JP2009222358A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒を用いる冷凍装置において、圧縮機において冷凍機油不足による潤滑不良が生じることを抑制して、圧縮機の信頼性を向上させる。
【解決手段】圧縮機(30)に、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルのうち少なくとも1つを主成分とし、動粘度が40℃において30cSt以上400cSt以下で、流動点が−30℃以下である冷凍機油を用いる。
【選択図】図1
【解決手段】圧縮機(30)に、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルのうち少なくとも1つを主成分とし、動粘度が40℃において30cSt以上400cSt以下で、流動点が−30℃以下である冷凍機油を用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置に関するものである。
従来より、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置は、空気調和装置や給湯機等に広く適用されている。
特許文献1には、この種の冷凍装置が開示されている。この冷凍装置は、冷媒が充填されて閉回路を構成する冷媒回路を備えている。冷媒回路には、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器が接続されている。圧縮機が運転されると、圧縮機で圧縮された冷媒が凝縮器で空気へ放熱して凝縮する。凝縮器で凝縮した冷媒は、膨張弁で減圧された後、蒸発器で蒸発する。蒸発後の冷媒は、圧縮機に吸入されて再び圧縮される。
また、特許文献1の冷媒回路には、分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒が用いられている。この冷媒は、塩素原子や臭素原子を含まず、オゾン層の破壊への影響が小さいことが知られている。
特開平4−110388号公報
ところで、冷凍サイクルを行う冷凍装置では、潤滑作用等によって圧縮機を円滑に運転させるために、圧縮機に冷凍機油が用いられる。冷媒回路では、圧縮機から冷媒と共に吐出された冷凍機油が、冷媒が溶け込むことで流動性が上がって移動しやすくなる。このため、冷媒が溶解しにくい性質の冷凍機油が用いられると、圧縮機から吐出された冷凍機油が圧縮機に戻りにくく、圧縮機において冷凍機油が不足して潤滑不良が生じるおそれがある。従って、冷凍機油は、ある程度冷媒が溶解しやすい相溶性のものが好ましい。
しかし、上記分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒が用いられる場合には、例えば鉱物油やアルキルベンゼンなど、冷凍機油によっては、この冷媒が冷凍機油にほとんど溶解しない場合がある。そして、このような場合に、圧縮機において潤滑不良が生じるおそれがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒を用いる冷凍装置において、圧縮機において冷凍機油不足による潤滑不良が生じることを抑制して、圧縮機の信頼性を確保することにある。
第1の発明は、圧縮機(30)によって冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、上記冷媒回路(10)には、分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が充填されている冷凍装置を対象とする。そして、この冷凍装置の圧縮機(30)には、主成分がポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルのうち少なくとも1つで構成され、動粘度が40℃において30cSt以上400cSt以下で、流動点が−30℃以下である冷凍機油が用いられている。
第1の発明では、冷媒回路(10)の冷媒として、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が用いられている。また、圧縮機(30)には、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、ポリビニルエーテルの少なくとも1つを主成分とする冷凍機油が用いられている。ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、ポリビニルエーテルは、何れも、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に対して相溶性を有する冷凍機油である。そして、冷凍機油の動粘度は、40℃において400cSt以下である。このため、第1の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が、冷凍機油にある程度溶解する。また、冷凍機油の動粘度が40℃において30cSt以上であるため、動粘度が低すぎて油膜強度が不十分になることはなく、潤滑性能が確保される。また、冷凍機油の流動点が−30℃以下であるため、冷媒の蒸発温度が−30℃を上回る条件で冷凍サイクルを行う場合には、冷媒回路(10)における低温部位でも冷凍機油の流動性が確保される。この第1の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒に対して相溶性があり、潤滑性能を確保できるだけの動粘度を有し、さらに低温部位でも流動性を確保できる冷凍機油が用いられている。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記冷凍機油は、さらに表面張力が20℃において0.02N/m以上0.04N/m以下である。
第2の発明では、冷凍機油の表面張力が、20℃において0.02N/m以上0.04N/m以下である。ここで、冷凍機油の表面張力が小さすぎると、圧縮機(30)内のガス冷媒中で冷凍機油が小さな油滴になりやすく、比較的多量の冷凍機油が冷媒と共に圧縮機(30)から吐出されてしまう。従って、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量が多くなりすぎるおそれがある。一方、冷凍機油の表面張力が大きすぎると、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油が、冷媒回路(10)において大きな油滴になりやすい。このため、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油が、冷媒によって押し流されにくくなり、圧縮機(30)に戻ってきにくくなる。この第2の発明では、圧縮機(30)から多量に吐出されるような小さな油滴になりにくく、冷媒によって流れにくくなるような大きな油滴になりにくい範囲の表面張力の冷凍機油が用いられている。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記冷凍機油には、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤のうち少なくとも1つが添加剤として添加されている。
第3の発明では、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤の6つの添加剤のうち少なくとも1つの添加剤が冷凍機油に含まれている。このため、冷凍機油の性質が安定するので、冷凍機油の潤滑性能が確保される。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記冷凍機油では、1つの添加剤が添加されている場合には該添加剤の割合が0.01質量%以上5質量%以下になり、複数の添加剤が添加されている場合には各添加剤の割合が0.01質量%以上5質量%以下になっている。
第4の発明では、1つの添加剤が冷凍機油に添加されている場合には、冷凍機油中の添加剤の割合が、0.01質量%以上5質量%以下になっている。また、複数の添加剤が冷凍機油に添加されている場合には、冷凍機油中の何れの添加剤も、その割合が0.01質量%以上5質量%以下になっている。
第5の発明は、上記第1乃至第4の何れか1つの発明において、上記分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンである。
第5の発明では、冷媒回路(10)に充填された冷媒が、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンからなる単一冷媒、又は2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンを含む混合冷媒である。
第6の発明は、上記第1乃至第5の何れか1つの発明において、上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ジフルオロメタンとを含む混合冷媒である。
第6の発明では、冷媒回路(10)の冷媒として、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒とジフルオロメタンとを含む混合冷媒が用いられている。ここで、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、いわゆる低圧冷媒である。このため、例えば上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒からなる単一冷媒を用いる場合には、冷媒の圧力損失が冷凍装置(20)の運転効率に与える影響が比較的大きく、理論上の運転効率に対して実際の運転効率が比較的大きく低下してしまう。従って、この第6の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に、いわゆる高圧冷媒であるジフルオロメタンが加えられている。
第7の発明は、上記第1乃至第6の何れか1つの発明において、上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ペンタフルオロエタンとを含む混合冷媒である。
第7の発明では、冷媒回路(10)の冷媒として、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒とペンタフルオロエタンとを含む混合冷媒が用いられている。ここで、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、微燃性の冷媒である。従って、この第7の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に、難燃性の冷媒であるペンタフルオロエタンが加えられている。
本発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒を用いる冷凍装置において、該冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒に対して相溶性があり、潤滑性能を確保できるだけの動粘度を有し、さらに低温部位でも流動性を確保できる冷凍機油が用いられている。このため、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油は、冷媒に溶解して冷媒と共に圧縮機(30)に戻ってくる。従って、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を充分に確保することができるので、圧縮機(30)において冷凍機油不足による潤滑不良を未然に防ぐことができ、圧縮機(30)の信頼性を向上させることができる。
また、上記第2の発明では、圧縮機(30)から多量に吐出されるような小さな油滴になりにくく、冷媒によって流れにくくなるような大きな油滴になりにくい範囲の表面張力の冷凍機油が用いられている。このため、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量が低く抑えられ、また圧縮機(30)から吐出されてしまった冷凍機油は冷媒に溶け込んで戻ってくることになる。従って、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を充分に確保することができるので、圧縮機(30)において冷凍機油不足による潤滑不良が生じることを抑制することができる。
また、上記第3の発明では、冷凍機油の潤滑性能が確保されるように、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤の6つの添加剤のうち少なくとも1つの添加剤が冷凍機油に添加されている。このため、冷凍機油の潤滑性能が低下することを抑制することができるので、圧縮機(30)において潤滑不良が生じることを抑制することができる。
また、上記第6の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に、いわゆる高圧冷媒であるジフルオロメタンが加えられている。このため、冷媒の圧力損失が冷凍装置(20)の運転効率に与える影響を小さくすることができるので、冷凍装置(20)の実際の運転効率を向上させることができる。
また、上記第7の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に、難燃性の冷媒であるペンタフルオロエタンが加えられている。従って、冷媒回路(10)の冷媒が燃えにくくなるので、冷凍装置(20)の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態は、本発明に係る冷凍装置(20)によって構成された空気調和装置(20)である。本実施形態の空気調和装置(20)は、図1に示すように、室外機(22)と3台の室内機(23a,23b,23c)とを備えている。なお、室内機(23)の台数は、単なる例示である。
上記空気調和装置(20)は、冷媒を充填されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えている。冷媒回路(10)は、室外機(22)に収容される室外回路(9)と、各室内機(23)に収容される室内回路(17a,17b,17c)とを備えている。これらの室内回路(17a,17b,17c)は、液側連絡配管(18)及びガス側連絡配管(19)によって室外回路(9)に接続されている。これらの室内回路(17a,17b,17c)は、互いに並列に接続されている。
本実施形態の冷媒回路(10)には、冷媒として2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(以下、「HFO−1234yf」という。)の単一冷媒が充填されている。なお、HFO−1234yfの化学式は、CF3−CF=CH2で表される。
〈室外回路の構成〉
室外回路(9)には、圧縮機(30)、室外熱交換器(11)、室外膨張弁(12)、及び四路切換弁(13)が設けられている。
室外回路(9)には、圧縮機(30)、室外熱交換器(11)、室外膨張弁(12)、及び四路切換弁(13)が設けられている。
圧縮機(30)は、例えば運転容量が可変なインバータ式の圧縮機として構成されている。圧縮機(30)には、インバータを介して電力が供給される。圧縮機(30)は、吐出側が四路切換弁(13)の第2ポート(P2)に接続され、吸入側が四路切換弁(13)の第1ポート(P1)に接続されている。なお、圧縮機(30)についての詳細は後述する。
室外熱交換器(11)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器として構成されている。室外熱交換器(11)の近傍には、室外ファン(14)が設けられている。室外熱交換器(11)では、室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(11)は、一端が四路切換弁(13)の第3ポート(P3)に接続され、他端が室外膨張弁(12)に接続されている。また、四路切換弁(13)の第4ポート(P4)は、ガス側連絡配管(19)に接続されている。
室外膨張弁(12)は、室外熱交換器(11)と室外回路(9)の液側端との間に設けられている。室外膨張弁(12)は、開度可変の電子膨張弁として構成されている。
四路切換弁(13)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え自在に構成されている。
〈室内回路の構成〉
各室内回路(17)には、そのガス側端から液側端へ向かって順に、室内熱交換器(15a,15b,15c)と、室内膨張弁(16a,16b,16c)とが設けられている。
各室内回路(17)には、そのガス側端から液側端へ向かって順に、室内熱交換器(15a,15b,15c)と、室内膨張弁(16a,16b,16c)とが設けられている。
室内熱交換器(15)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器として構成されている。室内熱交換器(15)の近傍には、室内ファン(21)が設けられている。室内熱交換器(15)では、室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。また、室内膨張弁(16)は、開度可変の電子膨張弁として構成されている。
〈圧縮機の構成〉
圧縮機(30)は、例えば全密閉の高圧ドーム型のスクロール圧縮機として構成されている。圧縮機(30)の構成を図2及び図3に従って説明する。
圧縮機(30)は、例えば全密閉の高圧ドーム型のスクロール圧縮機として構成されている。圧縮機(30)の構成を図2及び図3に従って説明する。
圧縮機(30)は、いわゆる縦型の圧縮機で、密閉容器を形成するケーシング(70)を備えている。ケーシング(70)の内部には、下から上へ向かって、電動機(85)と流体機械(82)とが配置されている。
電動機(85)は、ステータ(83)とロータ(84)とを備えている。ステータ(83)は、ケーシング(70)の胴部に固定されている。一方、ロータ(84)は、ステータ(83)の内側に配置され、クランク軸(90)が連結されている。
流体機械(82)は、可動スクロール(76)と固定スクロール(75)とを備えている。可動スクロール(76)は、略円板状の可動側鏡板(76b)と、渦巻き状の可動側ラップ(76a)とを備えている。可動側ラップ(76a)は可動側鏡板(76b)の前面(上面)に立設されている。また、可動側鏡板(76b)の背面(下面)には、クランク軸(90)の偏心部が挿入された円筒状の突出部(76c)が立設されている。可動スクロール(76)は、オルダムリング(79)を介して、可動スクロール(76)の下側に配置されたハウジング(77)に支持されている。一方、固定スクロール(75)は、略円板状の固定側鏡板(75b)と、渦巻き状の固定側ラップ(75a)とを備えている。固定側ラップ(75a)は固定側鏡板(75b)の前面(下面)に立設されている。流体機械(82)では、固定側ラップ(75a)と可動側ラップ(76a)とが互いに噛み合うことによって、両ラップ(75a,76a)の接触部の間に複数の圧縮室(73)が形成されている。
なお、本実施形態の圧縮機(30)では、いわゆる非対称渦巻き構造が採用されており、固定側ラップ(75a)と可動側ラップ(76a)とで巻き数(渦巻きの長さ)が相違している。上記複数の圧縮室(73)は、固定側ラップ(75a)の内周面と可動側ラップ(76a)の外周面との間に構成される第1圧縮室(73a)と、固定側ラップ(75a)の外周面と可動側ラップ(76a)の内周面との間に構成される第2圧縮室(73b)とから構成されている。
流体機械(82)では、固定スクロール(75)の外縁部に吸入ポート(98)が形成されている。吸入ポート(98)には、ケーシング(70)の頂部を貫通する吸入管(57)が接続されている。吸入ポート(98)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞれに間欠的に連通する。また、吸入ポート(98)には、圧縮室(73)から吸入管(57)へ戻る冷媒の流れを禁止する吸入逆止弁が設けられている(図示省略)。
また、流体機械(82)では、固定側鏡板(75b)の中央部に吐出ポート(93)が形成されている。吐出ポート(93)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞれに間欠的に連通する。吐出ポート(93)は、固定スクロール(75)の上側に形成されたマフラー空間(96)に開口している。
ケーシング(70)内は、円盤状のハウジング(77)によって、上側の吸入空間(101)と下側の吐出空間(100)とに区画されている。吸入空間(101)は、図示しない連通ポートを通じて、吸入ポート(98)に連通している。吐出空間(100)は、固定スクロール(75)とハウジング(77)とに亘ってに形成された連絡通路(103)を通じて、マフラー空間(96)に連通している。運転中の吐出空間(100)は、吐出ポート(93)から吐出された冷媒がマフラー空間(96)を通じて流入するので、流体機械(82)で圧縮された冷媒で満たされる高圧空間になる。吐出空間(100)には、ケーシング(70)の胴部を貫通する吐出管(56)が開口している。
本実施形態の圧縮機(30)では、電動機(85)の絶縁材料に、高温高圧の冷媒に接触した場合でも、冷媒により物理的や化学的に変性を受けない物質で、特に耐溶剤性、耐抽出性、熱的・化学的安定性、耐発泡性を有する物質が用いられている。電動機(85)の絶縁材料としては、ステータ(83)の巻き線の絶縁被覆材料、ステータ(83)及びロータ(84)の絶縁フィルム等がある。
具体的に、ステータ(83)の巻き線の絶縁被覆材料は、ポリビニルフォルマール、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミドのうちから選ばれる1種類又は複数種類の物質が用いられている。なお、好ましいのは、上層がポリアミドイミド、下層がポリエステルイミドの二重被覆線である。また、上記物質以外に、ガラス転移温度が120℃以上のエナメル被覆を用いてもよい。
また、絶縁フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテフタレート(PBT)のうちから選ばれる1種類又は複数種類の物質が用いられている。なお、絶縁フィルムに、発泡材料が冷凍サイクルの冷媒と同じ発泡フィルムを用いることも可能である。インシュレーター等の巻き線を保持する絶縁材料には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)のうちから選ばれる1種類又は複数種類の物質が用いられている。ワニスには、エポキシ樹脂が用いられている。
また、圧縮機(30)では、シール材料に、ポリテトラフルオロエチレン、アラミド繊維やNBRからなるパッキン、パーフルオロエラストマー、シリコンゴム、水素化NBRゴム、フッ素ゴム、ヒドリンゴムのうちから選ばれる1種類又は複数種類の物質が用いられている。
また、ケーシング(70)の底部には、冷凍機油が貯留される油溜まりが形成されている。また、クランク軸(90)の内部には、油溜まりに開口する第1給油通路(104)が形成されている。また、可動側鏡板(76b)には、第1給油通路(104)に接続する第2給油通路(105)が形成されている。この圧縮機(30)では、油溜まりの冷凍機油が第1給油通路(104)及び第2給油通路(105)を通じて低圧側の圧縮室(73)に供給される。
本実施形態では、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの3種類の基油のうち少なくとも1種類を主成分とする冷凍機油を圧縮機(30)に用いることが可能である。例えば、本実施形態の冷凍機油には、この3種類のうちポリビニルエーテルだけを主成分とする冷凍機油が用いられている。
本実施形態の冷凍機油では、下記一般式(I)で表される構成単位を有するポリビニルエーテルを主成分とする冷凍機油が用いられている。この構造のポリビニルエーテルは、ポリビニルエーテルの中でも、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒との相溶性に優れている。
また、本実施形態の冷凍機油は、動粘度が40℃において30cSt以上400cSt以下で、流動点が−30℃以下で、表面張力が20℃において0.02N/m以上0.04N/m以下で、密度が15℃において0.8g/cm3以上1.8g/cm3以下で、体積抵抗率が1010 Ω・m以上1015 Ω・m以下で、飽和水分量が温度30℃、相対湿度90%において2000ppm以上で、さらにアニリン点が所定の数値範囲内の値になっている。なお、これらの冷凍機油の物性値は、後述する変形例1、変形例2及びその他の実施形態に記載した冷凍機油も同じである。これらの物性値は、冷媒が溶解しない状態の冷凍機油自体の値である。
流動点の値は、「JIS K 2269」に規定された試験方法によって得られる。また、「アニリン点」は、例えば炭化水素系溶剤等の溶解性を示す数値であり、試料(ここでは冷凍機油)を等容積のアニリンと混合して冷やしたときに、互いに溶解し合えなくなって濁りがみえ始めたときの温度を表すものである。アニリン点の値は、「JIS K 2256」に規定された試験方法によって得られる。なお、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と適合する樹脂材料を選定する際には、冷凍機油のアニリン点を考慮して樹脂材料を選定することが重要である。
本実施形態では、冷凍機油の主成分となるポリビニルエーテルが、HFO−1234yfに対して相溶性を有している。そして、冷凍機油の動粘度は、40℃において400cSt以下である。このため、HFO−1234yfが、冷凍機油にある程度溶解する。また、冷凍機油の流動点が−30℃以下であるため、冷媒回路(10)において低温部位でも冷凍機油の流動性が確保される。また、冷凍機油の表面張力が20℃において0.04N/m以下であるため、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油が冷媒によって押し流されにくくなるような大きな油滴になりにくい。また、冷凍機油の密度が15℃において1.8g/cm3以下であるため、密度が大きすぎて圧縮機(30)から吐出された冷凍機油が圧縮機(30)に戻りにくくなることが回避される。従って、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油は、HFO−1234yfに溶解してHFO−1234yfと共に圧縮機(30)に戻ってくる。
また、冷凍機油の表面張力が20℃において0.02N/m以上であるため、圧縮機(30)内のガス冷媒中で小さな油滴になりにくく、圧縮機(30)から多量に冷凍機油が吐出されることがない。また、冷凍機油の密度が15℃において0.8g/cm3以下であるため、密度が小さすぎて、圧縮機(30)から多量に冷凍機油が吐出されることが回避される。
このように、本実施形態では、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量が低く抑えられ、また圧縮機(30)から吐出されてしまった冷凍機油は冷媒に溶け込んで戻ってくることになる。従って、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を充分に確保することができる。
さらに、冷凍機油の動粘度が40℃において30cSt以上であるため、動粘度が低すぎて油膜強度が不十分になることがなく、潤滑性能が確保される。このように、本実施形態では、圧縮機(30)において冷凍機油が不足することがなく、充分な油膜強度を確保することができる。このため、圧縮機(30)において潤滑不良が生じることが抑制される。
また、本実施形態では、冷凍機油の飽和水分量が、温度30℃/相対湿度90%において2000ppm以上であるため、冷凍機油の吸湿性が比較的高いものとなる。これにより、HFO−1234yf中の水分を冷凍機油によってある程度捕捉することが可能となる。HFO−1234yfは、含有される水分の影響により、変質/劣化し易い分子構造を有する。よって、冷凍機油による吸湿効果により、このような劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、樹脂によって構成された電動機(85)の絶縁材料の絶縁性が低下しない所定の数値範囲内のアニリン点の冷凍機油が用いられている。ここで、アニリン点が低すぎると、冷凍機油が、樹脂によって構成された電動機(85)の絶縁材料を膨潤させ、絶縁性を低下させる。一方、アニリン点が高すぎると、冷凍機油が、電動機(85)の絶縁材料を収縮させて、絶縁材料の硬度が高くなる。このため、圧縮機(30)の振動によって絶縁材料が破損しやすくなり、電動機(85)の絶縁性が低下するおそれがある。従って、この実施形態では、電動機(85)の絶縁材料を膨潤させることがなく、その絶縁材料が硬くならない所定の数値範囲内のアニリン点の冷凍機油が用いられている。つまり、電動機(85)の絶縁性が低下しない所定の数値範囲内のアニリン点の冷凍機油が用いられている。このため、冷凍機油の影響を受けて電動機(85)の絶縁材料の絶縁性が低下することが回避される。
また、本実施形態の冷凍機油には、添加剤として、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤が添加されている。なお、本実施形態では上記6つの添加剤を全て使用しているが、各添加剤は必要に応じて添加すればよく、添加剤が1つだけであってもよい。個々の添加剤の配合量は、冷凍機油に含まれる割合が0.01質量%以上5質量%以下になるように設定されている。なお、酸捕捉剤の配合量、及び酸化防止剤の配合量は、0.05質量%以上3質量%以下の範囲が好ましい。
酸捕捉剤には、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、α−オレフィンオキシド、エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物を用いることができる。なお、これらの中で相溶性の観点から好ましい酸捕捉剤は、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、α−オレフィンオキシドである。アルキルグリシジルエーテルのアルキル基、及びアルキレングリコールグリシジルエーテルのアルキレン基は、分岐を有していてもよい。これらの炭素数は、3以上30以下であればよく、4以上24以下であればより好ましく、6以上16以下であれば更に好ましい。また、α−オレフィンオキシドは、全炭素数が4以上50以下であればよく、4以上24以下であればより好ましく、6以上16以下であれば更に好ましい。酸捕捉剤は、1種だけを用いてもよく、複数種類を併用することも可能である。
なお、極圧添加剤には、リン酸エステル類を含むものを用いることができる。リン酸エステル類としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び酸性亜リン酸エステル等を用いることができる。また、極圧添加剤には、リン酸エステル類には、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び酸性亜リン酸エステルのアミン塩を含むものを用いることもできる。
リン酸エステルには、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアルキルアリールホスフェート、トリアリールアルキルホスフェート、トリアルケニルホスフェート等がある。さらに、リン酸エステルを具体的に列挙すると、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェート等がある。
また、亜リン酸エステルの具体例としては、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスファイト等がある。
また、酸性リン酸エステルの具体例としては、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェート等がある。
また、酸性亜リン酸エステルの具体例としては、ジブチルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドゲンホスファイト、ジステアリルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト等がある。以上のリン酸エステル類の中で、オレイルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェートが好適である。
また、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル又は酸性亜リン酸エステルのアミン塩に用いられるアミンのうちモノ置換アミンの具体例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン等がある。また、ジ置換アミンの具体例としては、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、ステアリル・モノエタノールアミン、デシル・モノエタノールアミン、ヘキシル・モノプロパノールアミン、ベンジル・モノエタノールアミン、フェニル・モノエタノールアミン、トリル・モノプロパノール等がある。また、トリ置換アミンの具体例としては、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリオレイルアミン、トリベンジルアミン、ジオレイル・モノエタノールアミン、ジラウリル・モノプロパノールアミン、ジオクチル・モノエタノールアミン、ジヘキシル・モノプロパノールアミン、ジブチル・モノプロパノールアミン、オレイル・ジエタノールアミン、ステアリル・ジプロパノールアミン、ラウリル・ジエタノールアミン、オクチル・ジプロパノールアミン、ブチル・ジエタノールアミン、ベンジル・ジエタノールアミン、フェニル・ジエタノールアミン、トリル・ジプロパノールアミン、キシリル・ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等がある。
また、上記以外の極圧添加剤を添加することも可能である。例えば、モノスルフィド類、ポリスルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、チオスルフィネート類、硫化油脂、チオカーボネート類、チオフェン類、チアゾール類、メタンスルホン酸エステル類等の有機硫黄化合物系の極圧添加剤、チオリン酸トリエステル類等のチオリン酸エステル系の極圧添加剤、高級脂肪酸、ヒドロキシアリール脂肪酸類、多価アルコールエステル類、アクリル酸エステル類等のエステル系の極圧添加剤、塩素化炭化水素類、塩素化カルボン酸誘導体等の有機塩素系の極圧添加剤、フッ素化脂肪族カルボン酸類、フッ素化エチレン樹脂、フッ素化アルキルポリシロキサン類、フッ素化黒鉛等の有機フッ素化系の極圧添加剤、高級アルコール等のアルコール系の極圧添加剤、ナフテン酸塩類(ナフテン酸鉛等)、脂肪酸塩類(脂肪酸鉛等)、チオリン酸塩類(ジアルキルジチオリン酸亜鉛等)、チオカルバミン酸塩類、有機モリブデン化合物、有機スズ化合物、有機ゲルマニウム化合物、ホウ酸エステル等の金属化合物系の極圧添加剤を用いることが可能である。
また、酸化防止剤には、フェノール系の酸化防止剤やアミン系の酸化防止剤を用いることができる。フェノール系の酸化防止剤には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(DBPC)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール等がある。また、アミン系の酸化防止剤には、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N.N’−ジ−フェニル−p−フェニレンジアミン等がある。
また、銅不活性化剤としては、ベンゾトリアゾールやその誘導体等を用いることができる。消泡剤としては、ケイ素化合物を用いることができる。油性剤としては、高級アルコール類を用いることができる。
また、本実施形態の冷凍機油には、必要に応じて、耐荷重添加剤、酸素捕捉剤、塩素捕捉剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、安定剤、腐食防止剤、及び流動点降下剤等を添加することも可能である。酸素捕捉剤は、酸素を捕捉する添加剤である。個々の添加剤の配合量は、冷凍機油に含まれる割合が0.01質量%以上5質量%以下であればよく、0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましい。また、本実施形態の冷凍機油は、塩素濃度が50ppm以下、さらに硫黄濃度が50ppm以下になっている。
−運転動作−
上記空気調和装置(20)の運転動作について説明する。この空気調和装置(20)は、冷房運転と暖房運転とが実行可能になっており、四路切換弁(13)によって冷房運転と暖房運転との切り換えが行われる。
上記空気調和装置(20)の運転動作について説明する。この空気調和装置(20)は、冷房運転と暖房運転とが実行可能になっており、四路切換弁(13)によって冷房運転と暖房運転との切り換えが行われる。
《冷房運転》
冷房運転時には、四路切換弁(13)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(30)の運転が行われると、圧縮機(30)から吐出された高圧冷媒が、室外熱交換器(11)において室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(11)で凝縮した冷媒は、各室内回路(17)へ分配される。各室内回路(17)では、流入した冷媒が、室内膨張弁(16)で減圧された後に、室内熱交換器(15)において室内空気から吸熱して蒸発する。一方、室内空気は冷却されて室内へ供給される。
冷房運転時には、四路切換弁(13)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(30)の運転が行われると、圧縮機(30)から吐出された高圧冷媒が、室外熱交換器(11)において室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(11)で凝縮した冷媒は、各室内回路(17)へ分配される。各室内回路(17)では、流入した冷媒が、室内膨張弁(16)で減圧された後に、室内熱交換器(15)において室内空気から吸熱して蒸発する。一方、室内空気は冷却されて室内へ供給される。
各室内回路(17)で蒸発した冷媒は、他の室内回路(17)で蒸発した冷媒と合流して、室外回路(9)へ戻ってくる。室外回路(9)では、各室内回路(17)から戻ってきた冷媒が、圧縮機(30)で再び圧縮されて吐出される。なお、冷房運転中は、各室内膨張弁(16)の開度が、室内熱交換器(15)の出口における冷媒の過熱度が一定値(例えば5℃)になるように過熱度制御される。
《暖房運転》
暖房運転時には、四路切換弁(13)が第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(30)の運転が行われると、圧縮機(30)から吐出された高圧冷媒が、各室内回路(17)へ分配される。各室内回路(17)では、流入した冷媒が室内熱交換器(15)において室内空気へ放熱して凝縮する。一方、室内空気は加熱されて室内へ供給される。室内熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、他の室内熱交換器(15)で凝縮した冷媒と合流し、室外回路(9)へ戻ってくる。
暖房運転時には、四路切換弁(13)が第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(30)の運転が行われると、圧縮機(30)から吐出された高圧冷媒が、各室内回路(17)へ分配される。各室内回路(17)では、流入した冷媒が室内熱交換器(15)において室内空気へ放熱して凝縮する。一方、室内空気は加熱されて室内へ供給される。室内熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、他の室内熱交換器(15)で凝縮した冷媒と合流し、室外回路(9)へ戻ってくる。
室外回路(9)では、各室内回路(17)から戻ってきた冷媒が、室外膨張弁(12)で減圧された後に、室外熱交換器(11)において室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(11)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)で再び圧縮されて吐出される。なお、暖房運転中は、各室内膨張弁(16)の開度が、室内熱交換器(15)の出口における冷媒の過冷却度が一定値(例えば5℃)になるようにサブクール制御される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒を用いる冷凍装置において、該冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒に対して相溶性があり、潤滑性能を確保できるだけの動粘度を有し、さらに低温部位でも流動性を確保できる冷凍機油が用いられている。このため、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油は、冷媒に溶解して冷媒と共に圧縮機(30)に戻ってくる。従って、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を充分に確保することができるので、圧縮機(30)において冷凍機油不足による潤滑不良を未然に防ぐことができ、圧縮機(30)の信頼性を向上させることができる。
本実施形態では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒を用いる冷凍装置において、該冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒に対して相溶性があり、潤滑性能を確保できるだけの動粘度を有し、さらに低温部位でも流動性を確保できる冷凍機油が用いられている。このため、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油は、冷媒に溶解して冷媒と共に圧縮機(30)に戻ってくる。従って、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を充分に確保することができるので、圧縮機(30)において冷凍機油不足による潤滑不良を未然に防ぐことができ、圧縮機(30)の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態では、圧縮機(30)から多量に吐出されるような小さな油滴になりにくく、冷媒によって流れにくくなるような大きな油滴になりにくい範囲の表面張力の冷凍機油が用いられている。このため、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量が低く抑えられ、また圧縮機(30)から吐出されてしまった冷凍機油は冷媒に溶け込んで戻ってくることになる。従って、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を充分に確保することができるので、圧縮機(30)において冷凍機油不足による潤滑不良が生じることを抑制することができる。
また、本実施形態では、冷凍機油の潤滑性能が確保されるように、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤の6つの添加剤のうち少なくとも1つの添加剤が冷凍機油に添加されている。このため、冷凍機油の潤滑性能が低下することを抑制することができるので、圧縮機(30)において潤滑不良が生じることを抑制することができる。
−実施形態の変形例1−
本実施形態の変形例1では、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの3種類の基油のうちポリオールエステルだけを主成分とする冷凍機油が、圧縮機(30)に用いられている。ポリオールエステルには、「脂肪族多価アルコールと直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸とのエステル」、「脂肪族多価アルコールと直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エステル」、及び、「脂肪族多価アルコールと炭素数が3以上9以下の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エステルと、脂肪族二塩基酸若しくは芳香族二塩基酸とのコンプレックスエステル」の何れかが用いられている。これらのポリオールエステルは、ポリオールエステルの中でも、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒との相溶性に優れている。
本実施形態の変形例1では、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの3種類の基油のうちポリオールエステルだけを主成分とする冷凍機油が、圧縮機(30)に用いられている。ポリオールエステルには、「脂肪族多価アルコールと直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸とのエステル」、「脂肪族多価アルコールと直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エステル」、及び、「脂肪族多価アルコールと炭素数が3以上9以下の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エステルと、脂肪族二塩基酸若しくは芳香族二塩基酸とのコンプレックスエステル」の何れかが用いられている。これらのポリオールエステルは、ポリオールエステルの中でも、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒との相溶性に優れている。
「脂肪族多価アルコールと直鎖状又は分岐鎖状の脂肪酸とのエステル又は部分エステル」を形成する脂肪族多価アルコールには、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等を用いることができる。このうち脂肪族多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びトリペンタエリスリトールが好ましい。
また、脂肪酸には、炭素数が3以上12以下のものを用いることができ、例えばプロピオン酸、酪酸、ピバリン酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、イソ吉草酸、ネオペンタン酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸を用いることができる。脂肪酸としては、炭素数が5以上12以下の脂肪酸が好ましく、炭素数が5以上9以下の脂肪酸が更に好ましい。具体的には、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等が好ましい。
また、「脂肪族多価アルコールと炭素数が3以上9以下の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エステルと、脂肪族二塩基酸若しくは芳香族二塩基酸とのコンプレックスエステル」では、炭素数が5以上7以下の脂肪酸が好ましく、炭素数が5又は6の脂肪酸が更に好ましい。具体的には、吉草酸、ヘキサン酸、イソ吉草酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸又はその混合物が好ましい。また、炭素数が5の脂肪酸と炭素数が6の脂肪酸を重量比で10:90以上90:10以下の割合で混合した脂肪酸を使用することができる。
また、脂肪族二塩基酸には、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ドコサンナ二酸がある。また、芳香族二塩基酸には、フタル酸、イソフタル酸がある。コンプレックスエステルを調製するためのエステル化反応は、多価アルコールと二塩基酸を所定の割合で反応させて部分エステル化した後に、その部分エステルと脂肪酸とを反応させる。なお、二塩基酸と脂肪酸の反応順序を逆にしてもよく、二塩基酸と脂肪酸を混合してエステル化に供してもよい。
−実施形態の変形例2−
本実施形態の変形例2では、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの3種類の基油のうちポリアルキレングリコールだけを主成分とする冷凍機油が、圧縮機(30)に用いられている。
本実施形態の変形例2では、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの3種類の基油のうちポリアルキレングリコールだけを主成分とする冷凍機油が、圧縮機(30)に用いられている。
この変形例2では、分子式2:R1(R2)m(R3O)nR4(但し、m及びnは整数で、R1及びR4は、水素、炭素数が1以上6以下のアルキル基、又はアリール基を表し、R2及びR3は、炭素数が1以上4以下のアルキル基を表す。)で表される分子構造のポリアルキレングリコールが用いられている。この分子構造のポリアルキレングリコールは、ポリアルキレングリコールの中でも、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒との相溶性に優れている。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態について、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルのうち2つ以上を主成分とする冷凍機油を用いてもよい。
また、上記実施形態では、冷媒回路(10)の冷媒として、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒のうちHFO−1234yf以外の冷媒の単一冷媒を用いてもよい。具体的には、1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(「HFO−1225ye」といい、化学式はCF3−CF=CHFで表される。)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(「HFO−1234ze」といい、化学式はCF3−CH=CHFで表される。)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(「HFO−1234ye」といい、化学式はCHF2−CF=CHFで表される。)、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(「HFO−1243zf」といい、化学式はCF3−CH=CH2で表される。)、1,2,2−トリフルオロ−1−プロペン(化学式はCH3−CF=CF2で表される。)、2−フルオロ−1−プロペン(化学式はCH3−CF=CH2で表される。)等を用いることができる。
また、上記実施形態について、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒(1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2,2−トリフルオロ−1−プロペン、2−フルオロ−1−プロペン)に、HFC−32(ジフルオロメタン)、HFC−125(ペンタフルオロエタン)、HFC−134(1,1,2,2―テトラフルオロエタン)、HFC−134a(1,1,1,2―テトラフルオロエタン)、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン)、HFC−152a(1,1−ジフルオロエタン)、HFC−161、HFC−227ea、HFC−236ea、HFC−236fa、HFC−365mfc、メタン、エタン、プロパン、プロペン、ブタン、イソブタン、ペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、ビス−トリフルオロメチル−サルファイド、二酸化炭素、ヘリウムのうち少なくとも1つを加えた混合冷媒を用いてもよい。
例えば、HFO−1234yfとHFC−32の2成分からなる混合冷媒を用いてもよい。この場合は、HFO−1234yfの割合が78.2質量%でHFC−32の割合が21.8質量%の混合冷媒を用いることができる。また、HFO−1234yfの割合が77.6質量%でHFC−32の割合が22.4質量%の混合冷媒を用いることができる。なお、HFO−1234yfとHFC−32の混合冷媒は、HFO−1234yfの割合が70質量%以上94質量%以下でHFC−32の割合が6質量%以上30質量%以下であればよく、好ましくは、HFO−1234yfの割合が77質量%以上87質量%以下でHFC−32の割合が13質量%以上23質量%以下であればよく、更に好ましくは、HFO−1234yfの割合が77質量%以上79質量%以下でHFC−32の割合が21質量%以上23質量%以下であればよい。
また、HFO−1234yfとHFC−125の混合冷媒を用いてもよい。この場合は、HFC−125の割合が10質量%以上であるのが好ましく、さらに10質量%以上20質量%以下であるのが更に好ましい。
また、HFO−1234yfとHFC−32とHFC−125の3成分からなる混合冷媒を用いてもよい。この場合は、52質量%のHFO−1234yfと、23質量%のHFC−32と、25質量%のHFC−125とからなる混合冷媒を用いることができる。
また、上記実施形態について、ケイ酸や合成ゼオライトが乾燥剤として充填された乾燥機を冷媒回路(10)に設けてもよい。
また、上記実施形態について、圧縮機(30)が、横型の圧縮機であってもよく、またレシプロ式、ロータリ式及びスクリュー式など他のタイプの圧縮機であってもよい。
また、上記実施形態について、冷凍装置(20)が、暖房専用の空気調和装置であってもよいし、食品を冷却するための冷蔵庫や冷凍庫であってもよいし、空調機と冷蔵庫や冷凍庫とを組み合せた冷凍装置であってもよいし、冷媒回路(10)の放熱器で水を加熱する給湯装置であってもよい。また、実施例では、冷媒回路(10)の熱源を空気としているが、これを水熱源や地中熱源としてもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置について有用である。
10 冷媒回路
11 室外熱交換器
15 室内熱交換器
20 冷凍装置
22 室外機
23 室内機
30 圧縮機
11 室外熱交換器
15 室内熱交換器
20 冷凍装置
22 室外機
23 室内機
30 圧縮機
Claims (7)
- 圧縮機(30)によって冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、
上記冷媒回路(10)には、分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が充填されている冷凍装置であって、
上記圧縮機(30)には、主成分がポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルのうち少なくとも1つで構成され、動粘度が40℃において30cSt以上400cSt以下で、流動点が−30℃以下である冷凍機油が用いられていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1において、
上記冷凍機油は、さらに表面張力が20℃において0.02N/m以上0.04N/m以下であることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1又は2において、
上記冷凍機油には、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤のうち少なくとも1つが添加剤として添加されていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項3において、
上記冷凍機油では、1つの添加剤が添加されている場合には該添加剤の割合が0.01質量%以上5質量%以下になり、複数の添加剤が添加されている場合には各添加剤の割合が0.01質量%以上5質量%以下になっていることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
上記分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンであることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ジフルオロメタンとを含む混合冷媒であることを特徴とする冷凍装置。 - 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式1:C3HmFn(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ペンタフルオロエタンとを含む混合冷媒であることを特徴とする冷凍装置。
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JP2008070351A JP2009222358A (ja) | 2008-03-18 | 2008-03-18 | 冷凍装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2529164A1 (en) | 2010-01-25 | 2012-12-05 | Arkema, Inc. | Heat transfer composition of oxygenated lubricant with hydrofluoroolefin and hydrochlorofluoroolefin refrigerants |
WO2021024380A1 (ja) * | 2019-08-06 | 2021-02-11 | 三菱電機株式会社 | 冷凍サイクル装置 |
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2008
- 2008-03-18 JP JP2008070351A patent/JP2009222358A/ja active Pending
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