JP2010277633A - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents

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昭浩 荒井
Hiroshi Shibata
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Abstract

【課題】小型化が実現できる光ピックアップ装置及び光ディスク装置を提供することを目的とする。
【解決手段】第1レーザ光を出射する第1レーザ素子11と、第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子12と、第1レーザ光と第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子13と、合成された第1レーザ光または第2レーザ光に作用する波長選択性素子14と、第1レーザ光及び第2レーザ光を光ディスク20に集光する対物レンズ17と、を備え、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、光ディスクに情報の記録または再生の少なくともいずれか一方を行う光ピックアップ装置及び光ディスク装置に関するものである。
従来の光ピックアップ装置の構成は、以下のような構成となっていた。
すなわち、第1レーザ光を出射する第1レーザ素子と、第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子と、第1レーザ光と第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子と、第1レーザ光及び第2レーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、を備えていた。また、第1レーザ素子または第2レーザ素子と光路合成素子との間に光ディスク側から見た第1レーザ素子の発光位置と第2レーザ素子の発光位置とをほぼ同じ位置とする発光位置調整素子としての平行平板を備えていた(たとえば、特許文献1参照)。この平行平板の姿勢を変えることで光路を平行シフトさせ、光ディスク側から見た第1レーザ素子の発光位置と第2レーザ素子の発光位置とをほぼ同じ位置とすることができる。
一方、倍率変換素子を光路合成後の光路に挿抜することにより第1レーザ光と第2レーザ光の倍率を変え、第1レーザ光及び第2レーザ光による記録再生特性の最適化を図ることが行われていた(たとえば、特許文献2参照)。
特開2003−085811号公報 特開2005−353250号公報
ところが、この従来の光ピックアップ装置においては、第1レーザ素子または第2レーザ素子と光路合成素子との間に平行平板を配置し、さらにこの平行平板の姿勢を変えるためのスペースも必要となる。そのため、第1レーザ素子と光路合成素子との間または第2レーザ素子と光路合成素子との間の間隔を十分に大きくすることが必要であり、光学系を小さくすることが困難であった。また、倍率変換素子を挿抜するためのスペースも必要であり、ますます光学系を小さくすることが困難であった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、小型化が実現できる光ピックアップ装置及び光ディスク装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、第1レーザ光を出射する第1レーザ素子と、前記第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子と、前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子と、合成された前記第1レーザ光または前記第2レーザ光に作用する波長選択性素子と、前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、を備え、前記波長選択性素子は、前記第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが前記第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいものとし、これにより所期の目的を達成するものである。
以上のように本発明は、第1レーザ光を出射する第1レーザ素子と、第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子と、第1レーザ光と第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子と、合成された第1レーザ光または第2レーザ光に作用する波長選択性素子と、第1レーザ光及び第2レーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、を備え、波長選択性素子は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、小型化を実現できるものである。
すなわち、本発明においては、波長選択性素子は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、波長選択性素子を移動させることで生じる光路の変化が第1レーザ光と第2レーザ光で異なる。そのため、波長選択性素子の位置調整により二つのレーザ光の発光位置を一致させるように調整することができる。したがって、第1レーザ素子及び第2レーザ素子と光路合成素子との間に発光位置調整素子及びその調整機構を配置する必要がなく、第1レーザ素子及び第2レーザ素子と光路合成素子との間隔を小さくできる。また、倍率変換素子を挿抜するために必要なスペースも不要となる。これにより、光ピックアップ装置の小型化が実現できるものである。
本発明の一実施の形態における光ディスク装置の構成図 本発明の一実施の形態における光ピックアップ装置の光学系の構成図 本発明の一実施の形態における光路合成素子の構成図 本発明の一実施の形態における波長選択性素子の構成図 本発明の一実施の形態における波長選択性素子の屈折率の波長依存性を示す図 本発明の一実施の形態における波長選択性素子の他の例の構成図 本発明の一実施の形態における波長選択性素子のさらに他の例の構成図 本発明の一実施の形態における波長選択性素子のさらに他の例の構成図 本発明の一実施の形態における光ピックアップ装置の光学系の他の例の構成図
以下本発明の一実施の形態の光ピックアップ装置を光ディスク装置として活用したものを、添付図面を用いて説明する。
図1に示すように、光ディスク装置1において、カバー2は上カバー2aと下カバー2bで構成され、カバー2は一方の端部に開口2cを有した袋状の構成となっている。カバー2には、トレイ3が開口2cから挿抜自在に保持されており、トレイ3は樹脂材料等の軽量な材料で構成されている。トレイ3にはフロント部分にベゼル4が設けられており、このベゼル4はトレイ3をカバー2内に収納した際に開口2cを塞ぐようになっている。ベゼル4にはイジェクトボタン5が表出しており、このイジェクトボタン5を押すことで、図示していない機構によって、カバー2からトレイ3が開口2cからわずかに飛び出し、トレイ3はカバー2に対して出し入れ可能となる。
レール6は下カバー2bに保持され、しかもトレイ3の両側部に係合されている。レール6は、下カバー2bとトレイ3とに対して、トレイ3を挿抜する方向に所定の範囲で摺動可能に構成されている。
トレイ3には、光ピックアップモジュール7が取り付けられている。光ピックアップモジュール7には光ディスクを回転駆動させるスピンドルモータ8が設けられており、さらには、スピンドルモータ8に対して近づいたり離れたりする光ピックアップ装置10が移動自在に設けられている。
光ディスク装置1に光ピックアップ装置10を搭載している。後述するように光ピックアップ装置10は小型化が実現できるものであるので、光ディスク装置1も小型化が実現できる。
次に、光ピックアップ装置10の光学系について説明する。
図2に示すように、本実施の形態の光ピックアップ装置10は、第1レーザ光を出射する第1レーザ素子11と、第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子12と、第1レーザ光と第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子13と、合成された第1レーザ光または第2レーザ光に作用する波長選択性素子14と、第1レーザ光及び第2レーザ光を光ディスク20に集光する対物レンズ17と、を備える。本実施の形態の波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、小型化を実現できるものである。
すなわち、本実施の形態においては、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、波長選択性素子14を移動させることで生じる光路の変化が第1レーザ光と第2レーザ光で異なる。そのため、波長選択性素子の位置調整により二つのレーザ光の発光位置を一致させるように調整することができる。したがって、第1レーザ素子11及び第2レーザ素子12と光路合成素子13との間に発光位置調整素子及びその調整機構を配置する必要がなく、第1レーザ素子11及び第2レーザ素子12と光路合成素子13との間隔を小さくできる。また、倍率変換素子を挿抜するために必要なスペースも不要となる。これにより、光ピックアップ装置10の小型化が実現できるものである。つまり、波長選択性素子14は、合成された第1レーザ光または第2レーザ光に作用して、光ディスク20に集光される光スポット側から第2レーザ光の発光位置への横倍率を第1レーザ光の発光位置への横倍率よりも相対的に小さくする倍率変換素子と、光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置と第2レーザ光の発光位置とをほぼ同じ位置とする発光位置調整素子とを兼ねたものとして作用する。
本実施の形態について、さらに詳細に説明する。
図2に示すように、第1レーザ素子11は、Blu−Ray Disc(BD)用の405nmの第1波長を持つ青色光である第1レーザ光を出射する。第2レーザ素子12は、第1レーザ光よりも長波長であるDVD用の650nmの第2波長を持つ赤色光である第2レーザ光を出射する。第1レーザ素子11と第2レーザ素子12とは、一つのパッケージ内に配置され、レーザモジュールを構成する。第1レーザ光と第2レーザ光とはほぼ同じ方向に向けて出射される。第2レーザ素子12は、第2レーザ光よりも長波長であるCD用の780nmの第3波長を持つ赤外光である第3レーザ光も出射する。
光路合成素子13は、図2に示すように第1レーザ素子11及び第2レーザ素子12と対向して設けられる。図3に示すように、光路合成素子13は3つのガラス部材が接合して設けられており、それぞれのガラス部材の境界が第1傾斜面13aと第2傾斜面13bである。所定の間隔で出射される第1レーザ光11の光軸と第2レーザ光12の光軸とをほぼ一致させてコリメートレンズ16の光軸に合わせる働きを持つ。第1傾斜面13aは第1レーザ素子11側の反射膜層13cと接着剤層13dからなる。第2傾斜面13bは第1傾斜面13a側の波長選択膜層13eと接着剤層13fからなる。この波長選択膜層13eは短波長レーザ光である第1レーザ光をビームスプリッタ15側に反射するとともに、長波長レーザ光である第2レーザ光をそのまま透過する働きを持つ。反射膜層13cは金属膜や積層誘電体膜で構成される。波長選択膜層13eは積層誘電体膜で構成される。また、接着剤層13dと接着剤層13fとは樹脂材料で構成される。
また、第1傾斜面13aと第2傾斜面13bは第1レーザ光及び第2レーザ光が入射する入射面13gに対し45度の傾斜を持っている。入射面13gに平行な方向の第1傾斜面13aと第2傾斜面13bの間隔は、同じ方向の第1レーザ光と第2レーザ光の出射位置の間隔と等しくなるように設定される。
第1レーザ光は入射面13gから光路合成素子13に入射すると第1傾斜面13aの反射膜層13c、第2傾斜面13bの波長選択膜層13eに反射されて出射面13hから出射される。したがって、第1レーザ光は第1傾斜面13aの接着剤層13dと第2傾斜面13bの接着剤層13fを透過しないので、第1傾斜面13aまたは第2傾斜面13bにおける第1レーザ光の光密度が高いものであっても樹脂材料からなる接着剤層13d、13fを劣化させてしまうことがない。すなわち、第1レーザ素子11は光路合成素子13に近接させて配置することができる。そのため、光ピックアップ装置10を小型化することができる。
また、第2レーザ光は、入射面13gから光路合成素子13に入射すると、第2傾斜面13bを接着剤層13f、波長選択膜層13eの順に透過して直進し、出射面13hから出射する。このとき第2レーザ素子12から出射された第2レーザ光は接着剤層13fを通過するが、第2レーザ光は第1レーザ光に比べて波長が長いので、樹脂材料への影響はほとんど無視することができる。
波長選択性素子14は、図4に示すように、境界面14cがレンズ形状の第1部材14aと第2部材14bで形成されるレンズとした。ここで、光路合成素子13側を第1部材14a、光ディスク20側を第2部材14bとした。第1部材14a、第2部材14bを構成する材料は、透明な光学樹脂または光学ガラスである。波長選択性素子14は、第1波長における第1部材14aと第2部材14bの屈折率の差と第2波長における第1部材14aと第2部材14bの屈折率の差とが異なるように、第1部材14aまたは第2部材14bに染料または顔料を添加した。境界面14cは、第1部材14aの表面が凸形状になるようにした。このように簡単な構成で波長選択性素子14を作ることができ、製造する上においても安価に製造することができる。
ある波長域に光吸収を持つ染料や顔料のような色材を透明な材料に分散、溶解させると、図5に示すように、その周辺の波長域においてその透明な材料の屈折率の波長依存性が大きくなり、屈折率が大きくなる異常分散効果が得られる。図5において、第2部材14bに色材が添加されている。この性質を利用すると、第1波長における第1部材14aと第2部材14bの屈折率の差と第2波長における第1部材14aと第2部材14bの屈折率の差とが異なるようにすることができる。図5では、第1波長において第1部材14aと第2部材14bの屈折率が等しく、第2波長において異なるようにした。
第1波長において第1部材14aの屈折率と第2部材14bの屈折率が等しいので、第1レーザ光は波長選択性素子14をそのまま透過する。すなわち、波長選択性素子14は第1レーザ光に対しレンズとしてのパワーの大きさがほぼ0である。第2波長において第1部材14aの屈折率は第2部材14bの屈折率よりも大きいので、波長選択性素子14は第2レーザ光に対して凸レンズとして作用する。すなわち、波長選択性素子14は第2レーザ光に対しレンズとしてのパワーの大きさが正である。第3波長においても第1部材14aの屈折率と第2部材14bの屈折率の差は第2波長における屈折率の差とほぼ等しいので、波長選択性素子14は第3レーザ光に対し、第2レーザ光に対するのとほぼ同じ凸レンズとして作用する。すなわち、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対しては凸レンズとして作用するが、第1レーザ光に対してはレンズとして作用しない。言い換えると、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対しレンズのパワーの大きさが正で、第1レーザ光に対しレンズとしてのパワーの大きさがほぼ0である。つまり、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きい。そのため、波長選択性素子14は、光ディスク20に集光される光スポット側から第2レーザ光の発光位置への横倍率を第1レーザ光の発光位置への横倍率よりも相対的に小さくする倍率変換素子である。すなわち、第2レーザ光は第1レーザ光よりも広範囲の光が取り込まれるため光利用効率を高くできる。一方、第1レーザ光は第2レーザ光よりも光量分布が小さい範囲に収まるため記録再生特性が良好なものとなる。
図5において、第1波長において第1部材14aと第2部材14bの屈折率が等しくなるようにしたが、それに限るものではない。第1波長において第1部材14aの屈折率が第2部材14bの屈折率よりも大きくても良い。その場合、第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーは、正ではあるが第2レーザ光に対するよりは小さいものとなる。また、第1波長において第1部材14aの屈折率が第2部材14bの屈折率よりも小さくても良い。その場合、第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーは、負となるので第2レーザ光に対するパワーよりも小さいものとなる。いずれにしても波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きい。
図5において、波長選択性素子14は、第1部材14a側の境界面14cを凸形状とし、第2部材14bに色材を添加して、第1波長における第1部材14aの屈折率と第2部材14bの屈折率を等しくし第2波長における第1部材14aの屈折率を第2部材14bの屈折率よりも大きくして、第1レーザ光に対してレンズとして作用させず第2レーザ光に対して凸レンズとして作用させるようにした。しかし、この組み合わせに限るものではなく、さまざまな組み合わせとして構わない。
たとえば、第1部材14a側の境界面14cを凹形状とし、第1部材14a及び第2部材14bのベース材料に同じ材料を用い、第1部材14aに色材を添加する構成としても良い。この場合、異常分散効果の影響が小さい第2波長において第1部材14aと第2部材14bの屈折率が等しく、第1波長において第1部材14aの屈折率が第2部材14bの屈折率よりも大きくなる。そのため、波長選択性素子14は、第1レーザ光に対して凹レンズとして作用し、第2レーザ光に対してレンズとして作用しない。すなわち、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対しレンズとしてのパワーの大きさがほぼ0で、第1レーザ光に対しレンズとしてのパワーの大きさが負である。つまり、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きい。そのため、この構成においても波長選択性素子14は、光ディスク20に集光される光スポット側から第2レーザ光の発光位置への横倍率を第1レーザ光の発光位置への横倍率よりも相対的に小さくする倍率変換素子である。この構成の場合、第1部材14aと第2部材14bに用いる材料が共通なので、この倍率変換素子14を製造する上において管理が楽になるという効果も得られる。もちろん、第1部材14aのベース材料と第2部材14bのベース材料とに異なる材料を用いても構わないし、第2波長において第1部材14aの屈折率と第2部材14bの屈折率が異なるようにしても構わない。
図2に示すように、ビームスプリッタ15は、波長選択性素子14と対物レンズ17との間に配置される。ビームスプリッタ15はレーザ素子11から出射された第1レーザ光及び第2レーザ素子12から出射された第2レーザ光が光ディスク20に向かう往路光と往路光が光ディスク20で反射されて戻る復路光とを分岐する。分岐された復路光は光検出器18へ向かう。ビームスプリッタ15は、内部に傾斜面を有するプリズムであり、往路光をその傾斜面でそのまま透過させ、復路光をその傾斜面で反射させることで、往復光路を分岐する。
コリメートレンズ16は、ビームスプリッタ15と対物レンズ17との間に配置される。コリメートレンズ16は、ビームスプリッタ15からの往路光をほぼ平行光に変換して対物レンズ17に入射させる。また、逆に、対物レンズ17からの平行光の復路光を光検出器18で集光するような集束光に変換する。
対物レンズ17はコリメートレンズ16からの第1レーザ光及び第2レーザ光を光ディスク20に集光する。また、光ディスク20で反射した第1レーザ光及び第2レーザ光が入射し、逆にほぼ平行光に変換する。光ディスク20にはBD、DVD、CD等があるので、コリメートレンズ16と対物レンズ17との間で光路を分岐して、それぞれで最適化させたBD用の対物レンズ17とDVD/CD用の対物レンズ17の二つの対物レンズ17を配置しても構わない。
光検出器18は、ビームスプリッタ15からの復路光を検出する。光検出器18には第1レーザ光、第2レーザ光、第3レーザ光をそれぞれ受光するためのフォトダイオードが配置されている。光検出器18のフォトダイオードに入射した光は光検出器18で電気信号に変換されて光ディスク装置1に送られて、光ディスク20に記録された情報の再生やフォーカスサーボ、トラッキングサーボ等に用いられる。本実施の形態における光検出器18には第1レーザ光、第2レーザ光、第3レーザ光がそれぞれほぼ集光状態で入射する。
第1レーザ光、第2レーザ光の光路は以下の通りとなる。すなわち、図2に示すように、第1レーザ光は、第1レーザ光11から出射し、光路合成素子13、波長選択性素子14、ビームスプリッタ15、コリメートレンズ16、対物レンズ17を通過して光ディスク20に集束する。第1レーザ光は光ディスク20で反射して復路光として対物レンズ17、コリメートレンズ16を通過してビームスプリッタ15に至る。そして第1レーザ光はビームスプリッタ15で分岐されて光検出器18に入射して電気信号に変換される。変換された電気信号は光ディスク装置1に送られる。第2レーザ光は、第2レーザ光12から出射し、光路合成素子13、波長選択性素子14、ビームスプリッタ15、コリメートレンズ16、対物レンズ17を通過して光ディスク20に集束する。第2レーザ光は光ディスク20で反射して復路光として対物レンズ17、コリメートレンズ16を通過してビームスプリッタ15に至る。そして第2レーザ光はビームスプリッタ15で分岐されて光検出器18に入射して電気信号に変換される。変換された電気信号は光ディスク装置1に送られる。
次に、波長選択性素子14の発光位置調整素子としての作用について説明する。前述の通り、光検出器18には第1レーザ光、第2レーザ光、第3レーザ光がそれぞれほぼ集光状態で入射する。第1レーザ光、第2レーザ光、第3レーザ光をそれぞれ受光するためのフォトダイオードの相対位置は固定されている。したがって、この光検出器18のフォトダイオードに入射する第1レーザ光、第2レーザ光、第3レーザ光の相対的な位置がフォトダイオードの相対位置とずれていると、フォトダイオードに正確に入射しない光が出てしまう。そのため、その光に関しては記録や再生の特性に不具合が発生する可能性が出てくる。それは、第1レーザ光、第2レーザ光、第3レーザ光の相対的な集光状態が変わっても同様である。その不具合を発生させないために光ディスク20側から見た各レーザ光の発光位置を所定の範囲内としなければならない。
本実施の形態の場合、第2レーザ素子12が半導体プロセスで作られるため、第2レーザ光の発光位置と第3レーザ光の発光位置との間隔の精度は高く、所定の範囲内と考えて良い。ところが、第1レーザ素子11と第2レーザ素子12は実装されるので第1レーザ光の発光位置と第2レーザ光の発光位置の間隔にはある誤差があると考えられる。また、光路合成素子13の第1傾斜面13aと第2傾斜面13bとの間隔もある誤差があると考えられる。したがって、入射面13gに平行な方向の第1傾斜面13aと第2傾斜面13bの間隔は、同じ方向の第1レーザ光と第2レーザ光の出射位置の間隔と等しくなるように設定されるとはしたものの、結果として、光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置と第2レーザ光の発光位置とは所定の範囲内にあるとは言えない場合があると考えられる。そこで、光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置と第2レーザ光の発光位置とをほぼ同じ位置とするために、発光位置調整素子として波長選択性素子14を用いた。
本実施の形態において、波長選択性素子14は、前述の通り、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きくなるようにした。たとえば、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対しては凸レンズとして作用する。凸レンズとして作用するために、波長選択性素子14を図2に示すように光軸方向に移動させると光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置は光軸方向に移動する。また、光軸と直交方向に移動させると光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置は光軸と直交方向に移動する。そのため、波長選択性素子14の位置により、光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置を調整することができる。
この波長選択性素子14の移動量と光ディスク20側から見たレーザ光の発光位置の移動量はレーザ光に対するレンズとしてのパワーの絶対値が大きいほど大きく、パワーの符号が逆になると移動方向が逆になる。したがって、波長選択性素子14を移動させた場合、光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置の移動量と光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置の移動量とは異なる。そのため、波長選択性素子14を移動させることで光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置と第2レーザ光の発光位置とをほぼ同じ位置に調整することができる。したがって、波長選択性素子14は発光位置調整素子として機能する。
ここで、第1レーザ光または第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさがほぼ0であるように波長選択性素子14を構成すると、光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置または光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置は波長選択性素子14の移動によってはほとんど移動しない。そのため、発光位置を調整する際に波長選択性素子14を移動して発光位置が移動するのは一つの発光位置のみであるので、調整が楽である。
以上のように、本実施の形態の光ピックアップ装置10は、第1レーザ光を出射する第1レーザ素子11と、第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子12と、第1レーザ光と第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子13と、合成された第1レーザ光または第2レーザ光に作用する波長選択性素子14と、第1レーザ光及び第2レーザ光を光ディスク20に集光する対物レンズ17と、を備える。波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、小型化を実現できるものである。
すなわち、本実施の形態においては、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、波長選択性素子14を移動させることで生じる光路の変化が第1レーザ光と第2レーザ光で異なる。そのため、波長選択性素子の位置調整により二つのレーザ光の発光位置を一致させるように調整することができる。したがって、第1レーザ素子11及び第2レーザ素子12と光路合成素子13との間に発光位置調整素子及びその調整機構を配置する必要がなく、第1レーザ素子11及び第2レーザ素子12と光路合成素子13との間隔を小さくできる。また、倍率変換素子を挿抜するために必要なスペースも不要となる。これにより、光ピックアップ装置10の小型化が実現できるものである。つまり、波長選択性素子14は、合成された第1レーザ光または第2レーザ光に作用して、光ディスク20に集光される光スポット側から第2レーザ光の発光位置への横倍率を第1レーザ光の発光位置への横倍率よりも相対的に小さくする倍率変換素子と、光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置と第2レーザ光の発光位置とをほぼ同じ位置とする発光位置調整素子とを兼ねたものとして作用する。
また、本実施の形態において、光ピックアップ装置10は、光ディスク20に向かう往路光と光ディスク20で反射されて戻る復路光とを分岐するビームスプリッタ15と、ビームスプリッタ15からの復路光を検出する光検出器18と、を備え、ビームスプリッタ15は、波長選択性素子14と対物レンズ17との間に配置した。そのため、波長選択性素子14によって光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置と第2レーザ光の発光位置とをほぼ同じ位置に調整された状態で往路光は光ディスク20に入射し、復路光はその調整状態で光検出器18に入射する。したがって、第1レーザ光と第2レーザ光とは所定の相対位置で光検出器18に入射することになる。仮に、ビームスプリッタ15を光路合成素子13と波長選択性素子14との間に配置すると、往路光は調整状態で光ディスク20に入射するが、復路光は発光位置の調整がなされていないのと同じ状態で光検出器18に入射することになる。したがって、このような配置は適切ではなく、ビームスプリッタ15は、波長選択性素子14と対物レンズ17との間に配置することが望ましい。
また、本実施の形態において、光ピックアップ装置10は、さらに往路光をほぼ平行光に変換して対物レンズ17に入射させるコリメートレンズ16をビームスプリッタ15と対物レンズ17との間に配置した。前述のようにコリメートレンズ16は復路光を光検出器18でほぼ集光するように変換する。したがって、ビームスプリッタ15と光検出器18との間に光検出器18に集光させるレンズを配置する必要がないので、さらに光ピックアップ装置10の小型化を図ることができる。
次に、本実施の形態において波長選択性素子14を図6に示す波長選択性素子21に置き換えた例について説明する。波長選択性素子21は、境界面21cがレンズ形状の第1部材21aと第2部材21bで形成され、第1波長における第1部材21aと第2部材21bの屈折率の差と第2波長における第1部材21aと第2部材21bの屈折率の差とが異なるように、第1部材21aまたは第2部材21bに染料または顔料を添加したレンズとし、さらに、この境界面21cは、図6に示すように、フレネル面とした。フレネル面はレンズ面である輪帯部21eと隣接する輪帯部21e同士をつなぐ段差部21fとで構成される。
境界面21cをフレネル面で形成する場合、以下のようにして製造することができる。
まず、透明基板21d上に第1部材21aとなる光学樹脂をスピンコート法で塗布し、加熱保持し、光学樹脂を硬化する。次に所定のパターンになるようなマスクパターンを介して紫外線照射、現像して所定の凹凸形状を作製して第1部材21aとする。たとえばグレースケールのマスクパターンを用いることにより滑らかな輪帯部形状を実現することができる。次に第2部材21bとなる光学樹脂をこの凹凸形状の凹部に充填し、透明基板21gを重ね合わせる。このとき透明基板21dと透明基板21gに挟み込まれるため第1部材21aと第2部材21bを合わせた部材の厚さは一定とすることができる。最後に第2部材21bとなる光学樹脂に紫外線を照射し重合させて第2部材21bとする。
段差部21fの深さは段差部21fによる光路長差が第1波長と第2波長のうちレンズとして作用させる波長のほぼ自然数倍となるように設定することが望ましい。そのように設定すれば、位相差による干渉が抑制されるため、波長選択性素子21が通常のレンズ形状の場合と同等の光を出射することができる。たとえば、第1レーザ光をそのまま透過するように、第1波長において第1部材21aの屈折率と第2部材21bの屈折率が等しくなるようにする。さらに第2波長において第1部材21aの屈折率と第2部材21bの屈折率が異なるようにし、段差部21fによる光路差が第2波長のほぼ自然数倍となるようにする。
また、波長選択性素子21を第1レーザ光と第2レーザ光の両方に対してレンズとして作用させる場合には、段差部21fによる光路差が第1波長と第2波長の両方のほぼ自然数倍となるようにする。そのように設定すれば、第1レーザ光に対しても第2レーザ光に対しても、位相差による干渉が抑制されるため、波長選択性素子21は通常のレンズ形状の場合と同等の光を出射することができる。
レンズ形状の部分の厚さは、段差部21fの深さが波長の自然数倍というオーダーで非常に薄くでき、波長選択性素子21全体としても薄くすることが可能である。そのため、さらに光ピックアップ装置10の小型化を図ることが可能となる。
次に、本実施の形態において波長選択性素子14を図7に示す波長選択性素子22に置き換えた例について説明する。この例では、波長選択性素子22は、図7に示すように、複数段数の段差を有する回折レンズ22aとした。図7では段数は4段である。波長選択性素子22は、波長選択性素子21の場合と同様に、透明基板22b上に硬化した光学樹脂に対してマスクパターンを介して紫外線照射、現像して所定の凹凸形状を作製して回折レンズ22aを形成する。
回折レンズ22aにおいて、全段の段差による光路長差が第1レーザ光または第2レーザ光のうち一方の波長の自然数倍と等しく、一段の段差による光路長差が一方の波長の自然数倍と異なり他方の波長の自然数倍と等しくした。すなわち、第1レーザ光に対し、一段の段差による光路長差が第1波長の自然数倍となるようにした。すると、全段の段差による光路長差も第1波長の自然数倍となる。したがって、第1レーザ光は回折されずに、この回折レンズ22aをそのまま通過する。また、第2レーザ光に対し、一段の段差による光路長差が第2波長の自然数倍と異なるが、全段の段差による光路長差は第2波長の自然数倍となるようにした。その結果、最大効率で回折させることができる。すなわち、回折レンズ22aは第1レーザ光をそのまま通過させ、第2レーザ光を最大効率で回折させる波長選択性を有することができる。そして、波長選択性素子22は、第2レーザ光に対しレンズのパワーの大きさが正となるようにする。すると、第1レーザ光に対しレンズとしてのパワーの大きさがほぼ0であるので、波長選択性素子21は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいものとなる。
この波長選択性素子22は、波長選択性素子21と同様にレンズ形状の部分の厚さを非常に薄くでき、波長選択性素子22全体としても薄くすることが可能である。そのため、さらに光ピックアップ装置10の小型化を図ることが可能となる。
次に、本実施の形態において波長選択性素子14を図8に示す波長選択性素子23に置き換えた例について説明する。この例では、波長選択性素子23は、図8に示すように、入射するレーザ光に応じて印加する電圧を変えることにより液晶分子配向状態を変えて液晶23aの屈折率を変える液晶レンズとした。液晶レンズは、透明基板23b、23cの間に透明電極23d、23eと液晶23aとを介在させて構成する。透明電極23d、23eの間には絶縁スペーサ23fを設け、二つの透明電極23d、23e間は絶縁されている。透明電極23d、23eには駆動電源24が接続されている。透明基板23bまたは透明基板23cの互いに対向する面の少なくとも一方の形状はレンズ状としている。図8においては、透明基板23bの対向面は平面、透明基板23cの対向面は凹レンズ状とした。透明電極23d、23eは膜であるので、液晶23aの形状は、透明電極23d側が平面、透明電極23e側が凸レンズ状である。
液晶23aは、駆動電源24からの印加電圧に応じて液晶分子配向状態が変わり屈折率が変化する。つまり、液晶23aの屈折率と透明基板23cの屈折率の差を印加電圧で制御できるため、印加電圧によりレンズとしてのパワーを変えることができる。たとえば、ある印加電圧で液晶23aの屈折率と透明基板23cの屈折率が等しくなるようにすれば、光はそのまま透過する。また、他の印加電圧で液晶23aの屈折率が透明基板23cの屈折率よりも大きくなるようにすれば、通過する光は凸レンズとしての作用を受ける。したがって、第1レーザ光が出射されるときに第1レーザ光に対してレンズとして所定のパワーを持つように第1印加電圧で液晶23aを駆動し、第2レーザ光が出射されるときに第2レーザ光に対してレンズとしてより大きなパワーを持つように第2印加電圧で液晶23aを駆動すれば、波長選択性素子23は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいものとなる。このように、波長選択性素子23も波長選択性を有する。
この波長選択性素子23は、印加電圧によって、レンズとしてのパワーを変えることができる。したがって、光ピックアップ装置10の組み立てが終わってから、光軸方向の発光位置の微調整が可能であり、より良い記録再生特性を実現できる。
次に、本実施の形態において、光路合成素子13を図9に示す光路合成素子25に置き換えた例について説明する。この例では、図9に示すように、光路合成素子25は三角形のプリズムを2枚貼り合わせた構成である。第1レーザ素子11と第2レーザ素子12とは互いに異なる三角形のプリズムと対向するように配置する。第1レーザ素子11から出射した第1レーザ光はこの貼り合わせ面で反射して光ディスク20へ向かう。また、第2レーザ素子12から出射した第2レーザ光は貼り合わせ面を透過して光ディスク20へ向かう。貼り合わせ面の第1レーザ素子11側に波長選択膜層を設け、第2レーザ素子12側に接着剤層を設けた。これにより、第1レーザ光は接着剤層を通過しないので、第1レーザ光の光密度が高いものであっても樹脂材料からなる接着剤層を劣化させてしまうことがない。
このような光路合成素子25の構成においても、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きい。たとえば、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対しては凸レンズとして作用する。凸レンズとして作用するために、波長選択性素子14を図9に示すように光軸方向に移動させると光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置は光軸方向に移動する。また、光軸と直交方向に移動させると光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置は光軸と直交方向に移動する。そのため、波長選択性素子14の位置により、光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置を調整することができる。
この波長選択性素子14の移動量と光ディスク20側から見たレーザ光の発光位置の移動量はレーザ光に対するレンズとしてのパワーの絶対値が大きいほど大きく、パワーの符号が逆になると移動方向が逆になる。したがって、波長選択性素子14を移動させた場合、光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置の移動量と光ディスク20側から見た第2レーザ光の発光位置の移動量とは異なる。そのため、波長選択性素子14を移動させることで光ディスク20側から見た第1レーザ光の発光位置と第2レーザ光の発光位置とをほぼ同じ位置に調整することができる。したがって、波長選択性素子14は光路合成素子25を用いても発光位置調整素子として機能する。
すなわち、光路合成素子25を用いた場合においても、波長選択性素子14は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、波長選択性素子14を移動させることで生じる光路の変化が第1レーザ光と第2レーザ光で異なる。そのため、波長選択性素子の位置調整により二つのレーザ光の発光位置を一致させるように調整することができる。したがって、第1レーザ素子11及び第2レーザ素子12と光路合成素子25との間に発光位置調整素子及びその調整機構を配置する必要がなく、第1レーザ素子11及び第2レーザ素子12と光路合成素子25との間隔を小さくできる。また、倍率変換素子を挿抜するために必要なスペースも不要となる。これにより、光ピックアップ装置10の小型化が実現できるものである。
以上のように本発明は、第1レーザ光を出射する第1レーザ素子と、第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子と、第1レーザ光と第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子と、合成された第1レーザ光または第2レーザ光に作用する波長選択性素子と、第1レーザ光及び第2レーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、を備え、波長選択性素子は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、小型化を実現できるものである。
すなわち、本発明においては、波長選択性素子は、第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいので、波長選択性素子を移動させることで生じる光路の変化が第1レーザ光と第2レーザ光で異なる。そのため、波長選択性素子の位置調整により二つのレーザ光の発光位置を一致させるように調整することができる。したがって、第1レーザ素子及び第2レーザ素子と光路合成素子との間に発光位置調整素子及びその調整機構を配置する必要がなく、第1レーザ素子及び第2レーザ素子と光路合成素子との間隔を小さくできる。また、倍率変換素子を挿抜するために必要なスペースも不要となる。これにより、光ピックアップ装置の小型化が実現できるものである。
したがって、本発明の光ピックアップ装置及び光ディスク装置はパーソナルコンピュータやBDやDVDのような記録再生装置への活用が期待されるものである。
1 光ディスク装置
2 カバー
2a 上カバー
2b 下カバー
2c 開口
3 トレイ
4 ベゼル
5 イジェクトボタン
6 レール
7 光ピックアップモジュール
8 スピンドルモータ
10 光ピックアップ装置
11 第1レーザ素子
12 第2レーザ素子
13 光路合成素子
13a 第1傾斜面
13b 第2傾斜面
13c 反射膜層
13d 接着剤層
13e 波長選択膜層
13f 接着剤層
13g 入射面
13h 出射面
14 波長選択性素子
14a 第1部材
14b 第2部材
14c 境界面
15 ビームスプリッタ
16 コリメートレンズ
17 対物レンズ
18 光検出器
20 光ディスク
21 波長選択性素子
21a 第1部材
21b 第2部材
21c 境界面
21d、21g 透明基板
21e 輪帯部
21f 段差部
22 波長選択性素子
22a 回折レンズ
22b 透明基板
23 波長選択性素子
23a 液晶
23b、23c 透明基板
23d、23e 透明電極
23f 絶縁スペーサ
24 駆動電源
25 光路合成素子

Claims (11)

  1. 第1レーザ光を出射する第1レーザ素子と、
    前記第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子と、
    前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子と、
    合成された前記第1レーザ光または前記第2レーザ光に作用する波長選択性素子と、
    前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、を備え、
    前記波長選択性素子は、前記第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが前記第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいことを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記波長選択性素子は、前記第1レーザ光または前記第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさがほぼ0であることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記波長選択性素子は、前記光ディスクに集光される光スポット側から前記第2レーザ光の発光位置への横倍率を前記第1レーザ光の発光位置への横倍率よりも相対的に小さくする倍率変換素子と、前記光ディスク側から見た前記第1レーザ光の発光位置と前記第2レーザ光の発光位置とをほぼ同じ位置とする発光位置調整素子とを兼ねたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記光ディスクに向かう往路光と前記光ディスクで反射されて戻る復路光とを分岐するビームスプリッタと、前記ビームスプリッタからの復路光を検出する光検出器と、を備え、前記ビームスプリッタは、前記波長選択性素子と前記対物レンズとの間に配置したことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記波長選択性素子は、境界面がレンズ形状の第1部材と第2部材で形成され、前記第1波長における前記第1部材と前記第2部材の屈折率の差と前記第2波長における前記第1部材と前記第2部材の屈折率の差とが異なるように、前記第1部材または前記第2部材に染料または顔料を添加したレンズとしたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記境界面をフレネル面としたことを特徴とする請求項5記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記フレネル面はレンズ面である輪帯部と隣接する前記輪帯部同士をつなぐ段差部とで構成され、前記段差部による光路長差は前記第1波長と前記第2波長のうち前記レンズとして作用させる波長のほぼ自然数倍としたことを特徴とする請求項6記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記波長選択性素子は、複数段数の段差を有し、全段の前記段差による光路長差が前記第1レーザ光または前記第2レーザ光のうち一方の波長の自然数倍と等しく、一段の前記段差による光路長差が前記一方の波長の自然数倍と異なり他方の波長の自然数倍と等しくした回折レンズとしたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  9. 前記波長選択性素子は、入射するレーザ光に応じて印加する電圧を変えることにより液晶分子配向状態を変えて液晶の屈折率を変える液晶レンズとしたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  10. 前記第2レーザ素子は、前記第2レーザ光よりも長波長の第3レーザ光を出射することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップ装置。
  11. 第1レーザ光を出射する第1レーザ素子と、
    前記第1レーザ光よりも長波長の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子と、
    前記第1レーザ光と前記第2レーザ光とを一つの光路に合成する光路合成素子と、
    合成された前記第1レーザ光または前記第2レーザ光に作用する波長選択性素子と、
    前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光を光ディスクに集光する対物レンズと、を備え、
    前記波長選択性素子は、前記第2レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさが前記第1レーザ光に対するレンズとしてのパワーの大きさよりも大きいことを特徴とする光ディスク装置。
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