JP2009222351A - 冷凍装置 - Google Patents

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秀樹 松浦
Masaru Tanaka
勝 田中
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Abstract

【課題】冷媒が分解して生成した物質によるジャーナル軸受の腐食を抑え、駆動軸の焼き付き等のトラブルを未然に防いで冷凍装置の信頼性を向上させる。
【解決手段】冷凍装置である空気調和装置(20)の冷媒回路(10)に圧縮機(30)が設けられる。圧縮機(30)には、クランク軸(90)を支持するためのジャーナル軸受を構成する軸受メタル(41,42,43)が設けられる。軸受メタル(41,42,43)は、多孔質の青銅からなる基材に、ポリアミドやポリテトラフルオロエチレン等の樹脂を含浸させることによって構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置の信頼性の向上策に関するものである。
従来より、冷凍サイクルを行う冷媒回路を備えた冷凍装置は、空気調和装置や各種の冷却装置、あるいは給湯機等に広く適用されている。
特許文献1には、この種の冷凍装置が開示されている。この冷凍装置は、冷媒が充填されて閉回路を構成する冷媒回路を備えている。冷媒回路には、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器が接続されている。圧縮機が運転されると、圧縮機で圧縮された冷媒が凝縮器で空気へ放熱して凝縮する。凝縮器で凝縮した冷媒は、膨張弁で減圧された後、蒸発器で蒸発する。蒸発後の冷媒は、圧縮機に吸入されて再び圧縮される。
また、特許文献1の冷媒回路には、分子式1:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒が用いられている。この冷媒は、その分子中に塩素原子や臭素原子が含まれておらず、オゾン層の破壊への影響が小さいことが知られている。
特開平4−110388号公報
上記特許文献1に開示されている冷媒は、その分子中に二重結合が含まれている等の理由から、その分子構造が水分や酸素等に対して比較的不安定となっている。そのため、この冷媒を冷凍装置を長期間に亘って使用すると、冷媒が劣化して不純物等が生成することがある。
ところで、冷凍装置の圧縮機には、圧縮機構の駆動軸を支持するためにジャーナル軸受が設けられる場合がある。また、ジャーナル軸受において駆動軸と摺接する箇所(例えば、軸受メタル)の材質は、アルミニウム合金であることが多かった。
ところが、特許文献1に開示されている冷媒のような安定性に幾分劣る冷媒を用いた場合は、冷媒の分解により生成した物質によってアルミニウム合金製のジャーナル軸受が腐食したり、異常摩耗するおそれがある。そして、ジャーナル軸受の腐食や異常摩耗が生じると、駆動軸の焼き付き等のトラブルが発生し、圧縮機の信頼性を損なうおそれがあった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒が分解して生成した物質によるジャーナル軸受の腐食や異常摩耗を抑え、駆動軸の焼き付き等のトラブルを未然に防いで冷凍装置の信頼性を向上させることにある。
第1の発明は、圧縮機(30)によって冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、上記冷媒回路(10)には、分子式1:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が充填されている冷凍装置を対象とする。そして、上記圧縮機(30)には、冷媒を圧縮する流体機械である圧縮機構(82)と、該圧縮機構(82)の駆動軸(90)と摺接してジャーナル軸受を構成する軸受部材(41,42,43)と、上記圧縮機構(82)を潤滑するための冷凍機油とが設けられており、上記軸受部材(41,42,43)は、多孔質の青銅からなる基材(45)と該基材(45)に含浸した樹脂(46)とによって構成されるものである。
第1の発明では、冷媒回路(10)で冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(10)の圧縮機(30)では、圧縮機構(82)の駆動軸(90)とジャーナル軸受を構成する軸受部材(41,42,43)との間に冷凍機油が供給される。また、冷媒や冷媒の分解により生成した物質は、その一部が冷凍機油に溶け込み、冷媒と共に駆動軸(90)と軸受部材(41,42,43)の間へ送り込まれる。一方、駆動軸(90)と摺接する軸受部材(41,42,43)は、多孔質の青銅からなる基材(45)に樹脂(46)を含浸させた部材であって、冷媒の分解により生成した物質に対して耐食性を有している。このため、冷媒の分解により生成した物質に起因する軸受部材(41,42,43)の腐食が回避される。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記軸受部材(41,42,43)に設けられた樹脂(46)は、その融点が250℃以上となっているものである。
第2の発明の軸受部材(41,42,43)では、融点の充分に高い樹脂(46)が、多孔質の青銅からなる基材(45)に含浸させられている。このため、圧縮機(30)の通常の運転状態において、軸受部材(41,42,43)の樹脂(46)が溶融することはない。
第3の発明は、上記第1又は第2の発明において、上記軸受部材(41,42,43)に設けられた樹脂(46)は、ポリアミド又はポリテトラフルオロエチレンであるものである。
第3の発明の軸受部材(41,42,43)では、ポリアミド(PA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が多孔質の青銅に含浸させられている。
第4の発明は、圧縮機(30)によって冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、上記冷媒回路(10)には、分子式1:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が充填されている冷凍装置を対象とする。そして、上記圧縮機(30)には、冷媒を圧縮する流体機械である圧縮機構(82)と、該圧縮機構(82)の駆動軸(90)と摺接してジャーナル軸受を構成する軸受部材(41,42,43)と、上記圧縮機構(82)を潤滑するための冷凍機油とが設けられており、上記軸受部材(41,42,43)の材質が青銅であるものである。
第4の発明では、冷媒回路(10)で冷媒が循環することによって冷凍サイクルが行われる。冷媒回路(10)の圧縮機(30)では、圧縮機構(82)の駆動軸(90)とジャーナル軸受を構成する軸受部材(41,42,43)との間に冷凍機油が供給される。また、冷媒や冷媒の分解により生成した物質は、その一部が冷凍機油に溶け込み、冷媒と共に駆動軸(90)と軸受部材(41,42,43)の間へ送り込まれる。一方、駆動軸(90)と摺接する軸受部材(41,42,43)は、その材質が青銅であって、冷媒の分解により生成した物質に対して耐食性を有している。このため、冷媒の分解により生成した物質に起因する軸受部材(41,42,43)の腐食が回避される。
第5の発明は、上記第1〜第4の発明の何れか1つにおいて、上記冷凍機油は、気温30℃で相対湿度90%の雰囲気中における飽和水分量が2000ppm以上となっているものである。
第5の発明では、吸湿性の比較的高い冷凍機油が圧縮機(30)に設けられる。冷媒回路(10)内に残存している水分は、吸湿性の高い冷凍機油に吸収される。
第6の発明は、上記第1〜第5の発明の何れか1つにおいて、上記冷凍機油は、その主成分がポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルのうち少なくとも1つで構成されるものである。
第6の発明では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の主成分が、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの何れか1種類、あるいは複数種類の混合物で構成される。これら冷凍機油の主成分を構成する物質は、上記第1,第4の発明で規定した冷媒との相溶性に優れている。
第7の発明は、上記第1〜第6の発明の何れか1つにおいて、上記冷凍機油は、40℃における動粘度が30cSt以上400cSt以下となっているものである。
第7の発明では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の動粘度が、所定の数値範囲内に設定される。ここで、冷凍機油の粘度が高いほど圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量は少なくなるが、冷凍機油の粘度が高すぎると、圧縮機(30)から流出した冷凍機油が圧縮機(30)へ戻って来にくくなる。逆に、冷凍機油の粘度が低いほど圧縮機(30)から流出した冷凍機油が圧縮機(30)へ戻って来やすくなるが、冷凍機油の粘度が低すぎると、圧縮機(30)から吐出される冷凍機油の量が増加し、また圧縮機構(82)の潤滑が不充分となるおそれがある。そこで、この発明では、上記のような点を考慮して、冷凍機油の動粘度を上記の数値範囲内に設定している。
第8の発明は、上記第1〜第7の発明の何れか1つにおいて、上記冷凍機油は、流動点が−30℃以下となっているものである。
第8の発明では、流動点が−30℃以下の冷凍機油が圧縮機(30)に設けられる。冷凍機油の流動点が−30℃よりも高いと、冷凍装置(20)のうち運転中に低温となる部分においても冷凍機油が流動しにくくなるおそれがある。冷凍装置(20)の運転中に冷凍機油の流動性が低下すると、圧縮機構(82)等の摺動箇所に対する冷凍機油の供給量が少なくなり、摺動箇所の潤滑が不充分となる。また、摺動箇所に対する冷凍機油の供給量が減ると、摺動箇所での油膜強度が不足し、摺動箇所の異常摩耗や焼き付きに至るおそれがある。そこで、この発明では、流動点が−30℃以下の冷凍機油を圧縮機(30)に設けている。
第9の発明は、上記第1〜第8の発明の何れか1つにおいて、上記冷凍機油は、20℃における表面張力が0.02N/m以上0.04N/m以下となっているものである。
第9の発明では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の表面張力が、所定の数値範囲内に設定される。ここで、冷凍機油の表面張力が小さいと冷凍機油は微細な油滴になりやすくなるため、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量が増える。逆に、冷凍機油の表面張力が大きいと冷凍機油は比較的大きな油滴になるため、圧縮機(30)からは流出しにくくなるが、冷媒回路(10)から圧縮機(30)へ戻りにくくなる。そこで、この発明では、上記のような点を考慮して、冷凍機油の表面張力を上記の数値範囲内に設定している。
第10の発明は、上記第1〜第9の発明の何れか1つにおいて、上記冷凍機油に含まれる塩素の濃度が50ppm以下となっているものである。
第10の発明では、冷凍機油に含まれる塩素の濃度が50ppm以下となるので、塩素に起因する冷媒の劣化促進が抑制される。そして、冷媒の劣化に伴って生成する不純物の量が低減され、不純物に起因する磁石等の金属部材の劣化が抑えられるため、圧縮機(30)の耐久性が向上する。
第11の発明は、上記第1〜第10の発明の何れか1つにおいて、上記冷凍機油に含まれる硫黄の濃度が50ppm以下となっているものである。
第11の発明では、冷凍機油に含まれる硫黄の濃度が50ppm以下となるので、硫黄に起因する冷媒の劣化促進が抑制される。そして、冷媒の劣化に伴って生成する不純物の量が低減され、不純物に起因する磁石等の金属部材の劣化が抑えられるため、圧縮機(30)の耐久性が向上する。
第12の発明は、上記第1〜第11の発明の何れか1つにおいて、上記圧縮機(30)に設けられた冷凍機油には、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤のうち少なくとも1つが添加剤として添加されるものである。
第12の発明では、所定の添加剤を冷凍機油に加えることによって、冷凍機油の劣化や冷媒の分解が抑えられる。
第13の発明は、上記第12の発明において、上記圧縮機(30)に設けられた冷凍機油では、1種類の添加剤が添加されている場合には該添加剤の割合が0.01質量%以上5質量%以下になり、複数種類の添加剤が添加されている場合には各添加剤の割合が0.01質量%以上5質量%以下になっているものである。
第14の発明は、上記第1〜第13の発明の何れか1つにおいて、上記分子式1:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンであるものである。
第15の発明は、上記第1〜第14の発明の何れか1つにおいて、上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式1:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ジフルオロメタンとを含む混合冷媒であるものである。
第15の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒とジフルオロメタンとを含む混合冷媒が、冷媒回路(10)に充填される。ここで、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、いわゆる低圧冷媒である。このため、例えば上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒だけからなる単一成分の冷媒を用いる場合には、冷媒の圧力損失が冷凍装置(20)の運転効率に与える影響が比較的大きく、理論上の運転効率に対して実際の運転効率が比較的大きく低下してしまう。従って、この発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に、いわゆる高圧冷媒であるジフルオロメタンが加えられている。
第16の発明は、上記第1〜第14の発明の何れか1つにおいて、上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式1:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ペンタフルオロエタンとを含む混合冷媒であるものである。
第16の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒とペンタフルオロエタンとを含む混合冷媒が、冷媒回路(10)に充填される。ここで、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、微燃性の冷媒ではある。従って、この発明では、冷媒の燃焼性を充分に低下させることを目的として、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に、難燃性の冷媒であるペンタフルオロエタンが加えられている。
本発明では、軸受部材(41,42,43)を構成する金属材料として、上記分子式1で表される冷媒の分解によって生成する物質に対して耐食性を有する青銅が用いられている。このため、冷媒の分解により生成した物質に起因する軸受部材(41,42,43)の腐食が未然に防止される。従って、本発明によれば、軸受部材(41,42,43)の腐食に起因する圧縮機(30)の損傷を防ぐことができ、冷凍装置(20)の信頼性を向上させることができる。
ところで、冷凍装置(20)の製造時や据付時には冷媒回路(10)内の真空引きを行うが、冷媒回路(10)内から水分を完全に排除することは現実的に不可能である。そして、冷媒回路(10)内に水分が残存していると、安定性が元々高くない冷媒の分解が促進されてしまう。
それに対し、上記第5の発明では、吸湿性の比較的高い冷凍機油が圧縮機(30)に設けられる。このため、冷媒回路(10)内に残存した水分を冷凍機油に吸収させることができ、冷媒回路(10)中に残存した水分による冷媒の分解を抑えることができる。従って、この発明によれば、冷媒回路(10)に充填された冷媒のうち分解されてしまうものの量を削減でき、冷凍装置(20)の信頼性を向上させることができる。
ここで、冷凍装置(20)の圧縮機(30)に設けられた冷凍機油は、その一部が圧縮された冷媒と共に圧縮機(30)から吐出されてゆく。圧縮機(30)から流出した冷凍機油は、冷媒回路(10)内を循環する冷媒に溶け込み、冷媒と共に圧縮機(30)へ戻ってくる。このため、圧縮機(30)内の冷凍機油の量がある程度以上に保たれ、圧縮機(30)内の冷凍機油が圧縮機構(82)等の潤滑に利用される。ところが、冷凍機油と冷媒の相溶性が低いと、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油のうち圧縮機(30)へ戻ってくるものの量が減ってしまい、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量が減少して圧縮機構(82)等の潤滑が不充分になるおそれがある。
それに対し、上記第6の発明では、冷凍機油の主成分が、上記第1,第4の発明で規定した冷媒との相溶性に優れた物質によって構成されている。つまり、この発明では、冷凍機油と冷媒との相溶性が高くなっている。従って、この発明によれば、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油のうち圧縮機(30)へ戻ってくるものの量を確保することができ、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量をある程度以上に保って潤滑不良に起因する圧縮機(30)の損傷を未然に防ぐことができる。
上記第7の発明では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の動粘度が、所定の数値範囲内に設定されている。また、上記第9の発明では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の表面張力が、所定の数値範囲内に設定されている。従って、これらの発明によれば、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量を抑えつつ、圧縮機(30)から一旦流出して再び圧縮機(30)へ戻って来る冷凍機油の量を確保できる。その結果、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を確保でき、潤滑不足に起因する圧縮機(30)のトラブルを未然に防いで冷凍装置(20)の信頼性を向上させることができる。
上記第8の発明では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の流動点が−30℃以下となっている。このため、冷凍装置(20)のうち運転中に低温となる部分においても冷凍機油の流動性を確保することができ、圧縮機構(82)等の摺動箇所に対する冷凍機油の供給量を確保して摺動箇所の潤滑を確実に行うことができる。また、摺動箇所に対する冷凍機油の供給量が確保されるため、摺動箇所での油膜強度が確保されるため、摺動箇所の異常摩耗や焼き付きを抑制することができる。
上記第10,第11の発明では、冷媒の安定性に悪影響を及ぼすおそれのある物質の冷凍機油中における濃度を、所定の値以下に抑えている。従って、これらの発明によれば、冷媒回路(10)に充填されている冷媒のうち分解されるものの量を削減することができ、冷媒の分解により生成した物質に起因する金属部品の腐食を抑えることができる。
上記第15の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に、いわゆる高圧冷媒であるジフルオロメタンが加えられている。このため、冷媒の圧力損失が冷凍装置(20)の運転効率に与える影響を小さくすることができるので、冷凍装置(20)の実際の運転効率を向上させることができる。
上記第16の発明では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒に、難燃性の冷媒であるペンタフルオロエタンが加えられている。従って、冷媒回路(10)に充填された冷媒の燃焼性を充分に低くすることができ、冷凍装置(20)の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態》
本実施形態は、本発明に係る冷凍装置によって構成された空気調和装置(20)である。本実施形態の空気調和装置(20)は、図1に示すように、室外機(22)と3台の室内機(23a,23b,23c)とを備えている。なお、室内機(23)の台数は、単なる例示である。
上記空気調和装置(20)は、冷媒を充填されて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備えている。冷媒回路(10)は、室外機(22)に収容される室外回路(9)と、各室内機(23)に収容される室内回路(17a,17b,17c)とを備えている。これらの室内回路(17a,17b,17c)は、液側連絡配管(18)及びガス側連絡配管(19)を介して室外回路(9)に接続されている。これらの室内回路(17a,17b,17c)は、互いに並列に接続されている。
本実施形態の冷媒回路(10)に充填された冷媒は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(以下、「HFO−1234yf」という。)だけで構成された単一成分の冷媒である。なお、HFO−1234yfは、その化学式がCF−CF=CHとなっており、その分子構造中に1つの二重結合を有している。
〈室外回路の構成〉
室外回路(9)には、圧縮機(30)、室外熱交換器(11)、室外膨張弁(12)、及び四路切換弁(13)が設けられている。
圧縮機(30)は、ケーシング(70)内に圧縮機構(82)と電動機(85)が収容された全密閉型の圧縮機である。圧縮機(30)の詳細な構造は、後述する。圧縮機(30)の電動機(85)には、インバータを介して電力が供給される。圧縮機(30)の運転容量は、電動機(85)の回転速度を変更することによって変化する。この圧縮機(30)は、吐出側が四路切換弁(13)の第2ポート(P2)に接続され、吸入側が四路切換弁(13)の第1ポート(P1)に接続されている。
室外熱交換器(11)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器である。室外熱交換器(11)の近傍には、室外ファン(14)が設けられている。室外熱交換器(11)では、室外空気と冷媒との間で熱交換が行われる。室外熱交換器(11)は、一端が四路切換弁(13)の第3ポート(P3)に接続され、他端が室外膨張弁(12)に接続されている。また、四路切換弁(13)の第4ポート(P4)は、ガス側連絡配管(19)に接続されている。
室外膨張弁(12)は、室外熱交換器(11)と室外回路(9)の液側端との間に設けられている。室外膨張弁(12)は、開度可変の電子膨張弁である。
四路切換弁(13)は、第1ポート(P1)と第4ポート(P4)とが連通して第2ポート(P2)と第3ポート(P3)とが連通する第1状態(図1に実線で示す状態)と、第1ポート(P1)と第3ポート(P3)とが連通して第2ポート(P2)と第4ポート(P4)とが連通する第2状態(図1に破線で示す状態)とが切り換え自在に構成されている。
〈室内回路の構成〉
各室内回路(17)には、そのガス側端から液側端へ向かって順に、室内熱交換器(15a,15b,15c)と、室内膨張弁(16a,16b,16c)とが設けられている。
室内熱交換器(15)は、クロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器である。室内熱交換器(15)の近傍には、室内ファン(21)が設けられている。各室内熱交換器(15a,15b,15c)では、室内空気と冷媒との間で熱交換が行われる。また、各室内膨張弁(16a,16b,16c)は、開度可変の電子膨張弁である。
〈圧縮機の構成〉
圧縮機(30)は、全密閉の高圧ドーム型のスクロール圧縮機である。ここでは、圧縮機(30)の構成について、図2〜図4を参照しながら説明する。
圧縮機(30)は、いわゆる縦型の密閉容器であるケーシング(70)を備えている。ケーシング(70)を備えている。ケーシング(70)の内部には、下から上へ向かって順に、下側軸受部材(86)と、電動機(85)と、圧縮機構(82)とが配置されている。
電動機(85)は、ステータ(83)とロータ(84)とを備えている。ステータ(83)は、ケーシング(70)の胴部に固定されている。一方、ロータ(84)は、ステータ(83)の内側に配置されている。また、ロータ(84)には、圧縮機構(82)のクランク軸(90)が連結されている。クランク軸(90)は、ロータ(84)と同軸になる姿勢で、ロータ(84)に挿通されている。
圧縮機構(82)は、可動スクロール(76)と、固定スクロール(75)と、駆動軸であるクランク軸(90)と、ハウジング(77)とを備えている。
クランク軸(90)は、主軸部(61)と偏心部(65)とによって構成されている。主軸部(61)は、互いに同軸上に配置された中間部(62)と大径部(63)と小径部(64)とによって構成されている。大径部(63)は、中間部(62)の上端に連続して形成されている。大径部(63)の外径は、中間部(62)の外径よりも大きくなっている。小径部(64)は、中間部(62)の下端に連続して形成されている。小径部(64)の外径は、中間部(62)の外径よりも小さくなっている。偏心部(65)は、主軸部(61)の大径部(63)の上端に連続して形成された円柱状の部分である。偏心部(65)の軸心は、主軸部(61)の軸心に対して偏心している。
可動スクロール(76)は、略円板状の可動側鏡板(76b)と、渦巻き状の可動側ラップ(76a)とを備えている。可動側ラップ(76a)は可動側鏡板(76b)の前面(上面)に立設されている。また、可動側鏡板(76b)の背面(下面)には、円筒状の筒状突部(76c)が立設されている。
可動スクロール(76)の筒状突部(76c)には、円筒状に形成された第1軸受メタル(41)が内嵌めされている。筒状突部(76c)に設けられた第1軸受メタル(41)には、クランク軸(90)の偏心部(65)が挿入されている。第1軸受メタル(41)の内周面は、偏心部(65)の外周面と摺接する。筒状突部(76c)と第1軸受メタル(41)は、クランク軸(90)の偏心部(65)を支持する第1ジャーナル軸受(31)を構成している。
可動スクロール(76)は、オルダムリング(79)を介して、可動スクロール(76)の下側に配置されたハウジング(77)に支持されている。一方、固定スクロール(75)は、略円板状の固定側鏡板(75b)と、渦巻き状の固定側ラップ(75a)とを備えている。固定側ラップ(75a)は固定側鏡板(75b)の前面(下面)に立設されている。
圧縮機構(82)では、固定側ラップ(75a)と可動側ラップ(76a)とが互いに噛み合うことによって、両ラップ(75a,76a)の接触部の間に複数の圧縮室(73)が形成されている。具体的に、圧縮機構(82)では、固定側ラップ(75a)の内周面と可動側ラップ(76a)の外周面との間に構成される第1圧縮室(73a)と、固定側ラップ(75a)の外周面と可動側ラップ(76a)の内周面との間に構成される第2圧縮室(73b)とが形成される。
、本実施形態の圧縮機構(82)では、いわゆる非対称渦巻き構造が採用されている(図3を参照)。つまり、この圧縮機構(82)では、固定側ラップ(75a)の巻き数(渦巻きの長さ)と、可動側ラップ(76a)の巻き数(渦巻きの長さ)とが互いに相違している。
圧縮機構(82)では、固定スクロール(75)の外縁部に吸入ポート(98)が形成されている。吸入ポート(98)には、ケーシング(70)の頂部を貫通する吸入管(57)が接続されている。吸入ポート(98)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞれに間欠的に連通する。また、吸入ポート(98)には、圧縮室(73)から吸入管(57)へ戻る冷媒の流れを禁止する吸入逆止弁が設けられている(図示省略)。
また、圧縮機構(82)では、固定側鏡板(75b)の中央部に吐出ポート(93)が形成されている。吐出ポート(93)は、可動スクロール(76)の公転運動に伴って、第1圧縮室(73a)と第2圧縮室(73b)のそれぞれに間欠的に連通する。吐出ポート(93)は、固定スクロール(75)の上側に形成されたマフラー空間(96)に開口している。
ハウジング(77)は、本体部(77a)と膨出部(77b)とで構成されている。本体部(77a)は、肉厚の円板状に形成され、その外周面がケーシング(70)の胴部の内周面と密着している。また、本体部(77a)は、その上面の中央部が窪んでいる。膨出部(77b)は、本体部(77a)の下面の中央部に形成され、本体部(77a)の下面から下方へ向かって膨出している。膨出部(77b)には、膨出部(77b)を上下に貫通する貫通孔(77c)が形成されている。
ハウジング(77)の膨出部(77b)に形成された貫通孔(77c)には、円筒状に形成された第2軸受メタル(42)が内嵌めされている。ハウジング(77)の膨出部(77b)に設けられた第2軸受メタル(42)には、クランク軸(90)の大径部(63)部が挿通されている。第2軸受メタル(42)の内周面は、大径部(63)の外周面と摺接する。ハウジング(77)と第2軸受メタル(42)は、クランク軸(90)の大径部(63)を支持する第2ジャーナル軸受(32)を構成している。
ケーシング(70)の内部空間は、ハウジング(77)によって上下に仕切られている。ケーシング(70)の内部空間では、ハウジング(77)の上側が吸入空間(101)となり、ハウジング(77)の下側が吐出空間(100)となっている。吸入空間(101)は、図示しない連通ポートを通じて、吸入ポート(98)に連通している。吐出空間(100)は、固定スクロール(75)とハウジング(77)とに亘ってに形成された連絡通路(103)を通じて、マフラー空間(96)に連通している。運転中の吐出空間(100)は、吐出ポート(93)から吐出された冷媒がマフラー空間(96)を通じて流入するので、圧縮機構(82)で圧縮された冷媒で満たされる高圧空間になる。吐出空間(100)には、ケーシング(70)の胴部を貫通する吐出管(56)が開口している。
下側軸受部材(86)は、円筒部(87)とアーム部(88)とによって構成されている。円筒部(87)は、両端が開口した厚肉の円筒状に形成されている。下側軸受部材(86)には、3つのアーム部(88)が放射状に設けられている。各アーム部(88)は、円筒部(87)の外周面から外側へ向かって伸び、その突端面がケーシング(70)の胴部の内周面と密着している。
下側軸受部材(86)の円筒部(87)には、円筒状に形成された第3軸受メタル(43)が内嵌めされている。円筒部(87)に設けられた第3軸受メタル(43)には、クランク軸(90)の小径部(64)が挿通されている。第3軸受メタル(43)の内周面は、小径部(64)の外周面と摺接する。下側軸受部材(86)と第3軸受メタル(43)は、クランク軸(90)の小径部(64)を支持する第3ジャーナル軸受(33)を構成している。
図4に示すように、第1軸受メタル(41)、第2軸受メタル(42)、及び第3軸受メタル(43)のそれぞれは、多孔質の青銅からなる基材(45)と、基材(45)に含浸させられた樹脂(46)とによって構成されている。各軸受メタル(41,42,43)の内周面には、青銅製の基材(45)と、基材(45)に含浸させられた樹脂(46)の両方が露出している。また、基材(45)に含浸させられる樹脂(46)としては、融点が250℃以上のポリアミド(PA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が用いられている。
本実施形態の圧縮機(30)では、電動機(85)の絶縁材料に、高温高圧の冷媒に接触した場合でも、冷媒により物理的や化学的に変性を受けない物質で、特に耐溶剤性、耐抽出性、熱的・化学的安定性、耐発泡性を有する物質が用いられている。電動機(85)の絶縁材料としては、ステータ(83)の巻き線の絶縁被覆材料と、ステータ(83)及びロータ(84)の絶縁フィルムとがある。
具体的に、ステータ(83)の巻き線の絶縁被覆材料は、ポリビニルフォルマール、ポリエステル、THEIC変性ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリエステルアミドイミドのうちから選ばれる1種類または複数種類の物質が用いられている。なお、好ましいのは、上層がポリアミドイミド、下層がポリエステルイミドの二重被覆線である。また、上記物質以外に、ガラス転移温度が120℃以上のエナメル被覆を用いてもよい。
また、絶縁フィルムには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリブチレンテフタレート(PBT)、の何れかが用いられている。なお、絶縁フィルムに、発泡材料が冷凍サイクルの冷媒と同じ発泡フィルムを用いることも可能である。インシュレーター等の巻き線を保持する絶縁材料には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)の何れかが用いられている。ワニスには、エポキシ樹脂が用いられている。また、シール材料には、ポリテトラフルオロエチレン、アラミド繊維やNBRからなるパッキン、パーフルオロエラストマー、シリコンゴム、水素化NBRゴム、フッ素ゴムの何れかが用いられている。
ケーシング(70)の内部空間では、その底部に冷凍機油が貯留されている。また、図2に示すように、クランク軸(90)の内部には第1給油通路(104)が形成され、可動側鏡板(76b)には第1給油通路(104)に接続する第2給油通路(105)が形成されている。
第1給油通路(104)は、1つの主通路(104a)と3つの分岐通路(104b〜104d)とによって構成されている。主通路(104a)は、クランク軸(90)の軸心に沿って伸び、クランク軸(90)の下端面と上端面の両方に開口している。各分岐通路(104b〜104d)は、主通路(104a)からクランク軸(90)の径方向へ延び、クランク軸(90)の外周面に開口している。第1分岐通路(104b)は、偏心部(65)の外周面(即ち、第1軸受メタル(41)との摺動面)に開口している。第2分岐通路(104c)は、大径部(63)の外周面(即ち、第2軸受メタル(42)との摺動面)に開口している。第3分岐通路(104d)は、小径部(64)の外周面(即ち、第3軸受メタル(43)との摺動面)に開口している。
ケーシング(70)の底部に溜まった冷凍機油は、第1給油通路(104)を通じてクランク軸(90)と各軸受メタル(41,42,43)の摺動箇所や、圧縮機構(82)の摺動箇所へ供給される。また、圧縮機構(82)において、冷凍機油は、可動スクロール(76)の可動側鏡板(76b)と固定スクロール(75)の摺動箇所へ、第2給油通路(105)を通じて供給される。
本実施形態では、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの3種類の基油のうち少なくとも1種類を主成分とする冷凍機油を圧縮機(30)に用いることが可能である。例えば、本実施形態の冷凍機油には、この3種類のうちポリビニルエーテルだけを主成分とする冷凍機油が用いられている。
本実施形態の冷凍機油では、下記一般式(I)で表される構成単位を有するポリビニルエーテルを主成分とする冷凍機油が用いられている。この構造のポリビニルエーテルは、ポリビニルエーテルの中でも、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒との相溶性に優れている。
Figure 2009222351
一般式(I)において、R1、R2、及びR3は、水素又は炭素数が1以上8以下の炭化水素基を表している。R1、R2、及びR3は、同一でもよく、互いに異なっていてもよい。また、一般式(I)においては、構成単位毎において、R4が炭素数が1又は2のアルキル基が40%以上100%以下、炭素数が3又は4のアルキル基が0%以上60%以下の構成比を有している。
また、本実施形態の冷凍機油は、40℃における動粘度が30cSt以上400cSt以下で、流動点が−30℃以下で、20℃における表面張力が0.02N/m以上0.04以下N/m以下で、15℃における密度が0.8g/cm以上1.8g/cm以下で、体積抵抗率が1010 Ω・m以上1015 Ω・m以下で、気温30℃で相対湿度90%の雰囲気中における飽和水分量が2000ppm以上で、さらにアニリン点が所定の数値範囲内の値になっている。更に、本実施形態の冷凍機油は、そこに含まれる塩素の濃度が50ppm以下になると共に、そこに含まれる硫黄の濃度が50ppm以下になっている。なお、これらの冷凍機油の物性値は、後述する変形例1、変形例2及びその他の実施形態に記載した冷凍機油も同じである。これらの物性値は、冷媒が溶解しない状態の冷凍機油自体の値である。
流動点の値は、「JIS K 2269」に規定された試験方法によって得られる。また、「アニリン点」は、例えば炭化水素系溶剤等の溶解性を示す数値であり、試料(ここでは冷凍機油)を等容積のアニリンと混合して冷やしたときに、互いに溶解し合えなくなって濁りがみえ始めたときの温度を表すものである。アニリン点の値は、「JIS K 2256」に規定された試験方法によって得られる。なお、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と適合する樹脂材料を選定する際には、冷凍機油のアニリン点を考慮して樹脂材料を選定することが重要である。
また、本実施形態では、冷凍機油の主成分となるポリビニルエーテルが、HFO−1234yfに対して比較的高い相溶性を有している。そして、冷凍機油の動粘度は、40℃において400cSt以下である。このため、HFO−1234yfが、冷凍機油にある程度溶解する。また、冷凍機油の流動点が−30℃以下であるため、冷媒回路(10)のうち低温となる部分においても、冷凍機油の流動性が確保される。また、冷凍機油の表面張力が20℃において0.04N/m以下であるため、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油が冷媒によって押し流されにくくなるような大きな油滴になりにくい。また、冷凍機油の密度が15℃において1.8g/cm以下であるため、密度が大きすぎて圧縮機(30)から吐出された冷凍機油が圧縮機(30)に戻りにくくなることが回避される。従って、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油は、HFO−1234yfに溶解してHFO−1234yfと共に圧縮機(30)に戻ってくる。
また、冷凍機油の表面張力が20℃において0.02N/m以上であるため、圧縮機(30)内のガス冷媒中で小さな油滴になりにくく、圧縮機(30)から多量に冷凍機油が吐出されることがない。また、冷凍機油の密度が15℃において0.8g/cm以上であるため、密度が小さすぎて、圧縮機(30)から多量に冷凍機油が吐出されることが回避される。
このように、本実施形態では、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量が低く抑えられ、また圧縮機(30)から吐出されてしまった冷凍機油は冷媒に溶け込んで戻ってくることになる。従って、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を充分に確保することができる。
さらに、冷凍機油の動粘度が40℃において30cSt以上であるため、動粘度が低すぎて油膜強度が不十分になることがなく、潤滑性能が確保される。このように、本実施形態では、圧縮機(30)において冷凍機油が不足することがなく、充分な油膜強度を確保することができる。このため、圧縮機(30)において潤滑不良が生じることが抑制される。
また、本実施形態では、冷凍機油の飽和水分量が、気温30℃で相対湿度90%の雰囲気中において2000ppm以上であるため、冷凍機油の吸湿性が比較的高いものとなる。これにより、HFO−1234yf中の水分を冷凍機油によって有る程度捕捉することが可能となる。HFO−1234yfは、含有される水分の影響により、変質/劣化し易い分子構造を有する。よって、冷凍機油による吸湿効果により、このような劣化を抑制することができる。
また、本実施形態では、冷凍機油のアニリン点が所定の数値範囲内の値となっている。つまり、樹脂によって構成された電動機(85)の絶縁材料の絶縁性が低下しない範囲のアニリン点の冷凍機油が用いられている。このため、冷凍機油の影響を受けて電動機(85)の絶縁材料の絶縁性が低下することが回避される。
また、本実施形態では、冷媒の安定性に悪影響を及ぼすおそれのある塩素や硫黄の冷凍機油中における濃度を、50ppm以下に抑えている。このため、冷媒回路に充填されている冷媒のうち分解されるものの量が減少し、冷媒の分解により生成した物質に起因する金属部品の腐食や樹脂部品の劣化が抑えられる。
また、本実施形態の冷凍機油には、添加剤として、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤が添加されている。なお、本実施形態では上記6つの添加剤を全て使用しているが、各添加剤は必要に応じて添加すればよく、添加剤が1つだけであってもよい。個々の添加剤の配合量は、冷凍機油に含まれる割合が0.01質量%以上5質量%以下になるように設定されている。なお、酸捕捉剤の配合量、及び酸化防止剤の配合量は、0.05質量%以上3質量%以下の範囲が好ましい。
酸捕捉剤としては、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、α−オレフィンオキシド、エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物を用いることができる。なお、これらの中で相溶性の観点から好ましい酸捕捉剤は、フェニルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエーテル、アルキレングリコールグリシジルエーテル、シクロヘキセンオキシド、α−オレフィンオキシドである。アルキルグリシジルエーテルのアルキル基、及びアルキレングリコールグリシジルエーテルのアルキレン基は、分岐を有していてもよい。これらの炭素数は、3以上30以下であればよく、4以上24以下であればより好ましく、6以上16以下であれば更に好ましい。また、α−オレフィンオキシドは、全炭素数が4以上50以下であればよく、4以上24以下であればより好ましく、6以上16以下であれば更に好ましい。酸捕捉剤は、1種だけを用いてもよく、複数種類を併用することも可能である。
極圧添加剤としては、リン酸エステル類を含むものを用いることができる。リン酸エステル類としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び酸性亜リン酸エステル等を用いることができる。また、極圧添加剤には、リン酸エステル類には、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル、及び酸性亜リン酸エステルのアミン塩を含むものを用いることもできる。
リン酸エステルには、トリアリールホスフェート、トリアルキルホスフェート、トリアルキルアリールホスフェート、トリアリールアルキルホスフェート、トリアルケニルホスフェート等がある。さらに、リン酸エステルの具体例としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ベンジルジフェニルホスフェート、エチルジフェニルホスフェート、トリブチルホスフェート、エチルジブチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、エチルフェニルジフェニルホスフェート、ジエチルフェニルフェニルホスフェート、プロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリエチルフェニルホスフェート、トリプロピルフェニルホスフェート、ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ジブチルフェニルフェニルホスフェート、トリブチルフェニルホスフェート、トリヘキシルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリデシルホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリミリスチルホスフェート、トリパルミチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェート等が挙げられる。
また、亜リン酸エステルの具体例としては、トリエチルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリクレジルホスファイト、トリ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリイソオクチルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、トリオレイルホスファイト等が挙げられる。
また、酸性リン酸エステルの具体例としては、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、テトラコシルアシッドホスフェート、イソデシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、トリデシルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、イソステアリルアシッドホスフェート等が挙げられる。
また、酸性亜リン酸エステルの具体例としては、ジブチルハイドロゲンホスファイト、ジラウリルハイドロゲンホスファイト、ジオレイルハイドゲンホスファイト、ジステアリルハイドロゲンホスファイト、ジフェニルハイドロゲンホスファイト等が挙げられる。以上のリン酸エステル類の中では、オレイルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェートが特に適している。
また、リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性リン酸エステル又は酸性亜リン酸エステルのアミン塩に用いられるアミンのうちモノ置換アミンの具体例としては、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベンジルアミン等が挙げられる。また、ジ置換アミンの具体例としては、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジラウリルアミン、ジステアリルアミン、ジオレイルアミン、ジベンジルアミン、ステアリル・モノエタノールアミン、デシル・モノエタノールアミン、ヘキシル・モノプロパノールアミン、ベンジル・モノエタノールアミン、フェニル・モノエタノールアミン、トリル・モノプロパノール等が挙げられる。また、トリ置換アミンの具体例としては、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリオクチルアミン、トリラウリルアミン、トリステアリルアミン、トリオレイルアミン、トリベンジルアミン、ジオレイル・モノエタノールアミン、ジラウリル・モノプロパノールアミン、ジオクチル・モノエタノールアミン、ジヘキシル・モノプロパノールアミン、ジブチル・モノプロパノールアミン、オレイル・ジエタノールアミン、ステアリル・ジプロパノールアミン、ラウリル・ジエタノールアミン、オクチル・ジプロパノールアミン、ブチル・ジエタノールアミン、ベンジル・ジエタノールアミン、フェニル・ジエタノールアミン、トリル・ジプロパノールアミン、キシリル・ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等が挙げられる。
また、上記以外の極圧添加剤を添加することも可能である。例えば、モノスルフィド類、ポリスルフィド類、スルホキシド類、スルホン類、チオスルフィネート類、硫化油脂、チオカーボネート類、チオフェン類、チアゾール類、メタンスルホン酸エステル類等の有機硫黄化合物系の極圧添加剤、チオリン酸トリエステル類等のチオリン酸エステル系の極圧添加剤、高級脂肪酸、ヒドロキシアリール脂肪酸類、多価アルコールエステル類、アクリル酸エステル類等のエステル系の極圧添加剤、塩素化炭化水素類、塩素化カルボン酸誘導体等の有機塩素系の極圧添加剤、フッ素化脂肪族カルボン酸類、フッ素化エチレン樹脂、フッ素化アルキルポリシロキサン類、フッ素化黒鉛等の有機フッ素化系の極圧添加剤、高級アルコール等のアルコール系の極圧添加剤、ナフテン酸塩類(ナフテン酸鉛等)、脂肪酸塩類(脂肪酸鉛等)、チオリン酸塩類(ジアルキルジチオリン酸亜鉛等)、チオカルバミン酸塩類、有機モリブデン化合物、有機スズ化合物、有機ゲルマニウム化合物、ホウ酸エステル等の金属化合物系の極圧添加剤を用いることが可能である。
また、酸化防止剤としては、フェノール系の酸化防止剤やアミン系の酸化防止剤を用いることができる。フェノール系の酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(DBPC)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール等が挙げられる。また、アミン系の酸化防止剤としては、N,N’−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、N.N’−ジ−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。なお、酸化防止剤としては、酸素を捕捉する酸素捕捉剤を用いることもできる。
また、銅不活性化剤としては、ベンゾトリアゾールやその誘導体等を用いることができる。消泡剤としては、ケイ素化合物を用いることができる。油性剤としては、高級アルコール類を用いることができる。
また、本実施形態の冷凍機油には、必要に応じて、耐荷重添加剤、酸素捕捉剤、塩素捕捉剤、清浄分散剤、粘度指数向上剤、防錆剤、安定剤、腐食防止剤、及び流動点降下剤等を添加することも可能である。酸素捕捉剤は、冷媒に混入する酸素を捕捉する添加剤である。個々の添加剤の配合量は、冷凍機油に含まれる割合が0.01質量%以上5質量%以下であればよく、0.05質量%以上3質量%以下であることが好ましい。
−運転動作−
上記空気調和装置(20)の運転動作について説明する。この空気調和装置(20)は、冷房運転と暖房運転とが実行可能になっており、四路切換弁(13)によって冷房運転と暖房運転との切り換えが行われる。
〈冷房運転〉
冷房運転時には、四路切換弁(13)が第1状態に設定される。この状態で、圧縮機(30)の運転が行われると、圧縮機(30)から吐出された高圧冷媒が、室外熱交換器(11)において室外空気へ放熱して凝縮する。室外熱交換器(11)で凝縮した冷媒は、各室内回路(17)へ分配される。各室内回路(17)では、流入した冷媒が、室内膨張弁(16)で減圧された後に、室内熱交換器(15)において室内空気から吸熱して蒸発する。一方、室内空気は冷却されて室内へ供給される。
各室内回路(17)で蒸発した冷媒は、他の室内回路(17)で蒸発した冷媒と合流して、室外回路(9)へ戻ってくる。室外回路(9)では、各室内回路(17)から戻ってきた冷媒が、圧縮機(30)で再び圧縮されて吐出される。なお、冷房運転中は、各室内膨張弁(16)の開度が、室内熱交換器(15)の出口における冷媒の過熱度が一定値(例えば5℃)になるように過熱度制御される。
〈暖房運転〉
暖房運転時には、四路切換弁(13)が第2状態に設定される。この状態で、圧縮機(30)の運転が行われると、圧縮機(30)から吐出された高圧冷媒が、各室内回路(17)へ分配される。各室内回路(17)では、流入した冷媒が室内熱交換器(15)において室内空気へ放熱して凝縮する。一方、室内空気は加熱されて室内へ供給される。室内熱交換器(15)で凝縮した冷媒は、他の室内回路(17)を通過した冷媒と合流し、室外回路(9)へ戻ってくる。
室外回路(9)では、各室内回路(17)から戻ってきた冷媒が、室外膨張弁(12)で減圧された後に、室外熱交換器(11)において室外空気から吸熱して蒸発する。室外熱交換器(11)で蒸発した冷媒は、圧縮機(30)で再び圧縮されて吐出される。なお、暖房運転中は、各室内膨張弁(16)の開度が、室内熱交換器(15)の出口における冷媒の過冷却度が一定値(例えば5℃)になるようにサブクール制御される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、軸受メタル(41,42,43)を構成する金属材料として、冷媒であるHFO−1234yfの分解によって生成する物質に対して耐食性を有する青銅が用いられている。このため、冷媒の分解により生成した物質に起因する軸受メタル(41,42,43)の腐食が未然に防止される。従って、本実施形態によれば、軸受メタル(41,42,43)の腐食に起因する圧縮機(30)の損傷を防ぐことができ、空気調和装置(20)の信頼性を向上させることができる。
ところで、空気調和装置(20)の製造時や据付時には冷媒回路(10)内の真空引きを行うが、冷媒回路(10)内から水分を完全に排除することは現実的に不可能である。そして、冷媒回路(10)内に水分が残存していると、安定性が元々高くないHFO−1234yfの分解が促進されてしまう。
それに対し、本実施形態では、吸湿性の比較的高い冷凍機油が圧縮機(30)に設けられる。このため、冷媒回路(10)内に残存した水分を冷凍機油に吸収させることができ、冷媒回路(10)中に残存した水分による冷媒の分解を抑えることができる。従って、本実施形態によれば、冷媒回路(10)に充填された冷媒のうち分解されてしまうものの量を削減でき、空気調和装置(20)の信頼性を向上させることができる。
ここで、空気調和装置(20)の圧縮機(30)に設けられた冷凍機油は、その一部が圧縮された冷媒と共に圧縮機(30)から吐出されてゆく。圧縮機(30)から流出した冷凍機油は、冷媒回路(10)内を循環する冷媒に溶け込み、冷媒と共に圧縮機(30)へ戻ってくる。このため、圧縮機(30)内の冷凍機油の量がある程度以上に保たれ、圧縮機(30)内の冷凍機油が圧縮機構(82)等の潤滑に利用される。ところが、冷凍機油と冷媒の相溶性が低いと、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油のうち圧縮機(30)へ戻ってくるものの量が減ってしまい、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量が減少して圧縮機構(82)等の潤滑が不充分になるおそれがある。
それに対し、本実施形態では、冷凍機油の主成分が、冷媒であるHFO−1234yfとの相溶性に優れた物質によって構成されている。つまり、本実施形態では、冷凍機油と冷媒との相溶性が高くなっている。従って、本実施形態によれば、圧縮機(30)から吐出された冷凍機油のうち圧縮機(30)へ戻ってくるものの量を確保することができ、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量をある程度以上に保って潤滑不良に起因する圧縮機(30)の損傷を未然に防ぐことができる。
本実施形態では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の動粘度が、所定の数値範囲内に設定されている。また、本実施形態では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の表面張力が、所定の数値範囲内に設定されている。従って、本実施形態によれば、圧縮機(30)から冷媒と共に吐出される冷凍機油の量を抑えつつ、圧縮機(30)から一旦流出して再び圧縮機(30)へ戻って来る冷凍機油の量を確保できる。その結果、圧縮機(30)における冷凍機油の貯留量を確保でき、潤滑不足に起因する圧縮機(30)のトラブルを未然に防いで空気調和装置(20)の信頼性を向上させることができる。
本実施形態では、圧縮機(30)に設けられる冷凍機油の流動点が−30℃以下となっている。このため、空気調和装置(20)のうち運転中に低温となる部分においても冷凍機油の流動性を確保することができ、圧縮機構(82)等の摺動箇所に対する冷凍機油の供給量を確保して摺動箇所の潤滑を確実に行うことができる。また、摺動箇所に対する冷凍機油の供給量が確保されるため、摺動箇所での油膜強度を確保することができ、摺動箇所の異常摩耗や焼き付きを抑制することができる。
本実施形態では、冷媒であるHFO−1234yfの安定性に悪影響を及ぼすおそれのある塩素や硫黄の冷凍機油中における濃度を、所定の値以下に抑えている。従って、本実施形態によれば、冷媒回路(10)に充填されている冷媒のうち分解されるものの量を削減することができ、冷媒の分解により生成した物質に起因する金属部品の腐食を抑えることができる。
本実施形態では、冷凍機油の潤滑性能が確保されるように、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤の6つの添加剤のうち少なくとも1つの添加剤が冷凍機油に添加されている。このため、冷凍機油の潤滑性能が低下することを抑制することができるので、圧縮機(30)において潤滑不良が生じることを抑制することができる。
本実施形態では、冷媒回路(10)に充填される冷媒として、HFO−1234yfと、いわゆる高圧冷媒であるジフルオロメタンとの混合冷媒が用いられている。このため、冷媒の圧力損失が空気調和装置(20)の運転効率に与える影響を小さくすることができるので、空気調和装置(20)の実際の運転効率を向上させることができる。
本実施形態では、冷媒回路(10)に充填される冷媒として、HFO−1234yfと、難燃性の冷媒であるペンタフルオロエタンとの混合冷媒が用いられている。従って、冷媒回路(10)に充填された冷媒の燃焼性を充分に低くすることができ、空気調和装置(20)の信頼性を向上させることができる。
−実施形態の変形例1−
本実施形態の圧縮機(30)で用いられる冷凍機油は、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの3種類の基油のうちポリオールエステルだけを主成分とする冷凍機油であってもよい。ポリオールエステルには、「脂肪族多価アルコールと直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸とのエステル」、「脂肪族多価アルコールと直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エステル」、及び「脂肪族多価アルコールと炭素数が3以上9以下の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エステルと、脂肪族二塩基酸若しくは芳香族二塩基酸とのコンプレックスエステル」のうちの何れかが用いられている。これらのポリオールエステルは、ポリオールエステルの中でも、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒との相溶性に優れている。
「脂肪族多価アルコールと直鎖状又は分岐鎖状の脂肪酸とのエステル又は部分エステル」を形成する脂肪族多価アルコールには、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ソルビトール等を用いることができる。このうち脂肪族多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、及びトリペンタエリスリトールが好ましい。
また、脂肪酸には、炭素数が3以上12以下のものを用いることができ、例えばプロピオン酸、酪酸、ピバリン酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、イソ吉草酸、ネオペンタン酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸を用いることができる。脂肪酸としては、炭素数が5以上12以下の脂肪酸が好ましく、炭素数が5以上9以下の脂肪酸が更に好ましい。具体的には、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、2,2−ジメチルオクタン酸、2−ブチルオクタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸等が好ましい。
また、「脂肪族多価アルコールと炭素数が3以上9以下の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪酸との部分エステルと、脂肪族二塩基酸若しくは芳香族二塩基酸とのコンプレックスエステル」では、炭素数が5以上7以下の脂肪酸が好ましく、炭素数が5又は6の脂肪酸が更に好ましい。具体的には、吉草酸、ヘキサン酸、イソ吉草酸、2−メチル酪酸、2−エチル酪酸又はその混合物が好ましい。また、炭素数が5の脂肪酸と炭素数が6の脂肪酸を重量比で10:90以上90:10以下の割合で混合した脂肪酸を使用することができる。
また、脂肪族二塩基酸には、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ドコサンナ二酸がある。また、芳香族二塩基酸には、フタル酸、イソフタル酸がある。コンプレックスエステルを調製するためのエステル化反応は、多価アルコールと二塩基酸を所定の割合で反応させて部分エステル化した後に、その部分エステルと脂肪酸とを反応させる。なお、二塩基酸と脂肪酸の反応順序を逆にしてもよく、二塩基酸と脂肪酸を混合してエステル化に供してもよい。
−実施形態の変形例2−
本実施形態の圧縮機(30)で用いられる冷凍機油は、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルの3種類の基油のうちポリアルキレングリコールだけを主成分とする冷凍機油であってもよい。
この変形例2では、分子式2:R1(R2)(R3O)R4(但し、m及びnは整数で、R1及びR4は、水素、炭素数が1以上6以下のアルキル基、又はアリール基を表し、R2及びR3は、炭素数が1以上4以下のアルキル基を表す。)で表される分子構造のポリアルキレングリコールが用いられている。この分子構造のポリアルキレングリコールは、ポリアルキレングリコールの中でも、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒との相溶性に優れている。
《その他の実施形態》
上記実施形態は、以下のように構成してもよい。
上記実施形態の圧縮機(30)では、軸受メタル(41,42,43)が青銅だけで構成されていてもよい。
また、上記実施形態の圧縮機(30)では、ポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルのうち2つ以上を主成分とする冷凍機油を用いてもよい。
また、上記実施形態では、冷媒回路(10)の冷媒として、上記分子式1:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒のうちHFO−1234yf以外の冷媒だけからなる単一組成の冷媒を用いてもよい。具体的には、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(「HFO−1234ze」といい、化学式はCF−CH=CHFで表される。)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(「HFO−1234ye」といい、化学式はCHF−CF=CHFで表される。)、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(「HFO−1243zf」といい、化学式はCF−CH=CHで表される。)、1,2,2−トリフルオロ−1−プロペン(化学式はCH−CF=CFで表される。)、2−フルオロ−プロペン(化学式はCH−CF=CHで表される。)等を用いることができる。
また、上記実施形態では、冷媒回路(10)の冷媒として、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒(2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2,2−トリフルオロ−1−プロペン、2−フルオロ−プロペン)に、それ以外の物質からなる副成分が混入された混合冷媒を用いてもよい。この混合冷媒を構成する副成分としては、例えば、1,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロペン(「HFO−1225ye」といい、化学式はCF−CF=CHFで表される。)、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(「HFO−1234ze」といい、化学式はCF−CH=CHFで表される。)、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(「HFO−1234ye」といい、化学式はCHF−CF=CHFで表される。)、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(「HFO−1243zf」といい、化学式はCF−CH=CHで表される。)、1,2,2−トリフルオロ−1−プロペン(化学式はCH−CF=CFで表される。)、2−フルオロ−1−プロペン(化学式はCH−CF=CHで表される。)等を用いることができる。
また、上記実施形態では、上記分子式1で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒(2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、1,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン、1,2,2−トリフルオロ−1−プロペン、2−フルオロ−1−プロペン)に、HFC−32(ジフルオロメタン)、HFC−125(ペンタフルオロエタン)、HFC−134(1,1,2,2―テトラフルオロエタン)、HFC−134a(1,1,1,2―テトラフルオロエタン)、HFC−143a(1,1,1−トリフルオロエタン)、HFC−152a(1,1−ジフルオロエタン)、HFC−161、HFC−227ea、HFC−236ea、HFC−236fa、HFC−365mfc、メタン、エタン、プロパン、プロペン、ブタン、イソブタン、ペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン、ジメチルエーテル、ビス−トリフルオロメチル−サルファイド、二酸化炭素、ヘリウムのうち少なくとも1つを加えた混合冷媒を用いてもよい。
例えば、HFO−1234yfとHFC−32の2成分からなる混合冷媒を用いてもよい。例えば、78.2質量%のHFO−1234yfと、21.8質量%のHFC−32とからなる混合冷媒を用いることができる。なお、HFO−1234yfとHFC−32の混合冷媒は、HFO−1234yfの割合が70質量%以上94質量%以下でHFC−32の割合が6質量%以上30質量%以下であればよく、好ましくは、HFO−1234yfの割合が77質量%以上87質量%以下でHFC−32の割合が13質量%以上23質量%以下であればよく、更に好ましくは、HFO−1234yfの割合が77質量%以上79質量%以下でHFC−32の割合が21質量%以上23質量%以下であるのがよい。
また、HFO−1234yfとHFC−125の混合冷媒を用いてもよい。この混合冷媒において、HFC−125の割合は、10質量%以上であるのが好ましく、10質量%以上20質量%以下であるのが更に好ましい。
また、HFO−1234yfとHFC−32とHFC−125の3成分からなる混合冷媒を用いてもよい。この場合は、52質量%のHFO−1234yfと、23質量%のHFC−32と、25質量%のHFC−125とからなる混合冷媒を用いることができる。
また、上記実施形態について、ケイ酸や合成ゼオライトが乾燥剤として充填された乾燥器を冷媒回路(10)に設けてもよい。
また、上記実施形態では、圧縮機(30)がいわゆる横型に構成されていてもよい。更に、上記実施形態について、圧縮機(30)が、レシプロ式、ロータリ式、スクリュー式などの他のタイプの圧縮機であってもよい。
また、上記実施形態では、冷房運転と暖房運転を選択的に行う空気調和装置(20)を冷凍装置によって構成しているが、冷凍装置の用途はこれに限定されるものではない。つまり、本発明の冷凍装置は、暖房専用の空気調和装置を構成するものであってもよいし、冷蔵庫や冷凍庫の庫内を冷却する冷却装置を構成するものであってもよいし、冷媒によって水を加熱する給湯装置を構成するものであってもよい。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷凍サイクルを行う冷凍装置について有用である。
実施形態の冷凍装置の概略構成を示す冷媒回路図である。 実施形態の圧縮機の縦断面図である。 実施形態の圧縮機の要部を示す圧縮機構の横断面図である。 実施形態の圧縮機の軸受メタルの断面を示す拡大断面図である。
符号の説明
10 冷媒回路
20 冷凍装置
30 圧縮機
41 第1軸受メタル(軸受部材)
42 第2軸受メタル(軸受部材)
43 第3軸受メタル(軸受部材)
45 基材
46 樹脂
82 圧縮機構
90 クランク軸(駆動軸)

Claims (16)

  1. 圧縮機(30)によって冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、
    上記冷媒回路(10)には、分子式:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が充填されている冷凍装置であって、
    上記圧縮機(30)には、冷媒を圧縮する流体機械である圧縮機構(82)と、該圧縮機構(82)の駆動軸(90)と摺接してジャーナル軸受を構成する軸受部材(41,42,43)と、上記圧縮機構(82)を潤滑するための冷凍機油とが設けられており、
    上記軸受部材(41,42,43)は、多孔質の青銅からなる基材(45)と該基材(45)に含浸した樹脂(46)とによって構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  2. 請求項1において、
    上記軸受部材(41,42,43)に設けられた樹脂(46)は、その融点が250℃以上となっている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記軸受部材(41,42,43)に設けられた樹脂(46)は、ポリアミド又はポリテトラフルオロエチレンである
    ことを特徴とする冷凍装置。
  4. 圧縮機(30)によって冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う冷媒回路(10)を備え、
    上記冷媒回路(10)には、分子式:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒、又は該冷媒を含む混合冷媒が充填されている冷凍装置であって、
    上記圧縮機(30)には、冷媒を圧縮する流体機械である圧縮機構(82)と、該圧縮機構(82)の駆動軸(90)と摺接してジャーナル軸受を構成する軸受部材(41,42,43)と、上記圧縮機構(82)を潤滑するための冷凍機油とが設けられており、
    上記軸受部材(41,42,43)の材質が青銅である
    ことを特徴とする冷凍装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つにおいて、
    上記冷凍機油は、気温30℃で相対湿度90%の雰囲気中における飽和水分量が2000ppm以上となっている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  6. 請求項1乃至5の何れか1つにおいて、
    上記冷凍機油は、その主成分がポリアルキレングリコール、ポリオールエステル、及びポリビニルエーテルのうち少なくとも1つで構成されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  7. 請求項1乃至6の何れか1つにおいて、
    上記冷凍機油は、40℃における動粘度が30cSt以上400cSt以下となっている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  8. 請求項1乃至7の何れか1つにおいて、
    上記冷凍機油は、流動点が−30℃以下となっている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  9. 請求項1乃至8の何れか1つにおいて、
    上記冷凍機油は、20℃における表面張力が0.02N/m以上0.04N/m以下となっている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1つにおいて、
    上記冷凍機油に含まれる塩素の濃度が50ppm以下となっている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  11. 請求項1乃至10の何れか1つにおいて、
    上記冷凍機油に含まれる硫黄の濃度が50ppm以下となっている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  12. 請求項1乃至11の何れか1つにおいて、
    上記圧縮機(30)に設けられた冷凍機油には、酸捕捉剤、極圧添加剤、酸化防止剤、消泡剤、油性剤、及び銅不活性化剤のうち少なくとも1つが添加剤として添加されている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  13. 請求項12において、
    上記圧縮機(30)に設けられた冷凍機油では、1種類の添加剤が添加されている場合には該添加剤の割合が0.01質量%以上5質量%以下になり、複数種類の添加剤が添加されている場合には各添加剤の割合が0.01質量%以上5質量%以下になっている
    ことを特徴とする冷凍装置。
  14. 請求項1乃至13の何れか1つにおいて、
    上記分子式:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒は、2,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペンである
    ことを特徴とする冷凍装置。
  15. 請求項1乃至14の何れか1つにおいて、
    上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ジフルオロメタンとを含む混合冷媒である
    ことを特徴とする冷凍装置。
  16. 請求項1乃至14の何れか1つにおいて、
    上記冷媒回路(10)に充填される冷媒は、上記分子式:C(但し、m及びnは1以上5以下の整数で、m+n=6の関係が成立する。)で表され且つ分子構造中に二重結合を1個有する冷媒と、ペンタフルオロエタンとを含む混合冷媒である
    ことを特徴とする冷凍装置。
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