JP5304006B2 - カテーテル用複合バルーン及びその製造方法 - Google Patents

カテーテル用複合バルーン及びその製造方法 Download PDF

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本発明はカテーテル用複合バルーン及びその製造方法に関する。
血管内の疾患は、通常、経皮的腔内血管形成術(PTA)や経皮的冠動脈形成術(PTCA)等の低侵襲的な手技により治療される。これらの血管形成術には、通常、バルーンカテーテルが使用される。バルーンカテーテルは、血管内の狭窄部位を拡張するために、通常、ガイドカテーテルとガイドワイヤーとのセットで使用される。このバルーンカテーテルを用いた血管成形術は、まずガイドカテーテルを患者の血管内へ挿入して目的の位置へ配置させる。次にガイドワイヤーをガイドカテーテル内のルーメンを通して搬送させ、狭窄部位を超えて前進させる。その後バルーンカテーテルをガイドワイヤーに沿って前進させ、バルーンを狭窄部位に位置させた状態で膨張させて狭窄部位を拡張する手順で行ない、そしてバルーンを収縮させて体外に除去する。血管成形術は多くの医療機関において多数の術例があり、この種の症例における手術としては一般的である。しかし、バルーンカテーテルは、動脈狭窄の治療だけに限定されず、血管内への挿入、ならびに種々の体腔への挿入を含む多くの医療的用途に有用である。
カテーテルシャフトの遠位部に設けられたバルーンは、屈曲した血管の追随性、高度狭窄部位の通過性、石灰化した狭窄部位の拡張性といった観点から、柔軟性、薄膜化、高強度といった種々の特徴が要求される。特に、石灰化した非常に硬い狭窄部位を拡張するためには非常に高い耐圧強度が必要で、従来はポリエチレンテレフタレート(PET)などの高強度、高弾性率材料を用いたり、バルーン膜厚を厚くしたりすることで非常に高い耐圧強度を確保してきた。しかし、PET製のバルーンは石灰化病変との接触によりピンホール破壊を招き、血管内でバルーンが破壊した場合は血管壁に高い応力が局所的に加わり、血管壁の損傷を招く危険性が極めて高いため好ましくない。また、バルーン膜厚を厚くすることは、耐圧強度が確保される一方で、バルーンの柔軟性や通過性を犠牲にすることになり、その両立が難しい。さらに、バルーンに非常に高い圧力をかけることでバルーンが肥大化し、径方向の伸びが血管の過拡張を引き起こしたり、軸方向の伸びが正常な血管までも拡張させてしまったりする恐れがある。
これらの問題を解決すべく、これまでバルーンの薄肉化や高強度化、拡張時の寸法安定化に関して、幾多の方法が開示されている。
特許文献1ではポリエチレンテレフタレート(PET)によるバルーンが開示されている。このバルーンは薄肉で高強度を実現し、寸法安定性にも優れている。しかし、先に述べたように柔軟性に欠けること、ピンホール破壊が起こりやすいことがデメリットとして挙げられる。
特許文献2や特許文献3には、バルーンの長さは変わらずに予め定めた最大直径まで膨張可能な編成チューブにより補強されているバルーンが開示されている。このバルーンは3層を備え、ウレタン膜の内外層と編成チューブの中間層を液状ウレタンに浸漬することで固着し得られるものである。この方法で得られるバルーンは、寸法安定性には優れているが、ウレタン膜は強度に乏しく、バルーンに非常に高い圧力を加えることが難しいため好ましくない。
特許文献4には、3層構造のバルーンで、内外層はゴム管、中間層は筒状の補強布であり、その補強布は接着剤で接着されたバルーンの製造法が開示されている。このバルーンは中間層の補強布が最大形状を規制するため、寸法安定性には優れるが、バルーンがゴム管と補強布の3層構造であること、接着剤で3層を固着していることから、バルーンの肉厚は厚くなり易く柔軟性に欠けるため好ましくない。また、バルーン材質は強度に乏しいウレタン膜やゴム素材である場合が多いため、高強度化を考慮した構造とは言い難い。
一方、特許文献5にはバルーン拡張時の寸法安定化と高強度化を両立したバルーンが開示されている。このバルーンは、ポリマーでできたバルーンの上に高強度で弾力性のないファイバーが軸方向に均等に添われ、さらにその上を高強度で弾力性のないファイバーがバルーンの形状に沿って周方向に均等に巻いてあるもので、これらの2層のファイバーは実質的に直交しているバルーンである。このバルーンは非常に高い圧力を加えてもバルーンが容易に変形したり破裂したりすることはなく、またバルーン径方向、軸方向の伸びも抑えることができる。しかし、2層のファイバーとバルーンを固着するために接着剤が使用されており、バルーンが厚くなって嵩張るため、薄肉化が考慮された構造とは言い難い。
このほかにも、バルーン拡張時の寸法安定化といった観点で、ファイバーで巻いたバルーンや編組で補強されたバルーンに関する先行技術は存在するものの、バルーンとファイバーを接着剤等で固定しているため、バルーンの肉厚は厚くなり易く、薄肉化を考慮した構造とは言い難い。
このように、バルーンの薄肉化、高強度化、拡張時の寸法安定化の全てを満足し、柔軟性や通過性に優れるバルーンは実現できていないが、血管形成術を行う医療の現場では、依然このようなバルーン及びバルーンカテーテルが求められている。
特開昭63−183070号 特開昭61−103453号 特開平6−238004号 特開平2−174849号 米国特許第6746425号
本発明の目的は、バルーンの高強度化と拡張時の寸法安定性を維持しつつ薄肉で柔軟性や通過性に優れたバルーンを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決したものであって、次に示す構成を内容とする。すなわち本発明は、バルーン全体がコイル状に形成されたファイバー層により覆われ、前記ファイバー層は、芯成分と前記芯成分よりも融点の低い樹脂によって構成されたファイバーによって形成され、前記ファイバー層が、前記バルーンの表面に前記ファイバー層を形成した後、その状態でバルーンと同形状の金型内に配置し、バルーンに内圧をかけた状態で前記金型を加熱媒体にて加熱することにより、前記芯成分よりも融点の低い樹脂によって、バルーンの表面に固着または一体化されていることを特徴とする、カテーテル用複合バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーが、さらにバルーン軸方向に平行して配置されるファイバーを有することを特徴とする前記複合バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーの芯成分が高強度、高弾性率繊維からなることを特徴とする前記複合バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーの芯成分がマルチフィラメントであることを特徴とする前記複合バルーンに関する。
また本発明は、前記ファイバーの芯成分がモノフィラメントであることを特徴とする前記複合バルーンに関する。
また本発明は、バルーンの表面に、芯成分と前記芯成分よりも融点の低い樹脂によって構成されるファイバーによって、コイル状のファイバー層を形成した後、その状態でバルーンと同形状の金型内に配置し、バルーンに内圧をかけた状態で前記金型を加熱媒体にて加熱し、一定時間保持して、前記芯成分よりも融点の低い樹脂を溶融させることにより、前記ファイバー層をバルーンの表面に固着または一体化することを特徴とする、カテーテル用複合バルーンの製造方法に関する。
本発明によれば、ファイバーをバルーンにコイル状に巻くことで、バルーンを高強度化させる際に障壁となっているバルーン周方向、軸方向の過度な伸長を防止することができる。また本発明によれば、接着剤等を塗布することなくバルーンとファイバーを固着できるため、これまでのファイバー等で複合化されたバルーンよりも膜厚をより薄くすることが可能で、柔軟性や通過性に優れたバルーンを提供することができる。

本発明は、多くの異なった形態で具体化することができうるが、ここでは一部の好ましい実施形態を図示して本明細書に記載する。よって、本発明の開示はここに記載されたもののみに限定されるものではない。
上記のように、本発明は、バルーン全体が編組またはコイル状に形成されたファイバー層により覆われ、前記ファイバー層は、芯成分と前記芯成分よりも融点の低い樹脂によって構成されたファイバーによって形成され、前記ファイバー層が、前記芯成分よりも融点の低い樹脂によって、バルーンの表面に固着または一体化されていることを特徴とする、カテーテル用複合バルーンに関する。
より具体的な構造を以下に述べる。バルーン1は、押出成形によって押出された樹脂チューブを金型に配置し、二軸延伸ブロー成形することによって得られる。ここで得られるバルーン1は、金型の形状によって自在に形状付けされる。一般的なバルーン形状としては、図1に示されるような、近位テーパー部4と遠位テーパー部2が円錐状で、略中間部3が円筒状である場合が多いが、この形状に限定されるものではない。また、バルーン1は必ずしも樹脂チューブを二軸延伸ブロー成形する必要はなく、その他の製造方法によって製作されても構わない。
上記バルーン1の材質はバルーンに好適な材料であれば特に制限されるものではないが、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリエステル、ポリアミド、またはこれらの混合物から選ばれることが望ましい。例えばポリアミドの中でバルーンに好適な材料として、ナイロン12、ナイロン11等が挙げられるが、ブロー成形する際、比較的容易に成形可能であるという観点から、ナイロン12が好適に用いることが出来る。バルーン薄膜化、柔軟性の観点からさらに望ましい例として、ポリアミドエラストマーが挙げられる。ポリアミドエラストマーの中でバルーンに好適な材料として、ポリエーテルエステルアミドエラストマー、およびポリアミドエーテルエラストマーが挙げられるが、降伏強度が高く、バルーンの寸法安定性がより良いという観点から、ポリエーテルエステルアミドエラストマーが望ましい。
上記バルーン1には、ファイバー5がバルーンの形状に沿って全体を覆うように編組またはコイル状に巻かれることにより、ファイバー層が形成される。バルーンを編組またはコイル状に巻く際は、隙間が生じないほど精巧に形状付けされるのが望ましい。ファイバーの編み方や巻き方については特に限定されず、一般的な編組機で編む方法やコイリングマシンで巻く方法が採用可能である。編組あるいはコイル状であるファイバーのピッチが大きすぎるとバルーン層6が剥き出しになる面積が増えるため、高い圧力に耐え切れず破裂しやすくなる。また、バルーン拡張時の寸法変化も起こりやすくなる。一方、ピッチを小さくするとバルーン層6が剥き出しになる面積が減るため、非常に高い圧力にも耐えることができ、バルーン拡張時の寸法変化も起こり難くなる。しかし、ピッチが小さすぎるとファイバー5が重なり合う部分が生じて嵩張るため、バルーン膜が厚肉になり柔軟性が損なわれる。以上の観点から、ファイバー層を形成するファイバーのピッチは、ファイバー5の太さに応じて適宜最適化した方が好ましい。
また、上記バルーン1にファイバー5をバルーン軸方向に平行して配置したあと、ファイバー5にて編組またはコイル状に巻いてもよい。このように配置することでバルーン拡張時の寸法変化を更に抑えることができ、より寸法安定性に優れたバルーンが得られる。
バルーン軸方向に平行してファイバー5を配置する場合には、図11のようにバルーン周方向に均等に配置されるのが好ましい。このように配置したバルーン1に非常に高い圧力を加えると、図12のような良好な拡張形状が得られる。しかし、図13のように軸方向に平行して配置されるファイバー5がバルーン1の周方向にばらばらに配置されて編組またはコイル状に巻かれると、バルーンに非常に高い圧力が加えられることで偏拡張が発生し、バルーン形状が保持出来なくなる。より極端な具体例で示すと、図14のように軸方向に平行して配置されるファイバー5がバルーンの周方向の1方向のみに配置された場合、バルーン1に非常に高い圧力が加えられることで、図15のようにバナナ形状のようなU字型となってしまうため好ましくない。
本発明で用いるファイバー5は、芯成分8が鞘成分9よりも融点が高い芯鞘型複合繊維7である。芯成分8に好ましい材料としては、ポリアリレート繊維、アラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、PBO繊維、炭素繊維などの高強度、高弾性率繊維を用いる。これらの繊維は比較的融点が高く、熱による寸法変動も受けにくい。鞘成分9に好ましい材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂などの比較的融点が低い材質を用いる。例えば、一般的なポリエチレンの融点はおよそ110℃〜130℃であり、芯成分8の材料よりも融点の低い材質として用いることが可能である。また、ポリエチレンには低密度ポリエチレンや高密度ポリエチレンなどがあるが、融点に大きな違いはないものの、バルーン材質との耐剥離性といった観点では低密度ポリエチレンが好ましい。また、表面の滑り性や平滑性、摺動性といった観点では高密度ポリエチレンが好ましい。
本発明で用いる芯鞘型複合繊維7を作製するには、一般的な製法である複合紡糸法を用いてもよいし、図18に示すように、鞘成分9の材質を溶かした液体に芯成分8の繊維を浸漬したあと巻き取ってもよいが、これらの製法に限定されるものではない。
本発明で用いる芯鞘型複合繊維7の芯成分8の繊維は、図16に示すような単一のフィラメントからなるモノフィラメントであってもよいし、図17に示すような複数のフィラメントから構成されるマルチフィラメントであってもよい。
この芯鞘型複合繊維7で編組またはコイル状に巻かれた上記バルーン1は、鞘成分9が溶融される温度域で加熱される。加熱方法としてはいくつかの方法が挙げられるが、より好ましい方法として図19に示すように、バルーンと同形状の金型10内に上記バルーン1を配置し、金型10を鞘成分9が溶融される温度域まで加熱媒体11にて加熱し、バルーン1に内圧をかけた状態で一定時間保持する方法がある。この方法を用いれば、バルーン形状を維持したままの状態で溶融された鞘成分9が糊や接着剤と同じ役割を果たし、芯成分8とバルーン1が固着され、一体化した複合バルーンが得られる。しかし、この加熱方法に限定されるものではない。
本発明において、得られた複合バルーンの芯成分8の影響で表面性が悪い場合には、ウレタン樹脂やその他の材料を使用してコーティングし、表面を平滑化しても構わない。コーティング方法としては一般的にはディッピング法が挙げられるが、用途に合った適切な方法を用いることが可能である。
本発明の複合バルーンの軸方向に対して平行に切断した場合の詳細断面図を示す。本発明の複合バルーンは、芯鞘型複合繊維7がバルーン1に図20のように編組された芯鞘型複合繊維7aと、同時にバルーン軸方向に平行して芯鞘型複合繊維7bが配置されてもよい。また本発明によれば、芯鞘型複合繊維7はバルーン1に図21のようにコイル状に巻かれた芯鞘型複合繊維7aと、同時にバルーン軸方向に平行して芯鞘型複合繊維7bが配置されてもよい。このように編組またはコイル状に巻かれ、さらに同時にバルーン軸方向に平行して配置されたバルーン1を、バルーンと同形状の金型10内に配置し、金型10を鞘成分9が溶融される温度域まで加熱媒体11にて加熱し、バルーン1に内圧をかけた状態で一定時間保持する。その後、金型10から取り出されたバルーンは、図22や図23のように鞘成分9がバルーン1と芯成分8を固着させ、一体化した複合バルーンとなる。
一方、既存の複合バルーンの一般的な製造方法は、図24や図25のようにファイバー5がバルーン1に編組またはコイル状に巻かれ、さらに同時にバルーン軸方向に平行して配置される際、ファイバー5とバルーン1を固着するために接着剤12等が塗布される。その後、ファイバー5がほどけるのを防止したり、ファイバー5の隙間からはみ出た接着剤をカバーしたり、表面性を良くする目的で最外層にコーティング13されたり、フィルム13が巻かれたりする。
こうして得られた本発明の複合バルーンと既存の複合バルーンを比較すると、本発明の複合バルーンは、接着剤等を使用せずとも直接バルーン1とファイバー5とを固着することが可能で、複合バルーンの厚みを薄くすることができる。一方、既存の複合バルーンは、接着剤12等を使用しなければバルーン1とファイバー5とを固着することができず、さらには最外層にコーティング13やフィルム13が巻かれるため、複合バルーンの厚みは必然的に厚くなる。
このように、本発明の複合バルーンは、接着剤等を使用しなくとも芯鞘型複合繊維7の鞘成分9がバルーン1と固着するためバルーンが薄肉化でき、バルーン1とファイバー5を接着剤12等で固定するような既存の複合バルーンよりも柔軟性や通過性が飛躍的に向上する。また、芯鞘型複合繊維7の芯成分8がバルーン1に編組またはコイル状に巻かれているため、高強度かつ拡張時の寸法安定性が維持される。
以下、本発明のバルーンカテーテル用複合バルーンの具体的実施例を説明する。
(実施例1)
押出成形によって押出された樹脂チューブを金型に配置し、二軸延伸ブロー成形によりバルーンを作製した。バルーンの材質はポリアミドエラストマー(PEBAX7233、アルケマ社)で、作製に用いた金型の寸法は、円筒部の径がφ6.0mm、長さが40mm、作製したポリアミドエラストマー製バルーンの円筒部の平均膜厚は24μm、平均破裂強度は16.8atmであった。
このポリアミドエラストマー製バルーンに芯成分がポリアリレート繊維のモノフィラメント(ベクリー、(株)クラレ)、鞘成分がポリエチレン(Plexar PX3080、EQUISTAR社)の芯鞘型複合繊維をピッチ2.5mmで編組後、バルーンと同形状の金型内に配置し、金型を150℃で加熱し、バルーンに10atmの内圧をかけた状態で3分間保持し取り出した。
こうして得られた複合バルーンの円筒部の膜厚は81μm、破裂強度は40.4atmであった。また10atm加圧時の複合バルーン円筒部の径は6.08mm、長さは39.4mm、30atm加圧時の複合バルーン円筒部の径は6.09mm、長さは46.0mmであった。
(実施例2)
実施例1にて作製したポリアミドエラストマー製バルーンに、芯成分がポリアリレート繊維のマルチフィラメント(ベクトランHT28dtex、(株)クラレ)、鞘成分がポリエチレン(Plexar PX3080、EQUISTAR社)の芯鞘型複合繊維をバルーン軸方向に平行して16本均等に配置し、ピッチ0.2mmでコイル巻きした後、バルーンと同形状の金型内に配置し、金型を150℃で加熱し、バルーンに10atmの内圧をかけた状態で3分間保持し取り出した。
こうして得られた複合バルーンの円筒部の膜厚は57μm、破裂強度は44.5atmであった。また10atm加圧時の複合バルーン円筒部の径は6.05mm、長さは38.5mm、30atm加圧時の複合バルーン円筒部の径は6.07mm、長さは39.7mmであった。
(比較例1)
実施例1、2で得られた複合バルーンと比較するため、ファイバー層が存在せず、破裂強度が40atm程度になるように、円筒部の平均膜厚を調整することにより、同寸法のバルーンをポリアミドエラストマー(PEBAX7233、アルケマ社)で作製した。
こうして得られたファイバー層が存在しないポリアミドエラストマー製バルーンの円筒部の平均膜厚は120μm、平均破裂強度は40.8atmであった。また10atm加圧時のバルーン円筒部の径は5.73mm、長さは39.3mm、30atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.47mm、長さは47.2mmであった。
(比較例2)
実施例1にて作製したポリアミドエラストマー製バルーンに、ウレタン接着剤を塗布した後、ポリアリレート繊維のマルチフィラメント(ベクトランHT28dtex、(株)クラレ)をバルーン軸方向に平行して16本均等に配置し、ピッチ0.2mmでコイル巻きして硬化させた。最後にバルーンと繊維がほどけないようにウレタン溶液に浸漬して表面をコーティングした。
こうして得られた複合バルーンの円筒部の膜厚は76μm、破裂強度は43.8atmであった。また10atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.11mm、長さは38.0mm、30atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.13mm、長さは39.3mmであった。
(実施例3)
実施例1にて作製したポリアミドエラストマー製バルーンに、芯成分がアラミド繊維のマルチフィラメント(KEVLAR49、東レ・デュポン(株))、鞘成分がポリエチレン(Plexar PX3080、EQUISTAR社)の芯鞘型複合繊維をバルーン軸方向に平行して16本均等に配置し、ピッチ1.0mmでコイル巻きした後、バルーンと同形状の金型内に配置し、金型を150℃で加熱し、バルーンに10atmの内圧をかけた状態で3分間保持し取り出した。
こうして得られた複合バルーンの円筒部の膜厚は82μm、破裂強度は50atm以上(測定機器の都合上、50atm以上は測定不能)であった。また10atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.11mm、長さは40.1mm、30atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.11mm、長さは41.7mmであった。
(比較例3)
実施例にて作製したポリアミドエラストマー製バルーンに、ウレタン接着剤を塗布した後、アラミド繊維のマルチフィラメント(KEVLAR49、東レ・デュポン(株))をバルーン軸方向に平行して16本均等に配置し、ピッチ1.0mmでコイル巻きして硬化させた。最後にバルーンと繊維がほどけないようにウレタン溶液に浸漬して表面をコーティングした。
こうして得られた複合バルーンの円筒部の膜厚は106μm、破裂強度は50atm以上(測定機器の都合上、50atm以上は測定不能)であった。また10atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.15mm、長さは40.0mm、30atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.16mm、長さは41.5mmであった。
(実施例4)
実施例1にて作製したポリアミドエラストマー製バルーンに、芯成分がPBO繊維のマルチフィラメント(ザイロンHM273dtex、東洋紡績(株))、鞘成分がポリエチレン(Plexar PX3080、EQUISTAR社)の芯鞘型複合繊維をバルーン軸方向に平行して8本均等に配置し、ピッチ1.0mmでコイル巻きした後、バルーンと同形状の金型内に配置し、金型を150℃で加熱し、バルーンに10atmの内圧をかけた状態で3分間保持し取り出した。
こうして得られた複合バルーンの円筒部の膜厚は90μm、破裂強度は50atm以上(測定機器の都合上、50atm以上は測定不能)であった。また10atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.14mm、長さは40.4mm、30atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.16mm、長さは41.7mmであった。
(比較例4)
実施例1にて作製したポリアミドエラストマー製バルーンに、ウレタン接着剤を塗布した後、PBO繊維のマルチフィラメント(ザイロンHM273dtex、東洋紡績(株))をバルーン軸方向に平行して16本均等に配置し、ピッチ1.0mmでコイル巻きして硬化させた。最後にバルーンと繊維がほどけないようにウレタン溶液に浸漬して表面をコーティングした。
こうして得られた複合バルーンの円筒部の膜厚は115μm、破裂強度は50atm以上(測定機器の都合上、50atm以上は測定不能)であった。また10atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.18mm、長さは40.1mm、30atm加圧時のバルーン円筒部の径は6.18mm、長さは41.6mmであった。
本発明で用いるファイバーを巻く前の一般的なバルーンを示す斜視図。 本発明で用いるファイバーを巻く前の一般的なバルーンを示す側面図。 本発明のバルーンを示す側面図。 本発明のバルーンを示す側面図。 図3の一部を拡大した側面図。 図4の一部を拡大した側面図。 本発明のバルーンを示す側面図。 本発明のバルーンを示す側面図。 図7の一部を拡大した側面図。 図8の一部を拡大した側面図。 バルーン軸方向に平行して配置されるファイバーがバルーン周方向に均等に配置された状態を示す断面図。 バルーン軸方向に平行して配置されるファイバーが図11のように配置された後に編組され、バルーンを高圧拡張したときの形状を示す側面図。 バルーン軸方向に平行して配置されるファイバーがバルーン周方向にばらばらに配置された状態を示す断面図。 バルーン軸方向に平行して配置されるファイバーがバルーン周方向の1方向のみに配置された状態を示す断面図。 バルーン軸方向に平行して配置されるファイバーが図14のように配置された後に編組され、バルーンを高圧拡張したときの形状を示す側面図。 モノフィラメントを芯成分とする芯鞘型複合繊維を示す斜視図。 マルチフィラメントを芯成分とする芯鞘型複合繊維を示す斜視図。 芯鞘型複合繊維の作製方法を示す側断面図。 芯鞘型複合繊維で編組またはコイル状に巻かれたバルーンの加熱方法を示す側断面図。 芯鞘型複合繊維がバルーンに編組され、さらに同時にバルーン軸方向に平行して配置されていることを示す側断面図。 芯鞘型複合繊維がバルーンにコイル状に巻かれ、さらに同時にバルーン軸方向に平行して配置されていることを示す側断面図。 図20のバルーンを図19の加熱方法で加熱した後の側断面図。 図21のバルーンを図19の加熱方法で加熱した後の側断面図。 バルーンにファイバーが編組された既存の一般的な複合バルーンの側断面図。 バルーンにファイバーがコイル状に巻かれた既存の一般的な複合バルーンの側断面図。 バルーンに芯鞘型複合繊維が巻かれた状態を示す断面図。 図26を図19の加熱方法で加熱した後の状態を示す断面図。 バルーンに接着剤が塗布された後にファイバーが巻かれた状態を示す断面図。 図28の周りをコーティングまたはフィルムで巻いた後の状態を示す断面図。
符号の説明
1 バルーン
2 遠位テーパー部
3 略中間部
4 近位テーパー部
5 ファイバー
5a 編組またはコイル状に巻かれたファイバー
5b 軸方向に平行して配置されたファイバー
6 バルーン層
7 芯鞘型複合繊維
7a 編組またはコイル状に巻かれた芯鞘型複合繊維
7b 軸方向に平行して配置された芯鞘型複合繊維
8 芯成分
8a 編組またはコイル状に存在する芯成分
8b 軸方向に平行して存在する芯成分
9 鞘成分
10 金型
11 加熱媒体
12 接着剤
13 コーティングまたはフィルム

Claims (6)

  1. バルーン全体がコイル状に形成されたファイバー層により覆われ、前記ファイバー層は、芯成分と前記芯成分よりも融点の低い樹脂によって構成されたファイバーによって形成され、前記ファイバー層が、前記バルーンの表面に前記ファイバー層を形成した後、その状態でバルーンと同形状の金型内に配置し、バルーンに内圧をかけた状態で前記金型を加熱媒体にて加熱することにより、前記芯成分よりも融点の低い樹脂によって、バルーンの表面に固着または一体化されていることを特徴とする、カテーテル用複合バルーン。
  2. 前記ファイバーが、さらにバルーン軸方向に平行して配置されるファイバーを有することを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
  3. 前記ファイバーの芯成分が高強度、高弾性率繊維からなることを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
  4. 前記ファイバーの芯成分がマルチフィラメントであることを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
  5. 前記ファイバーの芯成分がモノフィラメントであることを特徴とする請求項1に記載のバルーン。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のカテーテル用複合バルーンの製造方法であって、
    バルーンの表面に、芯成分と前記芯成分よりも融点の低い樹脂によって構成されるファイバーによって、コイル状のファイバー層を形成した後、その状態でバルーンと同形状の金型内に配置し、バルーンに内圧をかけた状態で前記金型を加熱媒体にて加熱し、一定時間保持して、前記芯成分よりも融点の低い樹脂を溶融させることにより、前記ファイバー層をバルーンの表面に固着または一体化することを特徴とする、カテーテル用複合バルーンの製造方法。
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