JP2012059851A - 圧電体薄膜の加工方法 - Google Patents

圧電体薄膜の加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧電体薄膜を精度良く微細加工することを可能とした圧電体薄膜の加工方法を提供する。
【解決手段】組成式(K1-xNax)NbO3(0.4≦x≦0.7)で表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電体薄膜を備える積層体に、前記圧電体薄膜側からArを含むガスを用いてドライエッチングを行い、前記ドライエッチングにおいて放出されるイオンプラズマ中のNa発光ピーク強度の変化を検出してエッチング速度を変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電体薄膜の加工に関するものである。
圧電体は、種々の目的に応じて様々な圧電体素子に加工され、特に電圧を加えて変形を生じさせるアクチュエータや、素子の変形から電圧を発生するセンサなどの機能性電子部品として広く利用されている。
アクチュエータやセンサの用途に利用されている圧電体としては、大きな圧電特性を有する鉛系の誘電体、特にPZTと呼ばれるPb(Zr1-XTiX)O3系のペロブスカイト型の強誘電体が広く用いられている。この強誘電体は、各構成元素を含む酸化物の焼結により形成される。
近年では、環境への配慮から鉛を含有しない非鉛圧電体の開発が望まれており、ニオブ酸カリウムナトリウム(一般式:(K1-xNax)NbO3(0<x<1))[以下、KNNと記す。]等が開発されている。このKNNは、PZTに匹敵する圧電特性を有することから、鉛を含有しない圧電材料の有力な候補として期待されている。この種の圧電材料を用いた非鉛圧電体薄膜の一例が、例えば、特開2007−19302号公報や特開2007−184513号公報に提案され、また、良好な圧電特性を得るために、圧電体薄膜を配向させて成膜することが有効であると考えられている。例えば、配向性を有する配向制御層や下地層上に圧電体薄膜を形成することで、圧電体薄膜を配向させることが検討されている。
圧電体薄膜としてKNNのように非鉛圧電体薄膜を用いることで、環境負荷の小さいインクジェットプリンタ用ヘッドやジャイロセンサ、フィルタデバイスなどを作製することができる。
非鉛圧電体薄膜を用いてアクチュエータやセンサを作製する場合は、微細加工プロセスにより非鉛圧電体薄膜を梁や音叉の形状に加工する必要がある。これまで、この非鉛圧電体薄膜をエッチングする際には、反応ガスとしてCl系の反応ガスを用いることが提案されている。(非特許文献1参照)
特開2007−19302号公報 特開2007−184513号公報
C.M.Kang等の「Etching Characteristics of (Na0.5K0.5)NbO3 Thin Films in an Inductively Coupled Cl2/Ar Plasma」、Ferroelectrics,357,p.179-184(2007)
しかしながら、上記非特許文献1記載の方法では、非鉛圧電体薄膜層とその他の層との間でエッチング選択比を得ることが難しく、アクチュエータ、センサ、フィルタデバイス、又はMEMS(Micro Electro Mechanical System)デバイスにおいて求められる、高い精度で微細加工を行うことが困難であった。
本発明の目的は、圧電体薄膜を短時間で微細加工する制御性よく加工の停止が可能な圧電体薄膜の加工方法の提供と、高い精度で微細加工を施した圧電体薄膜ウェハ、圧電体薄膜素子、及び圧電体薄膜デバイスを提供することにある。
本件発明者等は、ドライエッチングにより放出されるイオンプラズマ中のNaの発光ピーク強度の変化が、圧電体薄膜を積層した積層体の加工中に発生していること、並びにエッチングの進行により層と層との間で発生するピーク強度の変化を検出できることを見つけ出した。
このNa発光ピーク強度の変化を圧電体薄膜のエッチングの進行度の検出、終点検出に使用することにより、圧電体薄膜に対して精度の良い微細加工が可能となることを見出し、本発明をするに至った。
本発明の圧電体薄膜の加工方法は、組成式(K1-xNax)NbO3(0.4≦x≦0.7)で表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電体薄膜を備える積層体に、前記圧電体薄膜側からArを含むガスを用いてドライエッチングを行い、前記ドライエッチングにおいて放出されるイオンプラズマ中のNa発光ピーク強度の変化を検出してエッチング速度を変更することを特徴とする。
前記Na発光ピーク強度の減衰、及び時間変化を検出して、前記エッチング速度を変更してもよい。
前記積層体は、基板上に前記圧電体薄膜を形成して構成してもよい。
前記エッチング速度の変更は、前記基板と前記圧電体薄膜との間に形成された下地層においてエッチングを停止してもよい。また、前記下地層はPt層を含む構成としてもよい。
前記ドライエッチングは、前記Arを含むガスにフッ素系反応ガスを混合したガスを用いて行う反応性イオンエッチングであってもよく、フッ素系反応性ガスとArの混合比は、1以上としてもよい。
また、本発明の圧電体薄膜の加工方法は、基板上に下部電極を有し、前記下部電極上に組成式(K1-xNax)NbO3(0.4≦x≦0.7)で表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電体薄膜を有する圧電体薄膜の加工方法において、前記圧電体薄膜にArを含むガスを用いたドライエッチングを行い、前記ドライエッチング中に発生するイオンプラズマの586nmから590nmのNa発光スペクトルの発光ピーク強度の減衰変化を観測して下部電極において加工を停止し、前記圧電体薄膜のエッチング断面を前記基板の面に向けて漸次拡大するテーパ状に加工することを特徴とする。
本発明によれば、ドライエッチングにより圧電体薄膜を精度よく微細加工できる。
本発明の実施の形態に係る圧電体薄膜ウェハを模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態に係る圧電体薄膜ウェハの加工工程を示す断面図である。 エッチング中のNa発光スペクトルの時間変化を示すグラフである。 Na発光ピーク強度とエッチング時間との関係を示すグラフである。 ドライエッチングにより微細加工されたKNN圧電体薄膜の断面を示すSEM図である。 本発明により得られた圧電体薄膜素子を用いたカンチレバー型アクチュエータの模式図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(圧電体薄膜ウェハの構成)
図1において、全体を示す符号1は、この実施の形態に係る圧電体薄膜ウェハの一構成例を模式的に示している。この圧電体薄膜ウェハ1は、シリコン(Si)基板2を備える。そのSi基板2の上面には、下部電極層3が形成されている。その下部電極層3は、一例として白金(Pt)薄膜からなる(以下、Pt下部電極層3ともいう)。そのPt下部電極層3が形成されたSi基板2上には、組成式(K1-xNax)NbO3(0.4≦x≦0.7)で表されるペロブスカイト構造の圧電体薄膜4(以下、KNN圧電体薄膜ともいう)が形成される。Si基板2の表面には、図示しない酸化膜(SiO2)を形成し、Si基板2とPt下部電極層3との密着性を向上させてもよい。
(下部電極層及び圧電体薄膜の形成)
まず、Si基板2上にPt下部電極層3を形成する。Pt下部電極層3は、一例として、RFマグネトロンスパッタリング法を用い形成される。Pt下部電極層3は、(111)面に優先配向するよう、成膜条件を制御して形成するとよい。Pt下部電極層3を形成するにあたり、Si基板2とPt下部電極層3との密着性を高めるために、Si基板2とPt下部電極層3との間に図示しないチタン(Ti)密着層を形成しても良い。Ti密着層の膜厚は1nm〜30nmの範囲とするのがよい。Pt下部電極層3は、圧電薄膜素子が所望の特性を実現するため、所定の表面粗さに抑えることが好ましい。
次に、Pt下部電極層3上に、KNN圧電体薄膜4を形成する。KNN圧電体薄膜4は、スパッタリング法や、ゾルゲル法、AD法などにより形成される。KNN圧電体薄膜4は、良好な圧電特性を得るために配向性を有するように成膜されるとよい。また、KNN圧電体薄膜4の厚さは、用途により適宜決定され、200nm〜10μmの厚さで形成される。
(マスクパターンの形成)
圧電体薄膜ウェハ1の一部を構成するKNN圧電体薄膜4の微細加工を行うにあたり、図2(a)のように、KNN圧電体薄膜4の上にマスクパターンを形成する。RFマグネトロンスパッタリング法により、KNN圧電体薄膜4の上にTi膜を形成し、次に、フォトレジストを塗布し、露光及び現像を行い、Ti膜上にフォトレジストパターンを形成する。そして、フッ酸と硝酸の混合液を用いてTi膜をエッチングする。その後、アセトン洗浄を行い、フォトレジストパターンを除去することで、パターン形成されたTi層5(以下、Tiパターンともいう)がKNN圧電体薄膜4上に形成される。
このTiパターン5は、非鉛系の圧電体薄膜ウェハ1の微細加工における適切なマスク材料として用いられる。この実施の形態に係るニオブ酸化物系圧電体薄膜に対しても、所定のエッチング選択比を有しており、Arイオンエッチングにおけるマスク厚さの増加によるパターン精度の悪化を防止することができる。
(ドライエッチング加工)
この実施の形態に係る圧電体薄膜ウェハ1を用い、センサやアクチュエータ、フィルタを作製する場合は、ドライエッチングによりKNN圧電体薄膜4を梁や音叉、櫛などの所望の形状に加工する。
ここでは、圧電体薄膜ウェハ1上にTiパターン5を直線状に形成し、圧電体薄膜4に対し微細加工を施した圧電体薄膜ウェハ1を用いて説明する。
図2(a)に示すように、Tiパターン5を、所定の幅・ピッチに形成し、後述するドライエッチングにより、圧電体薄膜4のエッチングを行う。微細加工が施された圧電体薄膜4は、図2(b)のように所定のテーパ角を備えた台形状の素子部6に、素子分離するよう加工される。各素子部6の間には、Pt下部電極層3が露出して形成される。素子部6の上面には、エッチングにより薄くなったTiパターン5が残る。また、Arガスにフッ素系反応ガスを混合させたドライエッチングを行った場合、素子部6の傾斜部7にはフッ素化合物が形成される。
本発明者等は、Si基板2上に形成されたPt下部電極層3、Pt下部電極層3上に形成されたKNN圧電体薄膜4を有する圧電体薄膜ウェハ1に対して、ArもしくはArとCHF3あるいはC48などの混合ガスを用いてドライエッチングを行い、微細加工特性を評価した。
その結果、エッチングの際のイオンプラズマ中のNa発光(586nm〜590nmの発光スペクトル)ピーク強度の時間変化が、エッチングの進行に伴い変化し、その変化を検出できることを見出した。そして、このNa発光ピーク強度の変化を、エッチング制御に採用することを試み、本発明をするに至った。
この実施の形態の特徴とするところは、Arによる物理的なエッチングをする際に放出されるイオンプラズマ中のNaの発光ピーク強度の変化を検出して、エッチング速度を変更することにある。エッチングにより放出されるイオンプラズマ中のNaの発光ピーク強度について、KNN圧電体薄膜4のエッチングをしているときの発光ピーク強度(定常値)からの変化を検知し、KNN圧電体薄膜4のエッチング制御に使用する。一例としては、Na発光ピーク強度が定常値から急激に減衰したとき、KNN圧電体薄膜4のエッチング終了、又は終了に近づいたと考え、定常値からの減衰割合を、エッチングの終点検出に使用する。本実施の形態では、Na発光ピーク強度が定常値から50〜60%程度まで減衰した状態の値でエッチングを停止することで、初期の目的とする微細加工が達成される。
ここで、Naの発光ピーク強度の定常値とは、KNN圧電体薄膜4をエッチングしているときの値をいい、本発明においては、Na発光ピーク強度が急激に変化する時間(図4のグラフの急峻な上傾斜部分の終点付近であるエッチング時間80分)に対し、Na発光ピーク強度が急激に変化し始める前の1/4〜3/4時間(図4に示すグラフの20分から60分の間のエッチング時間)における発光ピーク強度の平均値とした。
このKNN圧電体薄膜4の微細加工は、Arを含むガスを用いたドライエッチングを行うエッチング工程と、ドライエッチングにより放出されるイオンプラズマ中のNa発光ピーク強度の増減変化を検知すると共に、Na発光ピーク強度の時間変化を検出してエッチング速度を変更する工程により行う。このエッチング速度の変更工程では、図4に示すように、Na発光スペクトルの発光ピーク強度がエッチング工程における定常値から急激に変化したことを検出することで、Pt下部電極層3において制御性よくエッチングを停止させることができる。
例えば、エッチング対象が、基板上にPt下部電極組成が形成され、その上に形成された均一な組成を有するKNN圧電体薄膜である場合、発光ピーク強度が減衰するまでは、Arガスのみでドライエッチングを進めることで、所定のエッチング速度を得ることができ、発光ピーク強度の減衰を検出した後は、フッ素系ガスを混合することで、エッチング速度を遅くするよう調整し、エッチングを進めることができる。また、上記形態のように、Pt下部電極を用いた場合、Arガスとフッ素系反応ガスを用いたドライエッチング(反応性イオンエッチングRIE)において、Pt下部電極層3とKNN圧電体薄膜4との間に所定のエッチング選択比が得られる。これにより、Pt下部電極層3において、エッチングの停止制御が容易になり、加工精度を高めることができる。
本発明のドライエッチングにより、KNN圧電体薄膜4を短時間に精度良く微細加工することが可能となる。また、エッチング断面形状がSi基板2の面に向けて漸次拡大するテーパ状(上辺が短く下辺が長い上短下長の台形状)となるよう、素子部6を形成することができる。また、テーパ角を45°〜90°の範囲で制御することができ、テーパ角を急峻にすることで、その後の工程における位置あわせや、素子分離後の所望の特性の実現に効果をもたらす。
以下に、本発明の具体的な実施の形態として、実施例を挙げて、図1,2を参照しながら、圧電体薄膜ウェハ1について詳細に説明をする。なお、この実施例にあっては、圧電体薄膜ウェハの一例を挙げるものであり、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
(下部電極層及びKNN圧電体薄膜の形成)
基板は、熱酸化膜付きのSi基板2((100)面方位、厚さ0.525mm、熱酸化膜厚さ200nm、サイズ4インチウェハ)を用いた。RFマグネトロンスパッタリング法を用いて、Si基板2上にPt下部電極層3(Pt、膜厚210nm)を形成するにあたり、Si基板2とPt下部電極層3との間に図示しないTi密着層(10nm)をスパッタにより形成した。
Ti密着層とPt下部電極層3とは、基板温度100℃〜350℃、放電パワー200W、導入ガスAr雰囲気、圧力2.5Paの条件で成膜した。成膜時間は、それぞれ1〜3分、10分とした。Pt下部電極層3の面内表面粗さを測定したところ、算術平均粗さRaが0.86nm以下であった。また、X線回折測定により、Pt下部電極層は(111)に単独配向していることが確認された。
このPt下部電極層3上に、組成式(K1-xNax)NbO3で表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電体薄膜4をマグネトロンスパッタリング法により形成した。この圧電体薄膜4は、Na/(K+Na)を調整した(K1-xNax)NbO3焼結体をターゲットに用い、基板温度520℃、放電パワー700W、導入ガスO2/Ar混合比0.005、チャンバー内圧力1.3Paの条件で成膜した。圧電体薄膜4のスパッタ成膜時間は、膜厚が3μmとなるように調整して行った。
(マスクパターンの形成)
まず、KNN圧電体薄膜4の上に、Ti膜をRFマグネトロンスパッタリング法により約1.2μm成膜した。次に、OFPR−800などのフォトレジストを塗布し、露光及び現像を行い、Ti膜上にフォトレジストパターンを形成した。その後、フッ酸と硝酸の混合液(HF:HNO3:H2O=1:1:50)を用いてTi膜をエッチングした。アセトン洗浄によりフォトレジストパターンを除去することにより、図2(a)のようにTiパターン5をKNN圧電体薄膜4上に形成した。本実施例では、Tiパターン5は、圧電体薄膜4の表面に、直線状に、幅2.5mm、ピッチ5.0mmで形成した。
Tiパターン5の厚さについては、KNN圧電体薄膜4とTiパターン5とのエッチング選択比(エッチング速度比率)を考慮して決定した。ここではエッチングされた量を比較して選択比を求めた。
具体的には、基台上にKNN膜を形成し、さらにKNN膜の一部にTiマスクを形成した試料を作製し、Arガス、又はArを含むガスを用いたドライエッチングを施した。所定時間エッチングした後、残留したTiパターンフッ酸と硝酸の混合液を用いて除去し、段差を測定する。そして、段差量(エッチング量)の測定からKNNとTiのエッチング選択比を求めた。求めた「圧電体薄膜/マスク厚」のエッチング選択比は、最大で3程度であり、KNN圧電体薄膜を加工する場合は、「圧電体薄膜/マスク厚」比を3程度とすることが好適であることが分かった。
(ドライエッチングによる加工)
Tiパターン5を形成したKNN圧電体薄膜4上に、Arを含むガスを用いたドライエッチングにより微細加工を行う。この工程において、イオンプラズマ中のNa発光ピーク強度の時間変化を観測することで、下部電極層3において制御性よく加工を停止する。ドライエッチング装置としては、ICP−RIE装置(サムコ製RIE−102L)を用いた。ガスとしては、Ar、もしくは、ArとCHF3、C26、CF4、SF6、C48などのフッ素系反応ガスとの混合ガスを用いることができる。
(Na発光ピーク強度の観測)
上記ドライエッチング工程において、イオンプラズマ中のNa発光ピーク強度(以下、Naピーク強度ともいう)の時間変化の観測を行った。そのNaピーク強度は、スペクトルメータ(OceanOptics製USB2000)を用いて測定した。ドライエッチングは、RF出力400W、チャンバー内圧力33.3Pa(0.25Torr)、ガス総流量100sccmの条件とした。KNN圧電体薄膜4には、膜厚2830nmのものを用いた。
図3に、ドライエッチング中の580nmから600nmの波長領域の発光スペクトルを示す。図3から明らかなように、Na発光スペクトルに対応する586nmから590nmの波長の発光強度では、KNN圧電体薄膜4のドライエッチングが進むとともに、減少することが確認できる。
(ドライエッチングによるエッチング速度の確認)
RF出力400W、チャンバー内圧力33.3Pa(0.25Torr)、ガス総流量100sccmとして、ガス組成と混合比とを変えてKNN圧電体薄膜4の微細加工を行った。KNN圧電体薄膜のエッチングの終点検出には、上記イオンプラズマ中のNaピーク強度の時間変化により検出する方法を用いた。
表1には、ドライエッチングに用いたガス組成、及び混合比と、そのガス組成、及び混合比を変えた際のKNN圧電体薄膜4のエッチング速度との関係が示されている。表1から理解できるように、Arを含むガスを用いたドライエッチング(反応性イオンエッチングRIE)により、最大で43nm/minのエッチング速度が得られた。
表2には、表1と同様にガス組成と、混合比を変えて、KNN圧電体薄膜4の微細加工を行った実施例1〜10を示す。実施例1〜7では、バイアス電力を0W、実施例8〜10は、バイアス電力を5Wとした。実施例1〜10のいずれの場合も、Pt下部電極層3においてエッチングを制御性よく停止することができた。
図4には、イオンプラズマ中のNa発光スペクトルの中心波長に対応する588.5nmのNaピーク強度とエッチング時間との関係が示されている。図4において、グラフ右軸はエッチング速度から求めたエッチング深さの推定値とKNN圧電体薄膜4の膜厚を示す。図4から理解できるように、KNN圧電体薄膜4をドライエッチングにより削り切る前から削り切る付近(図4に示すグラフにおける右側の急峻な下傾斜部分)で、イオンプラズマ中のNa発光ピークが、定常値から大きく減少している。このNa発光ピーク強度の減衰部分をKNN圧電体薄膜4のエッチングの終点検出に使用することができる。
上記のようなNa発光スペクトルの観測に加えて、「KNN圧電薄膜厚さ/Pt下部電極層厚さ」比が15以下となるPt下部電極層を用いることで、より確実にPt下部電極層3における加工停止が可能となる。「KNN圧電薄膜厚さ/Pt下部電極層厚さ」の比を15以下としたのは、大口径の圧電薄膜ウェハ面内において、削り残しや削りすぎがないようにするためである。この実施例では、Pt下部電極層3を60〜120nmの範囲で削って加工を停止することが適当であり、KNN圧電体薄膜4が3μmであるのに対し、Pt下部電極層3を210nmとした。
微細加工された圧電薄膜素子を用いてデバイスを構成する場合、電圧の印加又は電圧の検知を行うため、エッチングにより露出させたPt下部電極層をパッド電極部として用いる形態がある。このような形態の場合には、エッチング後に露出する下部電極層の厚さが、80nm以上、好ましくは100nm以上となるように予め各層の膜厚やエッチング選択比を決定しておくとよい。
チャンバー内圧力を20Pa〜66.7Pa(0.15Torr〜0.50Torr)の範囲で変化させたときのエッチング速度を確認したところ、エッチング速度に20%程度の差が見られ、33.3Paの場合に、エッチング速度が最大となることが確認できた。これは、Arガスと、フッ素系反応ガス(例えば、C26、CF4、SF6、C48など)を用いた場合でも、Arガス単独の場合でも、同様の傾向が見られた。
図4や表2から、KNN圧電体薄膜4を短時間で高精度に微細加工するためには、Ar、もしくはArとCHF3、C26、CF4、SF6、C48などのフッ素系反応ガスとの混合ガスを用いたドライエッチングが好適であることが理解できる。Ptなどの下部電極層3でエッチングを停止させるには、イオンプラズマ中のNa発光ピーク強度の時間変化を検出することが好適である。但し、Arガスに対して反応ガスの比率が多い場合は、KNNのエッチング速度が大きく落ちるため、Arと反応ガスとの比率には注意すべきである。具体的には、Arガス/反応ガスの混合比が1より小さい場合には、KNNのエッチング速度が大きく落ち、エッチング後のKNN素子部の形状が不安定になり易く、現実的な微細加工には不向きである。従って、Arガス/反応ガスの混合比を1以上に設定することが好ましく、さらに好ましくは、Arガス/反応ガスの混合比を2.5以上に設定することが望ましい。
(微細加工及びエッチング停止)
図5には、上記実施例における微細加工後の圧電体薄膜ウェハの断面SEM像が示されている。Arを含むガスを用いてKNN圧電体薄膜4にドライエッチングを行い、イオンプラズマ中のNa発光ピーク強度の変化を検知し、エッチング速度の調整を行うことで、Pt下部電極層3において制御性よく加工を停止でき、高精度な微細加工を実現できることが分かる。
微細加工後のKNN圧電体薄膜4におけるエッチング断面には、図5に示すように、外方に向けてテーパ状に拡がる傾斜部が形成されている。図2では、傾斜部7がこれに相当する。この傾斜部は、上述した通り、上辺が短く下辺が長い上短下長の台形状断面を有している。KNN圧電体薄膜4の上面端と底面端とを結んだ法面と、KNN圧電体薄膜4の底面とがなす角θは、45°より大きく90°より小さい法面角度θ(テーパ角θともいう)となっている。
バイアス電力を制御することで、KNN圧電体薄膜4のテーパ角θを45°より大きく、90°より小さい範囲において制御できる。表2に示す実施例9及び10において、バイアス電力を12〜15Wの範囲で制御して微細加工を行うと、65°〜70°のテーパ角を実現することができ、さらに、100〜150Wの範囲まで上昇させることで、80°〜90°の範囲でテーパ角を制御できることが確認できた。
さらに、バイアス電力の制御に加えて、炉内圧力を制御することで、KNN圧電薄膜を加工して得られるKNN素子部6のテーパ角θの調整が可能であることを確認した。その一例としては、炉内圧力を下げるように制御すると、KNN素子部6のテーパ角θを高角度になる傾向があることを確認した。この炉内圧力の制御と共に、バイアス電力の制御と組み合わせて実施することで、テーパ角をより精度良く制御することができる。例えば、バイアス電力を5Wとした実施例8においては、炉内圧力を6.67Pa(0.05Torr)とすると、KNN素子部6のテーパ角θを70°に制御することが可能であった。
KNN素子部6のテーパ角θが45°以下であると、圧電体薄膜素子が設計どおりの特性を発揮できなくなるので好ましくない。また、後工程における位置あわせの精度が悪くなる。一方、KNN素子部6のテーパ角θが90°以上であると、構造的に不安定であり、素子信頼性に欠ける。また、後工程でデバイスに加工する際、歩留りの低下を招く。
KNN素子部6のテーパ角度(法面角度)θを45°より大きく90°を超えない範囲で制御した圧電薄膜素子を用い、20V電圧を印加して動作確認を行った。具体的には、上記実施例により得られた微細加工され、KNN素子部6に素子分離された圧電薄膜ウェハを用いて、図6に記載のカンチレバー型アクチュエータ10を作製し、動作の安定性と、1億回動作後の圧電定数の劣化率を評価した。いずれもデバイスとして用いるのに問題なく、良好な結果が得られた。
ここで図6のカンチレバー型アクチュエータについて説明する。
KNN素子部6の上部に上部電極層8としてPt層を形成し、長さ20mm、幅2.5mmの短冊型素子12を切り出した。この上部電極層8は、図2(b)の素子分離された圧電体薄膜ウェハ1から、Tiパターン5を除去した後、各KNN素子部6の上部(KNN圧電体薄膜4の上部)に形成した。なお、上部電極は、上記した通り、エッチングによる微細加工後に形成してもよいが、工程の簡略化のためエッチング前の圧電体薄膜上に形成してもよい。この場合、上部電極層上にTiパターン5を形成し、その後、エッチングを行う。
短冊型素子12の長手方向の端をクランプ13で固定することで、簡易型のカンチレバー型アクチュエータ11を作製した。この状態で上部電極、下部電極間に、電圧を印加することで、KNN圧電体薄膜4に変位を生じさせ、伸縮させるように動作させることで、レバー全体を屈曲動作させた。この先端部の位置をレーザドップラー変形計14で測定することにより圧電定数を求めることができる。
ここまで本発明の圧電体薄膜ウェハを上記実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態、実施例及び図示例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、次に示すような変形例も可能である。
上記実施例では、基板として、熱酸化膜付き(100)面Si基板2を用いたが、異なる面方位のSi基板、熱酸化膜なしのSi基板、SOI基板でも、上記実施例と同様の効果が得られる。また、Si基板に代えて、石英ガラス基板、GaAs基板、サファイア基板、あるいはステンレスなどの金属基板、MgO基板、SrTiO3基板、又はKNN基板などの圧電性基板、などを用いてもよい。KNN圧電体薄膜層4は、特に他の元素を添加していないが、5原子数%以下のLi(リチウム)、Ta、Sb(アンチモン)、Ca(カルシウム)、Cu(銅)、Ba(バリウム)、Ti等をKNN圧電体薄膜に添加してもよい。
また、適用されるデバイスの形態によっては、下部電極は必ずしも必要としない。そのような場合には、基板上に直接、KNN圧電体薄膜を形成し、基板の表面においてエッチングを停止してもよく、基板の表面に下地層を形成し、下地層とKNN圧電体薄膜との間においてエッチングの停止を行っても良い。
また、Si基板2とPt下部電極層3との間にTi密着層を形成したが、Tiに代えて、Taを密着層に用いてもよい。また、Ti密着層の厚さを1〜30nmの範囲としたが、基板の露出を防ぐための層として用いる場合には、30nmよりも厚く形成することができる。その一例としては、例えば、適用するデバイスによっては、Pt下部電極層を薄く形成したい場合、又は基板を露出させることが好ましくない場合がある。このような場合には、反応性ガスの混合比を制御することにより、KNN圧電体薄膜とPt下部電極層とのエッチング選択比を制御し、KNN圧電体薄膜とPt下部電極層とのエッチング選択比を制御し、Pt下部電極層の削りすぎによる基板の露出を防ぐことが好ましいが、基板とPt下部電極層との間に集めのTi層、例えば、50nmのTi層を設けることで、エッチングによる基板の露出を防ぐこともできる。
表1に示すように、エッチングガスの種類・混合割合によってはエッチング速度が40nm/minを超える加工が可能であるが、圧電体薄膜の厚さによっては、エッチング速度を遅くするようフッ素系反応ガスの混合割合を制御してもよい。
例えば、KNN圧電体薄膜層4の膜厚を1μm未満としたときは、KNN圧電体薄膜層4の面内の一部に削りムラ(削れ過ぎや削れ残り)が見られる場合がある。具体的には、実施例8のエッチングでは、その反応が1μm未満の厚さのKNN圧電体薄膜層4に対して速すぎる。そこで、C4F8ガスの混合量を増やし、エッチング速度を制御することで、膜厚の薄い圧電体薄膜に対しても良好な加工を実現することができる。
また、圧電体薄膜4の厚さが200nm〜500nm未満である場合は、Arガスとフッ素系反応ガスの割合が1:1の混合ガスを用いて反応性イオンエッチングを行うことで、良好な制御性でエッチングを行うことが可能となる。
このように、エッチングガスの流量を制御することで、Na発光ピーク強度の時間変化の検知やエッチングの制御性の改善が可能となり、圧電体薄膜4の厚さが1μm未満であっても、初期の目的とする微細加工が得られる。
上記した実施の形態、又は実施例では、KNN圧電体薄膜をRFマグネトロンスパッタリング法により成膜した例を示したが、KNN圧電体薄膜の成膜はスパッタ法に限定されるものではなく、下記変形例1、2のように、ゾルゲル法や、AD法により成膜された圧電体薄膜であっても、本発明の適用は可能である。
[変形例1]
(ゾルゲル法により形成したKNN圧電体薄膜の加工)
ゾルゲル法やMOD法により圧電体層を形成する場合には、所望の組成式となるよう材料の組成比を調製した前駆体溶液を用いて塗布層を形成し、塗布層を結晶化することで圧電体層を形成する。例えば、Naを含む有機金属化合物としてナトリウムエトキシド、カリウムを含む有機金属化合物としてカリウムエトキシド、ニオブを含む有機金属化合物としてニオブエトキシドを用い、これらを所望のモル比となるよう混合し、さらにアルコールなどの有機溶媒を用いて溶解、分散して、前駆体溶液を作製する。
変形例1では、カリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、ニオブエトキシドを所定もモル比で混合して作製した前駆体溶液を、NbドープのSrTiO3基板上に塗布し、KNN圧電体薄膜を形成する。
具体的には、まず、KNN圧電体薄膜を形成するための前駆体溶液を用意する。次に、NbドープのSrTiO3基板上にスピンコート法により前駆体溶液を塗布し、ホットプレート上で乾燥、仮焼結した後、700℃でアニール処理を施し、結晶化させる。このような成膜工程を、必要とする膜厚が得られるまで繰り返し行い、4μm厚さのKNN圧電体薄膜を有する圧電体薄膜ウェハを形成した。
このゾルゲル法により形成したKNN圧電体薄膜に対し、マスクとしてTa(タンタル)を1.5μm厚さ形成し、本発明の加工方法を行ったところ、基板表面でエッチングを停止することができた。また、得られたKNN素子部の傾斜部のテーパ角θも、上記実施例と同様の範囲に形成され、バイアス電力、炉内圧力の調整によりテーパ角θの制御も可能であった。
[変形例2]
(AD法により形成したKNN圧電体薄膜の加工)
次に、エアロゾルデポジション法(AD法)により形成したKNN圧電体薄膜の加工を検討した。主原料として、所望のKNN圧電体薄膜の組成と同じ組成比の原料粉末を用意し、ヘリウムガスを搬送ガスとして成膜を行う。また、副原料としてエアロゾルデポジション法で成膜されやすい誘電体の結晶粉体を混合してもよい。この場合、Al23などの副原料の混合を、主原料に対し重量比で3〜10%の範囲で行うことで、膜密度を高めることができる。
変形例2においては、所望のKNN圧電体薄膜の組成比に合わせたKNN膜用原料粉末を用意する。また、KNN膜用原料粉末には、Al23を副原料として混合しておく。
具体的には、主原料であるニオブ酸カリウムナトリウム結晶粉末「K:Na:Nb:O=7.5:6.5:16:70(原子数%)」に対し、Al23を副原料として混合した材料を用い、He搬送ガスを用いて、下部電極が形成された基板に吹き付けを行った。このときの基板温度を500℃として、10μm厚さのKNN圧電体薄膜を成膜した。なお、基板には、MgO基板を用い、下部電極層には、500nm厚さのPt層を用いた。
このAD法により形成したKNN圧電体薄膜に対し、マスクとしてW(タングステン)を3.0μm厚さ形成し、本発明の加工方法を行ったところ、上記スパッタにより成膜した圧電体薄膜と同様に、Pt層においてエッチングを選択的に停止することができた。また、得られた圧電体薄膜の傾斜部のテーパ角θも、上記実施例と同様の範囲に形成され、また、バイアス電力、炉内圧力の調整によりテーパ角θの制御も可能であった。
以上、説明した通り、本発明の圧電体薄膜の加工方法を用いることにより、良好な微細加工が施されたアクチュエータ、センサ、フィルタデバイス、又はMEMSデバイスに適用できる圧電体薄膜素子が得られ、電圧検知手段又は印加手段を設けた圧電薄膜デバイスを従来品と同等以上の信頼性と、安価な製造コストとで作製することができる。アクチュエータとしては、インクジェットプリンタ用ヘッド、スキャナー、超音波発生装置などに用いることができる。センサとしては、ジャイロ、超音波センサ、圧カセンサ、速度・加速度センサなどに用いることができる。
1 圧電体薄膜ウェハ
2 基板
3 下部電極層
4 圧電体薄膜層
5 Tiパターン
6 素子部
7 傾斜部

Claims (7)

  1. 組成式(K1-xNax)NbO3(0.4≦x≦0.7)で表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電体薄膜を備える積層体に、
    前記圧電体薄膜側からArを含むガスを用いてドライエッチングを行い、
    前記ドライエッチングにおいて放出されるイオンプラズマ中のNa発光ピーク強度の変化を検出してエッチング速度を変更することを特徴とする圧電体薄膜の加工方法。
  2. 前記Na発光ピーク強度の減衰、及び時間変化を検出して、前記エッチング速度を変更する請求項1に記載の圧電体薄膜の加工方法。
  3. 前記積層体は、基板上に前記圧電体薄膜を形成して構成される請求項1又は2に記載の圧電体薄膜の加工方法。
  4. 前記エッチング速度の変更は、前記基板と前記圧電体薄膜との間に形成された下地層においてエッチングを停止することを含む請求項1〜3のいずれかに記載の圧電体薄膜の加工方法。
  5. 前記下地層はPt層を含む請求項4に記載の圧電体薄膜の加工方法。
  6. 前記ドライエッチングは、前記Arを含むガスにフッ素系反応ガスを混合したガスを用いて行う反応性イオンエッチングを含む請求項5に記載の圧電体薄膜の加工方法。
  7. 基板上に下部電極を有し、前記下部電極上に組成式(K1-xNax)NbO3(0.4≦x≦0.7)で表されるアルカリニオブ酸化物系ペロブスカイト構造の圧電体薄膜を有する圧電体薄膜の加工方法において、
    前記圧電体薄膜にArを含むガスを用いたドライエッチングを行い、
    前記ドライエッチング中に発生するイオンプラズマの586nmから590nmのNa発光スペクトルの発光ピーク強度の減衰変化を観測して下部電極において加工を停止し、前記圧電体薄膜のエッチング断面を前記基板の面に向けて漸次拡大するテーパ状に加工することを特徴とする圧電体薄膜の加工方法。
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