JP2012062396A - 熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】腐食性が改善された熱可塑性エラストマー組成物を提供すること。
【解決手段】下記成分(A)〜(C)と(成分(A)〜(C)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)、下記成分(D)〜(F)とを混合して動的熱処理することにより得られる熱可塑性エラストマー組成物(成分(D)〜(F)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)。
成分(A)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 10〜60重量部
成分(B)ポリオレフィン系樹脂 5〜50重量部
成分(C)鉱物油 0〜70重量部
成分(D)架橋促進剤 0.1〜2重量部、
成分(E)アルキルフェノール樹脂 0.5〜5重量部
成分(F)アルカリ土類金属の水酸化物 0.10〜5重量部
【選択図】なし

Description

本発明は、熱可塑性エラストマー組成物に関するものである。
オレフィン系樹脂とゴムとを動的熱処理することで得られる熱可塑性エラストマー組成物の製造において、架橋剤としてアルキルフェノール樹脂を、架橋促進剤として塩化スズを併用することが知られている(特許文献1)。かかる熱可塑性エラストマーは、加硫工程を必要とせず、熱可塑性樹脂と同様の成形加工性を有し、工程合理化やリサイクル性などの観点から注目され、自動車部品、家電部品、医療用機器部品、電線、などの分野で広範囲に使用されている。
特開平4−63851公報
しかし、従来公知の技術で得られる熱可塑性エラストマー組成物は、引張り強度、圧縮永久歪等の物性面で満足であっても、腐食性があり加工機および金型などを腐食劣化させるという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、腐食性が改善された熱可塑性エラストマー組成物を提供することにある。
本発明は、下記成分(A)〜(C)と(成分(A)〜(C)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)、下記成分(D)〜(F)とを混合して動的熱処理することにより得られる熱可塑性エラストマー組成物(成分(D)〜(F)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)にかかるものである。
成分(A)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 10〜60重量部
成分(B)ポリオレフィン系樹脂 5〜50重量部
成分(C)鉱物油 0〜70重量部
成分(D)架橋促進剤 0.1〜2重量部、
成分(E)アルキルフェノール樹脂 0.5〜5重量部
成分(F)アルカリ土類金属の水酸化物 0.10〜5重量部
さらに本発明は、下記成分(A)〜(C)と(成分(A)〜(C)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)、下記成分(D)〜(G)とを混合して動的熱処理することにより得られる熱可塑性エラストマー組成物(成分(D)〜(G)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)にかかるものである。
成分(A)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 10〜60重量部
成分(B)ポリオレフィン系樹脂 5〜50重量部
成分(C)鉱物油 0〜70重量部
成分(D)架橋促進剤 0.1〜2重量部、
成分(E)アルキルフェノール樹脂 0.5〜5重量部
成分(F)アルカリ土類金属の水酸化物 0.10〜5重量部
成分(G)金属酸化物 0.1〜5重量部
本発明により、腐食性が改善された熱可塑性エラストマー組成物を提供することができる。さらに、成分(A)〜(E)を混合し動的熱処理を施した後に、成分(F)を添加し溶融混練することにより、腐食性が改善されるだけでなく、圧縮永久歪、耐油性、引張り強度にも優れるオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得ることができる。
本発明に用いられる成分(A)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、エチレンに基づく単量体単位(エチレン単位)と炭素原子数3〜10のα−オレフィンに基づく単量体単位(炭素原子数3〜10のα−オレフィン単位)とを有し、JIS K−6253のA硬度が85以下の共重合体である。炭素原子数3〜10のα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、2−メチルプロピレン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンを例示することができ、これらは1種でもよく、2種以上であってもよい。入手容易性の観点から、好ましくは、プロピレン、1−ブテンであり、より好ましくは、プロピレンである。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは、エチレン単位および炭素原子数3〜10のα−オレフィン単位に加え、他の単量体単位を有していてもよい。該他の単量体を形成する単量体としては、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエンおよび2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンのような炭素原子数4〜8の共役ジエン;ジシクロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ジシクロオクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンおよび5−ビニル−2−ノルボルネンのような炭素原子数5〜15の非共役ジエン;酢酸ビニルのようなビニルエステル化合物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸エチルのような不飽和カルボン酸エステル;アクリル酸およびメタクリル酸のような不飽和カルボン酸を例示することができ、これらは1種でもよく、2種以上であってもよい。入手容易性の観点から、好ましくは、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムのエチレン単位の含有量は、通常30〜85重量部であり、好ましくは40〜80重量部であり、炭素原子数3〜10のα−オレフィン単位の含有量は、通常5〜70重量部であり、好ましくは15〜60重量部であり、エチレン単位およびα−オレフィン単位以外の他の単量体単位の含有量は、通常0〜30重量部であり、好ましくは0〜20重量部である(これら単位の合計を100重量部とする。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとして、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−1−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン−1−オクテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−1−オクテン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−ジシクロペンタジエン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−1,4−ヘキサジエン共重合体ゴム、およびエチレン−プロピレン−5−ビニル−2−ノルボルネン共重合体ゴムを例示することができる。これらは1種で用いられてもよく、2種以上組み合わせ用いられてもよい。中でも、エチレン単位の含有量が40〜80重量部であり、プロピレン単位の含有量が15〜60重量部であり、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位の含有量が0〜20重量部であるエチレン−プロピレン共重合体またはエチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体が好ましい。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムのムーニー粘度(ML1+4100℃)は、成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは10以上であり、より好ましくは30以上である。また、成形体の外観を高める観点から、好ましくは350以下であり、より好ましくは300以下である。なお、該ムーニー粘度(ML1+4100℃)は、JIS K6300に従って測定される。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの135℃テトラリン中で測定した極限粘度は、成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは0.5Dl/g以上であり、より好ましくは1Dl/g以上である。また、成形体の外観を高める観点から、好ましくは8Dl/g以下であり、より好ましくは6Dl/g以下である。
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムは公知の方法で製造することができる。
本発明に用いられる(B)成分は、ポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどの単独重合体又は共重合体があげられ、なかでもプロピレン系樹脂が好ましい。
プロピレン系樹脂は公知の重合体であり、公知の重合方法によって重合される。本発明に用いられるプロピレン系樹脂は、プロピレンに基づく単量体単位(プロピレン単位)を50〜100重量部、好ましくは80〜100重量部含有する重合体である。ただし、重合体を100重量部とする。プロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、エチレンおよび炭素原子数4〜10のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、1−ペンテン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン)からなるコモノマー群から選ばれる少なくとも1種のコモノマーとプロピレンとの共重合体をあげることができる。該共重合体は、ランダム共重合体でもよく、ブロック共重合体であってもよい。該共重合体として、より具体的には、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ヘキセン共重合体を例示することができる。プロピレン系樹脂として好ましくは、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体である。
プロピレン系樹脂の立体構造として、アイソタクチック構造、シンジオタクチック構造、およびこれら両構造が混合した構造を例示することができる。好ましくは、主たる構造がアイソタクチック構造であることが好ましい。
プロピレン系樹脂は、重合触媒としてチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒等を用いた公知の重合方法で製造することができる。該重合方法としては、溶液重合法、バルク重合法、スラリー重合法、気相重合法などをあげることができ、これらは2種以上組み合せてもよい。
プロピレン系樹脂のメルトフローレート(JIS K7210に従って、21.18Nの荷重下、温度230℃で測定される。)は、好ましくは0.1〜300g/10分であり、より好ましくは0.5〜200g/10分である。
本発明に用いられる成分(C)鉱物油としては、アロマ系鉱物油、ナフテン系鉱物油、パラフィン系鉱物油を例示することができ、好ましくは、パラフィン系鉱物油である。また、平均分子量が300〜1500で流動点が0℃以下のものが好ましい。
鉱物油の配合においては、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムに鉱物油が予め配合された油展エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを用いてもよい。エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムに鉱物油を配合する方法として、(1)ロールやバンバリーミキサーのような混練装置を用い、両者を機械的に混練する方法、(2)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムの溶液に鉱物油を添加し、その後、スチームストリッピングのような方法によって脱溶媒する方法を例示することができる。
本発明に用いられる成分(D)架橋促進剤としては、塩化第一スズおよび塩化第二鉄のようなハロゲン化物金属塩、ならびに、塩素化ポリプロピレン、臭化ブチルゴムおよびクロロプレンゴムのような有機ハロゲン化物を例示することができる。
本発明に用いられる成分(E)アルキルフェノール樹脂としては、ゴム用架橋剤として一般的に使用されている下式で表される化合物を例示することができる(米国特許3287440号公報および同3709840号公報参照):
Figure 2012062396
式中、nは0〜10の整数;XおよびYはそれぞれ独立に水酸基、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン原子であり;Rは炭素原子数1〜15の飽和炭化水素基である。該化合物は、置換フェノールとアルデヒドとをアルカリ触媒で縮重合させることによって製造することができる。
上記のフェノール樹脂としてまた、アルキルフェノ−ルホルムアルデヒドや、臭素化アルキルフェノ−ルホルムアルデヒドを例示することができる。これらの中でも臭素化アルキルフェノール樹脂は、係る熱可塑性エラストマー組成物の着色が著しく、外観に劣るため、メチロール基を備えたアルキルフェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂は、金属酸化物およびステアリン酸のような分散剤と組合せて用いることが好ましい。
本発明に用いられる成分(F)アルカリ土類金属の水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなどが挙げられ、中でも水酸化カルシウムが好ましい。
上記アルカリ土類金属の水酸化物はハロゲン捕捉効果を高める観点から粉末状であることが好ましく、その体積平均粒子径は好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下である。
ここでの体積平均粒子径は、固体状のアルカリ土類金属水酸化物をエタノール中に投入し、超音波処理により細分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置にて測定される。超音波処理に用いられる超音波発生装置は、発信周波数20〜60KHz、出力50〜400Wのものが使用される。超音波の印加は、固体状のアルカリ土類金属水酸化物を投入したエタノール中に超音波発生端子を浸漬して超音波を印加する方法、超音波バス等と称される超音波発生装置に水を注ぎ、この水中に固体状のアルカリ土類金属水酸化物を投入したエタノールが入った容器を浸漬する方法が上げられる。超音波印加によりエタノールの液温は上昇するが、超音波印加開始時のエタノールの温度は、10〜30℃程度が望ましい。
本発明に用いられる成分(G)金属酸化物には、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化チタンなどが挙げられるが、中でも酸化亜鉛が好ましい。
各成分の含有量は、次のとおりである。成分(A)の含有量は10〜60重量部であり、好ましくは15〜55重量部である。成分(B)の含有量は5〜50重量部であり、好ましくは10〜45重量部である。成分(C)の含有量は0〜70重量部であり、好ましくは5〜65重量部である。但し、成分(A)〜(C)の含有量は、成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする。
成分(A)が過少であると、得られた組成物が弾性を示さなくなり、一方成分(A)が過多であると流動性が低下し、押出し物及び射出成形物等の外観不良となる。成分(B)が過少であると流動性が低下し、押出し物の外観不良となる。一方成分(B)が過多であると得られた組成物の硬度が高くなり、柔軟性が失われる。また、成分(C)が過少であると、流動性が低下し、押出し物の外観不良となる。一方成分(C)が過多であると、オイルブリードにより押出し物及び射出成形物等の外観不良となる。
成分(A)、(B)及び(C)の合計量100重量部に対する成分(D)の含有量は0.1〜2重量部であり、好ましくは0.15〜2重量部である。同様に、成分(E)の含有量は0.5〜5重量部であり、好ましくは1〜5重量部である。同様に、成分(F)の含有量は0.10〜5重量部であり、好ましくは0.15〜4重量部であり、さらに好ましくは0.15〜3重量部である。同様に、成分(G)の含有量は0.10〜5重量部であり、好ましくは0.15〜4重量部であり、さらに好ましくは0.15〜3重量部である。なお、油展ゴムを用いた場合の(A)の量は、伸展油を含まない量を基準とする。また、各成分の量は、二種以上のものを併用した場合、合計量を基準とする。
本発明において、その効果を損なわない範囲で、各種目的に応じ他の成分を使用することが出来る。この様な成分としては、例えば、充填材、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、離型剤、粘着付与剤、着色剤、中和剤、滑剤、分散剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、抗菌剤、殺菌剤、カーボンブラック、タルク、クレー、シリカ等の無機フィラー類、ガラス繊維、炭素繊維等が挙げられる。
本発明の製造方法について説明する。本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)〜(C)を、成分(D)〜(F)または成分(D)〜(G)の存在下で動的熱処理することで得ることができる。
本発明における「動的熱処理」とは、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとポリオレフィン系樹脂と鉱物油と必要に応じて配合される他の成分とを含む組成物を剪断力下に溶融混練する処理を意味する。
動的熱処理装置としては開放型のミキシングロール、非開放型のバンバリーミキサー、ニーダー、押出機、二軸押出機等公知のものを使用することができる。または二種以上の複数の装置を組み合わせることも可能であるが、特に生産性の点で二軸押出機が好適に使用される。動的熱処理の条件(温度、時間)は、通常は150〜300℃、好ましくは170〜280℃で、時間は0.1〜30分、好ましくは0.2〜20分である。
本発明において、成分(A)〜(E)を動的熱処理装置に加えた後、0.1〜30分、好ましくは0.2〜20分動的熱処理を行い、成分(F)を添加し動的熱処理することが、圧縮永久歪、耐油性、引張り強度の観点から好ましい。圧縮永久歪、耐油性、引張り強度の観点から、さらに好ましくは、成分(A)〜(D)を動的熱処理装置に加え0.1〜30分、好ましくは0.2〜20分の予備混練を行った後、成分(E)を添加し0.1〜30分、好ましくは0.2〜20分の動的熱処理を行った後に、成分(F)を添加し動的熱処理を行う方法が挙げられる。
任意成分として成分(G)を用いる場合には、成分(A)〜(E)および成分(G)を動的熱処理装置に加えた後、0.1〜30分、好ましくは0.2〜20分動的熱処理を行い、成分(F)を添加するのが圧縮永久歪、耐油性、引張り強度の観点から好ましい。圧縮永久歪、耐油性、引張り強度の観点から、さらに好ましくは、成分(A)〜(D)を動的熱処理装置に加え0.1〜30分、好ましくは0.2〜20分の予備混練を行った後、成分(E)を添加し0.1〜30分、好ましくは0.2〜20分の動的熱処理を行った後に、成分(F)および成分(G)を添加し動的熱処理を行う方法が挙げられる。
本発明により得られる熱可塑性エラストマー組成物は一般に使用される成型法、例えば、射出成型法、押出成型法、中空成型法、圧縮成型法等により成形される。用途としては自動車部品(ウェザーストリップ、天井材、内装シート、バンパーモール、サイドモール、エアスポイラー、エアダクトホース、カップホルダー、サイドブレーキグリップ、シフトノブカバー、シート調整ツマミ、フラッパードアシール、ワイヤーハーネスグロメット、ラックアンドピニオンブーツ、サスペンションカバーブーツ、ガラスガイド、インナーベルトラインシール、ルーフガイド、トランクリッドシール、モールデッドクォーターウィンドガスケット、コーナーモールディング、グラスエンキャプシュレーション、フードシール、グラスランチャンネル、セカンダリーシール、各種パッキン類など)、土木・建材部品(止水材、目地材、建築用窓枠など)、スポーツ用品(ゴルフクラブ、テニスラケットのグリップ類など)、工業用部品(ホースチューブ、ガスケット等)、家電部品(ホース、パッキン類など)、医療用機器部品、電線、雑貨などの広汎な分野での資材として使用される。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
以下の実施例で使用した原材料および評価方法は次の通りである。
[使用した原材料]
成分(A):エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(住友化学(株)製エスプレン670F)パラフィン系オイル100部油展品
成分(B):プロピレン単独重合体(住友化学(株)製ノーブレンD101)
成分(C):鉱物油PW90(出光興産(株)製)
成分(D):塩化第一スズ・二水和物 (日本化学産業(株))
成分(E):フェノール樹脂架橋剤:メチロール型アルキルフェノール樹脂:タッキロール201(田岡化学工業(株)製)
成分(F):水酸化カルシウム−1:カルテックLT 体積平均粒子径2μm(鈴木工業(株)製)、水酸化カルシウム−2:カルテック 体積平均粒子径6μm(鈴木工業(株)製)
ハイドロタルサイト:DHT−4A (協和化学工業(株)製)
酸化亜鉛:2種酸化亜鉛 (正同化学(株)製)
酸化防止剤:イルガノックス1010(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)
[体積平均粒子径]
上記、水酸化カルシウムを20℃のエタノール中に投入し、超音波バス(商品名「SUS−300」島津製作所製、発振周波数=42kHz、出力300W)中の水(20℃)に5分間浸漬し、粉体をエタノール中に分散させた。これを試料とし、COULTER LS(Coulter社製)を用いて測定を行った。
[評価方法]
腐食性試験:評価用の金属には一般用圧延鋼材(SS400)を使用した。回転研磨機(#100および#400)を用いて、金属の表面を削った後、金属板上に熱可塑性エラストマー組成物を載せ、2mmtスペーサー使用して280℃の温度条件のもと、5分間のプレスを行った。圧力解放後に室温まで冷却し樹脂を剥がし、金属板を温度30℃、湿度80%に24時間静置させ腐食を進行させた。その後、目視による腐食性評価を行った。結果は表1に示す。判定は、金属板の腐食状態を1〜10の10段階に分類し、腐食無し=1、極度に腐食=10とし、数値が小さい程好ましいことを意味する。
[物性評価方法]
本発明で得られた熱可塑性エラストマー組成物を200℃で圧縮成型することにより厚み2mmの試験片を作成し、以下の方法で物性測定を行った。
・ 硬度:JIS K6253に準拠(Shore−A瞬間値)して行った。
・ 圧縮永久歪み:JIS K6262に準拠(70℃、22時間、25%圧縮)して行った。
・ 耐油性:JIS K6258に準拠(100℃、22時間、No.3油)して行った。
・ 引張物性:JIS K6251に従い、熱可塑性エラストマー組成物の平板をJIS3号ダンベルで打ち抜いた試験片を用い、引張速度200mm/分の条件で引張試験を実施し、100%伸張応力、引張破断応力および引張破断伸びを求めた。
実施例1〜5、比較例1〜2
以下に実施例を明示するが、各原材料の添加量は、成分(A)〜(C)の合計重量100重量部を基準とする。
表1に示す配合割合の原材料を、東洋精機製ラボプラストミル(65C−150−R100)に加え、回転数60rpm、混練温度200℃の条件で10分間動的熱処理を行った後、熱可塑性エラストマー組成物を得た。得られた熱可塑性エラストマー組成物に対し上記腐食性試験を実施した。結果を表1に示す。
実施例6〜7、比較例3
表2に示す配合割合の原材料を用いたこと以外は同様の操作を行った。結果を表2に示す。
比較例4〜5
表3に示す配合割合の原材料を用いたこと以外は同様の操作を行った。結果を表3に示す。
実施例8
表4に示す配合割合の成分(A)〜(E)を、東洋精機製ラボプラストミル(65C−150−R100)に加え、回転数60rpm、混練温度200℃の条件で10分間の動的熱処理を行った後、成分(F)を添加し、更に5分間の動的熱処理を行った。得られた熱可塑性エラストマー組成物を200℃で圧縮成型することにより、厚み2mmの試験片を作成し、上記の物性測定を行った。
実施例9
表4に示す配合割合の各成分(A)〜(F)をラボプラストミルに一括投入したこと以外は実施例8と同様の操作を行った。
Figure 2012062396
Figure 2012062396




Figure 2012062396








Figure 2012062396

Claims (7)

  1. 下記成分(A)〜(C)と(成分(A)〜(C)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)、下記成分(D)〜(F)とを混合して動的熱処理することにより得られる熱可塑性エラストマー組成物(成分(D)〜(F)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)。
    成分(A)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 10〜60重量部
    成分(B)ポリオレフィン系樹脂 5〜50重量部
    成分(C)鉱物油 0〜70重量部
    成分(D)架橋促進剤 0.1〜2重量部、
    成分(E)アルキルフェノール樹脂 0.5〜5重量部
    成分(F)アルカリ土類金属の水酸化物 0.10〜5重量部
  2. 成分(F)が水酸化カルシウムである請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. 成分(F)の体積平均粒子径が5μm以下である請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 下記成分(A)〜(C)と(成分(A)〜(C)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)、下記成分(D)〜(G)とを混合して動的熱処理することにより得られる熱可塑性エラストマー組成物(成分(D)〜(G)の含有量は成分(A)〜(C)の合計量100重量部を基準とする)。
    成分(A)エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム 10〜60重量部
    成分(B)ポリオレフィン系樹脂 5〜50重量部
    成分(C)鉱物油 0〜70重量部
    成分(D)架橋促進剤 0.1〜2重量部、
    成分(E)アルキルフェノール樹脂 0.5〜5重量部
    成分(F)アルカリ土類金属の水酸化物 0.10〜5重量部
    成分(G)金属酸化物 0.1〜5重量部
  5. 成分(A)〜(E)を混合して動的熱処理した後に、さらに成分(F)を添加し動的熱処理することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  6. 成分(A)〜(E)および成分(G)を混合して動的熱処理した後に、さらに成分(F)を添加し動的熱処理することを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
  7. 成分(A)〜(E)を混合して動的熱処理した後に、さらに成分(F)および成分(G)を添加し動的熱処理することを特徴とする請求項4に記載の熱可塑性エラストマー組成物の製造方法。
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