JP2012061950A - パワーステアリング装置及び推力発生装置 - Google Patents

パワーステアリング装置及び推力発生装置 Download PDF

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光昭 中田
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幸雄 須藤
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Masakazu Kurata
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Abstract

【課題】低温時等における作動液の粘性の増大化を抑制し得るパワーステアリング装置等を提供する。
【解決手段】ポンプ20に、その発熱部40がポンプハウジングPHとは離間した状態でリザーバタンク30内に臨むようにヒータH1を配設し、該ヒータH1によってリザーバタンク30内の作動液を加熱するように構成することで、前記ヒータH1により温められた作動液をもってポンプハウジングPHを加熱することとした。これにより、ポンプハウジングPHを均一に加熱することが可能となって、ポンプ20内部に滞留する作動液の粘度を効率よく低下させることができ、この結果、電動モータ31の応答性の向上が図れる。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば自動車の操舵系に適用され、ポンプから圧送された液圧に基づいて発生する推力により運転者の操舵をアシストするパワーステアリング装置及び前記推力の発生に供する推力発生装置に関する。
自動車に適用される従来のパワーステアリング装置としては、例えば、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
すなわち、このパワーステアリング装置では、可逆式ポンプを回転駆動するモータの回転状態に基づいて作動液温を推定し、この液温に基づいてモータを駆動制御するようになっている。特に、前記液温が低い場合には作動液の粘性が増大し、モータの回転駆動負荷が大きくなってしまうことから、当該パワーステアリング装置では、前記作動液の粘性増大に基づく回転駆動負荷の増大化を加味してモータを駆動制御することとしている。
特開2006−143026号公報
しかしながら、前記従来のパワーステアリング装置であっても、作動液自体に変化を及ぼすものではないため、当該作動液の粘性の増大化が解消される訳ではない。すなわち、低温時における作動液の粘性が高いことに変わりはないため、当該低温時には作動液の粘性の増大に伴うモータの回転駆動負荷の増大により、操舵フィーリングが悪化してしまうという問題があった。
本発明は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであって、低温時等における作動液の粘性の増大化を抑制し得るパワーステアリング装置等を提供するものである。
本願発明は、とりわけ、その発熱部がポンプと離間状態に設けられたヒータを備え、該ヒータによりリザーバタンク又はポンプ内の作動液を加熱するように構成したことを特徴としている。
本発明によれば、ヒータにより加熱された作動液によってポンプハウジングが加熱され、これによって、当該ポンプハウジングとポンプ要素との間に形成される微小隙間等に滞留する作動液の粘度を低下させることに供される。この結果、ポンプ要素の回転負荷(抵抗)が低減され、電動モータの応答性を向上させることができる。
また、この際、金属材料で形成されたポンプハウジングはその内外において対流する作動液により加熱されることから、当該ポンプハウジング全体が均一に加熱されることとなり、これによって、局所的な加熱に基づくポンプの歪みを招来するおそれがなく、これに起因するポンプの回転不良を抑制することにも供される。
本発明に係るパワーステアリング装置の構成を示す概略図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第1実施形態を示し、図1に示すポンプの分解斜視図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第1実施形態を示す図であって、図1に示すポンプユニットについてリザーバタンクを外した状態で見た側面図である。 図3に示すポンプユニットのリザーバタンク近傍のみの縦断面を表す部分断面図である。 図2に示すポンプボディの内側面を表す平面図である。 図2に示すカムリングの一端面を表す平面図である。 図2に示すカバー部材の内側面を表す平面図である。 図4のA−A線断面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第2実施形態を示す図であって、ポンプユニットのリザーバタンク近傍のみの縦断面を表す部分断面図である。 図9のB−B線断面図である。 図9のC−C線断面をZ方向からみた部分断面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第3実施形態を示す図であって、ポンプユニットにおけるリザーバタンク近傍のみの縦断面を表す部分断面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第4実施形態を示す図であって、ポンプユニットのリザーバタンク近傍のみの縦断面を表す部分断面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第5実施形態を示す図であって、ポンプユニットのリザーバタンク近傍のみの縦断面を表す部分断面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第6実施形態を示す図であって、ポンプユニットのリザーバタンク近傍のみの縦断面を表す部分断面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第7実施形態を示すものであってポンプユニットのリザーバタンク側の側面図である。 図16のD−D線断面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第7実施形態の変形例を示す図であって、ポンプユニットのリザーバタンクの側面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第8実施形態を示す図であって、ポンプユニットのサブタンク側の縦断面を表す部分断面図である。 本発明に係るパワーステアリング装置の第9実施形態を示す図であって、ポンプユニットのサブタンク側の縦断面を表す部分断面図である。 本発明に係る推力発生装置の他の実施形態を示すフォークリフトの側面図である。
以下、本発明に係る推力発生装置の各実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、下記の第1〜第9実施形態では、この推力発生装置を、従来と同様に、自動車用の液圧パワーステアリング装置に適用したものを示している。
図1は、本実施形態に係るパワーステアリング装置の概略を表した図である。
このパワーステアリング装置PSは、その一端側がステアリングホイール1と一体回転可能に連係されて、運転者からの操舵入力を行う入力軸2と、その一端側が後記のラック・ピニオン機構4を介して図外の転舵輪に連係されると共に、その他端が入力軸2の他端側に図外のトーションバーを介して相対回転可能に連結されて当該入力軸2からの操舵入力に基づくトーションバーの捩れ変形の反力によって操舵出力を行う出力軸3と、該出力軸3と前記転舵輪との間に介装され、その内部に隔成された後記の一対の圧力室P1,P2に作用する液圧によって当該出力軸3による操舵出力をアシストするパワーシリンダ5と、該パワーシリンダ5の一対の圧力室P1,P2内に液圧を給排するポンプユニット10と、から主として構成されている。ここで、前記パワーシリンダ5と前記ポンプユニット10とにより、本発明に係る推力発生装置TPが構成されている。
前記ラック・ピニオン機構4は、本発明に係る操舵機構に相当し、出力軸3の一端側の外周に形成された図外のピニオン歯と当該出力軸3の一端側にほぼ直交するように配置されるラック軸6の軸方向の所定範囲に形成される図外のラック歯とが噛合してなるもので、出力軸3の回転方向に応じてラック軸6が図1中の左右方向へ移動するようになっている。
前記パワーシリンダ5は、ほぼ円筒状に形成されたシリンダチューブ5aにピストンロッドとしてのラック軸6が軸方向に沿って貫装され、該ラック軸6の外周に固定されたピストン5bによって、シリンダチューブ5a内に一対の圧力室である第1圧力室P1及び第2圧力室P2が隔成されている。そして、これら圧力室P1,P2の差圧によってラック軸6に対する推進力が発生し、これによって、運転者による操舵出力がアシストされることとなる。
前記ポンプユニット10は、前記パワーシリンダ5の第1、第2圧力室P1,P2に対応する第1給排口11a及び第2給排口11bを有し、ステアリングホイール1の回転方向に応じて前記各圧力室P1,P2に対して液圧を選択的に供給する可逆式の双方向ポンプ(以下、単に「ポンプ」という。)20と、該ポンプ20及びパワーシリンダ5に対する液圧供給に供する作動液を貯留するリザーバタンク30と、前記ポンプ20を正逆回転駆動する電動モータ31と、該電動モータ31を駆動制御する電子コントロールユニット(以下、「ECU」という。)32と、から主として構成されていて、第1給排口11aと第1圧力室P1が第1配管L1により接続されている一方、第2給排口11bと第2圧力室P2が第2配管L2により接続されている。
ここで、前記ポンプ20の内部には、一方が吸入ポート、他方が吐出ポートとして機能することにより後記のポンプ室25に対して作動液を給排する一対の第1、第2給排ポート12a,12b(本発明に係る一対の吐出口)が設けられていて(図2参照)、これら各給排ポート12a,12bは、ポンプ20内に形成される一対の第1、第2給排通路13a,13bを介して第1、第2給排口11a,11bに接続されている。また、この第1、第2給排通路13a,13bは、その途中においてポンプ20内に形成される一対の第1、第2吸入通路14a,14bに分岐し、該各吸入通路14a,14bを介してリザーバタンク30に接続されるようになっており、これらの第1、第2吸入通路14a,14bには、リザーバタンク30側への作動液の逆流抑制に供する第1、第2吸入逆止弁CV1,CV2が設けられている。これにより、前記液圧回路中において作動液が不足した場合には、その差圧に基づき第1、第2吸入逆止弁CV1,CV2が開弁し、リザーバタンク30からポンプ20へと作動液が補給されるようになっている。なお、前記各給排通路13a,13b及び前記各配管L1,L2によって、本発明に係る第1通路及び第2通路が構成されている。
また、前記第1、第2配管L1,L2は、当該両配管L1,L2を連通する第1、第2連通路15,16をもって相互に連通するように構成されると共に、これら両連通路15,16は、その中間部に設けられる第1、第2接続部X1,X2にて当該両連通路15,16に接続する接続通路17をもって相互に連通するようになっており、該接続通路17には、いわゆるノーマルオープン形の電磁弁SVが設けられている。さらに、第1連通路15には、第1配管L1と第1接続部X1との間に、第1配管L1側から第1接続部X1側への通流のみを許容する第1逆止弁V1が設けられ、第2配管L1と第1接続部X1との間に、第2配管L2側から第1接続部X1側への通流のみを許容する第2逆止弁V2が設けられている一方、第2連通路16には、第1配管L1と第2接続部X2との間に、第2接続部X2側から第1配管L1側への通流のみを許容する第3逆止弁V3が設けられ、第2配管L2と第2接続部X2との間に、第2接続部X2側から第2配管L2側への通流のみを許容する第4逆止弁V4が設けられている。これによって、前記電磁弁SVが開弁されると、第1配管L1内の作動液は第1逆止弁V1及び第4逆止弁V4を通じて第2配管L2に、また、第2配管L2内の作動液は第2逆止弁V2及び第3逆止弁V3を通じて第1配管L1に、それぞれ逆流することなく流動することが可能となっている。
すなわち、前記両連通路15,16及び接続通路17と電磁弁SVと前記各逆止弁V1〜V4とによっていわゆるフェールセーフ機構が構成されており、このフェールセーフ機構は、通常時には電磁弁SVを閉弁状態に維持することで、ポンプ20を介してパワーシリンダ5の前記両圧力室P1,P2の液圧が給排されるようになっている一方、ECU32に異常が発生した場合には、電磁弁SVが開弁され、前記各通路15〜17を介してパワーシリンダ5の前記両圧力室P1,P2を相互に連通させて、当該両圧力室P1,P2内の液圧を直接給排可能とすることにより、いわゆるマニュアルステアが確保されるようになっている。
前記電動モータ31は、ECU32により車両の運転状態に応じて駆動制御されるようになっており、運転者が操舵を行うことで、その操舵方向に応じて当該電動モータ31の回転方向が切り換えられて、パワーシリンダ5にて運転者の操舵トルクに応じた操舵アシストトルクを発生させるべく、ポンプ20を回転駆動する。
前記ECU32は、入力軸2に配設されたトルクセンサ7や図外の各車輪に配設されるブレーキ制御装置に設けられた車速センサ等からの各種信号が入力され、これら各種信号に基づいて操舵アシスト力を算出し、電動モータ31や電磁弁SVに対して指令信号を出力する。
図2は、前記ポンプ20の主たる構成部品を分解することにより当該ポンプ20の内部構造を表した図である。そして、図3は、前記ポンプユニット10をリザーバタンク30側から見た図であって当該リザーバタンク30を外した状態を表した図である。
このポンプ20は、いわゆる内接歯車ポンプであって、ブロック状のポンプボディ21と、該ポンプボディ21の内端面21a側に対向配置されるほぼ円盤状のカバー部材22と、該カバー部材22とポンプボディ21との間に介装され、その内周側にポンプ要素収容部26を形成するほぼ円環状のカムリング23とから構成された本発明に係るポンプハウジングPHと、該ポンプハウジングPH内に軸方向に沿って挿通配置され、電動モータ31の図外の出力軸と一体回転可能に連結される駆動軸24と、前記ポンプ要素収容部26内に収容配置され、前記駆動軸24によって回転駆動される、前記内接歯車を構成するポンプ要素PEと、を備え、ポンプ要素PEが電動モータ31により回転駆動されることによって、作動液を吸入すると共に、当該吸入した作動液をパワーシリンダ5の前記各圧力室P1,P2へ吐出するようになっている。
前記ポンプボディ21は、例えばアルミダイキャストにより形成されてなるもので、その内側面21aにカムリング23が当接配置され、その外側面21bに後記のモータ制御装置MCが取り付けられるようになっている(図4参照)。そして、このポンプボディ21の内側面21aには、前記各給排通路13a,13bの上流端に接続され、ポンプ要素PEにより隔成される吸入・吐出領域に相当するポンプ室25にそれぞれ開口するほぼ三日月状の前記第1、第2給排ポート12a,12bが、境界線Mに対し対称となるように周方向に沿って切欠形成されている(図5参照)。
ここで、前述のようにポンプ20は双方向ポンプであることから、これらの給排ポート12a,12bは、ポンプ要素PEの回転方向に応じ、一方が吸入ポート、他方が吐出ポートとして機能するようになっていて、例えば第1給排ポート12aが吸入領域に相当するポンプ室25へと開口するとき、第2給排ポート12bは吐出領域に相当するポンプ室25に開口するようになっている。
また、前記ポンプボディ21の内側面21aには、前記各吸入通路14a,14bの上流端に接続され、それぞれ直接、或いはカムリング23及びカバー部材22に設けられた後記の第1、第2カムリング連通孔23c,23d及び第1、第2カバー連通孔22c,22dを通じてそれぞれリザーバタンク30の容積室30a内へと臨む第1吸入口18a及び第2吸入口18bが開口形成されており、該各吸入口18a,18bをもってリザーバタンク30内の作動液をポンプ20内部へ吸入することが可能となっている。ここで、これら第1、第2吸入口18a,18bは、カバー部材22の中心より鉛直下方側であって後記のヒータH1の近傍となる位置に設けられていて、当該第1、第2吸入口18a,18bには、前記各吸入逆止弁CV1,CV2が配設されている。
前記カバー部材22も、ポンプボディ21と同様にアルミダイキャスト等によって形成されてなり、ポンプボディ21に対して、カムリング23と一緒に6本のボルトB1によって共締め固定されるようになっている。そして、このカバー部材22には、前記第1、第2カムリング連通孔23c,23dと共に前記各吸入口18a,18bをそれぞれリザーバタンク30内へ臨ませる第1カバー連通孔22c及び第2カバー連通孔22dが、軸方向に沿って貫通形成されている。また、このカバー部材22の外側面22bには、リザーバタンク30内の作動液の対流方向に沿う複数のフィン65が立設されており、これらのフィン65により、後記のヒータH1によって加熱された作動液の熱を吸収することが可能となっている。
前記カムリング23は、駆動軸24の軸心に対し所定量だけ偏心した状態で配置され、ポンプボディ21の内側面21aに立設された2本のロケートピン27によって位置決められた状態で、その一端面23a側に配置されるポンプボディ21とその他端面23b側に配置されるカバー部材22とによって挟持固定されている。ここで、当該カムリング23は、その内周側に収容配置されるポンプ要素PEよりも僅かに厚肉に形成されていて、このポンプ要素PEとポンプボディ21及びカバー部材22との間に僅かな軸方向隙間であるサイドクリアランス(図4参照)が形成されることによって、当該ポンプ要素PEがいわゆるフローティング状態で回転するようになっている。また、このカムリング23には、後記の第1、第2カバー連通孔22c,22dと共に第1、第2吸入口18a,18bをそれぞれリザーバタンク30の容積室30a内へと臨ませる第1カムリング連通孔23c及び第2カムリング連通孔23dが、軸方向に沿って貫通形成されている。
前記ポンプ要素PEは、駆動軸24外周に所定の回り止めをもって相対回転不能に固定され、その外周側に多数の外歯28aを有するインナーロータ28と、該インナーロータ28の外周側においてカムリング23内周面に相対回転可能に嵌着され、その内周側に前記各外歯28aに噛合する多数の内歯29aを有するアウターロータ29と、により構成され、前記外歯28aが前記内歯29aと周方向の一部において噛み合うことで、外歯28aと内歯29aの間に、大きさ及び形状の異なる複数のポンプ室25が周方向に隔成されている。
そして、このポンプ要素PEは、電動モータ31の駆動力をもってインナーロータ28が回転駆動されると共に、このインナーロータ28の回転に伴い該インナーロータ28と噛合するアウターロータ29が回転駆動されることで、前記各ポンプ室25が容積を増減させながら周回移動し、これによって、作動液の吸入及び吐出を行うようになっている。
図4は、前記ポンプユニット10の具体的構成を表すと共に本発明の主たる技術的特徴の説明に供する図である。
図示のように、前記ポンプユニット10は、ポンプ20とリザーバタンク30と電動モータ31とECU32とが一体的に構成されたものであり、ポンプ20を挟んで軸方向の一端側にリザーバタンク30が配置されていて、他端側に電動モータ31及びECU32が配置されている。
前記リザーバタンク30は、樹脂材料によりほぼカップ状に形成されていて、カバー部材22及びカムリング23を含むポンプボディ21の内側面21a側の全体を覆うように、より具体的には、その内部に貯留された作動液にカバー部材22及びカムリング23が浸かるように、ポンプボディ21の内側面21a側に被嵌され、当該ポンプボディ21に複数のボルト(図示外)により取付固定されている。
前記電動モータ31は、ECU32と共通の筐体をもって一体的に構成され、この一体構成してなるモータ制御装置MCがポンプボディ21の外側面21bに複数のボルトB2によって取付固定されるようになっている。ここで、当該モータ制御装置MCの具体的な配置構成としては、ポンプ20の同軸上に電動モータ31が配置され、該電動モータ31とポンプ20の間に介装される制御基板32aによってECU32が構成されている。
また、前記ポンプ20には、ポンプボディ21の内側面21aに、その先端部に設けられる発熱部40がポンプボディ21から離間するかたちで、ほぼ棒状に形成されたヒータH1が突設されている。すなわち、このヒータH1は、ポンプボディ21の中心に対し前記両吸入口18a,18b側となるリザーバタンク30の中心よりも鉛直下方側であって、ポンプユニット10の車体搭載状態における取付位置が鉛直最下方位置となるように、ポンプボディ21内部を通じて当該ポンプボディ21の軸方向に沿って配置されると共に、前記発熱部40が、ポンプボディ21、カバー部材22及びカムリング23のいずれからも離間した状態で、リザーバタンク30の容積室30aへと臨むように構成されている。
なお、ここで、前記ヒータH1の取付位置は、前述のポンプユニット10の車体搭載状態における取付位置が鉛直最下方となる位置に限定されるものではなく、ポンプボディ21の中心に対して前記両吸入口18a,18b側となるリザーバタンク30の中心よりも鉛直下方側であれば、いずれの位置に設けてもよい。
ここで、前記ヒータH1の構成についてより詳細に説明すれば、このヒータH1は、ポンプボディ21の前記所定位置(ポンプユニット10を車体に搭載した状態の取付位置が鉛直最下方となる位置)に外側面21b側から軸方向へ沿って段差縮径状に貫通形成されたヒータ挿通孔44(本発明に係る貫通孔)を介してポンプボディ21に挿通配置されるヒータ本体41と、前記ヒータ挿通孔44の一端側(ポンプボディ21の外側面21b側)から螺着され、前記ヒータ本体41の基端側に設けられた拡径部41aをヒータ挿通孔44の段部44aとの間で挟持することによって、ヒータ本体41をポンプボディ21に固定する円筒状のスリーブ42と、その一端側がスリーブ42の内周を通じてヒータ本体41の基端部に有する端子に接続され、他端側がヒータ挿通孔44に対向するモータハウジング31a底部に貫通形成された接続孔(図示外)を通じてECU32の制御基板32aに接続される電線43と、から構成されていて、ECU32からの通電によって発熱部40が発熱することで、該発熱部40が常時接触する前記タンク30内の作動液を加熱するようになっている。
なお、本実施形態では、前記ヒータH1の発熱部40が作動液に対して直接接触するような構造となっているが、この発熱部40は空気に対し常時非接触であることから、当該発熱部40を作動液に直接接触させることにより生ずる発火や燃焼等の不具合を招来してしまうおそれがない。
また、図示のように、前記ヒータH1はカバー部材22の外側面22b近傍まで延出する構成となっていることから、前記カバー部材22及びカムリング23には、ヒータH1との干渉を回避する逃げ溝22e,23eがそれぞれ設けられている(図6、図7参照)。これによって、前記ポンプハウジングPHの一端側を構成するカムリング23ないしカバー部材22とヒータH1の発熱部40との接触が抑制されている。
また、前記ポンプ20には、ヒータH1に対し駆動軸24を挟んで反対側となる位置に、当該ヒータH1と同様、ポンプボディ21内部を通じて取付固定されると共に、その先端側に有する計測部45aがリザーバタンク30の容積室30a内へ臨むように構成され、リザーバタンク30内の作動液の温度計測に供する温度センサ45が設けられている。そして、この温度センサ45も、ヒータH1と同様に、その基端部に接続される図外の電線がポンプボディ21内部を通じてモータハウジング31a内部へと引き出され、ECU32(制御基板32a)に接続されている。これにより、リザーバタンク30内の作動液の温度に基づきヒータH1を作動制御することが可能となっている。すなわち、前記ポンプユニット10では、温度センサ45の検出温度に基づきECU32からヒータH1への通電量が制御され、これによって、当該ヒータH1の発熱量が制御されるようになっている。したがって、例えばリザーバタンク30内の作動液温が十分に高い場合には、ECU32からヒータH1への通電が遮断され、当該ヒータH1の加熱を停止させることで、かかるヒータH1の加熱が不要な場合の省エネ化が図れる。
なお、前記温度センサ45の配置は、必ずしもヒータH1に対して点対称となる最も遠い位置に限定されるものではなく、前記計測部45aがヒータH1による発熱の影響を受けにくい位置であって、かつ、リザーバタンク30内の作動液に常時浸漬可能な位置であれば、いずれの周方向位置に設定することも可能である。
図5は、前記ポンプボディ21単体を表した図であって、当該ポンプボディ21を内側面21a側から見た図である。
図示のように、前記ポンプボディ21の内側面21aには、第1、第2給排ポート12a,12bの外周域に、第1、第2吸入口18a,18bを通過し、かつ、その両端部51a,52bがカムリング23の取付状態においてリザーバタンク30内の容積室30aへ露出するように構成された一対の第1ボディ導入溝51及び第2ボディ導入溝52が、その周方向に沿って切欠形成されていて、この第1、第2ボディ導入溝51,52は、それぞれカムリング23に設けられる後記の第1、第2カムリング導入溝53,54と共に管状をなす一対の液通路W1,W2を構成するようになっている。
図6は、前記カムリング23単体を表した図であって、当該カムリング23を一端面23a側から見た図である。
図示のように、前記カムリング23の一端面23aには、第1、第2カムリング連通孔23c,23dを通過し、かつ、その両端部53a,54bがリザーバタンク30内の容積室30aへ臨むように構成された一対の第1カムリング導入溝53及び第2カムリング導入溝54が、ポンプボディ21の第1、第2ボディ導入溝51,52と対向するように、その周方向に沿って切欠形成されている。かかる構成から、カムリング23とポンプボディ21の間には、前述のように、この第1、第2カムリング導入溝53,54と第1、第2ボディ導入溝51,52とによって前記一対の液通路W1,W2が構成され、これらの液通路W1,W2によっても、リザーバタンク30内の作動液が前記各吸入口18a,18bへ導かれるようになっている。なお、この第1、第2カムリング導入溝53,54は、カムリング23の他端面23bにも同様に設けられていて(図示せず)、後記の第1、第2カバー導入溝55,56と共に管状をなす一対の液通路W3,W4を構成するようになっている。
図7は、前記カバー部材22単体を表した図であって、当該カバー部材22を内側面22a側から見た図である。
図示のように、前記カバー部材22の内側面22aには、ポンプボディ21の第1、第2給排ポート12a,12bに対応する位置に、これと同様に構成された第1、第2給排ポート12a,12bが、それぞれ周方向に沿って切欠形成されている。また、このカバー部材22の内側面22aにも、第1、第2カバー連通孔22c,22dを通過し、かつ、その両端部55a,56bがリザーバタンク30内の容積室30aへと露出するように構成された一対の第1カバー導入溝55及び第2カバー導入溝56が、カムリング23の他端面23bに設けられた第1、第2カムリング導入溝53,54と対向するように周方向に沿って切欠形成されている。かかる構成から、カバー部材22とカムリング23の間にも、この第1、第2カバー導入溝55,56と第1、第2カムリング導入溝53,54とによって前記一対の液通路W3,W4が構成され、これらの液通路W3,W4によっても、リザーバタンク30内の作動液が前記各吸入口18a,18bへ導かれるようになっている。
図8は、図4のA−A線断面を前記ポンプユニット10の一端側(リザーバタンク30側)から見た図である。
図示のように、前記カバー部材22の内部には、その両端がリザーバタンク30の容積室30a内に臨むように構成されることで当該リザーバタンク30内の作動液の導入に供する一対の第1導入路57及び第2導入路58(本発明に係る貫通孔)が、リザーバタンク30内の作動液の対流方向へと沿うように貫通形成されている。また、これら第1、第2導入路57,58の途中には、第1、第2カバー連通孔22c,22dを通過する吸入口導入路22f,22gが分岐形成されていて、これら吸入口導入路22f,22gを介して前記各導入路57,58を流通する作動液を前記各吸入口18a,18bへ導くことが可能となっている。
以上のように構成された本実施形態に係るパワーステアリング装置PSでは、ポンプ20にヒータH1を設け、該ヒータH1によってリザーバタンク30内の作動液を加熱可能に構成したことから、リザーバタンク30内では、ヒータH1により加熱された作動液が対流することによって、当該作動液全体が温められることとなる。すると、前記ポンプ20の一端側は作動液に常時浸漬した状態となっていることから、前述の温められた作動液により前記ポンプハウジングPH全体が温められる。ここで、当該ポンプハウジングPHはその全体が金属材料によって形成されていることから、このハウジングPHの伝熱効果により、ポンプ20内部の作動液全体、すなわち前記各ポンプ室25内の作動液は勿論のこと、前記サイドクリアランスSC内の作動液までも温められることとなる。これにより、当該サイドクリアランスSC等に介在しポンプ要素PEの抵抗となる作動液の粘度を低減することが可能となり、当該ポンプ要素PEの回転負荷を低減させることができる。この結果、電動モータ31の応答性の向上が図れ、前記パワーステアリング装置PSの良好な操舵フィーリングを確保することに供される。
ここで、前記ポンプハウジングPHは金属材料によって形成されていることから、前記ヒータH1により当該ポンプハウジングPHを直接加熱する方法を採った場合、その加熱した部分が局所的に温められることから、ポンプハウジングPH全体において過大な温度差が生じ、当該ハウジングPHの歪みを招来してしまうおそれがある。その他、従来では、前記ポンプ20ではなく、当該ポンプ20とパワーシリンダ5を接続する前記各配管L1,L2を温め、これによって、その内部を流通する作動液を温める方法も提案されているが、この場合、ポンプ20には局所的に温められた高温の作動液と、当該加熱の影響を受けない低温の作動液と、が作用することとなって、ポンプハウジングPHの歪みを招来してしまうおそれがある
これに対し、本実施形態の場合は、前記ヒータH1によりポンプハウジングPHを直接加熱するのではなく、このポンプハウジングPHの一端側全周を覆う作動液によって当該ポンプハウジングPHを加熱する構成を採用したことで、ポンプハウジングPH全体を均一に温めることが可能となる。これによって、当該ハウジングPHを局所的に加熱することにより生ずる前記ハウジングPHの歪みを招来してしまうおそれがなく、このハウジングPHの歪みに起因して発生するポンプ要素PE(ポンプ20)の回転不良を抑制することにも供される。
さらには、前記リザーバタンク30内の作動液は、最も粘度を低下させたい作動液が滞留する前記サイドクリアランスSCの近傍を覆うようになっていることから、当該作動液を介してポンプハウジングPHを温めることは、前述のような前記各配管L1,L2内の作動液を温める場合等と比べて、ポンプ20の回転負荷の低減化に効果的に寄与することができる。
また、本実施形態では、前記ポンプボディ21とカムリング23との間及びカバー部材22とカムリング23との間に前記各液通路W1〜W4を構成すると共に、前記カバー部材21内部に前記各導入路57,58を設けることとし、前記ヒータH1により温められた作動液をポンプハウジングPH内部へと直接導入可能な構成となっているため、前述のように、外側からポンプハウジングPHを加熱するのみならず、当該ハウジングPHを内側からも加熱ことが可能となっている。これによって、ポンプハウジングPHを外側のみから加熱する場合に比べて、当該ハウジングPH全体をより均一に加熱し、ポンプ20内部の作動液粘度をより効率的に低下させることができる。この結果、前記パワーステアリング装置PSの操舵フィーリングのさらなる向上に供される。
特に、前記各液通路W1〜W4にあっては、最も温めたい作動液が滞留する前記サイドクリアランスSC近傍に形成されることから、当該各液通路W1〜W4に加熱した作動液を導入することは、前記サイドクリアランスSCに滞留する作動液の加熱に効果的に作用することとなって、ポンプ20の回転負荷の一層の低減化が図れる。
なお、この際、前記ポンプボディ21、カバー部材22及びカムリング23は、それぞれ鋳造や焼結等の工法で成型されることから、前記各ボディ導入溝51,52、前記各カバー導入溝55,56及び前記各カムリング導入溝53,54については、型により容易に形成することが可能となっている。つまり、言い換えれば、前記各導入溝51〜56の形成にあたり、機械加工を伴うことがないため、製造コストの低減化にも供される。
また、本実施形態では、前記ヒータH1は前記各吸入口18a,18b近傍に配置されると共に、該各吸入口18a,18bには前記各吸入口導入路22f,22gを介して前記各導入路57,58を流通する作動液が導かれる構成となっていることから、前記各吸入口18a,18bにおいては、とりわけ、前記ヒータH1によって温められてより粘度が低下した作動液を吸入することが可能となっている。これによって、作動液の吸入抵抗の低減化が図れ、その結果、吸入抵抗が高いことによって生ずる作動液の吸入時における異音の発生を抑制することができる。
さらに、本実施形態の場合、前記カバー部材22の外側部に受熱用の前記各フィン65を設けたことから、該各フィン65を介してリザーバタンク30内の作動液の熱をポンプハウジングPH(当該カバー部材22)へとより効率的に伝達させることが可能となっている。これによって、ポンプ20内部の作動液を効率的に昇温させることができ、その結果、当該ポンプ20内部の作動液粘度を効果的に低下させることに供される。
しかも、この際、前記ヒータH1により温められた作動液は鉛直下方側から上方側へと移動することから、前記複数のフィン65を、リザーバタンク30内の作動液の対流方向に極力沿うように、つまり当該各フィン65の長手方向が鉛直方向にほぼ平行となるように設けたことで、当該各フィン65間を流通する作動液の流れの円滑化が図れ、さらに効率的にポンプハウジングPHを温めることができる。これにより、前記ポンプ20内部の作動液粘度をより効果的に低下させることが可能となっている。
また、本実施形態では、前記ヒータH1をリザーバタンク30内に収容配置することとして、その発熱部40が当該タンク30内の作動液に直接接触するように構成したため、このタンク30内の作動液を直接加熱することができ、当該作動液の加熱効率の向上に供される。
しかも、かかる構成とすることによって、前記ヒータH1の配線を、防水性を有するポンプハウジングPH内で完結させることが可能となり、当該ヒータH1の電線43が外部に露出することがないため、断線のおそれもなく、構造の簡素化も図れる。
さらには、前記ヒータH1の電線43を、ポンプボディ21に貫通形成した前記接続孔を介してECU32と接続する構成としたことで、当該電線43をモータハウジング31a内のECU収容部32bへと直接引き込むことが可能となるため、ヒータH1の取り回し性も良好となる。
また、加えて、このヒータH1を、ポンプハウジングPHを構成するポンプボディ21を介して配設するように構成したことで、当該ヒータH1の有無に関わらずリザーバタンク30の形状を共通化することが可能となる。つまり、ポンプボディ21のヒータ挿通孔44の加工の有無のみで、前記ヒータH1の有無の仕様違いを構成することが可能となる。これにより、ポンプ20の構成部材について、前記ヒータH1を設けるための専用部品を使用する必要がなく、製造コストの低減化に供される。
その他、前記ヒータH1は、リザーバタンク30の中心よりも鉛直下方側に設ける構成としたことから、前記作動液の対流に基づくポンプハウジングPHのさらなる均一加熱に供される。すなわち、前記ヒータH1により温められた作動液は鉛直上方側に移動することから、本実施形態のように当該ヒータH1を鉛直下方側に配置することで、さらに効率的にポンプハウジングPHを温めることができる。これにより、前記ポンプ20内部の作動液粘度をより一層効果的に低下させることが可能となっている。
図9〜図11は、本発明に係るパワーステアリング装置の第2実施形態を示しており、当該実施形態では、前記リザーバタンク30から前記ポンプボディ21内に導入した作動液を加熱するように構成したものである。なお、この実施形態においても、基本的な構成は前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図9は、本実施形態に係るポンプユニット10の特徴的な構成に係る部分を縦断面によって表した図である。また、図10は図9のB−B断面を、図11は図9のC−C断面を、それぞれ表した図である。
すなわち、本実施形態に係るポンプユニット10では、特に図9、図10に示すように、ポンプボディ21の側方に貫通する貫通孔61が設けられていて、この貫通孔61の両端開口部が一対のプラグ62によってそれぞれ閉塞されることで、内部に容積室60(本発明に係る液溜まり)が画成されている。
この容積室60は、図11に示すように、その一端側が当該容積室60に接続され、他端側がポンプボディ21の内側面21aにおけるカムリング23の外周域に開口するように設けられた一対の第1連通路63及び第2連通路64(本発明に係る液通路)をもって、リザーバタンク30の容積室30aと連通するようになっている。
ここで、本実施形態では、前記ヒータ挿通孔44が、ポンプボディ21の外側面21bのほぼ中央部に、前記容積室60と連通するように設けられていて、当該ヒータ挿通孔44を介して前記ヒータH1の加熱部40が容積室60へと差し込まれている。なお、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様、前記電線43は、モータハウジング31aに貫通形成された図外の接続孔を通じてモータ制御装置MCの内部へと引き込まれることによって、ECU32に接続されている。
以上のように構成することで、本実施形態では、リザーバタンク30の容積室30aから前記各連通路63,64を介して容積室60へと導かれた作動液をヒータH1によって加熱することで、この加熱された作動液がポンプボディ21全体を加熱することとなる。そして、このポンプボディ21の熱がこれに接するカムリング23や当該カムリング23に接するカバー部材22へと伝播し、これによって、ポンプ20内部に滞留する作動液が加熱されることとなる。よって、本実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の作用効果が奏せられる。
図12は、本発明に係るパワーステアリング装置の第3実施形態を示しており、当該実施形態では、環状ないしベルト状に構成したヒータH2をリザーバタンク30外周に配設したものである。なお、この実施形態においても、基本的な構成は前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図12は、本実施形態に係るポンプユニット10の特徴的な構成に係る部分を縦断面により表した図である。
図示のように、本実施形態に係るポンプユニット10では、不燃材料或いは難燃材料であって比較的熱伝導率の高い鉄又はアルミニウム合金等の金属材料によって形成されたリザーバタンク30に、その外周の全周にわたって、環状ないしベルト状に構成されたヒータH2が当接配置されている。ここで、このヒータH2につき、図中では電線の図示を省略しているが、本実施形態においても、前記第1実施形態と同様、当該ヒータH2から引き出された図外の電線がECU32に接続されることで、当該ヒータH2の通電が可能となっている。
このような構成とすることで、前記ヒータH2の熱がリザーバタンク30の周壁を通じて内部に貯留される作動液へと伝達され、この作動液の熱によってポンプ20内の作動液の粘度を低減することが可能となる。この結果、本実施形態によっても、前記パワーステアリング装置PSの良好な操舵フィーリングが得られる。
しかも、本実施形態の場合は、前記リザーバタンク30が比較的熱伝導率の高い金属材料で形成されていることから、前記ヒータH2の熱が当該リザーバタンク30内の作動液に早期に伝達され、ポンプ20内部の作動液粘度の効果的な低減に供される。
さらに、本実施形態においては、不燃材料或いは難燃材料により形成されたリザーバタンク30の外周に前記ヒータH2を配設する、すなわち当該ヒータH2と作動液の間に不燃材料或いは難燃材料が介在する構成となっていることから、当該ヒータH2とリザーバタンク30の作動液とが直接接触することもなく、発火や燃焼等の不具合の発生を抑制することもできる。
また、特に、本実施形態の場合には、前記ヒータH2をリザーバタンク30の外周に配設したことで、加熱対象となる作動液とこれを冷却するように作用する外気との間に当該ヒータH2が設置されることとなり、このヒータH2により加熱された作動液が外気に晒されることによって当該作動液の温度が低下してしまうといった不具合を抑制することにも供される。
しかも、前記ヒータH2は、リザーバタンク30の外周全体にわたって配設されていることから、当該リザーバタンク30内の作動液を、より効率的に、かつ、均一に温めることができる。これにより、ポンプ20内部の作動液粘度をさらに効果的に低下させることが可能となり、その結果、前記パワーステアリング装置PSの操舵フィーリングの一層の向上が図れる。
さらには、前記ヒータH2を、金属材料により形成したリザーバタンク30の外周面に当接配置することで、このリザーバタンク30を、当該ヒータH2を設けない仕様の製品と共通化することが可能となる。これによって、ポンプユニット10の製造コストの低減化にも供される。
図13は、本発明に係るパワーステアリング装置の第4実施形態を示しており、当該実施形態では、前記第3実施形態に係るヒータH2を含めたリザーバタンク30の外周を樹脂材料により被覆したものである。なお、この実施形態においても、基本的な構成は前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図13は、本実施形態に係るポンプユニット10の特徴的な構成に係る部分を縦断面により表した図である。
図示のように、本実施形態に係るポンプユニット10では、リザーバタンク30に、前記第3実施形態に係るヒータH2が一体的に構成されていて、当該リザーバタンク30が、その内側に配置され、比較的熱伝導率の高い鉄ないしアルミニウム合金等の金属材料からなる伝熱層65と、該伝熱層65の外周に当接配置された前記ヒータH2と、該ヒータH2を含む伝熱層65の外周側に、該リザーバタンク30よりも熱伝導率の低い例えば樹脂材料により形成された断熱層66と、から構成されている。
かかる構成とすることで、本実施形態によっても前記第3実施形態と同様の作用効果が奏せられるのは勿論のこと、本実施形態の場合には、特にリザーバタンク30に前記断熱層66を形成したことから、ヒータH2の加熱効率及び作動液の保温効果を高めることに供される。
図14は、本発明に係るパワーステアリング装置の第5実施形態を示しており、当該実施形態では、前記第4実施形態に係るリザーバタンク30の構成を変更したものである。なお、この実施形態においても、基本的な構成は前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図14は、本実施形態に係るポンプユニット10の特徴的な構成に係る部分を縦断面により表した図である。
図示のように、本実施形態に係るポンプユニット10では、リザーバタンク30全体が樹脂材料によって形成されていて、その内部に、前記ヒータH2が、当該タンク30の内周面と外周面との間に位置するように、インサート成形によって埋設されている。
かかる構成とすることによっても、前記リザーバタンク30を構成する樹脂材料が前記断熱層66として機能することとなることから、前記第4実施形態と同様、ヒータH2の加熱効率及び作動液の保温効果を高めることができる。
また、前記ヒータH2をリザーバタンク30にインサート成形することで、当該ヒータH2を取付固定するための部品が不要になると共に、その取付作業の簡素化も図れる。これによって、ポンプユニット10の生産性の向上に寄与することができ、前記パワーステアリング装置PSの製造コストの低減化にも供される。
図15は、本発明に係るパワーステアリング装置の第6実施形態を示しており、当該実施形態では、リザーバタンク30の一部に棒状のヒータH3を埋め込むことによって構成したものである。なお、この実施形態においても、基本的な構成は前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図15は、本実施形態に係るポンプユニット10の特徴的な構成に係る部分を縦断面により表した図である。
図示のように、本実施形態に係るポンプユニット10では、不燃材料或いは難燃材料であって比較的熱伝導率の高い鉄又はアルミニウム合金等の金属材料によって形成されたリザーバタンク30の側部に、前記第1実施形態と同様の棒状をなす汎用のヒータH3が埋設されている。
すなわち、本実施形態では、前記リザーバタンク30の中心よりも鉛直下方側であってポンプユニット10の車両搭載状態における取付位置が鉛直最下方となる位置に、前記ヒータH3を収容するヒータ収容部70が、当該リザーバタンク30の径方向外側へ突出するように一体に形成されていて、前記ヒータH3は、当該ヒータ収容部70に穿設されたヒータ収容穴70aに螺着されることで、当該ヒータ収容部70に固定されている。そして、前記ヒータH3の基端側から引き出される電線71が、前記各実施形態と同様、ECU32に接続されることによって、通電可能となっている。
したがって、本実施形態でも、前記第3実施形態と同様、前記ヒータH3の熱がリザーバタンク30の周壁を通じてその内部に貯留される作動液へと伝達され、この作動液の熱によってポンプハウジングPH全体を温めることが可能となるため、ポンプ20内部の作動液粘度の低減化が図れ、電動モータ31の応答性向上に供される。
しかも、前記リザーバタンク30を比較的熱伝導率の高い金属材料によって形成したことから、前記ヒータH3の熱を当該リザーバタンク30内の作動液へと早期に伝達させることが可能となり、ポンプ20内部の作動液粘度をより効果的に低下させることができる。
特に、本実施形態のように、市販されている汎用の前記ヒータH3を用いてリザーバタンク30を部分的に加熱するような場合でも、当該リザーバタンク30を比較的熱伝導率の高い金属材料で形成することにより、ヒータH3の熱をリザーバタンク30内の作動液へ効率的に伝達させることができる。つまり、言い換えれば、リザーバタンク30の外周に巻き付けるような専用のヒータを用いなくとも、ポンプ20内部の作動液粘度の効果的な低減が図れる。これによって、前記パワーステアリング装置PSの製造コストの増大化が抑制されることとなる。
また、前記ヒータH3も、前記第1実施形態と同様、リザーバタンク30の鉛直最下方位置に設けられていることから、該タンク30内の作動液を、自然対流を利用して効率よく加熱することが可能となっている。
図16、図17は、本発明に係るパワーステアリング装置の第7実施形態を示しており、当該実施形態では、前記第3実施形態に係るリザーバタンク30の構成を変更し、これに伴って前記ヒータH2の配置を変更したものである。なお、この実施形態においても、基本的な構成は前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図16は、本実施形態に係るポンプユニット10をリザーバタンク30側から見た図であり、図17は、図16のD−D線断面を表した図である。
図示のように、本実施形態に係るポンプユニット10では、リザーバタンク30が樹脂材料によって形成されていて、当該リザーバタンク30の鉛直下方側の所定位置に、当該リザーバタンク30内の作動液が流通するほぼU字状に構成されたバイパス通路80(本発明に係る液管路)が一体形成されている。ここで、このバイパス通路80を含むリザーバタンク30全体を、前記ヒータH2の伝熱性を考慮して金属材料によって形成することも可能である。そして、このバイパス通路80は、その各端部側にそれぞれ設けられ、リザーバタンク30の容積室30aに接続される一対の第1延出通路80a及び第2延出通路80bと、これら両延出通路80a,80bを連通する連通路80cと、から構成され、前記連通路80cの外周に、前記第3実施形態に係るヒータH2が当該連通路80cの外周に沿って当接配置されている。
かかる構成とすることで、本実施形態では、前記両延出通路80a,80bが共に鉛直下方側へ指向していることから、リザーバタンク30内の作動液の一部が当該両延出通路80a,80bを通じて連通路80c内へと導かれて、当該連通路80cにおいてヒータH2によって加熱されることとなる。すると、自然対流によって、この連通路80c内の作動液は例えば第1延出通路80aを通じてリザーバタンク30内へ上昇移動すると共に、該リザーバタンク30内の作動液が他方の第2延出通路80bを通じて連通路80cへと導入されることとなる。そして、このような対流が繰り返されることで、リザーバタンク30内の作動液全体が温められて、この高温となったリザーバタンク30内の作動液によってポンプハウジングPH全体を加熱することが可能となる。したがって、本実施形態によっても、前記他の実施形態と同様に、ポンプ20内部の作動液の粘度低下が図れ、これによって、前記パワーステアリング装置PSの良好な操舵フィーリングを確保することに供される。
また、特に、本実施形態では、前述のようなバイパス通路80を設けて、該バイパス通路80内部の作動液を加熱するようにしたことによって、リザーバタンク30内の作動液を、自然対流を利用して効率よく循環させることが可能となる。これによって、リザーバタンク30内の作動液の効率的な昇温が図れ、ポンプ20内部の作動液粘度を効果的に低減することができる。
ここで、前記バイパス通路80は、前述のような鉛直下方側に配置することに限定されるものではなく、例えば図18に示すようにリザーバタンク30に対しほぼコ字状に設ける場合であっても、前述のような作動液の効率的な循環を図ることができる。つまり、このバイパス通路80は、前記両延出通路80a,80bの延出方向がリザーバタンク30に対して水平ないし鉛直下方側へ指向するように構成されていれば、当該リザーバタンク30のいずれの周方向位置に設けてもよい。
図19は、本発明に係るパワーステアリング装置の第8実施形態を示しており、当該実施形態では、前記第7実施形態に係るリザーバタンク30とは別異のサブタンク82を設けて、これに伴い前記ヒータH2の配置を変更したものである。なお、この実施形態においても、基本的な構成は前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図19は、本実施形態に係るポンプユニット10の特徴的な構成に係る部分を縦断面により表した図である。
図示のように、本実施形態に係るポンプユニット10では、リザーバタンク30とは別に、任意の取り回し形状に折曲形成されたパイピング81(本発明に係る液管路)を介して当該リザーバタンク30に接続されるサブタンク82が設けられている。このサブタンク82は、リザーバタンク30と同様にほぼカップ状に形成されると共に、該リザーバタンク30よりも高い(鉛直上方側となる)位置に配置され、当該サブタンク82内に作動液が貯留されるようになっている。
具体的には、前記リザーバタンク30に、その鉛直最下方位置に開口するように突出形成された接続部30bが設けられている一方、前記サブタンク82には、その底部に、前記接続部30bと同様の接続部82aが突設されており、これら両タンク30,82同士は、前記両接続部30b,82aを介して前記パイピング81によって接続される構成となっている。
また、前記パイピング81は、リザーバタンク30側の接続部30bに接続され、当該パイピング81の一端側を構成するリザーバ側接続通路81aと、サブタンク82側の接続部82aに接続され、当該パイピング81の他端側を構成するサブ側接続通路81bと、これら両接続通路81a,82b間に設けられ、組み付け時において前記接続部30bよりも鉛直下方に位置するように構成された作動液滞留部81cと、を有し、この作動液滞留部81cの外周に、前記ヒータH2が当該作動液滞留部81cの外周に沿って当接配置されている。
かかる構成とすることで、本実施形態では、前記サブタンク82内において貯留された作動液がパイピング81を通じてその最下方に位置する作動液滞留部81cへ導かれ、当該作動液滞留部81cにおいてヒータH2によって加熱されることとなる。すると、自然対流によって、この作動液滞留部81c内の作動液はリザーバ側接続通路81aを通じてリザーバタンク30の容積室30aへと上昇移動すると共に、サブタンク82内の作動液がサブ側接続通路81bを通じて作動液滞留部81cへ導入されることとなる。そして、このような対流が繰り返されることで、リザーバタンク30内の作動液全体が温められて、この高温となったリザーバタンク30内の作動液によって、ポンプハウジングPH全体を加熱することが可能となる。したがって、本実施形態によっても、前記第7実施形態と同様、ポンプ20内部の作動液粘度の低下が図れ、これによって、前記パワーステアリング装置PSの良好な操舵フィーリングを確保することに供される。
また、特に、本実施形態では、前記リザーバタンク30よりも鉛直上方側にサブタンク82を配置すると共に、当該リザーバタンク30よりも鉛直下方側にパイピング81の作動液滞留部81cを設けて、該作動液滞留部81c内の作動液を加熱するようにしたことから、自然対流により、リザーバタンク30内に高温の作動液を効率よく導入することが可能となる。これにより、ポンプハウジングPHの加熱に供するリザーバタンク30内の作動液の効率的な昇温が図れ、ポンプ20内部の作動液粘度を効果的に低減することができる。
なお、本実施形態では、前記パイピング81を、その成形性を考慮して樹脂材料によって形成することとしたが、金属材料によって形成することも可能である。この場合には、前記ヒータH2の加熱による伝熱性が向上し、作動液のより効率的な加熱が図れる。
図20は、本発明に係るパワーステアリング装置の第9実施形態を示しており、当該実施形態では、前記第4実施形態に係るリザーバタンク30に、前記第8実施形態に係るサブタンク82を追加する構成としたものである。なお、この実施形態においても、基本的な構成は前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図20は、本実施形態に係るポンプユニット10の特徴的な構成に係る部分を縦断面により表した図である。
図示のように、本実施形態に係るポンプユニット10では、リザーバタンク30の鉛直最上方位置に開口するように、前記パイピング81を接続するための接続部30bが突設されていて、この接続部30bに前記パイピング81を介して前記サブタンク82が接続されるようになっている。また、前記接続部30bを設ける構成としたことにより、当該接続部30bに対応するリザーバタンク30の伝熱層65の一部(当該接続部30bの鉛直下方側部分)が切り起こされ、容積室30aと接続部30bとを連通する連通部83が設けられていると共に、その切り起こした伝熱層65の一部が、容積室30a内の作動液の流出を抑制するバッフル84として構成されている。
ここで、本実施形態では、前記バッフル84を、前記ヒータH2の伝熱性を考慮して金属材料からなる前記伝熱層65を切り起こすかたちで形成したが、前記第5実施形態のようにリザーバタンク30全体を樹脂材料により形成することで、当該バッフル84を一体成形するようにしてもよい。この場合には、前記バッフル84を含めたリザーバタンク30の生産性を向上及びコスト低減に供される。
したがって、本実施形態によれば、前記第4実施形態と同様の作用効果が奏せられるのは勿論のこと、本実施形態の場合は、特に、前述のようなバッフル84を設けたことにより、前記ヒータH2により温められた作動液をリザーバタンク30の容積室30a内に保持させることが可能となり、これによって、ポンプハウジングPHを効率よく加熱することができる。これにより、ポンプ20内部の作動液粘度の効率的な低下が図れ、前記パワーステアリング装置PSの操舵フィーリングの向上に供される。
図21は、本発明に係る推力発生装置の他の実施形態を示しており、当該実施形態では、前記各実施形態に係る推力発生装置TPをフォークリフト90のサイドシフト手段として適用したものである。なお、この実施形態においても、本発明の特徴的な構成を有する推力発生装置TPは前記第1実施形態に係るものと同様であるため、該第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図21は、本実施形態に係る推力発生装置TPが適用されるフォークリフト90の概略を表した図である。
図示のように、このフォークリフト90では、一対のフォーク91,92の背面側に、当該両フォーク91,92を連結する前記パワーシリンダ5が配設されていると共に、このパワーシリンダ5の上方に前記各配管L1,L2を介してパワーシリンダ5に接続される前記ポンプユニット10が設けられており、該ポンプユニット10によってパワーシリンダ5の前記各圧力室P1,P2に液圧を選択的に供給することで(図1参照)、フォーク91,92が車体幅方向へ移動可能となっている。
このように、前記推力発生装置TPを、パワーステアリング装置PS以外の装置であるフォークリフト90のサイドシフト手段に適用した場合であっても、リザーバタンク30内の作動液を加熱することによって、前述のように、電動モータ31の応答性の向上が図れ、フォーク91,92の円滑な移動の確保に供される。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、前記ポンプユニット10の形状や前記液圧回路の構成は、適用対象の仕様に応じて自由に変更することができると共に、前記各ヒータH1〜H3の形状及び固定手段等についても、前記ポンプユニット10の仕様や製造コストに応じて任意に変更することができる。
前記実施形態から把握される特許請求の範囲に記載した以外の技術的思想について、以下に説明する。
(1)前記ヒータを前記リザーバタンクの外側に配設したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
このように、作動液を冷却する外気と作動液との間にヒータを設けることで、当該ヒータにより加熱された作動液が外気に晒されることによる液温の低下を抑制することができる。
(2)前記ヒータと作動液の間に不燃材を介装したことを特徴とする前記(1)に記載のパワーステアリング装置。
このように、ヒータと作動液との不燃材を介装することで、ヒータ熱による作動液の燃焼を抑制することができる。
(3)前記ヒータの外周側に、前記リザーバタンクを構成する材料よりも熱伝導率の低い材料によって形成された断熱層を設けたことを特徴とする前記(2)に記載のパワーステアリング装置。
このように、ヒータ及びリザーバタンクと外気との間に断熱層と設けたことで、ヒータの加熱効率及び作動液の保温効果を高めることができる。
(4)前記リザーバタンクを金属材料によって形成し、
前記ヒータを、前記リザーバタンクの外周面に接触するように設けたことを特徴とする前記(1)に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ヒータの有無に係る仕様違いについて、リザーバタンクを共通化することができる。
(5)前記ヒータを、作動液と直接接触するように、前記リザーバタンク内に設けたことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ヒータが作動液を直接加熱することとなるため、作動液を効果的に加熱することが可能となり、作動液の粘度低減効果の向上に供される。
(6)前記ヒータを、前記ポンプハウジングを通じて配設したことを特徴とする前記(5)に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ヒータの有無によりリザーバタンクの形状を変更する必要がないため、ヒータの有無に係る仕様違いについて、リザーバタンクを共通化することができる。
換言すれば、ポンプハウジング以外の部品を共通化し、該ポンプハウジングに設けるヒータ挿通孔等の加工の有無のみで前記仕様違いを造り分けることが可能となり、生産性の向上に寄与することができる。
(7)前記電動モータを駆動制御する制御回路が搭載される制御基板を前記ポンプハウジングに対して前記リザーバタンクの反対側に配置すると共に、
前記ポンプハウジングに前記ヒータ側と前記制御基板側とを連通する貫通孔を設け、
前記ヒータと前記制御基板を、前記貫通孔を介して電気的に接続するように構成したことを特徴とする前記(6)に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ポンプハウジングの貫通孔を介してヒータの配線を行うことができるため、当該ヒータの配線の取り回しが良好となる。
(8)前記ポンプは、前記リザーバタンク内の作動液を吸入する吸入弁を有し、
前記ヒータは、前記ポンプハウジングの中心部に対し前記吸入弁側に設けられていることを特徴とする前記(5)に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ヒータにより加熱された作動液を吸入弁から吸入することが可能となることから、当該作動液の吸入抵抗を低減することができ、これによって、作動液の吸入に伴う異音等の発生が抑制されると共に、ポンプ内における作動液の効果的な粘度低減に供される。
(9)前記ヒータを、前記リザーバタンクの内周面と外周面の間に位置するように、該リザーバタンクの内部に埋設したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ヒータの取付に係る部品が不要となり、生産性の向上及びコスト低減に供される。
(10)前記リザーバタンクを金属材料によって形成したことを特徴とする前記(9)に記載のパワーステアリング装置。
このように、熱伝導率の高い金属材料でリザーバタンクを構成することで、該リザーバタンクを部分的に加熱するような例えば汎用のヒータを用いる場合であっても、ヒータ熱をリザーバタンク全体に早期に伝達させることが可能となる。これにより、バンド形状等の専用のヒータを用いる必要が無く、コスト低減が図れる。
(11)前記リザーバタンクを樹脂材料によって型成形すると共に、
前記ヒータをインサート成形によって前記リザーバタンクに埋設したことを特徴とする前記(9)に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ヒータの固定に係る部品が不要となり、該ヒータの組み付け性の向上が図れる。しかも、リザーバタンクを熱伝導率の低い樹脂材料とすることで、該タンク内の作動液の保温効果を高めることにも供される。
(12)作動液温を検出する温度センサを設け、該温度センサの検出温度に基づいて前記ヒータの発熱量を調整するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
このように、作動液温に基づいてヒータを制御することで、当該作動液温に適した加熱を行うことが可能となり、加熱が不要な場合の省エネ効果を得ることができる。
(13)前記ヒータを、前記リザーバタンクの中心よりも鉛直下方側に配置したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ヒータにより加熱された高温の作動液は鉛直上方側へ向かって移動(対流)することから、かかる作動液の対流により当該作動液全体を効果的に暖めることができる。
(14)前記ヒータを、前記リザーバタンク又は前記ポンプの外周に全周にわたって配置したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、作動液をより効率的かつ均一に暖めることが可能となり、当該作動液の粘度を効果的に低減することができる。
(15)前記リザーバタンクに接続され、該リザーバタンク内の作動液が流通可能に設けられた液管路と、
前記液管路を介して前記リザーバタンクと接続され、その内部に作動液を貯留するサブタンクと、
前記リザーバタンク内に設けられ、該リザーバタンクから前記液管路側への作動液の流れを妨げるバッフルと、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、加熱したリザーバタンク内の作動液がサブタンク側へ流出してしまうのを抑制することが可能となり、これによって、ポンプ内を流通する作動液の効果的な粘度低減に供される。
(16)前記ポンプハウジング内に、前記リザーバタンク内の作動液が流通可能な貫通孔を設けたことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、加熱されたリザーバタンク内の作動液が貫通孔を介してポンプハウジング内を流通することとなり、これによって、ポンプハウジングをより効率的かつ均一に暖めることが可能となる。この結果、ポンプ内における作動液の効果的な粘度低減に供される。
(17)前記ポンプハウジングの外部に、前記リザーバタンク内の作動液から熱を受容するフィンを一体形成したことを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、前記受熱フィンにより、作動液の熱をポンプハウジングへとさらに効率的に伝達することが可能となる。
(18) 前記液管路を介して前記リザーバタンクと接続され、その内部に作動液を貯留するサブタンクをさらに備え、
前記ヒータは、前記液管路と前記リザーバタンクの接続部よりも鉛直下方側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることで、ヒータにより加熱された高温の作動液は鉛直上方側、つまりリザーバタンクへと向かって移動することから、該リザーバタンク内に貯留される作動液の効果的な加熱に供される。
(19)前記液管路の両端側を前記リザーバタンクに接続し、前記液管路と前記リザーバタンクとの間において作動液が循環可能に構成したことを特徴とする請求項2に記載のパワーステアリング装置。
かかる構成とすることにより、液管路において加熱された作動液がリザーバタンクとの間で効率よく循環して、該リザーバタンク内の作動液を早期に加熱することに供される。
20…ポンプ
30…リザーバタンク
31…電動モータ
40…発熱部
PH…ポンプハウジング
H1…ヒータ

Claims (6)

  1. ステアリングホイールの操舵操作を転舵輪に伝達する操舵機構に連係され、その内部に隔成された一対の圧力室の差圧によって運転者の操舵力を補助するパワーシリンダと、
    その内部に前記パワーシリンダに供給する作動液を貯留するリザーバタンクと、
    金属材料により形成されたポンプハウジング内に回転自在に収容され、当該回転に伴って作動液の吸入及び吐出を行うポンプ要素と、該ポンプ要素を駆動する駆動軸と、を有し、前記ポンプハウジングが前記リザーバタンク内に貯留された作動液に浸かるように前記リザーバタンク内側に配置され、前記パワーシリンダの各圧力室に作動液を供給するポンプと、
    ステアリングホイールの操舵状態を検出する操舵状態検出センサの出力信号に基づいて制御され、前記ポンプの駆動軸を回転駆動する電動モータと、
    その発熱部が前記ポンプと離間するように配設され、前記リザーバタンク内の作動液を加熱するヒータと、を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. ステアリングホイールの操舵操作を転舵輪に伝達する操舵機構に連係され、その内部に隔成された一対の圧力室の差圧によって運転者の操舵力を補助するパワーシリンダと、
    その内部に前記パワーシリンダに供給する作動液を貯留するリザーバタンクと、
    金属材料により形成されたポンプハウジング内に回転自在に収容され、当該回転に伴って作動液の吸入及び吐出を行うポンプ要素と、該ポンプ要素を駆動する駆動軸と、前記ポンプハウジングに設けられ、前記ポンプ要素により画成されるポンプ室に開口する一対の吐出口と、を有し、前記ポンプハウジングが前記リザーバタンク内に貯留された作動液に浸かるように前記リザーバタンク内側に配置され、前記駆動軸が正逆回転することで前記一対の吐出口から前記パワーシリンダの各圧力室に作動液を選択的に供給する可逆式ポンプと、
    前記一対の吐出口の一方と前記一対の圧力室の一方とを接続する第1通路と、
    前記一対の吐出口の他方と前記一対の圧力室の他方とを接続する第2通路と、
    前記操舵機構に発生する操舵トルクを検出するトルクセンサの出力信号に基づいて制御され、前記可逆式ポンプの駆動軸を回転駆動する電動モータと、
    前記リザーバタンクに接続され、該リザーバタンク内の作動液が流通可能に設けられた液管路と、
    前記液管路に配設され、該液管路内の作動液を加熱するヒータと、を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  3. ステアリングホイールの操舵操作を転舵輪に伝達する操舵機構に連係され、その内部に隔成された一対の圧力室の差圧によって運転者の操舵力を補助するパワーシリンダと、
    その内部に前記パワーシリンダに供給する作動液を貯留するリザーバタンクと、
    回転することによって作動液の吸入及び吐出を行うポンプ要素と、該ポンプ要素を駆動する駆動軸と、その内部に前記ポンプ要素を収容するポンプ要素収容部、前記作動液が流通する液通路及び作動液が貯留される液溜まりを有する金属材料からなるポンプハウジングと、を有し、前記パワーシリンダの各圧力室に作動液を供給するポンプと、
    ステアリングホイールの操舵状態を検出する操舵状態検出センサの出力信号に基づいて制御され、前記ポンプの駆動軸を回転駆動する電動モータと、
    その発熱部が前記ポンプの液溜まり内に配置され、該液溜まり内の作動液を加熱するヒータと、を備えたことを特徴とするパワーステアリング装置。
  4. その内部に隔成された一対の圧力室の差圧によって推力を発生させるパワーシリンダと、
    その内部に前記パワーシリンダに供給する作動液を貯留するリザーバタンクと、
    金属材料により形成されたポンプハウジング内に回転自在に収容され、当該回転に伴って作動液の吸入及び吐出を行うポンプ要素と、該ポンプ要素を駆動する駆動軸と、を有し、前記ポンプハウジングが前記リザーバタンク内に貯留された作動液に浸かるように前記リザーバタンク内側に配置され、前記パワーシリンダの各圧力室に作動液を供給するポンプと、
    前記ポンプの駆動軸を回転駆動する電動モータと、
    その発熱部が前記ポンプと離間するように配設され、前記リザーバタンク内の作動液を加熱するヒータと、を備えたことを特徴とする推力発生装置。
  5. その内部に隔成された一対の圧力室の差圧によって推力を発生させるパワーシリンダと、
    その内部に前記パワーシリンダに供給する作動液を貯留するリザーバタンクと、
    金属材料により形成されたポンプハウジング内に回転自在に収容され、当該回転に伴って作動液の吸入及び吐出を行うポンプ要素と、該ポンプ要素を駆動する駆動軸と、前記ポンプハウジングに設けられ、前記ポンプ要素により画成されるポンプ室に開口する一対の吐出口と、を有し、前記ポンプハウジングが前記リザーバタンク内に貯留された作動液に浸かるように前記リザーバタンク内側に配置され、前記駆動軸が正逆回転することで前記一対の吐出口から前記パワーシリンダの各圧力室に作動液を選択的に供給する可逆式ポンプと、
    前記一対の吐出口の一方と前記一対の圧力室の一方とを接続する第1通路と、
    前記一対の吐出口の他方と前記一対の圧力室の他方とを接続する第2通路と、
    前記可逆式ポンプの駆動軸を回転駆動する電動モータと、
    前記リザーバタンクに接続され、該リザーバタンク内の作動液が流通可能に設けられた液管路と、
    前記液管路に配設され、該液管路内の作動液を加熱するヒータと、を備えたことを特徴とする推力発生装置。
  6. その内部に隔成された一対の圧力室の差圧によって推力を発生させるパワーシリンダと、
    その内部に前記パワーシリンダに供給する作動液を貯留するリザーバタンクと、
    回転することによって作動液の吸入及び吐出を行うポンプ要素と、該ポンプ要素を駆動する駆動軸と、その内部に前記ポンプ要素を収容するポンプ要素収容部、前記作動液が流通する液通路及び作動液が貯留される液溜まりを有する金属材料からなるポンプハウジングと、を有し、前記パワーシリンダの各圧力室に作動液を供給するポンプと、
    前記ポンプの駆動軸を回転駆動する電動モータと、
    その発熱部が前記ポンプの液溜まり内に配置され、該液溜まり内の作動液を加熱するヒータと、を備えたことを特徴とする推力発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2995818A1 (en) * 2014-09-15 2016-03-16 VHIT S.p.A. Rotary pump, system comprising the pump and operating method of the pump
CN105946967A (zh) * 2016-06-29 2016-09-21 奇瑞汽车股份有限公司 一种具有自加热功能的液压助力转向系统及其自加热方法
WO2018050545A1 (de) * 2016-09-13 2018-03-22 Leybold Gmbh Vakuumpumpe

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