JP2012061824A - 成形装置及び成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形品質を向上させることができる成形技術を提供することを課題とする。
【解決手段】(b)にて、コイル83は、分離した金型50と金型60の間に、キャビティ面53、63に対し略平行に配置され、略平行につる巻き状に巻かれている。
【効果】高周波電源によりコイル83に電流を流し、磁界を発生させると、磁力線はキャビティ面53、63にほぼ沿うように発生する。(c)に示すように磁界の強さがコイル83の長手方向位置に対して一定となり、キャビティ面63に渦電流を一様に発生させることができる。金型は電気抵抗を有するため、渦電流と電気抵抗によってジュール熱が発生し、この熱でキャビティ面を加熱される。加熱された金型のキャビティに溶融状態の材料を注入すると、材料の流動性が促進されるので、成形品の品質が向上する。
【選択図】図5
【解決手段】(b)にて、コイル83は、分離した金型50と金型60の間に、キャビティ面53、63に対し略平行に配置され、略平行につる巻き状に巻かれている。
【効果】高周波電源によりコイル83に電流を流し、磁界を発生させると、磁力線はキャビティ面53、63にほぼ沿うように発生する。(c)に示すように磁界の強さがコイル83の長手方向位置に対して一定となり、キャビティ面63に渦電流を一様に発生させることができる。金型は電気抵抗を有するため、渦電流と電気抵抗によってジュール熱が発生し、この熱でキャビティ面を加熱される。加熱された金型のキャビティに溶融状態の材料を注入すると、材料の流動性が促進されるので、成形品の品質が向上する。
【選択図】図5
Description
本発明は、加熱手段で加熱された一対の金型で、成形品を得る成形技術に関する。
射出成形技術は、金型のキャビティに溶融樹脂を注入し、この溶融樹脂が冷却固化されることで、樹脂成形品を得ることができる技術である。溶融樹脂の注入時、溶融樹脂の流動性が低下すると、キャビティ内で溶融樹脂の充填不足が起こる。溶融樹脂の充填不足は樹脂成形品の品質低下を招く。そこで、キャビティ内への溶融樹脂注入前に、キャビティ内での溶融樹脂の流動性を高めるためにキャビティ面の温度を上昇させておく必要がある。
従来、キャビティ面の温度を上昇させる手段として、各種の加熱手段が提案されている(例えば、特許文献1(図1、図3)参照。)。
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図7は従来の技術の基本構成を説明する図であり、加熱手段200は、導線を中心から外側へ時計周りに巻いている渦巻状の上側高周波誘導コイル201と、この上側高周波誘導コイル201の中心に接続され導線を中心から外側へ反時計周りに巻いている渦巻状の下側高周波誘導コイル202と、上側高周波誘導コイル201がリード線203を介して接続され下側高周波誘導コイル202がリード線204を介して接続されている高周波電源205と、からなる誘導加熱装置である。
図7は従来の技術の基本構成を説明する図であり、加熱手段200は、導線を中心から外側へ時計周りに巻いている渦巻状の上側高周波誘導コイル201と、この上側高周波誘導コイル201の中心に接続され導線を中心から外側へ反時計周りに巻いている渦巻状の下側高周波誘導コイル202と、上側高周波誘導コイル201がリード線203を介して接続され下側高周波誘導コイル202がリード線204を介して接続されている高周波電源205と、からなる誘導加熱装置である。
図8は従来の高周波誘導コイルの使用方法を説明する図であり、固定金型206から可動金型207を離す。そして、固定金型206のキャビティ面208と可動金型207のキャビティ面209との間に、上側高周波誘導コイル201及び下側高周波誘導コイル202を挿入する。溶融樹脂を金型のキャビティに注入する前に、加熱手段200でキャビティ面208、209を加熱する。
図9は従来の高周波誘導コイルの作用を説明する図であり、(a)において、コイルは高周波誘導コイル201のみを用いて説明する。高周波電源(図8、符号205)により高周波誘導コイル201に電流を流して磁界を発生させる。磁界が発生すると、高周波誘導コイル201に矢印(1)のように磁力線が発生する。
(b)は高周波誘導コイル201の径方向位置と磁界の強さの関係を説明するグラフであり、磁界の強さは、第2中間部213及び第3中間部214付近で最大となり、中央空間部217で最小となる。すなわち、高周波誘導コイル201で発生する磁界の強さは、コイル径方向位置に対して一定でない。
ところで、加熱手段(図8、符号200)でキャビティ面(図8、符号209、208)を加熱すると、高周波誘導コイル201の第2中間部213及び第3中間部214に対応するキャビティ面では、磁界の強さが大きいので渦電流の発生量が多くなる。一方、高周波誘導コイル201の最内部211及び最外部216及び中央空間部217に対応するキャビティ面では、磁界の強さが小さいので渦電流の発生量が少なくなる。
渦電流の発生量が異なると、ジュール熱に差が生じる。部位間で熱の差を持ったキャビティに、溶融樹脂を注入して成形すると、樹脂成形品にそり、変形等の不具合が発生する。
そこで、成形品質を向上させることができる成形技術が求められる。
本発明は、成形品質を向上させることができる成形技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、高周波誘導コイルと、この高周波誘導コイルに接続されている高周波電源とからなる加熱手段で、一対の金型を加熱し、加熱された前記一対の金型で成形品を得る成形装置において、前記高周波誘導コイルは、分離した前記一対の金型のキャビティ面間に、前記金型のキャビティ面に対し略平行な方向に配置され、前記略平行な方向につる巻き状に巻かれていることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、高周波誘導コイルは、複数のコイルを並列に配置したコイル集合体であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、高周波誘導コイル及び高周波電源で構成される加熱手段を備え、固定金型及び可動金型を備える成形装置により実施される成形方法であって、前記加熱手段で加熱した前記固定金型及び前記可動金型を用いて、成形品を得る成形方法において、前記固定金型から所定寸法だけ前記可動金型を離した状態で維持する型分離状態維持工程と、前記固定金型のキャビティ面及び前記可動金型のキャビティ面に対し略平行な方向につる巻き状に巻かれた前記高周波誘導コイルを、前記固定金型のキャビティ面と前記可動金型のキャビティ面との間に前記略平行な方向に挿入するコイル挿入工程と、前記高周波電源により前記高周波誘導コイルに電流を流し、前記固定金型及び前記可動金型に磁界を発生させ、前記固定金型及び前記可動金型に渦電流を発生させ、得られたジュール熱で前記固定金型及び前記可動金型を加熱する加熱工程と、前記固定金型及び前記可動金型の温度が所定温度に達したとき、前記固定金型に前記可動金型を合わせて型締めする型締工程と、型締めした前記固定金型及び前記可動金型のキャビティに、溶融状態にある材料を注入する材料注入工程と、前記キャビティで冷却固化された成形品を取出すために、前記固定金型から前記可動金型を分離させる型開工程と、からなることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、高周波誘導コイルは、複数のコイルが並列に配置されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、高周波誘導コイルは、分離した一対の金型のキャビティ面間に、金型のキャビティ面に対し略平行な方向に配置され、略平行な方向につる巻き状に巻かれている。すなわち、高周波誘導コイルは、キャビティ面に対して略平行に配置されている。高周波電源により高周波誘導コイルに電流を流し、磁界を発生させると、磁力線はキャビティ面にほぼ沿うように発生するので、渦電流がキャビティ面に対して一様に発生する。金型は電気抵抗を有するため、渦電流と電気抵抗によってジュール熱が発生し、この熱でキャビティ面を加熱することができる。加熱した金型のキャビティに溶融状態の材料を注入すると、材料の流動性が促進されるので、成形品の品質を向上させることができる。したがって、成形品質を向上させることができる成形装置を提供できる。
請求項2に係る発明では、高周波誘導コイルは、複数のコイルを並列に配置したコイル集合体である。仮に高周波誘導コイルが1つのコイルで構成される場合、長尺状で面積の小さなキャビティ面を加熱できるが、キャビティ面の面積が大きい場合、加熱に時間が掛る。その点、本発明の高周波誘導コイルは、複数のコイルを並列に配置させるため、大きな面積のキャビティ面を短時間に加熱することができる。
請求項3に係る発明では、成形方法は、型分離状態維持工程と、コイル挿入工程と、加熱工程と、型締工程と、材料注入工程と、型開工程と、からなる。コイル挿入工程では、固定金型のキャビティ面及び可動金型のキャビティ面に対し略平行な方向につる巻き状に巻かれた高周波誘導コイルを、固定金型のキャビティ面と可動金型のキャビティ面との間に略平行な方向に挿入させる。すなわち、高周波誘導コイルは、キャビティ面に対して略平行に配置される。
高周波電源により高周波誘導コイルに電流を流し、磁界を発生させると、磁力線はキャビティ面にほぼ沿うように発生するので、渦電流がキャビティ面に対して一様に発生する。金型は電気抵抗を有するため、渦電流と電気抵抗によってジュール熱が発生し、この熱でキャビティ面を加熱することができる。加熱した金型のキャビティに溶融状態の材料を注入すると、材料の流動性が促進されるので、成形品の品質を向上させることができる。したがって、成形品質を向上させることができる成形方法を提供できる。
請求項4に係る発明では、高周波誘導コイルは、複数のコイルが並列に配置されている。仮に高周波誘導コイルが1つのコイルで構成される場合、長尺状で面積の小さなキャビティ面を加熱できるが、キャビティ面の面積が大きい場合、加熱に時間が掛る。その点、本発明の高周波誘導コイルは、複数のコイルを並列に配置させるため、大きな面積のキャビティ面を短時間に加熱することができる。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。また、以下の説明では、成形装置に射出成形機を適用し、成形方法に射出成形法を適用する。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、射出成形機10は、ベッド11前部に配置されている型締め装置12(詳細後述)と、この型締め装置12に臨むようにベッド11後部に配置されている射出装置31(詳細後述)と、からなる。また、型締め装置12に備えた一対の金型は、固定金型50(詳細後述)と、可動金型60(詳細後述)と、からなる。
図1に示されるように、射出成形機10は、ベッド11前部に配置されている型締め装置12(詳細後述)と、この型締め装置12に臨むようにベッド11後部に配置されている射出装置31(詳細後述)と、からなる。また、型締め装置12に備えた一対の金型は、固定金型50(詳細後述)と、可動金型60(詳細後述)と、からなる。
型締め装置12は、ベッド11の中央部に取付けられている固定盤13と、この固定盤13の前端に固定側取付け板14を介して取付けられている固定金型50と、ベッド11の前端に取付けられている支持部材15と、固定盤13と支持部材15に取付けられている4本のタイバー16と、これらのタイバー16に水平方向に摺動自在に取付けられている可動盤17と、この可動盤17の後端に可動側取付け板18を介して取付けられている可動金型60と、支持部材15に取付けられ可動盤17及び可動金型60を水平方向に移動させる型締めシリンダ19と、を備えている。
射出装置31は、ベッド11後部に取付けたスライド機構32の上に設けられている射出シリンダ33と、この射出シリンダ33の前端に取付けられスクリューを内蔵している加熱シリンダ34と、この加熱シリンダ34の前端に取付けられ固定金型50の材料注入口に接触するノズル35と、加熱シリンダ34の後端上に取付けられ加熱シリンダ34内へ供給される樹脂材料を貯留するホッパ36と、射出シリンダ33の後端に取付けられスクリューを回転させるスクリュー駆動モータ37と、射出シリンダ33後部に配置されスクリューを水平方向に移動させるスクリュー移動機構38と、固定盤13に取付けた支持部材39とスライド機構32のスライダ41とを繋いでいる射出装置移動シリンダ42と、からなる。
射出装置移動シリンダ42の引き動作により、スライダ41がレール43、43に沿って型締め装置12側へ移動するため、ノズル35を固定金型50の材料注入口に接触させることができる。
加えて、制御装置44は、型締めシリンダ19、スクリュー駆動モータ37、スクリュー移動機構38、射出装置移動シリンダ42の各々の作動を制御している。
さらに、ロボットアーム45の先端に加熱手段70(詳細後述)が取付けられ、この加熱手段70は、固定金型50と可動金型60との間の空間を臨むように配置されている。加熱手段70の構造を次の図2で説明する。
図2に示されるように、加熱手段70は、ロボットアーム45の先端に設けたコイル支持部材71に取付けられている高周波誘導コイル80と、この高周波誘導コイル80に接続されている高周波電源110とからなる。すなわち、加熱手段70は、誘導加熱装置である。
高周波誘導コイル80は、5つのコイルを並列に配置したコイル集合体である。5つのコイルとは、上から下へ並べられた、第1コイル81、第2コイル82、第3コイル83、第4コイル84、第5コイル85である。第1コイル81は、コイル支持部材71に取付けた第1鉄心86に、固定金型(図1、符号50)及び可動金型(図1、符号60)のキャビティ面(後述)に略平行な方向につる巻き状に巻かれている。
同様に、第2コイル82は、第2鉄心87に金型のキャビティ面に略平行な方向につる巻き状に巻かれ、第3コイル83は、第3鉄心88に金型のキャビティ面に略平行な方向につる巻き状に巻かれている。また、第4コイル84は、第4鉄心89に金型のキャビティ面に略平行な方向につる巻き状に巻かれ、第5コイル85は、第5鉄心91に金型のキャビティ面に略平行な方向につる巻き状に巻かれている。コイル81、82、83、84、85は、各々鉄心に巻かれているので、コイル単体の場合に比べて、より強い磁界を発生させることができる。
さらに、第1コイル81の先端92及び後端93、第2コイル82の先端94及び後端95、第3コイル83の先端96及び後端97、第4コイル84の先端98及び後端99、第5コイル85の先端101及び後端102は、全て高周波電源110に接続されている。
仮に、高周波誘導コイル80を固定金型(図1、符号50)のキャビティ面と可動金型(図1、符号60)のキャビティ面との間に挿入した状態で、高周波電源110により高周波誘導コイル80の第1コイル81、第2コイル82、第3コイル83、第4コイル84、第5コイル85に電流を流す。コイル81、82、83、84、85の各々に電流が流れると各コイルで磁界が発生する。磁界の発生により、磁力線が発生して固定金型及び可動金型に渦電流が発生する。金型は電気抵抗を有するため、渦電流と電気抵抗によってジュール熱が発生し、この熱でキャビティ面を加熱できる。
高周波誘導コイル80は、5つのコイル81、82、83、84、85を並列に配置したコイル集合体である。仮に高周波誘導コイルが1つのコイルで構成される場合、長尺状で面積の小さなキャビティ面を加熱できるが、キャビティ面の面積が大きい場合、加熱に時間が掛る。その点、本発明の高周波誘導コイル80は、5つのコイル81、82、83、84、85を並列に配置させるため、大きな面積のキャビティ面を短時間に加熱することができる。
なお、高周波誘導コイル80は、実施例では5つのコイルで構成させたが、4つ以下又は5つ以上でもあってもよく、コイルの数量は任意に決めてよい。また、コイルの長さも金型の大きさに合わせて変更して差し支えない。次に高周波誘導コイル80の構造を図3で詳細に説明する。
図3に示されるように、高周波誘導コイル80では、第1コイル81は、固定金型50の上側合わせ面51及び可動金型60の上側合わせ面61に略平行に配置されている。
また、第2コイル82は、固定金型50の上側キャビティ面52及び可動金型60の上側キャビティ面62に略平行に配置され、第3コイル83は、固定金型50の中間キャビティ面53及び可動金型60の中間キャビティ面63に略平行に配置されている。
さらに、第4コイル84は、固定金型50の下側キャビティ面54及び可動金型60の下側キャビティ面64に略平行に配置され、第5コイル85は、固定金型50の下側合わせ面55及び可動金型60の下側合わせ面65に略平行に配置されている。
以上に述べた射出成形機10の作用を次に述べる。
図4(a)に示されるように、高周波誘導コイル80が、固定金型50と可動金型60の間の空間に臨んでいる。高周波誘導コイル80をロボットアーム45で矢印(2)のように移動させる。
図4(a)に示されるように、高周波誘導コイル80が、固定金型50と可動金型60の間の空間に臨んでいる。高周波誘導コイル80をロボットアーム45で矢印(2)のように移動させる。
(b)に示されるように、高周波誘導コイル80が固定金型50と可動金型60の間に挿入されている。次に固定金型50及び可動金型60の加熱を図5で説明する。
図5(a)は図4(b)の5a−5a線断面図に相当し、第1コイル81が、分離した固定金型50と可動金型60の間に、上側合わせ面51、61に略平行に配置されている。また、第2コイル82が、分離した固定金型50と可動金型60の間に、上側キャビティ面52、62に略平行に配置され、第3コイル83が、分離した固定金型50と可動金型60の間に、中間キャビティ面53、63に略平行に配置されている。
さらに、第4コイル84が、分離した固定金型50と可動金型60の間に、下側キャビティ面54、64に略平行に配置され、第5コイル85が、分離した固定金型50と可動金型60の間に、下側合わせ面55、65に略平行に配置されている。
(b)は(a)のb−b線断面図であり、高周波電源(図2、符号110)により、高周波誘導コイル80の第3コイル83に矢印(3)のように電流を流すと、磁界が発生する。この磁界の発生により、磁力線は矢印(4)のように、固定金型50の中間キャビティ面53及び可動金型60の中間キャビティ面63にほぼ沿うように発生する。
(c)は第3コイル83の磁界の強さと長手方向位置の関係を説明するグラフであり、磁界の強さは、コイル長手方向位置に対して一定である。
(b)において、高周波誘導コイル80の第3コイル83は、分離した固定金型50と可動金型60の間に、固定金型50の中間キャビティ面53及び可動金型60の中間キャビティ面63に対し略平行な方向に配置され、略平行な方向につる巻き状に巻かれている。すなわち、高周波誘導コイル80の第3コイル83は、キャビティ面53、63に対して略平行に配置されている。
高周波電源により高周波誘導コイル80の第3コイル83に電流を流し、磁界を発生させる。磁界の発生により、磁力線はキャビティ面53、63にほぼ沿うように発生するので、磁界の強さがコイル長手方向位置に対して一定となる。磁界の強さが一定であれば、キャビティ面53、63に渦電流を一様に発生させることができる。
金型は電気抵抗を有するため、渦電流と電気抵抗によってジュール熱が発生し、この熱でキャビティ面を加熱することができる。加熱した金型のキャビティに溶融状態の材料を注入すると、材料の流動性が促進されるので、成形品の品質を向上させることができる。したがって、成形品質を向上させることができる射出成形機(図1、符号10)を提供できる。
なお、高周波誘導コイル80による金型の加熱は、上記ではキャビティ面53、63を例に説明したが、キャビティ面53、63の加熱と同時に、キャビティ面52、62、54、64及び合わせ面51、61、55、65も加熱される。次に射出成形機10を用いて実施される射出成形法を説明する。
図6に示されるように、ステップ(以下STと記す。)01において、固定金型から所定寸法だけ可動金型を離した状態で維持する。具体的には図5(a)に示されるように、可動金型60の移動を、固定金型50から所定寸法L1だけ離れた状態で止める。
ST02において、固定金型のキャビティ面及び可動金型のキャビティ面に対し略平行な方向につる巻き状に巻かれた高周波誘導コイルを、固定金型のキャビティ面と可動金型のキャビティ面との間に略平行な方向に挿入させる。具体的には図4(a)に示されるように、高周波誘導コイル80が、固定金型50と可動金型60の間の空間に臨んでいる。高周波誘導コイル80をロボットアーム45で矢印(2)のように移動させる。
ST03において、高周波電源により高周波誘導コイルに電流を流し、固定金型及び可動金型に磁界を発生させ、固定金型及び可動金型に渦電流を発生させ、得られたジュール熱で固定金型及び可動金型を加熱する。
具体的には図5(b)に示されるように、高周波電源により高周波誘導コイル80の第3コイル83に矢印(3)のように電流を流すと、磁界が発生する。この磁界の発生により、磁力線は矢印(4)のようにキャビティ面53、63にほぼ沿うように発生する。磁界の強さは、(c)に示されるようにコイル長手方向位置に対して一定となる。磁界の強さが一定であれば、キャビティ面53、63に渦電流を一様に発生させることができる。金型は電気抵抗を有するため、渦電流と電気抵抗によってジュール熱が発生し、この熱でキャビティ面を加熱することができる。
ST04において、固定金型及び可動金型の温度が所定温度に達したとき、固定金型に可動金型を合わせて型締めする。具体的には図1において、固定金型50及び可動金型60の温度が所定温度に達したとき、型締めシリンダ19に押し動作を行わせる。型締めシリンダ19の押し動作により、固定金型50に可動金型60が合わせられて、型締めが実施される。
ST05において、型締めした固定金型及び可動金型のキャビティに、溶融状態にある材料を注入する。具体的には図1において、固定金型50に可動金型60を型締めさせた後、固定金型50の材料注入口から溶融状態の材料をキャビティ内に注入する。
ST06において、キャビティで冷却固化された成形品を取出すために、固定金型から可動金型を分離させる。具体的には図1において、可動金型60を固定金型50から離す。可動金型60のキャビティ面に樹脂成形品が付着しているので、樹脂成形品を突出しピンで突出させる。
図1において、射出成形方法は、高周波誘導コイル80及び高周波電源110で構成される加熱手段70を備え、固定金型50及び可動金型60を備える射出成形機により実施される方法である。また、加熱手段70で加熱した固定金型50及び可動金型60を用いて、成形品を得る方法である。
図6において、射出成形方法は、型分離状態維持工程(ST01)と、コイル挿入工程(ST02)と、加熱工程(ST03)と、型締工程(ST04)と、材料注入工程(ST05)と、型開工程(ST06)と、からなる。
コイル挿入工程では、図4(a)に示されるように、固定金型50のキャビティ面53及び可動金型60のキャビティ面63に対し略平行な方向につる巻き状に巻かれた高周波誘導コイル80のコイル81、82、83を、キャビティ面53とキャビティ面63との間に略平行な方向に挿入させる。すなわち、高周波誘導コイル80は、キャビティ面53、63に対して略平行に配置される。
図5(b)に示されるように、高周波電源(図2、符号110)により、高周波誘導コイル80の第3コイル83に矢印(3)のように電流を流すと、磁界が発生する。この磁界の発生により、磁力線は矢印(4)のように、固定金型50の中間キャビティ面53及び可動金型60の中間キャビティ面63にほぼ沿うように発生する。また、磁界の強さは、(c)に示されるように、コイル長手方向位置に対して一定となる。
(b)において、高周波誘導コイル80の第3コイル83は、分離した固定金型50と可動金型60の間に、固定金型50の中間キャビティ面53及び可動金型60の中間キャビティ面63に対し略平行な方向に配置され、略平行な方向につる巻き状に巻かれている。すなわち、高周波誘導コイル80の第3コイル83は、キャビティ面53、63に対して略平行に配置されている。
高周波電源により高周波誘導コイル80の第3コイル83に電流を流し、磁界を発生させる。磁界の発生により、磁力線はキャビティ面53、63にほぼ沿うように発生するので、磁界の強さがコイル長手方向位置に対して一定となる。磁界の強さが一定であれば、キャビティ面53、63に渦電流を一様に発生させることができる。
金型は電気抵抗を有するため、渦電流と電気抵抗によってジュール熱が発生し、この熱でキャビティ面を加熱することができる。加熱した金型のキャビティに溶融状態の材料を注入すると、材料の流動性が促進されるので、成形品の品質を向上させることができる。したがって、成形品質を向上させることができる射出成形法を提供できる。
加えて、図2において、高周波誘導コイル80は、5つのコイル81、82、83、84、85を並列に配置されている。仮に高周波誘導コイルが1つのコイルで構成される場合、長尺状で面積の小さなキャビティ面を加熱できるが、キャビティ面の面積が大きい場合、加熱に時間が掛る。その点、本発明の高周波誘導コイル80は、5つのコイル81、82、83、84、85を並列に配置させるため、大きな面積のキャビティ面を短時間に加熱することができる。
尚、本発明に係る成形装置は、実施の形態では射出成形機に適用したが、ダイカスト装置にも適用可能である。
加えて、本発明に係る成形方法は、実施の形態では射出成形法に適用したが、ダイカスト法にも適用可能である。
加えて、本発明に係る成形方法は、実施の形態では射出成形法に適用したが、ダイカスト法にも適用可能である。
本発明の成形技術は、射出成形技術に用いられる金型の加熱に好適である。
10…成形装置(射出成形機)、50…固定金型、53、63…キャビティ面(中間キャビティ面)、60…可動金型、70…加熱手段、80…高周波誘導コイル、81…コイル(第1コイル)、82…コイル(第2コイル)、83…コイル(第3コイル)、84…コイル(第4コイル)、85…コイル(第5コイル)、110…高周波電源、L1…所定寸法。
Claims (4)
- 高周波誘導コイルと、この高周波誘導コイルに接続されている高周波電源とからなる加熱手段で、一対の金型を加熱し、加熱された前記一対の金型で成形品を得る成形装置において、
前記高周波誘導コイルは、分離した前記一対の金型のキャビティ面間に、前記金型のキャビティ面に対し略平行な方向に配置され、前記略平行な方向につる巻き状に巻かれていることを特徴とする成形装置。 - 前記高周波誘導コイルは、複数のコイルを並列に配置したコイル集合体であることを特徴とする請求項1記載の成形装置。
- 高周波誘導コイル及び高周波電源で構成される加熱手段を備え、固定金型及び可動金型を備える成形装置により実施される成形方法であって、
前記加熱手段で加熱した前記固定金型及び前記可動金型を用いて、成形品を得る成形方法において、
前記固定金型から所定寸法だけ前記可動金型を離した状態で維持する型分離状態維持工程と、
前記固定金型のキャビティ面及び前記可動金型のキャビティ面に対し略平行な方向につる巻き状に巻かれた前記高周波誘導コイルを、前記固定金型のキャビティ面と前記可動金型のキャビティ面との間に前記略平行な方向に挿入するコイル挿入工程と、
前記高周波電源により前記高周波誘導コイルに電流を流し、前記固定金型及び前記可動金型に磁界を発生させ、前記固定金型及び前記可動金型に渦電流を発生させ、得られたジュール熱で前記固定金型及び前記可動金型を加熱する加熱工程と、
前記固定金型及び前記可動金型の温度が所定温度に達したとき、前記固定金型に前記可動金型を合わせて型締めする型締工程と、
型締めした前記固定金型及び前記可動金型のキャビティに、溶融状態にある材料を注入する材料注入工程と、
前記キャビティで冷却固化された成形品を取出すために、前記固定金型から前記可動金型を分離させる型開工程と、
からなることを特徴とする成形方法。 - 前記高周波誘導コイルは、複数のコイルが並列に配置されていることを特徴とする請求項3記載の成形方法。
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