JP2012064260A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の光ピックアップ装置では、複数の光路が設定され、光学系部品の数が多くなり、その取り付け作業や光軸調整等に時間を要するという問題があった。
【解決手段】本発明の光ピックアップ装置1では、第1の半導体レーザー装置2から出射されるレーザー光の光路21と第2の半導体レーザー装置3から出射されるレーザー光の光路20の大部分が共通化される。そして、光ディスク17から反射したレーザー光(戻り光)は、共通のPDIC19にて受光され、光検出器として正確な受光処理が行われる。この構造により、光ピックアップ装置1に配置される光学系部品の数が低減し、その取り付け作業が容易になり、光軸調整等に要する時間が短縮され、作業効率が大幅に改善される。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の光ピックアップ装置1では、第1の半導体レーザー装置2から出射されるレーザー光の光路21と第2の半導体レーザー装置3から出射されるレーザー光の光路20の大部分が共通化される。そして、光ディスク17から反射したレーザー光(戻り光)は、共通のPDIC19にて受光され、光検出器として正確な受光処理が行われる。この構造により、光ピックアップ装置1に配置される光学系部品の数が低減し、その取り付け作業が容易になり、光軸調整等に要する時間が短縮され、作業効率が大幅に改善される。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数種類の波長の光を用いて記録及び/または再生を行う光ピックアップ装置に関する。
従来の光ピックアップ装置の一実施例として、図3に示す構造が知られている。尚、図3(A)は、光ピックアップ装置の光学系の側面図を示し、図3(B)は、光ピックアップ装置の光学系の平面図を示す。
図示の如く、光ピックアップ装置31は、光ビームを出射する第1、第2の光源32A、32Bと、出射された光ビームを光ディスク42に導き、光ディスク42からの反射光を第1、第2の受光素子(PDIC)33A、33Bに導く第1、第2の光学系34A、34Bとを有する。
具体的には、第1の光源32Aは、CD、DVD用の光ビームを出射し、第2の光源32Bは、BD用の光ビームを出射する。それぞれの第1、第2の光源32A、32Bから出射された光ビームは、それぞれ第1、第2の光学系34A、34Bの光路上を進行する。そして、第1、第2の光学系34A、34Bは、例えば、第1、第2の偏光ビームスプリッタ35A、35B、第1、第2のコリメータレンズ36A、36B、立ち上げミラー37、第1、第2の1/4波長板38A、38B、第1、第2の対物レンズ39A、39B、第1、第2のHOE(Holographic Optical Element)素子40A、40B、第1、第2のPDIC33A、33B、第1、第2のフロントモニターダイオード41A、41B等から構成される(例えば、特許文献1参照。)。
前述したように、従来の光ピックアップ装置31では、第1の光源32Aから出射した光ビームは、第1の光学系34Aの光路を通り光ディスク42に入射し、光ディスク42にて反射した光ビームは、同様に、第1の光学系34Aの光路を通り第1のPDIC33Aへと入射する。一方、第2の光源32Bから出射した光ビームは、第2の光学系34Bの光路を通り光ディスク42に入射し、光ディスク42にて反射した光ビームは、同様に、第2の光学系34Bの光路を通り第2のPDIC33Bへと入射する。
つまり、第1の光学系34Aの光路と第2の光学系34Bの光路が異なることで、光ピックアップ装置31内に配置される光学系部品の数が多くなり、その取り付け作業や光軸調整等に時間を要するという問題がある。また、光学系34A、34Bの光路が異なることで、それぞれの光学系34A、34B毎に光学系部品が必要となり、また、光路の確保も必要となり、光ピックアップ装置31の小型化が実現し難いという問題がある。
前述した各事情に鑑みて成されたものであり、本発明の光ピックアップ装置では、第1の波長を有する第1のレーザー光を出射する第1の出射素子と、前記第1の波長と異なる第2の波長を有する第2のレーザー光を出射する第2の出射素子と、前記第1のレーザー光を光情報記録媒体へと導く往路と、前記光情報記録媒体から反射した前記第1のレーザー光を受光素子へと導く復路とを有する第1の光路と、前記第2のレーザー光を前記光情報記録媒体へと導く往路と、前記光情報記録媒体から反射した前記第2のレーザー光を前記受光素子へと導く復路とを有する第2の光路と、前記第2の光路の復路上に前記第2のレーザー光の一部を漏洩させる光学素子とを有し、前記受光素子の同一の受光領域により前記第1のレーザー光及び前記第2のレーザー光を受光し、光電変換により検出信号を出力することを特徴とする。
本発明では、第2のレーザー光の一部が、光学素子により光路から漏洩することで、光情報記録媒体から反射する第1及び第2のレーザー光の光量比が所望の割合に調整される。この構造により、共通の受光素子にて第1及び第2のレーザー光を受光することができ、光ピックアップ装置に配置される光学系部品の数が低減し、その取り付け作業が容易となる。
また、本発明では、第1の光路と第2の光路の共通部分に配置された反射ミラーに第2のレーザー光の光量比が調整される反射膜が形成されることで、光路の一部の共通化が実現される。
また、本発明では、第1の光路と第2の光路の一部が共通化することで、光軸調整等に要する時間が短縮され、また、光ピックアップ装置の小型化が実現される。
また、本発明では、第2のレーザー光は、第2の光路合成プリズムと反射ミラーとによりその反射率及び透過率が調整され、光路の一部の共通化が実現される。
また、本発明では、BD規格のレーザー光の光路長が、DVD規格及びCD規格のレーザー光の光路長よりも長くなることで、BD規格のレーザー光の収差調整が精度良く行われる。
以下に、本発明の一実施の形態である光ピックアップ装置について説明する。図1は、光ピックアップ装置の光学系を説明する概略図である。図2(A)は、光ピックアップ装置の光学系の部品配置を説明する概略図であり、図2(B)光ピックアップ装置に用いる反射膜特性を説明する図である。
図1に示す如く、光ピックアップ装置1は、BD(Blu−ray Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)またはCD(Compact Disk)規格のレーザー光を、光ディスク(光情報記録媒体)の情報記録層に集光させ、この情報記録層からの反射光を受光して電気信号に変換する機能を備えている。
先ず、第1の半導体レーザー装置2は、BD規格の波長(青紫色(青色)波長帯400nm〜420nm(例えば405nm))のレーザー光を出射する。第2の半導体レーザー装置3は、DVD規格の波長(赤色波長帯645nm〜675nm(例えば、655nm))のレーザー光及びCD規格の波長(赤外波長帯765nm〜805nm(例えば、785nm))のレーザー光を出射する。尚、第1及び第2の半導体レーザー装置2、3は、CANタイプ型のパッケージの場合でも良く、リードフレーム型のパッケージの場合でも良い。
次に、第1の回折格子4は、第1の半導体レーザー装置2と第1の光路合成プリズム5との間に配置され、BD規格のレーザー光が入射する。そして、第1の回折格子4は、入射するレーザー光を0次光、+1次回折光、−1次回折光に分離する回折格子と、入射するレーザー光を第1の光路合成プリズム5の偏光面に対してS方向の直線偏光に変換する1/2波長板とから構成される。同様に、第2の回折格子6は、第2の半導体レーザー装置3と第2の光路合成プリズム8との間に配置され、回折格子と1/2波長板とから構成される。尚、第2の回折格子6では、入射するDVD規格及びCD規格のレーザー光を第2の光路合成プリズム8の偏光面に対してS方向の直線偏光に変換する。
次に、ダイバージェントレンズ7は、第2の回折格子6と第2の光路合成プリズム8との間に配置され、第2の回折格子6で回折されたレーザー光の広がり角を調整する。
次に、第1の光路合成プリズム5は、波長選択性および偏光選択性を有する偏光面を内蔵し、BD規格のレーザー光には偏光ビームスプリッタとして機能し、DVD規格及びCD規格のレーザー光には、全透過プリズムとして機能する。具体的には、前述した偏光面には、例えば、後述する反射膜が形成されることで、S方向の直線偏光であるBD規格のレーザー光は、その偏光面により紙面+X方向に反射される。一方、光ディスク17により反射されたBD規格のレーザー光(戻り光)は、1/4波長板12を通過することでP方向の直線偏光となり、この偏光面を紙面−X方向に透過する。
次に、第2の光路合成プリズム8は、波長選択性および偏光選択性を有する偏光面を内蔵し、DVD規格及びCD規格のレーザー光には偏光ビームスプリッタとして機能し、BD規格のレーザー光には、全透過プリズムとして機能する。具体的には、第2の光路合成プリズム8は、DVD規格及びCD規格のレーザー光の反射率を調整することで、PDIC19へと導かれる第2のレーザー光の光量を調整する。そして、前述した偏光面には、例えば、後述する反射膜が形成されることで、S方向の直線偏光であるDVD規格及びCD規格のレーザー光の大部分は、その偏光面により紙面+X方向に反射される。一方、光ディスクにより反射されたDVD規格及びCD規格のレーザー光(戻り光)は、1/4波長板12を通過することでP方向の直線偏光となり、一定の割合にてこの偏光面を紙面−X方向に透過する。尚、第2の光路合成プリズム8に入射するBD規格のレーザー光は、この偏光面を紙面±X方向に透過する。
次に、コリメートレンズ9は、BD規格、DVD規格及びCD規格のレーザー光を平行光に変換する。図示したように、光ピックアップ装置1では、1つのコリメートレンズ9により3種類のレーザー光に対応し、コリメートレンズ9は、点線にて示す光路(光軸)に対して平行方向(紙面±X方向)に移動する。そして、コリメートレンズ9は、それぞれの規格のレーザー光に応じて光学倍率を最適化することで、層間迷光や層間クロストークの発生を抑止する。
次に、第1の反射ミラー10は、波長選択性および偏光選択性を有する。具体的には、例えば、第1の反射ミラー10には、後述する反射膜が形成されることで、第1の反射ミラー10は、DVD規格及びCD規格のレーザー光の反射率を調整することで、第2の光路合成プリズム8へと導かれる第2のレーザー光の光量を調整する。そして、光ディスク17により反射されたDVD規格及びCD規格のレーザー光(戻り光)は、反射膜特性に応じて、その一部が紙面−X方向に反射し、残りが紙面−Y方向に透過する。尚、BD規格のレーザー光は、紙面Y方向あるいは紙面−X方向に全反射する。
次に、第2の反射ミラー11は、例えば、BD規格、DVD規格及びCD規格のレーザー光を紙面−X方向に全反射する。一方、光ディスク17により反射されたそれらのレーザー光(戻り光)も、同様に、紙面−Y方向に全反射する。
尚、以下の説明では、第1の反射ミラー10に反射膜を形成し、第2の光路合成プリズム8と第1の反射ミラー10により、DVD規格及びCD規格のレーザー光の反射率を調整し、PDIC19へと導かれるその光量を調整する場合について記載するが、この場合に限定するものではない。例えば、第1の反射ミラー10と第2の反射ミラー11の役割を逆とし、第2の光路合成プリズム8と第2の反射ミラー11により、DVD規格及びCD規格のレーザー光の反射率を調整し、PDIC19へと導かれるその光量を調整する場合する場合でも良い。
次に、1/4波長板12は、入射するレーザー光に位相差を生じさせ、BD規格、DVD規格及びCD規格のレーザー光は、S方向の直線偏光から円偏光へと変換される。一方、光ディスクにより反射されたそれらのレーザー光(戻り光)は、再び1/4波長板12を通過すると、P方向の直線偏光のレーザー光に変換される。
次に、第2の立ち上げミラー13は、波長選択性を有する反射面を備えており、DVD規格及びCD規格のレーザー光を紙面+Y方向に反射させ、BD規格のレーザー光を紙面−X方向に透過させる。一方、第1の立ち上げミラー14は、第2の立ち上げミラー13を透過したBD規格のレーザー光を紙面+Y方向に反射させる。
次に、第2の対物レンズ15は、第2の立ち上げミラー13により反射されたDVD規格及びCD規格のレーザー光を光ディスク17の情報記録層に集光させる。同様に、第1の対物レンズ16は、第1の立ち上げミラー14により反射されたBD規格のレーザー光を光ディスク17の情報記録層に集光させる。
次に、非点収差発生素子18、例えば、アナモフィックレンズは、第1の光路合成プリズム5とPDIC19との間に配置され、光ディスク17により反射された3種類のレーザー光(戻り光)が通過する。そして、非点収差発生素子18は、通過するレーザー光にフォーカスサーボ用の非点収差を付与し、波長の異なる3種類のレーザー光を1つのPDIC19にて対処可能とする。
最後に、PDIC19は、光検出器として機能し、信号検出用のフォトダイオード集積回路素子が内蔵され、BD規格、DVD規格またはCD規格のレーザー光を同一平面上の同一の受光領域にて受光し、光電変換によって情報信号成分を含む検出信号を出力する。更に、PDIC19は、フォーカスサーボおよびトラッキングサーボに用いられるサーボ信号成分を含む検出信号を出力する。
次に、DVD規格及びCD規格のレーザー光の光路20を説明する。
先ず、第2の半導体レーザー装置3から出射されたレーザー光は、第2の回折格子6にてS方向の直線偏光に変換され、ダイバージェントレンズ7により所定の広がり角へと調整された後、第2の光路合成プリズム8へと入射する。そして、レーザー光は、第2の光路合成プリズム8の偏光面にて所望の光量だけ反射し、第1の反射ミラー10にて全反射する。
その後、レーザー光は、第2の反射ミラー11にて全反射され、1/4波長板12を通過することにより、S方向の直線偏光から円偏光に変換される。そして、円偏光のレーザー光は、第2の立ち上げミラー13にて反射した後、第2の対物レンズ15により光ディスク17の情報記録層に集光される。尚、この光路が、DVD規格及びCD規格のレーザー光の往路20Aとなる。
次に、光ディスク17の情報記録層により反射されるレーザー光(戻り光)は、第2の対物レンズ15を透過し、第2の立ち上げミラー13にて反射した後、1/4波長板12を透過することで、円偏光からP方向の直線偏光のレーザー光へと変換される。そして、レーザー光は、第1及び第2の反射ミラー10、11で反射された後に、順次、コリメートレンズ9、第2、第1の光路合成プリズム8、5を透過する。その後、レーザー光は、非点収差発生素子18にて収差が付与され、PDIC19に入射し、PDIC19の受光領域にて受光され、光電変換によって検出信号へと変換される。尚、この光路が、DVD規格及びCD規格のレーザー光の復路20Bとなり、DVD規格及びCD規格のレーザー光の反射率は、第2の光路合成プリズム8と第1の反射ミラー10とにより調整され、PDIC19へと入射するDVD規格及びCD規格のレーザー光の受光量が調整される。
次に、BD規格のレーザー光の光路21を説明する。
先ず、第1の半導体レーザー装置2から出射されたレーザー光は、第1の回折格子4にてS方向の直線偏光に変換され、第1の光路合成プリズム5へと入射する。そして、レーザー光は、第1の光路合成プリズム5の偏光面にて全反射した後、第2の光路合成プリズム8を全透過する。その後、レーザー光は、第1及び第2の反射ミラー10、11にて全反射され、1/4波長板12を通過することにより、S方向の直線偏光から円偏光に変換される。そして、円偏光のレーザー光は、第2の立ち上げミラー13を透過し、第1の立ち上げミラー14にて反射した後、第1の対物レンズ16により光ディスク17の情報記録層に集光される。尚、この光路が、BD規格のレーザー光の往路21Aとなる。
次に、光ディスク17の情報記録層により反射されるレーザー光(戻り光)は、第1の対物レンズ16を透過し、第1の立ち上げミラー14にて反射し、第2の立ち上げミラー13、1/4波長板12を透過することで、円偏光からP方向の直線偏光のレーザー光へと変換される。そして、レーザー光は、第1及び第2の反射ミラー10、11にて全反射された後に、順次、コリメートレンズ9、第2、第1の光路合成プリズム8、5を透過する。その後、レーザー光は、非点収差発生素子18にて収差が付与され、PDIC19に入射し、PDIC19の受光領域にて受光され、光電変換によって検出信号が出力される。尚、この光路が、BD規格のレーザー光の復路21Bとなる。
前述したように、光ピックアップ装置1では、DVD規格及びCD規格のレーザー光の光路20とBD規格のレーザー光の光路21とは、その大部分にて共通する。そして、その光路20、21上に配置されるコリメートレンズ9、反射ミラー10、11、1/4波長板12、PDIC19は、両光路20、21の共通部品として用いられる。その結果、光ピックアップ装置1内に配置される光学系部品の数が減少し、その取り付け作業が容易となり、また、光軸調整等に要する時間も低減される。更に、DVD規格及びCD規格のレーザー光の光路20とBD規格のレーザー光の光路21との共通化により、光ピックアップ装置1の縮小化が実現される。
図2(A)に示す如く、DVD規格及びCD規格のレーザー光の光路20とBD規格のレーザー光の光路21との共通化により、BD規格のレーザー光の光路21上に第2の光路合成プリズム8が配置される。そして、BD規格のレーザー光は、往路21A及び復路21Bにおいても、第2の光路合成プリズム8の偏光面を透過する。そのため、第2の光路合成プリズム8に用いられる反射膜の特性は、DVD規格及びCD規格のレーザー光に対する所望の反射率及び透過率だけでなく、BD規格のレーザー光が全透過するように決められる。
一方、特に、DVD規格及びCD規格のレーザー光は、光ディスク17での影響を受け易く、粗悪品の光ディスク17の複屈折により、復路20BではP方向の直線偏光のレーザー光とならず、S方向の直線偏光のレーザー光となる場合もある。そして、光ディスク17から反射したレーザー光が、S方向の直線偏光のレーザー光となった場合でも、PDIC19にて受光し、検出信号が出力される必要がある。
そこで、図2(B)に示す如く、第1、第2の光路合成プリズム5、8及び第1の反射ミラー10には、それぞれ波長選択性および偏光選択性を有する反射膜が形成される。具体的には、第1の光路合成プリズム5では、DVD規格及びCD規格のレーザー光は全透過となり、BD規格のレーザー光のS方向の直線偏光は全反射し、P方向の直線偏光は全透過する反射膜が形成される。
また、第2の光路合成プリズム8では、BD規格のレーザー光は全透過となり、DVD規格及びCD規格のレーザー光のS方向の直線偏光は90%反射し、P方向の直線偏光は60%透過する反射膜が形成される。ここで、前述したように、復路20Bにおいて、光ディスク17が粗悪品であり、S方向の直線偏光のレーザー光が戻ってきた場合、10%のDVD規格及びCD規格のレーザー光が第2の光路合成プリズム8を透過することとなり、P方向の直線偏光の場合の透過する光量との間に大きな差異が発生するという問題が起こる。
そこで、第1の反射ミラー10では、BD規格のレーザー光は全反射となり、DVD規格及びCD規格のレーザー光は、S方向の直線偏光は100%反射し、P方向の直線偏光は30%反射する反射膜が形成される。そして、復路20Bにおいて、P方向の直線偏光のDVD規格及びCD規格のレーザー光が戻ってきた場合、第1の反射ミラー10により30%のレーザー光が反射し、第2の光路合成プリズム8では60%のレーザー光が透過することで、18%のP方向の直線偏光が、第2の光路合成プリズム8を透過することとなる。その結果、DVD規格及びCD規格のレーザー光では、その復路20Bにおいて、P方向の直線偏光の透過率(18%)とS方向の直線偏光の透過率(10%)とが近似する。そして、PDIC19では、P方向の直線偏光のレーザー光を受光する場合、あるいは、S方向の直線偏光のレーザー光を受光する場合でも、その受光量に大きな差異はなく、光検出器として正確な検出信号を出力することが出来る。
更に、第1の光路合成プリズム5が、第2の光路合成プリズム8よりもPDIC側19に配置されることで、BD規格のレーザー光の光路長の方が、DVD規格及びCD規格のレーザー光の光路長よりも長くなる。例えば、第1、第2の光路合成プリズム5、8が、一体に形成される場合には、一体のプリズムの長手方向が、点線にて示す光路20、21に沿って配置されることで、前述した光路長の関係が実現される。BD規格のレーザー光は、DVD規格及びCD規格のレーザー光と比較してその波長も短く、BD規格の光ディスク構造もDVD規格及びCD規格の光ディスク構造と異なる。そのため、BD規格のレーザー光は、DVD規格及びCD規格のレーザー光と比較して収差の影響も受け易く、矢印22にて示すように、コリメートレンズ9が、点線にて示す光路(光軸)に対して平行方向(紙面±X方向)に移動する距離を確保することが重要となる。つまり、第1、第2の光路合成プリズム5、8配置を利用し、BD規格のレーザー光の光路長を確保することで、装置サイズの縮小化を実現しつつ、3波長対応の光ピックアップ装置が実現される。
尚、本実施の形態では、レーザー光の入射角度、反射膜の膜質、材料、厚み等の設計条件が考慮され、第2の光路合成プリズム8と第1の反射ミラー10に形成される反射膜により、DVD規格及びCD規格のレーザー光の反射率を調整し、PDIC19へと導かれるその光量を調整する場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、第2の光路合成プリズム8の偏光面に形成される反射膜のみによりDVD規格及びCD規格のレーザー光の反射率を調整し、DVD規格及びCD規格のレーザー光のP方向の直線偏光の透過率と、S方向の直線偏光の透過率とを近似させ、PDIC19での受光量が調整される場合でも良い。また、図2(B)に示す反射膜特性もレーザー光の入射角度、反射膜の膜質、材料、厚み等の設計条件により、その数値は任意に変更可能である。
また、図2(A)に示すように、第1、第2の光路合成プリズム5、8が、一体に形成される場合について説明するが、この場合に限定するものではない。例えば、第1、第2の光路合成プリズム5、8が、個別の部品の場合でも良い。また、第1、第2の光路合成プリズム5、8の換わりに、前述した反射膜が形成された反射ミラーが用いられる場合でも良い。
また、反射ミラー10にDVD規格及びCD規格のレーザー光の一部が透過する反射膜が形成されることで、そのレーザー光の反射率や透過率が調整される場合について説明したが、この場合に限定するものではない。例えば、反射ミラー10に入射したDVD規格及びCD規格のレーザー光の一部が、反射ミラー10から漏れる構造により、そのレーザー光の一部が、少なくとも光路上から外れ、前述したレーザー光の反射率や透過率の調整が成されれば良い。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
1 光ピックアップ装置
2 第1の半導体レーザー装置
3 第2の半導体レーザー装置
5 第1の光路合成プリズム
8 第2の光路合成プリズム
9 コリメートレンズ
10 第1の反射ミラー
12 1/4波長板
14 第1の立ち上げミラー
16 第1の対物レンズ
17 光情報記録媒体
19 PDIC
20、21 光路
2 第1の半導体レーザー装置
3 第2の半導体レーザー装置
5 第1の光路合成プリズム
8 第2の光路合成プリズム
9 コリメートレンズ
10 第1の反射ミラー
12 1/4波長板
14 第1の立ち上げミラー
16 第1の対物レンズ
17 光情報記録媒体
19 PDIC
20、21 光路
Claims (5)
- 第1の波長を有する第1のレーザー光を出射する第1の出射素子と、
前記第1の波長と異なる第2の波長を有する第2のレーザー光を出射する第2の出射素子と、
前記第1のレーザー光を光情報記録媒体へと導く往路と、前記光情報記録媒体から反射した前記第1のレーザー光を受光素子へと導く復路とを有する第1の光路と、
前記第2のレーザー光を前記光情報記録媒体へと導く往路と、前記光情報記録媒体から反射した前記第2のレーザー光を前記受光素子へと導く復路とを有する第2の光路と、
前記第2の光路の復路上に前記第2のレーザー光の一部を漏洩させる光学素子とを有し、
前記受光素子の同一の受光領域により前記第1のレーザー光及び前記第2のレーザー光を受光し、光電変換により検出信号を出力することを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記光学素子は、前記第1及び第2の光路の共通な光路上に光路を屈折する反射ミラーにより構成され、前記反射ミラーには、前記第2のレーザー光に対する反射率を調整する反射膜が形成され、前記反射ミラーにより前記受光素子に導かれる前記第2のレーザー光の光量を調整することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。
- 前記反射ミラーは、前記第2の光路の往路では前記第2のレーザー光を全反射し、前記第2の光路の復路では前記第2のレーザー光を一部透過させて一定の割合にて反射させることを特徴とする請求項2に記載の光ピックアップ装置。
- 前記第1のレーザー光を反射または透過し、前記第1の光路の往復路を分離する第1の偏光部材と、前記第2のレーザー光を反射または透過し、前記第2の光路の往復路を分離する第2の偏光部材とを有し、
少なくとも前記第1及び第2の偏光部材、前記反射ミラー及び前記受光素子は、前記第1及び第2の光路の共通な光路上に配置され、
前記第1の偏光部材は、第1の光路合成プリズムであり、前記第2の偏光部材は、第2の光路合成プリズムであり、
前記第1の光路合成プリズムは、前記第2の光路合成プリズムよりも前記受光素子側に配置され、
前記第2のレーザー光は、前記反射ミラーの反射膜及び前記第2の光路合成プリズムに設定された反射膜に応じてそれぞれ透過または反射することで、前記受光素子へと導かれる光量が調整されることを特徴とすることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の光ピックアップ装置。 - 前記第1のレーザー光は、BD規格のレーザー光であり、前記第2のレーザー光は、DVD規格またはCD規格のレーザー光であることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の光ピックアップ装置。
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