JP2012062545A - 金属体の防食構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】防食メッキが施された金属体の耐腐食性を高めることが可能な防食構造を提供する。
【解決手段】防食メッキが施された金属体100の一部であり、平坦性を有する被取付部100aに、前記防食メッキの金属よりも電位が低い金属である流電陽極体2が取り付けられ、前記流電陽極体2の量が、前記金属体100の表面積に応じて設定されている金属体100の防食構造。
【選択図】図1

Description

この発明は、防食メッキが施された金属体の耐腐食性をさらに高めるための金属体の防食構造に関する。
例えば、送電鉄塔の架線金物は、防食のために鉄鋼製の素材に亜鉛メッキが施されているが、鉄塔部材に比べて小型であるため、亜鉛メッキの付着量も鉄塔部材に比べて少なく、耐用年数が短い。このため、早期に架線金物を取り替える必要性が生じる。
一方、被防食金属構造物の表面に透液性層を設け、この透液性層の外側に流電陽極性金属からなる防食層を設けた防食構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、流電陽極本体内にL字形支承金具とL字形当接金具とを鋳込み、防食対象である鋼製槽のボトムロンジの端縁をL字形支承金具とL字形当接金具とで挟持することで、流電陽極本体を固定する防食装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2005−002456号公報 特開平09−111481号公報
ところで、架線金物は、電線を支持するという機能、役割を有するため、亜鉛メッキが減耗した場合に、電線を外して架線金物を取り替えるには、困難性を伴う。特に、特別高圧架空送電線では、架線金物が大きく、取替作業や停電期間が長期間にわたり、多大な労力と費用とを要する。従って、電線を外さずに、架線金物の耐腐食性を高められる技術が望まれる。
一方、特許文献1の技術では、被防食金属構造物の全表面を覆うように透液性層および防食層を設ける必要があり、アークホーンやボルト、Uクレビスなどが取り付けられる架線金物などに対して、特許文献1の技術を適用することは困難である。また、特許文献2の技術では、防食対象物に直線状の端縁を備える必要があり、この端縁をL字形支承金具とL字形当接金具とで挟持するため、流電陽極本体の取付位置が制限され、架線金物などに適用することが困難な場合が多い。
そこでこの発明は、防食メッキが施された金属体の耐腐食性を容易に高めることが可能な金属体の防食構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、防食メッキが施された金属体の一部であり、平坦性を有する被取付部に、前記防食メッキの金属よりも電位が低い金属である流電陽極体が取り付けられ、前記流電陽極体の量が、前記金属体の表面積に応じて設定されている、ことを特徴とする金属体の防食構造である。
この発明によれば、防食メッキと流電陽極体との間に電位差が生じ、防食に必要な電流が流電陽極体から防食メッキに補充される。これにより、防食メッキの腐食が抑制され、その結果、金属体の耐腐食性がさらに高められる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の防食構造において、締結部材を挿入する挿入孔が、前記被取付部と流電陽極体とのそれぞれに形成され、前記流電陽極体が導電性の接着剤を介して前記被取付部に接し、前記被取付部と流電陽極体との挿入孔に締結部材が挿入され、前記締結部材が締結されることで、前記流電陽極体が前記被取付部に取り付けられている、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の防食構造において、前記流電陽極体の前記被取付部側の面に、前記流電陽極体よりも強度が高い導電性の心材が一体的に設けられ、この心材が前記接着剤を介して前記被取付部に接している、ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、金属体の一部である被取付部に流電陽極体を取り付けるだけで、防食メッキの腐食が抑制され、金属体の耐腐食性を容易に高めることができる。しかも、流電陽極体の量が金属体の表面積に応じて設定されているため、金属体の大きさに応じた耐腐食性、耐久性を確保することが可能となる。すなわち、金属体の表面全体を流電陽極体で覆わなくても、金属体全体の耐腐食性を高めることができ、このため、アークホーンやボルトなどが取り付けられる架線金物などにも容易に適用することができ、また、流電陽極体の取付位置・場所が制限されないため、多様な金属体に適用することができる。
しかも、平坦性を有する被取付部に流電陽極体を取り付けるため、容易かつ安定して取り付けることができる。さらに、金属体の一部である被取付部に流電陽極体を取り付ければよいため、使用に供されている既存・既設の金属体に対しても、容易に適用することができる。つまり、既存・既設の金属体の耐腐食性を、容易に高めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、被取付部と流電陽極体との挿入孔に締結部材が挿入された状態で、流電陽極体が被取付部に取り付けられているため、流電陽極体のずれや外れが抑制され、流電陽極体が被取付部に強固に安定して取り付けられる。しかも、流電陽極体が接着剤を介して被取付部に接しているため、流電陽極体と被取付部との接触がより安定するとともに、雨水や塵芥の侵入などが防止され、金属体への防食効果を安定化、向上させることが可能となる。また、被取付部と流電陽極体との挿入孔に締結部材を挿入して、締結部材を締結すればよいため、流電陽極体を容易に被取付部に取り付けることができる。
請求項3に記載の発明によれば、強度が高い心材が流電陽極体に一体的に設けられているため、流電陽極体がマグネシウムのように柔らかい金属であっても、流電陽極体の取り扱いが容易となる。また、強度が高い心材が被取付部に接しているため、締結部材を締結しても、流電陽極体が変形することがなく、強固に、かつ安定して流電陽極体を被取付部に取り付けることができる。
この発明の実施の形態1に係る金属体の防食構造を示す断面図である。 図1の防食構造の平面図である。 図1の防食構造の対象である架線金具周辺を示す平面図である。 海水中における流電陽極金属の諸性能を示す図(a)と、各種鉄鋼の防食電位を示す図(b)である。 この発明の実施の形態2に係る金属体の防食構造を示す断面図である。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る金属体の防食構造を示す断面図であり、図2は、その平面図である。この防食構造は、既に防食処理・防食メッキが施された金属体の耐腐食性をさらに高めるための構造であり、この実施の形態では、防食対象の金属体が架線金物100の場合について説明する。ここで、架線金物100は、図3に示すように、送電鉄塔に配設・架設される碍子装置(二連耐張装置)101を構成し、アークホーン102やクレビス103などが取り付けられている。また、架線金物100は、素材である鋼板に亜鉛メッキ(防食メッキ)が施された亜鉛メッキ鋼板で構成されている。
この防食構造は、まず、架線金物100の一部であり、平坦性を有する部分を被取付部100aとする。すなわち、図2に示すように、アークホーン102やクレビス103などに干渉せずに、後述する防食体1を取り付けられる面積を有する平坦部を被取付部100aとする。さらに、この実施の形態では、既に架線金物100に予備孔としてボルト孔(挿入孔)100bが形成され、このボルト孔100bを中心にして防食体1を取り付けられる部分を被取付部100aとする。
このような被取付部100aに、防食体1が取り付けられ、この防食体1は、流電陽極体2と心金(心材)3とから構成されている。
流電陽極体2は、架線金物100に施された防食メッキの金属よりも電位が低い金属、すなわち、亜鉛よりもイオン化傾向が大きく、亜鉛に対する流電陽極として適している金属で構成されている。具体的には、取扱性・加工性やコストなどからアルミニウム合金とマグネシウム合金とが候補とされるが、図4(a)に示すように、亜鉛に対する有効電位が、マグネシウム合金の方がアルミニウム合金よりも大きく、流電陽極として適していることから、マグネシウム合金で流電陽極体2が構成されている。ここで、図4(b)は、各鋼材の防食電位を示し、これらの値は環境により変動するが、これらの防食電位よりも低電位な金属を流電陽極として接触させ、各鋼材の電位を防食電位以下に下げることで、各鋼材の腐食を防止できるものである。従って、架線金物100が亜鉛メッキ鋼板でない場合には、このような選定基準により、流電陽極体2の構成金属を選定する必要がある。
また、流電陽極体2の量、つまりマグネシウム合金の量は、架線金物100の表面積に応じて、架線金物100の表面全体(亜鉛メッキ全体)を防食できるように設定されている。具体的には、この実施の形態では、架線金物100に被覆されている亜鉛メッキが、10年程度で消耗・消失してしまう環境を想定し、次のようにして算出、設定する。
まず、日本工業規格の「JIS H 8641」(溶融亜鉛メッキ)の2種35(HDZ35)を適用するものとし、次式によって、架線金物100に被覆されている亜鉛メッキの付着量Zgを算出する。
Zg=S×Ug×1.5
ここで、「S」は、架線金物100の表面積であり、「Ug」は、上記規格における単位面積当たりの亜鉛メッキの最低付着量であり、「1.5」は、安全率である。
次に、算出した亜鉛メッキの付着量Zgを、次式によってマグネシウムの量Mgに換算する。
Mg=Zg×(M1/M2)/(Z1/Z2)+α
Z1:亜鉛の化学当量=原子量(65.4)/価数(2)
M1:マグネシウムの化学当量=原子量(24.3)/価数(2)
Z2:亜鉛合金の電流効率=約95%
M2:マグネシウム合金の電流効率=約55%
α:裕度・安全量
このようにして算出された値が、期待される耐用年数が約10年の場合のマグネシウムの必要量Mgとなる。また、このようなマグネシウムの量Mgと、架線金物100の被取付部100aとして確保できる取付面積と、流電陽極であるマグネシウム合金の電位とに基づいて、流電陽極体2の数や大きさを設定する。すなわち、流電陽極体2によって架線金物100(亜鉛メッキ)全体の電位が下がって防食されるように、かつ全体のマグネシウム合金の量が算出した量Mg以上となるように、流電陽極体2の形状(取付面積)と数と各量を設定する。そして、この実施の形態の場合、1体の円盤状の流電陽極体2を取り付けている。
すなわち、円盤状で、中心部に円柱状の心金挿入孔(挿入孔)2aを有し、下面は平坦で、上面の外縁部に丸み(R)が形成されている。このような流電陽極体2の下面(被取付部100a側の面)に、心金3が流電陽極体2に一体的に設けられている。この心金3は、流電陽極体2よりも強度が高い導電性の材料である鋼材で構成され、円板状の円板部31と、この円板部31の中央部から垂直上方に延びる円筒状の円筒部32とから構成されている。
円板部31は、流電陽極体2の外径と同径で、底面側(被取付部100a側)に円板状の窪んだ接着充填部31aが形成され、この接着充填部31aに、後述する接着剤4が充填されるようになっている。また、円筒部32の外径は、流電陽極体2の心金挿入孔2aと同径で、円筒部32の内孔(挿入孔)32aの径は、後述する締結ボルト(締結部材)5を挿入可能な径に設定されている。そして、流電陽極体2の下面が円板部31の上面に当接し、円筒部32が心金挿入孔2aに挿入・圧入された状態で、流電陽極体2と心金3とが一体となっており、円筒部32の上端は、流電陽極体2の上面に位置している。
このような防食体1が、締結ボルト5とナット6とによって、架線金物100の被取付部100aに取り付けられている。すなわち、心金3の接着充填部31aに接着剤4を充填した状態で、心金3の内孔32aと架線金物100のボルト孔100bとを一致させて、心金3を被取付部100aに当接する。ここで、接着剤4は、無溶剤型の導電性パテで、接着充填部31aの内孔32a以外に、接着剤4を充填する。これにより、心金3と被取付部100aとの間に、雨水や塵芥が侵入したり、導電性が劣化するのを防止するものである。
そして、締結ボルト5を心金3の内孔32aおよび架線金物100のボルト孔100bに挿入し、ナット6を締結ボルト5に締め付ける。これにより、流電陽極体2が心金3および接着剤4を介して被取付部100aに接し、締結ボルト5、ナット6によって流電陽極体2(防食体1)が被取付部100a側に押圧された状態で、流電陽極体2が被取付部100aに取り付けられものである。
このような防食構造によれば、架線金物100の亜鉛メッキと流電陽極体2との間に電位差が生じ、防食に必要な電流が流電陽極体2から亜鉛メッキに補充される。これにより、亜鉛メッキの腐食が抑制され、その結果、架線金物100の耐腐食性がさらに高められる。
このように、架線金物100の一部である被取付部100aに流電陽極体2(防食体1)を取り付けるだけで、架線金物100の耐腐食性を容易に高めることができる。しかも、流電陽極体2の量が、所望の年数だけ架線金物100の表面全体を防食できるように設定されているため、架線金物100の大きさに応じた耐腐食性、耐久性を確保することが可能となる。すなわち、架線金物100の表面全体を流電陽極体2で覆わなくても、架線金物100全体の耐腐食性を高めることができ、このため、アークホーン102やクレビス103などが取り付けられる架線金物100などにも容易に適用することができる。同様に、流電陽極体2の取付位置・場所が制限されないため、多様な金属体に適用することができる。
また、平坦性を有する被取付部100aに防食体1を取り付けるため、容易かつ安定して取り付けることができる。さらに、締結ボルト5を内孔32aとボルト孔100bとに挿入してナット6を締め付けるだけでよいため、さらに容易に取り付けることができるとともに、防食体1のずれや外れが抑制され、流電陽極体2が被取付部100aに強固に安定して取り付けられる。しかも、防食体1が接着剤4を介して被取付部100aに接しているため、防食体1と被取付部100aとの接触がより安定するとともに、雨水や塵芥の侵入などが防止され、架線金物100への防食効果を安定化、向上させることが可能となる。一方、強度が高い心金3と流電陽極体2とが一体となっているため、流電陽極体2が柔らかいマグネシウム合金であっても、防食体1・流電陽極体2の取り扱いが容易となる。また、強度が高い心金3が被取付部100aや締結ボルト5に接しているため、流電陽極体2が変形等することがなく、強固に、かつ安定して流電陽極体2を被取付部100aに取り付けることができる。
さらに、架線金物100に既に形成されているボルト孔100bを利用して、防食体1を取り付けるため、容易に取り付けることができるとともに、使用中の既存・既設の架線金物100に対しても、容易に取り付けることができる。また、ボルト孔100bが設けられていない場合であっても、ボルト孔100bを形成するだけで、容易に防食体1を取り付けることができる。このようにして、使用中の架線金物100の耐腐食性を、容易に高めることができる。
そして、これらの結果、設備である架線金物100の延命化、信頼性向上を図ることができるとともに、メンテナンスや補修作業の期間を延長し、それらに要する費用を低減することができる。
(実施の形態2)
図5は、この実施の形態に係る金属体の防食構造を示す断面図である。この実施の形態では、防食体10自体がナットとなっている点で実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付することで、その説明を省略する。
防食体10は、流電陽極体12と心金13とから構成され、流電陽極体12と心金13は、実施の形態1における流電陽極体2と心金3と同様な材質、量などとなっている。ただし、流電陽極体12と心金13とが一体となった状態で、防食体10全体が、ナット形状を呈している。すなわち、心金13の円筒部131の内孔(挿入孔)に、締結ボルト5と螺合する雌ネジ131aが形成され、防食体10の外形・側面が正六角形(六角ナット状)に形成されている。
このような防食体10が、締結ボルト5に締め付けられることで、架線金物100の被取付部100aに取り付けられている。すなわち、締結ボルト5を架線金物100のボルト孔100bに挿入し、心金13の接着充填部13aに接着剤4を充填した状態で、雌ネジ131aを締結ボルト5に螺合させて、防食体10を締結ボルト5に締め付ける。これにより、流電陽極体12が心金13および接着剤4を介して被取付部100aに接した状態で、流電陽極体12が被取付部100aに取り付けられものである。
このように、この実施の形態によれば、実施の形態1と同様に、流電陽極体12によって架線金物100の亜鉛メッキの腐食が抑制され、架線金物100の耐腐食性がさらに高められる。しかも、ナットとして防食体10を締結ボルト5に螺合させるだけで、流電陽極体12(防食体10)を被取付部100aに取り付けることができ、取付性、取り扱い性がより向上する。また、架線金物100に既に取り付けられ、使用されている締結ボルト5のナットを、防食体10と取り替えることで、流電陽極体2を被取付部100aに取り付けることができる。この結果、取付スペースを別途確保できない場合や、予備・未使用のボルト孔100bがない場合などであっても、容易かつ確実に流電陽極体2を取り付けることが可能となり、より多様な金属体に適用することが可能となる。
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、上記の実施の形態では、流電陽極体2、12を架線金物100の片面だけに取り付けているが、架線金物100の両面に取り付けてもよい。また、流電陽極体2、12の強度、形状などによっては、心金3を設けずに、流電陽極体2、12を直接被取付部100aに接触させたり、接着剤4のみを介して被取付部100aに接触させたりしてもよい。この場合、心金3として円筒部32、131のみを設けたり、流電陽極体2、12の上面(解放面)や側面を心材で補強してもよい。
さらに、防食体1、10を1体だけ取り付けているが、上記のように、架線金物100・金属体の表面積や必要量などに応じて、複数取り付けてもよい。また、防食メッキが亜鉛メッキの場合について説明したが、亜鉛メッキ以外の防食メッキの場合には、上記のように、防食メッキの金属よりも電位が低い金属、すなわち、イオン化傾向が大きく、流電陽極として適している金属で、流電陽極体2、12を構成すればよい。さらに、架線金物100の表面に塗装を施した上に防食体1、10を取り付けることで、電気化学反応である腐食反応の進行をより抑制し、耐用年数のさらなる向上を図ってもよい。
1、10 防食体
2、12 流電陽極体
2a 心金挿入孔(挿入孔)
3、13 心金(心材)
32a 内孔(挿入孔)
4 接着剤
5 締結ボルト(締結部材)
100 架線金物(金属体)
100a 被取付部
100b ボルト孔(挿入孔)
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、防食メッキが施された金属体の一部であり、平坦性を有する被取付部に、前記防食メッキの金属よりも電位が低い金属である流電陽極体が取り付けられている金属体の防食構造であって、前記流電陽極体の前記被取付部側の面に、前記流電陽極体よりも強度が高い導電性の心材が一体的に設けられ、締結部材を挿入する挿入孔が、前記被取付部と流電陽極体とのそれぞれに形成され、前記心材が導電性の接着剤を介して前記被取付部に接し、前記被取付部と流電陽極体との挿入孔に締結部材が挿入され、前記締結部材が締結されることで、前記流電陽極体が前記被取付部に取り付けられている、ことを特徴とする金属体の防食構造である。
請求項1に記載の発明によれば、金属体の一部である被取付部に流電陽極体を取り付けるだけで、防食メッキの腐食が抑制され、金属体の耐腐食性を容易に高めることができる。また、流電陽極体の取付位置・場所が制限されないため、多様な金属体に適用することができる。
また、被取付部と流電陽極体との挿入孔に締結部材が挿入された状態で、流電陽極体が被取付部に取り付けられているため、流電陽極体のずれや外れが抑制され、流電陽極体が被取付部に強固に安定して取り付けられる。しかも、流電陽極体が接着剤を介して被取付部に接しているため、流電陽極体と被取付部との接触がより安定するとともに、雨水や塵芥の侵入などが防止され、金属体への防食効果を安定化、向上させることが可能となる。また、被取付部と流電陽極体との挿入孔に締結部材を挿入して、締結部材を締結すればよいため、流電陽極体を容易に被取付部に取り付けることができる。
さらに、強度が高い心材が流電陽極体に一体的に設けられているため、流電陽極体がマグネシウムのように柔らかい金属であっても、流電陽極体の取り扱いが容易となる。また、強度が高い心材が被取付部に接しているため、締結部材を締結しても、流電陽極体が変形することがなく、強固に、かつ安定して流電陽極体を被取付部に取り付けることができる。

Claims (3)

  1. 防食メッキが施された金属体の一部であり、平坦性を有する被取付部に、
    前記防食メッキの金属よりも電位が低い金属である流電陽極体が取り付けられ、
    前記流電陽極体の量が、前記金属体の表面積に応じて設定されている、
    ことを特徴とする金属体の防食構造。
  2. 締結部材を挿入する挿入孔が、前記被取付部と流電陽極体とのそれぞれに形成され、前記流電陽極体が導電性の接着剤を介して前記被取付部に接し、前記被取付部と流電陽極体との挿入孔に締結部材が挿入され、前記締結部材が締結されることで、前記流電陽極体が前記被取付部に取り付けられている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の金属体の防食構造。
  3. 前記流電陽極体の前記被取付部側の面に、前記流電陽極体よりも強度が高い導電性の心材が一体的に設けられ、この心材が前記接着剤を介して前記被取付部に接している、
    ことを特徴とする請求項2に記載の金属体の防食構造。
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