JP2012062800A - エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エアークリーナ53を介して吸気を清浄化してエンジン12の吸気口12bに混合ガスを供給する際に、吸気通路の経路を切り換え可能に構成されたエンジンの吸気装置40である。そして、エンジン12の吸気口12bにつながる吸気管70の一部がエアクリーナケース50の中に配設され、吸気管70にはエアクリーナケース内に複数の開口部73,74を形成可能な分岐通路76が設けられ、開口部73,74の何れかを開閉する開閉駆動装置60がエアクリーナケース50内に設けられた。
【選択図】図2
Description
この種の吸気装置として、特許文献1に開示されたものは、例えば各気筒に接続された吸気通路の上流端に低速用サージタンクを接続し、この吸気通路の途中に高速用サージタンクを接続するとともに、該接続部に切り換えバルブを配設した構造である。
しかし、前掲の特許文献の対象車両は、4輪車であり比較的大きい吸気系の配置スペースを有している。
また更に、空気流路の切り換え用の駆動源を設ける場合、この駆動源を長期にわたっての良好な作動を保証するためには、保護する収納保護ケース等を設ける構造が望ましいが、このような保護ケースを設ける構造は、スペース的に設けにくいのが現状であった。
エンジンの吸気口につながる吸気管はその一部がエアクリーナケースの中に配設され、前記エアクリーナケース内の前記吸気管の途中に分岐通路が設けられて2つの開口部が形成され、前記開口部の何れか一方を開閉する開閉駆動装置が前記エアクリーナケース内に設けられたことを特徴とする。
また、開閉駆動装置がエアクリーナケース内に設けられたことにより、該ケースにて開閉駆動装置を保護することができ、開閉駆動装置を外部から保護するための専用の収納部材が不要となり、その設置スペースを省略することができる。
低床式鞍乗型車両としての低床式鞍乗型二輪車1は、ヘッドパイプ20から斜め下へダウンチューブ22を延ばし、このダウンチューブ22の中段から後方かつ若干下方に延びた前フレーム31と、ダウンチューブ22の下端から水平にロアチューブ23を延ばして、更に、このロアチューブ23の後端から斜め上へ左右(図面では表裏方向)に分かれたシートレールである後フレーム32(シートレール)と等から車体フレームが構成されている。
また、このエアクリーナケース50からのエアーをエンジン12に供給する吸気管70が設けられている。
なお、乗員Mは、シート6に着座し、足を低床部27に載せ、ハンドル10を握ることで、乗車姿勢を保つように乗車する。
本実施形態に例示する吸気装置40は、その概念的構成として図8および図9に示すように、周知のごとく、エアクリーナケース50内に設けられたエアークリーナ53を介して吸気を清浄化し、スロットルボディ56を介して混合ガスをエンジン12の吸気口12bに供給するものである。
そして、この吸気に際し、エアクリーナケース50の中に配設された後述する開閉駆動装置60によって吸気通路の経路が切り換え可能に構成されている。
なお、エアクリーナケース50は、図2及び図3に示すケース本体51に対して、図4に示すように、エアークリーナ53と蓋52を取付けた構造である。すなわち、本実施形態においては、図2に示すケース本体51の開口側にエアークリーナ53および蓋52がシール部材3を介在させてビス14により固定される。また、蓋52には、ケース吸気口を形成するダクト5がカバー部材8の内側に取付けられる構成となっている。
なお、本実施形態においては、分岐通路76は、後述する湾曲部70aから若干突出する程度で極めて短い分岐流路となるように構成されている。要するに、後述する開閉駆動装置60の嵌合環部67が嵌合可能であればよく、長さは短い程好ましい。
一方、開口部74はエアクリーナケース50のケース前方側に位置した開口であり、ケース内吸気管71がケース外のケース外吸気管72に繋がるべく湾曲した湾曲部70aの湾曲外側に設けられている。そして、この開口部74は、エアクリーナケース50内に取付けられた後述する開閉駆動装置60によって開閉できるように構成されている。
すなわち、図6に示すように、嵌合環部67(開口部74に嵌合する部分)を有する開口筒状部66bと、この開口筒状部66bの一方側(図4中左側方向)から嵌合環部67の突出方向とは反対方向(図中上方向)に張り出して後述する駆動源を保持する駆動源保持部66aとから構成されている。
なお、取付け部本体66の取付け構造については、図9の断面にて示す。すなわち、この取付け部68は、ケース本体51の側面壁51bにおいてケース内方に突出する取付け突部51e(取付け部68に対応して三カ所)に当接した状態で、ケース本体51の外側から止めネジ90によって固定される。
また、この固定された状態においては、嵌合環部67が分岐通路76の開口部74に嵌合されている。
したがって、その駆動源を駆動のための構造を大型化させず平易な構造にて分岐通路76の開口部74の開閉を行うことができる。
このように、開閉駆動装置60は、その取付け構造部分と駆動装置部分とが予め組み立てられた一体構造であって所謂ユニット化されていることによって、その取付けは簡単であり、この取付けによって、吸気管70がエアクリーナケース50への固定が簡単に行える。
このようにして組み立てられた吸気装置40は、図1に示すように、エンジン12の動力伝達ケース41の上方でかつ車体の後フレーム32との間に取付けられる。
このような構成よれば、ケース外吸気管72がエアクリーナケース50とスロットルボディ56との間に大きく湾曲した形状になり、エアクリーナケース50の側面壁51bに対して直交に近い角度で挿入された状態を作ることができる。これにより、開口部74から吸気する有効吸気管長の短い状態におけるエンジン性能の向上が図れる。
なお、図10および図11は、本実施形態における吸気装置40の概略構成を示す概念図であり、実際の形状や位置関係等の構造とは相違する部分もある。特に、図10および図11に示したダイヤフラム弁59は、実際とは異なるが横向きにして、発明の概念を分かり易くするように図示してある。また、分岐通路76は説明の便宜上、図10,図11に示すように湾曲部70aから突出している構造を示してあるが、実際は湾曲部70aに揺動板80が直接配置されているような構成がより好ましい。
本実施形態においては、前述のように、吸気装置40は、エアクリーナケース50内にケース内吸気管71を配置することにより、小型車両における吸気管70の配置スペースが確保され、且つ分岐通路76の開口部74を開閉して空気通路を切り換える。
なお、吸気口12bの直ぐ上流では、スロットルバルブ57を有するスロットルボディ56が配置されている。
すなわち、圧力可変室62が負圧のときは、圧縮バネ63の付勢力に抗してフレキシブル膜65が上がる。このフレキシブル膜65に連動してリンク棒64が上がることで揺動板80が90度回転し、分岐通路76側の開口部74が開くように動作する。
また、揺動軸81が上流側のケース内吸気管71の吸気流に対して平行になっていることは、揺動板80が開状態のときにケース内吸気管71の空気流に対して空気抵抗を小さい向きになるので、空気流が滑らかになりエンジン性能を向上させることができる。
更に、本実施形態においては、吸気管70は、その分岐通路76の開口部74の位置決め並びにその固定が開閉駆動装置60の固定によって同時にできる。
また、本発明においては、上記実施形態に示したエアクリーナケース50,開閉駆動装置60の取付け本体66やダイヤフラム弁59の形状や構造については適宜変更できるものである。
10 ハンドル
12 エンジン
32 後フレーム
40 エンジンの吸気装置
50 エアクリーナケース
59 ダイヤフラム弁
60 開閉駆動装置
61 開閉駆動部
64 リンク棒
66 取付け部本体
67 嵌合環部
68 取付け部
70 吸気管
73,74 開口部
76 分岐通路
80 揺動板
81 揺動軸
Claims (10)
- エアークリーナ(53)を介して吸気を清浄化してエンジン(12)の吸気口(12b)に混合ガスを供給する際に、吸気通路の経路を切り換え可能に構成されたエンジンの吸気装置(40)において、
エンジン(12)の吸気口(12b)につながる吸気管(70)はその一部がエアクリーナケース(50)の中に配設され、前記エアクリーナケース(50)内の前記吸気管(70)の途中に分岐通路(76)が設けられて2つの開口部(73,74)が形成され、前記開口部(73,74)の何れか一方を開閉する開閉駆動装置(60)が前記エアクリーナケース(50)内に設けられたことを特徴とするエンジンの吸気装置(40)。 - 前記開閉駆動装置(60)は、前記開口部(73,74)のいずれか一方に嵌合する嵌合環部(67)および前記エアクリーナケース(50)の内壁に固定される取付け部(68)を備える取付け部本体(66)と、
前記嵌合環部(67)の開口(67a)を開閉するための開閉駆動部(61)と、
が組体として一体構造に構成されたことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの吸気装置(40)。 - 前記開閉駆動装置(60)は、前記エアクリーナケース(50)の長手方向に沿って配設された前記吸気管(70)の途中に設けられた前記開口部(74)を開閉可能に配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジンの吸気装置(40)。
- 前記開閉駆動装置(60)は、開閉駆動部(61)が前記開口部(73,74)の何れかを開閉する揺動自在な揺動板(80)を備え、前記揺動板(80)の揺動軸(81)が前記エアクリーナケース(50)内の吸気管(70)の配設方向の通路軸線(C2)に対して平行に構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のエンジンの吸気装置(40)。
- 前記開閉駆動装置(60)は、その駆動源にダイヤフラム弁(59)を用いたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のエンジンの吸気装置(40)。
- 前記エアクリーナケース(50)は、前記エンジン(12)がユニットスイングエンジンでその動力伝達ケース(41)の上方で且つ車体の後フレーム(32)の下方において車両前後方向に配置された横長形状に構成され、前記吸気管(70)が前記エアクリーナケース(50)内に車体前後方向に沿って配置されたことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のエンジンの吸気装置(40)。
- 前記吸気管(70)は前記エアクリーナケース(50)の側面壁(51b)と底辺壁(51a)とにより構成される角部分(SB)に沿って保持されていることを特徴とする請求項6に記載のエンジンの吸気装置(40)。
- 前記吸気管(70)は前記エアクリーナケース(50)の内側から外に出る部分が湾曲部(70a)を備え、前記開口部(74)が前記湾曲部(70a)の湾曲形状の外側に設けられ、前記開閉駆動装置(60)は前記開口部(74)を開閉するように取付けられていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のエンジンの吸気装置(40)。
- 前記エンジン(12)の吸気口(12b)の上流側に配置されたスロットルボディ(56)内の吸気通路(72a)の通路軸線(C2)が、平面視で車両後方に向って前記エアクリーナケース(50)から遠ざかる方向に傾斜するように構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のエンジンの吸気装置(40)。
- 前記エンジン(12)の吸気口(12b)が、平面視で車体前後方向中心線(C0)よりも前記エアクリーナケース(50)の側に配置されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載のエンジンの吸気装置(40)。
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