JP2012057812A - 冷媒圧縮機及び冷凍サイクル - Google Patents

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典伺 菅野
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Abstract

【課題】本発明は上記に鑑み、不飽和炭化水素系冷媒との適合性に優れた冷凍機油を封入されたサイクル内の水分を除去しつつ、摺動部の損傷や電動弁等の動作不良を抑え、圧縮機及び冷凍サイクルの長期信頼性を確保することにある。
【解決手段】本発明は、不飽和炭化水素系冷媒とともに、相溶性と安定性に優れた冷凍機油としてポリオールエステル油を用い、サイクル内の水分を除去する方法として、主経路にバイパスする形で片側にキャピラリをつけたドライヤを設置し冷媒流路を一方向とすることで乾燥剤が擦り合わされて摩耗粉が生成することを抑えることにより圧縮機及び冷凍サイクルの長期信頼性を確保することにある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、不飽和炭化水素系冷媒を用いたヒートポンプ式冷媒圧縮機において、安定性に優れた冷凍機油と信頼性の高い圧縮機及び冷凍サイクルに関する。
従来、家庭用ルームエアコンの冷媒はHCFC系のR22を用いていた。しかし、地球環境保護の点から、分子中に塩素を含まないHFC系冷媒に代替されてきた。その代表的なものとしてはR32,125,134aの単独若しくはこれらの2種類以上を混合したR410A,R407Cがある。しかしながらR410A,R407Cにおいても地球温暖化係数(以下GWPと記す)は高いため、よりGWPの低い冷媒が求められている。現在候補として上げられている冷媒は2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)であり、カーエアコンの分野でHFC134aの代替として検討されている。この冷媒は物性がHFC134aに近いため空調用の冷媒としては現状並みの能力が発揮できない。このことから、空調用には別の冷媒との混合も考えられる。2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)と混合する冷媒としては特許文献1〜11などが開示されトリフルオロヨードメタン,二酸化炭素,ジフルオロエタン(HFC152a)などの共沸となるハイドロフルオロカーボンが挙げられている。
また、冷凍機油としては前記からポリアルキレングリコール油,ポリオールエステル油,鉱油,ポリαオレフィン油,アルキルベンゼン油が開示されている。
特表2007−532766号公報 特表2007−532767号公報 特表2007−536390号公報 特表2007−538115号公報 特表2008−504374号公報 特表2008−505989号公報 特表2008−506793号公報 特表2008−524433号公報 特表2008−239814号公報 特開2008−266423号公報 特開2010−002134号公報
従来技術においては、安全性・熱物性を有する混合冷媒でルームエアコンを効率よく運転することは難しい。
ポリアルキレングリコール油のように電気絶縁性が劣る冷凍機油においては、カーエアコンのように開放系圧縮機への適用が可能である。しかし、ルームエアコンのような密閉系圧縮機では、ポリアルキレングリコール油は電気絶縁性油としての体積抵抗率の規格である1013Ω・cmを大きく下回り、更に吸湿性が高いことから水分管理するための設備や管理時間を要する。更に、ポリアルキレングリコール油は加水分解をおこさない代わりに圧縮機内の有機材料の加水分解に寄与してしまう恐れがある。鉱油,ポリαオレフィン油,アルキルベンゼン油においては2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)との相溶性が劣ることから圧縮機への油戻り特性低下への懸念がある。更には基材単独での潤滑性が劣るため、トリクレジルフォスフェート(TCP)のようなリン系の極圧剤が必ず必要となる。冷凍機油としてエステル油を使用する特許としては特開2008−266423(特許文献10)がある。この場合、水分が多いとトリクレジルフォスフェート(TCP)が熱分解を起こし冷凍機油の酸価上昇を引き起こす恐れがある。冷凍機油の酸価が上昇すると摺動部の腐食損傷を引き起こし摺動部の摩耗を増加につながる。
従って、上記の理由から冷凍空調装置には2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)単独若しくは該冷媒とジフルオロメタンの混合冷媒との相溶性に優れ、かつ電気的特性,潤滑性,熱化学安定性の良好な冷凍機油を用いることが望ましい。
また、相溶性,安定性に優れる冷凍機油としてはエステル油があげられるが、エステル油の場合、水分が多く存在すると加水分解反応を起こしエステル成分が分解することが知られているためサイクル内の水分管理を十分に行う必要がある。この対応としてはサイクル内にドライヤを設置する方法が特開2010−0021345(特許文献11)にある。しかし、空調機器の場合は冷暖房で冷媒の流れが逆転するため運転切り替えの際に乾燥剤の粒が擦り合わされて摩耗粉が発生し、その摩耗粉が摺動部の摩耗損傷や電動弁等の動作不良を引き起こす可能性がある。
本発明は上記に鑑み、不飽和炭化水素系冷媒との適合性に優れた冷凍機油を封入し、サイクル内の水分を除去しつつ、摺動部の損傷や電動弁等の動作不良を抑え、圧縮機及び冷凍サイクルの長期信頼性を確保することにある。
課題の具体的解決手段は下記の通りである。
(1)冷凍サイクルに用いる冷媒圧縮機であって、冷凍機油を貯溜する密閉容器内に回転
子と固定子からなるモータと前記回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介し
て前記モータに連結された圧縮機部とを収納してなる冷媒圧縮機において、封入さ
れる冷媒が不飽和炭化水素系を主とする冷媒であり、冷凍機油としてポリオールエ
ステル油を用い、サイクル内の水分を除去するためにドライヤを取り付けたことを
特徴とする冷媒圧縮機及び冷凍サイクル
(2)請求項1に示す前記ポリオールエステル油が40℃時の粘度として40〜100mm
2/sの範囲であることを特徴とする冷媒圧縮機
(3)前記ポリオールエステル油が式(1),(2)又は(3)であることを特徴とする
請求項1の冷媒圧縮機
(R1−CH22−C−(CH2−O−CO−R22 …(1)
(式(1)中、R1は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は、それぞれ独立して炭素数5〜12のアルキル基を表す)
(R1−CH2)−C−(CH2−O−CO−R23 …(2)
(式(2)中、R1およびR2は、前記と同義である)
C−(CH2−O−CO−R24 …(3)
(式(3)中、R2は、前記と同義である)
(4)請求項1に示す前記ポリオールエステル油中に酸捕捉剤,酸化防止剤のうち少なく
とも一種が添加されていることを特徴とする冷媒圧縮機
(5)少なくとも、圧縮機,凝縮器,膨張機構,ドライヤ及び蒸発器とこれらを接続する
冷媒配管により構成された冷凍サイクルにおいて、請求項1の冷媒圧縮機を搭載し
た冷凍サイクル
(6)請求項6に示すドライヤとしてケイ酸,アルミン酸アルカリ金属複合塩からなる合
成ゼオライトを封入したことを特徴とする冷凍サイクル
(7)請求項6に示すドライヤとして主経路からバイパスし更に膨張機構側にキャピラリ
を入れたことを特徴とする冷凍サイクル
本発明の冷媒は例えば2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)のような、分子内に不飽和炭化水素を含んでいる冷媒であり、ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒系と比べて冷媒自身の安定性が劣り、冷凍機油の劣化を引き起す可能性がある。前記(2)に記載の冷凍機油を用いることで、冷媒/冷凍機油の安定性を確保できる。また、ポリオールエステル油は、多価アルコールと1価の脂肪酸とから合成され、熱安定性に優れるヒンダードタイプが好ましい。例えば、多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトールがある。1価の脂肪酸としては、ペンタン酸,ヘキサン酸,ヘプタン酸,オクタン酸,2−メチルブタン酸,2−メチルペンタン酸,2−メチルヘキサン酸,2−エチルヘキサン酸,イソオクタン酸,3,5,5−トリメチルヘキサン酸等があり、単独で又は2種類以上の混合脂肪酸にして用いる。特に冷凍機油に基油としては分子中にエステル結合を少なくとも2個保有する式(1),(2)又は(3)で示される脂肪酸のエステル油の郡から選ばれる少なくとも1種類が好ましい。
(R1−CH22−C−(CH2−O−CO−R22 …(1)
(式(1)中、R1は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は、それぞれ独立して炭素数5〜12のアルキル基を表す)
(R1−CH2)−C−(CH2−O−CO−R23 …(2)
(式(2)中、R1およびR2は、前記と同義である)
C−(CH2−O−CO−R24 …(3)
(式(3)中、R2は、前記と同義である)
本発明の圧縮機及び冷凍サイクルに用いる冷凍機油の粘度(JIS K 2283で測定)は圧縮機の種類によって異なるが、スクロール式圧縮機では40℃における粘度が40〜100mm2/sの範囲が好ましい。粘度40mm2/s未満の場合は冷媒が溶解した冷凍機油の粘度が低くなってしまい、圧縮機内部での油膜が十分に保持されず潤滑性が保てない。更には圧縮部のシール性も保てない。これに対して粘度100mm2/sを越えると粘性抵抗,摩擦抵抗等の機械損失が増大し、圧縮機効率を低下させる。
本発明では前記した冷凍機油に、潤滑性向上剤,酸化防止剤,酸捕捉剤,消泡剤,金属不活性剤等を添加しても全く問題はない。特にポリオールエステル油は、水分共存下で加水分解に起因する劣化が生じるため、酸化防止剤、酸捕捉剤の配合は必須である。酸化防止剤としては、フェノール系であるDBPC(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)が好ましい。酸捕捉剤としては、エポキシ系,カルボジイミド系などがあるが、脂肪族のエポキシ化合物が一般的に用いられる。
本発明ではサイクル内の水分除去として膨張機構と蒸発器の間にドライヤを設置する。このドライヤに封入する乾燥剤には(数1)に示すようなケイ酸,アルミン酸アルカリ金属複合塩からなるビーズ状の合成ゼオライトが有効である。
(数1)
2/nO・AL23・xSiO2・yH2O(M:金属カチオン,n:原子価)
また、ドライヤは主経路からバイパスし更に膨張機構側にキャピラリを設置することで空調機の運転モードを切り替えた時の冷媒の流れを緩和して乾燥剤が擦り合わされた時の摩耗粉の発生を抑える。
本発明は、不飽和炭化水素系の冷媒を用いた圧縮機に関するものであり、この圧縮機を搭載した冷凍装置,空調設備にも適用可能である。
密閉型冷媒圧縮機を説明する縦断面図である。 本発明の空調機用の冷凍サイクル構成図である。 従来の空調機用の冷凍機サイクル構成図である。
本発明の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態での冷媒圧縮機およびこれを使用した冷凍サイクルは、後記するように、不飽和炭化水素系の冷媒であり例としては2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)などがあげられる。本発明ではこの冷媒を封入し、所定のポリオールエステルを冷凍機油としたことを特徴としている。更にサイクル内の水分除去としてドライヤを設置してそのドライヤの中に封入した乾燥剤が空調機の運転モードを切り替えても同一方向からの冷媒の流れになることを主な特徴としている。ここでは本実施形態に係る冷媒圧縮機及び冷凍サイクルについて説明する。
ここで参照する図面において、図1は、本発明の密閉型冷媒圧縮機の断面図である。また、密閉型冷媒圧縮機には、ロータリ方式,スクロール方式,レシプロ方式等があるが、スクロール方式の密閉型冷媒圧縮機の例を用いて説明する。この中でもスクロール形圧縮機は摺動部が面接触となるため瞬時に温度上昇が起こりにくく、残存率の高い高性能の酸捕捉剤が十分に反応する温度まで上昇することは少ない。
この冷媒圧縮機は、油溜めを兼ねた密閉ケース1内に圧縮機部2とモータ3とが収納されている。圧縮機部2は旋回スクロール4,固定スクロール5,フレーム6,クランク軸7,オルダムリング8を主要構成要素としている。密閉容器1には外部サイクルと連通する吸入パイプ9が密封接続されている。モータは回転子10と固定子11からなり、回転子10には鋳鉄製のクランク軸7が嵌着されている。クランク軸7は偏心部12を有し、一端側に中空状に軸穴13が形成されている。また、フレーム6の外周部は密閉容器1に固定されており、クランク軸7の回転を受ける軸受を具備している。クランク軸7の偏心部12には旋回スクロール4が回転自在に取り付けられ、フレーム6に設けられた溝と旋回スクロール12の反ラップ側の台板に設けられた溝にはオルダムリング8が摺動自在に配設され、旋回スクロールは自転することなく公転する。また、底部には冷凍機油14が貯溜されており、この冷凍機油は、摺動部へと給油される。
図2に本発明の空調機用の冷凍サイクル構成図を示す。図3に従来の空調機用の冷凍サイクル構成図を示す。冷媒圧縮機15,凝縮器16,膨張機構17,蒸発器18,四方弁19よりなる冷凍装置において、冷媒圧縮機15は、低温低圧の冷媒ガスを圧縮し、高温高圧の冷媒ガスを吐出し四方弁を通り凝縮器16に送られる。凝縮器16に送られた冷媒ガスは、その熱を空気中に放出しながら高温高圧の冷媒液となり、膨張機構17に送られる。膨張機構17を通過する高温高圧の冷媒液は絞り効果により低温低圧の湿り蒸気となる。低温低圧の湿り蒸気は主経路から一部バイパスされてドライヤ20へと送られる。ドライヤ20では中の封入してある乾燥剤が水分を捕捉する。また、主経路から蒸発器18に入った冷媒は周囲から熱を吸収して蒸発し、蒸発器18をでた低温低圧の冷媒ガスは圧縮機1に吸い込まれ、以下同じサイクルが繰り返される。四方弁19を切り替えることにより冷媒流路が変り凝縮器16と蒸発器18は作用が入れ替わる。バイパスされたドライヤ20には膨張機構側に設置されたキャピラリ21のため、運転モードを切り替えても通過する冷媒は主に片側からとなり冷媒流速により、中の乾燥剤が擦り合わされて摩耗粉が発生することを防止する。従来のサイクルは図3に示す通り、ドライヤが設置されていないためサイクル内の水分除去ができない。
この冷凍サイクルにおいて、ルームエアコン等では中温度の蒸発器温度(−10℃以下)を必要としている。ここで冷媒との相溶性が悪い冷凍機油を使用すると熱交換器や膨張機構で冷媒と分離した冷凍機油が蓄積し、圧縮機への油戻り性が落ちる。
本発明の冷媒は不飽和炭化水素系の冷媒であり、その例としてHFO−1234yfがあげられるが、この冷媒は分子中に塩素を含んでいないことから冷媒自身の潤滑性が期待できず、圧縮機の耐摩耗性を低下させる。前記に記載の冷凍機油を用いることで、冷媒/冷凍機油混合液の潤滑性を確保できる。前記したポリールエステル油としては、多価アルコールと1価の脂肪酸とから合成され、熱安定性に優れるヒンダードタイプが好ましい。例えば、多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール,ジペンタエリスリトールがある。1価の脂肪酸としては、ペンタン酸,ヘキサン酸,ヘプタン酸,オクタン酸,2−メチルブタン酸,2−メチルペンタン酸,2−メチルヘキサン酸,2−エチルヘキサン酸,イソオクタン酸,3,5,5−トリメチルヘキサン酸等があり、単独で又は2種類以上の混合脂肪酸にして用いる。特に冷凍機油に基油としては分子中にエステル結合を少なくとも2個保有する式(1),(2)又は(3)で示される脂肪酸のエステル油の郡から選ばれる少なくとも1種類が好ましい。
(R1−CH22−C−(CH2−O−CO−R22 …(1)
(式(2)中、R1は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は、それぞれ独立して炭素数5〜12のアルキル基を表す)
(R1−CH2)−C−(CH2−O−CO−R23 …(2)
(式(3)中、R1およびR2は、前記と同義である)
C−(CH2−O−CO−R24 …(3)
(式(4)中、R2は、前記と同義である)
本発明の冷凍装置もしくは空調機に用いる冷凍機油の粘度(JIS K 2283で測定)は圧縮機の種類によって異なるが、スクロール式圧縮機では40℃における粘度が40〜100mm2/sの範囲が好ましい。粘度40mm2/s未満の場合は冷媒が溶解した冷凍機油の粘度が低くなってしまい、圧縮機内部での油膜が十分に保持されず潤滑性が保てない。更には圧縮部のシール性も保てない。これに対して粘度100mm2/sを越えると粘性抵抗,摩擦抵抗等の機械損失が増大し、圧縮機効率を低下させる。
酸捕捉剤についてはその添加量が0.1質量%未満では十分な酸捕捉効果が見込めず、逆に1質量%を越えると冷凍機油に完全に溶解せず析出する恐れがある。従って、添加量としては0.1〜1.0質量%が好ましい。
本発明の冷媒圧縮機に用いる冷凍機油の酸捕捉剤性能を確認する方法としてシールドチューブ試験にて熱安定性及び加水分解性の評価を実施した。冷媒としては2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)、冷凍機油としては表1に示す供試油を用いた。
Figure 2012057812

(A)ヒンダードタイプポリオールエステル油(POE) 40℃粘度64.9mm2/s
(B)ポリビニルエーテル油(PVE) 40℃粘度69.1mm2/s
(C)ポリアルキレングリコール油(PAG) 40℃粘度71.9mm2/s
(D)ナフテン系鉱油(MO) 40℃粘度54.1mm2/s
表2に熱安定性評価として行ったシールドチューブ試験の結果を示す。冷凍機油は(A)ポリオールエステル油,(B)ポリビニルエーテル油,(C)ポリアルキレングリコール油,(D)ナフテン系鉱油を用いた。添加剤としては全ての供試油に酸化防止剤を添加しており、酸捕捉剤は(A)ポリオールエステル油,(B)ポリビニルエーテル油,(C)ポリアルキレングリコール油に添加した。シールドチューブ試験条件としては、内径10φのガラス管に触媒として長さ50mmの鉄,銅,アルミを入れ、冷凍機油として冷凍機油を5g、冷媒を1g注入後密封し175℃で最大21日加熱後、油の色,酸価,添加剤の残存率,触媒の外観などを測定した。油中の水分は100ppmとした。
試験後の冷凍機油の酸価及び添加剤の測定はJIS K2501 「石油製品及び潤滑油―中和価試験方法」に従った。色相についてはJIS K2580 「石油製品色試験方法」に従った。添加剤の残存率はJIS K2501 「石油製品及び潤滑油―中和価試験方法」に準じた方法で行った。
評価の結果、水分が100ppmの場合は、(A)ポリオールエステル油においては酸価の上昇な見られず、酸捕捉剤の残存率も63%と高かったが、(B)ポリビニルエーテル油,(C)ポリアルキレングリコール油については酸価上昇が大きく、酸捕捉剤の残存率も25%以下であった。また、(D)ナフテン系鉱油については酸価上昇は起こらなかったものの、冷媒と二層分離を起こしており、相溶性に劣ることを確認した。
この結果より、相溶性と熱安定性に優れた冷凍機油としては(A)ポリオールエステル油が最適であることを確認した。
Figure 2012057812
表3に加水分解性評価として行ったシールドチューブ試験の結果を示す。冷凍機油は(A)ポリオールエステル油,(B)ポリビニルエーテル油,(C)ポリアルキレングリコール油を用いた。(D)ナフテン系鉱油については殆ど吸湿しないため加水分解性試験からは除外した。添加剤としては全ての供試油に酸化防止剤と酸捕捉剤を添加した。シールドチューブ試験条件としては、内径10φのガラス管に触媒として長さ50mmの鉄,銅,アルミを入れ、冷凍機油として冷凍機油を5g、冷媒を1g注入後密封し150℃及び175℃で21日加熱後、油の色,酸価,添加剤の残存率,触媒の外観などを測定した。油中の水分は1000ppmとした。
試験後の冷凍機油の酸価及び添加剤の測定はJIS K2501 「石油製品及び潤滑油―中和価試験方法」に従った。色相についてはJIS K2580 「石油製品色試験方法」に従った。添加剤の残存率はJIS K2501 「石油製品及び潤滑油―中和価試験方法」に準じた方法で行った。
評価の結果、水分が1000ppmの場合においても、(A)ポリオールエステル油は酸価の上昇は見られず、酸捕捉剤の残存も確認されている。(B)ポリビニルエーテル油,(C)ポリアルキレングリコール油については150℃での条件では酸価上昇もなく、酸捕捉剤の残存も60%程度の確認ができたが、175℃の条件では酸価が大幅に上昇し、酸捕捉剤も完全に消耗していた。
この結果より加水分解性に優れた冷凍機油としてはポリオールエステル油が最適であることを確認した。
Figure 2012057812
本発明の冷凍サイクルは、サイクル内水分を吸着することを目的としている。吸着剤の種類としては活性炭,シリカゲル,活性アルミナ,合成ゼオライト等があるが効果的に水分を吸着するには(数1)に示すようなケイ酸,アルミン酸アルカリ金属複合塩からなる合成ゼオライトが有効である。
(数1)
2/nO・AL23・xSiO2・yH2O(M:金属カチオン,n:原子価)
表4に各種ケイ酸,アルミン酸アルカリ金属複合塩からなる合成ゼオライトと被吸着分子の例を示す。本乾燥剤は冷媒を吸着せず水分のみを吸着する必要があるため細孔径3Åの吸着剤が必要である。
従って、細孔径3Å以下の構造をもつケイ酸,アルミン酸アルカリ金属複合塩からなる合成ゼオライトが必要となる。
細孔径3Åの構造をもつものはアルカリ金属塩としてKを有するタイプである。細孔径4Åの場合はNaタイプ,細孔径5Åの場合はNaをCaに置き換えたタイプである。
この乾燥剤を用いることで冷媒を吸着せず水分のみを吸着することができる。
Figure 2012057812
1 ケース
2 圧縮機部
3 電動機
4 旋回スクロール
5 固定スクロール
6 フレーム
7 クランク軸
8 オルダムリング
9 吸入パイプ
10 回転子
11 固定子
12 偏心部
13 軸穴
14 冷凍機油
15 圧縮機
16 凝縮機
17 膨張機構
18 蒸発機
19 四方弁
20 ドライヤ
21 キャピラリ

Claims (7)

  1. 冷凍サイクルに用いる冷媒圧縮機であって、冷凍機油を貯溜する密閉容器内に回転子と固定子からなるモータと前記回転子に嵌着された回転軸と、この回転軸を介して前記モータに連結された圧縮機部とを収納してなる冷媒圧縮機において、封入される冷媒が不飽和炭化水素系を主とする冷媒であり、冷凍機油としてポリオールエステル油を用い、サイクル内の水分を除去するためにドライヤを取り付けたことを特徴とする冷媒圧縮機及び冷凍サイクル。
  2. 請求項1に示す前記ポリオールエステル油が40℃時の粘度として40〜100mm2/sの範囲であることを特徴とする冷媒圧縮機。
  3. 前記ポリオールエステル油が式(1),(2)又は(3)であることを特徴とする請求項1の冷媒圧縮機。
    (R1−CH22−C−(CH2−O−CO−R22 …(1)
    (式(1)中、R1は、それぞれ独立して水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表し、R2は、それぞれ独立して炭素数5〜12のアルキル基を表す)
    (R1−CH2)−C−(CH2−O−CO−R23 …(2)
    (式(2)中、R1およびR2は、前記と同義である)
    C−(CH2−O−CO−R24 …(3)
    (式(3)中、R2は、前記と同義である)
  4. 請求項1に示す前記ポリオールエステル油中に酸捕捉剤,酸化防止剤のうち少なくとも一種が添加されていることを特徴とする冷媒圧縮機。
  5. 少なくとも、圧縮機,凝縮器,膨張機構,ドライヤ及び蒸発器とこれらを接続する冷媒配管により構成された冷凍サイクルにおいて、請求項1の冷媒圧縮機を搭載した冷凍サイクル。
  6. 請求項1に示すドライヤとしてケイ酸,アルミン酸アルカリ金属複合塩からなる合成ゼオライトを封入したことを特徴とする冷凍サイクル。
  7. 請求項1に示すドライヤとして主経路からバイパスし更に膨張機構側にキャピラリを入れたことを特徴とする冷凍サイクル。
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