JP7406445B2 - 風量制御装置及び風量制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下水処理施設の反応槽の好気処理に供される空気の風量制御技術に関する。
下水道で消費される電力量は約71億kWhであり、日本全体で消費される電力量9489億kWhの約0.8%を占めている(2015年下水道統計(下水道協会))。特に、下水道における地球温暖化ガス排出量と電力コストの削減のために、省エネ技術の導入が望まれている。
活性汚泥法は、反応槽内の活性汚泥に空気を送ることにより、微生物の酸素呼吸による有機物代謝や硝化菌によるアンモニアの硝化作用などで汚水を処理する優れた汚水処理方法である。しかし、微生物の代謝活動維持のため多大な空気を要し、この空気を供給する送風機の消費電力は下水道施設における消費電力の約23%を占める。したがって、地球温暖化ガス排出量と電力コストを削減するためには、反応槽への送風量を低減する省エネ技術の導入が効果的である。
水処理工程の電力使用に伴う温室効果ガス排出量は、下水道事業の約43%を占めている。現在の反応槽風量制御は、流入負荷の変動への対応や送風機と反応槽の設備構成等による影響から各反応槽への風量を最適化することは難しく、省エネを目指した運転はしているものの、十分とはいえない状況である。
そこで、国際水協会(IWA)が提唱する活性汚泥モデルは、活性汚泥中の微生物増殖である生物反応プロセスとそれに伴う物質収支(有機物、窒素、リン等)の水質変化を表現する数学的モデルとする。本モデルは、処理水質、必要酸素量、余剰汚泥発生量等の推定が可能となり、曝気制御に適用されたものが提案されている(特許文献1)。
さらに、特許文献2の硝化速度制御技術は、流入水量や水質の変動に対応して省エネと水質向上を両立する二軸管理を目的して、これまで系列単位で風量制御を行っていた方式から好気槽の系列毎の風量制御が必要とされている。一般的に前記系列毎の送風量を調節するには散気板の設置区画ごとに設けられるライザー弁の操作が必要となるが、ライザー弁は手動操作のため、これら変動に対応した操作は難しい。これを実現するために、前記系列毎の負荷変動に応じて送風量を調整する、緻密な風量制御が求められている。
尚、下水処理施設において、好気槽の系列毎の送風制御については、特許文献2~5等に記載されている。
特開2017-109170号公報 特開2015-54271号公報 特公平5-79400号公報 特開昭61-71895号公報 特公平5-118号公報
風量調節弁をPID(比例積分微分)制御で行う場合、風量設定値への収束過程でオーバーシュートやハンチングが生じ、風量の収束に時間を要し、余分な風量が生じるおそれがある。
図7に複数の風量調節弁のうち2つの風量調節弁をPID制御した場合の風量と送風供給枝管(送風供給本管が各系に分岐したもの)の圧力の関係を示した。風量調節弁V1は時刻Tで要求風量が増加し、風量調節弁V2は要求風量の変更がない場合の設定である。
同図(A-1)に示したように風量調節弁V1は時刻Tの要求風量変更時に風量が変化し、これをPID制御により風量設定値に制御する過程でハンチングが生じる。このハンチングの影響により送風供給枝管の圧力の変動が生じ(同図(A-2))、風量調節弁V2では要求風量の変更はないが風量にハンチングが生じる(同図(A-3))。
また、好気槽の系列毎の送風制御ではライザー弁の電動化により、当該系列毎に風量調節弁を設置して風量を調節することで細やかな送風を行うことが可能となる。したがって、前記系列毎の送風制御では、必要風量(要求風量)に基づいて、当該系列毎に適正な風量に調整が可能となるので、電力量削減と水質の安定化が期待できる。
しかし、一般的な反応槽は一系列あたり1つまたは2つの風量調節弁で系列毎に送風量を制御するので、好気槽毎の送風制御を実現するためには一系列に対し複数設置された電動の風量調節弁を同時期かつ安定的(ハンチング状態ではない)に制御する必要がある。
風量変更時の応答性や安定性の観点からPID制御等の制御技術を用いた場合、緻密な制御が実現できなくなる可能性がある。このことから、水質制御等において効果が得られないばかりか、好気槽の系列毎の送風制御などへの適用において制御精度の観点からさらなる効果が得られない。
本発明は、上記の事情に鑑み、系列毎の好気処理に供される空気の風量のオーバーシュートを抑制して要求風量への収束時の風量の安定化を図ることを課題とする。
そこで、本発明の一態様は、流入水が順次供される複数の好気槽を備えた下水処理施設の風量制御装置であって、個々の前記好気槽に供される空気の風量と当該個々の前記好気槽に対応した風量調節弁の開度との関係を示す一次元流体モデルを用いたシミュレーションにより得られた当該風量調節弁の開度に基づき当該風量をフィードフォワード制御した後、前記シミュレーションにより得られた前記風量調節弁の開度を算出する演算式のパラメータである前記空気の風温、吐出圧力及び風量要求量に基づき前記風量調節弁の開度をPID制御する制御部を備える。
本発明の一態様は、流入水が順次供される複数の好気槽を備えた下水処理施設の風量制御方法であって、個々の前記好気槽に供される空気の風量と当該個々の前記好気槽に対応した風量調節弁の開度との関係を示す一次元流体モデルを用いたシミュレーションにより得られた当該風量調節弁の開度に基づき当該風量をフィードフォワード制御する工程と、前記シミュレーションにより得られた前記風量調節弁の開度を算出する演算式のパラメータである前記空気の風温、吐出圧力及び風量要求量に基づき前記風量調節弁の開度をPID制御する工程とを有する。
本発明の一態様は、前記風量制御装置及び前記風量制御方法において、前記下水処理施設は、循環式嫌気無酸素好気法に基づくものである。
本発明の一態様は、前記風量制御装置及び前記風量制御方法において、前記下水処理施設は、前記流入水が順次供される嫌気槽、無酸素槽及び前記好気槽を備える。
以上の本発明によれば、系列毎の好気処理に供される空気の風量のオーバーシュートが抑制され、要求風量への収束時の風量の安定化が図られる。
本発明の一態様である風量制御装置が適用される下水処理施設の概略構成図。 前記下水処理施設の風量調節弁の開度を制御するフロー図。 (A)要求風量が変更された際の風量制御の説明図、(B)当該風量制御後のPID制御の説明図。 風量制御時の前記好気槽の風量及び送風供給枝管の圧力応答の説明図。 (A)風量制御がオフである場合の風量の経時変化、(B)風量制御がオンである場合の風量の経時変化。 (A)風量制御がオフである場合の特定時間帯における風量の経時変化、(B)風量制御がオンである場合の特定時間帯における風量の経時変化。 複数の風量調節弁のうち2つの風量調節弁をPID制御した場合の風量と送風供給枝管の圧力との関係の説明図。
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[概要]
図1に例示の本発明の一態様である風量制御装置1は、要求風量に基づく一次元流体解析により反応槽の系列毎の好気処理に供される空気の送風の挙動を予測し、この予測に基づく風量調節弁の開度を算出する(以下、風量制御)。そして、この風量調節弁の開度に基づき当風量調節弁の動作を制御し、以後、前記要求風量の設定値に基づき風量調節弁の開度のPID制御を行い前記曝気の風量を制御する。
前記風量制御は、一次元流体解析に基づく演算による前記風量調節弁の開度の予測システムであって、要求風量に基づき前記空気の送風供給枝管の流体の挙動を予測し、この予測により得られた風量調節弁の開度に基づき前記風量をフィードフォワード制御する。
[風量制御装置1の適用例]
風量制御装置1が適用される下水処理施設2は、例えば、窒素とりんの同時除去を目的とし、循環式嫌気無酸素好気法(A2O法)に基づくものである。
下水処理施設2は、反応槽3、風量調節弁V1~V5、風量調整弁V11,V12、温度計TM、圧力計AM、風量計F1~F5及び送風機制御盤4を備える。
反応槽3は、嫌気槽31、無酸素槽32及び好気槽33を備える。特に、好気槽33の硝化液は循環水として無酸素槽32に供される。すなわち、系外の一次沈殿処理槽から流入水として反応槽3に供された一次沈流出水は、先ず、嫌気槽31、さらに、無酸素槽32に順次移行し、そして、直列に配置された複数の好気槽33に順次移行し、図示省略の二次沈殿槽に供される。この二次沈殿槽で固液分離された汚泥の一部は、嫌気槽31に返送される。また、この二次沈殿槽に隣接の好気槽33の硝化液の一部は、循環ポンプPにより嫌気槽31に隣接の無酸素槽32に返送される。
反応槽3は、ORP計、DO計、MLSS計、DO計、pH計及び水温計を備える。ORP計は、嫌気槽31に具備される。DO計は、無酸素槽32から第2番目の好気槽33に具備される。MLSS計、DO計、pH計及び水温計は、第5番目の好気槽33に具備される。
風量調節弁V1~V5は、風量制御装置1からの電動制御により個々の好気槽33の送風量を調節する。風量調節弁V1~V5にはバタフライ弁やグローブ弁が適用される。
グローブ弁は、例えば、無酸素槽32から第1,2,5番目の好気槽33に各々対応した送風供給枝管61,62,65に風量調節弁V1,V2,V5として具備される。そして、風量調節弁V1,V2,V5の二次側には風量計F1,F2,F5が各々配置される。
バタフライ弁は、例えば、無酸素槽32から第3,4番目の好気槽33に各々対応した送風供給枝管63,64に風量調節弁V3,V4として具備される。そして、風量調節弁V3,V4の二次側には風量計F3,F4が各々配置される。
また、前記第1,2番目の好気槽33の送風供給枝管51には、風量調整弁V11及び風量計F11が具備される。さらに、前記第3,4,5番目の好気槽33の送風供給枝管52には、風量調整弁V12及び風量計F12が具備される。
さらに、送風機43と送風供給枝管51,52とを繋ぐ送風供給本管50には、送風機43の風温及び吐出圧力を各々測定する温度計TM及び圧力計AMが具備される。
送風機制御盤4は、コントローラ41、リニアライザ42及び送風機43を備える。コントローラ41は、インレットベーンの制御信号をリニアライザ42に出力する。リニアライザ42は、前記制御信号に基づき送風機43の運転を制御する。送風機43は、前記制御信号に基づく風量の空気を好気槽33に供給する。
風量制御装置1は、入力部11及び制御部12を備える。
入力部11は、要求風量の設定値や各測定器類の検出値が入力される。
制御部12は、流体制御コンピュータ、水処理コントローラ、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)、タッチパネル及び操作表示部を備える。流体制御コンピュータは、送風機43から個々の好気槽33に供される送風の温度、圧力及び送風量に基づき、当該個々の好気槽33の風量調節弁V1~V5の開度を制御する。前記水処理コントローラは、例えば、風量計F1~F5,F11,F12、MLSS計、DO計及び水温計からの一次沈流出水の流入量、好気槽33のMLSS,DO及び水温に基づき、反応槽3のポンプ、攪拌機、送風機等の機器類を動作制御する。前記PLCや前記タッチパネルは、例えば、前記動作制御の設定を行う。前記操作表示部は、例えば、各計装機器から出力された弁開度、風量、圧力等を表示する。
[本実施形態の風量制御]
本実施形態の風量制御は、一次元流体解析を用いて、予め個々の好気槽33の要求風量に対して、好気槽33の送風供給枝管61~65内の圧力変動を考慮して風量調節弁V1~V5の開度を算出して制御する。本制御にあたり、先ず、一次元流体モデルの構築と流体制御計算が実行される。
(一次元流体モデルの構築及び風量調節弁の開度の演算式の作成)
先ず、好気槽33の送風供給枝管61~65の圧力損失が数式化されてから要求風量に基づく風量調節弁V1~V5の開度の演算式が導き出される。本態様のように風量調節弁が5個である場合、以下のS101~S105の工程により風量調節弁V1~V5の開度の演算式が得られる。
S101:入力部11は、下水処理施設2の現場で設定された前記第1~5番目の好気槽33の要求風量と風量調節弁V1~V5の開度とを実験値として受ける。
S102:制御部12の流体制御コンピュータは、送風供給枝管61~65内の空気を流体とするベルヌーイの定理に基づき、当該空気の風量と前記開度との関係を示す一次元流体モデルを構築する。そして、この一次元流体モデルの前記風量及び前記開度がS101で入力された前記実験値と一致するように当該一次元流体モデルを調整する。
S103:前記コンピュータは、前記調整された一次元流体モデルを用いてシミュレーションを実施する。このシミュレーションには、周知の一次元流体シミュレーションソフトウェアが適用される。
S104:前記コンピュータは、前記シミュレーションの結果より風量調節弁V1~V5と好気槽33の散気管の圧力損失特性を算出し、近似曲線を作成する。
S105:前記コンピュータは、前記シミュレーションの結果から応答曲面法に基づき、送風機43からの送風の温度(温度計TMの値)と圧力(圧力計AMの値)と要求風量とをパラメータとする式(1)が風量調節弁V1~V5の開度の演算式として導き出す。
Figure 0007406445000001
(風量制御装置1による風量制御)
図2を参照して流体制御の工程S201~S204について説明する。
S201:前記第1~5番目の好気槽33の要求風量が入力部11を介して制御部12に入力される。そして、要求風量の更新時間になると、前記流体制御コンピュータは、流体制御の計算を開始する。
S202:下水処理施設2の温度計TM、圧力計AM及び風量計F1~F5から温度、圧力及び風量の値が入力部11を介して前記流体制御コンピュータに供される。
S203:前記コンピュータは、温度計TM、圧力計AM及び風量計F1~F5から受けた送風機の風温、吐出圧力及び風量の値に基づき式(1)の演算により風量調節弁V1~V5の開度を算出する。
S204:制御部12は、S203で算出した風量調節弁V1~V5の開度を風量調節弁V1~V5に各々出力する。その後、制御部12は、前記風温、前記吐出圧力及び前記風量要求量に基づき風量調節弁の開度をPID制御する。
(風量調節弁V1~V5の具体的な動作制御)
図3を参照して風量調節弁V1~V5の動作例(S301,S302)について説明する。
S301(要求風量が変更された際の風量制御):要求風量に変更が生じると、変更後の要求風量が設定値(SV)として入力部11から制御部12に入力される。制御部12の流体制御コンピュータは、設定値(SV)に応じた風量調節弁V1~V5の開度を式(1)の演算により算出する。制御部12は、前記算出した開度を操作量(MV)として一度だけ風量調節弁V1~V5に出力し、この風量調節弁V1~V5の開度に基づき風量をフィードフォワード制御する(同図(A))。この時点で変更後の要求風量と概ね同程度の風量が得られる。
S302(風量制御後のPID制御):その後、温度計TM及び圧力計AMからの送風機43の風温及び吐出圧力の測定値(PV)による式(1)の補正に基づくPID制御により前記開度が微調整される(同図(B))。これにより個々の好気槽33の曝気に供される風量が安定する。
(風量制御時の応答イメージ)
図4に風量制御時の好気槽33の風量及び送風供給枝管の圧力応答のイメージを示す。
PID制御に流体制御を追加適用することにより余分な風量を抑えることを試みた。
同図(B-1)に示したように、本態様の風量制御を適用すると時刻Tにおいて要求風量を変更し、風量が変化してもハンチングが生じにくくなり、速やかに要求風量へ風量を制御できた。その後、PID制御に移行し、要求風量を維持できた。
同図(B-2)に示した風量調節弁V1の風量変更時の送風供給枝管の圧力の変動は、同図(B-3)に示したように、流体制御により改善されて小さくなり、風量調節弁V2の風量は影響も受けにくいものとなった。
[実施例]
個々の好気槽33の送風制御時に本態様の風量制御をオンまたはオフにして評価を行った。要求風量は1時間に1回、流入下水の負荷変動に応じて変更し、要求風量の変更後の風量計測値と要求風量設定値の差が±10%以内に収まった時点で制御が安定したと判断した。
風量制御がオフの場合(2016年6月2日~同年6月3日)とオンの場合(2016年6月15日~同年6月16日)の風量の経時変化を図5に示した。
同図(A)に示した風量制御がオフである場合、風量調節弁V1~V5の要求風量の変更時にオーバーシュート(測定値(PV)が設定値(SV)よりも一旦大きく下がって波形的に上に突出する現象)が生じていた。
同図(B)に示した風量制御がオンである場合、風量調節弁V1~V5の要求風量の変更時でのオーバーシュートが抑制された。これは流体制御により応答性が向上したことを示すものである。
さらに、同図(A)の▲で示した2016年6月3日6時及び同図(B)の▲で示した 6月16日6時近傍の拡大図を図6に示した。
図6(A)に示した風量制御がオフである場合、目標値の偏差が小さいにも関わらず、約150Nm3/hのオーバーシュートが生じていた。
一方、同図(B)に示した風量制御がオンである場合、目標値の偏差が大きいにも関わらず、オーバーシュートが抑制され、速やかに風量が安定した。
また、要求風量の変更後の5分間の風量は、風量制御がオフである場合、平均325Nm3/h、標準偏差8.5Nm3/h(平均の2.6%に相当)となった。一方、風量制御がオンの場合、平均677Nm3/h、標準偏差10.0Nm3/h(平均値の1.5%に相当)となり、オンの方が要求風量変更後の風量が安定化する傾向であった。以上のように、本態様の風量制御をオンにすることにより、要求風量の変更時における応答性、安定性がいずれも向上した。
本実施例では、要求風量の変更時でのオーバーシュートの抑制効果と安定化を確認できた。これは、風量制御時のPID制御に因るものであり、PID制御の設定により得られる効果に差がでるものと考えられる。例えば、風量調節弁で細やかな制御を行う場合、P(比例項)を大きくしてI(積分項)を小さくすると、応答性を優先した設定となるが、このような条件では動作回数が増え、風量調節弁の弁体の損耗が進行するものと考えられる。これに対して、P(比例項)を小さくしてI(積分項)を長くすれば、緩やかな制御となり、前記弁体の動作回数が減り損耗も抑制されるものと考えられる。
さらに、本態様の風量制御を適用することで、余分な動作が削減し、設備の耐用年数を伸ばせる可能性がある。特に、大きな風量調節弁を緩慢に制御する場合、前記風量制御の導入により要求風量の変更時の収束時間が短縮され、風量の削減が図られる。上述の効果は一例であり、制御弁の口径次第では、風量制御により得られる効果が大きくなる可能性がある。
以上のように、本実施形態の風量制御装置1によれば、下水処理施設2の各系列の好気処理(好気槽33)に供される風量のオーバーシュートが抑制され、要求風量への収束時の風量の安定化が図られる。したがって、下水処理施設の複数系列の好気槽に各々対応した電動調節弁の送風制御において、要求風量に基づき個々の好気槽に適正な風量に調整が可能となり、電力量の削減と水質の安定化も図られる。
特に、一系列に対し複数の電動弁が設置されたケースの他に、一般的な下水処理場のように複数系列に対し複数の電動弁を備えたケースにおける電動弁の同時制御においても、ハンチング防止のような弁制御安定性が向上する。また、要求風量の決定ツールにも適用可能となり、技術の水平展開が容易となる。
尚、以上の本発明の風量制御は、上述の風量調節弁の開度の決定方式に限定することなく、気体供給枝管の構造や抵抗、散気装置の散気抵抗、計測された気体配給管の圧力、温度、密度または気体配給量、単一若しくは複数の風量電動弁の弁開度または気体配給量、気体配給装置の気体配給量または気体配給圧力に基づく演算により、単一若しくは複数の電動弁の気体配給量、気体配給圧力若しくは開度のいずれかを決定してもよい。これらの決定方式によっても、上記の実施例と同様の効果が得られる。
また、本発明の風量制御は、A2O法に限定することなく、A2O法以外の好気処理を有する下水処理方法においても適用でき、上記の実施例と同様の効果が得られる。
1…風量制御装置、11…入力部、12…制御部
2…下水処理施設、3…反応槽、31…嫌気槽、32…無酸素槽、33…好気槽、4…送風機制御盤、43…送風機
50…送風供給本管、51,52,61~65…送風供給枝管
V1~V5…風量調節弁、V11,V12…風量調整弁
TM…温度計、AM…圧力計、F1~F5,F11,F12…風量計

Claims (4)

  1. 流入水が順次供される複数の好気槽を備えた下水処理施設の風量制御装置であって、
    個々の前記好気槽に供される空気の風量と当該個々の前記好気槽に対応した風量調節弁の開度との関係を示す一次元流体モデルを用いたシミュレーションにより得られた当該風量調節弁の開度に基づき当該風量をフィードフォワード制御した後、前記シミュレーションにより得られた前記風量調節弁の開度を算出する演算式のパラメータである前記空気の風温、吐出圧力及び風量要求量に基づき前記風量調節弁の開度をPID制御する制御部を備えたことを特徴とする風量制御装置。
  2. 前記下水処理施設は、循環式嫌気無酸素好気法に基づくものであることを特徴とする請求項1に記載の風量制御装置。
  3. 前記下水処理施設は、前記流入水が順次供される嫌気槽、無酸素槽及び前記好気槽を備えたことを特徴とする請求項2に記載の風量制御装置。
  4. 流入水が順次供される複数の好気槽を備えた下水処理施設の風量制御方法であって、
    個々の前記好気槽に供される空気の風量と当該個々の前記好気槽に対応した風量調節弁の開度との関係を示す一次元流体モデルを用いたシミュレーションにより得られた当該風量調節弁の開度に基づき当該風量をフィードフォワード制御する工程と、
    前記シミュレーションにより得られた前記風量調節弁の開度を算出する演算式のパラメータである前記空気の風温、吐出圧力及び風量要求量に基づき前記風量調節弁の開度をPID制御する工程と
    を有することを特徴とする風量制御方法。
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