JP2012061705A - 圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、画像形成装置、及び圧電アクチュエータの製造方法 - Google Patents

圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、画像形成装置、及び圧電アクチュエータの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成膜した状態で引張応力膜となっている圧電体を用いた圧電アクチュエータの変位効率を向上させる。
【解決手段】空間部を有する基板の一方の面に設けられた弾性膜と、前記弾性膜の前記空間部上に設けられた圧電素子とを備え、前記圧電素子に電圧が印加されて撓み振動することにより、前記弾性膜を前記圧電素子の撓み方向に変位させる圧電型アクチュエータであって、前記弾性膜は、前記圧電素子が形成される部分に引張応力を有し、前記圧電素子が形成される周辺部分に圧縮応力を有することにより上記課題を解決する。
【選択図】図8

Description

本発明は、圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、画像形成装置、及び圧電アクチュエータの製造方法に関する。
従来から、例えばインクジェット記録装置等の画像形成装置に搭載された液滴吐出ヘッドには、ノズルから液滴を吐出させるための圧力発生手段としてのアクチュエータが用いられている。液滴吐出ヘッドのアクチュエータは、例えばインク液を収容する加圧液室の一面に設けられた振動板(弾性膜)と、振動板の加圧液室上に設けられた圧電素子とを備え、圧電素子に電圧が印加されて撓み振動することにより、振動板を圧電素子の撓み方向に変位させ、加圧液室のインク液に圧力を加える。
このようなアクチュエータの変位効率を向上させるためには、アクチュエータを構成する振動板の初期撓み量や、圧電素子の初期応力等を低減させること、振動板と、圧電素子を構成する圧電体膜の厚さ(中立面の位置)、剛性等の関係が重要となることが知られている。
また、上述した圧電体膜は、例えば生産性の高いゾルゲル法等を用いて形成されるが、ゾルゲル法によって圧電体膜を形成した場合には、焼成時に揮発性物質が抜け、焼き締まるため、引張応力が大きくなりやすい。したがって、圧電素子に電圧を印加していない初期の状態において、圧電体膜がこのような引張応力を有している場合には、引張応力を有していない場合と比較して、アクチュエータの圧電特性が低下し、破壊が起こりやすい等の課題を有する。よって、このような圧電体内部の初期引張応力を緩和することも求められている。
なお、従来では、振動板の初期撓み量を低減し、撓み量が増加したときの圧電特性の低下を防ぐことにより、アクチュエータの変位効率の向上を図るため、圧電素子の両側に引張膜を形成したり、圧電素子両側の圧縮応力膜を薄くしたり、除去する方法が知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、振動板、圧電素子を構成する下部電極、圧電体層、上部電極により生じる膜応力を圧縮応力とすることで振動板を撓みやすくして変位効率を向上させる方法も知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、特許文献1〜3の上述した手法では、振動板の初期撓み量は抑えられても圧電体の初期引張応力は緩和されず、むしろ大きくなってしまう。また、特許文献4の手法は、振動板全体の応力に注目したものであり、アクチュエータの幅方向で振動板の応力に分布を持たせる構成のものではない。
また、上述した特許文献1では、特に、圧電体の初期引張応力が大きい場合には、弾性膜に圧縮応力膜を用いて、圧電体に対向する部分に凹部を形成することにより、振動板の初期撓み量の低減と、圧電体の初期引張応力の緩和の両方を改善しようとしている。しかしながら、このような構成では、凹部を形成した部分の弾性体の剛性が低下し、発生力(振動板の反発力)が低減してしまう。また、凹部の形成の深さ等によっては、アクチュエータの変位効率が低下する場合もある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、成膜した状態で引張応力膜となっている圧電体を用いた圧電アクチュエータの変位効率を向上させる圧電アクチュエータ、液滴吐出ヘッド、画像形成装置、及び圧電アクチュエータの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、空間部を有する基板の一方の面に設けられた弾性膜と、前記弾性膜の前記空間部上に設けられた圧電素子とを備え、前記圧電素子に電圧が印加されて撓み振動することにより、前記弾性膜を前記圧電素子の撓み方向に変位させる圧電型アクチュエータであって、前記弾性膜は、前記圧電素子が形成される部分に引張応力を有し、前記圧電素子が形成される周辺部分に圧縮応力を有することを特徴とする。
また、本発明は、液滴を吐出する複数のノズル孔を有するノズル板と、前記ノズル孔に対応して形成された吐出室と、前記吐出室を有する基板の一方の面に設けられた弾性膜と、前記弾性膜の前記吐出室上に設けられた圧電素子とを備える液滴吐出ヘッドであって、前記弾性膜は、前記圧電素子が形成される部分に引張応力を有し、前記圧電素子が形成される周辺部分に圧縮応力を有することを特徴とする。
また、本発明は、上述した液滴吐出ヘッドを備えた画像形成装置であって、前記液滴吐出ヘッドから吐出する液滴により画像を形成することを特徴とする。
また、本発明は、空間部を有する基板の一方の面に設けられた弾性膜と、前記弾性膜の前記空間部上に設けられた圧電素子とを備え、前記圧電素子に電圧が印加されて撓み振動することにより、前記弾性膜を前記圧電素子の撓み方向に変位させる圧電型アクチュエータの製造方法であって、前記圧電素子が形成される部分に引張応力を有する引張応力膜を形成する引張応力膜形成工程と、前記圧電素子が形成される周辺部分に圧縮応力を有する圧縮応力膜を形成する圧縮応力膜形成工程とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、成膜した状態で引張応力となっている圧電体を用いた圧電アクチュエータの変位効率を向上させることを可能とする。
第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。 図1に示す第一の基板、第二の基板、ノズル基板の透視状態平面配置図である。 図2の部分拡大図(第二の基板のみ表示)である。 図2のX1−X1′断面図である。 図2のX2−X2′断面図である。 図2のY1−Y1′断面図である。 図2のY2−Y2′断面図である。 図4のアクチュエータ部付近拡大図である。 図6のアクチュエータ部付近拡大図である。 第1実施形態に係る圧電アクチュエータ製造工程図である。 第2実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。 第3実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。 第3実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程図である。 第4実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。 第5実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。 第6実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。 第6実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程図である。 第7実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。 第7実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程図である。 第8実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。 第8実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程図である。 第9実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。 第9実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程図である。 第10実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。 第10実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず、第1実施形態について、図1〜図9を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る液滴吐出ヘッドの分解斜視図である。図2は、図1に示す第一の基板、第二の基板、ノズル基板の透視状態平面配置図であり、図3は、図2の部分拡大図(第二の基板のみ表示)である。また、図4は、図2のX1−X1′断面図であり、図5は、図2のX2−X2′断面図である。また、図6は、図2のY1−Y1′断面図であり、図7は、図2のY2−Y2′断面図である。また、図8は、図4のアクチュエータ部付近拡大図であり、図9は、図6のアクチュエータ部付近拡大図である。
第1実施形態は、本発明のアクチュエータを圧力発生手段として使用した液滴吐出ヘッドである。以下、図1〜図9を適宜参照しながら、本発明の第1実施形態に係る液滴吐出ヘッド1について説明する。なお、図は、いずれも便宜上一部分のみ図示しているが、実際には、例えば一列当たり100ノズル以上のノズル列が複数列配置された構成とすることが多い。また、図は、デフォルメされ、細かい部分は省略され、縮尺は統一されてない。
図1に示す第1実施形態の液滴吐出ヘッド1は、第一の基板10と、第二の基板20と、ノズル板30と、図示されていないフレーム・FPC(フレキシブルプリント基板)・ドライバIC(Integrated Circuit)等とを備えるように構成されている。
第一の基板10は、第二の基板20の圧電素子等を保護する保護基板であり、インク液を供給するための液供給路11等を備えるように構成されている。第一の基板10は、第二の基板20と熱膨張係数が大きく違わない材料を用いることが好ましく、第一の基板10は、例えばガラス基板等を用いて形成される。液供給路11は、例えばサンドブラストにより形成されるが、例えばレーザ加工等で形成しても良く、基板の材料によって機械加工やエッチング加工等によって形成しても良い。
第二の基板20は、例えばシリコン単結晶基板からなり、インク液の流路が形成された流路形成基板である。また、第二の基板20は、第一の基板10側の面に形成された弾性膜(振動板)21と、インク液が収容される空間(空隙)部としての加圧液室22と、弾性膜21上の加圧液室22に対応した部分の内側に形成された圧電素子23と、配線層24と、流体抵抗部25と、共通液室26等を備えるように構成されている。なお、例えば図4に示すように、第二の基板20は、第一の基板10と、エポキシ系又はポリイミド系の接着剤12により接着されている。
弾性膜21は、例えば1.5〔μm〕程度の厚さを有している。圧電素子23は、例えば、図8に示すように、共通電極である下電極23aと、圧電体23bと、個別電極である上電極23cとから形成される。また、下電極23a、圧電体23b、上電極23cの側面を覆うように、絶縁膜27が形成されている。
また、図9に示すように、下電極23a及び上電極23cには、配線層24が接続されている。下電極23a及び上電極23cには、外部から電極へ電圧を印加するための接続部である電極端子部分24Aから、配線層24を介して電圧が印加される。
なお、絶縁膜27の一部には、配線層24との接続孔が開孔され、配線層24と一体的に形成された電極端子部分24Aと接続されている。また、図2及び図8等に示すように、絶縁膜27は、圧電素子22の上電極23cが露出するように、開口部を備えている。
また、例えば図6等に示すように、第一の基板10と配線層24とは、封止材13によって封止されている。また、下電極23aは、圧電体能動部以外の部分(配線層24との接続部付近以外)は除去するが、例えば隣接するアクチュエータ間の部分は残した構造としても良い。
上述した下電極23aは、例えばスパッタリング法等によって、厚さ約0.1〔μm〕の白金(Pt)、イリジウム(Ir)等の比較的導電性の高い材料から形成される。圧電体23bは、例えばゾルゲル法等によって、厚さ1.0〔μm〕程度のチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等から形成される。
上電極23cは、例えばスパッタリング法等によって、厚さ約0.05〜0.1〔μm〕の白金(Pt)、イリジウム(Ir)等から形成される。なお、これらの厚みは、用いる材料やアクチュエータの目標仕様等により適宜調整するのが望ましい。
配線層24には、電気伝導性、耐腐蝕性に優れた、例えば金(Au)等を用いる。絶縁膜27には、水分の透過・吸収の少なく電気的絶縁性に優れた、例えばアルミナ(Al)や四窒化三硅素(Si)からなる約0.2〔μm〕の厚さのものを用いる。
なお、配線層24と、絶縁膜27、下電極23a、及び上電極23cとの界面には密着層としてクロム(Cr)を敷いている。
また、図1及び図2に示すように、流体抵抗部25は、加圧液室22と一体的に形成されている。共通液室26は、液供給路11に対応した部分に形成されている。
ノズル板30は、インク液滴を吐出するノズル孔31等を有している。ノズル板30は、例えば厚さ30〔μm〕のステンレス等を用いて、プレス加工によりノズル孔31を開口した後、液の出口側の面に、撥液膜としてフッ素系の樹脂を蒸着にて成膜している。なお、ノズル板30には、例えばガラスセラミックス、シリコン単結晶基板等を用いても良い。また、ノズル板30は、第二の基板20と接着剤により貼り合わせている。
第1実施形態では、上述のように構成される液滴吐出ヘッドにおいて、例えば図8等に示すように、弾性膜21は、第二の基板20の一方の面に設けられ、圧電素子23が形成される部分に引張応力を有し、圧電素子23が形成される周辺部分に圧縮応力を有するように、圧縮応力膜21a及び引張応力膜21bを備える。
具体的には、圧縮応力膜21aは、例えば成膜状態で圧縮応力を有し、アクチュエータの幅方向全体にわたって形成されている。また、圧縮応力膜21aには、加圧液室22上の概ね圧電素子23が形成される部分に凹部が形成されている。
引張応力膜21bは、例えば成膜状態で引張応力を有し、圧縮応力膜21a上に形成された凹部と凹部周辺を覆うように形成されている。また、引張応力膜21b上には、圧電素子23が形成されている。
なお、圧縮応力膜21aには、例えば熱酸化膜を用いて、引張応力膜21bには、例えばプラズマCVDにより形成するシリコン窒化膜を用いるが、本発明においてはこれに限定されず、他の膜を用いても良い。また、上述した成膜状態とは、例えば加圧液室22を形成し、アクチュエータ構成とする前の状態である。
上述したように、弾性膜21は、圧電素子が形成された部分では引張応力膜21bが主たる構成材料となるように形成され、その両側の部分では圧縮応力膜21aが主たる構成材料となるように形成される。これにより、弾性膜21は、圧電素子が形成される部分に引張応力を有し、圧電素子が形成される周辺部分に圧縮応力を有する。
<第1実施形態:製造工程>
次に、図10を用いて、第1実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程について説明する。図10は、第1実施形態に係る圧電アクチュエータ製造工程図である。
図10(A)に示すように、第二の基板20に、例えばウェット酸化法等により、例えば圧縮応力膜21aとなる熱酸化膜を成膜する。
次に、図10(B)に示すように、例えばフォトリソ・エッチング等により、第二の基板20に形成された圧縮応力膜21aの一部に凹部を形成する。ここで、圧縮応力膜21aに形成される凹部は、例えば第2の基板20において加圧液室22が形成される部分上の、概ね圧電素子が形成される部分に形成する。
なお、圧縮応力膜21aに形成する凹部は、フォトリソ・エッチングを用いることで、容易に形成することが可能である。
次に、図10(C)に示すように、凹部が形成された圧縮応力膜21aを覆うように、例えばプラズマCVD等により、引張応力膜21bとなるシリコン窒化膜を成膜する。
次に、図10(D)に示すように、引張応力膜21b上に、圧電素子23となる下電極23aと、圧電体23bと、上電極23cとを成膜する。なお、例えば下電極23a及び上電極23cはスパッタリング法を用いて成膜し、例えば圧電体23bは、ゾルゲル法を用いて成膜する。
次に、図10(E)に示すように、加圧液室22が形成される部分に対応するように、例えばフォトリソ・エッチング等により、上電極23cと、圧電体23bと、下電極23aをパターニングする。
次に、図10(F)に示すように、圧縮応力膜21aに形成された凹部と凹部周辺が覆われるように引張応力膜21bを、例えばフォトリソ・エッチング等により、パターニングする。
次に、図10(G)に示すように、第2の基板20上に形成された圧縮応力膜21a等を覆うように絶縁膜27を成膜したのち、上電極23c上の中央部(端部付近以外)の絶縁膜27を除去する。
次に、図10(H)に示すように、第二の基板20に、加圧液室22と、流体抵抗部25と、共通液室26等を例えばアルカリ溶液による異方性エッチング又はドライエッチングにより一体的に形成する。
このとき、同時に、加圧液室22に対応する部分の弾性膜21が振動板となる。
また、第二の基板20は、上述したように単結晶シリコンからなり、圧縮応力膜21aは熱酸化膜により形成されている。したがって、上述のように第二の基板20をエッチングして加圧液室22等を形成する際には、圧縮応力膜21a界面で精度良くエッチングをストップさせることが可能となる。
ここで、加圧液室22を形成すると、圧縮応力膜21aと引張応力膜21bと圧電体23bの内部応力が開放されるが、第1実施形態によれば、その方向はいずれも圧電体23bが縮む方向で、圧電体23bの成膜時点での引張応力が緩和される方向で協調して働く。
これにより、圧縮応力膜21aに凹部を形成しただけの構成よりも、より圧電体23b内部の応力を緩和することが可能となる。また、振動板の初期撓みもより小さく抑えることが可能となる。更に、圧電体23bに対応する振動板の厚みも十分に確保して、十分な発生力(振動板反発力)を得ることが可能となる。
なお、上述した圧縮応力膜21aに凹部を形成するときに、凹部の圧縮応力膜21aを全て除去することも可能である。しかしながら、この場合には、圧縮応力膜21aと引張応力膜21bとの接触面積が極めて小さくなり、振動板の破壊強度が大きくなるので、圧縮応力膜21aを一部残しておくことが望ましい。
<第2実施形態:圧電アクチュエータ>
次に、図11を用いて、第2実施形態に係る圧電アクチュエータについて説明する。図11は、第2実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。
第2実施形態は、第1実施形態と概ね同様な構成であるが、圧縮応力膜21aの下に低応力膜21cを設けている点で異なる。第2実施形態では、低応力膜21cとして、例えばボロンをドープしたポリシリコン等を用いる。また、圧縮応力膜21aには、例えばプラズマCVD等により形成する酸化膜を用いる。
なお、本発明においてはこれに限定されず、その他の膜を用いても良いが、例えば低応力膜21cに対して圧縮応力膜21aを選択的にエッチングすることが可能な組み合わせにしておくことが望ましい。
第2実施形態では、低応力膜21cに対する圧縮応力膜21aのエッチングの選択比が十分取れるようにすることで、第1実施形態よりも凹部の深さを精度良く形成することが可能となる。
また、凹部の圧縮応力膜21aを全て除去することで、圧電体23bの応力をより緩和させることが可能となる。また、振動板の初期撓み量もより低減することが可能となる。なお、圧縮応力膜21aと引張応力膜21bとが直接接触する面積は小さくなるが、それぞれが低応力膜21cと大きな面積で接することにより、振動板21の十分な破壊耐性を得ることが可能となる。
また、図11に示すように、第2実施形態では、加圧液室22をエッチングする際のエッチングストップ層28を、第二の基板20に低応力膜21cを形成する前に形成しておくと良い。
<第3実施形態:圧電アクチュエータ>
次に、図12を用いて、第3実施形態に係る圧電アクチュエータについて説明する。図12は、第3実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。
図12に示す第3実施形態の圧電アクチュエータは、第2実施形態と概ね同様な構成であるが、低応力21cを圧縮応力膜21a及び引張応力膜21b上、すなわち圧電素子23側に設けている点で異なる。これにより、第3実施形態では、圧電素子23との積層部において、膜厚方向の応力のバランスが比較的対称となるため、より振動板における初期撓みの低減が可能となる。
また、下電極23aに低応力を有する膜を用いることにより、下電極23aを低応力膜21cと兼ねることも可能となる。
<第3実施形態:製造工程>
次に、図13を用いて、第3実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程について説明する。図13は、第3実施形態に係る圧電アクチュエータ製造工程図である。
図13に示す製造工程は、図13(A)に示すように、圧縮応力膜21aに凹部を形成して、凹部の圧縮応力膜21aを全て除去する。次に、図13(B)に示すように、引張応力膜21bを成膜し、パターニングする。次に、図13(C)に示すように、低応力膜21cと、圧電素子23となる積層膜とを成膜して、圧電素子23を加工する。
第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、引張応力膜21bのパターニングの際、その後の圧電素子23の加工が容易となるよう、引張応力膜21bの端部がテーパ形状となるように形成する。
<第4実施形態:圧電アクチュエータ>
次に、図14を用いて、第4実施形態に係る圧電アクチュエータについて説明する。図14は、第4実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。
図14に示す第4実施形態の圧電アクチュエータは、弾性膜21において、引張応力膜21bが加圧液室22直上の圧電素子23が形成される部分に設けられている。また、圧縮応力膜21aは、引張応力膜21bの両側に形成され、引張応力膜21b上の圧電素子23が形成される部分は、圧縮応力膜21aが薄く形成されている。このような構成により、弾性膜21は、圧電素子23が形成される部分に引張応力を有し、圧電素子23が形成される周辺部分に圧縮応力を有する。
第4実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程では、第1実施形態〜第3実施形態とは逆に、まず、第2の基板20に引張応力膜21bを成膜し、加圧液室22直上の圧電素子23が形成される部分のみ残してパターニングする。次に、圧縮応力膜21aを成膜し、圧電素子23の積層膜が形成される部分をパターニングする。
第4実施形態では、第1実施形態と比較して、圧電素子23との積層部において、膜厚方向の応力のバランスが比較的対称になるため、振動板21の初期撓み量をより低減することが可能となる。
<第5実施形態:圧電アクチュエータ>
次に、図15を用いて、第5実施形態に係る圧電アクチュエータについて説明する。図15は、第5実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。
図15に示す第5実施形態の圧電アクチュエータは、第3実施形態とほぼ同様な構成であるが、圧縮応力膜21aと引張応力膜21bの成膜、パターニングの順番を、第3実施形態とは逆にしたものである。
すなわち、第5実施形態では、引張応力膜21bが加圧液室22直上の圧電素子23が形成される部分に設けられている。また、圧縮応力膜21aは、引張応力膜21bの両側部分に形成され、引張応力膜21bとの重なり部分は、引張応力膜21bを覆うように形成されている。また、低応力膜21cが、圧縮応力膜21aを覆うように形成されている。このような構成により、弾性膜21は、圧電素子23が形成される部分に引張応力を有し、圧電素子23が形成される周辺部分に圧縮応力を有する。
第5実施形態では、膜の種類によって、上述の順番の方が加工し易い場合に、このような構成とすることが可能である。
<第6実施形態:圧電アクチュエータ>
次に、図16を用いて、第6実施形態に係る圧電アクチュエータについて説明する。図16は、第6実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。
図16に示す第6実施形態の圧電アクチュエータは、引張応力膜21bが加圧液室22直上の圧電素子23が形成される部分に設けられている。また、圧縮応力膜21aは、引張応力膜21bの両側部分に形成されているが、圧縮応力膜21aと引張応力膜21bとの重なり部分はなく、重ならないように隙間を形成した隙間部分を低応力膜21cが埋め込まれている。また、低応力膜21cは、圧電素子23側の圧縮応力膜21a及び引張応力膜21bの表面を覆うように形成されている。このような構成により、弾性膜21は、圧電素子23が形成される部分に引張応力を有し、圧電素子23が形成される周辺部分に圧縮応力を有する。
<第6実施形態:製造工程>
次に、図17を用いて、第6実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程について説明する。図17は、第6実施形態に係る圧電アクチュエータ製造工程図である。
図17(A)に示すように、第2の基板20の一方の面に、圧縮応力膜21a、引張応力膜21bを成膜し、パターニングする。なお、どちらを先に成膜し、パターニングするかの順番は、加工しやすい順番にすると良い。
次に、図17(B)に示すように、圧縮応力膜21a及び引張応力膜21bを覆うよう低応力膜21cを形成する。
次に、図17(C)に示すように、低応力膜21cを必要に応じてエッチバックすることにより膜圧調整する。
次に、図17(D)に示すように、引張応力膜21bが形成された部分の低応力膜21c上に圧電素子23となる積層膜を成膜して、圧電素子23を加工する。
第6実施形態では、圧縮応力膜21aと引張応力膜21bの段差が小さい状態で、圧電素子23を加工することが可能となる。また、第6実施形態では、振動板の膜厚も概ね一定とすることが可能となる。
<第7実施形態:圧電アクチュエータ>
次に、図18を用いて、第7実施形態に係る圧電アクチュエータについて説明する。図18は、第7実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。
図18に示す第7実施形態の圧電アクチュエータは、引張応力膜21bの両側に形成されている圧縮応力膜21aが、引張応力膜21bと異なる成分の添加物が添加されることにより圧縮応力を有する膜として形成されたものである。また、圧縮応力膜21aと引張応力膜21bとの間には遷移領域としての低応力膜21cが形成されている。このような構成により、弾性膜21は、圧電素子23が形成される部分に引張応力を有し、圧電素子23が形成される周辺部分に圧縮応力を有する。
<第7実施形態:製造工程>
次に、図19を用いて、第7実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程について説明する。図19は、第7実施形態に係る圧電アクチュエータ製造工程図である。
図19(A)に示すように、第2の基板20に、圧縮応力膜21aとなる部分も含め、振動板となる部分全体にわたり、一旦、引張応力膜21bを成膜する。また、引張応力膜21b上に圧電素子23となる積層膜を形成する。
次に、図19(B)に示すように、圧電素子23をパターニングし、パターニングした圧電素子23上にレジストを形成する。
次に、図19(C)に示すように、圧電素子23と自己整合的なイオンの打ち込みにより、引張応力膜21bの膜に添加物を添加する。
これにより、第7実施形態では、図19(D)に示すように、引張応力膜21bを、圧縮応力膜21aへと改質し、圧縮応力膜21aと引張応力膜21bとの間に遷移領域としての低応力膜21cが形成される。なお、打ち込むイオンは、公知例に示したものを用いることができる。
第7実施形態では、少ない工程で、振動板を一体的に形成することが可能となると共に、振動板21と圧電素子23との重ね合わせ精度の高い、バラツキのより小さなアクチュエータを得ることが可能となる。
<第8実施形態:圧電アクチュエータ>
次に、図20を用いて、第8実施形態の圧電アクチュエータについて説明する。図20は、第8実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。
図20に示す圧縮応力膜21aは、熱酸化膜であり、耐酸化性の高いシリコン窒化膜(Si)である引張応力膜21bを耐酸化マスクとした選択酸化(LOCOS)により形成される。
また、引張応力膜21bには、LP−CVDで成膜したシリコン窒化膜(Si)を用いる。なお、引張応力膜21bは、膜単層で所望の厚さを成膜するとクラックが発生するため、引張応力膜21bに、低応力膜21cであるシリコン酸窒化膜(SiO、X,Yは低応力になるように調整)を積層する。これにより、第8実施形態では、クラックを防止することが可能となる。
引張応力膜21bと低応力膜21cを積層した積層膜は、全体としては引張応力となる。なお、引張応力膜21bには、引張応力であり、耐酸化性があり、単層で所望の厚さを成膜してもクラックが発生しない膜であれば、積層構成ではなく単層構成としても良い。このような構成により、弾性膜21は、圧電素子23が形成される部分に引張応力を有し、圧電素子23が形成される周辺部分に圧縮応力を有する。
<第8実施形態:製造工程>
次に、図21を用いて、第8実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程について説明する。図21は、第8実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程図である。
図21(A)に示すように、第二の基板20に、薄い熱酸化膜と、耐酸化マスクでもあるシリコン窒化膜からなる引張応力膜21bと、シリコン酸窒化膜からなる低応力膜21cと、耐酸化マスクでもあるシリコン窒化膜からなる引張応力膜21bとを積層する。次に、薄い熱酸化膜以外の積層膜を、例えばフォトリソ・エッチングプロセスによりパターニングする。
最初に成膜した薄い熱酸化膜は、その後の選択酸化により成長した部分とともに圧縮応力膜21aになるとともに、引張応力膜21bとの密着層、局所的な応力緩和層となり、図21(D)に示す液室形成時にはエッチングストップ層となる。
次に、図21(B)に示すように、先にパターニングした引張応力膜21bと低応力膜21cの積層膜をマスクに、選択酸化を行い、圧縮応力膜21aとなる熱酸化膜を積層膜形成部以外の部分で成長させる。
次に、図21(C)に示すように、圧電素子23を形成する下電極23aと、圧電体23bと、上電極23cとを成膜する。下電極23a及び上電極23cは、例えばスパッタリング法により成膜し、圧電体23bは、例えばゾルゲル法により成膜する。次に、成膜した下電極23aと、圧電体23bと、上電極23cとを、例えばフォトリソ・エッチングプロセスによりパターニングする。
図21(D)に示すように、第1実施形態と同様に、絶縁膜27を成膜し、上電極23c上の中央部(端部付近以外)の絶縁膜27を除去する。次に、第2の基板20の反対側に、例えばアルカリ溶液による異方性エッチング又はドライエッチングを用いて、加圧液室22等を形成する。このとき、加圧液室22に対応する部分の弾性膜21が振動板となる。
<第9実施形態:圧電アクチュエータ>
次に、図22を用いて、第9実施形態の圧電アクチュエータについて説明する。図22は、第9実施形態に係る圧電アクチュエータの断面図である。
図22に示す第9実施形態の圧電アクチュエータは、上述した第8実施形態と概ね同様の方法を用いて作成される。しかしながら、第8実施形態では、圧縮応力膜21aを選択酸化にて成長させた後、圧電素子23を形成するが、第9実施形態では、圧電素子23を形成した後に選択酸化を行い、圧縮応力膜21aを成長させる。
<第9実施形態:製造工程>
次に、図23を用いて、第9実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程について説明する。図23は、第9実施形態に係る圧電アクチュエータの製造工程図である。
第9実施形態の製造工程では、基板表面が平坦な状態で圧電体23bが形成される。したがって、膜厚のより均一な圧電体23bを得ることが可能である。また、絶縁膜27に耐酸化マスク性の高い膜を用いることにより、引張応力膜21b等は耐酸化マスク性の比較的低い膜を用いることが可能となる。
具体的には、図23(A)に示すように、第二の基板20に、薄い熱酸化膜と、耐酸化マスクでもあるシリコン窒化膜からなる引張応力膜21bと、シリコン酸窒化膜からなる低応力膜21cと、耐酸化マスクでもあるシリコン窒化膜からなる引張応力膜21bとを積層する。
次に、圧電素子23となる下電極23aと、圧電体23bと、上電極23cとを成膜し、例えばフォトリソ・エッチングプロセスにより上電極23cと、圧電体23bと、下電極23aとを順次パターニングする。
次に、図23(B)に示すように、全体を覆うように絶縁膜27を成膜する。次に、図23(C)に示すように、圧電素子23を覆った部分、圧縮応力膜21aを成長させる部分以外の領域を残すように絶縁膜27をパターニングする。次に、同一のマスクで、先に形成した引張応力膜21bと、低応力膜21cをパターニングする。
次に、図23(D)に示すように、先にパターニングした積層膜をマスクに選択酸化を行い、圧縮応力膜21aとなる熱酸化膜を成長させる。
次に、図24(E)に示すように、上電極23c上の中央部(端部付近以外)の絶縁膜27を除去する。次に、第2の基板20の反対側に、例えばアルカリ溶液による異方性エッチング又はドライエッチングを用いて、加圧液室22等を形成する。このとき、加圧液室22に対応する部分の弾性膜21が振動板となる。
<第10実施形態:画像形成装置>
次に、本発明に係る圧電アクチュエータを圧力発生手段とした液滴吐出ヘッドを搭載した画像記録装置の一例について図24及び図25を参照して説明する。
図24は、第10実施形態に係る画像形成装置の斜視図である。また、図25は、第10実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
図24〜図25に示すように、画像形成装置としてのインクジェット記録装置40は、記録装置本体41の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ、キャリッジに搭載した本発明を実施した液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド、記録ヘッドへ記録液を供給する液カートリッジ等で構成される印字機構部42等を収納し、装置本体41の下方部には前方側から多数枚の用紙43を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい。)44を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙43を手差しで給紙するための手差しトレイ45を開倒することができ、給紙カセット44或いは手差しトレイ45から給送される用紙43を取り込み、印字機構部42によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ46に排紙する。
上述したインクジェット記録装置40は、ヘッドの性能が、直接画像記録装置の性能に直接的につながる。したがって、上述した各実施形態における変位効率の改善されたアクチュエータを圧力発生手段として用いることで、低コスト、低消費電力の画像記録装置を得ることが可能となる。
上述したように、本発明によれば、圧電素子が形成された部分では引張応力膜が主たる構成材料となるように形成され、その両側の部分では圧縮応力膜が主たる構成材料となるように形成された弾性膜を用いることにより、成膜した状態で引張応力となっている圧電体を用いた圧電アクチュエータの変位効率を向上させることが可能となる。
また、上述のように圧電アクチュエータを製造することで、工程数を低減した高精度の加工が可能となり、より低コスト・高精度のアクチュエータ装置を得ることが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本
発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更可能である。
1 液滴吐出ヘッド
10 第一の基板
11 液供給路
12 接着層
13 封止材
20 第二の基板
21 弾性膜
21a 圧縮応力膜
21b 引張応力膜
21c 低応力膜
22 加圧液室
23 圧電素子
23a 下電極
23b 圧電体
23c 上電極
24 配線層
25 流体抵抗部
26 共通液室
27 絶縁膜
28 エッチングストップ膜
30 ノズル板
31 ノズル孔
40 インクジェット記録装置
41 記録装置本体
42 印字機構部
43 用紙
44 給紙カセット
45 手差しトレイ
46 排紙トレイ
特許第3019845号公報 特許第3603933号公報 特許第4202467号公報 特開2009−274226号公報

Claims (6)

  1. 空間部を有する基板の一方の面に設けられた弾性膜と、前記弾性膜の前記空間部上に設けられた圧電素子とを備え、前記圧電素子に電圧が印加されて撓み振動することにより、前記弾性膜を前記圧電素子の撓み方向に変位させる圧電型アクチュエータであって、
    前記弾性膜は、前記圧電素子が形成される部分に引張応力を有し、前記圧電素子が形成される周辺部分に圧縮応力を有することを特徴とする圧電アクチュエータ。
  2. 前記圧縮応力膜は、熱酸化膜を含み、
    前記引張応力膜は、シリコン窒化膜を含み、
    前記圧縮応力膜は、前記引張応力膜とは異なる成分の添加物が添加されて圧縮応力を有することを特徴とする請求項1に記載の圧電アクチュエータ。
  3. 液滴を吐出する複数のノズル孔を有するノズル板と、前記ノズル孔に対応して形成された吐出室と、前記吐出室を有する基板の一方の面に設けられた弾性膜と、前記弾性膜の前記吐出室上に設けられた圧電素子とを備える液滴吐出ヘッドであって、
    前記弾性膜は、前記圧電素子が形成される部分に引張応力を有し、前記圧電素子が形成される周辺部分に圧縮応力を有することを特徴とする液滴吐出ヘッド。
  4. 請求項3に記載の液滴吐出ヘッドを備え、前記液滴吐出ヘッドから吐出する液滴により画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
  5. 空間部を有する基板の一方の面に設けられた弾性膜と、前記弾性膜の前記空間部上に設けられた圧電素子とを備え、前記圧電素子に電圧が印加されて撓み振動することにより、前記弾性膜を前記圧電素子の撓み方向に変位させる圧電型アクチュエータの製造方法であって、
    前記圧電素子が形成される部分に引張応力を有する引張応力膜を形成する引張応力膜形成工程と、
    前記圧電素子が形成される周辺部分に圧縮応力を有する圧縮応力膜を形成する圧縮応力膜形成工程とを備えることを特徴とする圧電型アクチュエータ製造方法。
  6. 前記圧縮応力膜形成工程は、前記圧電素子に自己整合的なイオンの打ち込みにより、前記引張応力膜形成工程により形成された引張応力膜に異なる添加物を添加することを特徴とする請求項5に記載の圧電アクチュエータ製造方法。
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Cited By (4)

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