JP6155646B2 - 画像形成装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置及び画像処理方法に関する。
画像形成装置では、定着処理時の用紙の収縮や用紙の搬送位置のずれに起因して、用紙上に形成された画像の位置や大きさが表裏でずれることがある。また、複数色の画像をそれぞれ形成し、各色の画像を重ねて用紙上に転写してカラー画像を形成する場合、各色の画像の位置がずれることもある。
このようなずれを補正する手段の1つとして、従来、画素を挿入又は削除して、画像を微小に拡大又は縮小する処理が行われている。画素の挿入又は削除により局所的な変化が生じるが、画素を挿入又は削除する位置を離散させることにより、局所的な変化を目立たせずに画質を維持することができる(例えば、特許文献1、2参照)。
離散的に画素を挿入又は削除すると、画像のエッジのガタツキや濃度ムラが生じることがある。この対策として、挿入又は削除された画素の周辺で濃度ムラが出やすいパターン検出して光量補正やパルス補正が行われている(例えば、特許文献3、4参照)。
特許第3539283号公報 特許第4882426号公報 特許第4312944号公報 特許第4921288号公報
しかしながら、従来の方法によれば、パターンマッチングを行う等、補正を行う際の周辺画素との画素値の調整が煩雑であった。また、パターンの検出性や補正係数の設定によっては調整しきれずに、ガタツキや濃度ムラが残ることもあった。
本発明の課題は、簡易な処理により、画素の挿入又は削除によって生じる画質の劣化を抑えることである。
請求項1に記載の発明によれば、
画像データの拡大率又は縮小率に応じて、画素を挿入又は削除する単位領域を決定する領域決定部と、
拡大又は縮小する方向に応じて、前記決定された各単位領域において画素を挿入又は削除する位置を決定する位置決定部と、
各単位領域の前記決定された位置に画素を挿入又は削除し、当該画素の挿入位置又は削
除位置との位置関係に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を決定し、各画素及び各画素の隣接画素の画素値をそれぞれの重み付け係数により重み付け平均し、得られた画素値を拡大後又は縮小後の各画素の画素値として出力する画素値算出部と、を備え
前記画素値算出部は、
各画素の隣接画素の重み付け係数をkで表すとき、重み付け係数kを0.0〜1.0の範囲内で決定し、各画素の重み付け係数を(1.0−k)に決定し、
前記挿入位置又は削除位置より前に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを0.0に決定し、前記挿入位置又は削除位置以降の一定範囲内に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを0.0より大きく1.0より小さい中間値に決定し、当該一定範囲より後に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを1.0に決定する、
画像形成装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記位置決定部は、1つの単位領域内において主走査ライン又は副走査ライン毎に異なる位置を示す位置パラメーターに従って、前記画素を挿入又は削除する位置を決定する、
請求項1に記載の画像形成装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記位置決定部は、特定の周波数特性を示す位置パラメーターに従って、前記画素を挿入又は削除する位置を決定する、
請求項1に記載の画像形成装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
前記位置決定部は、前記位置パラメーターがテーブル化されたLUTから当該位置パラメーターを得て、各単位領域内で当該位置パラメーターが示す位置を、前記画素を挿入又は削除する位置として決定する、
請求項2又は3に記載の画像形成装置が提供される。
請求項に記載の発明によれば、
操作部を備え、
前記画素値算出部は、ユーザーにより前記操作部を介して指定された範囲に応じて、前記重み付け係数kを中間値に決定する範囲を決定する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項に記載の発明によれば、
操作部を備え、
前記画素値算出部は、ユーザーにより前記操作部を介して、前記重み付け係数kを中間値に決定する範囲と、前記重み付け係数kを1.0に決定する範囲との割合が指定されると、当該割合に応じて、それぞれの範囲を決定する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項に記載の発明によれば、
前記画素値算出部は、各画素の属性に応じて、前記重み付け係数を決定する、
請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項に記載の発明によれば、
前記画素値算出部は、拡大又は縮小する方向に応じて、前記重み付け係数を決定する、
請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項に記載の発明によれば、
前記画素値算出部は、階調補正テーブルに基づき、各画素及び各画素の隣接画素の画素値に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を調整する、
請求項1〜の何れか一項に記載の画像形成装置が提供される。
請求項10に記載の発明によれば、
画像データの拡大率又は縮小率に応じて、画素を挿入又は削除する単位領域を決定する領域決定工程と、
拡大又は縮小する方向に応じて、前記決定された各単位領域において画素を挿入又は削除する位置を決定する位置決定工程と、
各単位領域の前記決定された位置に画素を挿入又は削除し、当該画素の挿入位置又は削除位置との位置関係に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を決定し、各画素及び各画素の隣接画素の画素値をそれぞれの重み付け係数により重み付け平均し、得られた画素値を拡大後又は縮小後の各画素の画素値として出力する画素値算出工程と、を含み、
前記画素値算出工程では、
各画素の隣接画素の重み付け係数をkで表すとき、重み付け係数kを0.0〜1.0の範囲内で決定し、各画素の重み付け係数を(1.0−k)に決定し、
前記挿入位置又は削除位置より前に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを0.0に決定し、前記挿入位置又は削除位置以降の一定範囲内に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを0.0より大きく1.0より小さい中間値に決定し、当該一定範囲より後に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを1.0に決定する、
画像処理方法が提供される。
本発明によれば、重み付け平均という簡易な処理により、隣接する画素間の画素値を調整し、隣接する画素間の濃度変化を緩和することができる。濃度変化の緩和により、画素の挿入又は削除によって生じる画像のガタツキ、濃度ムラ等の画質の劣化を抑えることができる。
本実施の形態に係る画像形成装置を示す機能ブロック図である。 図1の拡大縮小部の機能ブロック図である。 (a)入力された画像データの各画素を示す図である。(b)決定された各単位領域を示す図である。(c)各単位領域内で決定された画素の挿入位置又は削除位置を示す図である。 (a)1つの単位領域内で副走査ライン毎に決定された画素の挿入位置を示す図である。(b)挿入位置において画素が挿入された副走査ラインを示す図である。 重み付け係数の一例を示す図である。 複数の中間値の重み付け係数の例を示す図である。 属性が写真の場合の重み付け係数の一例を示す図である。 (a)拡大又は縮小する方向が主走査方向である場合の重み付け係数の例を示す図である。(b)拡大又は縮小する方向が副走査方向である場合の重み付け係数の例を示す図である。 階調補正時に用いられる補正カーブを示す図である。 拡大縮小部の処理手順を示すフローチャートである。 (a)拡大前の元の画像を示す図である。(b)図5に示すように重み付け係数を決定して拡大された画像を示す図である。(c)図7に示すように重み付け係数を決定して拡大された画像を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の画像形成装置の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置Gの機能ブロック図である。
画像形成装置Gは、図1に示すように、制御部1、記憶部2、操作部3、表示部4、通信部5、プリントコントローラー6、スキャナー7、画像メモリー8、画像処理装置9及び画像形成部10を備えて、構成されている。
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えている。制御部1は、記憶部2に記憶されているプログラムを読み出し、当該プログラムに従って画像形成装置Gの各部を制御する。
例えば、制御部1は、画像処理装置9により画像データを画像処理させて、画像形成部10により画像を形成させる。
記憶部2は、制御部1が読み取り可能なプログラム、ファイル等を記憶している。記憶部2としては、例えばハードディスク、ROM(Read Only Memory)等の記憶媒体を用いることができる。
操作部3は、操作キーや表示部4と一体に構成されたタッチパネル等を備え、これらの操作に応じた操作信号を制御部1に出力する。
表示部4は、制御部1の指示に従って操作画面等を表示する。
通信部5は、制御部1からの指示に従い、ネットワーク上のサーバー等と通信する。
プリントコントローラー6は、通信部を備えてネットワーク上のコンピューターからPDL(Page Description Language)データを受信し、当該PDLデータをラスタライズ処理して、ビットマップ形式の画像データを生成する。プリントコントローラー6は、C(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の4色の画像データを生成する。生成された画像データは画像メモリー8に出力され、保持される。
プリントコントローラー6は、ラスタライズ処理時、各画素の属性を示す属性データを生成する。属性データは、画像データとともに出力される。
属性としては、文字(Text)、図形(Graphics)、写真(Image)がある。プリントコントローラー6は、文字、図形及び写真の各オブジェクトに該当する画素の属性を、それぞれ文字、図形及び写真の属性に設定する。
スキャナー7は、原稿を読み取って、R(赤)、G(緑)、B(青)の3色の画像データを生成する。生成された画像データは、画像メモリー8に出力され、保持される。
画像メモリー8は、画像データを保持するメモリーである。画像メモリー8としては、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等を用いることができる。
画像処理装置9は、画像メモリー8に保持された画像データに、各種画像処理を施して、画像形成部10に出力する。
画像処理装置9は、スキャナー7により生成されたR、G、Bの画像データを、画像メモリー8から読み出して色変換し、C、M、Y、Kの画像データを出力する。
プリントコントローラー6により生成された画像データは、C、M、Y、Kの色空間であるが、画像処理装置9は、この画像データを色変換し、色補正されたC、M、Y、Kの画像データを出力することもできる。
画像処理装置9は、色変換された画像データを圧縮処理して画像メモリー8に書き込み、制御部1からの画像形成の指示に応じて、当該画像データを画像メモリー8から読み出して伸張処理する。
画像処理装置9は、図1に示すように拡大縮小部gを備え、制御部1により拡大又は縮小の指示があると、拡大縮小部gにより画像データを拡大又は縮小する。
最終的に、画像処理装置9は、画像データを中間調処理して画像形成部10に出力する。中間調処理としては、ディザマトリクスを用いたスクリーン処理、誤差拡散処理等が挙げられる。
画像形成部10は、画像データに基づき、用紙上に画像を形成する。
具体的には、画像形成部10は、C、M、Y、Kの色毎に露光部、現像部、感光体を4セット備えている。露光部は、帯電し、回転する感光体上を、画像データに基づいて光走査して露光する。現像部は、露光により感光体上に形成された静電潜像を、トナーで現像する。このようにして4つの感光体上に形成された各色の画像は、中間転写ベルト等を介して用紙上に重ねて転写され、定着装置により定着処理される。
図2は、拡大縮小部gの機能ブロック図を示している。
図2に示すように、拡大縮小部gは、領域決定部g1、位置決定部g2、画素値算出部g3及び記憶部g4を備えて構成されている。
領域決定部g1は、制御部1から指示された画像データの拡大率又は縮小率に応じて、挿入又は削除する画素数を決定する。
拡大率は、元の画像データの倍率を100%と表したときの拡大後の画像データの倍率(%)をいう。縮小率は元の画像データの倍率を100%と表したときの縮小後の画像データの倍率(%)をいう。
拡大率及び縮小率は、主走査方向と副走査方向とで同じ場合もあるし、異なる場合もある。領域決定部g1は、主走査方向及び副走査方向のそれぞれの拡大率又は縮小率に応じて、主走査方向に挿入又は削除する画素数Nと、副走査方向に挿入又は削除する画素数Mを決定する。
領域決定部g1は、挿入又は削除する画素数N及びMに応じて、画素を挿入又は削除する単位領域を決定する。
具体的には、領域決定部g1は、画像データの各画素を主走査方向にN分割し、副走査方向にM分割して、N×M個の単位領域を得る。
図3(a)は、画像データの各画素を示す図である。
主走査方向に挿入する画素数Nが3、副走査方向に挿入する画素数Mが3のとき、領域決定部g1は、図3(a)に示す各画素を、図3(b)に示すように主走査方向に3分割し、さらに副走査方向に3分割して、3×3個の単位領域を決定する。
位置決定部g2は、拡大又は縮小する方向に応じて、領域決定部g1により決定された各単位領域において画素を挿入又は削除する位置を決定する。
主走査方向に拡大又は縮小する場合、位置決定部g2は、主走査ライン毎に1画素ずつ挿入又は削除する位置を決定する。副走査方向に拡大又は縮小する場合、位置決定部g2は、副走査ライン毎に1画素ずつ挿入又は削除する位置を決定する。
図3(c)は、図3(b)に示す3×3個の各単位領域において、副走査ライン毎に1画素ずつ決定された挿入位置又は削除位置の例を示している。
位置決定部g2は、1つの単位領域内において主走査ライン又は副走査ライン毎に異なる位置を示す位置パラメーターに従って、画素を挿入又は削除する位置を決定することができる。そのような位置パラメーターを、例えば乱数発生器により得られたパラメーターから構成することができる。
これにより、画素を挿入又は削除する位置を離散させることができ、画素の挿入又は削除後の局所的な変化による画質の劣化を抑えることができる。
また、位置決定部g2は、特定の周波数特性を示す位置パラメーターに従って、画素を挿入又は削除する位置を決定することができる。
特定の周波数特性としては、例えばブルーノイズ特性やグリーンノイズ特性が挙げられる。
これにより、画素を挿入又は削除する位置を離散させることができ、画素の挿入又は削除後の局所的な変化による画質の劣化を抑えることができる。
このような位置パラメーターがテーブル化されたLUT(Look Up Table)を記憶部g4が記憶し、位置決定部g2が当該LUTから位置パラメーターを得て、各単位領域内で当該位置パラメーターが示す位置を、画素を挿入又は削除する位置として決定する。
例えば、図3(b)に示す各単位領域において、副走査ライン毎に1画素ずつ挿入する場合、位置決定部g2は、下記式で表されるLUT[9]を用いて9つの画素の挿入位置を決定することができる。
LUT[9]={7,4,9,6,8,5,6,3,7}
LUT[9]は、9つのパラメーターが設定されており、7,4,9,6,8,5,6,3,7の順にパラメーターを出力する。位置決定部g2は、各パラメーターが示す位置、すなわち単位領域の左端から順に、単位領域の上端から7画素目、4画素目、9画素目、6画素目、8画素目、5画素目、6画素目、3画素目及び7画素目を挿入位置に決定する。その結果、図3(c)に示すように挿入位置が決定される。
画像データのサイズや拡大率又は縮小率によって、単位領域のサイズは異なるので、位置決定部g2は、1つのLUTを単位領域のサイズに合わせて正規化して使用すればよい。
例えば、上記LUT[9]は、副走査方向の画素数が12画素の単位領域に用いられたが、このLUT[9]を、副走査方向の画素数が20画素の単位領域に使用する場合、位置決定部g2は、各パラメーターを20/12倍して得られたパラメーターを用いる。
画素値算出部g3は、各単位領域において位置決定部g2により決定された位置に、画素を挿入又は削除する。これにより、画像データ全体として、主走査方向にN個の画素が挿入又は削除され、副走査方向にM個の画素が挿入又は削除されて、画像データが拡大又は縮小される。
図4(a)は、1つの単位領域において副走査ライン毎に決定された画素の挿入位置を示している。そのうち、右端の1ラインに注目し、この1ラインの各画素を、単位領域の上端から順に画素1〜12と表している。
図4(a)に示すように、画素7が挿入位置に決定されているので、画素値算出部g3は、図4(b)に示すように、画素6と画素7の間に1画素を挿入する。挿入された1画素を画素Rと表す。
次に、画素値算出部g3は、挿入位置又は削除位置と各画素の位置関係に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を決定する。隣接画素は、拡大又は縮小する方向において、各画素の直前に位置する画素である。すなわち、隣接画素は、拡大又は縮小する方向が主走査方向の場合、各画素の左に隣接する画素であり、拡大又は縮小する方向が副走査方向の場合、各画素の上に隣接する画素である。
画素値算出部g3は、各画素及び各画素の隣接画素の画素値をそれぞれの重み付け係数により重み付け平均し、得られた画素値を拡大後又は縮小後の各画素の画素値として出力する。
具体的には、画素値算出部g3は、各画素の隣接画素の重み付け係数をkで表すとき、重み付け係数kを0.0〜1.0の範囲内で決定し、各画素の重み付け係数を(1.0−k)に決定する。画素値算出部g3は、各画素の画素値に(1.0−k)を乗算して重み付け、各画素の隣接画素にkを乗算して重み付けて、それぞれ重み付けられた画素値を加算する。重み付け係数k及び(1.0−k)は合計が1.0であるので、加算により得られた画素値は、重み付け平均された画素値である。画素値算出部g3は、得られた画素値を拡大後又は縮小後の各画素の画素値として出力する。
図5は、拡大時に決定された重み付け係数kの一例を示している。
図5に示すように、画素値算出部g3は、拡大前の各画素1〜12のうち、挿入位置より前に位置する各画素1〜6の隣接画素の重み付け係数kを0.0に決定する。また、画素値算出部g3は、挿入位置以降の一定範囲p1内に位置する各画素7〜10の隣接画素の重み付け係数kを、0.4の中間値に決定する。挿入位置から一定範囲p1より後に位置する各画素11及び12の隣接画素の重み付け係数kを1.0に決定する。
拡大前の各画素1〜12の画素値をそれぞれA1〜A12、拡大後の各画素1〜12及びRの画素値をそれぞれB1〜B12及びBRと表すとき、画素値算出部g3は、次のようにして、拡大後の画素値B1〜12及びBRを算出する。
B1 =A1
B2 =A1 ×0.0+A2 ×(1.0−0.0)=A2
B3 =A2 ×0.0+A3 ×(1.0−0.0)=A3
B4 =A3 ×0.0+A4 ×(1.0−0.0)=A4
B5 =A4 ×0.0+A5 ×(1.0−0.0)=A5
B6 =A5 ×0.0+A6 ×(1.0−0.0)=A6
BR =A6 ×0.4+A7 ×(1.0−0.4)
B7 =A7 ×0.4+A8 ×(1.0−0.4)
B8 =A8 ×0.4+A9 ×(1.0−0.4)
B9 =A9 ×0.4+A10×(1.0−0.4)
B10=A10×1.0+A11×(1.0−1.0)=A10
B11=A11×1.0+A12×(1.0−1.0)=A11
B12=A12
画素1の隣接画素は、上段の単位領域にある画素12である、また、画素12を隣接画素とする画素は、下段の単位領域にある画素1である。上段の単位領域の画素12の拡大前の画素値をA12、下段の単位領域の画素1の拡大前の画素値をA1と表すと、画素値B1及びB12は次のように表すことができる。
B1 =A12×0.0+A1×(1.0−0.0)
B12=A12×1.0+A1×(1.0−1.0)
しかし、これら画素値A12及びA1に対しては重み付け係数が0.0に決定されるので、画素値算出部g3は、重み付け平均することなく、画素値A1及びA12をそのまま画素値B1及びB12として出力する。
上述の算出式から分かるように、重み付け係数kは各画素の画素値にその隣接画素の画素値をマージ(混合)する割合を表している。重み付け係数kをk=0.0に決定すると、拡大前の各画素の画素値がそのまま拡大後の各画素の画素値として出力される。
また、重み付け係数kをk=1.0に決定すると、拡大前の隣接画素の画素値が拡大後の各画素の画素値として出力される。
また、重み付け係数kを0.0より大きく、1.0より小さい中間値に決定すると、拡大前の各画素と各画素の隣接画素の画素値がマージ(混合)された画素値が、拡大後の各画素の画素値として出力される。
よって、図5に示すように重み付け係数kを決定することにより、挿入位置より前では拡大前と同じ画素が再現され、挿入位置より後では拡大前の画素が1画素位置をずらして再現される。
また、挿入位置以降の一定範囲p1内にある画素については、隣接画素の画素値がマージされるので、隣接する画素間の濃度変化が緩和される。
例えば、画素値A1、A3、A5、A7、A9及びA11が100%、画素値A2、A4、A6、A8、A10及びA12が0%である場合、上述の重み付け平均により、図5に示すように拡大後の各画素R、7〜9の画素値が40%の中間調で出力される。挿入位置以降、画像のずれが生じるが、挿入位置以降を中間調で表現することにより、濃度変化が緩和され、画素Rの挿入が目立ちにくくなっている。
画素値算出部g3は、重み付け係数kを中間値に決定する範囲p1を、ユーザーにより操作部3を介して指定された範囲に決定することができる。
例えば、ユーザーにより操作部3を介して範囲p1として3画素が指定されると、制御部1が当該範囲の指定情報を画素値算出部g3に出力する。画素値算出部g3は、この指定情報に基づいて、範囲p1を3画素に決定し、各画素7〜9の隣接画素の重み付け係数kを中間値0.4に決定する。
これにより、隣接画素の画素値をマージし、濃度変化を緩和する範囲を、ユーザーが調整することができる。
また、ユーザーが範囲p1を直接指定するのではなく、重み付け係数kを中間値に決定する範囲p1と、重み付け係数kを1.0に決定する範囲p2との割合を指定できることとしてもよい。
この場合、ユーザーにより操作部3を介して、範囲p1と範囲p2の割合が、例えば5:5に指定されると、制御部1が当該割合の指定情報を画素値算出部g3に出力する。画素値算出部g3は、この指定情報に基づいて、範囲p1及び範囲p2をそれぞれ3画素に決定する。
画素値算出部g3は、範囲p1内の重み付け係数kの中間値を、ユーザーにより操作部3を介して指定された中間値に決定することもできる。
例えば、隣接画素の画素値のマージの割合をより大きくするように、0.6の中間値がユーザーにより指定された場合、画素値算出部g3は、範囲p1内の重み付け係数kを0.4から0.6に引き上げればよい。
これにより、隣接画素の画素値をマージする割合もユーザーが調整することができる。
画素値算出部g3は、範囲p1内で段階的に重み付け係数kを大きくするように決定することができる。
例えば、図6に示すように、画素値算出部g3は、挿入位置から範囲p11内に位置する画素7及び8の隣接画素の重み付け係数kを0.4に決定し、挿入位置から3画素目以降の範囲p12内にある画素9及び10の隣接画素の重み付け係数kを0.6に決定する。
このように中間値の重み付け係数kを段階的に大きくすることにより、隣接画素の画素値をマージする割合を段階的に大きくすることができる。範囲p11及びp12内の濃度変化がより滑らかとなる。
この場合も、画素値算出部g3は、範囲p11及びp12、各範囲p11及びp12における重み付け係数kの中間値を、ユーザーにより指定された範囲及び中間値に決定できる。
また、画素値算出部g3は、各画素の属性に応じて、重み付け係数kを決定することもできる。なお、画素値算出部g3は、各画素の属性を画像データとともに出力された属性データにより判断することができる。
例えば、画素値算出部g3は、画素の属性が文字である場合、図5に示すように重み付け係数kを決定する。文字の画像は、文字と背景の濃度変化が大きいため、画素の挿入又は削除によるエッジのガタツキが目立ちやすい。よって、挿入位置から一定範囲p1内では中間値の重み付け係数kを用いることにより、濃度変化を緩和してガタツキを抑えることができる。
一方、画素値算出部g3は、画素の属性が写真である場合、図7に示すように挿入位置の前後で0.0と1.0の重み付け係数kを切り替えるように決定することができる。図7に示す重み付け係数kによれば、画素値A1、A3、A5、A7、A9及びA11が100%、画素値A2、A4、A6、A8、A10及びA12が0%である場合、拡大後の画素Rは画素値BRが0%、その他の画素1〜12の画素値B1〜B12は拡大前と同じ画素値A12〜A12となる。
このように、図7に示す重み付け係数kによれば、濃度変化の緩和作用が無いが、写真の画像はもともと濃度変化が目立ちにくい特性があるので画質の劣化は少ない。図5に示す重み付け係数kに比べて、重み付け平均の演算が容易である図7に示す重み付け係数kを用いれば、演算時間を短縮することができる。
また、画素値算出部g3は、拡大又は縮小する方向に応じて、重み付け係数kを決定することもできる。
例えば、拡大又は縮小する方向が主走査方向である場合、画素値算出部g3は、図8(a)に示すように範囲p1における重み付け係数kを0.4に決定する。また、拡大又は縮小する方向が副走査方向である場合、画素値算出部g3は、図8(b)に示すように同じ範囲p1における重み付け係数kを0.8に決定する。
主走査方向は、画像形成部10が露光時に光走査する方向であり、連続して露光されるため、主走査ラインは中間調が再現されやすい。一方、副走査ラインは、このような露光の連続性が無いため、主走査方向に比べて中間調が再現されにくい。
よって、上述のように、副走査方向のときの重み付け係数kを主走査方向よりも大きい重み付け係数kに決定することにより、隣接画素の画素値を大きく重み付けることができ、副走査方向の中間調の再現性が向上する。
また、画素値算出部g3は、記憶部g4に記憶された階調補正テーブルに基づき、各画素及び各画素の隣接画素の画素値に応じて、それぞれの重み付け係数k及び(1.0−k)を調整することもできる。
これにより、拡大及び縮小と同時に、画像形成部10により形成された画像の階調特性が、目標の階調特性と一致するように、階調補正を行うことができる。
一般的に、階調補正時には、図9に示すような補正カーブK1が用いられる。補正カーブK1は、入力値に対し階調補正された出力値を出力する。補正カーブK1は、目標の階調特性を表す目標カーブK3に対して測定カーブK2の逆特性を持つ。測定カーブK2は、画像形成部10により形成された画像の濃度を測定して得られた階調特性を表している。
記憶部g4には、このような補正カーブK1の入力値と出力値が対応付けられた階調補正テーブルが記憶されている。画素値算出部g3は、当該階調補正テーブルから、各画素及び各画素の隣接画素の画素値に対応する補正値を取得する。画素値算出部g3は、各画素及び各画素の隣接画素に対して決定された重み付け係数に、補正値/画素値を乗算し、重み付け係数を調整する。例えば、画素2と画素3の画素値A2及びA3がそれぞれ25%、85%である場合、図9の補正カーブK1によれば、入力値が25%のときの補正値は35%、入力値が85%のときの補正値は75%である。この場合、画素値算出部g3は、画素2の重み付け係数をk×35/25に調整し、画素3の重み付け係数を(1.0−k)×75/85に調整して、それぞれの画素値A2及びA3を重み付ける。
なお、重み付け係数kを調整するのではなく、重み付け平均によって得られた、拡大後又は縮小後の画素値に対応する補正値を、階調補正テーブルから得ても、階調補正を実現することができる。
記憶部g4は、位置決定部g2が用いる位置パラメーター及び画素値算出部g3が用いる階調補正テーブルを記憶している。
図10は、上記拡大縮小部gの処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、最初に、領域決定部g1が、画像データの拡大率又は縮小率に応じて、画素を挿入又は削除する単位領域を決定する(ステップS1)。次に、位置決定部g2が、拡大又は縮小する方向に応じて、各単位領域において画素を挿入又は削除する位置を決定する(ステップS2)。
次に、画素値算出部g3が、各単位領域において決定された位置に画素を挿入又は削除し、画像データを拡大又は縮小する(ステップS3)。
画素値算出部g3は、画素の挿入位置又は削除位置との位置関係に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を決定する(ステップS4)。
画素値算出部g3は、各画素及び各画素の隣接画素の画素値をそれぞれの重み付け係数により重み付け平均し、得られた画素値を拡大後又は縮小後の各画素の画素値として出力する(ステップS5)。
図11(a)〜図11(c)により、拡大縮小部gの処理結果を示す。
図11(a)は、拡大前の画像を示している。拡大前の画像は、主走査方向に延びる2画素幅の線が2画素間隔で配置されている。
図11(b)は、図11(a)の画像を副走査方向に拡大し、拡大時に図5に示すように重み付け係数kを決定して得られた処理画像を示している。
一方、図11(c)は、図11(a)の画像を副走査方向に拡大し、拡大時に図7に示すように重み付け係数kを決定して得られた処理画像を示している。
各単位領域では、画素の挿入以降に画像のずれが生じるため、各単位領域の中央部分にずれが集中しやすく、画像のガタツキが目立ちやすい。
図11(b)に示すように、挿入位置以降の一定範囲p1内の画素に中間値の重み付け係数k及び(1.0−k)を用いると、範囲p1内が中間調で再現される。図11(b)と図11(c)を比較すると、中間調によって単位領域の中央部分においてガタツキが目立ちにくくなっていることがわかる。
単位領域の下端ではすべての副走査ラインで画素が挿入されるため、画像のずれが解消される。よって、単位領域の下端では1.0の重み付け係数kを用いて、拡大前の隣接画素を出力することにより、元の画像の再現性が向上する。
以上のように、本実施の形態によれば、画像形成装置Gは、画像データの拡大率又は縮小率に応じて、画素を挿入又は削除する単位領域を決定する領域決定部g1と、拡大又は縮小する方向に応じて、決定された各単位領域において画素を挿入又は削除する位置を決定する位置決定部g2と、各単位領域の決定された位置に画素を挿入又は削除し、当該画素の挿入位置又は削除位置との位置関係に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を決定し、各画素及び各画素の隣接画素の画素値をそれぞれの重み付け係数により重み付け平均し、得られた画素値を拡大後又は縮小後の各画素の画素値として出力する画素値算出部g3と、を備える。
これにより、重み付け平均という簡易な処理により、隣接する画素間の画素値を調整し、隣接する画素間の濃度変化を緩和することができる。濃度変化の緩和により、画素の挿入又は削除によって生じる画像のガタツキ、濃度ムラ等の画質の劣化を抑えることができる。
上記実施の形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、拡大縮小部gの処理手順(図10参照)をプログラム化し、制御部1が当該プログラムを読み取って拡大縮小部gの処理内容をソフトウェアにより実現することもできる。このときのプログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、当該プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
G 画像形成装置
1 制御部
3 操作部
6 プリントコントローラー
8 画像メモリー
9 画像処理装置
g 拡大縮小部
g1 領域決定部
g2 位置決定部
g3 画素値算出部
g4 記憶部
10 画像形成部

Claims (10)

  1. 画像データの拡大率又は縮小率に応じて、画素を挿入又は削除する単位領域を決定する領域決定部と、
    拡大又は縮小する方向に応じて、前記決定された各単位領域において画素を挿入又は削除する位置を決定する位置決定部と、
    各単位領域の前記決定された位置に画素を挿入又は削除し、当該画素の挿入位置又は削除位置との位置関係に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を決定し、各画素及び各画素の隣接画素の画素値をそれぞれの重み付け係数により重み付け平均し、得られた画素値を拡大後又は縮小後の各画素の画素値として出力する画素値算出部と、を備え
    前記画素値算出部は、
    各画素の隣接画素の重み付け係数をkで表すとき、重み付け係数kを0.0〜1.0の範囲内で決定し、各画素の重み付け係数を(1.0−k)に決定し、
    前記挿入位置又は削除位置より前に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを0.0に決定し、前記挿入位置又は削除位置以降の一定範囲内に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを0.0より大きく1.0より小さい中間値に決定し、当該一定範囲より後に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを1.0に決定する、
    画像形成装置。
  2. 前記位置決定部は、1つの単位領域内において主走査ライン又は副走査ライン毎に異なる位置を示す位置パラメーターに従って、前記画素を挿入又は削除する位置を決定する、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記位置決定部は、特定の周波数特性を示す位置パラメーターに従って、前記画素を挿入又は削除する位置を決定する、
    請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記位置決定部は、前記位置パラメーターがテーブル化されたLUTから当該位置パラメーターを得て、各単位領域内で当該位置パラメーターが示す位置を、前記画素を挿入又は削除する位置として決定する、
    請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 操作部を備え、
    前記画素値算出部は、ユーザーにより前記操作部を介して指定された範囲に応じて、前記重み付け係数kを中間値に決定する範囲を決定する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  6. 操作部を備え、
    前記画素値算出部は、ユーザーにより前記操作部を介して、前記重み付け係数kを中間値に決定する範囲と、前記重み付け係数kを1.0に決定する範囲との割合が指定されると、当該割合に応じて、それぞれの範囲を決定する、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  7. 前記画素値算出部は、各画素の属性に応じて、前記重み付け係数を決定する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  8. 前記画素値算出部は、拡大又は縮小する方向に応じて、前記重み付け係数を決定する、
    請求項1〜4の何れか一項に記載の画像形成装置。
  9. 前記画素値算出部は、階調補正テーブルに基づき、各画素及び各画素の隣接画素の画素値に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を調整する、
    請求項1〜の何れか一項に記載の画像形成装置。
  10. 画像データの拡大率又は縮小率に応じて、画素を挿入又は削除する単位領域を決定する領域決定工程と、
    拡大又は縮小する方向に応じて、前記決定された各単位領域において画素を挿入又は削除する位置を決定する位置決定工程と、
    各単位領域の前記決定された位置に画素を挿入又は削除し、当該画素の挿入位置又は削除位置との位置関係に応じて、各画素及び各画素の隣接画素の重み付け係数を決定し、各画素及び各画素の隣接画素の画素値をそれぞれの重み付け係数により重み付け平均し、得られた画素値を拡大後又は縮小後の各画素の画素値として出力する画素値算出工程と、を含み、
    前記画素値算出工程では、
    各画素の隣接画素の重み付け係数をkで表すとき、重み付け係数kを0.0〜1.0の範囲内で決定し、各画素の重み付け係数を(1.0−k)に決定し、
    前記挿入位置又は削除位置より前に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを0.0に決定し、前記挿入位置又は削除位置以降の一定範囲内に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを0.0より大きく1.0より小さい中間値に決定し、当該一定範囲より後に位置する画素の隣接画素の重み付け係数kを1.0に決定する、
    画像処理方法。
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