JP2012065132A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像に応じて段差補修処理を行う。
【解決手段】互いに直交する2方向(主走査方向及び副走査方向)に並んだ複数の画素により構成される画像に対し、副走査方向に画素をずらす画素ずらし処理を行う画像処理装置において、主走査方向における、画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数を算出し、当該算出された連続数に基づいて画素ずらし処理が行われた後の画像に段差が発生するか否かを判定する。段差が発生すると判定された場合に、算出された連続数に応じて、主走査方向に画素が連続する、画素をずらした場合に対応するライン間に含まれる画素同士を置換し、段差を補修する。
【選択図】図9

Description

本発明は、画像処理装置及び画像処理方法に関する。
一般に、画像形成装置において、画像情報に基づいて用紙に画像を形成する際、用紙の曲がりやプリントヘッドの湾曲、傾き等によって、出力される画像にスキュー(例えば本来水平である直線が傾くような歪み)やボウ(例えば本来直線であるものが上や下に凸となるような歪み)と呼ばれる歪みが発生する場合がある。
そこで、画像情報に対して、出力画像の歪みを矯正するための画像変形処理を施すことが知られている。例えば、データをシフトすることによって画像の傾きを補正し、これにより発生した段差のスムージングを行う画像形成装置が提案されている(特許文献1参照)。
電子写真方式のプリンタ等、その他多くのデジタルプリンタでは、画像を面積変調による擬似中間調によって表現している。このような画像を変形する際には、最近傍(ニアレストネイバー)法が一般的な処理として用いられる。具体的には、用紙の曲がりやプリントヘッドの湾曲、傾き等に対応して、画素をずらす処理が行われる。
この際、画素をずらす境界位置に画像の段差(通常、1画素分の段差)が発生し、プリンタの画像解像度に余裕がない場合には、段差が視認されることになり、大きな画質劣化の原因となる。画質劣化を軽減させるため、段差部分を補修する段差補修処理が行われている。特許文献2には、画像の拡大や縮小において、新しいピクセルの座標位置を本来の演算位置からランダムに変更し、スムージング処理を施さずに、全体的に滑らかな画像変形を行う手法が提案されている。
ここで、従来の段差補修処理について説明する。
図24(a)に示すような主走査方向及び副走査方向の直線からなる矩形画像を出力した場合に、図24(b)に示すように、右上に傾くような歪みを持ったプリンタに対して段差補修処理を行う場合について説明する。
図25(a)は、副走査方向に2画素分の幅を有する主走査方向の直線画像である。図25(a)に示す直線画像を、図24(b)に示す特性を有するプリンタで出力すると、図26(a)に示すように、右上がりの傾きを有する歪んだ画像として出力される。なお、図26(a)〜(c)においては、図を見易くするために、画像の輪郭のみを示しており、塗りつぶしは省略する。
図25(a)に示す直線画像に対し、最近傍法を用いてこの歪みを相殺する画素ずらし処理を施す場合、図25(b)に示すように、主走査方向に連続する黒画素を画像の途中で下向き(副走査方向においてプリンタの歪みと逆の向き)にずらすこととなる。しかし、この画素ずらし処理後の画像を、図24(b)に示す特性を有するプリンタで出力すると、図26(b)に示すように、全体的な画像の歪みは相殺されるものの、局部的に画素をずらすため、画素をずらした位置に画像の段差が発生し、画質が低下してしまう。
そこで、図25(c)に示すように、主走査方向の3ラインの間で、副走査方向においてプリンタの歪みと逆の向きに、移動、元の位置に戻し、を繰り返しながら、最終的に、移動させる。この場合、図24(b)に示す特性を有するプリンタで出力すると、図26(c)に示すように、全体的な画像の歪みが相殺され、また黒画素と白画素とを分散させることに伴う画像エッジの凸凹が、プリンタの画像出力に存在する画像の「ボケ」によって平滑化され、滑らかで略水平な直線画像が得られる。
次に、図27を参照して、図24(b)に示す特性を有するプリンタに対する従来の段差補修処理の方法を、より具体的に説明する。
図27(a)に示す主走査方向のライン状の画像に対して、副走査方向に単純に画素をずらした場合には、図27(b)に示すように、目立つ段差が生じてしまう。
そこで、図28(a)に示すように、画像を主走査方向に分割し、副走査方向の短冊状の画像とする。次に、図28(b)に示すように、各画像に対し、副走査方向(画素ずらし方向)に揺らぎを与え、結果として図28(c)に示す画像を生成する。
以上の処理によって、画素ずらし方向と直交する方向(主走査方向)に長い画像の段差は平滑化され、良好な画像を得ることができる。
特開2001−260422号公報 特表2002−507848号公報
しかしながら、上記方法は、画素ずらし方向と直交する直線やエッジのような画像には適しているが、斜め細線や微細なパターンでは、画像に不要な分断状態が発生する確率が高くなるという問題があった。特に、電子写真においては、分断部分で濃度が低下し、画質が低下するという問題があった。
例えば、図29(a)に示すように、中間調の(白ではない)画素が斜め方向に連結している場合、上記のような画素ずらし処理を行うと、図29(b)に示すように、画素が主走査方向に連結する部分と、画素の間が完全に分離する部分(孤立点)が生じる。
電子写真の場合、孤立点は非常に濃度再現しづらく、斜め方向の連結線も、やや濃度再現しづらい特徴があるため、出力画像は画素が主走査方向に連結した部分のみ不自然に濃く再現され、ノイズやモアレ、濃度ムラといった不具合の原因となる。
そこで、画像を評価し、段差補修処理を行うか否かを領域毎に判定することが考えられる。しかし、上述したとおり、段差補修処理を実施した領域は領域境界が複雑であるため(図28(c)参照)、領域毎に処理を変更することは困難であった。
また、画素ずらし方向に広い範囲を考慮して画像処理を行う必要があるため、多くの画像ラインを同時に参照する必要が生じ、実現が困難であった。また、特許文献1によるスムージング処理を実用するには多くの判定パターンを定義する必要があり、実現が困難であった。
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、画像に応じて段差補修処理を行うことを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、互いに直交する2方向に並んだ複数の画素により構成される画像に対し、前記2方向のうちいずれか1方向に画素をずらす画素ずらし処理を行う画像処理装置であって、前記画素をずらす方向と直交する方向における前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数を算出し、当該算出された連続数に基づいて前記画素ずらし処理が行われた後の画像に段差が発生するか否かを判定する画像評価部と、前記段差が発生すると判定された場合に、前記算出された連続数に応じて、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するライン間で、前記段差を補修する段差補修処理を行う段差補修処理部と、を備える。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像処理装置において、前記段差補修処理部は、前記画素をずらす方向と直交する方向において、前記算出された連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置において、前記段差補修処理部は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、処理対象のラインと隣接する一又は複数のラインにおける前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記画像は複数の色から構成されるカラー画像であり、前記段差補修処理部は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、処理対象色以外の色のラインにおける前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記段差補修処理部は、前記画素をずらす方向における前記段差補修処理の疎密状態に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる画素同士を置換する処理である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、前記画素をずらす境界位置の両側それぞれを代表する階調値を組み合わせたパターンで置き換える処理である。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理装置において、前記画素をずらす方向における前記段差補修処理の疎密状態に基づいて、前記パターンを選択するパターン選択部を備える。
請求項9に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置において、前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、前記画素をずらす方向と直交する方向に連続的に階調値が変化するように置き換える処理である。
請求項10記載の発明は、互いに直交する2方向に並んだ複数の画素により構成される画像に対し、前記2方向のうちいずれか1方向に画素をずらす画素ずらし処理を行う画像処理方法であって、前記画素をずらす方向と直交する方向における前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数を算出し、当該算出された連続数に基づいて前記画素ずらし処理が行われた後の画像に段差が発生するか否かを判定する画像評価工程と、前記段差が発生すると判定された場合に、前記算出された連続数に応じて、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するライン間で、前記段差を補修する段差補修処理を行う段差補修処理工程と、を含む。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の画像処理方法において、前記段差補修処理工程では、前記画素をずらす方向と直交する方向において、前記算出された連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う。
請求項12に記載の発明は、請求項10又は11に記載の画像処理方法において、前記段差補修処理工程では、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、処理対象のラインと隣接する一又は複数のラインにおける前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う。
請求項13に記載の発明は、請求項10から12のいずれか一項に記載の画像処理方法において、前記画像は複数の色から構成されるカラー画像であり、前記段差補修処理工程では、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、処理対象色以外の色のラインにおける前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う。
請求項14に記載の発明は、請求項10から13のいずれか一項に記載の画像処理方法において、前記段差補修処理工程では、前記画素をずらす方向における前記段差補修処理の疎密状態に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う。
請求項15に記載の発明は、請求項10から14のいずれか一項に記載の画像処理方法において、前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる画素同士を置換する処理である。
請求項16に記載の発明は、請求項10から14のいずれか一項に記載の画像処理方法において、前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、前記画素をずらす境界位置の両側それぞれを代表する階調値を組み合わせたパターンで置き換える処理である。
請求項17に記載の発明は、請求項16に記載の画像処理方法において、前記画素をずらす方向における前記段差補修処理の疎密状態に基づいて、前記パターンを選択する工程を含む。
請求項18に記載の発明は、請求項10から14のいずれか一項に記載の画像処理方法において、前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、前記画素をずらす方向と直交する方向に連続的に階調値が変化するように置き換える処理である。
本発明によれば、階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいて、画素ずらし処理が行われた後の画像に補正すべき段差が発生するか否かを判定するので、段差が発生するか否かの判定が、複雑なテンプレートや判定パターンを用意すること無く、容易に実行できる。また、段差が発生すると判定された場合に、段差補修処理を行うので、画像に応じて段差補修処理を行うことができる。また、画素をずらした場合に対応するライン間で段差補修処理が完了するので、処理が容易になる。
第1の実施の形態における画像処理装置の構成を示すブロック図である。 段差補修処理の判定条件を説明するための図である。 画素分散処理を説明するための図である。 画素分散処理を説明するための図である。 1ライン分の画像処理を示すフローチャートである。 カラー画像の場合の処理幅の決定方法を説明するための図である。 段差補修処理の疎密状態に基づく処理幅の決定方法を説明するための図である。 ランレングスカウント処理を示すフローチャートである。 画素分散処理を適用した画像の例である。 画素分散処理を適用した画像の例である。 画素分散処理を適用した画像の例である。 画素分散処理を適用した画像の例である。 第2の実施の形態における画素分散パターン上書き処理を説明するための図である。 第2の実施の形態における画像処理装置の構成を示す図である。 画像情報の流れを1ライン分に簡略化した図である。 画像情報の流れを1ライン分に簡略化した図である。 画素分散パターンの例である。 画素分散パターンの例である。 第3の実施の形態における中間調平滑化処理を説明するための図である。 変形例1を説明するための図である。 変形例2を説明するための図である。 変形例2における画素分散パターンの例である。 変形例3を説明するための図である。 従来のプリンタにおける歪み特性の例を示す図である。 従来の段差補修処理を説明するための図である。 出力される画像の例である。 従来の段差補修処理を説明するための図である。 従来の段差補修処理を説明するための図である。 従来の段差補修処理における問題点を示す図である。
[第1の実施の形態]
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1に、第1の実施の形態における画像処理装置100の構成を示す。画像処理装置100は、画像入力部10、画像処理部20、画像出力部30等を備えて構成される。
画像入力部10は、原稿を読み取って画像情報を生成するスキャナや、ネットワークを介して接続された外部装置から画像情報を受信する通信部等から構成される。画像入力部10は、画像情報を画像処理部20に出力する。
画像処理部20は、画像情報に対して画像処理を施し、画像出力部30に出力する。画像情報は、互いに直交する2方向(主走査方向及び副走査方向)に並んだ複数の画素により構成される。画像処理部20を構成する各部における処理は、専用のハードウェアにより行われることとしてもよいし、各処理をプログラム化し、このプログラムとCPU(Central Processing Unit)との協働によるソフトウェア処理によって実現されることとしてもよい。
画像出力部30は、電子写真方式により、画像処理部20から出力されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の画像情報に基づいて、用紙上に画像を形成して出力する。画像出力部30は、感光体ドラム、感光体ドラムの帯電を行う帯電部、画像情報に基づいて感光体ドラム表面を露光走査する露光部、感光体ドラムにトナーを付着させる現像部、感光体ドラム上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写部、用紙上に形成されたトナー像を定着させる定着部等から構成される。露光部は、レーザー書き込みによるものであってもよいし、LED(Light Emitting Diode)プリントヘッド等のライン状のヘッドを用いるものであってもよい。
画像出力部30における出力画像の歪みは、走査光学系、トナー転写系、紙等の画像出力媒体、画像出力部30を構成する各部の位置関係の調整誤差に起因したもの等がある。
なお、画像入力部10にはRGB画像等、各種の色空間で定義されたカラー画像や、多値の画像が入力されることが普通であり、これらを画像出力部30に適合したYMCKの面積変調画像に変換する処理等も画像処理部20で実行されるが、本発明とは直接関係無いため図示しない。
画像処理部20は、画像評価部21、段差補修処理方法選択部22、段差補修処理部23、画素ずらし処理部24を備える。
画像評価部21は、画像情報参照部25、処理判定部26により構成される。
画像情報参照部25は、画像情報を参照して、処理判定部26による判定に必要な特性値を取得する。具体的には、画像情報参照部25は、画像情報を参照して、画素をずらす方向と直交する方向(主走査方向)に画素が連続する各ラインについて、画素をずらす境界位置(以下、画素ずらし位置という。)からの階調幅が予め定められた範囲(後述する「揺らぎ階調幅」)内の画素の連続数(以下、ランレングスともいう。)を算出する。
画素ずらし位置は、画像出力部30における歪み特性を補正するために、副走査方向に画素をずらす箇所である。画素ずらし位置及び画素をずらす量(通常1画素)は、画像出力部30の特性に応じて、予め1ラインの中で一又は複数箇所定められており、図示しない記憶部に記憶されている。具体的には、トンボ画像等を出力して画像の歪みを測定し、その結果に基づいて画素ずらし位置及び画素をずらす量を設定する。
また、「階調幅が予め定められた範囲内の画素」とは、厳密に階調値が一致する画素だけでなく、階調値に揺らぎを許容することを意味している。例えば、画像設計上、画素信号の階調数が乏しく、その階調数では表現できない中間の階調数を、画素信号に微小な揺らぎを与えて得る場合が考えられ、このような画像においては、揺らぎの大きさに相当する信号差は一連のランレングスであるとしてかまわない。
また、画像情報参照部25は、画像情報を参照して、主走査方向の各ラインについて、画素ずらし位置の両側の複数の画素の階調値を取得する。
処理判定部26は、画像情報参照部25により取得された特性値に基づいて、画素ずらし処理が行われた後の画像に、補修が必要な段差が発生するか否かを判定する。具体的には、処理判定部26は、以下の条件(1)〜(4)を全て満たす場合に、画素ずらし位置において補修が必要な段差が発生すると判定する。
(1)画素ずらし処理前に、画素ずらし位置の境界を挟んで、データの並び順で前後(主走査方向を横方向とした場合、画素ずらし境界の左右)の画素の階調差が予め定められた範囲内であること
(2)画素ずらし位置の境界に位置する画素からの、境界から離れる方向に連続する階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数(ランレングス)が所定数以上であること
(3)判定対象ラインとデータの並び順で前後のラインの少なくともいずれか一方の1ラインについても同様に、条件(1)、(2)を満たすこと
(4)判定対象ラインとデータの並び順で前後のラインの少なくともいずれか一方の1ラインとの階調差が予め定められた範囲を超えていること
条件(4)については、段差補修処理を行う際の必須の条件ではないが、隣接するライン間で階調差がほとんどない場合には、画素をずらした場合に対応するライン間で段差補修処理を行っても意味がないため、条件(4)を補修が必要な段差が発生するか否かの判定の条件として用いる。
図2に、画素をずらす前の画像の例を示す。主走査方向のライン毎に順次、画素ずらし位置からのランレングスをカウントする。条件(2)の「所定数」を6とした場合、図示する部分が段差補修処理の処理対象ラインとなる。
段差補修処理方法選択部22は、画素ずらし位置において補修が必要な段差が発生する場合、画素をずらす方向と直交する方向(主走査方向)に画素が連続する処理対象ラインのランレングス等に基づいて、段差補修処理の処理幅(画素をずらす方向と直交する方向における幅)を算出する。段差補修処理方法選択部22は、処理対象ラインにおける画素ずらし位置からのランレングス、処理対象ラインと隣接する一又は複数のラインにおける画素ずらし位置からのランレングス、カラー画像を構成する処理対象色以外の色のラインにおける画素ずらし位置からのランレングス、画素をずらす方向(副走査方向)における段差補修処理の疎密状態等に基づいて、段差補修処理の処理幅を算出する。
例えば、段差補修処理方法選択部22は、画素ずらし位置を中心として、画素をずらした場合に対応するライン(画素ずらし処理により接続される2ライン)のランレングスのうち、より短いランレングスの2倍以下の値を処理幅とする。
また、段差補修処理方法選択部22は、処理対象ラインと隣接する一又は複数のラインにおけるランレングスのうち、最小値の2倍以下の値を処理幅とする。また、処理対象ラインと隣接する一又は複数のラインにおけるランレングスの最小値を、画素ずらし位置を境界にした双方で求め、その和以下の値を処理幅としてもよく、この場合、後述する図18のように、画素ずらし位置を挟んで非対称に画素分散パターンを適用してもよい。
また、段差補修処理方法選択部22は、画素ずらし位置において補修が必要な段差が発生する場合、処理対象ラインのランレングス等に基づいて、処理幅に応じた段差補修処理方法を選択する。
段差補修処理部23は、処理判定部26により段差が発生すると判定された場合に、画像情報参照部25で算出されたランレングスに応じて、画素をずらす方向と直交する方向(主走査方向)に画素が連続する、画素をずらした場合に対応するライン間で、段差を補修する段差補修処理を行う。具体的には、段差補修処理部23は、処理判定部26により画素ずらし位置において補修が必要な段差が発生すると判定された場合に、段差補修処理方法選択部22によって算出された処理幅及び段差補修処理方法選択部22によって選択された段差補修処理方法に基づいて、段差補修処理を行う。
第1の実施の形態では、段差補修処理として画素分散処理を行う場合について説明する。画素分散処理は、画素をずらす方向と直交する方向(主走査方向)に画素が連続する、画素をずらした場合に対応するラインに含まれる画素同士を置換する処理である。
図3(a)は、画素ずらし処理を行う前の画像の例である。この画像は、画素ずらし位置で副走査方向に(図3(a)において、画素ずらし位置の右側が相対的に下側に、画素ずらし位置の左側が相対的に上側に)1画素分ずらされることになっている。すなわち、画像出力部30は、図24(b)に示した特性と同様の特性を有している。
図3(b)は、図3(a)に示す画像を、主走査方向に連続した複数の画素からなるラインに分割した状態の図である。
図3(c)は、図3(b)に示すラインのうち、1番上のラインのみを取り出した図である。図3(c)に示すように、画素ずらし処理を行った場合に対応するラインに含まれる画素のうち、画素ずらし位置から1番目、3番目、6番目の画素同士を置換する(画素分散処理)。
図4(a)は、各ラインに対して画素分散処理を行った結果である。
図4(b)は、画素分散処理後の画像に対して画素ずらし処理が行われた画像である。図4(b)は、図28(c)に示した従来の処理と同様の結果となる。画素分散処理は、主走査ライン内の画像処理が中心となるから、多くの画像ラインを同時に参照することなく、容易に段差補修処理を実現することができる。
画素ずらし処理部24は、画像情報に対し、画素ずらし位置において副走査方向に画素をずらす画素ずらし処理を行う。画素ずらし位置において補修が必要な段差が発生すると判定された場合には、画素ずらし処理部24は、段差補修処理が施された画像情報に対して画素ずらし処理を行う。画素ずらし位置において補修が必要な段差が発生しないと判定された場合には、画素ずらし処理部24は、段差補修処理が施されていない画像情報に対して画素ずらし処理を行う。
次に、画像処理装置100における動作について説明する。
図5は、画像処理装置100による1ライン分の画像処理を示すフローチャートである。
まず、画像情報参照部25により、主走査方向1ライン分の画像情報について、端の画素から順に注目画素が抽出される(ステップS1)。
ここで、画像情報参照部25により、予め記憶されている1ライン中の画素ずらし位置に基づいて、注目画素の後(又は前)が画素ずらし位置であるか否かが判断される(ステップS2)。注目画素の後(又は前)が画素ずらし位置でない場合には(ステップS2;NO)、次の画素が対象となり(ステップS3)、次の画素が注目画素として抽出される(ステップS1)。
ステップS2において、注目画素の後(又は前)が画素ずらし位置である場合には(ステップS2;YES)、画像情報参照部25により、画像情報が参照され、注目画素を含む主走査方向のラインと隣接する上下各1ラインを含む3ラインについて、画素ずらし位置から両側に階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数(ランレングス)がカウントされる(ステップS4)。
次に、画像情報参照部25により、画像情報が参照され、注目画素を含む主走査方向のラインと隣接する上下各1ラインを含む3ラインについて、画素ずらし位置の両側それぞれの複数の画素の階調値が取得される(ステップS5)。
次に、処理判定部26により、画像情報参照部25により取得された特性値(ランレングス、階調値)に基づいて、画素ずらし位置において、画素ずらし処理が行われた後の画像に、補修が必要な段差が発生するか否かが判定される(ステップS6)。具体的には、処理判定部26により、前述の条件(1)〜(4)を満たすか否かが判断され、条件(1)〜(4)を全て満たす場合には、補修が必要な段差が発生すると判定される。補修が必要な段差が発生しない場合(ステップS6;NO)、すなわち、条件(1)〜(4)のいずれかを満たさない場合には、次の画素が対象となり(ステップS3)、次の画素が注目画素として抽出される(ステップS1)。
ステップS6において、補修が必要な段差が発生する場合(ステップS6;YES)、すなわち、条件(1)〜(4)を全て満たす場合には、段差補修処理方法選択部22により、注目画素を含む主走査方向のラインと隣接する上下各1ラインを含む3ライン分の画素ずらし位置の両側のランレングス等に基づいて、段差補修処理の処理幅が算出される(ステップS7)。
例えば、画素をずらした場合に対応するラインのランレングスのうち、より短いランレングスの2倍以下の値を処理幅としてもよい。
また、処理対象ラインと隣接する一又は複数のラインにおけるランレングスのうち、最小値の2倍以下の値を処理幅としてもよい。
また、図6に示すように、カラー画像を構成する各色のラインにおけるランレングスに対応する処理幅の重複する部分を、処理幅としてもよい。カラー画像の場合、画像の歪みは、カラーを構成するYMCK各色について発生し、画素ずらし位置も別個の位置となるため、色毎に段差補修処理を行ってもよいが、複数色の画素ずらし位置が近接又は一致しており、かつ、各色とも段差が発生すると判定された場合、各色の処理幅が重複する範囲のみについて段差補修処理を行うようにしてもよい。この場合、近接位置の画像処理の効果で色間が揃い、より自然な画像補正を行うことができる。
また、段差補修処理の対象が1本線の場合、線の途中の段差は非常に視認されやすい。また、段差補修処理の対象となる複数の直線が平行に密に並んでいる場合、局所的段差よりも、全体の平均的な特性(全体的な濃度、濃度の均一性)の変化が視認されやすくなる。そこで、図7に示すように、段差補修処理の疎密状態に基づいて、処理幅を決定することとしてもよい。過去の(処理済み画像ラインの)画素ずらし位置の段差補修処理の頻度をカウントしておき、例えば、段差補修処理の疎密状態が「疎」である場合、すなわち、段差補修処理の頻度が低い領域では、最大限の処理幅で段差補修処理を行い、段差補修処理の疎密状態が「密」である場合、すなわち、段差補修処理の頻度が高い領域では、処理幅を狭くして段差補修処理を行う。
次に、段差補修処理方法選択部22により、各ラインのランレングス等に基づいて、処理幅に応じた段差補修処理方法が選択される(ステップS8)。具体的には、処理幅(又はランレングス)と画素置換位置の組み合わせ(画素ずらし位置から何番目の画素同士を置換するか)とが予め対応付けられており、段差補修処理方法選択部22により、処理幅に応じた画素置換位置の組み合わせが選択される。
次に、段差補修処理部23により、ステップS7において算出された処理幅、ステップS8において選択された段差補修処理方法に基づいて、画素をずらした場合に対応するライン間で、段差補修処理が行われる(ステップS9)。具体的には、段差補修処理部23により、画素をずらした場合に対応する主走査方向のライン間で、ステップS8において選択された画素置換位置の組み合わせに従って、所定の画素同士が置換される。
次に、画像情報参照部25により、1ライン分の全画素が終了したか否かが判断される(ステップS10)。1ライン分の画素のうち、終了していない画素が存在する場合には(ステップS10;NO)、次の画素が対象となり(ステップS3)、次の画素が注目画素として抽出される(ステップS1)。
ステップS10において、1ライン分の全画素が終了した場合には(ステップS10;YES)、画素ずらし処理部24により、画素ずらし位置において副走査方向に1ライン分の画素ずらし処理が行われる(ステップS11)。
以上で、1ライン分の画像処理が終了する。
次に、図8を参照して、ランレングスカウント処理について説明する。ランレングスカウント処理は、画素ずらし位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数(揺らぎを許容する場合も包含したランレングス)をカウントする処理である。
揺らぎを許容するに際し、ランレングスとしてカウントされる複数の画素のうち主走査方向に隣接する画素同士の階調差がα以内であること、及び、ランレングスとしてカウントされる一連の画素の階調値の最小値から最大値までの階調幅が「揺らぎ階調幅」以内であることを条件とする。αは、予め定められた値である。「揺らぎ階調幅」は、ランレングスの中に含まれる画素の階調値が取り得る最大の幅である。例えば、グラデーションパターンについて、隣接する画素同士の階調差を1以内まで認め、ランレングスの両端の階調差を10までを認める場合には、αは1、「揺らぎ階調幅」は10となる。
なお、ランレングスのカウントを開始した時点では、「揺らぎ階調幅」の上端、下端がいくつになるのか確定していないため、現在ランレングスとしてカウント中の一連の画素の階調値の最小値から最大値までを示す範囲を「現階調域」と定義する。
まず、画像情報参照部25により、画像情報が参照され、起点となる画素の階調値が取得される(ステップS21)。ここで、起点となる画素は、図5のフローチャートにおいては画素ずらし位置に隣接する2画素の双方であり、後述する図14〜図16の構成においては、主走査方向における最初の画素、又は、前のランレングスのカウントが終了した次の画素である。
次に、画像情報参照部25により、現階調域が起点画素の階調値±0に初期化される(ステップS22)。
次に、画像情報参照部25により、画像情報が参照され、隣の画素(図5のフローチャートにおいては画素ずらし位置から離れる方向の隣接画素、後述する図14〜図16の構成においてはデータ順で次の画素)の階調値が取得される(ステップS23)。
次に、画像情報参照部25により、次の画素ずらし位置に到達したか否かが判断される(ステップS24)。
次の画素ずらし位置に到達していない場合には(ステップS24;NO)、画像情報参照部25により、隣の画素の階調値と一つ前の画素の階調値との階調差がα以下であるか否かが判断される(ステップS25)。
隣の画素の階調値と一つ前の画素の階調値との階調差がα以下である場合には(ステップS25;YES)、画像情報参照部25により、隣の画素の階調値が現階調域に含まれるか否かが判断される(ステップS26)。
隣の画素の階調値が現階調域に含まれない場合には(ステップS26;NO)、画像情報参照部25により、現階調域の幅が揺らぎ階調幅以内であるか否かが判断される(ステップS27)。現階調域の幅が揺らぎ階調幅以内である場合には(ステップS27;YES)、画像情報参照部25により、隣の画素の階調値を含むように現階調域が更新される(ステップS28)。
ステップS26において、隣の画素の階調値が現階調域に含まれる場合(ステップS26;YES)、又は、ステップS28の後、画像情報参照部25により、階調幅が予め定められた範囲内の画素が連続していると判断され、ランレングスカウンタがインクリメントされる(ステップS29)。そして、ステップS23に戻り、処理が繰り返される。
ステップS24において、次の画素ずらし位置に到達した場合(ステップS24;YES)、ステップS25において、隣の画素の階調値と一つ前の画素の階調値との階調差がαより大きい場合(ステップS25;NO)、ステップS27において、現階調域の幅が揺らぎ階調幅より大きい場合には(ステップS27;NO)、画像情報参照部25により、連続階調端(ランレングスの端)に達したと判断され、隣の画素の前の画素までのカウント値がランレングスとされ、カウントが終了される(ステップS30)。
なお、主走査方向に非常に平坦な画像の場合、前の画素ずらし位置から開始したランレングスカウントが次の画素ずらし位置まで継続してしまう場合がある。この場合は、前の画素ずらし位置から次の画素ずらし位置までに得られたランレングスカウンタのカウント値を2で割って(何らかの比率に基づいて按分してもよい)、前の画素ずらし位置以降のランレングス、次の画素ずらし位置以前のランレングスとして扱ってもよい。
また、次の画素ずらし位置までの間隔が長い場合、前の画素ずらし位置から開始したランレングスカウンタのカウント値が非常に大きくなるため、画像処理上、充分なカウント値(予め定めておく。)に到達したところで連続階調端に達したと判断してもよい。後述する図14〜図16の構成においては、次のランレングスカウント処理は、処理を打ち切った箇所から新たに開始すればよい。
図5では、注目画素の上下ラインを含む3ラインについてランレングスを算出しているが、注目画素を1ラインずつ順次処理(上ラインから下ラインへ)していく場合、上ラインのランレングスは1周回前のラインのランレングスと同じ値であり、下ラインのランレングスは1周回後のラインのランレングスと同じ値である。そこで、補修すべき段差が発生するか否かを判断する処理に先行してランレングスを算出しておけば、ランレングス算出の重複が解消され、好ましい。
図9〜図12に、段差補修処理として画素分散処理を適用した画像の例を示す。
図9(a)は、画素ずらし位置を境界として、副走査方向に(図9(a)において、画素ずらし位置の右側が相対的に下側に、画素ずらし位置の左側が相対的に上側に)1画素分ずらされる予定の画像である。本図から画素ずらし位置の左右各々のランレングスは7(7個の類似階調の画素が連なっている)と読み取れるので、例えば処理幅を7の略半数(小数点以下四捨五入)として算出すると、処理幅は画素ずらし位置を中心として両側に4画素ずつとなり、画素をずらした場合に対応するラインに含まれる、画素ずらし位置から2番目及び4番目の画素同士を置換することとなる。
図9(b)は、図9(a)に示す画像に対して画素分散処理が行われた後の画像である。
図9(c)は、画素分散処理後の画像に対して画素ずらし処理が行われた後の画像である。
図10(a)は、画素ずらし位置を境界として、副走査方向に(図10(a)において、画素ずらし位置の右側が相対的に下側に、画素ずらし位置の左側が相対的に上側に)1画素分ずらされる予定の画像である。本図から画素ずらし位置の左右各々のランレングスは7(7個の類似階調の画素が連なっている)と読み取れるので、例えば処理幅を7の略半数(小数点以下四捨五入)として算出すると、処理幅は画素ずらし位置を中心として両側に4画素ずつとなり、画素をずらした場合に対応するラインに含まれる、画素ずらし位置から2番目及び4番目の画素同士を置換することとなる。
図10(b)は、図10(a)に示す画像に対して画素分散処理が行われた後の画像である。
図10(c)は、画素分散処理後の画像に対して画素ずらし処理が行われた後の画像である。
図11(a)は、画素ずらし位置を境界として、副走査方向に(図11(a)において、画素ずらし位置の右側が相対的に下側に、画素ずらし位置の左側が相対的に上側に)1画素分ずらされる予定の画像である。本図から画素ずらし位置の左右各々のランレングスは2(2個の類似階調の画素が連なっている)と読み取れるので、例えば処理幅を2の半数として算出すると、処理幅は画素ずらし位置を中心として両側に1画素ずつとなり、画素をずらした場合に対応するラインに含まれる、画素ずらし位置から1番目の画素同士を置換することとなる。
図11(b)は、図11(a)に示す画像に対して画素分散処理が行われた後の画像である。
図11(c)は、画素分散処理後の画像に対して画素ずらし処理が行われた後の画像である。
図12(a)は、3箇所の画素ずらし位置それぞれを境界として、副走査方向に(図12(a)において、画素ずらし位置の右側が相対的に下側に、画素ずらし位置の左側が相対的に上側に)1画素分ずらされる予定の画像である。本図から画素ずらし位置の左右各々のランレングスは、まずカウント処理で、次の画素ずらし位置までの6が算出されることになる。これを前述の通り両方の画素ずらし位置に按分する。ここでは例えば「半分−1」の値と定義して、1画素ずらし位置に対するランレングスが2と算出され、例えば処理幅をランレングス値、2の半数として算出すると、処理幅は画素ずらし位置を中心として両側に1画素ずつとなり、画素をずらした場合に対応するラインに含まれる、画素ずらし位置から1番目の画素同士を置換することとなる。
図12(b)は、図12(a)に示す画像に対して画素分散処理が行われた後の画像である。
図12(c)は、画素分散処理後の画像に対して画素ずらし処理が行われた後の画像である。
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数(ランレングス)に基づいて、画素ずらし処理が行われた後の画像に段差が発生するか否かを判定するので、段差が発生するか否かの判定が容易になる。主走査方向のランレングスは簡単に評価することが可能なので、スクリーン画像等、段差補修処理に適さない画像を容易に識別することができ、段差が発生するか否かの判定処理を容易に行うことができる。
また、段差が発生すると判定された場合に、段差補修処理を行うので、画像に応じて段差補修処理を行うことができる。段差補修処理を行う領域が単純な矩形領域となるため、段差補修処理を行う領域と行わない領域との区分けが容易になる。そのため、段差補修処理を行う領域と行わない領域との境界で画素情報の衝突が発生せず、領域毎に適した処理を適用することができる。
また、画素をずらした場合に対応するラインに含まれる画素同士を置換することにより、当該ライン間で段差補修処理が完了するので、処理が容易になる。
また、処理対象ラインのランレングス、処理対象ラインと隣接する一又は複数のラインのランレングス、処理対象色以外の色のラインのランレングス、画素をずらす方向(副走査方向)における段差補修処理の疎密状態等に基づいた処理幅で、段差補修処理を行うことができる。
なお、段差補修処理(第1の実施の形態においては画素分散処理)と画素ずらし処理の処理順序は適宜入れ替えてもかまわない。
また、画素置換位置の組み合わせは、例示したものに限定されない。
[第2の実施の形態]
次に、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態における画像処理装置は、第1の実施の形態に示した画像処理装置100と同様の構成によってなるため、図1を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第2の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
段差補修処理は、第1の実施の形態に示した画素分散処理(図3及び図4参照)のように、画素ずらし位置を境界として、画素をずらした場合に対応するライン内で特定箇所の画素同士を置換してもよいが、画像情報上、離れた箇所の情報を置換する必要があり、処理幅が広くなると画像処理上の負荷が大きくなる場合がある。そこで、第2の実施の形態では、処理対象ラインに含まれる複数の画素の階調値を所定の画素分散パターンで順次上書きする処理(画素分散パターン上書き処理)を適用する。
図13を参照して、第2の実施の形態における段差補修処理である画素分散パターン上書き処理の概要を説明する。
図13(a)は、副走査方向に画素をずらす前の画像である。この画像は、画素ずらし位置で副走査方向に(図13(a)において、画素ずらし位置の右側が相対的に下側に、画素ずらし位置の左側が相対的に上側に)1画素分ずらされることになっている。
図13(b)に示すように、画素ずらし処理後に段差が発生する箇所において、画素ずらし位置を境界として両側のランレングスが続く範囲の画素の階調値を代表する値を代表階調値として保持しておく。代表階調値は、境界位置の画素の階調値でもよいし、一連のランレングスに含まれる複数の画素の階調値の平均値であってもよい。そして、画素をずらす方向と直交する方向(主走査方向)に画素が連続する、画素をずらした場合に対応するラインのうち処理幅に含まれる複数の画素を、二つの代表階調値の組み合わせからなる画素分散パターンで置き換える。
図13(c)に、画素分散パターン上書き処理及び画素ずらし処理を施した後の画像を示す。この方法によれば、非常に幅の広い処理も容易に実現することができる。
第2の実施の形態では、図14に示すような構成を採用することができる。ランレングスカウント処理(図8参照)や処理判定部26による判定処理を、画素分散パターン上書き処理に先立って実施することにより、回路化が容易になる。
図14に示すように、第2の実施の形態における画像処理装置は、画像情報参照部25として画像情報参照部25a,25b,25cを備え、段差補修処理部23として段差補修処理部23a,23bを備える。また、画像処理装置は、小ラインメモリ31a,31b,31c、メモリ32、大ラインメモリ33a,33b、処理判定部26、段差補修処理方法選択部22を備える。また、画像処理装置は、第1の実施の形態と同様、画像入力部10、画像出力部30、画素ずらし処理部24を備える(図1参照)。
小ラインメモリ31a,31b,31c、メモリ32、大ラインメモリ33a,33bは、画像情報を一時的に保存するメモリであり、シフトレジスタやFIFO(First-In First-Out)で構成される。これらのメモリは、前の処理工程から出力された画像情報が次の処理工程に入力されるまでに間(時間)を空けるために用いられる。これによって、前の処理工程から画像情報を受け取り、画像処理に要する時間が経過した後に、後の工程が処理に着手できるようになっている。すなわち、後の処理工程に先立って、前の処理工程を完了しておくことが可能となる。
画像情報参照部25aには、画像情報が1画素ずつ入力される。
画像情報参照部25a,25b,25cは、揺らぎを考慮したランレングスカウント処理(図8参照)を逐次行い、画素ずらし位置前後のランレングスを算出する。この処理は、3箇所の画像情報参照部25a,25b,25cのうち、画像情報参照部25aのみで行い、残りの2箇所(画像情報参照部25b,25c)については、画像情報参照部25aで算出した値を周回遅れで順次流用すればよい。
処理判定部26は、画像情報参照部25a,25b,25cにより得られたランレングス値と、画素ずらし位置を挟んだ両側の複数の画素の階調値を、3ライン分同時に参照して、補修すべき段差が発生するか否か、すなわち、段差補修処理をすべきか否かを判定する。この判定結果は、画像情報の各ラインの画素ずらし位置一つについて、一つ算出される。
段差補修処理部23a,23bは、処理判定部26による判定結果に基づいて段差補修処理を行う。段差補修処理部23a,23bは、処理の内容により、どちらか一方、又は両方で処理を行い、下流の段差補修処理部23bを通過した画像情報を、画像処理結果として出力する。
画像情報参照部25cには、段差補修処理部23aで処理済みの画像情報が入力されることになるため、それでもかまわない場合には、段差補修処理部23aで段差補修処理を行う。一方、段差補修処理部23aで画像情報が変化しない方が好ましい場合には、画像情報が出力されるまでに段差補修処理が実施されればよいので、判定結果を保持しておき、最下流の段差補修処理部23bで段差補修処理を行えばよい。また、1箇所の画素ずらし位置において、2画素分の段差を調整する必要がある場合には、段差補修処理部23a,23bの両方で段差補修処理を行うこととしてもよい。
段差補修処理部23a,23bには、1画素ずつ順次画像情報が入力されるので、段差補修処理部23a,23bは、画素分散パターンの配列を参照して、入力された画素に同期して一つずつ画像情報を上書きしていく。
小ラインメモリ31a,31b,31cは、画像情報参照部25a,25b,25cにより、ある画素ずらし位置についてランレングスカウント処理が行われ、当該領域に対して補修すべき段差が発生するか否かが判定された後に、段差補修処理すべき領域(画素ずらし位置の前後に存在し、既に画像情報参照部25a,25b,25cを通過している領域)への処理が可能なように、画像情報を一時保管し、段差補修処理部23a,23bへの画像情報の入力を遅延させるためのメモリである。ここでの遅延量は、段差補修処理を行う最大幅に、判定に要する時間を確保できるだけの大きさがあればよい。
大ラインメモリ33a,33bは、画像情報参照部25b,25cに入力される画像情報に対して、画像情報参照部25a,25bに入力される画像情報とちょうど1ライン分の遅延を与えるために設けられた、画像情報を一時保管するためのメモリである。
段差補修処理方法選択部22は、画素ずらし位置において補修が必要な段差が発生する場合、画素をずらす方向と直交する方向(主走査方向)に画素が連続する処理対象ラインのランレングス等に基づいて、段差補修処理の処理幅(画素をずらす方向と直交する方向における幅)を算出する。段差補修処理方法選択部22は、処理対象ライン(段差発生箇所における画素をずらした場合に対応するライン)における画素ずらし位置からのランレングス、処理対象ラインと隣接する一又は複数のラインにおける画素ずらし位置からのランレングス、カラー画像を構成する処理対象色以外の色のラインにおける画素ずらし位置からのランレングス、画素をずらす方向(副走査方向)における段差補修処理の疎密状態等に基づいて、段差補修処理の処理幅を算出する。
また、段差補修処理方法選択部22は、画素ずらし位置において補修が必要な段差が発生する場合、処理対象ラインのランレングス、同一の画素ずらし位置における段差補修処理の疎密状態に基づいて、画素分散パターンの中から適当なものを選択する。段差補修処理の疎密状態として、前回の段差補修処理からの間隔(何ライン段差補修処理を行わないラインが続いているか)、過去の段差補修処理の頻度(前回より前の段差補修処理間隔を含む)等の情報が用いられる。
図15及び図16は、図14の画像情報の流れを1ライン分に簡略化した図である。図15及び図16において、画像情報参照部25a,25b,25cは画像情報参照部25、小ラインメモリ31a,31b,31cは小ラインメモリ31、段差補修処理部23a,23bは段差補修処理部23、大ラインメモリ33a,33bは大ラインメモリ33と記載する。
図15(a)及び(b)に示すように、画像情報は、画像情報参照部25に1画素ずつ逐次入力され、順次ランレングスカウント処理が実行される。電気回路で各部を構成する場合には、例えば、クロック信号1クロック毎に1画素入力され、以降、ベルトコンベアを流れるように順次画像情報が送られていくパイプライン処理が実行される。
図15(c)に示すように、画像情報参照部25が参照する画素が、画素ずらし位置まで進むと、画素ずらし位置の前側のランレングスが確定する。引き続き、画素ずらし位置の後側のランレングスカウント処理が開始され、継続される。この時点で、前側のランレングスがカウントされた領域の画素は、小ラインメモリ31の中を順次送られており、まだ段差補修処理部23には到達していない。
図16(a)に示すように、画素ずらし位置の後側のランレングスカウント処理において、隣接画素間でαより大きい階調差が検出された場合、予め定められたカウント値の最大値に到達した場合、次の画素ずらし位置に到達した場合等に、後側のランレングスカウント処理が終了し、処理判定部26により段差が発生するか否かの判定が行われる。この時点でも、前側のランレングスがカウントされた領域の画素は、小ラインメモリ31の中を順次送られており、まだ段差補修処理部23には到達していない。
処理判定部26による判定結果が得られたら、段差補修処理部23に送られ、段差補修処理部23の準備が完了する。この時点でも、前側のランレングスがカウントされた領域の画素は、小ラインメモリ31の中を順次送られており、まだ段差補修処理部23には到達していない。
図16(b)に示すように、ランレングスがカウントされた領域の画素が段差補修処理部23に入力され始めた時点で、段差補修処理が開始される。具体的には、図13(b)に示したような画素分散パターンに従って処理幅内の複数の画素が代表階調値の組み合わせに順次書き換えられ、処理後の各画素は順次大ラインメモリ33に出力される。
図17に、段差補修処理に用いる画素分散パターンの例を示す。これらは、画素ずらし処理により発生する段差を補修するためのパターンであり、適宜設計し、利用すればよい。なお、図17に示すパターンの凹凸は、二つの代表階調値の組み合わせを示しており、各パターンにおいて、高い部分(凸の部分)と低い部分(凹の部分)とで異なる階調値を示している。また、図17に示すパターンは、画素をずらした場合に対応するラインにおける処理パターンを示している。
図17(a)は、主走査方向に沿って、二つの階調値の出現頻度を徐々に切り替えていく、標準的なパターンである。
図17(b)は、主走査方向に沿って、二つの階調値を1画素単位で単調に繰り返すパターンであり、画像処理が単純な処理で済むという利点がある。
図17(c)は、主走査方向に沿って、二つの階調値を2画素単位で単調に繰り返すパターンであり、図17(b)のパターンと同様、画像処理が単純な処理で済む。また、ライン全体として階調値を切り替える位置を少なくすることができるので、階調値の変化による濃度ムラへの影響が大きな高解像度なプリンタで有効なパターンである。
図17(d)は、図17(c)のパターンを、図17(a)のパターンと同様、主走査方向に沿って、二つの階調値の出現頻度を徐々に切り替えていくようにしたパターンである。
図18(a)及び(b)は、図17(a)のパターンを主走査方向にシフトさせたパターンである。画素分散パターンを主走査方向にシフトさせることによって、実質的に画素ずらし位置をシフトさせることができ、より自然な処理が可能となる。例えば、平行線が近接しているような画像等で、画素ずらし処理による段差がより視認されにくくなる効果がある。
また、段差補修処理の頻度が高い場合は、主走査方向の直線が平行に密に並んでいるパターンの可能性が高いと判断し、処理幅を狭くして、階調値を切り替える頻度が低い図17(c)、図17(d)のようなパターンを採用する。段差補修処理の頻度が低い場合は、実質的に主走査方向の1本線や単エッジ(近くに他のエッジが存在しないパターン)の可能性が高いと判断し、処理幅を広くして、階調値を切り替える頻度が高い図17(a)、図17(b)、図18(a)、図18(b)のようなパターンを採用する。
また、画素分散パターンのシフト量を、段差補修処理の疎密状態によって変化させてもよい。具体的に、段差補修処理の疎密状態に基づいて、段差補修処理の疎密状態が「疎」である場合には、画素分散パターンを主走査方向にシフトさせ、段差補修処理の疎密状態が「密」である場合には、画素分散パターンの主走査方向のシフトを禁止するようにしてもよい。
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数(ランレングス)に基づいて、画素ずらし処理が行われた後の画像に段差が発生するか否かを判定するので、段差が発生するか否かの判定が容易になる。
また、段差が発生すると判定された場合に、段差補修処理を行うので、画像に応じて段差補修処理を行うことができる。段差補修処理を行う領域が単純な矩形領域となるため、段差補修処理を行う領域と行わない領域との区分けが容易になる。
また、画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、画素ずらし位置の両側それぞれを代表する階調値を組み合わせた画素分散パターンで置き換えることにより、当該ライン間で段差補修処理が完了するので、処理が容易になる。また、第1の実施の形態のように処理幅に含まれる画素同士を置換する場合と比較して、メモリ使用量等の負荷が少なくて済み、高速に処理を行うことができる。
また、処理対象ラインのランレングス、処理対象ラインと隣接する一又は複数のラインのランレングス、処理対象色以外の色のラインのランレングス、画素をずらす方向(副走査方向)における段差補修処理の疎密状態等に基づいた処理幅で、段差補修処理を行うことができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態における画像処理装置は、第1の実施の形態に示した画像処理装置100と同様の構成によってなるため、図1を援用し、その構成については図示及び説明を省略する。以下、第3の実施の形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
第3の実施の形態では、処理対象ラインに含まれる複数の画素の階調値を所定の中間調パターンで順次上書きする処理(中間調平滑化処理)を適用する。
図19を参照して、第3の実施の形態における段差補修処理である中間調平滑化処理の概要を説明する。
図19(a)は、副走査方向に画素をずらす前の画像である。この画像は、画素ずらし位置で副走査方向に(図19(a)において、画素ずらし位置の右側が相対的に下側に、画素ずらし位置の左側が相対的に上側に)1画素分ずらされることになっている。
図19(b)に示すように、画素ずらし処理後に段差が発生する箇所において、画素ずらし位置の両側の画素の階調値を取得し、処理幅に含まれる複数の画素の数に対応する段階で、前記画素ずらし位置の両側の階調値の間を埋めるような、中間調パターンを生成する。中間調パターンは、画素をずらす方向と直交する方向(主走査方向)に連続的に階調値が変化するようなパターンである。そして、画素をずらす方向と直交する方向(主走査方向)に画素が連続する、画素をずらした場合に対応するラインのうち処理幅に含まれる複数の画素を、中間調パターンで置き換える。
図19(c)に、中間調平滑化処理及び画素ずらし処理を施した後の画像を示す。なお、ここでは中間調パターンを前記画素ずらし位置の両側の階調値をもとに算出したが、これに代わり、図13で説明したような各種の代表階調値や、ランレングスがカウントされた領域に存在する、画素ずらし位置から最も離れた画素の階調値をもとに中間調パターンを生成するようにしてもよい。
第3の実施の形態における画像処理装置も、第2の実施の形態と同様、図14に示す構成を採用することができる。第3の実施の形態では、上書きされるパターンが画素分散パターンではなく、中間調パターンである点が第2の実施の形態と異なる。
段差補修処理部23a,23bには、1画素ずつ順次画像情報が入力されるので、段差補修処理部23a,23bは、中間調パターンの配列を参照して、入力された画素に同期して一つずつ画像情報を上書きしていく。
以上説明したように、第3の実施の形態によれば、階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数(ランレングス)に基づいて、画素ずらし処理が行われた後の画像に段差が発生するか否かを判定するので、段差が発生するか否かの判定が容易になる。
また、段差が発生すると判定された場合に、段差補修処理を行うので、画像に応じて段差補修処理を行うことができる。段差補修処理を行う領域が単純な矩形領域となるため、段差補修処理を行う領域と行わない領域との区分けが容易になる。
また、画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、中間調パターンで置き換えることにより、当該ライン間で段差補修処理が完了するので、処理が容易になる。
また、処理対象ラインのランレングス、処理対象ラインと隣接する一又は複数のラインのランレングス、処理対象色以外の色のラインのランレングス、画素をずらす方向(副走査方向)における段差補修処理の疎密状態等に基づいた処理幅で、段差補修処理を行うことができる。
[変形例1]
次に、変形例1について説明する。
主走査方向の単画素線(線幅が1画素で構成された細い線)の場合、第1の実施の形態に示した画素分散処理又は第2の実施の形態に示した画素分散パターン上書き処理を行うと、図20(a)に示すように、主走査方向の画素のつながりが弱くなり、電子写真の場合、濃度が低下し(トナーの乗りが少なくなり)、線の描画が弱くなる場合がある。
一方、主走査方向の単画素線に、第3の実施の形態に示した中間調平滑化処理を行うと、図20(b)に示すように、平滑化部分は中間調のみで構成された2画素幅の線となる。この場合、線が太くなったり、プリンタの特性によっては細くなったり、安定した細線の再現が困難となる場合がある。
このような場合に、図20(c)に示すように、図20(a)に示す画像に対して、黒画素の凹凸が生じている箇所の白画素部分に中間調を配置する。これにより、主走査方向の画素のつながりが強化され、濃度再現が安定化する。
[変形例2]
次に、変形例2として、緩やかな斜め線等、画素ずらし位置にもともと1画素の段差が存在していた場合について説明する。
図21(a)に示すように、もともと1画素の段差が存在する画像に対して、段差が拡大する方向に画素ずらし処理を行う場合、図21(b)に示すように、2画素の段差が生じ、欠陥として視認されやすい。
このような場合に、画素ずらし処理前の画像を、図22(a)に示す画素分散パターンで書き換えると、図21(c)に示す処理結果となる。すなわち、画素ずらし処理後には、図22(b)に示すパターンが形成されることになる。図21(d)に、画素ずらし処理後の画像を示す。この方法により、2画素分の段差を平滑化し、良好な斜め線を実現することができる。
なお、この場合、もともとあった段差も滑らかに表現されるが、もともとの段差を残したい場合もあり得る。その場合には、図17(a)〜(d)に示す画素分散パターンを利用して、上書き処理を行えば、画素ずらし処理分のみを平滑化し、処理後の画像に1画素分の段差を表現することもできる。
[変形例3]
次に、変形例3について説明する。
図23(a)に示すエッジ画像に対して、画素ずらし位置の右側が相対的に下側に、画素ずらし位置の左側が相対的に上側に1画素分ずらされることとする。
図23(b)に示すように、画素分散処理で置換されるべき画素について、その上側の画素又は下側の画素の階調値を複写する処理を行う。すなわち、画素分散処理で置換されるべき画素に対して、画素ずらし位置を境界とした相対的な移動方向とは逆の方向に同一階調の画素を広げる。
図23(c)に、画素ずらし処理後の結果を示す。このように、変形例3の処理によって、部分的な画素複写の処理のみで、図13と同様の処理結果を得ることができる。なお、本図では、画素の複写を上下方向に行ったが、例えば上の代わりに斜め上、下の代わりに斜め下方向で実施しても同様の処理が可能である。処理結果を逐次上書き処理して1ライン毎に画像処理を実施する場合、上下方向に画素の複写を行うと複写の結果が伝播して不具合となる場合があるが、このような場合に、斜め上や斜め下方向で複写を実施すればこのような不具合がなくなり、好ましい。
なお、上記各実施の形態及び変形例における記述は、本発明に係る画像処理装置の例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、画素をずらす方向、ランレングスを算出する方向は、副走査方向、主走査方向に限定されず、画像を構成する複数の画素が並ぶ互いに直交する2方向のうちいずれか1方向であればよい。
ランレングスカウント処理、画素分散パターン上書き処理、中間調平滑化処理は、ラインの端の画素から順次行うことが可能なので、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の素子を用いて回路を構成し、画像処理を行う場合に好都合である。
10 画像入力部
20 画像処理部
21 画像評価部
22 段差補修処理方法選択部
23 段差補修処理部
23a,23b 段差補修処理部
24 画素ずらし処理部
25 画像情報参照部
25a,25b,25c 画像情報参照部
26 処理判定部
30 画像出力部
31 小ラインメモリ
31a,31b,31c 小ラインメモリ
32 メモリ
33 大ラインメモリ
33a,33b 大ラインメモリ
100 画像処理装置

Claims (18)

  1. 互いに直交する2方向に並んだ複数の画素により構成される画像に対し、前記2方向のうちいずれか1方向に画素をずらす画素ずらし処理を行う画像処理装置であって、
    前記画素をずらす方向と直交する方向における前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数を算出し、当該算出された連続数に基づいて前記画素ずらし処理が行われた後の画像に段差が発生するか否かを判定する画像評価部と、
    前記段差が発生すると判定された場合に、前記算出された連続数に応じて、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するライン間で、前記段差を補修する段差補修処理を行う段差補修処理部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記段差補修処理部は、前記画素をずらす方向と直交する方向において、前記算出された連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記段差補修処理部は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、処理対象のラインと隣接する一又は複数のラインにおける前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う、
    請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記画像は複数の色から構成されるカラー画像であり、
    前記段差補修処理部は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、処理対象色以外の色のラインにおける前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記段差補修処理部は、前記画素をずらす方向における前記段差補修処理の疎密状態に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる画素同士を置換する処理である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、前記画素をずらす境界位置の両側それぞれを代表する階調値を組み合わせたパターンで置き換える処理である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記画素をずらす方向における前記段差補修処理の疎密状態に基づいて、前記パターンを選択するパターン選択部を備える、
    請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、前記画素をずらす方向と直交する方向に連続的に階調値が変化するように置き換える処理である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 互いに直交する2方向に並んだ複数の画素により構成される画像に対し、前記2方向のうちいずれか1方向に画素をずらす画素ずらし処理を行う画像処理方法であって、
    前記画素をずらす方向と直交する方向における前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数を算出し、当該算出された連続数に基づいて前記画素ずらし処理が行われた後の画像に段差が発生するか否かを判定する画像評価工程と、
    前記段差が発生すると判定された場合に、前記算出された連続数に応じて、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するライン間で、前記段差を補修する段差補修処理を行う段差補修処理工程と、
    を含む画像処理方法。
  11. 前記段差補修処理工程では、前記画素をずらす方向と直交する方向において、前記算出された連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う、
    請求項10に記載の画像処理方法。
  12. 前記段差補修処理工程では、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、処理対象のラインと隣接する一又は複数のラインにおける前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う、
    請求項10又は11に記載の画像処理方法。
  13. 前記画像は複数の色から構成されるカラー画像であり、
    前記段差補修処理工程では、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、処理対象色以外の色のラインにおける前記画素をずらす境界位置からの階調幅が予め定められた範囲内の画素の連続数に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う、
    請求項10から12のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  14. 前記段差補修処理工程では、前記画素をずらす方向における前記段差補修処理の疎密状態に基づいた処理幅で、前記段差補修処理を行う、
    請求項10から13のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  15. 前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる画素同士を置換する処理である、
    請求項10から14のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  16. 前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、前記画素をずらす境界位置の両側それぞれを代表する階調値を組み合わせたパターンで置き換える処理である、
    請求項10から14のいずれか一項に記載の画像処理方法。
  17. 前記画素をずらす方向における前記段差補修処理の疎密状態に基づいて、前記パターンを選択する工程を含む、
    請求項16に記載の画像処理方法。
  18. 前記段差補修処理は、前記画素をずらす方向と直交する方向に画素が連続する、前記画素をずらした場合に対応するラインに含まれる複数の画素を、前記画素をずらす方向と直交する方向に連続的に階調値が変化するように置き換える処理である、
    請求項10から14のいずれか一項に記載の画像処理方法。
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