JP2012059755A - ドライフィルムレジストの薄膜化処理方法 - Google Patents

ドライフィルムレジストの薄膜化処理方法 Download PDF

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【課題】ドライフィルムレジストを、均一に薄膜化することが可能なドライレジストの薄膜化処理方法を提供する。
【解決手段】ドライフィルムレジストが貼り付けられた基板5の該ドライフィルムレジストを処理液で処理する工程1、その後に、表面の不用なドライフィルムレジスト分を除去する工程2とからなるドライフィルムレジストの薄膜化処理方法において、処理液で処理する工程がディップ方式7による工程であり、処理液で処理する工程終了から除去する工程開始までの時間が6秒以下であるドライフィルムレジストの薄膜化処理方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、ドライフィルムレジスト(以下、「DFR」と略す場合がある)を、均一に薄膜化することが可能なDFRの薄膜化処理方法を提供するものである。
プリント配線板やリードフレームの製造方法としては、基板上にエッチングレジスト層を形成し、そのエッチングレジスト層で被覆されていない金属層をエッチングによって取り除くサブトラクティブ法が挙げられる。この手法は、他の手法に比べ、製造工程が短くコスト安であること、金属パターンと絶縁板の接着強度が強いこと等の優位点があるため、現在のプリント配線板及びリードフレーム製造の主流となっている。そして、サブトラクティブ法にてエッチングレジスト層を設ける方法としては、DFRと呼ばれるシート状の感光材料及び液状フォトレジストを用いた方法が挙げられ、これらの中でも、取り扱い性が優れ、テンティングによるスルーホールの保護が可能なことから、DFRの方が一般的に好まれている。
さて、近年の電子機器の小型、多機能化に伴い、機器内部に使用されるプリント配線板も高密度化や金属パターンの微細化が進められており、サブトラクティブ法によって、現在では、導体幅が50〜80μm、導体間隙が50〜80μmの金属パターンを有するプリント配線板が製造されている。また、さらなる高密度化、微細配線化が進み、50μm以下の超微細な金属パターンが求められるようになっている。それに伴い、パターン精度やインピーダンスの要求も高くなっている。このような微細な金属パターンを達成するために、従来からセミアディティブ法が検討されているが、工程数が大幅に増加するという問題やめっき銅の密着性不良等の問題があった。
サブトラクティブ法において、このような微細な金属パターンを形成する場合、生産ラインすべての技術レベルや管理レベルを向上させる必要があることはもちろんであるが、その中でも、エッチングが大きなポイントとなる。これは、サブトラクティブ法の特徴である導体の側面方向から進行するサイドエッチングが問題となるからであり、サイドエッチングの量を抑えるために、液組成管理、基板への液吹き付け角度や強さ等、最適なエッチング条件を調整する必要がある。また、エッチング条件の調整だけではなく、エッチングレジスト層の膜厚によっても、サイドエッチングは影響を受ける。つまり、膜厚が厚いほど、微細なレジストパターン間に液が循環しにくくなり、その結果、サイドエッチングが大きくなる。現在主流となっているDFRの厚みは、25μm前後の厚みであり、一方、微細な金属パターンを形成するためには、できるだけレジスト膜厚を薄くする必要があり、そのために、近年では10μm以下の厚みのDFRが開発され、商品化されはじめている。しかし、このような薄いDFRでは、ゴミを核とした気泡の混入及び凹凸追従性が不十分となり、レジスト剥がれや断線が発生する問題があった。
このような問題を解決すべく、サブトラクティブ法によって導電パターンを作製する方法において、基板上にDFRを貼り付けた後、無機アルカリ性化合物の含有量が5〜20質量%の高濃度アルカリ水溶液によってDFRを処理し、その後、一挙に除去する方法で、薄膜化処理を行い、次に回路パターンの露光、現像、エッチングを行うことを特徴とする導電パターンの形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。高濃度アルカリ水溶液によるDFRの処理では、DFRのミセルを一旦不溶化し、高濃度アルカリ水溶液に溶解拡散しにくくしている。この方法では、確かに薄膜化処理は可能であったが、処理条件によっては、薄膜化後の膜厚の均一性が得られない場合があった。すなわち、特許文献1では、高濃度アルカリ水溶液による処理において、スプレー方式を用いることが好ましいとされている。しかし、いくら不溶化したとはいえ、スプレー圧によって、表面上のミセルが、少なからず、高濃度アルカリ水溶液中に溶け出すことが判明した。DFR表面が均一に溶け出すのであれば問題はないが、スプレー方式の場合、どうしても、スプレー圧のばらつきから、場所によって、溶け出す量が異なる部分が出てきて、表面の厚みが不均一になる。このような現象によって、薄膜化後のDFRの厚みが不均一になると、その後の露光工程において、同じ露光量を与えた場合でも、DFRの硬化度に差が生じ、この硬化度の差が、そのまま現像後に残る結果となり、次工程のエッチング工程で欠陥を発生させる場合があった。
国際公開第2009/096438号パンフレット
本発明は、DFRを均一に薄膜化することが可能なDFRの薄膜化処理方法を提供するものである。
本発明者らが検討した結果、
(1)ドライフィルムレジストが貼り付けられた基板の該ドライフィルムレジストを処理液で処理する工程、その後に、表面の不用なドライフィルムレジスト分を除去する工程とからなるドライフィルムレジストの薄膜化処理方法において、処理液で処理する工程がディップ方式による工程であり、処理液で処理する工程終了から除去する工程開始までの時間が6秒以下であることを特徴とするドライフィルムレジストの薄膜化処理方法、
(2)表面の不用なドライフィルムレジストを除去する工程が、スプレーノズルを用いたスプレー方式による工程であり、スプレーノズルは、基板の搬送方向に対して直角の幅方向に傾斜して設置され、スプレーノズルの中心線と基板からの垂線とで形成された傾斜角が、30〜70度の範囲である上記(1)記載のドライフィルムレジストの薄膜化処理方法、
によって、上記課題を解決できた。
本発明は、基板上のDFRを処理液によって均一に薄膜化処理するものである。薄膜化処理の方法としては、まず、処理液で処理する工程を行い、DFRのミセルを一旦不溶化し、高濃度アルカリ水溶液中に溶解拡散しにくくする。そして、その後、一挙にミセルを除去する方法で、表面の不要なDFRを除去する工程を行い、薄膜化を行う。この処理条件によっては、薄膜化したDFRの均一性が得られない場合が、しばしば確認された。この問題に対して検討した結果、処理液による処理として、基板を処理液中に浸漬させる、いわゆるディップ方式を用いることで、ミセルを全く再分散させることなく不溶化処理することができることが判明した。
また、処理液に浸漬する工程が終了し、表面の不要なDFRを除去する工程を開始するまでの時間にも均一性が損なわれる原因があった。薄膜化処理では、DFRを貼り付けた基板を処理液に浸漬させた時間に従って、薄膜化の程度が調節可能であるが、DFRを貼り付けた基板は、浸漬した状態であれば、均一にミセル化が進行していくものの、浸漬を終了し、次工程の除去する工程に移行するまでの時間が長くなると、基板面内のミセル化の進行程度が不均一になり、このため、薄膜化後のDFRの厚みが不均一になってしまうことが明らかとなった。本発明のように、処理液で処理する工程終了から除去する工程開始までの時間を6秒以下とすることで、薄膜化後のDFRの厚みを均一にできることが判明した。
さらに、表面の不要なDFRの除去は速やかに行うために、スプレー方式で行うことが好ましいが、スプレーノズルが幅方向に傾斜して設置され、傾斜角を30〜70度の範囲に設定することが好ましく、効率良く、速やかに、ミセルを除去することが可能であることが判明した。
スプレーノズルと基板の位置関係を表した概略図である。 薄膜化処理装置の構成を簡単に表した模式図である。
本発明のDFRの薄膜化処理について、詳細に説明する。ドライフィルムレジストが貼り付けられた基板は、基板の少なくとも片面にDFRを貼り付けることで得られる。貼り付けには、例えば、100℃以上に加熱したゴムロールを加圧して押し当てるラミネータ装置を用いる。基板には酸洗等の前処理を施しても良い。貼り付け後、DFRのキャリアフィルムを剥がし、DFRの薄膜化処理を施す。
本発明のDFRの薄膜化処理方法の後に、回路パターンの露光を行い、さらに現像を行ってエッチングレジスト層を形成し、次にエッチングレジスト層以外の金属層をエッチングすることで、導電パターンを形成することができる。
基板としては、プリント配線板またはリードフレーム用基板が挙げられる。プリント配線板としては、例えば、フレキシブル基板、リジッド基板が挙げられる。フレキシブル基板は、通常、ポリエステルやポリイミド、アラミド、ポリエステル−エポキシベースが絶縁層の材料として用いられている。フレキシブル基板の絶縁層の厚さは5〜125μmで、その両面もしくは片面に1〜35μmの金属層が設けられており、非常に可撓性がある。絶縁層や金属層の厚みはこの範囲以外のものであっても良い。フレキシブル基板は、シート状の形態でも良いし、ロール状の形態でも良い。ロール状の形態であれば、ロール トゥ ロール(Roll to Roll)の方式で、薄膜化処理、露光、現像、エッチング等の工程を処理できる。
リジッド基板としては、紙基材またはガラス基材にエポキシ樹脂またはフェノール樹脂等を浸漬させた絶縁性基板を必要枚数重ねて絶縁層とし、その片面もしくは両面に金属箔を載せ、加熱、加圧して積層し、金属層が設けられたものが挙げられる。また、内層配線パターン加工後、プリプレグ、金属箔等を積層して作製する多層用のシールド板、また貫通孔や非貫通孔を有する多層板も挙げられる。厚みは60μm〜3.2mmであり、プリント基板としての最終使用形態により、その材質と厚みが選定される。金属層の材料としては、銅、金、銀、アルミニウム等が挙げられるが、銅が最も一般的である。これらプリント基板は、例えば「プリント回路技術便覧−第二版−」((社)プリント回路学会編、日刊工業新聞社刊)や「多層プリント回路ハンドブック」(J.A.スカーレット編、(株)近代化学社刊)に記載されているものを使用することができる。リードフレーム用基板としては、鉄ニッケル合金、銅系合金等の基板が挙げられる。
DFRとは、一般的に使用されている回路形成用の感光性材料であり、光照射部が硬化して現像液に不溶化するネガ型のレジストが挙げられる。DFRは、少なくとも光架橋性樹脂層からなり、ポリエステル等のキャリアフィルム(透明支持体)上に光架橋性樹脂層が設けられ、場合によってはポリエチレン等の保護フィルムで光架橋性樹脂層上を被覆した構成となっている。ネガ型の光架橋性樹脂層は、例えば、カルボキシル基を含むバインダーポリマー、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤、溶剤、その他添加剤からなる。それらの配合比率は、感度、解像度、硬度、テンティング性等の要求される性質のバランスによって決定される。光架橋性樹脂組成物の例は「フォトポリマーハンドブック」(フォトポリマー懇話会編、1989年刊行、(株)工業調査会刊)や「フォトポリマー・テクノロジー」(山本亜夫、永松元太郎編、1988年刊行、日刊工業新聞社刊)等に記載されており、所望の光架橋性樹脂組成物を使用することができる。光架橋性樹脂層の厚みは15〜100μmであることが好ましく、20〜50μmであることがより好ましい。この厚みが15μm未満では、ゴミを核とした気泡の混入や凹凸追従性不良によって、レジスト剥がれや断線が発生する場合があり、100μmを超えると、薄膜化で溶解除去される量が多くなって薄膜化処理時間が長くなることがある。
薄膜化処理とは、DFRの厚みを略均一に薄くする処理のことであり、薄膜化処理を施す前の厚みの0.05〜0.9倍の厚みにする。薄膜化処理の工程は、大きく2つの工程に分けられる。第一に、処理液として、高濃度アルカリ水溶液を用いて、DFRの光架橋性樹脂成分のミセルを一旦不溶化し、アルカリ水溶液中に溶解拡散しにくくする工程、第二に、この不溶化したミセルを除去する工程である。その後に、ミセルが除去されて薄膜化された光架橋性樹脂層表面を十分に水洗する工程を設けても良い。
処理液に使用されるアルカリ性化合物としては、リチウム、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または重炭酸塩等のアルカリ金属炭酸塩、カリウム、ナトリウムのリン酸塩等のアルカリ金属リン酸塩、リチウム、ナトリウムまたはカリウムの水酸化物等のアルカリ金属水酸化物、カリウム、ナトリウムのケイ酸塩等のアルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物を挙げることができる。このうち特に好ましい化合物としては、アルカリ金属炭酸塩が挙げられる。
処理液は、上記アルカリ性化合物を処理液に対して5〜20質量%含有することが好ましい。5質量%未満では溶解除去途中のミセルが溶解拡散しやすくなって、処理液の流動によって薄膜化処理が不均一になる場合がある。また、20質量%を超えると析出が起こりやすくなって、液の経時安定性、作業性に劣る場合がある。溶液のpHは9〜12の範囲とすることが好ましい。また、界面活性剤、消泡剤、溶剤等を適宜少量添加することもできる。
処理液を用いて、光架橋性樹脂成分のミセルを一旦不溶化する工程は、DFRを貼り付けた基板を処理液中に浸漬させて実施する、いわゆるディップ方式で行う。ディップ方式で行うことにより、光架橋性樹脂表面を均一にミセル化させることが可能となる。
処理液の温度範囲としては、具体的には10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃、さらに好ましくは15〜25℃である。処理液の温度が大きく異なると、不溶化するミセルの量が安定しなくなるため、処理液の温度は常に一定に保つことが望ましい。
処理液で処理する工程(以下、「処理工程」ともいう)終了から除去する工程(以下、「除去工程」ともいう)開始までの時間は、6秒以下にしなければならない。4秒以下にすることがより好ましい。薄膜化処理は、DFRを貼り付けた基板を、処理液に浸漬させ、浸漬した時間に従って、薄膜化の程度が調節可能であるが、DFRを貼り付けた基板は、浸漬した状態であれば、均一にミセル化が進行していくものの、浸漬を終了し、次工程の除去工程に移行するまでの時間が長くなり、6秒を超えると、基板面内のミセル化の進行程度が不均一になり、このため、薄膜化後のDFRの厚みが不均一になるという問題が発生する。
表面の不要なDFRを除去する工程としては、除去液として、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩から選ばれる無機アルカリ性化合物のうち少なくともいずれか1種を含むpH5〜10の水溶液を供給し、高濃度アルカリ水溶液で不溶化された光架橋性樹脂成分を再分散させて溶解除去する。この工程において、pHが5未満では再分散により溶け込んだ光架橋性樹脂成分が凝集し、不溶性のスラッジとなって薄膜化した光架橋性樹脂層表面に付着する恐れがある。一方、水溶液のpHが10を超えると光架橋性樹脂層の溶解拡散が促進され、面内で膜厚むらが発生しやすくなることがあるため好ましくない。また、この工程の処理液は、硫酸、リン酸、塩酸などを用いて、水溶液のpHを調整した後に使用しても良い。
表面の不要なDFRを除去する工程としては、処理液を用いて一旦不溶化させた光架橋性樹脂成分のミセルを一気に除去することが望ましいことから、スプレー方式、ブラッシング方式、スクレーピング方式などがあり、スプレー方式が、光架橋性樹脂層の溶解速度の点からは最も好ましい。スプレー方式の場合、処理条件(温度、時間、スプレー圧)は使用する光架橋性樹脂層の溶解速度に合わせて適宜調整される。具体的には、処理温度は10〜50℃が好ましく、より好ましくは15〜35℃である。また、スプレー圧は0.01〜0.5MPaとするのが好ましく、0.1〜0.3MPaがより好ましい。
スプレーは、光架橋性樹脂層表面に垂直な方向に対して、傾いた方向から噴射するのが好ましい。具体的には、スプレーノズルが搬送方向に対して直角方向の幅方向に傾斜して設置されていて、スプレーノズルの中心線と基板からの垂線とで形成された傾斜角を、30〜70度の範囲に設定することが好ましい。より好ましくは、40〜60度である。傾斜角をこの範囲とすることで、幅方向への十分な液流れとスプレー圧を確保することができ、速やかに、効率良く、ミセルを除去することが可能となる。30度より小さい傾斜角の場合、傾き角が少ないために、十分な液流れが確保できず、水が滞留する部分が発生し、ミセルの除去が不均一となり、薄膜化後の膜厚が不均一となる場合がある。70度より大きな傾斜角の場合、傾き角が大きいために、液流れは確保できるものの、基板表面への十分なスプレー圧を得ることができず、ミセルを一気に除去することができなくなり、面内均一性が得られなくなる場合がある。
本発明のスプレーノズルの傾斜角について、図1を用いて説明する。図1は本発明のスプレーノズルとDFRが貼り付けられた基板の位置関係を表した概略図である。図1において、正面方向が基板の搬送方向であり、横方向が幅方向となる。傾斜角32は、基板27に対する垂線30とノズル管28に設置したスプレーノズル29の中心線31とで形成された角度のことを示す。
除去液の供給流量は、光架橋性樹脂層1cm当たり0.030〜1.0L/minが好ましく、0.050〜1.0L/minがより好ましく、0.10〜1.0L/minがさらに好ましい。供給流量がこの範囲であると、薄膜化後の光架橋性樹脂層表面に不溶解成分を残すことなく、面内略均一にミセルを除去することができる。光架橋性樹脂層1cm当たりの供給流量が0.030L/min未満では、不溶化した光架橋性樹脂層成分の溶解不良が起こる場合がある。一方、供給流量が1.0L/minを超えると、供給のために必要なポンプなどの部品が巨大になり、大掛かりな装置が必要となる場合がある。さらに、1.0L/minを超えた供給量では、光架橋性樹脂層成分の溶解拡散に与える効果が変わらなくなることがある。
本発明に係わる薄膜化処理において、除去液を供給し、処理液で不溶化された光架橋性樹脂成分を再分散させて溶解除去した後、光架橋性樹脂層表面を水によって十分に洗浄することが好ましい。水洗処理の方法は、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式等があり、処理速度が速いため、スプレー方式が最も適している。
本発明に係わる薄膜化処理を行った後、露光、現像、エッチングを行うことにより、回路パターンを形成することができる。露光方法としては、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、UV蛍光灯を光源とした反射画像露光、フォトツールを用いた片面、両面密着露光や、プロキシミティ方式、プロジェクション方式やレーザー走査露光が挙げられる。走査露光を行う場合には、He−Neレーザー、He−Cdレーザー、アルゴンレーザー、クリプトンイオンレーザー、ルビーレーザー、YAGレーザー、窒素レーザー、色素レーザー、エキシマレーザー等のレーザー光源を発光波長に応じてSHG波長変換して走査露光する、あるいは液晶シャッター、マイクロミラーアレイシャッターを利用した走査露光によって露光することができる。
現像の方法としては、使用するDFRに見合った現像液を用い、基板の上下方向から基板表面に向かってスプレーして、レジストパターンとして不要な部分を除去し、回路パターンに相当するエッチングレジスト層を形成する。一般的には、1〜3質量%の炭酸ナトリウム水溶液が使用される。
エッチングは、現像で形成されたエッチングレジスト層以外の露出した金属層を除去する方法である。エッチング工程では、「プリント回路技術便覧」((社)日本プリント回路工業会編、1987年刊行、日刊工業新聞社発行)記載の方法等を使用することができる。エッチング液は金属層を溶解除去できるもので、また少なくともエッチングレジスト層が耐性を有しているものであれば良い。一般に金属層に銅を使用する場合には、塩化第二鉄水溶液、塩化第二銅水溶液等を使用することができる。
以下、本発明の薄膜化処理方法で使用される装置について、詳細に説明する。
図2は、薄膜化処理装置の構成を簡単に表した模式図である。この図は、左側から、処理液を用いて、光架橋性樹脂層成分のミセルを一旦不溶化し、処理液中に溶解拡散しにくくする工程(1)、次に、この不溶化したミセルを除去する工程(2)、次に、ミセルが除去されて薄膜化された光架橋性樹脂層表面を十分に水洗する工程(3)、最後に、ブロアを用いて、薄膜化された光架橋性樹脂層表面上に残っている水を完全に除去する工程(4)で使用されるユニット1〜4を示したものである。
DFRが貼り付けられた基板5は、まず搬入口6より挿入される。工程(1)のユニット1にはディップ槽7が設けてあり、ディップ槽7の中には搬送用ロール8が対になった状態で設置されている。基板5上のDFRは、このディップ槽7の中で、不溶化されたミセル層を形成することとなる。処理液は、ディップ槽の下部から処理液供給用ポンプ9にて供給され、オーバーフローさせる。オーバーフローした処理液は、処理液回収管10を介して処理液貯蔵タンク11に回収され、再使用されることとなる。また、処理液回収管10にはバルブ12が取り付けてあり、古くなった処理液は、これを切り替えることで、廃液管18から、適宜、廃液することもできる。
次に、基板5は、連結口13を通って次工程(2)のユニット2に搬送される。ユニット2にはミセル除去用のスプレーノズル14が設置してあり、このスプレーノズルに除去液が供給、噴出され、基板5上に形成された不溶化したミセルを一気に除去する。ミセル除去用のスプレーノズル14は、両面処理が可能なように、基板5の上下に設置されてある。ユニット1と同様に、除去液は貯蔵タンク15からポンプ16を介して供給される。ユニット2の下部には、バルブ17が取り付けてある除去液回収管10と廃液管18があり、これらを操作することで、回収と廃棄を選択することが可能となる。
ユニット3とユニット4は、それぞれ、水洗工程(3)と乾燥工程(4)のユニットである。ユニット3では、水供給管26から水洗用のスプレーノズル19に水が供給され、基板5の表面を綺麗に洗浄する。洗浄後の水は、排水処理管20を介し、廃棄される。水洗後、基板5はユニット4に導入される。ユニット4にはターボブロワ21が設けられ、ターボブロワ21の吸引管22がユニット4に接続され、ターボブロワ21の吐出管23に複数の空気噴射ノズル24が接続され、基板5の表面に向けて空気を噴射する構成となっている。これにより、基板5に付着した水滴を除去し、搬出口25より基板5が搬出され、一連の薄膜化処理が完了する。
以下、実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜12、比較例1〜2
両面銅張積層板(面積510mm×340mm、銅箔厚み12μm、基材厚み0.2mm、三菱ガス化学(株)製、商品名:CCL−E170)にドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ(株)製、商品名:サンフォート(登録商標)AQ−4038、厚み40μm)を貼り付けた。次に、キャリアフィルムを剥離した後、表1記載の条件で処理工程及び除去工程を行い、DFRの厚みが平均10μmとなるように、薄膜化処理を行った。なお、処理液の温度は25℃、除去液は炭酸ナトリウムを含んだpH=8の水溶液であり、除去液の温度は25℃、スプレー圧力は0.15MPa、除去液の流量は光架橋性樹脂層1cm当たり0.3L/minであった。
[膜厚のばらつきの評価方法]
薄膜化処理後、DFRの膜厚を40点で測定し、膜厚のばらつきを標準偏差σの値で評価した。なお、膜厚は、(株)スペクトラ・コープ製の小型高分解能分光装置(装置名:SolidLambdaUV−NIR)を用い、非接触、非破壊により測定し、反射率分光法から算出した。標準偏差σの値としては、標準偏差σの値が2.0μmより大きくなると、その後の露光工程、現像工程、エッチング工程に問題を発生し、製品として使用することができなくなるため、標準偏差σの値が2.0μm以下であることを本発明の評価基準とした。
表1で明らかなように、本発明の薄膜化処理方法は、ドライフィルムレジストを、均一に薄膜化することができることがわかる。
比較例1では、処理工程をディップ方式からスプレー方式に変更して行ったが、膜厚のばらつきが大きくなった。この原因としては、スプレー圧によって、表面上のミセルが、少なからず高濃度アルカリ水溶液中に溶け出したこと、さらに、スプレー圧のばらつきから、場所によって溶け出す量が異なる部分が出てきたことが考えられる。
処理工程終了から、除去工程開始までの時間を変更した実施例1〜6と比較例2では、移行に要する時間が短いほど、膜厚のばらつきが小さくなっており、4秒以下になるとさらに改善されていることがわかる。移行に要する時間が6秒より大きくなると、膜厚のばらつきが大きくなり、製品として使用できなくなった。これは、除去工程に移行するまでの時間が長くなると、基板面内のミセル化の進行程度が不均一になり、このため、薄膜化後のDFRの厚みが全く不均一になったものと思われる。
除去工程における傾斜角を変更した実施例1、7〜12では、傾斜角を30〜70度の範囲に設定することで、さらに、薄膜化後のDFRの厚みの均一性が良くなっていることがわかる。
本発明は、サブトラクティブ法における導電パターンの形成に広く使用され、例えば、プリント配線板、リードフレーム等の作製に使用することができる。
1 工程(1)ユニット
2 工程(2)ユニット
3 工程(3)ユニット
4 工程(4)ユニット
5 ドライフィルムレジスト(DFR)が貼り付けられた基板
6 搬入口
7 ディップ槽
8 搬送用ロール
9 ユニット1用処理液供給用ポンプ
10 処理液(除去液)回収管
11 処理液貯蔵タンク
12 バルブ
13 連結口
14 ミセル除去用のスプレーノズル
15 除去液貯蔵タンク
16 除去液供給用ポンプ
17 バルブ
18 廃液管
19 水洗用のスプレーノズル
20 排水処理管
21 ターボブロワ
22 吸引管
23 吐出管
24 空気噴射ノズル
25 搬出口
26 水供給管
27 基板
28 ノズル管
29 スプレーノズル
30 基板に対する垂線
31 スプレーノズルの中心線
32 傾斜角

Claims (2)

  1. ドライフィルムレジストが貼り付けられた基板の該ドライフィルムレジストを処理液で処理する工程、その後に、表面の不用なドライフィルムレジスト分を除去する工程とからなるドライフィルムレジストの薄膜化処理方法において、処理液で処理する工程がディップ方式による工程であり、処理液で処理する工程終了から除去する工程開始までの時間が6秒以下であることを特徴とするドライフィルムレジストの薄膜化処理方法。
  2. 表面の不用なドライフィルムレジストを除去する工程が、スプレーノズルを用いたスプレー方式による工程であり、スプレーノズルは、基板の搬送方向に対して直角の幅方向に傾斜して設置され、スプレーノズルの中心線と基板からの垂線とで形成された傾斜角が、30〜70度の範囲である請求項1記載のドライフィルムレジストの薄膜化処理方法。
JP2010198767A 2010-09-06 2010-09-06 ドライフィルムレジストの薄膜化処理方法 Active JP5444172B2 (ja)

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