本発明は、一般的にはスイッチに関し、より具体的には、2つ以上の入力の間でスイッチを切り換えるための方法および装置に関する。
一般に、異なる電位での2つ以上の信号間の切り換えは、有害であるか、または好ましくない可能性のある急激な変化をもたらす可能性がある。例えば、異なる電位での異なるオーディオ信号またはビデオ信号間の切り換えは、ポップ音、映像歪み、または他の1つ以上の好ましくない効果をもたらす可能性がある。他の例では、異なる電位での2つの信号(例えば、異なる値を有する第1および第2の電圧信号)間での切り換えは、急激な電流スパイク、または、他の1つ以上の有害または好ましくない効果につながる可能性がある。
いくつかの実施例において、スイッチは、第1の入力において、第1の信号を受取り、および出力において、出力信号を生成するように構成することができ、その出力は、そのスイッチの状態に依存している。本発明は、同じ電位か、またはほぼ同じ電位の切り換え信号が、急激な出力変化を低減できることを認識している。一実施例において、ポップ音、電気ショック等の有害な、または、好ましくない効果を排除または低減するために、スイッチ状態変化は、現在のスイッチ状態とは異なる、要求されたスイッチ状態の指示が受取られ、第1の信号がしきい値に達するまで遅らせることができる。
この概要は、本特許出願の主題の概要を記載することを意図している。本発明の排他的または包括的な説明を記載することは意図されていない。詳細な説明は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれている。
入力を受取り、および出力を発生させるように構成されたスイッチを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
スイッチモジュールを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
スイッチモジュールを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
入力を受取り、および出力を発生させるように構成されたスイッチを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
スイッチモジュールを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
スイッチモジュールを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
第1および第2のオーディオ信号を受取り、およびポップ音を含む出力を発生させるように構成されたオーディオスイッチを含む切り換えシステムの一実施例を概略的に示す図である。
第1および第2のオーディオ信号を受取り、およびポップ音のない出力信号を発生させるように構成されたオーディオスイッチを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
例えば、図5に図示されているようなシステムの一部として含まれているマルチ入力スイッチ回路の一実施例を概略的に示す図である。
オフセット回路の一実施例を概略的に示す図である。
減衰器回路の一実施例を概略的に示す図である。
リファレンス変換装置の一実施例を概略的に示す図である。
ダウン変換装置の一実施例を概略的に示す図である。
必ずしも縮尺通りに描かれる必要のない図面において、同様の数字は、異なる図において、同様の構成要素を指している可能性がある。異なる文字の添え字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる実施例を表す可能性がある。図面は、一般に、限定するものとしてではなく、実施例として、本願明細書で議論されている様々な実施形態を図示している。
本発明者は、とりわけ、1つ以上の入力の切り換えを、ポップ音、電気ショック等の有害または好ましくない効果を排除または低減するように制御できることを認識している。
一実施例において、スイッチ(例えば、アナログスイッチ)は、オーディオ入力(例えば、ターンオン、ターンオフ、ミュート等)を切り換えるために、あるいは、多数のオーディオ入力間で切り換えるために用いることができる。いくつかの実施例において、オーディオ出力における高速の遷移は、ポップ音、または、(例えば、スピーカを流れる電流の急激な増加によって引き起こされる、等の原因により)他の1つ以上のオーディオ歪みをもたらす可能性がある。本発明者は、とりわけ、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号が同様である場合(例えば、振幅が同様である、位相が同様である等)、ポップ音または他のオーディオ歪みを排除または低減するために、オーディオスイッチを、第1および第2のオーディオ信号間で変化させるように構成できることを認識している。他の実施例においては、本発明者は、オーディオ入力をオンまたはオフに切り換える際、第1のオーディオ入力がしきい値に達した場合、または、(例えば、そのスイッチを閉じる前に、そのスイッチを開いた後に、等)第1のオーディオ入力が、そのスイッチの出力と同様である場合、ポップ音または他のオーディオ歪みを排除または低減するために、そのオーディオスイッチは、(例えば、開閉間で)状態を変化させるように構成できることを認識している。
一実施例において、そのスイッチは、そのスイッチのタイミングを調節または制御して(例えば、遅延の導入)、そのスイッチの入出力間、例えば、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号との間等の差を最小限にするように制御することができる。
図1は、第1の信号を受取るように構成された第1の入力110を有するスイッチ105と、制御信号を受取って、そのスイッチの状態を制御するように構成された制御入力115と、第1の信号およびその制御信号を用いて出力信号を供給するように構成された出力120とを含むシステム100の一実施例を概略的に示す。
一実施例において、第1の入力110は、オーディオ信号、ビデオ信号または1つ以上の他の信号等の第1の信号を受取るように構成することができる。出力120は、スピーカ、ビデオディスプレイまたは1つ以上の他の出力デバイスに結合することができ、また、スイッチ105は、第1の入力110および出力120をターンオン、ターンオフ、ミュート、またはそうでなければ有効または無効に、あるいは遮断するように構成することができる。
一実施例において、制御入力115は、スイッチ105を制御する制御信号を受取って、異なる電位を有する入力信号と出力信号との間の切り換えに付随するポップ音または他の1つ以上の歪みを排除または低減するように構成することができる。いくつかの実施例において、電位の差は、その影響を低減させるためにフィルタリングすることができる。しかし、そのようにすると、追加的なコンポーネントまたは回路が必要となり、その結果生じる出力信号は、元の入力から変わる可能性がある。本発明者らは、しきい値(例えば、アース、出力120に結合されたデバイスの入力の静止電位、または他の1つ以上の入力信号)に重なり、または、これに近づく時間的な振幅変動を含む場合、制御入力115は、スイッチ105を制御して、その切り換えの潜在的な悪影響(例えば、ポップ音、歪み等)を最小限にすることができることを認識している。
典型的な切り換え用途において、その制御信号は、スイッチ105の状態を変える要求(例えば、電源オンの要求、電源オフの要求、ミュートの要求、多数のオーディオ信号間で切り換える要求等)が受取られた場合に、スイッチ105の状態(例えば、開閉等)を制御する。これらの実施例においては、第1の入力110および出力120は、異なる電位であり、ポップ音または他の歪みが生じる可能性がある。
いくつかの実施例において、典型的な音声周波数は、約20Hz〜20,000Hzである。本発明者は、とりわけ、第1の入力110と出力120(いくつかの実施例においては、潜在的な将来の出力であり、スイッチ105の状態の変化が流れるようにすべきである)とがほぼ等しくなるまで、または、第1の入力110と出力120との差を最小限にすることができるまで、スイッチ105の状態の変化を遅らせるように、その制御信号を構成できることを認識している。オーディオ切り換え用途においては、低い音声周波数においても、第1の信号が、その出力信号または他の1つ以上のしきい値に重なると仮定すれば、スイッチ105の状態の変化に対する最大遅延は、0.0125秒にすぎず(典型的には、もっと少ない)、第1の入力110における低い音声周波数でのその第1の信号の1つの全期間を表している。他の実施例においては、その第1の信号が、その出力信号または他の1つ以上のしきい値に重ならない場合、その制御信号は、その制御信号と、その出力信号または第1の期間内の他の1つ以上のしきい値との間の最小差を見つけた後、第2の期間内に、その最小差に達するまで、スイッチ105の状態の変化を遅らせるように構成することができる。いくつかの実施例において、その制御信号は、第1の入力110と出力120との間の位相差の原因となる遅延を供給するように構成することができる。
他の実施例において、第1の入力110は、オーディオ信号またはビデオ信号以外の1つ以上の信号を受取るように構成することができ、また、出力120は、1つ以上の信号を受取るように構成されたデバイスに、その1つ以上の信号を供給するように構成することができる。これらの実施例においては、スイッチ105の状態は、第1の入力110が出力120と同様である(または、予想出力と同様である)場合に変えることができ、例えば、異なる電位での切り換え信号(例えば、電流の急増等)に付随する悪影響を最小限にすることができる。いくつかの実施例において、多数の入力間で切り換える場合、スイッチ105の状態は、第1の入力110が1つ以上の他の入力と同様である場合に変えることができる。
図2は、スイッチ105および制御部125を含むスイッチモジュール130を含むシステム200の一実施例を概略的に示す。いくつかの実施例において、制御部125は、ディジタルコントローラ(例えば、プロセッサ等)、アナログまたはディジタル回路、あるいは、第1の信号を第1の入力110から受取り、および制御信号をスイッチ105の制御入力115に供給するように構成された他の1つ以上の制御部を含むことができる。一実施例において、制御部125は、要求された状態変化の指示が現在のスイッチ状態と異なるまで、および第1の信号がしきい値に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
一実施例において、制御部125は、(例えば、ユーザ、プロセッサ等からの)要求されたスイッチ状態の指示を受取るように構成することができる。その要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態とは異なり、および第1の信号がしきい値に達した場合には、制御部125は、その制御信号を制御入力115に供給して、スイッチ105の状態を変化させるように構成することができる。
いくつかの実施例において、第1の入力110における第1の信号は、要求されたスイッチ状態を示すことができる。例えば、ユーザは、出力120へ供給される信号(例えば、オーディオ信号、ビデオ信号等)を選択することができ、また、プロセッサは、その信号をスイッチ105に供給するように構成することができる。例えば、スイッチ105のない他の実施例においては、その第1の信号は、出力120に直接、供給されることになる。この実施例において、その第1の信号の存在は、その第1の信号に供給するためのユーザまたはプロセッサからの要求の指示を示すものである。他の実施例において、制御部125は、ユーザから別々の要求(例えば、ミュート要求等)を受取ることができる。一旦、その要求、またはその要求を示す信号が受取られると、制御部125は、第1の入力110において、その第1の信号をモニタして、指定された振幅、位相等で、そのスイッチを開閉するように制御することができる。
いくつかの実施例において、制御部125は、第1の入力110における第1の信号が、しきい値に近づくか、または達した場合に、その制御信号を供給して、スイッチ105の状態を変化させるように構成することができる。一実施例において、そのしきい値は、その用途により、アースまたは1つ以上の他のレベルを含むことができる。一実施例において、そのしきい値は、例えば、スピーカ、ディスプレイ、または、スイッチ105から出力信号を受取るように構成された他の1つ以上のデバイス等の、スイッチ105の出力120に結合されたデバイスの入力の値を含むことができる。いくつかの実施例において、制御部125は、第1の入力110における第1の信号の位相を考慮することができ、およびその位相情報を用いて、スイッチ105の状態を変えることができる。
図3は、スイッチ105および制御部125を含むスイッチモジュール130を含むシステム300の一実施例を概略的に示す。この実施例において、制御部125は、第1の入力110からの第1の信号と、出力120からの出力信号とを受取るように構成することができる。一実施例において、制御部125は、要求されたスイッチ状態の指示(例えば、開閉等)が、現在のスイッチ状態と異なり、および第1の入力110からのその第1の信号が、出力120からの出力信号に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
他の実施例においては、その第1の信号がその出力信号に達しない場合には、その第1の信号と、その出力信号との差が最小化されるまで、スイッチ状態変化を遅らせることができる。他の実施例においては、そのスイッチ状態変化は、(例えば、有害な、または好ましくない効果を排除または低減するために)その第1の信号と、他の1つ以上のしきい値、あるいは、他の信号との差を最小限にすることができるまで遅らせることができる。
図4は、第1の信号を受取るように構成された第1の入力110と、その第1の信号とは異なる第2の信号を受取るように構成された第2の入力111と、制御信号を受取って、そのスイッチの状態を制御するように構成された制御入力115と、その制御信号とその第1の信号または第2の信号の少なくとも一方を用いて出力信号を供給するように構成された出力120とを有するスイッチ105を含むシステム400の実施例を概略的に示す。
一実施例において、制御入力115は、制御信号を受取ってスイッチ105を制御し、ポップ音、または、異なる電位を有する第1の信号と第2の信号との間での切り換え、あるいは、異なる電位を有するその第1または第2の信号とその出力信号との間での切り換えに付随する他の1つ以上の歪みを排除するかまたは低減するように構成することができる。
多数の入力信号間での典型的な切り換え用途において、その制御信号は、スイッチ105の状態を変更する要求(例えば、電源オンの要求、電源オフの要求、ミュートの要求、多数のオーディオ信号間で切り換える要求等)が受取られた場合に、スイッチ105の状態(例えば、開閉等)を制御する。これらの実施例においては、第1の入力110と第2の入力111とが異なる電位である場合、または、第1の入力110または第2の入力111が、出力120に対して異なる電位である場合、ポップ音または他の歪みが生じる可能性がある。
いくつかの実施例において、第1の入力信号と第2の入力信号との間での切り換えは、第1の信号と出力との間での切り換え、または、第1の信号としきい値との間での切り換えと同様にすることができる。この実施例において、そのスイッチ状態は、第1の入力110を出力120に結合するように構成された第1の位置と、第2の入力111を出力120に結合するように構成された第2の位置とを含む。他の実施例においては、1つ以上の他の入力または入力構成を有する1つ以上の他のスイッチ構成を用いることができる。例えば、スイッチ105は、第1の入力110および第2の入力111を含むことができ、これらの入力は、それぞれ、第1の入力110および第2の入力111の各々を出力120に結合または減結合するように構成された、開状態および閉状態を有する別々のスイッチを有する。
図4の実施例において、スイッチ105は、その第1の位置にあり、第1の入力110は、出力120に結合されている。一実施例において、要求されたスイッチ状態の指示が受取られる場合、その制御信号は、その要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで(例えば、その要求されたスイッチ状態が、その第2の位置を含むまで)、および第2の入力111における第2の信号がしきい値に達するまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。一実施例において、そのしきい値は、そのスイッチの状態が変化した時に、その第1の信号と第2の信号との間の差が最小限になるように、その第1の信号の値(例えば、振幅)を含むことができる。他の実施例においては、そのしきい値は、その出力信号の値を含むことができる。
図5は、スイッチ105および制御部125を含むスイッチモジュール130を含むシステム500の一実施例を概略的に示す。一実施例において、制御部125は、第1の入力110から第1の信号を、および第2の入力111から第2の信号を受取るように構成することができる。一実施例において、制御部125は、要求された状態変化の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで、およびその第1の信号または第2の信号が、しきい値に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。一実施例において、制御部125は、その第1の信号が、その第2の信号に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。他の実施例においては、1つ以上の他のしきい値を用いることができる。
一実施例において、スイッチ105が(第1の入力110を出力120に結合する)第1の位置にあり、および(第2の入力111を出力120に結合する)第2の位置への要求されたスイッチ状態の指示が受取られる場合、制御部125は、第2の入力111における第2の信号(例えば、その第2の信号の振幅)が、第1の入力110における第1の信号(例えば、その第1の信号の振幅)に達するかまたは近づくまで、その第1の位置から第2の位置へのスイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
図6は、スイッチ105および制御部125を含むスイッチモジュール130を含むシステム600の一実施例を概略的に示す。この実施例において、制御部125は、第1の入力110から第1の信号を、第2の入力111から第2の信号を、および出力120から出力信号を受取るように構成することができる。一実施例において、制御部125は、要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで、および第1の入力110からの第1の信号または第2の入力111からの第2の信号が、出力120からの出力信号に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
一実施例において、スイッチ105が(第1の入力110を出力120に結合する)第1の位置にあり、および(第2の入力111を出力120に結合する)第2の位置への要求されたスイッチ状態の指示が受取られる場合、制御部125は、第2の入力111における第2の信号(例えば、その第2の信号の振幅)が、出力120における出力信号(例えば、その出力信号の振幅)に達するかまたは近づくまで、その第1の位置から第2の位置へのスイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
図7は、第1のオーディオ信号を受取るように構成された第1の入力110と、第2のオーディオ信号を受取るように構成された第2の入力111と、制御信号を受取るように構成された制御入力115と、ポップ音を含む出力信号をスピーカ135へ供給するように構成された出力120とを有するオーディオスイッチ105を含むオーディオ切り換えシステム700の一実施例を概略的に示す。
この実施例においては、時刻140において、要求されたスイッチ状態の指示が受取られ、スイッチ105は、第2のオーディオ信号を出力信号として供給する状態から、第1のオーディオ信号を出力信号として供給する状態に変化する。時刻140において、その第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号との間には、電位の差があるため、その出力信号においては、ポップ音または他の歪みが生じる。
図8は、第1のオーディオ信号を受取るように構成された第1の入力110と、第2のオーディオ信号を受取るように構成された第2の入力111と、制御信号を受取るように構成された制御入力115と、ポップ音を含まない出力信号をスピーカ135へ供給するように構成された出力120とを有するオーディオスイッチ105を含むシステム800の一実施例を概略的に示す。
この実施例においては、時刻140において、要求されたスイッチ状態の指示が受取られるが、スイッチ105は、時刻145まで、第2のオーディオ信号を出力信号として供給する状態から、第1のオーディオ信号を出力信号として供給する状態に変化しない。この実施例において、その制御信号は、その第1の信号が、その第2の信号に達するかまたは近づくまで、そのスイッチ状態変化を遅らせる。時刻145においては、その第1のオーディオ信号と、その第2のオーディオ信号との間には電位差がほとんどないか、または全くないため、その出力信号においては、ポップ音または他の歪みは生じない。
図9は、例えば、図5に示すシステムの一部として含まれているようなマルチ入力スイッチ回路の一実施例を概略的に示す。一実施例において、回路900は、例えば、共通基準(例えば、GND)に対して正負両電圧を供給するバイポーラ電源を要するのと対照的に、単一の電源電圧(例えば、Vcc)を用いて作動するシングルエンド電源を用いることができる。本発明者らは、とりわけ、バイポーラ電源を要する回路と比較して、回路900の単一電源作動能力が、回路サイズ(例えば、設置面積または複雑さ)を低減でき、または、コストを節減できることを認識している。そのようなコストは、設計及び製造コスト、あるいは、回路900を用いたシステムに付随するコストを含むことができる。回路900は、例えば、第1の信号921を受取るように構成された第1の入力901と、例えば、第2の信号922を受取るように構成された第2の入力902とを含むことができる。回路900は、例えば、第1の入力901または第2の入力902のいずれかを、回路900の出力904へ切り換える要求を受取るように構成された制御入力903を含むことができる。回路900は、例えば、第1の信号921および第2の信号922を受取るように構成され、および、例えば、制御入力903に応答して、要求された信号を、そのスイッチの出力904に結合するように構成されたスイッチ905を含むことができる。回路900は、制御部906を含むことができる。制御部906は、1つ以上の受取った要求に応答し、およびそれに応じて、その出力信号の障害が実質的に回避されるか、または低減されるように、スイッチ905の切り換え動作を調節することができる。そのような障害は、これらに限定されるものではないが、クリック音、ポップ音および映像歪みを含むことができる。
一実施例において、制御部906は、その第1の信号および第2の信号をモニタすることができ、また、図4、図5、図6、図7、図8の実施例に関して議論したように、それらの信号がほぼ同じレベルである場合に、スイッチ905を切り換えることができる。いくつかの実施例において、制御部906は、その第1の信号と第2の信号とが、ほぼ同じレベルおよび位相である場合、または、同じ方向に増減している場合に、スイッチ905を切り換えることができる。一実施例において、例えば、図9に示すように、回路900は、例えば、スイッチ遷移情報を制御部906へ供給するために、例えば、その第1の信号および第2の信号に関する情報を受取るように構成された比較器907を含むことができる。一実施例において、そのようなスイッチ遷移情報は、特に、その第1および第2の信号の振幅関係、その第1および第2の信号の位相関係に関する情報、またはその両方を含むことができる。例えば、そのスイッチ遷移情報が、障害のない(または、障害が低減された)切り換え機会を示す1つ以上の判断基準を満たす場合には、制御部906は、比較器907からの信号に応答して、その第1および第2の信号を、その回路の出力904に結合する状態を変化させるようにスイッチ905を作動させることができる。
単極性電圧源の使用は、回路900に印加することのできる様々な入力信号の全振幅を追跡する制御部906の能力を制限する可能性がある。一実施例において、回路900は、第1のシフト回路931または第2のシフト回路932等の1つ以上のレベルシフト回路と共に、単一の正電圧源Vcc等の単極性電圧源を含むことができる。各シフト回路931、932は、それらの信号の変換された、または調節されたバージョンの最大振幅範囲が、回路900の比較器907または他の回路のダイナミックレンジの範囲内にあるようにするため、第1の信号921および第2の信号922の信号を調節した表現を変換するかまたはそうでなければ供給するために用いることができる。例えば、このような変換または状態は、その電源のGND電圧のすぐ上の、および正のレール電圧Vccのすぐ下の範囲内の電圧振幅に制限されるその第1および第2の信号のバージョンを供給するために用いることができる。このような第1の信号921または第2の信号922の変換された、または調節されたバージョンは、上述したように、例えば、障害のない(または、障害が低減された)切り換え機会を示す1つ以上の判断基準を満たすスイッチ遷移情報を供給するために、比較器907によって用いることができる。
一実施例において、回路900は、各第1または第2の信号921、922を減衰または制限する1つ以上の各減衰器またはリミッタを含むことができる。例えば、図9の回路900は、第1の減衰器933または第2の減衰器934を含むことができる。各減衰器933、934のうちの1つ以上は、第1または第2の信号921、922の最大電圧振幅を、そのシングルエンド電源の電圧範囲(例えば、指定電圧)に対応する範囲に制限するために用いることができる。また、本発明者らは、このような減衰または制限は、そのようなフロントエンドの制限または減衰回路のない回路900と比較して、より低い作動電圧を有するシングルエンド電源を使用することを可能にすることも認識している。図9の実施例において、各第1および第2の信号921、922の減衰された表現943、944は、各シフト回路931、932によって受取ることができ、第1および第2の信号921、922の、減衰され、シフトされたバージョン941、942に処理することができる。第1および第2の入力信号921、922の、減衰され、シフトされたバージョン941、942は、比較器907によって受取ることができ、この比較器もまた、例えば、出力904における相当の障害を回避するために、回路900の出力904を切り換えるために用いられるスイッチ遷移情報を供給することができる。一実施例においては、マルチ入力スイッチ回路900を、単一の集積回路素子として、または、集積回路素子の一部として実装することができる。
図10は、オフセット回路の一実施例を概略的に示す。オフセット回路1030は、例えば、トランジスタ1034等の1つ以上のトランジスタに結合された抵抗1033等の1つ以上の抵抗を含むことができる。一実施例において、トランジスタ1034は、基準(例えば、GND)と、抵抗網の一方の側との間に結合することができる。回路1030は、例えば、その抵抗網と電流源1036との間に出力ノード1035を含む、直列の抵抗1033と供給電圧Vccとの間に結合された電流源1036を含むことができる。トランジスタ1034の制御入力1037は、入ってくる信号を受取ることができる。受取った信号のオフセット(例えば、レベルが変換された)バージョンは、回路1030の出力1035において供給されることができる。様々な実施例において、オフセットの量は、1つ以上の抵抗値を指定することにより、その電流源の設定値を指定することにより、またはこれらの組合せによって制御することができる。一実施例において、電流源1036は、(例えば、ノイズを低減するために、または、電力消費を節減するために)必要な時にだけ、その電流源を「オン」に切り換えるイネーブル入力によって制御することができる。例えば、その電流源は、そのスイッチの状態を変える要求が受取られた場合に(例えば、図5の実施例で議論したように)「オン」にすることができ、また、その要求に一致して、そのスイッチの状態が変えられた後に、あるいは、そのスイッチ状態を変化させるための機会が識別された後に、「オフ」にすることができる。このような実施例において、そのオフセット回路は、例えば、電流源1036を有効および無効にするために、制御部を含むことができ、または、制御部に応答して作動することができる。一実施例において、オフセット回路1030は、図9の制御入力903からイネーブル信号を受取ることができる。
図11は、減衰器回路の一実施例を概略的に示す。減衰器回路1140は、例えば、切り換えすべき入力信号を受取るように構成された入力1145と、例えば、その受取った入力信号の減衰されたバージョンを供給する出力1146とを含むことができる。減衰器回路1140は、単極性電圧源に結合されるように構成された電源端子Vccと、接地ノードGNDとを含むことができる。減衰器回路1140は、信号入力1145に結合された抵抗網1147a、抵抗網1147b、抵抗網1147c、抵抗網1147dと、減衰された信号を供給するための出力1146とを含むことができる。一実施例において、減衰器回路1140は、その信号の減衰されたバージョンが、減衰されていない最大電圧振幅の約25%である最大電圧振幅を含むように、実質的に等しい抵抗からなる抵抗群1147a、抵抗網1147b、抵抗網1147c、1147dを含むことができる。一実施例においては、例えば、1つ以上の他の減衰係数を供給するために、1つ以上の他の抵抗値を用いることができる。
抵抗網1147a、抵抗網1147b、抵抗網1147c、1147dは、例えば、減衰器スイッチ1160を介して基準電圧に結合することができる。減衰器スイッチ1160は、例えば、スイッチ回路900(図9)のスイッチの状態を変える要求を受取った時に、入ってくる信号の減衰が必要な場合に、減衰回路1140を有効にすることにより、および他の指定された時間の間に、回路900を無効にすることにより、エネルギーを節約するのを支援することができる。減衰器スイッチ1160は、例えば、そのスイッチ回路の状態を変える要求に応答して、受取った信号の減衰を可能にすることができる。減衰スイッチ1160は、スイッチ回路900の状態が、その要求に一致して変化した場合に、または、スイッチ905の状態を変えるための機会が識別された後に、減衰回路1140を無効にすることができる。このような実施例において、減衰器回路1140は、制御部を含むことができ、または、制御部に結合することができ、およびその制御部からの信号に応答して、その減衰器を有効または無効にすることができる。いくつかの実施例において、その減衰器回路は、イネーブル回路1150を含むことができ、および図9の制御入力903からのイネーブル信号を受取ることができる。
一実施例において、減衰器回路1140は、イネーブル入力1149が低論理レベルである場合に、無効にすることができる。イネーブル入力1149が高論理レベルである場合には、NMOSトランジスタ1163がターン「オン」して、トランジスタ1165の制御ゲートを低に引っ張る。トランジスタ1165は、その制御ゲートにおける低論理レベルでターン「オン」することができ、および絶縁NMOSトランジスタ1160の制御ゲートを高に引っ張ることができる。トランジスタ1160の制御ゲート上の高論理レベルは、トランジスタ1160を「オン」にすることができ、それに伴って、抵抗網1147a、抵抗網1147b、抵抗網1147c、1147dを基準に結合し、および減衰回路1140を用いて、信号減衰を可能にする。
図示されている実施例1140において、イネーブル回路1150は、受取った信号の減衰されたバージョンを、アースに対して電圧源Vccの逆極性で振幅させることが可能なリファレンス変換器1151を含むことができる。例えば、スイッチ回路900が、正極性の電圧源を用いる場合、リファレンス変換器1151は、減衰されていない信号と、電圧源基準GNDまたはアースとを受取ることができる。リファレンス変換器1151は、電圧源基準GNDまたは減衰されていない信号値のうちの実質的により負である方で維持される擬似接地レール1152を供給することができ、それに伴って、減衰器の出力1146を、絶縁NMOSトランジスタ1148を用いて、電圧源基準GND以下に振幅させることを可能にする。
また、図11の減衰器1140の図示されているイネーブル回路1150は、イネーブル入力1149が論理低値である場合に、第1の絶縁NMOSトランジスタ1160を「オフ」に保持するために、ダウン変換器1153および第2の絶縁NMOSトランジスタ1161を含むこともできる。ダウン変換器1153は、トランジスタ1163および1166を用いて、そのイネーブル信号の相補的なバージョンを受取ることができる。また、ダウン変換器1153は、電圧源基準GNDおよび擬似接地レール1152を受取ることもできる。そのイネーブル信号が低である場合、ダウン変換器1153は、対応する高論理レベル出力1154を第2の絶縁NMOSトランジスタ1161に供給して、第1のNMOSトランジスタ1160のゲートを低に引っ張ることができるように、第2の絶縁NMOSトランジスタ1161を作動させることができる。受取った信号に応答して、擬似レール1152が、リファレンス変換器1151によって低に引っ張られる際、第2の絶縁NMOSトランジスタ1161は、第1の絶縁NMOSトランジスタ1160のゲート上の低論理レベルを維持して、第1のNMOSトランジスタ1160が「オフ」のままであることを確実にすることができる。
図12Aは、電源基準入力1280と、第1の基準入力1281と、第2の基準入力1282と、擬似基準出力1252とを含むリファレンス変換器1251の一実施例を概略的に示す。リファレンス変換器1251は、第1の基準入力1281または第2の基準入力1282のいずれかのより低い電位に擬似基準出力1252を維持することができる。図示されている実施例において、より大きな正の基準入力は、対応するトランジスタ網1284、1285を「オン」にして、擬似出力1252を、第1の基準入力1281、第2の基準入力1282および電源基準入力1280のうちのより大きな負の基準入力に結合することができる。一実施例において、ダイオード1286は、擬似基準出力1252が、電源基準入力1280の上流の接合部電位よりも高くないことを保証することができる。図11の回路と共に用いる場合に、本発明の範囲から逸脱することなく、他のリファレンス変換器も実施可能であることを理解されたい。図11の実施例において、第1の基準入力1281は、減衰器入力1145に結合することができ、また、第2の基準入力1282および電源基準入力1280は、電圧源基準GNDに結合することができる。
図12Bは、第1の入力1271および第2の入力1272と、出力1273と、第1の入力トランジスタ1274と、第2の入力トランジスタ1275と、第2の絶縁トランジスタ1277と交差結合された第1の絶縁トランジスタ1276と、第1の基準入力1270および第2の基準入力1252とを含むダウン変換器1253の一実施例を概略的に示す。ダウン変換器1253は、異なる基準を有するデバイス間に、適切な論理信号を与えることができる。一実施例において、適切な論理信号は、第1および第2の入力1271、1272で受取られた相補的な論理信号が、第1の基準1270に参照され、およびその論理信号を受取るデバイスが、受取られた第2の基準1252に参照された場合に、出力1273で供給することができる。一実施例において、第1の基準出力1270は、図11の回路のための電源等の回路電源に結合することができる。第2の基準入力1252は、図11の回路の擬似接地レール1152に結合することができる。第1および第2の入力1271、1272で受取られた相補的な信号が、その第1の入力を高に、かつ第2の入力を低に保持している場合、第2の入力トランジスタ1275がターン「オン」して、出力1273を高論理レベルに引っ張ることができる。第1および第2の入力1271、1272で受取られた相補的な信号が、その第1の入力を低に、かつ第2の入力を高に保持している場合、その第1の入力トランジスタがターン「オン」して、第2の絶縁トランジスタ1277の制御入力を「高」に引っ張ることができる。第2の絶縁トランジスタ1277は、第2の基準入力1252、例えば、擬似接地レール1152を参照して、出力1273を低に引張り、それによって、第2の基準入力1272におけるその擬似基準レールが、第1の基準入力1271における電源基準よりもより大きな負になる場合でも、出力1272上の低論理レベルを維持することができる。図11の回路と共に用いる場合、本発明の範囲から逸脱することなく、他のダウン変換器も実施可能であることを理解されたい。
(他の実施例)
本発明者は、とりわけ、上述したシステムまたは方法を、入力信号および出力信号が、または多数の入力信号が異なる電位を有する可能性のある場合に、様々な切り換え用途に(例えば、オーディオまたはビデオ切り換えのほかにも)用いることができることを認識している。さらに、本願明細書に記載されているシステムまたは方法のうちの1つ以上は、ミキシング技術と呼ぶことができる。
一実施例において、ミキシング技術は、異なる電位間で切り換えて(例えば、第1の電位での入力と、第2の異なる電位での出力との間の切り換え)、短絡状態またはショックを潜在的に回避する場合に、突入電流を防ぐために用いることができる。いくつかの実施例において、その入力または出力の少なくとも一方が可変である場合、そのスイッチは、切り換える要求を受取った後に、その入力における電位が、その出力における電位に等しいかまたは近くなるまで待つことができる。他の実施例においては、そのスイッチは、切り換えの前に、その入力における電位が、その出力における電位からしきい値の範囲内になるまで待つことができる。一実施例において、そのしきい値は、ユーザが設定することができ、また、時間とともに変化することもできる。はじめに、そのしきい値は、第1の量に設定することができ、その後、その入力に電位が、その出力における電位からそのしきい値の範囲内にない状態で時間が経つにつれて、そのしきい値を増加させることができる。他の実施例においては、そのしきい値に、ある期間内に達しない場合、(例えば、ヒューズを飛ばすように、等の)警告を発生させることができ、あるいは、待機期間を終了することができ、およびその切り換えを、その電位差に関係なく開始することができる。
一実施例において、そのしきい値は、プログラム可能にすることができ、また、ユーザは、その入力、出力、またはこれら2つの差のうちの少なくとも1つに基づいて、しきい値、あるいは、そのスイッチが切り換える実際の電圧を設定することができる。
他の実施例においては、その入力と出力との間の電位差、または多数の出力間の電位差は、信号種別を判断するために用いることができ、およびより高い優先度(例えば、オーディオ信号等の第1の信号種別に、USBデータ等の第2の信号種別に優る優先度を与える)を有する信号に切り換えるために用いることができる。
一実施例において、ミキシング技術は、例えば、異なる電位を有する電源間(例えば、5V電源と3V電源の間)での電源投入の安定化のために用いることができる。一実施例において、電源が投入されると、その電源の出力は、定常状態に達するまで、徐々に増加(または、ある場合には、変動)する可能性がある。一実施例において、第1の電源から、より高い出力を有する第2の電源に切り換える場合、その切り換えは、その第2の電源の電位が、第1の電源の電位に等しいかまたは近くなるまで遅らせることができる。対照的に、第1の電源から、より低い電位を有する第2の電源に切り換える場合、その切り換えは、その第1の電源と第2との電源の電位差が最小になるか、または、しきい値に達するまで、遅らせることができる。
一実施例において、(例えば、1つ以上の入力、1つ以上の出力、または1つ以上のチャンネル有する、等の)スイッチは、入力と出力との間の差を利用して、あるいは、入力または出力の少なくとも一方と、所定の電気的状態との間の差または比較を用いて、自己絶縁することができる。いくつかの実施例において、その所定の電気的状態は、電圧または電流のしきい値、位相、スルーレート、または1つ以上の他の電気的状態を含むことができる。その切り換えは、これらの状態のうちの1つ以上が達成されるまで遅らせることができ、あるいは、その状態に達した場合、そのスイッチは、所望の結果により、開閉することができる。いくつかの実施例において、閉じられたスイッチは開くことができ、開かれているスイッチは閉じることができ、または、入力または出力のうちの少なくとも一方が、電圧または電流のしきい値、スルーレート、または1つ以上の他の電気的状態を超えた場合に、異なる入力を選択することができる。
(追加的な注記)
第1の実施例、すなわち実施例1において、装置はスイッチを含む。そのスイッチは、第1の信号を受取るように構成された第1の入力と、第2の信号を受取るように構成された第2の入力と、制御信号を受取るように、およびその制御信号に応答して、その第1または第2の入力信号の一方を出力に結合してそのスイッチの状態を制御するように構成された制御入力と、その第1の信号、第2の信号および制御信号を用いて、出力信号を供給するように構成された出力とを含むことができる。その装置は、その第1の信号、第2の信号、および要求されたスイッチ状態の指示を受取るように、その制御信号をそのスイッチに供給するように、およびその要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで、およびその第1の信号を示す情報と、その第2の信号を示す情報との比較がしきい値を満たすまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成された制御回路をさらに含むことができる。
実施例2において、実施例1の制御回路は、要求されたスイッチ状態が、現在のスイッチ状態と異なる場合に、指定された基準電圧より高い指定された電圧範囲内で、その第1の信号のオフセットバージョンを供給するように構成された第1のシフト回路を必要に応じて含み、その場合、その第1の信号を示す情報は、その第1の信号のオフセットバージョンを含む。実施例1の制御回路は、要求されたスイッチ状態が、現在のスイッチ状態と異なる場合に、指定された基準電圧より高い指定された電圧範囲内で、その第2の信号のオフセットバージョンを供給するように構成された第2のシフト回路を必要に応じて含み、およびその第2の信号を示す情報は、その第2の信号のオフセットバージョンを含む。
実施例3において、実施例1、実施例2のいずれか1つ以上の第1および第2のシフト回路は、要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なる場合に作動可能にされるように必要に応じて構成されており、また、要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と同じ場合には、電力消費を節約するために作動不能にされるように必要に応じて構成されている。
実施例4において、実施例1〜実施例3のいずれか1つ以上の第1または第2のシフト回路の少なくとも一方は、電流源と、その電流源に結合された抵抗網と、トランジスタとを必要に応じて含む。実施例4のトランジスタは、その電流源と直列にその抵抗網に結合されたソース端子と、アースに結合されたドレイン端子と、信号を受取るように構成されたゲート端子とを必要に応じて含む。実施例4の信号のオフセットバージョンは、その抵抗網と電流源の接合部で、必要に応じて供給される。
実施例5において、実施例1〜実施例4のいずれか1つ以上の制御回路は、その第1の信号のオフセットバージョンと、その第2の信号のオフセットバージョンとを比較するように、および第1の信号のオフセットバージョンと、第2の信号のオフセットバージョンとの差を示す比較器出力を供給するように構成された比較器を、必要に応じて含む。
実施例6において、実施例1〜実施例5のいずれか1つ以上の制御回路は、その第1の信号の大きさを減衰させるように、およびその減衰された第1の信号を、その第1のシフト回路へ供給するように構成された第1の減衰器と、その第2の信号の大きさを減衰させるように、およびその減衰された第1の信号を第1のシフト回路に供給するように構成された第2の減衰器とを必要に応じて含む。
実施例7において、実施例1〜実施例6のいずれか1つ以上のその第1の減衰器および第2の減衰器の各々は、その第1の信号および第2の信号を減衰させるための分圧器を必要に応じて含む。
実施例8において、実施例1〜実施例7のいずれか1つ以上のその第1の減衰器および第2の減衰器の各々は、イネーブル信号を受取るように、そのイネーブル信号が第1の状態にある場合に、受取った信号の減衰されたバージョンを供給するように、およびそのイネーブル信号が第2の状態にある場合に、その減衰器の電力消費を低減するように構成されたイネーブル回路を必要に応じて含む。
実施例9において、実施例1〜実施例8のいずれか1つ以上のその第1の減衰器および第2の減衰器の各々は、その分圧器に結合された各絶縁トランジスタを必要に応じて含み、その絶縁トランジスタは、そのイネーブル信号が第1の状態にある場合に、単一の電圧源を用いて、減衰された信号をアースを中心にして振動させることができるように構成されており、その絶縁トランジスタの基準電圧は、受取った信号の負の振幅に対応している。
実施例10において、実施例1〜実施例9のいずれか1つ以上のイネーブル回路は、そのイネーブル信号が第2の状態にある場合に、その絶縁NMOSトランジスタを作動不能にするように、必要に応じて構成されている。
実施例11において、実施例1〜実施例10のいずれか1つ以上のスイッチは、オーディオスイッチを必要に応じて含み、実施例1〜実施例10のいずれか1つ以上の第1の信号は、第1のオーディオ信号を必要に応じて含み、実施例1〜実施例10のいずれか1つ以上の第2の信号は、第2のオーディオ信号を必要に応じて含み、および実施例1〜実施例10のいずれか1つ以上のオーディオスイッチの出力は、スピーカに結合されるように必要に応じて構成されている。
実施例12において、実施例1〜実施例11のいずれか1つ以上のスイッチは、ビデオスイッチを必要に応じて含み、実施例1〜実施例11のいずれか1つ以上の第1の信号は、第1のビデオ信号を必要に応じて含み、実施例1〜実施例11のいずれか1つ以上の第2の信号は、第2のビデオ信号を必要に応じて含み、および実施例1〜実施例11のいずれか1つ以上のビデオスイッチの出力は、ディスプレイに結合されるように必要に応じて構成されている。
実施例13において、一つの方法は、そのスイッチの第1の入力において第1の信号を受取ること、そのスイッチの第2の入力において第2の信号を受取ること、そのスイッチの制御入力において制御信号を受取ること、その制御信号が第1の状態を示す場合に、そのスイッチの出力において第1の信号を供給すること、その第1の信号および第2の信号を用いてスイッチ遷移情報を発生させること、およびその制御信号が第2の状態を示す場合、およびそのスイッチ遷移情報がしきい値を満たす場合に、そのスイッチの出力において、第2の信号を供給することを含む。
実施例14において、実施例1〜実施例13のいずれか1つ以上のスイッチ情報を供給することは、その第1の信号のバージョンと、その第2の信号のバージョンを比較することを必要に応じて含む。
実施例15において、実施例1〜実施例14のいずれか1つ以上のスイッチ情報を供給することは、その第1の信号をアースより上にシフトして、第1の信号のバージョンを供給すること、その第2の信号をアースより上にシフトして、第2の信号のバージョンを供給することを必要に応じて含む。
実施例16において、実施例1〜実施例15のいずれか1つ以上の第1の信号をシフトすることは、その第1の信号のバージョンの範囲を、アース中心から、その単一の供給電圧の電圧値中心に制限するように、その第1の信号を減衰させることを必要に応じて含み、実施例1〜実施例15のいずれか1つ以上の第2の信号をシフトすることは、その第2の信号のバージョンの範囲を、アース中心から、その単一の供給電圧の電圧値中心に制限するように、その第2の信号を減衰させることを必要に応じて含む。
実施例17において、実施例1〜実施例16のいずれか1つ以上の、その第2の状態を有する制御信号を受取ることは、第1および第2のシフト回路を作動可能にして、その第1および第2の信号のシフトされたバージョンを供給することを必要に応じて含み、実施例1〜実施例16のいずれか1つ以上の、そのスイッチの出力において第2の信号を供給することは、そのスイッチの電力消費を節約するために、その第1および第2のシフト回路を作動不能にすることを必要に応じて含む。
実施例18において、実施例1〜実施例17のいずれか1つ以上の第1および第2のシフト回路を作動可能にすることは、第1および第2のシフト回路の電流源を作動可能にすることを必要に応じて含む。
実施例19において、実施例1〜実施例18のいずれか1つ以上の、その第2の状態を有する制御信号を受取ることは、第1および第2の減衰器回路を作動可能にして、その第1の信号のバージョンと、その第2の信号のバージョンを供給することを必要に応じて含み、および実施例1〜実施例18のいずれか1つ以上のそのスイッチの出力において第2の信号を供給することは、そのスイッチの電力消費を節約するために、その第1および第2の減衰器回路を作動不能にすることを必要に応じて含む。
実施例20において、実施例1〜実施例19のいずれか1つ以上のスイッチ遷移情報を供給することは、その第1の信号のバージョンと、その第2の信号のバージョンを比較すること、その比較を利用して、その第1の信号および第2の信号の相対振幅情報を供給することを必要に応じて含む。
実施例21において、実施例1〜実施例20のいずれか1つ以上のスイッチ遷移情報を供給することは、その第1の信号のバージョンと、第2の信号のバージョンを比較すること、その比較を利用して、その第1の信号および第2の信号の相対位相情報を供給することを必要に応じて含む。
実施例22において、装置は、単一の電源入力と、ある大きさを有する第1の信号を受取るように構成された第1の入力、ある大きさを有する第2の信号を受取るように構成された第2の入力、制御信号を受取って、そのスイッチの状態を制御するように構成された制御入力、およびその第1の信号、第2の信号およびその制御信号を用いて、出力を供給するように構成された出力を含むスイッチとを含む。また、実施例22のその装置は、その第1の信号、第2の信号、および要求されたスイッチ状態の指示を受取るように、その制御信号をそのスイッチに供給するように、およびその要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで、かつその第1の信号および第2の信号を用いた比較が、しきい値を満たすまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成された制御回路も含み、その制御回路は、その第1の信号を受取るように、およびその第1の信号の減衰されたバージョンを供給するように構成された第1の減衰器と、その第1の信号の減衰されたバージョンを受取り、およびその第1の信号の、減衰され、かつシフトされたバージョンを供給するための第1のシフト回路と、その第2の信号を受取り、およびその第2の信号の、減衰されたバージョンを供給するための第2の減衰器と、その第2の信号の減衰されたバージョンを受取り、およびその第2の信号の、減衰され、かつシフトされたバージョンを供給するための第2のシフト回路と、その第1の信号の、減衰され、かつシフトされたバージョンと、その第2の信号の、減衰され、かつシフトされたバージョンとの比較を用いて、スイッチ遷移情報を供給するように、およびそのスイッチ遷移情報をそのしきい値と比較するように構成された比較器とを含む。
実施例23は、実施例1〜実施例22の機能のいずれか1つ以上を実行するための手段、または、マシンによって実行される場合に、そのマシンに実施例1〜実施例22の機能のいずれか1つ以上を実行させる命令を含むマシン可読媒体を含むことのできる対象物を含むように、実施例1〜実施例22のいずれか1つ以上のいずれかの部分またはいずれかの部分の組合せを含むかまたは必要に応じて組み合わせることができる。
上記の詳細な説明は、その詳細な説明の一部を構成する添付図面の参照を含む。それらの図面は、本発明を実施することのできる具体的な実施形態を例証として示す。それらの実施形態は、本願明細書において、「実施例」とも呼ばれている。そのような実施例は、図示または記載されているものに加えて複数の構成要素を含むことができる。しかし、本発明者らは、図示または記載されている構成要素のみが設けられている実施例も意図している。また、本発明者らは、特定の実施例(または、本発明の1つ以上の態様)に対して、または、本願明細書に示され、または記載されている他の実施例(または、本発明の1つ以上の態様)に対して、示し、かつ記載されている複数の構成要素(または、本発明の1つ以上の態様)のいずれかの組合せまたは置換えを利用した実施例も意図している。
本願明細書で言及されている全ての出版物、特許および特許文書は、個別に参照によって組み入れられているかのように、それらの全体を本願明細書に参照によって組み入れられる。本願明細書と、そのように参照によって組み入れられたそれらの文書との間に矛盾した用法がある場合は、組み入れられた参考文献での用法は、本願明細書の用法に対して補足的であると考えるべきであり、すなわち、相容れない矛盾に対しては、本願明細書における用法が支配する。
この文書において、「1つの」という用語は、特許文献で一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」という例または用法とは無関係に、1つ以上を含むように用いられている。この文書において、「または」という用語は、非排他的に、または他に指定のない限り、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BではあるがAではない」および「AおよびB」を含むように言及するように用いられている。この文書において、「含む」という用語は、「具備する」という用語の平易な英語の同義語として用いられている。また、以下のクレームにおいて、「含む」および「具備する」という用語は、非制限的であり、すなわち、クレームにおいてこのような用語の後に挙げられているものに加えて、複数の構成要素を含むシステム、デバイス、物品またはプロセスは、それでも当該クレームの範囲内にあると見なされる。また、以下のクレームにおいて、「第1の」、「第2の」および「第3の」等の用語は、単に標識として用いられており、それらのものに数的な要件を課すことは意図されていない。
本願明細書に記載されている方法実施例は、少なくとも部分的にマシンまたはコンピュータが実装できるものとすることが可能である。いくつかの実施例は、電子デバイスを構成して、上記の実施例において説明したような方法を実行するように機能することができる命令で符号化されたコンピュータ可読媒体またはマシン可読媒体を含むことができる。このような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高級言語コード等のコードを含むことができる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。そのコードは、コンピュータプログラムプロダクトの一部を構成することができる。さらに、一実施例においては、そのコードは、例えば、実行中に、あるいはある時に、1つ以上の揮発性、非一時的な、または非揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に明確に格納することができる。それらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、限定するものではないが、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびディジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)等を含むことができる。
上記の説明は、例示的であるように、かつ非限定的であるように意図されている。例えば、上述の実施例(または、本発明の1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて用いることができる。他の実施形態は、例えば、当業者が上記説明を閲覧する際に利用することができる。要約書は、読者が技術的開示の本質を直ちに確認できるように記載されている。その要約書は、クレームの範囲または意図を解釈または限定するために用いられることはないという合意を伴って提出されている。また、上記の詳細な説明においては、本開示を整理するために、様々な特徴をまとめて分類してもよい。このことは、クレームされていない開示された特徴が、どのクレームに対しても本質的であることを意図しているように解釈すべきではない。むしろ、発明の主題は、開示されている特定の実施形態の全ての特徴にあるわけではない可能性がある。従って、以下のクレームは、本願明細書において、その詳細な説明に組込まれ、各クレームは、別々の実施形態として自立しており、また、そのような実施形態は、様々な組合せまたは置換えで、互いに組み合わせることができると考えられる。本発明の範囲は、そのようなクレームが権利を与えられる均等物の全範囲と共に、添付クレームを参照して判断すべきである。
本発明は、一般的にはスイッチに関し、より具体的には、2つ以上の入力の間でスイッチを切り換えるための方法および装置に関する。
一般に、異なる電位での2つ以上の信号間の切り換えは、有害であるか、または好ましくない可能性のある急激な変化をもたらす可能性がある。例えば、異なる電位での異なるオーディオ信号またはビデオ信号間の切り換えは、ポップ音、映像歪み、または他の1つ以上の好ましくない効果をもたらす可能性がある。他の例では、異なる電位での2つの信号(例えば、異なる値を有する第1および第2の電圧信号)間での切り換えは、急激な電流スパイク、または、他の1つ以上の有害または好ましくない効果につながる可能性がある。
米国特許出願公開第2004−0151329(A1)号明細書
米国特許出願公開第2006−0238247(A1)号明細書
米国特許第4675905号明細書
米国特許第4788508号明細書
米国特許第6157726号明細書
米国特許第7498881号明細書
いくつかの実施例において、スイッチは、第1の入力において、第1の信号を受取り、および出力において、出力信号を生成するように構成することができ、その出力は、そのスイッチの状態に依存している。本発明は、同じ電位か、またはほぼ同じ電位の切り換え信号が、急激な出力変化を低減できることを認識している。一実施例において、ポップ音、電気ショック等の有害な、または、好ましくない効果を排除または低減するために、スイッチ状態変化は、現在のスイッチ状態とは異なる、要求されたスイッチ状態の指示が受取られ、第1の信号がしきい値に達するまで遅らせることができる。
この概要は、本特許出願の主題の概要を記載することを意図している。本発明の排他的または包括的な説明を記載することは意図されていない。詳細な説明は、本特許出願に関するさらなる情報を提供するために含まれている。
入力を受取り、および出力を発生させるように構成されたスイッチを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
スイッチモジュールを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
スイッチモジュールを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
入力を受取り、および出力を発生させるように構成されたスイッチを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
スイッチモジュールを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
スイッチモジュールを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
第1および第2のオーディオ信号を受取り、およびポップ音を含む出力を発生させるように構成されたオーディオスイッチを含む切り換えシステムの一実施例を概略的に示す図である。
第1および第2のオーディオ信号を受取り、およびポップ音のない出力信号を発生させるように構成されたオーディオスイッチを含むことのできるシステムの一実施例を概略的に示す図である。
例えば、図5に図示されているようなシステムの一部として含まれているマルチ入力スイッチ回路の一実施例を概略的に示す図である。
オフセット回路の一実施例を概略的に示す図である。
減衰器回路の一実施例を概略的に示す図である。
リファレンス変換装置の一実施例を概略的に示す図である。
ダウン変換装置の一実施例を概略的に示す図である。
必ずしも縮尺通りに描かれる必要のない図面において、同様の数字は、異なる図において、同様の構成要素を指している可能性がある。異なる文字の添え字を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる実施例を表す可能性がある。図面は、一般に、限定するものとしてではなく、実施例として、本願明細書で議論されている様々な実施形態を図示している。
本発明者は、とりわけ、1つ以上の入力の切り換えを、ポップ音、電気ショック等の有害または好ましくない効果を排除または低減するように制御できることを認識している。
一実施例において、スイッチ(例えば、アナログスイッチ)は、オーディオ入力(例えば、ターンオン、ターンオフ、ミュート等)を切り換えるために、あるいは、多数のオーディオ入力間で切り換えるために用いることができる。いくつかの実施例において、オーディオ出力における高速の遷移は、ポップ音、または、(例えば、スピーカを流れる電流の急激な増加によって引き起こされる、等の原因により)他の1つ以上のオーディオ歪みをもたらす可能性がある。本発明者は、とりわけ、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号が同様である場合(例えば、振幅が同様である、位相が同様である等)、ポップ音または他のオーディオ歪みを排除または低減するために、オーディオスイッチを、第1および第2のオーディオ信号間で変化させるように構成できることを認識している。他の実施例においては、本発明者は、オーディオ入力をオンまたはオフに切り換える際、第1のオーディオ入力がしきい値に達した場合、または、(例えば、そのスイッチを閉じる前に、そのスイッチを開いた後に、等)第1のオーディオ入力が、そのスイッチの出力と同様である場合、ポップ音または他のオーディオ歪みを排除または低減するために、そのオーディオスイッチは、(例えば、開閉間で)状態を変化させるように構成できることを認識している。
一実施例において、そのスイッチは、そのスイッチのタイミングを調節または制御して(例えば、遅延の導入)、そのスイッチの入出力間、例えば、第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号との間等の差を最小限にするように制御することができる。
図1は、第1の信号を受取るように構成された第1の入力110を有するスイッチ105と、制御信号を受取って、そのスイッチの状態を制御するように構成された制御入力115と、第1の信号およびその制御信号を用いて出力信号を供給するように構成された出力120とを含むシステム100の一実施例を概略的に示す。
一実施例において、第1の入力110は、オーディオ信号、ビデオ信号または1つ以上の他の信号等の第1の信号を受取るように構成することができる。出力120は、スピーカ、ビデオディスプレイまたは1つ以上の他の出力デバイスに結合することができ、また、スイッチ105は、第1の入力110および出力120をターンオン、ターンオフ、ミュート、またはそうでなければ有効または無効に、あるいは遮断するように構成することができる。
一実施例において、制御入力115は、スイッチ105を制御する制御信号を受取って、異なる電位を有する入力信号と出力信号との間の切り換えに付随するポップ音または他の1つ以上の歪みを排除または低減するように構成することができる。いくつかの実施例において、電位の差は、その影響を低減させるためにフィルタリングすることができる。しかし、そのようにすると、追加的なコンポーネントまたは回路が必要となり、その結果生じる出力信号は、元の入力から変わる可能性がある。本発明者らは、しきい値(例えば、アース、出力120に結合されたデバイスの入力の静止電位、または他の1つ以上の入力信号)に重なり、または、これに近づく時間的な振幅変動を含む場合、制御入力115は、スイッチ105を制御して、その切り換えの潜在的な悪影響(例えば、ポップ音、歪み等)を最小限にすることができることを認識している。
典型的な切り換え用途において、その制御信号は、スイッチ105の状態を変える要求(例えば、電源オンの要求、電源オフの要求、ミュートの要求、多数のオーディオ信号間で切り換える要求等)が受取られた場合に、スイッチ105の状態(例えば、開閉等)を制御する。これらの実施例においては、第1の入力110および出力120は、異なる電位であり、ポップ音または他の歪みが生じる可能性がある。
いくつかの実施例において、典型的な音声周波数は、約20Hz〜20,000Hzである。本発明者は、とりわけ、第1の入力110と出力120(いくつかの実施例においては、潜在的な将来の出力であり、スイッチ105の状態の変化が流れるようにすべきである)とがほぼ等しくなるまで、または、第1の入力110と出力120との差を最小限にすることができるまで、スイッチ105の状態の変化を遅らせるように、その制御信号を構成できることを認識している。オーディオ切り換え用途においては、低い音声周波数においても、第1の信号が、その出力信号または他の1つ以上のしきい値に重なると仮定すれば、スイッチ105の状態の変化に対する最大遅延は、0.0125秒にすぎず(典型的には、もっと少ない)、第1の入力110における低い音声周波数でのその第1の信号の1つの全期間を表している。他の実施例においては、その第1の信号が、その出力信号または他の1つ以上のしきい値に重ならない場合、その制御信号は、その制御信号と、その出力信号または第1の期間内の他の1つ以上のしきい値との間の最小差を見つけた後、第2の期間内に、その最小差に達するまで、スイッチ105の状態の変化を遅らせるように構成することができる。いくつかの実施例において、その制御信号は、第1の入力110と出力120との間の位相差の原因となる遅延を供給するように構成することができる。
他の実施例において、第1の入力110は、オーディオ信号またはビデオ信号以外の1つ以上の信号を受取るように構成することができ、また、出力120は、1つ以上の信号を受取るように構成されたデバイスに、その1つ以上の信号を供給するように構成することができる。これらの実施例においては、スイッチ105の状態は、第1の入力110が出力120と同様である(または、予想出力と同様である)場合に変えることができ、例えば、異なる電位での切り換え信号(例えば、電流の急増等)に付随する悪影響を最小限にすることができる。いくつかの実施例において、多数の入力間で切り換える場合、スイッチ105の状態は、第1の入力110が1つ以上の他の入力と同様である場合に変えることができる。
図2は、スイッチ105および制御部125を含むスイッチモジュール130を含むシステム200の一実施例を概略的に示す。いくつかの実施例において、制御部125は、ディジタルコントローラ(例えば、プロセッサ等)、アナログまたはディジタル回路、あるいは、第1の信号を第1の入力110から受取り、および制御信号をスイッチ105の制御入力115に供給するように構成された他の1つ以上の制御部を含むことができる。一実施例において、制御部125は、要求された状態変化の指示が現在のスイッチ状態と異なるまで、および第1の信号がしきい値に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
一実施例において、制御部125は、(例えば、ユーザ、プロセッサ等からの)要求されたスイッチ状態の指示を受取るように構成することができる。その要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態とは異なり、および第1の信号がしきい値に達した場合には、制御部125は、その制御信号を制御入力115に供給して、スイッチ105の状態を変化させるように構成することができる。
いくつかの実施例において、第1の入力110における第1の信号は、要求されたスイッチ状態を示すことができる。例えば、ユーザは、出力120へ供給される信号(例えば、オーディオ信号、ビデオ信号等)を選択することができ、また、プロセッサは、その信号をスイッチ105に供給するように構成することができる。例えば、スイッチ105のない他の実施例においては、その第1の信号は、出力120に直接、供給されることになる。この実施例において、その第1の信号の存在は、その第1の信号に供給するためのユーザまたはプロセッサからの要求の指示を示すものである。他の実施例において、制御部125は、ユーザから別々の要求(例えば、ミュート要求等)を受取ることができる。一旦、その要求、またはその要求を示す信号が受取られると、制御部125は、第1の入力110において、その第1の信号をモニタして、指定された振幅、位相等で、そのスイッチを開閉するように制御することができる。
いくつかの実施例において、制御部125は、第1の入力110における第1の信号が、しきい値に近づくか、または達した場合に、その制御信号を供給して、スイッチ105の状態を変化させるように構成することができる。一実施例において、そのしきい値は、その用途により、アースまたは1つ以上の他のレベルを含むことができる。一実施例において、そのしきい値は、例えば、スピーカ、ディスプレイ、または、スイッチ105から出力信号を受取るように構成された他の1つ以上のデバイス等の、スイッチ105の出力120に結合されたデバイスの入力の値を含むことができる。いくつかの実施例において、制御部125は、第1の入力110における第1の信号の位相を考慮することができ、およびその位相情報を用いて、スイッチ105の状態を変えることができる。
図3は、スイッチ105および制御部125を含むスイッチモジュール130を含むシステム300の一実施例を概略的に示す。この実施例において、制御部125は、第1の入力110からの第1の信号と、出力120からの出力信号とを受取るように構成することができる。一実施例において、制御部125は、要求されたスイッチ状態の指示(例えば、開閉等)が、現在のスイッチ状態と異なり、および第1の入力110からのその第1の信号が、出力120からの出力信号に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
他の実施例においては、その第1の信号がその出力信号に達しない場合には、その第1の信号と、その出力信号との差が最小化されるまで、スイッチ状態変化を遅らせることができる。他の実施例においては、そのスイッチ状態変化は、(例えば、有害な、または好ましくない効果を排除または低減するために)その第1の信号と、他の1つ以上のしきい値、あるいは、他の信号との差を最小限にすることができるまで遅らせることができる。
図4は、第1の信号を受取るように構成された第1の入力110と、その第1の信号とは異なる第2の信号を受取るように構成された第2の入力111と、制御信号を受取って、そのスイッチの状態を制御するように構成された制御入力115と、その制御信号とその第1の信号または第2の信号の少なくとも一方を用いて出力信号を供給するように構成された出力120とを有するスイッチ105を含むシステム400の実施例を概略的に示す。
一実施例において、制御入力115は、制御信号を受取ってスイッチ105を制御し、ポップ音、または、異なる電位を有する第1の信号と第2の信号との間での切り換え、あるいは、異なる電位を有するその第1または第2の信号とその出力信号との間での切り換えに付随する他の1つ以上の歪みを排除するかまたは低減するように構成することができる。
多数の入力信号間での典型的な切り換え用途において、その制御信号は、スイッチ105の状態を変更する要求(例えば、電源オンの要求、電源オフの要求、ミュートの要求、多数のオーディオ信号間で切り換える要求等)が受取られた場合に、スイッチ105の状態(例えば、開閉等)を制御する。これらの実施例においては、第1の入力110と第2の入力111とが異なる電位である場合、または、第1の入力110または第2の入力111が、出力120に対して異なる電位である場合、ポップ音または他の歪みが生じる可能性がある。
いくつかの実施例において、第1の入力信号と第2の入力信号との間での切り換えは、第1の信号と出力との間での切り換え、または、第1の信号としきい値との間での切り換えと同様にすることができる。この実施例において、そのスイッチ状態は、第1の入力110を出力120に結合するように構成された第1の位置と、第2の入力111を出力120に結合するように構成された第2の位置とを含む。他の実施例においては、1つ以上の他の入力または入力構成を有する1つ以上の他のスイッチ構成を用いることができる。例えば、スイッチ105は、第1の入力110および第2の入力111を含むことができ、これらの入力は、それぞれ、第1の入力110および第2の入力111の各々を出力120に結合または減結合するように構成された、開状態および閉状態を有する別々のスイッチを有する。
図4の実施例において、スイッチ105は、その第1の位置にあり、第1の入力110は、出力120に結合されている。一実施例において、要求されたスイッチ状態の指示が受取られる場合、その制御信号は、その要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで(例えば、その要求されたスイッチ状態が、その第2の位置を含むまで)、および第2の入力111における第2の信号がしきい値に達するまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。一実施例において、そのしきい値は、そのスイッチの状態が変化した時に、その第1の信号と第2の信号との間の差が最小限になるように、その第1の信号の値(例えば、振幅)を含むことができる。他の実施例においては、そのしきい値は、その出力信号の値を含むことができる。
図5は、スイッチ105および制御部125を含むスイッチモジュール130を含むシステム500の一実施例を概略的に示す。一実施例において、制御部125は、第1の入力110から第1の信号を、および第2の入力111から第2の信号を受取るように構成することができる。一実施例において、制御部125は、要求された状態変化の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで、およびその第1の信号または第2の信号が、しきい値に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。一実施例において、制御部125は、その第1の信号が、その第2の信号に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。他の実施例においては、1つ以上の他のしきい値を用いることができる。
一実施例において、スイッチ105が(第1の入力110を出力120に結合する)第1の位置にあり、および(第2の入力111を出力120に結合する)第2の位置への要求されたスイッチ状態の指示が受取られる場合、制御部125は、第2の入力111における第2の信号(例えば、その第2の信号の振幅)が、第1の入力110における第1の信号(例えば、その第1の信号の振幅)に達するかまたは近づくまで、その第1の位置から第2の位置へのスイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
図6は、スイッチ105および制御部125を含むスイッチモジュール130を含むシステム600の一実施例を概略的に示す。この実施例において、制御部125は、第1の入力110から第1の信号を、第2の入力111から第2の信号を、および出力120から出力信号を受取るように構成することができる。一実施例において、制御部125は、要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで、および第1の入力110からの第1の信号または第2の入力111からの第2の信号が、出力120からの出力信号に達するかまたは近づくまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
一実施例において、スイッチ105が(第1の入力110を出力120に結合する)第1の位置にあり、および(第2の入力111を出力120に結合する)第2の位置への要求されたスイッチ状態の指示が受取られる場合、制御部125は、第2の入力111における第2の信号(例えば、その第2の信号の振幅)が、出力120における出力信号(例えば、その出力信号の振幅)に達するかまたは近づくまで、その第1の位置から第2の位置へのスイッチ状態変化を遅らせるように構成することができる。
図7は、第1のオーディオ信号を受取るように構成された第1の入力110と、第2のオーディオ信号を受取るように構成された第2の入力111と、制御信号を受取るように構成された制御入力115と、ポップ音を含む出力信号をスピーカ135へ供給するように構成された出力120とを有するオーディオスイッチ105を含むオーディオ切り換えシステム700の一実施例を概略的に示す。
この実施例においては、時刻140において、要求されたスイッチ状態の指示が受取られ、スイッチ105は、第2のオーディオ信号を出力信号として供給する状態から、第1のオーディオ信号を出力信号として供給する状態に変化する。時刻140において、その第1のオーディオ信号と第2のオーディオ信号との間には、電位の差があるため、その出力信号においては、ポップ音または他の歪みが生じる。
図8は、第1のオーディオ信号を受取るように構成された第1の入力110と、第2のオーディオ信号を受取るように構成された第2の入力111と、制御信号を受取るように構成された制御入力115と、ポップ音を含まない出力信号をスピーカ135へ供給するように構成された出力120とを有するオーディオスイッチ105を含むシステム800の一実施例を概略的に示す。
この実施例においては、時刻140において、要求されたスイッチ状態の指示が受取られるが、スイッチ105は、時刻145まで、第2のオーディオ信号を出力信号として供給する状態から、第1のオーディオ信号を出力信号として供給する状態に変化しない。この実施例において、その制御信号は、その第1の信号が、その第2の信号に達するかまたは近づくまで、そのスイッチ状態変化を遅らせる。時刻145においては、その第1のオーディオ信号と、その第2のオーディオ信号との間には電位差がほとんどないか、または全くないため、その出力信号においては、ポップ音または他の歪みは生じない。
図9は、例えば、図5に示すシステムの一部として含まれているようなマルチ入力スイッチ回路の一実施例を概略的に示す。一実施例において、回路900は、例えば、共通基準(例えば、GND)に対して正負両電圧を供給するバイポーラ電源を要するのと対照的に、単一の電源電圧(例えば、Vcc)を用いて作動するシングルエンド電源を用いることができる。本発明者らは、とりわけ、バイポーラ電源を要する回路と比較して、回路900の単一電源作動能力が、回路サイズ(例えば、設置面積または複雑さ)を低減でき、または、コストを節減できることを認識している。そのようなコストは、設計及び製造コスト、あるいは、回路900を用いたシステムに付随するコストを含むことができる。回路900は、例えば、第1の信号921を受取るように構成された第1の入力901と、例えば、第2の信号922を受取るように構成された第2の入力902とを含むことができる。回路900は、例えば、第1の入力901または第2の入力902のいずれかを、回路900の出力904へ切り換える要求を受取るように構成された制御入力903を含むことができる。回路900は、例えば、第1の信号921および第2の信号922を受取るように構成され、および、例えば、制御入力903に応答して、要求された信号を、そのスイッチの出力904に結合するように構成されたスイッチ905を含むことができる。回路900は、制御部906を含むことができる。制御部906は、1つ以上の受取った要求に応答し、およびそれに応じて、その出力信号の障害が実質的に回避されるか、または低減されるように、スイッチ905の切り換え動作を調節することができる。そのような障害は、これらに限定されるものではないが、クリック音、ポップ音および映像歪みを含むことができる。
一実施例において、制御部906は、その第1の信号および第2の信号をモニタすることができ、また、図4、図5、図6、図7、図8の実施例に関して議論したように、それらの信号がほぼ同じレベルである場合に、スイッチ905を切り換えることができる。いくつかの実施例において、制御部906は、その第1の信号と第2の信号とが、ほぼ同じレベルおよび位相である場合、または、同じ方向に増減している場合に、スイッチ905を切り換えることができる。一実施例において、例えば、図9に示すように、回路900は、例えば、スイッチ遷移情報を制御部906へ供給するために、例えば、その第1の信号および第2の信号に関する情報を受取るように構成された比較器907を含むことができる。一実施例において、そのようなスイッチ遷移情報は、特に、その第1および第2の信号の振幅関係、その第1および第2の信号の位相関係に関する情報、またはその両方を含むことができる。例えば、そのスイッチ遷移情報が、障害のない(または、障害が低減された)切り換え機会を示す1つ以上の判断基準を満たす場合には、制御部906は、比較器907からの信号に応答して、その第1および第2の信号を、その回路の出力904に結合する状態を変化させるようにスイッチ905を作動させることができる。
単極性電圧源の使用は、回路900に印加することのできる様々な入力信号の全振幅を追跡する制御部906の能力を制限する可能性がある。一実施例において、回路900は、第1のシフト回路931または第2のシフト回路932等の1つ以上のレベルシフト回路と共に、単一の正電圧源Vcc等の単極性電圧源を含むことができる。各シフト回路931、932は、それらの信号の変換された、または調節されたバージョンの最大振幅範囲が、回路900の比較器907または他の回路のダイナミックレンジの範囲内にあるようにするため、第1の信号921および第2の信号922の信号を調節した表現を変換するかまたはそうでなければ供給するために用いることができる。例えば、このような変換または状態は、その電源のGND電圧のすぐ上の、および正のレール電圧Vccのすぐ下の範囲内の電圧振幅に制限されるその第1および第2の信号のバージョンを供給するために用いることができる。このような第1の信号921または第2の信号922の変換された、または調節されたバージョンは、上述したように、例えば、障害のない(または、障害が低減された)切り換え機会を示す1つ以上の判断基準を満たすスイッチ遷移情報を供給するために、比較器907によって用いることができる。
一実施例において、回路900は、各第1または第2の信号921、922を減衰または制限する1つ以上の各減衰器またはリミッタを含むことができる。例えば、図9の回路900は、第1の減衰器933または第2の減衰器934を含むことができる。各減衰器933、934のうちの1つ以上は、第1または第2の信号921、922の最大電圧振幅を、そのシングルエンド電源の電圧範囲(例えば、指定電圧)に対応する範囲に制限するために用いることができる。また、本発明者らは、このような減衰または制限は、そのようなフロントエンドの制限または減衰回路のない回路900と比較して、より低い作動電圧を有するシングルエンド電源を使用することを可能にすることも認識している。図9の実施例において、各第1および第2の信号921、922の減衰された表現943、944は、各シフト回路931、932によって受取ることができ、第1および第2の信号921、922の、減衰され、シフトされたバージョン941、942に処理することができる。第1および第2の入力信号921、922の、減衰され、シフトされたバージョン941、942は、比較器907によって受取ることができ、この比較器もまた、例えば、出力904における相当の障害を回避するために、回路900の出力904を切り換えるために用いられるスイッチ遷移情報を供給することができる。一実施例においては、マルチ入力スイッチ回路900を、単一の集積回路素子として、または、集積回路素子の一部として実装することができる。
図10は、オフセット回路の一実施例を概略的に示す。オフセット回路1030は、例えば、トランジスタ1034等の1つ以上のトランジスタに結合された抵抗1033等の1つ以上の抵抗を含むことができる。一実施例において、トランジスタ1034は、基準(例えば、GND)と、抵抗網の一方の側との間に結合することができる。回路1030は、例えば、その抵抗網と電流源1036との間に出力ノード1035を含む、直列の抵抗1033と供給電圧Vccとの間に結合された電流源1036を含むことができる。トランジスタ1034の制御入力1037は、入ってくる信号を受取ることができる。受取った信号のオフセット(例えば、レベルが変換された)バージョンは、回路1030の出力1035において供給されることができる。様々な実施例において、オフセットの量は、1つ以上の抵抗値を指定することにより、その電流源の設定値を指定することにより、またはこれらの組合せによって制御することができる。一実施例において、電流源1036は、(例えば、ノイズを低減するために、または、電力消費を節減するために)必要な時にだけ、その電流源を「オン」に切り換えるイネーブル入力によって制御することができる。例えば、その電流源は、そのスイッチの状態を変える要求が受取られた場合に(例えば、図5の実施例で議論したように)「オン」にすることができ、また、その要求に一致して、そのスイッチの状態が変えられた後に、あるいは、そのスイッチ状態を変化させるための機会が識別された後に、「オフ」にすることができる。このような実施例において、そのオフセット回路は、例えば、電流源1036を有効および無効にするために、制御部を含むことができ、または、制御部に応答して作動することができる。一実施例において、オフセット回路1030は、図9の制御入力903からイネーブル信号を受取ることができる。
図11は、減衰器回路の一実施例を概略的に示す。減衰器回路1140は、例えば、切り換えすべき入力信号を受取るように構成された入力1145と、例えば、その受取った入力信号の減衰されたバージョンを供給する出力1146とを含むことができる。減衰器回路1140は、単極性電圧源に結合されるように構成された電源端子Vccと、接地ノードGNDとを含むことができる。減衰器回路1140は、信号入力1145に結合された抵抗網1147a、抵抗網1147b、抵抗網1147c、抵抗網1147dと、減衰された信号を供給するための出力1146とを含むことができる。一実施例において、減衰器回路1140は、その信号の減衰されたバージョンが、減衰されていない最大電圧振幅の約25%である最大電圧振幅を含むように、実質的に等しい抵抗からなる抵抗群1147a、抵抗網1147b、抵抗網1147c、1147dを含むことができる。一実施例においては、例えば、1つ以上の他の減衰係数を供給するために、1つ以上の他の抵抗値を用いることができる。
抵抗網1147a、抵抗網1147b、抵抗網1147c、1147dは、例えば、減衰器スイッチ1160を介して基準電圧に結合することができる。減衰器スイッチ1160は、例えば、スイッチ回路900(図9)のスイッチの状態を変える要求を受取った時に、入ってくる信号の減衰が必要な場合に、減衰回路1140を有効にすることにより、および他の指定された時間の間に、回路900を無効にすることにより、エネルギーを節約するのを支援することができる。減衰器スイッチ1160は、例えば、そのスイッチ回路の状態を変える要求に応答して、受取った信号の減衰を可能にすることができる。減衰スイッチ1160は、スイッチ回路900の状態が、その要求に一致して変化した場合に、または、スイッチ905の状態を変えるための機会が識別された後に、減衰回路1140を無効にすることができる。このような実施例において、減衰器回路1140は、制御部を含むことができ、または、制御部に結合することができ、およびその制御部からの信号に応答して、その減衰器を有効または無効にすることができる。いくつかの実施例において、その減衰器回路は、イネーブル回路1150を含むことができ、および図9の制御入力903からのイネーブル信号を受取ることができる。
一実施例において、減衰器回路1140は、イネーブル入力1149が低論理レベルである場合に、無効にすることができる。イネーブル入力1149が高論理レベルである場合には、NMOSトランジスタ1163がターン「オン」して、トランジスタ1165の制御ゲートを低に引っ張る。トランジスタ1165は、その制御ゲートにおける低論理レベルでターン「オン」することができ、および絶縁NMOSトランジスタ1160の制御ゲートを高に引っ張ることができる。トランジスタ1160の制御ゲート上の高論理レベルは、トランジスタ1160を「オン」にすることができ、それに伴って、抵抗網1147a、抵抗網1147b、抵抗網1147c、1147dを基準に結合し、および減衰回路1140を用いて、信号減衰を可能にする。
図示されている実施例1140において、イネーブル回路1150は、受取った信号の減衰されたバージョンを、アースに対して電圧源Vccの逆極性で振幅させることが可能なリファレンス変換器1151を含むことができる。例えば、スイッチ回路900が、正極性の電圧源を用いる場合、リファレンス変換器1151は、減衰されていない信号と、電圧源基準GNDまたはアースとを受取ることができる。リファレンス変換器1151は、電圧源基準GNDまたは減衰されていない信号値のうちの実質的により負である方で維持される擬似接地レール1152を供給することができ、それに伴って、減衰器の出力1146を、絶縁NMOSトランジスタ1148を用いて、電圧源基準GND以下に振幅させることを可能にする。
また、図11の減衰器1140の図示されているイネーブル回路1150は、イネーブル入力1149が論理低値である場合に、第1の絶縁NMOSトランジスタ1160を「オフ」に保持するために、ダウン変換器1153および第2の絶縁NMOSトランジスタ1161を含むこともできる。ダウン変換器1153は、トランジスタ1163および1166を用いて、そのイネーブル信号の相補的なバージョンを受取ることができる。また、ダウン変換器1153は、電圧源基準GNDおよび擬似接地レール1152を受取ることもできる。そのイネーブル信号が低である場合、ダウン変換器1153は、対応する高論理レベル出力1154を第2の絶縁NMOSトランジスタ1161に供給して、第1のNMOSトランジスタ1160のゲートを低に引っ張ることができるように、第2の絶縁NMOSトランジスタ1161を作動させることができる。受取った信号に応答して、擬似レール1152が、リファレンス変換器1151によって低に引っ張られる際、第2の絶縁NMOSトランジスタ1161は、第1の絶縁NMOSトランジスタ1160のゲート上の低論理レベルを維持して、第1のNMOSトランジスタ1160が「オフ」のままであることを確実にすることができる。
図12Aは、電源基準入力1280と、第1の基準入力1281と、第2の基準入力1282と、擬似基準出力1252とを含むリファレンス変換器1251の一実施例を概略的に示す。リファレンス変換器1251は、第1の基準入力1281または第2の基準入力1282のいずれかのより低い電位に擬似基準出力1252を維持することができる。図示されている実施例において、より大きな正の基準入力は、対応するトランジスタ網1284、1285を「オン」にして、擬似出力1252を、第1の基準入力1281、第2の基準入力1282および電源基準入力1280のうちのより大きな負の基準入力に結合することができる。一実施例において、ダイオード1286は、擬似基準出力1252が、電源基準入力1280の上流の接合部電位よりも高くないことを保証することができる。図11の回路と共に用いる場合に、本発明の範囲から逸脱することなく、他のリファレンス変換器も実施可能であることを理解されたい。図11の実施例において、第1の基準入力1281は、減衰器入力1145に結合することができ、また、第2の基準入力1282および電源基準入力1280は、電圧源基準GNDに結合することができる。
図12Bは、第1の入力1271および第2の入力1272と、出力1273と、第1の入力トランジスタ1274と、第2の入力トランジスタ1275と、第2の絶縁トランジスタ1277と交差結合された第1の絶縁トランジスタ1276と、第1の基準入力1270および第2の基準入力1252とを含むダウン変換器1253の一実施例を概略的に示す。ダウン変換器1253は、異なる基準を有するデバイス間に、適切な論理信号を与えることができる。一実施例において、適切な論理信号は、第1および第2の入力1271、1272で受取られた相補的な論理信号が、第1の基準1270に参照され、およびその論理信号を受取るデバイスが、受取られた第2の基準1252に参照された場合に、出力1273で供給することができる。一実施例において、第1の基準出力1270は、図11の回路のための電源等の回路電源に結合することができる。第2の基準入力1252は、図11の回路の擬似接地レール1152に結合することができる。第1および第2の入力1271、1272で受取られた相補的な信号が、その第1の入力を高に、かつ第2の入力を低に保持している場合、第2の入力トランジスタ1275がターン「オン」して、出力1273を高論理レベルに引っ張ることができる。第1および第2の入力1271、1272で受取られた相補的な信号が、その第1の入力を低に、かつ第2の入力を高に保持している場合、その第1の入力トランジスタがターン「オン」して、第2の絶縁トランジスタ1277の制御入力を「高」に引っ張ることができる。第2の絶縁トランジスタ1277は、第2の基準入力1252、例えば、擬似接地レール1152を参照して、出力1273を低に引張り、それによって、第2の基準入力1272におけるその擬似基準レールが、第1の基準入力1271における電源基準よりもより大きな負になる場合でも、出力1272上の低論理レベルを維持することができる。図11の回路と共に用いる場合、本発明の範囲から逸脱することなく、他のダウン変換器も実施可能であることを理解されたい。
(他の実施例)
本発明者は、とりわけ、上述したシステムまたは方法を、入力信号および出力信号が、または多数の入力信号が異なる電位を有する可能性のある場合に、様々な切り換え用途に(例えば、オーディオまたはビデオ切り換えのほかにも)用いることができることを認識している。さらに、本願明細書に記載されているシステムまたは方法のうちの1つ以上は、ミキシング技術と呼ぶことができる。
一実施例において、ミキシング技術は、異なる電位間で切り換えて(例えば、第1の電位での入力と、第2の異なる電位での出力との間の切り換え)、短絡状態またはショックを潜在的に回避する場合に、突入電流を防ぐために用いることができる。いくつかの実施例において、その入力または出力の少なくとも一方が可変である場合、そのスイッチは、切り換える要求を受取った後に、その入力における電位が、その出力における電位に等しいかまたは近くなるまで待つことができる。他の実施例においては、そのスイッチは、切り換えの前に、その入力における電位が、その出力における電位からしきい値の範囲内になるまで待つことができる。一実施例において、そのしきい値は、ユーザが設定することができ、また、時間とともに変化することもできる。はじめに、そのしきい値は、第1の量に設定することができ、その後、その入力に電位が、その出力における電位からそのしきい値の範囲内にない状態で時間が経つにつれて、そのしきい値を増加させることができる。他の実施例においては、そのしきい値に、ある期間内に達しない場合、(例えば、ヒューズを飛ばすように、等の)警告を発生させることができ、あるいは、待機期間を終了することができ、およびその切り換えを、その電位差に関係なく開始することができる。
一実施例において、そのしきい値は、プログラム可能にすることができ、また、ユーザは、その入力、出力、またはこれら2つの差のうちの少なくとも1つに基づいて、しきい値、あるいは、そのスイッチが切り換える実際の電圧を設定することができる。
他の実施例においては、その入力と出力との間の電位差、または多数の出力間の電位差は、信号種別を判断するために用いることができ、およびより高い優先度(例えば、オーディオ信号等の第1の信号種別に、USBデータ等の第2の信号種別に優る優先度を与える)を有する信号に切り換えるために用いることができる。
一実施例において、ミキシング技術は、例えば、異なる電位を有する電源間(例えば、5V電源と3V電源の間)での電源投入の安定化のために用いることができる。一実施例において、電源が投入されると、その電源の出力は、定常状態に達するまで、徐々に増加(または、ある場合には、変動)する可能性がある。一実施例において、第1の電源から、より高い出力を有する第2の電源に切り換える場合、その切り換えは、その第2の電源の電位が、第1の電源の電位に等しいかまたは近くなるまで遅らせることができる。対照的に、第1の電源から、より低い電位を有する第2の電源に切り換える場合、その切り換えは、その第1の電源と第2との電源の電位差が最小になるか、または、しきい値に達するまで、遅らせることができる。
一実施例において、(例えば、1つ以上の入力、1つ以上の出力、または1つ以上のチャンネル有する、等の)スイッチは、入力と出力との間の差を利用して、あるいは、入力または出力の少なくとも一方と、所定の電気的状態との間の差または比較を用いて、自己絶縁することができる。いくつかの実施例において、その所定の電気的状態は、電圧または電流のしきい値、位相、スルーレート、または1つ以上の他の電気的状態を含むことができる。その切り換えは、これらの状態のうちの1つ以上が達成されるまで遅らせることができ、あるいは、その状態に達した場合、そのスイッチは、所望の結果により、開閉することができる。いくつかの実施例において、閉じられたスイッチは開くことができ、開かれているスイッチは閉じることができ、または、入力または出力のうちの少なくとも一方が、電圧または電流のしきい値、スルーレート、または1つ以上の他の電気的状態を超えた場合に、異なる入力を選択することができる。
(追加的な注記)
第1の実施例、すなわち実施例1において、装置はスイッチを含む。そのスイッチは、第1の信号を受取るように構成された第1の入力と、第2の信号を受取るように構成された第2の入力と、制御信号を受取るように、およびその制御信号に応答して、その第1または第2の入力信号の一方を出力に結合してそのスイッチの状態を制御するように構成された制御入力と、その第1の信号、第2の信号および制御信号を用いて、出力信号を供給するように構成された出力とを含むことができる。その装置は、その第1の信号、第2の信号、および要求されたスイッチ状態の指示を受取るように、その制御信号をそのスイッチに供給するように、およびその要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで、およびその第1の信号を示す情報と、その第2の信号を示す情報との比較がしきい値を満たすまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成された制御回路をさらに含むことができる。
実施例2において、実施例1の制御回路は、要求されたスイッチ状態が、現在のスイッチ状態と異なる場合に、指定された基準電圧より高い指定された電圧範囲内で、その第1の信号のオフセットバージョンを供給するように構成された第1のシフト回路を必要に応じて含み、その場合、その第1の信号を示す情報は、その第1の信号のオフセットバージョンを含む。実施例1の制御回路は、要求されたスイッチ状態が、現在のスイッチ状態と異なる場合に、指定された基準電圧より高い指定された電圧範囲内で、その第2の信号のオフセットバージョンを供給するように構成された第2のシフト回路を必要に応じて含み、およびその第2の信号を示す情報は、その第2の信号のオフセットバージョンを含む。
実施例3において、実施例1、実施例2のいずれか1つ以上の第1および第2のシフト回路は、要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なる場合に作動可能にされるように必要に応じて構成されており、また、要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と同じ場合には、電力消費を節約するために作動不能にされるように必要に応じて構成されている。
実施例4において、実施例1〜実施例3のいずれか1つ以上の第1または第2のシフト回路の少なくとも一方は、電流源と、その電流源に結合された抵抗網と、トランジスタとを必要に応じて含む。実施例4のトランジスタは、その電流源と直列にその抵抗網に結合されたソース端子と、アースに結合されたドレイン端子と、信号を受取るように構成されたゲート端子とを必要に応じて含む。実施例4の信号のオフセットバージョンは、その抵抗網と電流源の接合部で、必要に応じて供給される。
実施例5において、実施例1〜実施例4のいずれか1つ以上の制御回路は、その第1の信号のオフセットバージョンと、その第2の信号のオフセットバージョンとを比較するように、および第1の信号のオフセットバージョンと、第2の信号のオフセットバージョンとの差を示す比較器出力を供給するように構成された比較器を、必要に応じて含む。
実施例6において、実施例1〜実施例5のいずれか1つ以上の制御回路は、その第1の信号の大きさを減衰させるように、およびその減衰された第1の信号を、その第1のシフト回路へ供給するように構成された第1の減衰器と、その第2の信号の大きさを減衰させるように、およびその減衰された第1の信号を第1のシフト回路に供給するように構成された第2の減衰器とを必要に応じて含む。
実施例7において、実施例1〜実施例6のいずれか1つ以上のその第1の減衰器および第2の減衰器の各々は、その第1の信号および第2の信号を減衰させるための分圧器を必要に応じて含む。
実施例8において、実施例1〜実施例7のいずれか1つ以上のその第1の減衰器および第2の減衰器の各々は、イネーブル信号を受取るように、そのイネーブル信号が第1の状態にある場合に、受取った信号の減衰されたバージョンを供給するように、およびそのイネーブル信号が第2の状態にある場合に、その減衰器の電力消費を低減するように構成されたイネーブル回路を必要に応じて含む。
実施例9において、実施例1〜実施例8のいずれか1つ以上のその第1の減衰器および第2の減衰器の各々は、その分圧器に結合された各絶縁トランジスタを必要に応じて含み、その絶縁トランジスタは、そのイネーブル信号が第1の状態にある場合に、単一の電圧源を用いて、減衰された信号をアースを中心にして振動させることができるように構成されており、その絶縁トランジスタの基準電圧は、受取った信号の負の振幅に対応している。
実施例10において、実施例1〜実施例9のいずれか1つ以上のイネーブル回路は、そのイネーブル信号が第2の状態にある場合に、その絶縁NMOSトランジスタを作動不能にするように、必要に応じて構成されている。
実施例11において、実施例1〜実施例10のいずれか1つ以上のスイッチは、オーディオスイッチを必要に応じて含み、実施例1〜実施例10のいずれか1つ以上の第1の信号は、第1のオーディオ信号を必要に応じて含み、実施例1〜実施例10のいずれか1つ以上の第2の信号は、第2のオーディオ信号を必要に応じて含み、および実施例1〜実施例10のいずれか1つ以上のオーディオスイッチの出力は、スピーカに結合されるように必要に応じて構成されている。
実施例12において、実施例1〜実施例11のいずれか1つ以上のスイッチは、ビデオスイッチを必要に応じて含み、実施例1〜実施例11のいずれか1つ以上の第1の信号は、第1のビデオ信号を必要に応じて含み、実施例1〜実施例11のいずれか1つ以上の第2の信号は、第2のビデオ信号を必要に応じて含み、および実施例1〜実施例11のいずれか1つ以上のビデオスイッチの出力は、ディスプレイに結合されるように必要に応じて構成されている。
実施例13において、一つの方法は、そのスイッチの第1の入力において第1の信号を受取ること、そのスイッチの第2の入力において第2の信号を受取ること、そのスイッチの制御入力において制御信号を受取ること、その制御信号が第1の状態を示す場合に、そのスイッチの出力において第1の信号を供給すること、その第1の信号および第2の信号を用いてスイッチ遷移情報を発生させること、およびその制御信号が第2の状態を示す場合、およびそのスイッチ遷移情報がしきい値を満たす場合に、そのスイッチの出力において、第2の信号を供給することを含む。
実施例14において、実施例1〜実施例13のいずれか1つ以上のスイッチ情報を供給することは、その第1の信号のバージョンと、その第2の信号のバージョンを比較することを必要に応じて含む。
実施例15において、実施例1〜実施例14のいずれか1つ以上のスイッチ情報を供給することは、その第1の信号をアースより上にシフトして、第1の信号のバージョンを供給すること、その第2の信号をアースより上にシフトして、第2の信号のバージョンを供給することを必要に応じて含む。
実施例16において、実施例1〜実施例15のいずれか1つ以上の第1の信号をシフトすることは、その第1の信号のバージョンの範囲を、アース中心から、その単一の供給電圧の電圧値中心に制限するように、その第1の信号を減衰させることを必要に応じて含み、実施例1〜実施例15のいずれか1つ以上の第2の信号をシフトすることは、その第2の信号のバージョンの範囲を、アース中心から、その単一の供給電圧の電圧値中心に制限するように、その第2の信号を減衰させることを必要に応じて含む。
実施例17において、実施例1〜実施例16のいずれか1つ以上の、その第2の状態を有する制御信号を受取ることは、第1および第2のシフト回路を作動可能にして、その第1および第2の信号のシフトされたバージョンを供給することを必要に応じて含み、実施例1〜実施例16のいずれか1つ以上の、そのスイッチの出力において第2の信号を供給することは、そのスイッチの電力消費を節約するために、その第1および第2のシフト回路を作動不能にすることを必要に応じて含む。
実施例18において、実施例1〜実施例17のいずれか1つ以上の第1および第2のシフト回路を作動可能にすることは、第1および第2のシフト回路の電流源を作動可能にすることを必要に応じて含む。
実施例19において、実施例1〜実施例18のいずれか1つ以上の、その第2の状態を有する制御信号を受取ることは、第1および第2の減衰器回路を作動可能にして、その第1の信号のバージョンと、その第2の信号のバージョンを供給することを必要に応じて含み、および実施例1〜実施例18のいずれか1つ以上のそのスイッチの出力において第2の信号を供給することは、そのスイッチの電力消費を節約するために、その第1および第2の減衰器回路を作動不能にすることを必要に応じて含む。
実施例20において、実施例1〜実施例19のいずれか1つ以上のスイッチ遷移情報を供給することは、その第1の信号のバージョンと、その第2の信号のバージョンを比較すること、その比較を利用して、その第1の信号および第2の信号の相対振幅情報を供給することを必要に応じて含む。
実施例21において、実施例1〜実施例20のいずれか1つ以上のスイッチ遷移情報を供給することは、その第1の信号のバージョンと、第2の信号のバージョンを比較すること、その比較を利用して、その第1の信号および第2の信号の相対位相情報を供給することを必要に応じて含む。
実施例22において、装置は、単一の電源入力と、ある大きさを有する第1の信号を受取るように構成された第1の入力、ある大きさを有する第2の信号を受取るように構成された第2の入力、制御信号を受取って、そのスイッチの状態を制御するように構成された制御入力、およびその第1の信号、第2の信号およびその制御信号を用いて、出力を供給するように構成された出力を含むスイッチとを含む。また、実施例22のその装置は、その第1の信号、第2の信号、および要求されたスイッチ状態の指示を受取るように、その制御信号をそのスイッチに供給するように、およびその要求されたスイッチ状態の指示が、現在のスイッチ状態と異なるまで、かつその第1の信号および第2の信号を用いた比較が、しきい値を満たすまで、スイッチ状態変化を遅らせるように構成された制御回路も含み、その制御回路は、その第1の信号を受取るように、およびその第1の信号の減衰されたバージョンを供給するように構成された第1の減衰器と、その第1の信号の減衰されたバージョンを受取り、およびその第1の信号の、減衰され、かつシフトされたバージョンを供給するための第1のシフト回路と、その第2の信号を受取り、およびその第2の信号の、減衰されたバージョンを供給するための第2の減衰器と、その第2の信号の減衰されたバージョンを受取り、およびその第2の信号の、減衰され、かつシフトされたバージョンを供給するための第2のシフト回路と、その第1の信号の、減衰され、かつシフトされたバージョンと、その第2の信号の、減衰され、かつシフトされたバージョンとの比較を用いて、スイッチ遷移情報を供給するように、およびそのスイッチ遷移情報をそのしきい値と比較するように構成された比較器とを含む。
実施例23は、実施例1〜実施例22の機能のいずれか1つ以上を実行するための手段、または、マシンによって実行される場合に、そのマシンに実施例1〜実施例22の機能のいずれか1つ以上を実行させる命令を含むマシン可読媒体を含むことのできる対象物を含むように、実施例1〜実施例22のいずれか1つ以上のいずれかの部分またはいずれかの部分の組合せを含むかまたは必要に応じて組み合わせることができる。
上記の詳細な説明は、その詳細な説明の一部を構成する添付図面の参照を含む。それらの図面は、本発明を実施することのできる具体的な実施形態を例証として示す。それらの実施形態は、本願明細書において、「実施例」とも呼ばれている。そのような実施例は、図示または記載されているものに加えて複数の構成要素を含むことができる。しかし、本発明者らは、図示または記載されている構成要素のみが設けられている実施例も意図している。また、本発明者らは、特定の実施例(または、本発明の1つ以上の態様)に対して、または、本願明細書に示され、または記載されている他の実施例(または、本発明の1つ以上の態様)に対して、示し、かつ記載されている複数の構成要素(または、本発明の1つ以上の態様)のいずれかの組合せまたは置換えを利用した実施例も意図している。
本願明細書で言及されている全ての出版物、特許および特許文書は、個別に参照によって組み入れられているかのように、それらの全体を本願明細書に参照によって組み入れられる。本願明細書と、そのように参照によって組み入れられたそれらの文書との間に矛盾した用法がある場合は、組み入れられた参考文献での用法は、本願明細書の用法に対して補足的であると考えるべきであり、すなわち、相容れない矛盾に対しては、本願明細書における用法が支配する。
この文書において、「1つの」という用語は、特許文献で一般的であるように、「少なくとも1つの」または「1つ以上の」という例または用法とは無関係に、1つ以上を含むように用いられている。この文書において、「または」という用語は、非排他的に、または他に指定のない限り、「AまたはB」が「AであるがBではない」、「BではあるがAではない」および「AおよびB」を含むように言及するように用いられている。この文書において、「含む」という用語は、「具備する」という用語の平易な英語の同義語として用いられている。また、以下のクレームにおいて、「含む」および「具備する」という用語は、非制限的であり、すなわち、クレームにおいてこのような用語の後に挙げられているものに加えて、複数の構成要素を含むシステム、デバイス、物品またはプロセスは、それでも当該クレームの範囲内にあると見なされる。また、以下のクレームにおいて、「第1の」、「第2の」および「第3の」等の用語は、単に標識として用いられており、それらのものに数的な要件を課すことは意図されていない。
本願明細書に記載されている方法実施例は、少なくとも部分的にマシンまたはコンピュータが実装できるものとすることが可能である。いくつかの実施例は、電子デバイスを構成して、上記の実施例において説明したような方法を実行するように機能することができる命令で符号化されたコンピュータ可読媒体またはマシン可読媒体を含むことができる。このような方法の実施は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高級言語コード等のコードを含むことができる。そのようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。そのコードは、コンピュータプログラムプロダクトの一部を構成することができる。さらに、一実施例においては、そのコードは、例えば、実行中に、あるいはある時に、1つ以上の揮発性、非一時的な、または非揮発性の有形のコンピュータ可読媒体に明確に格納することができる。それらの有形のコンピュータ可読媒体の例は、限定するものではないが、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光ディスク(例えば、コンパクトディスクおよびディジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)等を含むことができる。
上記の説明は、例示的であるように、かつ非限定的であるように意図されている。例えば、上述の実施例(または、本発明の1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて用いることができる。他の実施形態は、例えば、当業者が上記説明を閲覧する際に利用することができる。要約書は、読者が技術的開示の本質を直ちに確認できるように記載されている。その要約書は、クレームの範囲または意図を解釈または限定するために用いられることはないという合意を伴って提出されている。また、上記の詳細な説明においては、本開示を整理するために、様々な特徴をまとめて分類してもよい。このことは、クレームされていない開示された特徴が、どのクレームに対しても本質的であることを意図しているように解釈すべきではない。むしろ、発明の主題は、開示されている特定の実施形態の全ての特徴にあるわけではない可能性がある。従って、以下のクレームは、本願明細書において、その詳細な説明に組込まれ、各クレームは、別々の実施形態として自立しており、また、そのような実施形態は、様々な組合せまたは置換えで、互いに組み合わせることができると考えられる。本発明の範囲は、そのようなクレームが権利を与えられる均等物の全範囲と共に、添付クレームを参照して判断すべきである。