JP5924300B2 - エンジンの冷却水流路制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両用等のエンジンの冷却水流路制御装置、特に複数の冷却水流路への冷却水の通水を切り替え可能な冷却水流路制御装置に関し、エンジンの冷却システムの技術分野に属する。
エンジンの冷却水流路制御装置として、複数の冷却水流路を形成するハウジングと、該ハウジング内に回動可能に収容されるロータリバルブと、該ロータリバルブを回転駆動させる駆動部とを備え、前記ロータリバルブを回転駆動させて前記ハウジングに設けられた複数の冷却水流路に選択的に冷却水を通水させることにより、エンジンの冷却系システムに順次、冷却水を循環さてエンジンを冷却させながら、エンジンの暖気を促進するようにしたものが知られている。
例えば、特許文献1には、冷却水流路制御装置として、外周部にラジエータ及び空調用ヒータ等から冷却水が導入される複数の冷却水の入口部と、エンジンのウォータポンプの入口部に連通する冷却水出口部とを有するハウジングと、該ハウジング内に回動可能に収容されたロータリバルブとを備え、前記ロータリバルブを回転駆動させることにより、前記冷却水出口部に連通する冷却水入口部を選択的に切り換えて、前記複数の冷却水入口部が接続されたそれぞれの冷却水流路への通水を制御するように構成したものが開示されている。
この特許文献1の冷却水流路制御装置においては、前記複数の冷却水入口部が前記ハウジングの周方向に複数並べるように配設されている。また、前記ロータリバルブは前記ハウジング内を複数の流路に仕切るように、複数のプレート部材から構成されている。
特開平11−280473号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたエンジンの冷却水流路制御装置は、冷却水出口部及び複数の冷却水入口部をハウジングの周方向に複数並べて形成する構成であるから、これらの冷却水出口部及び入口部の各開口部の開口面積を確保するには、前記ハウジングの外径が大きくなってしまう。この結果、前記冷却水流路制御装置が大型化されることになり、スペースの限られた車両のエンジンルーム内におけるエンジンの冷却系統上に、該装置を搭載することが困難となる。
さらに、ロータリバルブは複数のプレート部材から構成されているため、形状が複雑となるので、ロータリバルブを容易に製造できない。
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、装置自体が大型化することを抑制しながら、複数の冷却水流路への通水を切り換え可能であって、各冷却水流路への通水量を適切に制御できる、エンジンの冷却水流路制御装置を、簡単な構成により得ることを目的とする。
前記課題を解決するため、本願発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、円筒状の内周面に複数の第1冷却水流路に通じるハウジング側第1開口部が周方向に並べて複数設けられたハウジングと、前記ハウジング内に回動可能に収容され、かつ、内部空間にエンジンから冷却水が導入されると共に、外周面に該内部空間に通じるバルブ側開口部が設けられたロータリバルブと、前記ロータリバルブを回転駆動し、その回転角に応じて前記バルブ側開口部に連通する前記ハウジング側第1開口部の開口面積を制御する駆動部とを有する冷却水流路制御装置であって、前記ロータリバルブは、一端部に軸方向に突出する弁部を有し、前記ハウジングは、前記内周面における前記弁部の軸方向の対応位置に、第2冷却水流路に通じるハウジング側第2開口部を有し、前記ロータリバルブの回転角に応じて、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部の開口面積を増減可能に構成されており、前記複数の第1冷却水流路の1つは、前記ハウジング側第1開口部の1つに通じる第1チャンバを介して形成されており、前記第2冷却水流路は、前記ハウジング側第2開口部に通じる第2チャンバを介して形成されており、前記第1チャンバと前記第2チャンバとは、前記ハウジング内において前記ロータリバルブの周囲に形成された外部空間を、壁部により仕切られて形成されており、前記複数の第1冷却水流路は2つであって、前記複数の第1冷却水流路の一方は、空調用ヒータの冷却水流路に連通しており、前記複数の第1冷却水流路の他方は、ラジエータの冷却水流路に連通しており、前記第2冷却水流路は、変速機又はエンジンの、オイル熱交換器の冷却水流路に連通しており、前記複数のハウジング側第1開口部は2つ設けられており、前記複数のハウジング側第1開口部の一方は、前記一方の第1冷却水流路に通じ、前記複数のハウジング側第1開口部の他方は、前記他方の第1冷却水流路に通じ、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部と対向位置するときに、前記ハウジング側第2開口部から前記第2冷却水流路を介して前記オイル熱交換器の冷却水流路に通水がなされ、次に、前記ロータリバルブの回転角の増大に応じて、まず、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部から離間した位置に移動することにより、前記第2開口部の開口面積が増大し、この結果、前記オイル熱交換器への冷却水の通水量を増大せしめ、次に、前記一方のハウジング側第1開口部が前記バルブ側開口部と連通し、前記一方のハウジング側第1開口部から前記一方の第1冷却水流路を介して前記空調用ヒータの冷却水流路に通水がなされ、次に、前記他方のハウジング側第1開口部が前記バルブ側開口部と連通し、前記他方のハウジング側第1開口部から前記他方の第1冷却水流路を介して前記ラジエータの冷却水流路に通水がなされることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記ハウジング側第2開口部は、軸方向の長さが周方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は2に記載の発明において、前記弁部は、周方向の長さが前記ハウジング側第2開口部の周方向の長さよりも短く形成されていることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項3に記載の発明において、前記冷却水流路制御装置を介して、冷却水がエンジンの冷却系統を循環されており、前記ハウジングには、前記第2冷却水流路の一部を形成するカバー部材が装着され、前記カバー部材に前記第2冷却水流路に臨む水温センサが装着されていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、円筒状の内周面に複数の第1冷却水流路に通じるハウジング側第1開口部が周方向に並べて複数設けられたハウジングと、前記ハウジング内に回動可能に収容され、かつ、内部空間にエンジンから冷却水が導入されると共に、外周面に該内部空間に通じるバルブ側開口部が設けられたロータリバルブと、前記ロータリバルブを回転駆動し、その回転角に応じて前記バルブ側開口部に連通する前記ハウジング側第1開口部の開口面積を制御する駆動部とを有する冷却水流路制御装置であって、前記ロータリバルブは、一端部に軸方向に突出する弁部を有し、前記ハウジングは、前記内周面における前記弁部の軸方向の対応位置に、第2冷却水流路に通じるハウジング側第2開口部を有し、前記ロータリバルブの回転角に応じて、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部の開口面積を増減可能に構成されており、前記複数の第1冷却水流路の1つは、前記ハウジング側第1開口部の1つに通じる第1チャンバを介して形成されており、前記第2冷却水流路は、前記ハウジング側第2開口部に通じる第2チャンバを介して形成されており、前記第1チャンバと前記第2チャンバとは、前記ハウジング内において前記ロータリバルブの周囲に形成された外部空間を、壁部により仕切られて形成されており、前記複数の第1冷却水流路は2つであって、前記複数の第1冷却水流路の一方は、第1ユニットの冷却水流路に連通しており、前記複数の第1冷却水流路の他方は、第2ユニットの冷却水流路に連通しており、前記第2冷却水流路は、第3ユニットの冷却水流路に連通しており、前記複数のハウジング側第1開口部は2つ設けられており、前記複数のハウジング側第1開口部の一方は、前記一方の第1冷却水流路に通じ、前記複数のハウジング側第1開口部の他方は、前記他方の第1冷却水流路に通じ、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部と対向位置するときに、前記ハウジング側第2開口部から前記第2冷却水流路を介して前記第3ユニットの冷却水流路に通水がなされ、次に、前記ロータリバルブの回転角の増大に応じて、まず、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部から離間した位置に移動することにより、前記第2開口部の開口面積が増大し、この結果、前記第3ユニットへの冷却水の通水量を増大せしめ、次に、前記一方のハウジング側第1開口部が前記バルブ側開口部と連通し、前記一方のハウジング側第1開口部から前記一方の第1冷却水流路を介して前記第1ユニットの冷却水流路に通水がなされ、次に、前記他方のハウジング側第1開口部が前記バルブ側開口部と連通し、前記他方のハウジング側第1開口部から前記他方の第1冷却水流路を介して前記第2ユニットの冷却水流路に通水がなされることを特徴とする。
前記の構成により、本願各請求項の発明によれば、次の効果が得られる。
まず、請求項1に記載の発明によれば、ロータリバルブを回転駆動させて、バルブ側開口部に連通する複数のハウジング側第1開口部の開口面積を制御できると共に、前記ロータリバルブの端部に形成された弁部がハウジング側の内周面に設けられたハウジング側第2開口部の開口面積を制御できる。これにより、ロータリバルブの内部空間にエンジンから導入された冷却水を、前記複数のハウジング側第1開口部及びハウジング側第2開口部を介して複数の冷却水流路に選択的に通水できると共に、その通水量を制御できる。
しかも、本発明によれば、エンジンの冷却水流路制御装置をコンパクトに構成できる。なぜならば、ロータリバルブの一端部に弁部を形成せずにロータリバルブにバルブ側開口部のみ設けてこれによりハウジングの内周面に設けられた複数のハウジング側開口部の開口面積を制御しようとすると、(1)ロータリバルブに1つのバルブ側開口部を設けてこれにより複数のハウジング側開口部の開口面積を制御するか、若しくは、(2)ロータリバルブに軸方向に離間した複数のバルブ側開口部を設けると共に、同様にハウジングに軸方向に離間した複数のハウジング側開口部を設けてこれにより複数のハウジング側開口部の開口面積を制御することになる。
(1)の場合、複数のハウジング側開口部は、ロータリバルブに設けられたバルブ側開口部と略同じ軸方向位置すなわち軸線に直交する同一断面上のハウジングの内周面に形成されることになる。この場合、複数のハウジング側開口部をハウジングの内周面の同一断面上に並ぶように形成すると、これらのハウジング側開口部の開口面積をそれぞれ確保するためにハウジングの内径を大きくする必要がある。この結果、エンジンの冷却水制御装置が周方向に大型化することになる。
(2)の場合、ロータリバルブには軸方向に複数のバルブ側開口部が形成されることになる。この場合、外周に1つのバルブ開口部と端部に弁部とを形成する場合に比べて、ロータリバルブの軸方向の長さが増大することになる。この結果、エンジンの冷却水制御装置が軸方向に大型化することになる。
したがって、ロータリバルブの外周に単一のバルブ側開口部を形成するのに加えて、その一端部に軸方向に突出する弁部を形成することにより、少なくとも3つの冷却水流路への通水を制御できると共に、エンジンの冷却水流路制御装置をコンパクトに構成できる。しかも、ロータリバルブの一端部に軸方向に突出する弁部を設けることにより容易にロータリバルブを構成できる。
また、複数の第1冷却水流路の1つ及び第2冷却水流路は、それぞれ、第1チャンバ及び第2チャンバを介してハウジング側第1開口部の1つ及びハウジング側第2開口部に通じており、前記第1、第2チャンバはハウジング内であってロータリバルブの外部空間に形成された空間を壁部により仕切って形成されている。
つまり、前記ハウジング側第1開口部及び前記ハウジング側第2開口部から第1冷却水流路及び第2冷却水流路への通水を、互いに隣接する第1チャンバ及び第2チャンバを介して構成することにより、冷却水流路の配設をコンパクトにできると共に、ハウジングをコンパクトに構成できる。この結果、エンジンの冷却水流路制御装置をよりコンパクトに構成できる。
また、第1冷却水流路の一方が空調用ヒータの冷却水流路に連通し、第1冷却水流路の他方がラジエータの冷却水流路に連通し、第2冷却水流路が変速機又はエンジンのオイル熱交換器の冷却水流路に連通しており、ロータリバルブの回転角の増大に応じて、まず変速機又はエンジンのオイル熱交換器の冷却水流路に通水し、次に、該オイル熱交換器への通水量を増大させながら、空調用ヒータに通水させて、次に、オイル熱交換器及び空調用ヒータに通水させながら、ラジエータに通水させることができる。
これにより、例えば、エンジンの冷態時においてオイル熱交換器にまず通水させて、オイルの温度上昇を促進しオイル粘度を低下させることにより、変速機又はエンジン内部の摺動部のフリクションを低減させて冷態時における燃費向上を実現できる。エンジンが暖気途中においては空調用ヒータに通水することにより、暖房性能を確保し、エンジン完全暖気後においては、ラジエータに通水することにより、エンジンの冷却性能を確保できる。
すなわち、エンジンの冷態時における、空調用ヒータ、ラジエータへの冷却損失を回避して、暖気促進を図りながら、オイル熱交換器に通水させてエンジンの燃費向上を図ることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、ハウジング側第2開口部を軸方向の長さを周方向の長さよりも短く形成することにより、前記ハウジング側第2開口部の開口面積を確保しながら、軸方向寸法の増大を抑制することができる。さらに、前記ハウジング側第2開口部の開口面積を制御する弁部も、軸方向の長さを周方向の長さよりも短く構成することができるので、ロータリバルブの長さを短く構成できる。したがって、エンジンの冷却水流路制御装置の軸方向長さの増大を抑制し、同装置をよりコンパクトに構成できる。
また、請求項3に記載の発明によれば、弁部の周方向の長さをハウジング側第2開口部の周方向の長さよりも短く形成することにより、前記ハウジング側第2開口部は前記弁部により閉じられることはなく、少なくともその一部が常に開口していることになる。
ここで、弁部がハウジング側第2開口部に対向位置する場合、該開口部の開口面積は弁部に対向位置する面積だけ減少することになり、この結果、前記ハウジング側第2開口部に通じる第2冷却水流路への通水量は減少することになる。一方、弁部がハウジング側第2開口部から離間した位置に位置する場合、該開口部は弁部に遮られてその開口面積が減少することなく全て開口するので、弁部がハウジング側第2開口部内に対向位置する場合に比べて、第2冷却水流路に流入する冷却水の流量を増大させることができる。
すなわち、弁部の周方向の長さをハウジング側第2開口部の周方向の長さよりも短く構成することにより、第2冷却水流路に常時通水させてエンジンの冷却系統に冷却水を循環させながら、第2冷却水流路への通水量を制御できる。
また、請求項4に記載の発明によれば、第2冷却水流路の一部を形成するカバー部材に、前記第2冷却水流路に臨む水温センサを装着することにより、冷却水の水温を適正に検知できる。つまり、上述したように、第2冷却水流路にはエンジンの冷却系統に循環される冷却水が常時通水されているので、該流路内には冷却水が淀んでおらず、エンジンから導入される冷却水の温度を正しく検知することにより、エンジンの内部を通過して昇温された冷却水の水温を適正に検知できる。
しかも、エンジンの冷却水流路制御装置を構成するハウジングに装着されるカバー部材に水温センサを装着することにより、水温センサをコンパクトに配置できる。
したがって、本発明によるエンジンの冷却水流路制御装置によれば、簡単な構成により、装置自体が大型化することを抑制しながら、複数の冷却水流路への通水を切り換え可能であって、各冷却水流路への通水量を適切に制御できる。
本発明に係る冷却水流路制御装置を備えたエンジンの冷却系統の概略構成を示すブロック図である。 冷却水流路制御装置の上面図である。 同装置の分解斜視図である。 ロータリバルブの斜視図である。 ハウジングの上面図である。 図2のx−x線による断面を示す断面図である。 図2のy−y線による断面を示す断面図である。 オイル熱交換器へ通水するときの冷却水の流れを示すブロック図である。 図8のときの冷却水流路制御装置内の冷却水の流れを示す、同装置の断面図である。 空調用ヒータへ通水するときの冷却水の流れを示す冷却系統のブロック図である。 図10のときの冷却水流路制御装置内の冷却水の流れを示す、同装置の断面図である。 ラジエータへ通水するときの冷却水の流れを示す冷却系統のブロック図である。 図12のときの冷却水流路制御装置内の冷却水の流れを示す、同装置の断面図である。 ロータリバルブの回転角とハウジング側各開口部の開口面積との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るエンジンの冷却水流路制御装置の実施形態について、図1から図14を参照しながら説明する。
本発明に係る冷却水流路制御装置は、エンジン内部を冷却して該エンジンから排出された冷却水を、下流側に配設されたオイル熱交換器、空調用ヒータ、ラジエータ等へ通じる各冷却水流路へ選択的に通水すると共に、その通水量を制御する装置である。図1は本発明の実施形態に係る冷却水流路制御装置を備えたエンジンの冷却系統の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、エンジン1は、シリンダブロック11とシリンダヘッド12とを備え、前記シリンダブロック11及びシリンダヘッド12にはそれぞれ、冷却水Wが流れるウォータジャケット11a、12aが形成されている。シリンダブロック11にはウォータポンプ2が装着されており、該ウォータポンプ2から吐出された冷却水Wがシリンダブロック11のウォータジャケット11aに供給されるように構成されている。
シリンダブロック11のウォータジャケット11aに流入した冷却水は、その後、シリンダヘッド12のウォータジャケット12aに供給され、シリンダヘッド12の冷却水出口12bに接続された冷却水流路制御装置20の冷却水入口部21に流入する。冷却水流路制御装置20は、第1〜第3冷却水出口部23〜25を有しており、前記冷却水入口部21から導入された冷却水Wを選択的に、前記第1〜第3冷却水出口部23〜25に通水させるように構成されている。
すなわち、冷却水Wは、選択的にこれらの冷却水出口部23〜25から、空調用ヒータ3、オイル熱交換器4、ラジエータ5等に通じる第1〜第3冷却系統13〜15に通水されて、再び、ウォータポンプ2の冷却水吸い込み口2aに戻るようになっており、エンジン1の冷却系統を循環するようになっている。
第1冷却系統13は、冷却水流路制御装置20の第1冷却水出口部23と後述する下流側第3冷却系統152とを連通している。この第1冷却系統13には、車室内の暖房を行うための空調用ヒータ3が設けられており、第1冷却水出口部23と空調用ヒータ3とを連通する上流側第1冷却系統131と空調用ヒータ3と前記下流側第3冷却系統152とを連通する下流側第1冷却系統132とを含んでいる。
第2冷却系統14は、冷却水流路制御装置20の第2冷却水出口部24と前記下流側第3冷却系統152とを連通している。この第2冷却系統14には、エンジン1の出力軸に接続される変速機(図示しない)の潤滑油の昇温及び冷却を行うためのオイル熱交換器4が設けられており、第2冷却水出口部24とオイル熱交換器4とを連通する上流側第2冷却系統141とオイル熱交換器4と前記下流側第3冷却系統152とを連通する下流側第2冷却系統142とを含んでいる。
第3冷却系統15は、冷却水流路制御装置20の第3冷却水出口部25とウォータポンプ2の冷却水吸い込み口2aとを連通している。この第3冷却系統23には、エンジン1のウォータジャケット11a、12aを通過して昇温された冷却水Wを冷却するラジエータ5が設けられており、第3冷却水出口部25とラジエータ5とを連通する上流側第3冷却系統151とラジエータ5とウォータポンプ2の吸い込み口2aとを連通する下流側第3冷却系統152とを含んでいる。
冷却水流路制御回路101は、ECU100内に設けられた制御部の一つである。この冷却水流路制御回路101は、冷却水流路制御装置20に装着された水温センサ102により検知された冷却水Wの温度に応じて、冷却水流路制御装置20を制御して、空調用ヒータ3、オイル熱交換器4、及びラジエータ5へ選択的に通水すると共に、その通水量を制御する。
以下、図2〜図7を参照しながら、冷却水流路制御装置20の構成を詳細に説明する。図2は冷却水流路制御装置20の上面図であり、図3は同装置の分解斜視図である。図2、図3に示すように、冷却水流路制御装置20は、ロータリバルブ30と、該ロータリバルブ30を回転可能に収容するハウジング40と、前記ロータリバルブ30の一端部を回転可能に支持する軸受部50と、前記ハウジング40の上部に装着された流路絞り部材60と、該流路絞り部60の上部に装着されたカバー部材70と、前記ロータリバルブ30を回転駆動する駆動部80と、を備えている。
図4はロータリバルブ30の斜視図であり、図4に示すように、ロータリバルブ30は、円筒部31と軸部32とを複数の連結部材33により連結して構成されている。軸部32の一端部は前記軸受部50によって、回転可能に支持されるようになっており、他端部には前記駆動部80により回転駆動されるようになっている。円筒部31の外周部には、バルブ側開口部311が軸方向略中央部において周方向に約180度の範囲に亘って貫通形成されていると共に、他端部において軸方向に突出する弁部312が形成されている。
図5はハウジング40の上面図であり、該ハウジング40に回動可能に収容されたロータリバルブ30を鎖線にて示している。図6は図2のx−x線における断面図であり、図7は図2のy−y線における断面図である。
図6、図7を参照して、ハウジング40は、ロータリバルブ30を回動可能に収容する筒部41と、該筒部41の上部に形成された第1チャンバ42(図7参照)及び第2チャンバ43(図6参照)と、筒部41の側部に形成された第3チャンバ44(図7参照)とを有する。第1チャンバ42はハウジング側第1開口部45を介して筒部41に連通しており(図7参照)、第2チャンバ43はハウジング側第2開口部46を介して筒部41に連通しており(図6参照)、第3チャンバ44はハウジング側第3開口部47を介して筒部41に連通している(図7参照)。
図5、図6に示すように、ハウジング側第2開口部46は、筒部41の前記他端側の上部を形成する筒部上壁40aを貫通して形成されている。図5によく示すように、ハウジング側第2開口部46は軸方向の長さが周方向の長さよりも短い偏平形状に形成されており、前記ロータリバルブ30の弁部312の軸方向位置に位置していると共に、その周方向の長さは弁部312の周方向長さよりも長く形成されている。すなわち、ハウジング側第2開口部46は、弁部312が対向位置したとしても、弁部312により完全に遮られることなく、その開口部の少なくとも一部が常に開口しているように構成されている。
また、筒部41の上部には、ロータリバルブ30の軸線に直交する円筒壁40bが形成されており、前記第1チャンバ42と前記第2チャンバ43とは、円筒壁40bを介して隣接した位置関係にある。
次に、ハウジング40内に形成されている、第1〜第3冷却水流路26〜28について説明する。
第1冷却水流路26は、ハウジング側第1開口部45と第1冷却水出口部23とを連通する流路である。図7に示すように、ハウジング側第1開口部45は、第1チャンバ42に連通している。第1チャンバ42は、後述する流路絞り孔61a、カバー部材第1流路72、及び流路絞り部材第1開口部62を介して出口流路48に連通している。出口流路48は第1貫通孔40dを介して第1冷却水出口部23に連通している。図5に示すように、出口流路48は、第1チャンバ42に前記円筒壁40bを介して隣接すると共に、前記第2チャンバ43に仕切り壁40cを介して隣接するように形成されている。
すなわち、第1冷却水流路26は、第1チャンバ42、流路絞り孔61a、カバー部材第1流路72、流路絞り部材第1開口部62、出口流路48、及び第1貫通孔40dを順に経由するように、ハウジング側第1開口部45と第1冷却水出口部23とを連通するように構成されている。
第2冷却水流路27は、ハウジング側第2開口部46と第1冷却水出口部24とを連通する流路である。図6に示すように、ハウジング側第2開口部46は、第2チャンバ43に連通している。第2チャンバ43は、後述する流路絞り部材第2開口部63及びカバー部材第2流路73と共に第2冷却水流路27の一部を形成し、第2貫通孔40eを介して、第2冷却水出口部24に連通している。
すなわち、第2冷却水流路27は、第2チャンバ43、流路絞り部材第2開口部63、カバー部材第2流路73、及び第2貫通孔40eを経由して、ハウジング側第2開口部46と第2冷却水出口部24とを連通するように構成されている。
第3冷却水流路28は、ハウジング側第3開口部47と第3冷却水出口部25とを連通する流路である。図7に示すように、ハウジング側第3開口部47は、第3チャンバ44に連通している。第3チャンバ44は、第3冷却水出口部25に連通している。
すなわち、第3冷却水流路28は、第3チャンバ44を介して、ハウジング側第3開口部47と第3冷却水出口部25とを連通するように構成されている。
図3に示すように、軸受部50は、前記ロータリバルブ30の一端側を回転可能に支持すロータリバルブ支持部51と、エンジン1の冷却水出口部12bからロータリバルブ30の内部空間へ冷却水Wを導入する開口部52とを有し、ハウジング40の一端側に形成された冷却水入口部21に装着されるように構成されている。
流路絞り部材60は、前記円筒壁40bに当接して前記上部第1チャンバ42の上部を密閉すると共に略中央に絞り孔61aが形成された絞り片61と、前記出口流路48の上部開口部に略一致する流路絞り部材第1開口部62と、前記第2チャンバ43の上部開口部に略一致する流路絞り部材第2開口部63と、を有している。
カバー部材70は、前記流路絞り部材60の上部に装着され、図3中に点線で示すカバー部材仕切り壁71により、前記絞り孔61a及び流路絞り部材第1開口部62に連通するカバー部材第1流路72と、前記流路絞り部材第2開口部63に連通するカバー部材第2流路73と、水温センサ102を装着するための取り付け部74とを有する。図6に示すように、前記取り付け部74は前記カバー部材第2流路73と連通している。
駆動部80は、ロータリバルブ30の前記他端側に接続される駆動軸(図示しない)と、該駆動軸を回転駆動させる電動モータ(図示しない)と、前記冷却水流路制御回路101から出力される制御信号に応じて、前記駆動軸を所定の回転角だけ回転駆動させる指示部(図示しない)とを有している。
次に、この実施形態による冷却水Wの流れを説明する。
まず、エンジン始動直後の冷態時(シーン1)における冷却水Wの流れを図8、図9を参照して説明する。図8はエンジン1の冷却水Wの流れを示す冷却系統のブロック図であり、図9(a)はシーン1における図2のx−x線における断面を示す断面図であり、図9(b)は同様にシーン1における図2のy−y線における断面を示す断面図である。
シーン1において、水温センサ102により検知された冷却水Wの水温が所定の値T1未満であり、ECU100内の冷却水流路制御回路101から出力される制御信号に応じて、ロータリバルブ30は駆動部80により回転駆動されて図9に示す回転角に保持される。
このとき、図9(b)に示すように、ハウジング側第1開口部45及びハウジング側第3開口部47は共に、ロータリバルブ30の円筒部31に遮られているため、これらの開口部45、47の開口面積は略ゼロとなる。この結果、ロータリバルブ30の内部にエンジン1の冷却水出口12bから導入された冷却水Wが、前記開口部45、47を介して、第1冷却水流路26及び第3冷却水流路28に通水されることはない。
一方、図9(a)に示すように、ハウジング側第2開口部46は、ロータリバルブ30の弁部312に対向位置する部分を除いて、その一部が開口している。そのため、ロータリバルブ30の内部に導入された冷却水Wは、前記ハウジング側第2開口部46を介して、第2冷却水流路27に通水されて、第2冷却水出口部24に至る。
したがって、図8中に太線の矢印で示すように、シーン1においては第2冷却水出口部24に接続されている第2冷却系統14に冷却水Wが通水されて、オイル熱交換器4を介して、ウォータポンプ2の冷却水吸い込み口2aに至る。その後、ウォータポンプ2により吐出されて再びエンジン1のウォータジャケット11aに供給される。すなわち、シーン1においては、冷却水Wは、エンジン1と第2冷却系統14とを順に循環することになる。
次に、暖気途中(シーン2)の冷却水Wの流れを図10、図11を参照して説明する。図10は、シーン2のときの冷却水Wの流れを示す冷却系統のブロック図であり、図11(a)はシーン2における図2のx−x線における断面を示し、図11(b)は同様にシーン2における図2のy−y線における断面を示す。
シーン2において、水温センサ102により検知された冷却水Wの水温が前記所定の温度T1以上になり、ECU100内の冷却水流路制御回路101から出力される制御信号に応じて、ロータリバルブ30は、駆動部80により回転駆動されて、図11に示すように回転方向Z方向に回転角が増大する。
このとき、図11(b)に示すように、ロータリバルブ30のバルブ側開口部311がハウジング側第1開口部45に対向位置する。この結果、ハウジング側開口部45の開口面積は全開となり、ロータリバルブ30の内部にエンジン1の冷却水出口12bから導入された冷却水Wは、前記ハウジング側第1開口部45を介して、第1冷却水流路26に通水されて、第1冷却水出口部23に至る。
一方、図11(a)に示すように、ロータリバルブ30の弁部312は、ハウジング側第2開口部46と対向しない位置に位置している。これにより、シーン1のときに比べて、ハウジング側第2開口部46の開口面積は増大することになり、該開口部46を介して第2冷却水流路27に通水される冷却水Wの流量が増大する。
したがって、図10中に太線の矢印で示すように、シーン2においては第1冷却水出口部23に接続されている第1冷却系統13に冷却水Wが通水されると共に、第2冷却水出口部24に接続されている第2冷却系統14への冷却水Wの通水量が増大されることになる。第1及び第2冷却系統13、14に通水された冷却水Wは、空調用ヒータ3及びオイル熱交換器4を介して、それぞれウォータポンプ2の冷却水吸い込み口2aに至る。その後、ウォータポンプ2により吐出されて再びエンジン1のウォータジャケット11aに供給される。すなわち、シーン2においては、冷却水Wは、エンジン1と第1及び第2冷却系統13、14とを循環することになる。
次に暖気完了後(シーン3)の冷却水Wの流れを図12、図13を参照して説明する。図12は、シーン3のときの冷却水Wの流れを示す冷却系統のブロック図であり、図13(a)はシーン3における図2のx−x線における断面を示し、図13(b)は同様にシーン3における図2のy−y線における断面を示す。
シーン3においては、水温センサ102により検知された冷却水Wの水温が所定の温度T2以上になると、ECU100内の冷却水流路制御回路101から出力される制御信号に応じて、ロータリバルブ30は、駆動部80により回転駆動されて、図13に示すように回転方向Zにさらに回転角が増大する。
このとき、図13(b)に示すように、ロータリバルブ30のバルブ側開口部311がハウジング側第1開口部45に対向位置していると共に、ハウジング側第3開口部47にも対向位置するようになる。
この結果、ハウジング側第1開口部45の開口面積は全開を維持しながら、ハウジング側第3開口部47の開口面積も全開になり、ロータリバルブ30の内部にエンジン1の冷却水出口部12bから導入された冷却水Wは、前記ハウジング側第1開口部45を介して第1冷却水流路26への通水を維持されながら、前記ハウジング側第3開口部47を介して第3冷却水流路28へ通水されることになる。これにより、冷却水Wは、第1冷却水出口部23及び第3冷却水出口部25に至る。
一方、図13(a)に示すように、ロータリバルブ30の弁部312は、ハウジング側第2開口部46と対向しない位置に位置している。これにより、シーン2のときと同様に、ハウジング側第2開口部46を介して、第2冷却水流路27への通水は維持されることになる。
したがって、図12中に太線の矢印で示すように、シーン3においてはシーン2における冷却水Wの流れに加えて、第3冷却水出口部25に接続されている第3冷却系統15に冷却水Wが通水されることになる。第3冷却系統15に通水された冷却水Wは、ラジエータ5を介して、ウォータポンプ2の冷却水吸い込み口2aに至る。すなわち、シーン3においては、冷却水Wは、エンジン1と、第1〜第3冷却系統13〜15とを循環することになる。
以上説明したように、ロータリバルブ30の回転角の増大に応じて、ハウジング側第1〜第3開口部45〜47の開口面積が図14に示すように増減するように構成されている。なお、シーン1からシーン3に亘って、ハウジング側第2開口部46は少なくともその一部が常に開口しており、第2冷却水流路27を介して第2冷却系統14には冷却水Wが常時通水されている。
一方、ハウジング側第1、第3開口部44、47は、初期状態においてはその開口面積が略ゼロであって、ロータリバルブ30の回転角の増大に応じてハウジング側第1開口部45から開口し、次に、ハウジング側第3開口部47が開口するようになっており、シーン2以降において、第1冷却水流路26を介して第1冷却系統13に通水がなされ、シーン3以降において、第3冷却水流路28を介して第3冷却系統15に通水がなされる。
また、シーン2からシーン3にすぐに移行すると、ハウジング側第3開口部47の開口面積がゼロからいきなり全開となって、冷却水Wはラジエータ5によって冷却されることになる。この結果、冷却水Wの水温が急激に低下することになり、シーン1又は2に戻り、水温が不安定になる可能性がある。このため、シーン2からシーン3へ以降するときには、ロータリバルブ30を徐々にその回転角を増大させることにより、ラジエータ5に通水される冷却水Wの流量を徐々に増大させることにより、冷却水Wの水温の急低下を防止して、冷却水Wの水温のハンチングを防止するように構成されている。
以上説明した、本実施形態に係るエンジンの冷却水流路制御装置20によれば、以下の効果を発揮できる。
ロータリバルブ30を回転駆動させて、バルブ側開口部311に連通するハウジング側第1、第3開口部45、47の開口面積を制御できると共に、前記ロータリバルブ30の端部に形成された弁部312がハウジング40の内周面に設けられたハウジング側第2開口部46の開口面積を制御できる。これにより、ロータリバルブ30の内部にエンジン1の冷却水出口12bから導入された冷却水Wを、前記ハウジング側第1〜第3開口部45〜47を介して第1〜第3冷却水流路26〜28に選択的に通水できると共に、その通水量を制御できる。
しかも、エンジン1の冷却水流路制御装置20をコンパクトに構成できる。なぜならば、ロータリバルブ30の他端部に弁部312を形成せずにロータリバルブ30の外周にバルブ側開口部のみ設けてこれによりハウジング40の内周面に設けられたハウジング側開口部の開口面積を制御しようとすると、(1)ロータリバルブ30に1つのバルブ側開口部を設けてこれにより複数のハウジング側開口部の開口面積を制御するか、若しくは、(2)ロータリバルブ30に軸方向に離間した複数のバルブ側開口部を設けると共に、同様にハウジング40に軸方向に離間した複数のハウジング側開口部を設けてこれにより複数のハウジング側開口部の開口面積を制御することになる。
(1)の場合、複数のハウジング側開口部は、ロータリバルブ30に設けられたバルブ側開口部と略同じ軸方向位置すなわち軸線に直交する同一断面上のハウジング40の内周面に形成されることになる。この場合、複数のハウジング側開口部をハウジング40の内周面の同一断面上に並ぶように形成すると、これらのハウジング側開口部の開口面積をそれぞれ確保するためにハウジング40の内径を大きくする必要がある。この結果、エンジン1の冷却水制御装置20が周方向に大型化することになる。
(2)の場合、ロータリバルブ30には軸方向に複数のバルブ側開口部が形成されることになる。この場合、外周に1つのバルブ開口部と端部に弁部とを形成する場合に比べて、ロータリバルブ30の軸方向の長さが増大することになる。この結果、エンジン1の冷却水制御装置20が軸方向に大型化することになる。
したがって、ロータリバルブ30の外周に単一のバルブ側開口部311を形成するのに加えて、その一端部に軸方向に突出する弁部312を形成することにより、第1〜第3冷却水流路26〜28への通水を制御できると共に、エンジン1の冷却水流路制御装置20をコンパクトに構成できる。しかも、ロータリバルブ30の他端部に軸方向に突出する弁部312を設けることにより容易にロータリバルブ30を構成できる。
また、ハウジング側第2開口部46を軸方向の長さを周方向の長さよりも短く形成することにより、前記ハウジング側第2開口部46の開口面積を確保しながら、軸方向寸法の増大を抑制することができる。さらに、前記ハウジング側第2開口部46の開口面積を制御する弁部312も、軸方向の長さを周方向の長さよりも短く構成することができるので、ロータリバルブ30の長さを短く構成できる。したがって、エンジン1の冷却水流路制御装置30の軸方向長さの増大を抑制し、同装置をよりコンパクトに構成できる。
また、弁部312の周方向の長さをハウジング側第2開口部46の周方向の長さよりも短く形成することにより、前記ハウジング側第2開口部46は前記弁部312により閉じられることはなく、常に少なくともその一部が開口していることになる。
ここで、弁部312がハウジング側第2開口部46に対向位置する場合、該開口部46の開口面積は弁部312に対向位置する面積だけ減少することになり、この結果、前記ハウジング側第2開口部46に通じる第2冷却水流路27への通水量は減少することになる。一方、弁部312がハウジング側第2開口部46から離間した位置に位置する場合、該開口部46は弁部312に遮られてその開口面積が減少することなく全て開口するので、弁部312がハウジング側第2開口部46に対向位置する場合に比べて、第2冷却水流路27に流入する冷却水Wの流量を増大させることができる。
すなわち、弁部312の周方向の長さをハウジング側第2開口部46の周方向の長さよりも短く構成することにより、第2冷却水流路27に冷却水Wを常時通水させてエンジン1の冷却系統に冷却水を循環させながら、第2冷却水流路27への通水量を制御できる。
また、第2冷却水流路27の一部を形成するカバー部材70に、前記第2冷却水流路27を臨む水温センサ取り付け孔74を設け、該水温センサ取り付け孔74に水温センサ102を装着することにより、冷却水Wの水温を適正に検知できる。つまり、上述したように、第2冷却水流路27には冷却水Wが常時通水されているので、該流路27内には冷却水Wが淀んでおらず、エンジン1から導入される冷却水Wの温度を正しく検知することにより、エンジン1のウォータジャケット11a、12aを通過して昇温された冷却水Wの水温を適正に検知できる。
しかも、エンジン1の冷却水流路制御装置20を構成するハウジング30に装着されるカバー部材70に水温センサ102を装着することにより、水温センサ102をコンパクトに配置できる。
また、第1冷却水流路26及び第2冷却水流路27は、それぞれ、第1チャンバ42及び第2チャンバ43を介してハウジング側第1開口部45及びハウジング側第2開口部46に通じており、前記第1、第2チャンバ42、43はハウジング40内であってロータリバルブ30の外部空間に形成された空間を円筒壁40bにより仕切って形成されている。
つまり、前記ハウジング側第1開口部45及び前記ハウジング側第2開口部46から第1冷却水流路26及び第2冷却水流路27への通水を、互いに隣接する第1チャンバ42及び第2チャンバ43を介して構成することにより、第1及び第2冷却水流路26、27をハウジング40内にコンパクトに配設できると共に、ハウジング40をコンパクトに構成できる。この結果、エンジン1の冷却水流路制御装置20をよりコンパクトに構成できる。
また、第1冷却水流路26は空調用ヒータ3が設けられた第1冷却系統13に連通し、第2冷却水流路27はオイル熱交換器4が設けられた第2冷却系統14に連通し、第3冷却水流路28はラジエータ5が設けられた第3冷却系統15に連通しており、ロータリバルブ30の回転角の増大に応じて、まず変速機又はエンジン1のオイル熱交換器4に通水され、次に、該オイル熱交換器4への通水量を増大させながら、空調用ヒータ3に通水させて、次に、オイル熱交換器4及び空調用ヒータ3に通水させながら、ラジエータ5に通水させることができる。
これにより、例えば、エンジン1の冷態時においてオイル熱交換器4にまず通水させて、オイルの温度上昇を促進しオイル粘度を低下させることにより、変速機又はエンジン1内部の摺動部のフリクションを低減させて冷態時における燃費向上を実現できる。エンジン1が暖気途中においては空調用ヒータ3に通水することにより、暖房性能を確保し、エンジン1の完全暖気後においては、ラジエータ5に通水することにより、エンジン1の冷却性能を確保できる。
すなわち、エンジン1の冷態時における、空調用ヒータ3、ラジエータ5への冷却損失を回避して、暖気促進を図りながら、オイル熱交換器4に通水させてエンジン1の燃費向上を図ることができる。
したがって、本発明によるエンジン1の冷却水流路制御装置20によれば、簡単な構成により、装置自体が大型化することを抑制しながら、第1〜第3冷却水流路26〜27への通水を切り換え可能であって、各冷却水流路26〜27への通水量を適切に制御できる。
なお、本発明は、以上の実施形態に示すものに限らず、特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、各種変形および変更を行うことも可能である。
以上のように、本発明によれば、車両等のエンジンの冷却水流路制御装置において、装置自体が大型化することを抑制しながら、複数のエンジンの冷却水流路への通水を切り換え可能であって、その通水量を適切に制御することが可能となるので、この種のエンジンの製造技術分野において好適に利用される可能性がある。
1 エンジン
2 ウォータポンプ
3 空調用ヒータ
4 オイル熱交換器
5 ラジエータ
13 第1冷却系統
14 第2冷却系統
15 第3冷却系統
20 冷却水流路制御装置
26 第1冷却水流路
27 第2冷却水流路
28 第3冷却水流路
30 ロータリバルブ
311 バルブ側開口部
312 弁部
40 ハウジング
45 ハウジング側第1開口部
46 ハウジング側第2開口部
47 ハウジング側第3開口部
102 水温センサ
W 冷却水

Claims (5)

  1. 円筒状の内周面に複数の第1冷却水流路に通じるハウジング側第1開口部が周方向に並べて複数設けられたハウジングと、前記ハウジング内に回動可能に収容され、かつ、内部空間にエンジンから冷却水が導入されると共に、外周面に該内部空間に通じるバルブ側開口部が設けられたロータリバルブと、前記ロータリバルブを回転駆動し、その回転角に応じて前記バルブ側開口部に連通する前記ハウジング側第1開口部の開口面積を制御する駆動部とを有する冷却水流路制御装置であって、
    前記ロータリバルブは、一端部に軸方向に突出する弁部を有し、
    前記ハウジングは、前記内周面における前記弁部の軸方向の対応位置に、第2冷却水流路に通じるハウジング側第2開口部を有し、
    前記ロータリバルブの回転角に応じて、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部の開口面積を増減可能に構成されており、
    前記複数の第1冷却水流路の1つは、前記ハウジング側第1開口部の1つに通じる第1チャンバを介して形成されており、
    前記第2冷却水流路は、前記ハウジング側第2開口部に通じる第2チャンバを介して形成されており、
    前記第1チャンバと前記第2チャンバとは、前記ハウジング内において前記ロータリバルブの周囲に形成された外部空間を、壁部により仕切られて形成されており、
    前記複数の第1冷却水流路は2つであって、
    前記複数の第1冷却水流路の一方は、空調用ヒータの冷却水流路に連通しており、
    前記複数の第1冷却水流路の他方は、ラジエータの冷却水流路に連通しており、
    前記第2冷却水流路は、変速機又はエンジンの、オイル熱交換器の冷却水流路に連通しており、
    前記複数のハウジング側第1開口部は2つ設けられており、
    前記複数のハウジング側第1開口部の一方は、前記一方の第1冷却水流路に通じ、
    前記複数のハウジング側第1開口部の他方は、前記他方の第1冷却水流路に通じ、
    前記弁部が前記ハウジング側第2開口部と対向位置するときに、前記ハウジング側第2開口部から前記第2冷却水流路を介して前記オイル熱交換器の冷却水流路に通水がなされ、
    次に、前記ロータリバルブの回転角の増大に応じて、まず、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部から離間した位置に移動することにより、前記第2開口部の開口面積が増大し、この結果、前記オイル熱交換器への冷却水の通水量を増大せしめ、
    次に、前記一方のハウジング側第1開口部が前記バルブ側開口部と連通し、前記一方のハウジング側第1開口部から前記一方の第1冷却水流路を介して前記空調用ヒータの冷却水流路に通水がなされ、
    次に、前記他方のハウジング側第1開口部が前記バルブ側開口部と連通し、前記他方のハウジング側第1開口部から前記他方の第1冷却水流路を介して前記ラジエータの冷却水流路に通水がなされることを特徴とするエンジンの冷却水流路制御装置。
  2. 前記ハウジング側第2開口部は、軸方向の長さが周方向の長さよりも短く形成されている、
    請求項1に記載のエンジンの冷却水流路制御装置。
  3. 前記弁部は、周方向の長さが前記ハウジング側第2開口部の周方向の長さよりも短く形成されている、
    請求項1又は2に記載のエンジンの冷却水流路制御装置。
  4. 前記冷却水流路制御装置を介して、冷却水がエンジンの冷却系統を循環されており、
    前記ハウジングには、前記第2冷却水流路の一部を形成するカバー部材が装着され、
    前記カバー部材に前記第2冷却水流路に臨む水温センサが装着されている、
    請求項3に記載のエンジンの冷却水流路制御装置。
  5. 円筒状の内周面に複数の第1冷却水流路に通じるハウジング側第1開口部が周方向に並べて複数設けられたハウジングと、前記ハウジング内に回動可能に収容され、かつ、内部空間にエンジンから冷却水が導入されると共に、外周面に該内部空間に通じるバルブ側開口部が設けられたロータリバルブと、前記ロータリバルブを回転駆動し、その回転角に応じて前記バルブ側開口部に連通する前記ハウジング側第1開口部の開口面積を制御する駆動部とを有する冷却水流路制御装置であって、
    前記ロータリバルブは、一端部に軸方向に突出する弁部を有し、
    前記ハウジングは、前記内周面における前記弁部の軸方向の対応位置に、第2冷却水流路に通じるハウジング側第2開口部を有し、
    前記ロータリバルブの回転角に応じて、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部の開口面積を増減可能に構成されており、
    前記複数の第1冷却水流路の1つは、前記ハウジング側第1開口部の1つに通じる第1チャンバを介して形成されており、
    前記第2冷却水流路は、前記ハウジング側第2開口部に通じる第2チャンバを介して形成されており、
    前記第1チャンバと前記第2チャンバとは、前記ハウジング内において前記ロータリバルブの周囲に形成された外部空間を、壁部により仕切られて形成されており、
    前記複数の第1冷却水流路は2つであって、
    前記複数の第1冷却水流路の一方は、第1ユニットの冷却水流路に連通しており、
    前記複数の第1冷却水流路の他方は、第2ユニットの冷却水流路に連通しており、
    前記第2冷却水流路は、第3ユニットの冷却水流路に連通しており、
    前記複数のハウジング側第1開口部は2つ設けられており、
    前記複数のハウジング側第1開口部の一方は、前記一方の第1冷却水流路に通じ、
    前記複数のハウジング側第1開口部の他方は、前記他方の第1冷却水流路に通じ、
    前記弁部が前記ハウジング側第2開口部と対向位置するときに、前記ハウジング側第2開口部から前記第2冷却水流路を介して前記第3ユニットの冷却水流路に通水がなされ、
    次に、前記ロータリバルブの回転角の増大に応じて、まず、前記弁部が前記ハウジング側第2開口部から離間した位置に移動することにより、前記第2開口部の開口面積が増大し、この結果、前記第3ユニットへの冷却水の通水量を増大せしめ、
    次に、前記一方のハウジング側第1開口部が前記バルブ側開口部と連通し、前記一方のハウジング側第1開口部から前記一方の第1冷却水流路を介して前記第1ユニットの冷却水流路に通水がなされ、
    次に、前記他方のハウジング側第1開口部が前記バルブ側開口部と連通し、前記他方のハウジング側第1開口部から前記他方の第1冷却水流路を介して前記第2ユニットの冷却水流路に通水がなされることを特徴とするエンジンの冷却水流路制御装置。
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