JP2012065804A - カテーテル用バルーンおよびバルーンの製造方法 - Google Patents

カテーテル用バルーンおよびバルーンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】バルーン拡張時に膨らんだスリーブ部が、バルーン収縮後も元の形状に戻りきらず嵩張ることで、カテーテルが血管狭窄部位を通過するときや血管内から抜去されるときなどにこの嵩張りが邪魔して大きな抵抗がかかってしまうため、この抵抗を低減させ、カテーテルの操作性を向上させることである。
【解決手段】バルーン9収縮時の小径化と柔軟性を向上させるため、拡張収縮可能なカテーテル用バルーン9のスリーブ部12,13の表面をファイバーで編組またはコイル状に覆うことであり、バルーン9の狭窄部位の通過や血管内からの抜去時の抵抗を小さくし、カテーテル操作が容易なバルーン9を提供する。
【選択図】図6

Description

本発明は医療用バルーンおよび該バルーンを備えたバルーンカテーテルに関する。
血管内の疾患は、通常、経皮的腔内血管形成術(PTA)や経皮的冠動脈形成術(PTCA)等の低侵襲的な手技により治療される。これらの血管形成術には、通常、バルーンカテーテルが使用される。バルーンカテーテルは、血管内の狭窄部位を拡張するために、通常、ガイドカテーテルとガイドワイヤーとのセットで使用される。このバルーンカテーテルを用いた血管形成術は、まずガイドカテーテルを患者の血管内へ挿入して目的の位置へ配置させる。次にガイドワイヤーをガイドカテーテル内のルーメンを通して搬送させ、狭窄部位を超えて前進させる。その後バルーンカテーテルをガイドワイヤーに沿って前進させ、バルーンを狭窄部位に位置させた状態で膨張させて狭窄部位を拡張する手順で行ない、そしてバルーンを収縮させて体外に除去する。血管形成術は多くの医療機関において多数の術例があり、この種の症例における手術としては一般的である。しかし、バルーンカテーテルは、動脈狭窄の治療だけに限定されず、血管内への挿入、ならびに種々の体腔への挿入を含む多くの医療的用途に有用である。
カテーテルシャフトの遠位部に設けられたバルーンは、屈曲した血管の追随性、高度狭窄部位の通過性といった観点から、柔軟性、薄膜化、収縮時の小径化などの特徴が要求される。特に、バルーンの狭窄部位の通過や血管内からの抜去などカテーテル操作時に大きな抵抗を生じると、術者はストレスを感じるとともに、カテーテルシャフトの破損や破断による血管損傷や体内残留を招く危険性がある。
これらの問題を解決すべく、これまでバルーン収縮時の小径化や再折り畳み性向上に関して、幾多の方法が開示されている。
特許文献1では、バルーン収縮状態において放射方向に延在させた折り畳み可能な部分を、予め折り畳ませた形状でアニールした後に、バルーンをカテーテルチューブに接合してバルーンカテーテルを形成することを特徴とした製造方法が開示されている。この方法で作製されるバルーンは、ガラス転移点以上の温度でアニールすることで形状付けされているため形状維持性に優れており、バルーン収縮時に狭窄部もしくは閉塞部への挿入性が向上できると記載されている。しかし、バルーンの最大拡張圧(RBP:Rated Burst Pressure)近傍での拡張に伴う壁引張強度は非常に大きいうえ、複数回の拡張収縮を行うことで、たとえ形状付けされていたとしても、形状維持力の低下は避けられない。
特許文献2や特許文献3、特許文献4、特許文献5には、バルーンテーパー部に溝や凹凸を設けたり、多角錐にしたりするなど、バルーン形状を工夫することで収縮時の小径化や再折り畳み性向上を図ったバルーンが開示されている。しかし、これらも上記同様バルーンの最大拡張圧近傍での拡張に伴う壁引張強度は非常に大きいうえ、複数回の拡張収縮を行うことで溝や多角錐に変形が生じるため再折り畳み性が極端に低下し、収縮時の小径化は困難と言わざるを得ない。
また、特許文献6では、バルーンテーパーを螺旋に形状付けするために管状半製品の両端部を捩じって固定し、加熱膨張させてバルーンを形成する方法が開示されている。しかし、このような方法でバルーンを形成しても安定した螺旋形状を作り出すには再現性が悪く、そもそもバルーンテーパーの螺旋部が肉厚なため、再折り畳み時のバルーン小径化は大変難しい。
一方、上記のような形状付けや形状の工夫、成形方法の改良等に頼らず柔軟性や通過性を向上するには、単純にバルーンを薄膜化することが容易な改善手段であり、PETやポリアミド等を用いることで非常に薄い膜厚を実現しつつ比較的強度の高いバルーンを得ることができる。しかし上記の薄膜なバルーンを実現するためには、原料となるチューブ状のパリソンを薄肉にしてブロー成形する必要があるため、バルーン円筒部の膜厚だけでなく、バルーンの先端側スリーブ部と基端側スリーブ部も薄膜となってしまう。こうしてできたバルーンは、バルーンの最大拡張圧近傍での拡張によりスリーブ部も膨らんでしまう。このスリーブ部の膜厚は薄膜とはいえバルーン部の膜厚と比較すると硬くて厚肉なため、バルーン収縮後の狭窄部位の通過や血管内からの抜去などカテーテル操作時に、膨らんだスリーブ部が邪魔をして大きな抵抗を生じてしまう。
特開2000−300678号公報 特開平2−224766号公報 特開2002−263193号公報 特表2006−525071号公報 特開2003−62080号公報 特開平8−299445号公報
以上の問題に鑑み本発明が解決しようとする課題は、スリーブ部を有するカテーテル用バルーンにおいて、バルーン拡張時にスリーブ部が拡張することを抑止することである。
本発明は、上記課題を解決したものであって、次に示す構成を内容とする。すなわち本発明は、円筒部と、前記円筒部の両端に隣接し漸次縮径する先端側および基端側テーパー部と、前記先端側テーパー部と連続する先端側スリーブ部と、前記基端側テーパー部と連続する基端側スリーブ部とを有する拡張収縮可能なカテーテル用バルーンであって、前記先端側スリーブ部と基端側スリーブ部の少なくとも一方の表面が、ファイバーによって編組またはコイル状に覆われていることを特徴とする、カテーテル用バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーが高強度、高弾性率繊維からなることを特徴とする前記バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーの繊度が120dtex以下であることを特徴とする前記バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーの繊度が30dtex以下であることを特徴とする前記バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーの繊度が10dtex以下であることを特徴とする前記バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーがマルチフィラメントであることを特徴とする前記バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーがモノフィラメントであることを特徴とする前記バルーンに関する。
また本発明は、円筒部と、前記円筒部の両端に隣接し漸次縮径する先端側および基端側テーパー部と、前記先端側テーパー部と連続する先端側スリーブ部と、前記基端側テーパー部と連続する基端側スリーブ部とを有する拡張収縮可能なカテーテル用バルーンにおいて、前記カテーテル用バルーンの先端側スリーブ部と基端側スリーブ部の少なくとも一方の表面を、ファイバーによって編組またはコイル状に覆うことを特徴とするカテーテル用バルーンの製造方法に関する。
また本発明は、円筒部と、前記円筒部の両端に隣接し漸次縮径する先端側および基端側テーパー部と、前記先端側テーパー部と連続する先端側スリーブ部と、前記基端側テーパー部と連続する基端側スリーブ部とを有する拡張収縮可能なカテーテル用バルーンにおいて、前記カテーテル用バルーンの先端側スリーブ部と基端側スリーブ部の少なくとも一方の表面を、ファイバーによって編組またはコイル状に覆った後、前記先端側テーパー部と先端側スリーブ部の境界、およびまたは前記基端側テーパー部と基端側スリーブ部の境界で折り返して、再度先端側スリーブ部およびまたは基端側スリーブ部を編組またはコイル状に覆うことを特徴とするカテーテル用バルーンの製造方法に関する。
本発明によれば、バルーンスリーブ部の拡張を抑止できるため、バルーン拡張時に膨らんだスリーブ部が、バルーン収縮後も元の形状に戻りきらずに嵩張ることがない。すなわち、カテーテルが血管狭窄部位を通過するときや血管内から抜去されるときなどにこの嵩張りが邪魔して大きな抵抗がかかってしまう事態を回避することが出来る。よって、本発明によれば、バルーン収縮時の小径化と柔軟性を維持し、バルーンの狭窄部位の通過や血管内からの抜去などカテーテル操作時の抵抗を飛躍的に低減することが可能となる。
一般的なバルーンを示す斜視図である。 一般的なバルーンを示す側面図である。 一般的なバルーンの一部断面図である。 薄肉なパリソンを用いて成形したバルーンの一部断面図である。 図4のバルーンを最大拡張圧近傍まで加圧したときの一部断面図である。 本発明のバルーンを示す側面図である。 本発明のバルーンを示す側面図である。 図6の12または13を拡大した側面図である。 図7の14または15を拡大した側面図である。 本発明のバルーンに用いるモノフィラメント繊維を示す斜視図である。 本発明のバルーンに用いるマルチフィラメント繊維を示す斜視図である。 ラピッドエクスチェンジ型バルーンカテーテルを示す側面図である。 オーバー・ザ・ワイヤー型バルーンカテーテルを示す側面図である。 本発明のバルーンを示す一部側面図である。 図14のバルーンを最大拡張圧近傍まで加圧したときの一部側面図である。 本発明のバルーンを示す一部側面図である。 図16のバルーンを最大拡張圧近傍まで加圧したときの一部側面図である。 一般的なバルーンを示す一部側面図である。 図18のバルーンを最大拡張圧近傍まで加圧したときの一部側面図である。 図18のバルーンを大気圧まで開放したときの一部側面図である。 図18の断面図である。 図19の断面図である。 図20の断面図である。
本発明は、多くの異なった形態で具体化することができうるが、ここでは一部の好ましい実施形態を図示して本明細書に記載する。よって、本発明の開示はここに記載されたもののみに限定されるものではない。
上記のように、本発明は、円筒部と、前記円筒部の両端に隣接し漸次縮径する先端側および基端側テーパー部と、前記先端側テーパー部と連続する先端側スリーブ部と、前記基端側テーパー部と連続する基端側スリーブ部とを有する拡張収縮可能なカテーテル用バルーンであって、前記バルーンの先端側スリーブ部と基端側スリーブ部の少なくとも一方の表面が、ファイバーによって編組またはコイル状に覆われていることを特徴とする、カテーテル用バルーンに関する。
より具体的な構造を以下に述べる。まず本発明のバルーンに用いる材料は、バルーンに好適な材料であれば特に制限されるものではないが、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。例えばポリアミドの中でバルーンに好適な材料として、ナイロン12、ナイロン11等が挙げられるが、ブロー成形する際に比較的容易に成形可能で、バルーンを薄膜かつ高強度に成形できるという観点から、ナイロン12が望ましい。また柔軟性の観点から望ましい例として、ポリアミドエラストマーが挙げられる。ポリアミドエラストマーの中でバルーンに好適な材料として、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、およびポリアミドエーテルエラストマーが挙げられるが、降伏強度が高く、バルーンの寸法安定性がより良いという観点から、ポリエーテルエステルアミドエラストマーが望ましい。
通常、カテーテル用バルーンは、上記の材料の中から選ばれた樹脂を押出成形によって押出し、パリソンと呼ばれる樹脂チューブを成形する。その後、パリソンを金型に配置し、二軸延伸ブロー成形することによってバルーンが得られる。ここで得られる一般的なバルーン1は金型の形状によって自在に形状付けされ、図1や図2に示されるような、先端側テーパー部2と基端側テーパー部4が円錐状で、略中間部3が円筒状をした形状で、かつ前記先端側テーパー部2および前記基端側テーパー部4の端部の先に、それぞれ先端側スリーブ部5と基端側スリーブ部6が形状付けされたバルーンが一般的であるが、この形状に限られるものではない。
本発明に用いるバルーンも上記方法にて成形、形状付けされたバルーンであるが、強度を維持しつつ柔軟性や通過性を向上させるために、比較的硬度の高い材料を選択し、通常よりも薄肉なパリソンを用いる。この薄肉なパリソンを用いてブロー成形すると、図3に示す一般的なバルーン1に比し、図4に示ように全体的に薄膜なバルーン9となってしまい、バルーン円筒部の膜厚10だけでなく、バルーンの先端側スリーブ部や基端側スリーブ部の膜厚11も薄膜となってしまう。そのためこのバルーンを最大拡張圧近傍まで加圧すると、図5のように上記の薄膜なスリーブ部のテーパー部に近い部分が内圧に耐え切れず膨らんでしまう。この膨らんだスリーブ部の膜厚11は、一般的なバルーン1のスリーブ部の膜厚8より薄膜とはいえ、バルーン円筒部の膜厚10と比較すると硬くて厚肉なため、バルーン収縮後の狭窄部位の通過や血管内からの抜去などカテーテル操作時に、膨らんだスリーブ部が邪魔をして大きな抵抗を生じてしまう。
よってこれらの問題を解決するために、本発明のバルーンは上記のように成形された薄膜なバルーン9を、図6に示すように先端側スリーブ部12と基端側スリーブ部13の少なくとも一方の表面をファイバーで編組する。または、上記のように成形された薄膜なバルーン9を、図7に示すように先端側スリーブ部14と基端側スリーブ部15の少なくとも一方の表面をファイバーでコイル状に覆う。先端側スリーブ部と基端側スリーブ部の少なくとも一方の表面をファイバーによって編組またはコイル状に覆う製造方法は、一般に編組機またはコイリングマシンを使用することで実現できる。
このようにすることで薄膜な先端側スリーブ部や基端側スリーブ部を外側から被覆することになり、バルーンを最大拡張圧近傍まで加圧してもスリーブ部が膨らむことはないため、バルーン収縮後の狭窄部位の通過や血管内からの抜去などでスリーブ部が邪魔をすることなく、カテーテル操作時の抵抗を飛躍的に低減することが可能となる。
本発明で用いるファイバー16は、ポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維など、バルーンの拡張圧に耐え得るような高強度、高弾性率繊維が好ましい。
また、本発明で用いるファイバー16は、体腔内に挿入するカテーテル用バルーンに使用するため、出来る限り小径サイズであることが好ましく、具体的にはファイバーの繊度が120dtex以下、好ましくは30dtex以下、さらに好ましくは10dtex以下である。
なお、本発明で用いるファイバー16は、図10に示すような単一のフィラメントからなるモノフィラメントであってもよいし、図11に示すような複数のフィラメントから構成されるマルチフィラメントであってもよい。
なお、ファイバーで編組またはコイル状に覆ったバルーンスリーブ部のスリーブ部とテーパー部の境界において、ファイバーを切断することにより毛羽立ったり、スリーブ部の表面においてファイバーが剥き出しになることを避けるために、バルーンと同材質の樹脂やその他の材料を使用して熱溶着することで表面を覆ったり、ウレタン樹脂等でコーティングしたり、各種接着剤等で接着したりすることでファイバーの毛羽立ちやほつれを防止しても構わない。
また、バルーンのスリーブ部の表面をファイバーによって編組またはコイル状に覆った後、スリーブ部とテーパー部の境界で折り返して、さらに一度ファイバーで編組またはコイル状に覆ったスリーブ部の上を、再度編組またはコイル状に覆う製造方法を適用することにより、上記のようにバルーンのスリーブ部とテーパー部の境界のファイバーを切断することなく毛羽立ちを抑えることが可能となる。
以下、本発明のバルーンカテーテル用バルーンの具体的実施例を説明する。
(実施例1)
押出成形によって押出された樹脂チューブ(パリソン)を金型に配置し、二軸延伸ブロー成形によりバルーンを作製した。バルーンの材質はナイロン12(Rilsan AESN O−TL、アルケマ社)で、作製に用いた金型の寸法は、円筒部の径がφ3.0mm、長さが15mm、作製したナイロン12製バルーンの円筒部の平均膜厚は14μm、平均破裂強度は23.5atmであった。
このナイロン12製バルーンの先端側スリーブ部および基端側スリーブ部の表面にポリアリレート繊維の繊度6.8dtexのモノフィラメント(ベックリー、(株)クラレ)を編組し、繊維のほつれを防止するためにナイロン12製の薄いチューブを被せて熱溶着したあと、先端側スリーブ部および基端側スリーブ部をそれぞれ4mmの長さでカットした。その後、このバルーンを用いて図12のようなバルーンカテーテルを組み立てた。
このバルーンカテーテルを15atmまで拡張したところ、図14のような形状のバルーンが図15のような形状となり、その後バルーンを大気圧まで開放したところ、図14のような形状に戻り、バルーンの先端側スリーブ部および基端側スリーブ部に膨らみは認められなかった。
さらにその後、このバルーンカテーテルのバルーンを収縮させ、内径φ1.6mmのシリコン製の模擬狭窄血管内に押し込んだところ、最大荷重値9.0gfでこの管内を通過した。
(実施例2)
押出成形によって押出された樹脂チューブ(パリソン)を金型に配置し、二軸延伸ブロー成形によりバルーンを作製した。バルーンの材質はポリアミドエラストマー(PEBAX7233、アルケマ社)で、作製に用いた金型の寸法は、円筒部の径がφ3.0mm、長さが15mm、作製したポリアミドエラストマー製バルーンの円筒部の平均膜厚は16μm、平均破裂強度は22.8atmであった。
このポリアミドエラストマー製バルーンの先端側スリーブ部および基端側スリーブ部の表面にポリアリレート繊維の繊度28dtexのマルチフィラメント(ベクトラン、(株)クラレ)をコイル状に覆い、繊維のほつれを防止するためにポリアミドエラストマー製の薄いチューブを被せて熱溶着したあと、先端側スリーブ部および基端側スリーブ部をそれぞれ4mmの長さでカットした。その後、このバルーンを用いて図12のようなバルーンカテーテルを組み立てた。
このバルーンカテーテルを15atmまで拡張したところ、図16のような形状のバルーンが図17のような形状となり、その後バルーンを大気圧まで開放したところ、図16のような形状に戻り、バルーンの先端側スリーブ部および基端側スリーブ部に膨らみは認められなかった。
さらにその後、このバルーンカテーテルのバルーンを収縮させ、実施例1同様、内径φ1.6mmのシリコン製の模擬狭窄血管内に押し込んだところ、最大荷重値8.5gfでこの管内を通過した。
(比較例1)
実施例1、2で得られたバルーンと比較するため、実施例1と同様にして作製したバルーンで、スリーブ部を繊維で編組していない状態のものを用いて、先端側スリーブ部および基端側スリーブ部をそれぞれ4mmの長さでカットした。その後、このバルーンを用いて図12のようなバルーンカテーテルを組み立てた。
このバルーンカテーテルを15atmまで拡張したところ、図18のような形状のバルーンが図19のような形状となり、その後バルーンを大気圧まで開放したところ、図20のような形状となり、バルーンの先端側スリーブ部および基端側スリーブ部に膨らみを認め、先端側スリーブ部および基端側スリーブ部の長さ17が元の4.0mmから18のように2.5mmに短くなっていることを確認した。
さらにその後、このバルーンカテーテルのバルーンを収縮させ、実施例1と実施例2同様、内径φ1.6mmのシリコン製の模擬狭窄血管内に押し込んだところ、最大荷重値16.5gfでこの管内を通過した。
(実施例3)
押出成形によって押出された樹脂チューブ(パリソン)を金型に配置し、二軸延伸ブロー成形によりバルーンを作製した。バルーンの材質はナイロン12(Rilsan AESN O−TL、アルケマ社)で、作製に用いた金型の寸法は、円筒部の径がφ6.0mm、長さが40mm、作製したナイロン12製バルーンの円筒部の平均膜厚は25μm、平均破裂強度は22.3atmであった。
このナイロン12製バルーンの先端側スリーブ部および基端側スリーブ部の表面にポリエチレン繊維の繊度111dtexのマルチフィラメント(Spectra2000fiber、Honeywell社)をコイル状に覆い、繊維のほつれを防止するためにウレタン接着剤を薄く塗布したあと、先端側スリーブ部および基端側スリーブ部をそれぞれ4mmの長さでカットした。その後、図13のようなバルーンカテーテルを組み立てた。
このバルーンカテーテルを15atmまで拡張したところ、図16のような形状のバルーンが図17のような形状となり、その後バルーンを大気圧まで開放したところ、図16のような形状に戻り、バルーンの先端側スリーブ部および基端側スリーブ部に膨らみは認められなかった。
さらにその後、このバルーンカテーテルのバルーンを収縮させ、シリコン製の模擬狭窄血管内に押し込んだところ、内径φ1.3mmの模擬狭窄血管まで挿入することが可能であった。
(比較例2)
実施例3で得られたバルーンと比較するため、実施例3と同様にして作製したバルーンで、スリーブ部を繊維でコイル状に覆っていない状態のものを用いて、先端側スリーブ部および基端側スリーブ部をそれぞれ4mmの長さでカットした。その後、このバルーンを用いて図13のようなバルーンカテーテルを組み立てた。
このバルーンカテーテルを15atmまで拡張したところ、図18のような形状のバルーンが図19のような形状となり、その後バルーンを大気圧まで開放したところ、図20のような形状となり、バルーンの先端側スリーブ部および基端側スリーブ部に膨らみを認め、先端側スリーブ部および基端側スリーブ部の長さ17が元の4.0mmから18のように2.0mmに短くなっていることを確認した。
さらにその後、このバルーンカテーテルのバルーンを収縮させ、シリコン製の模擬狭窄血管内に押し込んだところ、内径φ1.4mmの模擬狭窄血管まで挿入することが可能であった。
1.一般的なバルーン
2.先端側テーパー部
3.円筒部
4.基端側テーパー部
5.先端側スリーブ部
6.基端側スリーブ部
7.一般的なバルーン円筒部の膜厚
8.一般的なバルーンスリーブ部の膜厚
9.薄膜なバルーン
10.薄膜なバルーン円筒部の膜厚
11.薄膜なバルーンスリーブ部の膜厚
12.編組された先端側スリーブ部
13.編組された基端側スリーブ部
14.コイル状に覆われた先端側スリーブ部
15.コイル状に覆われた基端側スリーブ部
16.ファイバー
17.バルーン拡張前のスリーブ部長さ
18.バルーン拡張後のスリーブ部長さ

Claims (9)

  1. 円筒部と、前記円筒部の両端に隣接し漸次縮径する先端側および基端側テーパー部と、前記先端側テーパー部と連続する先端側スリーブ部と、前記基端側テーパー部と連続する基端側スリーブ部とを有する拡張収縮可能なカテーテル用バルーンであって、
    前記先端側スリーブ部と基端側スリーブ部の少なくとも一方の表面が、ファイバーによって編組またはコイル状に覆われていることを特徴とする、カテーテル用バルーン。
  2. 前記ファイバーが高強度、高弾性率繊維からなることを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
  3. 前記ファイバーの繊度が120dtex以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のバルーン。
  4. 前記ファイバーの繊度が30dtex以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバルーン。
  5. 前記ファイバーの繊度が10dtex以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のバルーン。
  6. 前記ファイバーがマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバルーン。
  7. 前記ファイバーがモノフィラメントであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のバルーン。
  8. 円筒部と、前記円筒部の両端に隣接し漸次縮径する先端側および基端側テーパー部と、前記先端側テーパー部と連続する先端側スリーブ部と、前記基端側テーパー部と連続する基端側スリーブ部とを有する拡張収縮可能なカテーテル用バルーンにおいて、前記先端側スリーブ部と基端側スリーブ部の少なくとも一方の表面を、ファイバーによって編組またはコイル状に覆うことを特徴とする、カテーテル用バルーンの製造方法。
  9. 円筒部と、前記円筒部の両端に隣接し漸次縮径する先端側および基端側テーパー部と、前記先端側テーパー部と連続する先端側スリーブ部と、前記基端側テーパー部と連続する基端側スリーブ部とを有する拡張収縮可能なカテーテル用バルーンにおいて、前記先端側スリーブ部と基端側スリーブ部の少なくとも一方の表面を、ファイバーによって編組またはコイル状に覆った後、前記先端側テーパー部と先端側スリーブ部の境界、およびまたは前記基端側テーパー部と基端側スリーブ部の境界で折り返して、再度先端側スリーブ部およびまたは基端側スリーブ部を編組またはコイル状に覆うことを特徴とする、カテーテル用バルーンの製造方法。
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