JP2012066231A5 - - Google Patents
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本発明に係る水処理システムは、曝気装置を備えた好気槽、および該好気槽の上流側に設けられた少なくとも1以上の嫌気槽又は無酸素槽を有し、活性汚泥法に基づいて水処理を行う一連の生物反応槽と、前記一連の生物反応槽に流入する原水のアンモニア態窒素濃度を計測する第1のアンモニア計と、前記曝気装置の目標操作量を生成する曝気風量演算装置と、生成された前記目標操作量に基づいて前記曝気装置の曝気風量を制御する曝気風量制御装置とを備え、
前記曝気風量演算装置は、原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成する第1の操作量演算要素と、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは前記目標操作量先行信号を減少させ、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは前記目標操作量先行信号を増加させるための第1補正係数を決定する曝気風量移動平均補正要素と、前記第1補正係数が掛け合わされた前記目標操作量先行信号に対し、前記原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する補正を行う無駄時間要素とを含むフィードフォワード制御系を有し、前記無駄時間要素によって補正された前記目標操作量先行信号に基づいて前記目標操作量を生成するものである。
前記曝気風量演算装置は、原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成する第1の操作量演算要素と、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは前記目標操作量先行信号を減少させ、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは前記目標操作量先行信号を増加させるための第1補正係数を決定する曝気風量移動平均補正要素と、前記第1補正係数が掛け合わされた前記目標操作量先行信号に対し、前記原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する補正を行う無駄時間要素とを含むフィードフォワード制御系を有し、前記無駄時間要素によって補正された前記目標操作量先行信号に基づいて前記目標操作量を生成するものである。
同様に、本発明に係る水処理システムの曝気風量制御方法は、曝気装置を備えた好気槽、および該好気槽の上流側に設けられた少なくとも1以上の嫌気槽又は無酸素槽を有し、活性汚泥法に基づいて水処理を行う一連の生物反応槽を備えた水処理システムの曝気風量制御方法であって、
前記一連の生物反応槽に流入する原水のアンモニア態窒素濃度を計測し、計測された前記原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成し、前記目標操作量先行信号を、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは減少し、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは増加するように補正し、前記曝気風量の移動平均に基づいて補正された前記目標操作量先行信号を、前記一連の生物反応槽に流入する原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する無駄時間により補正し、前記無駄時間により補正された前記目標操作量先行信号に基づいて目標操作量を生成し、生成された前記目標操作量に基づいて前記曝気装置の曝気風量を制御するものである。
前記一連の生物反応槽に流入する原水のアンモニア態窒素濃度を計測し、計測された前記原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成し、前記目標操作量先行信号を、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは減少し、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは増加するように補正し、前記曝気風量の移動平均に基づいて補正された前記目標操作量先行信号を、前記一連の生物反応槽に流入する原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する無駄時間により補正し、前記無駄時間により補正された前記目標操作量先行信号に基づいて目標操作量を生成し、生成された前記目標操作量に基づいて前記曝気装置の曝気風量を制御するものである。
上記水処理システム又は水処理システムの曝気風量制御方法によれば、原水のアンモニア態窒素濃度で好気槽に流入する混合液(原水と活性汚泥が混合した液体)のアンモニア濃度の変動を予測して、好気槽の曝気量を変化させることができる。特に、好気槽でアンモニア態窒素を硝化する硝化細菌は、他の活性汚泥微生物と比較して活性化するまでに時間がかかるが、上記水処理システム又は水処理システムの曝気風量制御方法によれば、混合液のアンモニア態窒素濃度が急激に変動する不連続面が好気槽に到達するまでに予め曝気風量を増大させて、硝化細菌を活性化させておくことができる。このように、原水のアンモニア態窒素濃度の増減に応じて曝気風量を変化させることにより、好気槽に流入する混合液のアンモニア濃度の変動に対する、好気槽でのアンモニア分解能力の追従性が高くなる。このため、アンモニア濃度の急激な変動に備えて常時過剰な曝気を行って硝化細菌を常に活性化させておく必要がなくなり、通常時は低曝気量を維持するとともに、必要な時のみ曝気量を増加させる運転が可能となる。その結果、好気槽での曝気風量を総じて低減することが可能となり、システムの運転の省エネルギーを図ることができる。好気槽の活性汚泥微生物の活動によるアンモニア態窒素の分解能力は、曝気風量の履歴に依存する。このことから、曝気風量の移動平均が多いときに曝気風量を低減し、曝気風量の移動平均が少ない時に曝気風量を増加するように目標操作量を補正することによって、より効率的な曝気を行うことができる。
また、本発明に係る水処理システムは、前記好気槽のアンモニア態窒素濃度を計測する第2のアンモニア計を更に備え、前記曝気風量演算装置は、前記好気槽のアンモニア態窒素濃度とアンモニア態窒素濃度設定値との偏差に基づいて、目標操作量帰還信号を生成する第2の操作量演算要素を含むフィードバック制御系と、前記フィードフォワード制御系から出力される前記目標操作量先行信号と前記フィードバック制御系から出力される前記目標操作量帰還信号とを加算して前記目標操作量を生成する加算要素とを更に有するものである。
同様に、本発明に係る水処理システムの曝気風量制御方法は、曝気装置を備えた好気槽、および該好気槽の上流側に設けられた少なくとも1以上の嫌気槽又は無酸素槽を有し、活性汚泥法に基づいて水処理を行う一連の生物反応槽を備えた水処理システムの曝気風量制御方法であって、
前記一連の生物反応槽に流入する原水のアンモニア態窒素濃度を計測し、計測された前記原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成し、前記目標操作量先行信号を、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは減少し、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは増加するように補正し、前記曝気風量の移動平均に基づいて補正された前記目標操作量先行信号を、前記一連の生物反応槽に流入する原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する無駄時間により補正し、前記好気槽のアンモニア態窒素濃度を計測し、前記好気槽のアンモニア態窒素濃度とアンモニア態窒素濃度設定値との偏差に基づいて、目標操作量帰還信号を生成し、前記無駄時間により補正された前記目標操作量先行信号と前記目標操作量帰還信号とを加算して目標操作量を生成し、生成された前記目標操作量に基づいて前記曝気装置の曝気風量を制御するものである。
前記一連の生物反応槽に流入する原水のアンモニア態窒素濃度を計測し、計測された前記原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成し、前記目標操作量先行信号を、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは減少し、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは増加するように補正し、前記曝気風量の移動平均に基づいて補正された前記目標操作量先行信号を、前記一連の生物反応槽に流入する原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する無駄時間により補正し、前記好気槽のアンモニア態窒素濃度を計測し、前記好気槽のアンモニア態窒素濃度とアンモニア態窒素濃度設定値との偏差に基づいて、目標操作量帰還信号を生成し、前記無駄時間により補正された前記目標操作量先行信号と前記目標操作量帰還信号とを加算して目標操作量を生成し、生成された前記目標操作量に基づいて前記曝気装置の曝気風量を制御するものである。
また、前記水処理システムにおいて、前記曝気風量演算装置の前記フィードフォワード制御系は、前記好気槽への混合液の流入量が基準値より大きいときは前記目標操作量先行信号を増加させ、前記混合液の流入量が該基準値より小さいときは前記目標操作量先行信号を減少させるための第2補正係数を決定する好気槽流入量補正要素を更に含み、
前記無駄時間要素は、前記第1補正係数および前記第2補正係数が掛け合わされた前記目標操作量先行信号に対して補正を行うことがよい。ここで、「混合液」とは、生物反応槽に流入した原水と生物反応槽中の活性汚泥が混合した液体のことをいう。
前記無駄時間要素は、前記第1補正係数および前記第2補正係数が掛け合わされた前記目標操作量先行信号に対して補正を行うことがよい。ここで、「混合液」とは、生物反応槽に流入した原水と生物反応槽中の活性汚泥が混合した液体のことをいう。
同様に、前記水処理システムの曝気風量制御方法において、前記曝気風量の移動平均に基づいて補正された前記目標操作量先行信号を、前記好気槽への混合液の流入量が基準値よりも大きいときは増加し、前記混合液の流入量が該基準値よりも小さいときは減少するように、前記無駄時間により補正される前に補正することがよい。
また、前記上記水処理システム又は水処理システムの曝気風量制御方法において、前記第1の操作量演算要素は、原水のアンモニア態窒素濃度と処理水のアンモニア態窒素濃度の目標値との関係から定まる関数に基づいて前記目標操作量先行信号を生成する演算要素であることがよい。ここで、「処理水」とは、一連の生物反応槽から放出された水処理後の液体のことをいう。
Claims (8)
- 曝気装置を備えた好気槽、および該好気槽の上流側に設けられた少なくとも1以上の嫌気槽又は無酸素槽を有し、活性汚泥法に基づいて水処理を行う一連の生物反応槽と、
前記一連の生物反応槽に流入する原水のアンモニア態窒素濃度を計測する第1のアンモニア計と、
前記曝気装置の目標操作量を生成する曝気風量演算装置と、
生成された前記目標操作量に基づいて前記曝気装置の曝気風量を制御する曝気風量制御装置とを備え、
前記曝気風量演算装置は、原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成する第1の操作量演算要素と、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは前記目標操作量先行信号を減少させ、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは前記目標操作量先行信号を増加させるための第1補正係数を決定する曝気風量移動平均補正要素と、前記第1補正係数が掛け合わされた前記目標操作量先行信号に対し、前記原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する補正を行う無駄時間要素とを含むフィードフォワード制御系を有し、前記無駄時間要素によって補正された前記目標操作量先行信号に基づいて前記目標操作量を生成する、
水処理システム。 - 前記水処理システムは、前記好気槽のアンモニア態窒素濃度を計測する第2のアンモニア計を更に備え、
前記曝気風量演算装置は、前記好気槽のアンモニア態窒素濃度とアンモニア態窒素濃度設定値との偏差に基づいて、目標操作量帰還信号を生成する第2の操作量演算要素を含むフィードバック制御系と、前記フィードフォワード制御系から出力される前記目標操作量先行信号と前記フィードバック制御系から出力される前記目標操作量帰還信号とを加算して前記目標操作量を生成する加算要素とを更に有する、請求項1に記載の水処理システム。 - 前記曝気風量演算装置の前記フィードフォワード制御系は、
前記好気槽への混合液の流入量が基準値より大きいときは前記目標操作量先行信号を増加させ、前記混合液の流入量が該基準値より小さいときは前記目標操作量先行信号を減少させるための第2補正係数を決定する好気槽流入量補正要素を更に含み、
前記無駄時間要素は、前記第1補正係数および前記第2補正係数が掛け合わされた前記目標操作量先行信号に対して補正を行う、請求項1又は請求項2に記載の水処理システム。 - 前記第1の操作量演算要素は、原水のアンモニア態窒素濃度と処理水のアンモニア態窒素濃度の目標値との関係から定まる関数に基づいて前記目標操作量先行信号を生成する演算要素である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水処理システム。
- 曝気装置を備えた好気槽、および該好気槽の上流側に設けられた少なくとも1以上の嫌気槽又は無酸素槽を有し、活性汚泥法に基づいて水処理を行う一連の生物反応槽を備えた水処理システムの曝気風量制御方法であって、
前記一連の生物反応槽に流入する原水のアンモニア態窒素濃度を計測し、
計測された前記原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成し、
前記目標操作量先行信号を、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは減少し、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは増加するように補正し、
前記曝気風量の移動平均に基づいて補正された前記目標操作量先行信号を、前記一連の生物反応槽に流入する原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する無駄時間により補正し、
前記無駄時間により補正された前記目標操作量先行信号に基づいて目標操作量を生成し、
生成された前記目標操作量に基づいて前記曝気装置の曝気風量を制御する、水処理システムの曝気風量制御方法。 - 曝気装置を備えた好気槽、および該好気槽の上流側に設けられた少なくとも1以上の嫌気槽又は無酸素槽を有し、活性汚泥法に基づいて水処理を行う一連の生物反応槽を備えた水処理システムの曝気風量制御方法であって、
前記一連の生物反応槽に流入する原水のアンモニア態窒素濃度を計測し、
計測された前記原水のアンモニア態窒素濃度に基づいて目標操作量先行信号を生成し、
前記目標操作量先行信号を、前記曝気装置の曝気風量の移動平均が基準値よりも大きいときは減少し、前記曝気風量の移動平均が該基準値よりも小さいときは増加するように補正し、
前記曝気風量の移動平均に基づいて補正された前記目標操作量先行信号を、前記一連の生物反応槽に流入する原水が前記好気槽に流入するまでに要する時間に対応する無駄時間により補正し、
前記好気槽のアンモニア態窒素濃度を計測し、
前記好気槽のアンモニア態窒素濃度とアンモニア態窒素濃度設定値との偏差に基づいて、目標操作量帰還信号を生成し、
前記無駄時間により補正された前記目標操作量先行信号と前記目標操作量帰還信号とを加算して目標操作量を生成し、
生成された前記目標操作量に基づいて前記曝気装置の曝気風量を制御する、水処理システムの曝気風量制御方法。 - 前記曝気風量の移動平均に基づいて補正された前記目標操作量先行信号を、前記好気槽への混合液の流入量が基準値よりも大きいときは増加し、前記混合液の流入量が該基準値よりも小さいときは減少するように、前記無駄時間により補正される前に補正する、請求項5又は請求項6に記載の水処理システムの曝気風量制御方法。
- 前記目標操作量先行信号は、原水のアンモニア態窒素濃度と処理水のアンモニア態窒素濃度の目標値との関係から定まる関数に基づいて生成される、請求項5〜7のいずれか一項に記載の水処理システムの曝気風量制御方法。
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