じてしまう(クラックの欄、×)。一方、冷間鍛造工程2において加工度F1が0.8未満であれば、クラックの発生を少なくすることができ、仮にクラックが発生したとしても、その大きさを0.075mm以下にすることができる(クラックの欄、○)。
0.075mm以下のクラック(疵)は、焼き入れ及び焼き戻し後に熱処理によって生じるスケールを除去するため、当該熱処理後に研磨処理を行うこととされているが、この研磨処理の際に処理されて問題ないものとなる。しかしながら、0.075mmよりも大きなクラック(疵)は、研磨処理を行っても疵の一部が残り、研磨処理では処理しきれない。
したがって、冷間鍛造工程2における加工度F1は0.5以上0.8以下にする必要がある。
さて、冷間鍛造工程2では、加工度F1が0.5〜0.8になるように処理を行うが、リング圧延後の総加工度F2は、0.8を超えてもよい。表2は、冷間鍛造工程2を経てリング圧延を行った後の加工度(総加工度)F2をまとめたものである。
Figure 2012066279
表2に示すように、冷間鍛造工程2を経てリング圧延工程4を終了したときの総加工度が0.8を超えたとしてもクラックの発生はなく、旧オーステナイト結晶粒度も11番以上にすることができる。なお、リング圧延工程4後の加工度F2は、式(2)により求めることができる。
Figure 2012066279
以上のように、冷間鍛造工程2及びリング圧延工程4を行うことによって、様々な形状のベアリングレースを製造できると共に、ベアリングレースの長寿命化を図ることができる。
なお、素材製造工程1において、引抜加工を行うことで加工素材6を製造した場合、冷間鍛造工程2後の加工度F1や総加工度F2に、引抜加工による加工度を加味する(加算する)ようにすることは非常に好ましい。
さて、冷間鍛造工程2やリング圧延工程4において加工度F1や加工度F2等の条件を設定して処理を行うが、条件の設定は以下のように行うことが好ましい。以下、条件の設定について説明する。
図4は、条件を設定するときの手順を示したものである。
まず、S1にて、ベアリングレースの外径Dp、高さHp、肉厚Tpを決定する。S2にて、リング圧延工程4での圧下量ΔR[ΔR=(Dp−Df)/2]を決定する。S3にて、冷間鍛造工程2における加工率F1を設定する。
S4にて、ベアリングレースの外径Dpと圧下量ΔRとを用いて冷間鍛造工程2後のリング素材7の外径Dfを算出する。S4では、断面積一定としてリング素材7の外径Dfを求める。
S5にて、冷間鍛造工程2における加工度F1を満たすように、冷間鍛造工程2後のリング素材7の外径Df及びベアリングレース素材8に対応する冷間鍛造後のリング素材7の高さHfを基にして、素材製造工程1で製造される加工素材6の外径Db及び高さHbを算出する。なお、S5では、「リング圧延工程4は外径を大きくする工程であり、肉厚が減少する分だけ外径が広がる」とすると、冷間鍛造後のリング素材7の高さHfとベアリングレース素材8の高さHpとは同じ(Hf=Hp)としている。
次に、S6にて、S5で設定した加工素材6の高さHbが加工素材6の外径Dbよりも大きいか否かを判定し、加工素材6の高さHbが加工素材6の外径Dbよりも小さい場合(Hb≧Dbを満たさない場合、S6,No)、S7にて、リング圧延工程4における圧下量ΔRを少しだけ大きくして(圧下量ΔRにΔrだけ加算する)し、S4に戻る。
即ち、S4〜S6では、加工素材6の高さHbが加工素材6の外径Dbと同じ大きさとなるか又は加工素材6の外径Dbよりも大きくなるまで、リング圧延工程4での圧下量ΔRを増加させると共にリング素材7の外径Dfの再計算を行っている。
一方、S6にて、加工素材6の高さHbが加工素材6の外径Dbより大きい場合(Hb≧Dbを満たす場合、S6,Yes)、S8にて、予め設定した加工度F1と、リング素材7の外径Dfを冷間鍛造工程2における条件とする。
そして、S9にて、ベアリングレースの外径Dp、肉厚Tp及びリング素材7の外径Dfを用いてリング素材7の肉厚Tfを決定する。S9では、例えば、ベアリングレースの外径Dp、肉厚Tpは、上述したように設定するものであって既存値であるため、外径Dp、肉厚Tpを式(3)に代入することによってリング素材7の肉厚Tfを求めることができる。
Figure 2012066279
なお、図4の例では、一旦、加工度F1を設定した後(加工度を固定値にした後)にリング素材7の外径Df、肉厚Tf、或いは、加工素材6の外径Dp、高さHbなどの設定や計算でを行っているが、冷間鍛造工程2における加工度F1の範囲(加工度F1=0.5〜0.8)内であれば、当該加工度F1を任意に変更してもよい。
また、本発明のベアリングレースの製造方法では、冷間鍛造工程2とリング圧延工程4とを有するものとしているが、この他に、素材を切削する切削工程を追加してもよい。この切削工程では、ベアリングレースを素材から製造するために素材を切削するのではなく、素材の表面に付いた微細な疵(クラックとならない非常に微細な疵)を除去するために用いることが好ましい。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。
1 素材製造工程
2 冷間鍛造工程
3 焼鈍工程
4 リング圧延工程
5 熱処理工程
6 加工素材
7 リング素材
8 ベアリングレース素材

Claims (5)

  1. 熱間圧延された軸受鋼を焼鈍して加工素材とする素材製造工程と、
    素材製造工程で製造された加工素材を冷間鍛造しリング素材を成形する冷間鍛造工程と、
    冷間鍛造工程で成形されたリング素材に冷間でリング圧延を施すことでベアリングレース素材を成形する冷間リング圧延工程と、
    冷間リング圧延工程で成形されたベアリングレース素材に熱処理を施しベアリングレースを製造する熱処理工程と、を備えたベアリングレースの製造方法であって、
    冷間鍛造工程における加工度F1が0.5以上0.8以下となるように冷間鍛造を行うことを特徴とするベアリングレースの製造方法。
  2. 冷間リング圧延工程後の総加工度が0.9以下となるように、冷間鍛造工程と冷間リング圧延工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載のベアリングレースの製造方法。
  3. 冷間鍛造工程における加工度F1は、式(1)により求めることを特徴とする請求項1又は2に記載のベアリングレースの製造方法。
    Figure 2012066279
  4. 冷間鍛造工程と冷間リング圧延工程との間に、冷間鍛造工程で製造されたリング素材を550〜700℃の間で焼鈍する焼鈍工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のベアリングレースの製造方法。
  5. 冷間鍛造工程における条件を設定するに際し、以下の(i)〜(iv)のステップを行うことを特徴とする請求項3に記載のベアリングレースの製造方法。
    (i) ベアリングレース素材の外径Dpと冷間リング圧延工程での圧下量ΔRとから、冷間鍛造後のリング素材の外径Dfを算出するステップ。
    (ii) 冷間鍛造工程における加工度F1を満たすように、算出された冷間鍛造工程後のリング素材の外径Df及び高さHfを基にして、素材製造工程で製造される加工素材の外径Db及び高さHbを算出するステップ。
    (iii) 算出された加工素材の高さHbが加工素材の外径Dbよりも小さい場合に、加工素材の外径Dbを再計算すべく、リング圧延工程での圧下量ΔRを大きくして、(i)のステップに戻るステップ。
    (iv) 加工素材の高さHbが加工素材の外径Dbより大きい場合に、加工度F1、リング素材の外径Dfを冷間鍛造工程における条件とするステップ。
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