JP2012057724A - ガス輸送用可撓管 - Google Patents
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Abstract
【課題】 中圧A〜高圧の条件で使用しても、可撓管外部へのガスの透過を抑え、軽量で可撓性にも優れるガス輸送用可撓管を提供する。
【解決手段】 管体3は、ガス用配管1の最内層に位置する。管体3は、樹脂製であり例えばポリエチレン製である。管体3は可撓性に管体3の外周には、遮蔽層5が設けられる。遮蔽層5は、管体3内部を流れるガスが管体3を透過した際に、それ以上外周側へのガスの透過を遮蔽するものである。遮蔽層5の内面は管体3の外面と密着し、隙間等が形成されないように構成される。遮蔽層5の外周には、補強層7が設けられる。補強層7は、管体3内を流れるガスの内圧に対する補強層である。補強層7の外周には、保護層9が設けられる。保護層9は、敷設時や取扱い時に補強層が傷つくことを防止し、補強層等に水が浸入することを防止するための層である。保護層9は、例えば低密度ポリエチレン製である。
【選択図】図1
【解決手段】 管体3は、ガス用配管1の最内層に位置する。管体3は、樹脂製であり例えばポリエチレン製である。管体3は可撓性に管体3の外周には、遮蔽層5が設けられる。遮蔽層5は、管体3内部を流れるガスが管体3を透過した際に、それ以上外周側へのガスの透過を遮蔽するものである。遮蔽層5の内面は管体3の外面と密着し、隙間等が形成されないように構成される。遮蔽層5の外周には、補強層7が設けられる。補強層7は、管体3内を流れるガスの内圧に対する補強層である。補強層7の外周には、保護層9が設けられる。保護層9は、敷設時や取扱い時に補強層が傷つくことを防止し、補強層等に水が浸入することを防止するための層である。保護層9は、例えば低密度ポリエチレン製である。
【選択図】図1
Description
本発明は、特に中・高圧の天然ガス等のガスを輸送するためのガス輸送用可撓管に関するものである。
通常、天然ガス等のガスの輸送用の配管には、鋼管が用いられる。鋼管は耐圧強度さえ有すれば、使用するガスの圧力によらずに適用が可能である。ところで、ガスの圧力は、ガス事業法によって、低圧(水柱ゲージ圧力0.1MPa未満)、中圧B(水柱ゲージ圧力0.1MPa〜0.3MPa未満)、中圧A(水柱ゲージ圧力0.3MPa〜1.0MPa未満)、高圧(水柱ゲージ圧力1MPa以上)と分類されている。
また、JIS K6774によれば、低圧〜中圧Bの用途であれば、ポリエチレン素管(PE80)をガス配管として用いることができると規定されている。たとえば、特許文献1には、敷地内のガスメータの一次側に引き込まれるガス管として、ポリエチレン管や金属製のフレキシブル管が使用可能であることが記載されている。(特許文献1)。
前述の通り、中圧Bよりも使用圧力が低い場合には、樹脂を透過するガス(例えばメタンガス)の量は問題となるレベルではないが、ガスの透過量は、ガス圧力に比例して増加し、管の肉厚に反比例することが知られている。したがって、低圧(例えば0.1MPa)で使用していた樹脂管を、高圧(例えば1.0MPa)で使用すると、ガスの透過量は10倍となる。しかし、肉厚を増したのでは、単位重量が大きくなり、コストや取り回しにも不利となる。
一方で、樹脂配管を用いることができれば、重量のある鋼管を用いる必要がなく、敷設作業も容易である。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、中圧A〜高圧の条件で使用しても、可撓管外部へのガスの透過を抑え、軽量で可撓性にも優れるガス輸送用可撓管を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明は、可撓性を有する樹脂製の管体と、前記管体の外周に設けられる補強層と、前記補強層の外周に設けられる保護層と、を具備し、前記管体の内周側、または、前記管体の外周側であって前記管体と前記補強層との間に、ガスの透過を遮蔽するガス遮蔽層が設けられることを特徴とするガス輸送用可撓管である。
前記管体はポリエチレン製であり、前記ガス遮蔽層の常温での天然ガス透過係数が、常温でのポリエチレンの天然ガス透過係数に対して1/2以下であることが望ましい。
前記ガス遮蔽層は、前記管体の外周に遮蔽帯が縦添え巻きされて形成され、前記ガス遮蔽層の外周に前記補強層が巻きつけられることが望ましい。
前記遮蔽帯は、樹脂フィルムの表面に無機材がコーティングされて構成されてもよく、前記遮蔽帯は、樹脂フィルムにより金属箔がラミネートされたラミネートフィルムにより構成されてもよい。前記ガス遮蔽層は、前記管体の内面側または外面側に一体で押出成形されてもよい。
本発明によれば、天然ガス等のガスの透過を防止する遮蔽層が設けられるため、ガスの透過が、遮蔽層で遮断され、ガスが遮蔽層よりも径方向外部に漏れることがない。このため、配管敷設部の周囲にガスが漏れだすことがない。
また、遮蔽層は、補強層よりも内周側に形成される。このため、内部の圧力による周方向への伸びが補強層により抑えられる。したがって、遮蔽層自体に耐圧強度を持たせる必要がない。また、補強層よりも内周側に遮蔽層を設けることで、管体を通過したガスが補強層に貯留されることがなく、補強層と管体との間に隙間が形成される等の問題もない。
また、管体として、安価で加工性にも優れるポリエチレン管を用い、遮蔽層としてポリエチレンよりもガス透過係数が1/2以下のものを用いれば、肉厚を過剰に厚くすることなく、ガスを遮蔽することができる。
ここで、ガス透過係数は材質によって定まるものであるが、本発明において、遮蔽層が複合材(複層材)である場合には、複合材を構成する各層の厚みとそれぞれのガス透過係数とから算出される、複合材全体としてのガスの透過量から導き出されるものを、当該複合材のガス透過係数とする。
また、ガス遮蔽層が、遮蔽帯を管体の外周に縦添え巻きすることで構成されれば、遮蔽帯同士のラップ部以外には、遮蔽帯同士の隙間が形成されないため、ガスの透過を確実に遮蔽することができる。
また、遮蔽帯が、樹脂フィルムの表面に無機材がコーティングされて形成されれば、主に無機材のコーティングによってガスの透過を遮蔽することができるため、ガス管の肉厚を過剰に厚くする必要がなく、また、可撓性にも優れる。
また、遮蔽帯が、樹脂フィルムにより金属箔がラミネートされて形成されれば、主に金属箔によってガスの透過を遮蔽することができるため、ガス管の肉厚を過剰に厚くする必要がなく、また、可撓性にも優れ、さらに、遮蔽帯を管体に巻きつけてラップ部を融着等により接合することも容易である。
また、ガス遮蔽帯が管体の内面側または外面側に管体と一体で押出成形されれば、管体と遮蔽層とを一括して製造可能であるため、製造性に優れる。
本発明によれば、中圧A〜高圧の条件で使用しても、可撓管外部へのガスの透過を抑え、軽量で可撓性にも優れるガス輸送用可撓管を提供することができる。
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、ガス用配管1を示す図であり、図1(a)は斜視図、図1(b)は断面図である。ガス輸送用可撓管であるガス用配管1は、主に、管体3、遮蔽層5、補強層7、保護層9等から構成される。ガス用配管1は、例えば、中圧〜高圧(1MPa以上)の天然ガス等の輸送に用いられる可撓管である。
管体3は、ガス用配管1の最内層に位置する。管体3は、樹脂製であり例えばポリエチレン(高密度ポリエチレン)製である。管体3は可撓性に優れ、内部にガスが流される。
管体3の外周には、遮蔽層5が設けられる。遮蔽層5は、管体3内部を流れるガスが管体3を透過した際に、それ以上外周側へのガスの透過を遮蔽するものである。遮蔽層5の内面は管体3の外面と密着し、隙間等が形成されないように構成される。
遮蔽層5は、ポリエチレンの常温での天然ガス透過係数(4.87×10^(−11) (cm3(STP)・cm)/(sec・cm2・cmHG))の1/2以下の天然ガス透過係数を有する材質で構成されることが望ましい。ここで、STPは、0℃1気圧でのガスの体積を意味する。
遮蔽層としては、例えばEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、塩化ビニル、ポリメタリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、延伸ナイロン6(ONY)やPET(ポリエチレンテレフタレート)などが使用できる。また、湿度の変化に関係なく一定の透過係数を必要とする場合は、PETやPVDCなどの疎水性樹脂が望ましい。なお、従来の中圧Bの使用圧力の最大値である0.3MPa程度で使用される配管を、高圧である1MPa程度の圧力で使用する場合において、後述するように、管体3の外周に遮蔽層が巻きつけられて使用される場合には、遮蔽層のガス透過係数を管体のガス透過係数の1/3〜1/4程度以下とすることで、ガスの透過量を中圧での使用時と同等以下とすることができ、さらに望ましくは、管体を構成する樹脂のガス透過係数の1/5程度以下とする。
遮蔽層としては、例えばEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)、塩化ビニル、ポリメタリロニトリル、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、延伸ナイロン6(ONY)やPET(ポリエチレンテレフタレート)などが使用できる。また、湿度の変化に関係なく一定の透過係数を必要とする場合は、PETやPVDCなどの疎水性樹脂が望ましい。なお、従来の中圧Bの使用圧力の最大値である0.3MPa程度で使用される配管を、高圧である1MPa程度の圧力で使用する場合において、後述するように、管体3の外周に遮蔽層が巻きつけられて使用される場合には、遮蔽層のガス透過係数を管体のガス透過係数の1/3〜1/4程度以下とすることで、ガスの透過量を中圧での使用時と同等以下とすることができ、さらに望ましくは、管体を構成する樹脂のガス透過係数の1/5程度以下とする。
遮蔽層5の外周には、補強層7が設けられる。なお、遮蔽層5の外周とは、特に記載がない限り、断面における遮蔽層5の外側であることを意味し、遮蔽層5と補強層7との間に他の層構造を有することをも含むものである。以下の説明においては、各層の位置関係において、単に「外周」と称するが、同様に、各層間に他の層構造を有するものを含むことは言うまでもない。
補強層7は、管体3内を流れるガスの内圧に対する補強層である。したがって、使用される内圧に応じて、補強層7の耐圧強度が設定される。補強層7としては、例えば、補強テープにより形成される。補強テープは、たとえばポリアリレート繊維やアラミド繊維製のテープが巻きつけられる。また、スーパ繊維であるクラレ社製のベクトラン(登録商標)を使ったテープを使用することもできる。なお、ポリアリレート繊維製テープの巻き付けは、例えば、テープ幅方向の端部同士をラップさせるように巻きつけてもよく、または、多少のギャップを設けて巻きつけてもよい。また、ポリアリレート繊維製テープを正逆2重に巻きつけるなど、複数回巻きつけて補強層7を形成してもよい。なお、ポリアリレート繊維製テープの巻き付け方法は、ポリアリレート繊維製テープの強度や必要とされる耐内圧に応じて適宜決定される。
補強層7の外周には、保護層9が設けられる。保護層9は、敷設時や取扱い時に補強層が傷つくことを防止し、補強層等に水が浸入することを防止するための層である。保護層9は、例えば低密度ポリエチレン製である。以上のように、ガス用配管1を構成する各層は、それぞれガス用配管1の曲げ変形等に追従し、可撓性を有する。
なお、ガス用配管1は、たとえば、外径180φ、肉厚13.3mmの高密度ポリエチレン製の管体3の外周に、1mm厚の遮蔽層5(PET)を設け、さらにポリアリレート繊維製の厚さ1mmの補強層7の外周に低密度ポリエチレン製の厚さ2.5mmの保護層9を設けたものが使用できる。
次に、遮蔽層5の構築方法を説明する。図2は、管体3の外周部に遮蔽層5を設ける工程を示す図である。遮蔽層5は遮蔽帯11により形成される。遮蔽帯11は、フィルム状の部材であり、前述の通り、ポリエチレンの常温での天然ガス透過係数よりも透過係数の小さな材質で構成される。遮蔽帯11の幅は、管体3の外周長よりもわずかに大きい。
図2(a)に示すように、遮蔽帯11は、遮蔽帯11の長手方向が、管体3の軸方向に略同一の方向になるように管体3へ送られ、この際、遮蔽帯11の両側は、管体3全体を包むようにU字状に曲げられる。さらに、遮蔽帯11によって管体3が包みこまれる(図2(b))。すなわち、遮蔽帯11の両側端部同士を管体3の外周部でラップさせ、遮蔽帯11で管体3を包みこむ。すなわち、ラップ部13が管体3の軸方向に沿って形成される。以上のようにして、遮蔽帯11が管体3に巻きつけられ、遮蔽層5が形成される。なお、図2に示すような、遮蔽帯11を管体3へ巻き付け方を、縦添え巻きと称する。
ここで、遮蔽体11の巻き方は、図3に示すように、縦添え巻きに限らず、管体3の軸方向に端部がラップするようにらせん巻きすることもできる。この場合は、らせん巻きする遮蔽体11の内周面に、接着強度の高い接着剤や粘着剤層を構成しておくことで、ガスの透過を防止することができるので、らせん巻きの遮蔽体11の構成も適用できる。なお、以下の説明では、縦添え巻きの例について説明する。
ここで、遮蔽体11の巻き方は、図3に示すように、縦添え巻きに限らず、管体3の軸方向に端部がラップするようにらせん巻きすることもできる。この場合は、らせん巻きする遮蔽体11の内周面に、接着強度の高い接着剤や粘着剤層を構成しておくことで、ガスの透過を防止することができるので、らせん巻きの遮蔽体11の構成も適用できる。なお、以下の説明では、縦添え巻きの例について説明する。
次に、ガス用配管1の製造方法について説明する。あらかじめ押出により製造された樹脂製の管体3に対し、遮蔽帯供給機等から、遮蔽帯11が管体3の外周に供給され、図2に示すようにフォーミングされながら遮蔽帯11が管体3の外周に巻きつけられる。なお、ラップ部は融着、接着など適宜選択される。
次に、遮蔽帯11が巻きつけられた管体3の外周に補強テープ巻き機等により補強テープが巻きつけられて補強層が形成される。さらに補強層が設けられた管体3は押出機に送られ、押出機によって、外周部に樹脂が押し出され、保護層9が形成される。以上により、ガス用配管1は製造される。
次に、遮蔽層5の機能について説明する。図4は、ガス用配管1の断面の一部を示す図である。管体3内には、天然ガス等のガスが流れている。天然ガス(主にメタンガス)は、樹脂製の管体3を透過する(図中矢印A方向)。管体3の外周には遮蔽層5が形成される。遮蔽層5は、前述の通り、管体3を構成する樹脂の天然ガスの透過係数よりも小さな透過係数を有する。したがって、遮蔽層5は、管体3を透過した天然ガスを遮蔽する。したがって、配管の外部に天然ガスが透過して漏れだすことがない。
以上説明したように、第1の実施形態にかかるガス用配管1によれば、遮蔽層5が設けられるため、内部を流れる天然ガスがガス用配管1の外部に漏れだすこと抑制することができる。また、遮蔽層5は補強層7の内周側に配置されるため、内部の圧力により生じる管体周方向への張力を、外周側の補強層7が受け持つため、遮蔽層5には耐内圧を考慮した強度は不要である。また、遮蔽層5が補強層7の内周側に配置することで、補強層7との隙間に天然ガス等が溜まることがない。
また、遮蔽帯11が縦添え巻きされるため、遮蔽帯11同士の隙間が少なく、確実に天然ガスを遮蔽することができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態において、図1〜図4に示す構成と同一の機能を果たす構成要素には、図1〜図4と同一番号を付し、重複した説明を避ける。
図5は、第2の実施の形態に用いられる遮蔽帯11aを示す図である。遮蔽帯11aは、金属フィルム17を樹脂フィルム15a、15bでラミネートしたものである。金属フィルム17は、フィルム上に薄く加工が容易であるものであれば良い。たとえば、アルミニウム、ステンレス、外面に耐食性の良い材質でクラッドしたクラッド鋼等が使用できる。なお、金属フィルムは例えば0.05mm程度の厚さであり、遮蔽帯11a全体としては、例えば0.2〜0.3mm程度であればよい。ここで、ラミネートフィルムの樹脂フィルム側には、後述のように、粘着剤や接着剤をコーティングしておくと良い。
なお、遮蔽帯11aにおいては、金属フィルム17が天然ガスの透過を遮蔽するため、樹脂フィルム15a、15bは、天然ガスの透過係数が管体3と同等であってもよい。また、遮蔽帯11aも遮蔽帯11と同様に、管体3の外周に楯添え巻きされることが望ましい。
遮蔽帯11aを用いれば、金属フィルム17を用いることで、より確実に天然ガスの透過を遮蔽することができる。また、遮蔽層によって可撓性が損なわれることがない。また、樹脂フィルム15a、15bによってラミネートすることで、補強テープを巻きつける際等において、金属フィルム17の折れ曲がりや破れ、しわなどの発生を防止できる。なお、金属フィルム17と樹脂フィルム15a、15bは接着や圧着など公知の技術が使用できる。
次に、第3の実施の形態について説明する。図6は、第3の実施の形態に用いられる遮蔽帯11bを示す図である。遮蔽帯11bは、樹脂フィルム19の少なくとも一方の面にコーティング21が施されたものである。コーティング21は、無機材であり、金属等の蒸着やメッキ等であってもよく、またはDLC(Diamond Like Carbon)等であってもよい。
なお、遮蔽帯11bにおいても、コーティング21が天然ガスの透過を遮蔽するため、樹脂フィルム19は、天然ガスの透過係数が管体3と同等であってもよい。また、遮蔽帯11bも遮蔽帯11と同様に、管体3の外周に楯添え巻きされることが望ましい。
遮蔽帯11bを用いれば、コーティング21によって、より確実に天然ガスの透過を遮蔽することができる。また、コーティング21の厚さは極めて薄いため、遮蔽層5の厚みをより薄くすることができる。また、遮蔽層によって可撓性が損なわれることがない。
次に、第4の実施の形態について説明する。図7は、第4の実施の形態にかかるガス用配管30a、30bを示す図である。図7(a)に示すように、ガス用配管30aは、遮蔽層31が管体3の内面側に設けられる。遮蔽層31は、樹脂製であり、管体3と一体で押出成形される。
また、図7(b)に示すように、遮蔽層31が管体3の外面側に設けられるガス用配管30bを用いることもできる。ガス用配管30a、30bにおいては、遮蔽層31は樹脂製であり、管体3と一体で押出成形される。すなわち、管体3と遮蔽層31とは一体で形成された2重管である。
管体3は、例えばポリエチレン製である。これに対し、遮蔽層31は、管体3を構成する樹脂よりも天然ガスの透過係数が小さい材質で構成される。たとえば、ポリエチレンの常温での天然ガスの透過係数の1/2以下の天然ガス透過係数を有する材質で構成されることが望ましい。遮蔽層31としては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂)などが使用できる。
なお、管体3と遮蔽層31とを確実に密着させるためには、互いに相溶性のある材質で構成することが望ましい。特に、ガス用配管30bにおいては、管体3と遮蔽層31とを密着させることで、これらの間に天然ガス等が溜まることがない。
第4の実施の形態によれば、遮蔽層31が管体3と一体で形成されるため、製造が容易である。また、遮蔽層31同士の接合部(ラップ部)等がないため、より確実に天然ガスを遮蔽することができる。また、遮蔽層31を管体3の内外いずれに配置しても、その外周側に補強層7が設けられるため、遮蔽層31自体には、耐内圧のための強度は不要である。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、30a、30b………ガス用配管
3………管体
5………遮蔽層
7………補強層
9………保護層
11、11a、11b………遮蔽帯
13………ラップ部
15a、15b………樹脂フィルム
17………金属フィルム
19a………樹脂フィルム
21………コーティング
31………遮蔽層
3………管体
5………遮蔽層
7………補強層
9………保護層
11、11a、11b………遮蔽帯
13………ラップ部
15a、15b………樹脂フィルム
17………金属フィルム
19a………樹脂フィルム
21………コーティング
31………遮蔽層
Claims (6)
- 可撓性を有する樹脂製の管体と、
前記管体の外周に設けられる補強層と、
前記補強層の外周に設けられる保護層と、
を具備し、
前記管体の内周側、または、前記管体の外周側であって前記管体と前記補強層との間に、ガスの透過を遮蔽するガス遮蔽層が設けられることを特徴とするガス輸送用可撓管。 - 前記管体はポリエチレン製であり、前記ガス遮蔽層の常温での天然ガス透過係数が、常温でのポリエチレンの天然ガス透過係数に対して1/2以下であることを特徴とする請求項1記載のガス輸送用可撓管。
- 前記ガス遮蔽層は、前記管体の外周に遮蔽帯が縦添え巻きされて形成され、前記ガス遮蔽層の外周に前記補強層が巻きつけられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス輸送用可撓管。
- 前記遮蔽帯は、樹脂フィルムの表面に無機材がコーティングされて構成されることを特徴とする請求項3記載のガス輸送用可撓管。
- 前記遮蔽帯は、樹脂フィルムにより金属箔がラミネートされたラミネートフィルムにより構成されることを特徴とする請求項3記載のガス輸送用可撓管。
- 前記ガス遮蔽層は、前記管体の内面側または外面側に一体で押出成形されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス輸送用可撓管。
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- 2010-09-09 JP JP2010201768A patent/JP2012057724A/ja active Pending
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