以下、実施形態を説明する。
図1は、第1実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
この第1実施形態の扉開閉システム100Aは、本件の第1の扉開閉システムの一実施形態および本件の通過許可通知装置の一実施形態である。
ここには、壁1に通過口1aが設けられている。この通過口1aは、セキュリティゾーンへの入口とセキュリティゾーンからの出口との双方として利用される。ここでは、この壁1の左側がセキュリティゾーンの外側、すなわち通過口1aを通ってセキュリティゾーンに入る入側である。また、この壁1の右側はセキュリティゾーンの内側、すなわち、通過口1aを通ってセキュリティゾーンの外に出る出側である。
この通過口1aには、開閉扉6が設置されている。また、ここには、扉開閉機構3が配備されている。この扉開閉機構3は、後述する扉開閉装置8Aの制御を受け、その制御に応じて、開閉扉6を、通過口1aの通過が可能な通過可能状態と通過口1aの通過が不能な通過不能状態との間で移行させる。
ここで、一例として、開閉扉6が手動の扉であるときは、開閉扉6の施錠、解錠を担う扉開閉機構3が採用される。開閉扉6は、扉開閉機構3に施錠されることにより通過不能状態となり、解錠されることにより通過可能状態となる。
また、別の例として、開閉扉6が自動開閉の扉であるときは、扉開閉機構3としては、その開閉扉6を開放、閉鎖する機構が採用される。この場合は、開閉扉6は扉開閉機構3により開放されることにより通過可能状態となり、閉鎖されることにより通過不能状態となる。
また、この図1に示す扉開閉システム100Aには、通過口1aの入側の壁面と通過口1aの出側の壁面にそれぞれ認証データ取得装置4,5が設置されている。
認証データ取得装置4は、通過口1aを入側から通過しようとする通過者の認証データを取得して扉開閉装置8Aに送る役割りを担っている。またこれと同様に、認証データ取得装置5は、通過口1aを出側から通過しようとする通過者の認証データを取得して扉開閉装置8Aに送る役割りを担っている。
これらの認証データ取得装置4,5は、そこに翳されたICカード2から認証データを読み取る。ただし、ここではICカードから認証データを読み取ることを例に挙げているが、認証データ取得装置4,5は、ICカードから認証データを読み取る装置に限られるものではない。例えば、これらの認証データ取得装置4,5は、テンキーを備えて認証データとしてのパスワード入力を受ける装置であってもよく、あるいは、指紋、手のひら、瞳等から生体情報を取得してその生体情報を認証データとして扱う装置であってもよい。
また、通過口1aの入側の壁面と出側の壁面には、それぞれ、スピーカ17,18が設置されている。スピーカ17は、通過口1aを入側から通過しようとする通過者に向けて音を発するスピーカである。また、スピーカ18は、通過口1aを出側から通過しようとする通過者に向けて音を発するスピーカである。ただし、ここでは壁1は、単に間仕切りをした程度の薄い壁であって、スピーカ17から発せられた音は、通過口1aの出側にいる人にも聞こえるし、スピーカ18から発せられた音は通過口1aの入側にいる人にも聞こえる。これらのスピーカ17,18は、それぞれ、各認証データ取得装置4,5に組み込まれていてもよい。
認証データ取得装置4,5のそれぞれで得られた認証データは、扉開閉装置8Aに送られる。ここで、扉開閉装置8Aは、許可判定部81と、扉制御部82と、通過許可通知部83とを有する。これらのうち、許可判定部81と通過許可通知部83とを合わせた構成が、本件の通過許可通知装置の一実施形態である。
許可判定部81は、入側の認証データ取得装置4および出側の認証データ取得装置5のそれぞれから認証データを受け取って、通過口1aの通過を許可するか否かを判定する。
また、扉制御部82は、許可判定部81により通過口1aの通過の許可があったことを受けて扉開閉機構3を制御することにより、開閉扉6を通過可能状態に移行させた後通過不能状態に移行させる。
また、通過許可通知部83は、許可判定部81により通過口1aの通過の許可があったことを受けて、スピーカ17,18に通過許可を表わす音信号を送って、スピーカ17,18に、通過者に向けて、通過口1aの通過の許可を音で通知させる。
ここで、この通過許可通知部83は、入側の認証データ取得装置4で取得した認証データに基づいて通過口1aの通過が許可された場合には、通過口1aの許可を表わす第1の音信号を入側のスピーカ17に送る。入側のスピーカ17は、通過者に向けて、その第1の音信号に基づく第1の音で通過口1aの通過の許可を通知する。
一方、出側の認証データ取得装置5で取得した認証データに基づいて通過口1aの通過が許可された場合には、通過許可通知部83は、通過口1aの許可を表わす第2の音信号を出側のスピーカ18に送る。出側のスピーカ18は、通過者に向けて、その第2の音信号に基づく第2の音で通過口1aの通過の許可を通知する。
ここで、上記の第1の音信号と第2の音信号は互いに異なる音信号である。すなわち、入側の認証データ取得装置4で取得した認証データに基づいて通過口1aの通過が許可された場合と、出側の認証データ取得装置5で取得した認証データに基づいて通過口1aの通過が許可された場合とでは、通過口1aの通過が許可されたことが互いに異なる音で通知される。上述したように、入側のスピーカ17から発せられた音は出側にも聞こえ、出側のスピーカ18から発せられた音は入側にも聞こえる。したがって入側にいる通過者は、出側に通過者がいることを第2の音で知ることができ、これと同様に、出側にいる通過者は、入側にも通過者がいることを第1の音で知ることができ、衝突の回避に役立てることができる。
尚、ここでは、入側の認証データ取得装置4で取得した認証データに基づいて通過口1aの通過が許可された場合は、入側のスピーカ17から音が発せられる。また、出側の認証データ取得装置5で取得した認証データに基づいて通過口1aの通過が許可された場合は、出側のスピーカ18から音が発せられる。これは、壁1が薄く、どちらのスピーカ17,18で発せられた音であっても通過口1aの入側、出側のいずれにいる通過者にも聞こえることを利用して衝突の回避を図ろうとするものである。
これに代わり、いずれの認証データ取得装置4,5で取得した認証データに基づいて通過が許可されたかに応じて、第1の音か第2の音を出力する、ということを維持しつつ、第1の音、第2の音とも、2台のスピーカ17,18の双方で出力するようにしてもよい。こうすれば、壁1の存在により聞こえにくくなるおそれがなく、常に明瞭な音で通過者に通知することができる。
あるいは、図1では2台のスピーカ17,18が備えられているが、発せられた音が通過口1aの入側、出側の双方に聞こえる位置にスピーカを1台のみ配置し、第1の音および第2の音のいずれを出力する場面においてもその1台のスピーカから音を出力させるように構成してもよい。
図2は、第2実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
この第2実施形態の扉開閉システム100Bは、本件の第2の扉開閉システムの一実施形態および本件の監視システムの一実施形態である。
ここには、壁1に通過口1aが設けられている。この通過口1aは、セキュリティゾーンへの入口とセキュリティゾーンからの出口との双方として利用される。ここでは、この壁1の左側がセキュリティゾーンの外側、すなわち通過口1aを通ってセキュリティゾーンに入る入側である。また、この壁1の右側はセキュリティゾーンの内側、すなわち、通過口1aを通ってセキュリティゾーンの外に出る出側である。
この通過口1aには、開閉扉6が設置されている。また、ここには、扉開閉機構3が配備されている。この扉開閉機構3は、後述する扉開閉装置8Bの制御を受け、その制御に応じて、開閉扉6を、通過口1aの通過が可能な通過可能状態と通過口1aの通過が不能な通過不能状態との間で移行させる。
ここで、一例として、開閉扉6が手動の扉であるときは、開閉扉6の施錠、解錠を担う扉開閉機構3が採用される。開閉扉6は、扉開閉機構3に施錠されることにより通過不能状態となり、解錠されることにより通過可能状態となる。
また、別の例として、開閉扉6が自動開閉の扉であるときは、扉開閉機構3としては、その開閉扉6を開放、閉鎖する機構が採用される。この場合は、開閉扉6は扉開閉機構3により開放されることにより通過可能状態となり、閉鎖されることにより通過不能状態となる。
また、この図2に示す扉開閉システム100Bには、通過口1aの入側の壁面と通過口1aの出側の壁面にそれぞれ認証データ取得装置4,5が設置されている。
認証データ取得装置4は、通過口1aを入側から通過しようとする通過者の認証データを取得して扉開閉装置8Bに送る役割りを担っている。またこれと同様に、認証データ取得装置5は、通過口1aを出側から通過しようとする通過者の認証データを取得して扉開閉装置8Bに送る役割りを担っている。
これらの認証データ取得装置4,5は、そこに翳されたICカード2から認証データを読み取る。ここではICカードから認証データを読み取ることを例に挙げているが、認証データ取得装置4,5は、ICカードから認証データを読み取る装置に限られるものではない。例えば、これらの認証データ取得装置4,5は、テンキーを備えて認証データとしてのパスワード入力を受ける装置であってもよく、あるいは、指紋、手のひら、瞳等から生体情報を取得してその生体情報を認証データとして扱う装置であってもよい。
また、通過口1aの入側の壁面には、通過口1aの入側の音をピックアップするマイクロホン9が設置されている。このマイクロホン9は、入側の認証データ取得装置4に組み込まれていてもよい。また、通過口1aの入側には、通過口1aの入側の映像を撮影するカメラ15が設置されている。
また、通過口1aの出側の壁面には、通過口1aの入側に設置されたマイクロホン9でピックアップされた音を出力するスピーカ19が設置されている。また、通過口1aの出側の壁面には、通過口1aの入側に設置されたカメラ15で撮影された映像を表示するモニタ16も設置されている。これらスピーカ19およびモニタ16は、出側の認証データ取得装置5に組み込まれていてもよい。
この図2に示す第2実施形態の扉開閉システム100Bを構成する扉開閉装置8Bは、許可判定部81と扉制御部82を有する。許可判定部81は入側の認証データ取得装置4および出側の認証データ取得装置5のそれぞれから認証データを受け取って、通過口1aの通過を許可するか否かを判定する。また、扉制御部82は、許可判定部81により通過口1aの通過の許可があったことを受けて扉開閉機構3を制御することにより、開閉扉6を通過可能状態に移行させた後通過不能状態に移行させる。
セキュリティゾーンの内部(図2の壁1の右側の領域)の映像や音があからさまに外部に洩れるのは機密上好ましくない。そこで、ここでは、セキュリティゾーンの外部(図2の壁1の左側の領域)の映像や音をセキュリティゾーンの内部で確認できる構成を採用している。
本実施形態の場合、通過口1aの出側(セキュリティゾーンの内側)で通過口1aの入側(セキュリティゾーンの外側)の映像や音を確認することができる。これにより、通過口1aの出側の通過者の注意によって通過口1aから入ってくる者との衝突を回避することができる。
図3は、第3実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
この第3実施形態の扉開閉システム100Cは、本件の第3の扉開閉システムの一実施形態および本件の第1の注意喚起装置の一実施形態である。
ここには、壁1に通過口1aが設けられている。この通過口1aは、セキュリティゾーンへの入口とセキュリティゾーンからの出口との双方として利用される。ここでは、この壁1の左側がセキュリティゾーンの外側、すなわち通過口1aを通ってセキュリティゾーンに入る入側である。また、この壁1の右側はセキュリティゾーンの内側、すなわち、通過口1aを通ってセキュリティゾーンの外に出る出側である。
この通過口1aには、開閉扉6が設置されている。また、ここには、扉開閉機構3が配備されている。この扉開閉機構3は、後述する扉開閉装置8Cの制御を受け、その制御に応じて、開閉扉6を、通過口1aの通過が可能な通過可能状態と通過口1aの通過が不能な通過不能状態との間で移行させる。
ここで、一例として、開閉扉6が手動の扉であるときは、開閉扉6の施錠、解錠を担う扉開閉機構3が採用される。開閉扉6は、扉開閉機構3に施錠されることにより通過不能状態となり、解錠されることにより通過可能状態となる。
また、別の例として、開閉扉6が自動開閉の扉であるときは、扉開閉機構3としては、その開閉扉6を開放、閉鎖する機構が採用される。この場合は、開閉扉6は扉開閉機構3により開放されることにより通過可能状態となり、閉鎖されることにより通過不能状態となる。
また、この図3に示す扉開閉システム100Cには、通過口1aの入側の壁面と通過口1aの出側の壁面にそれぞれ認証データ取得装置4,5が設置されている。
認証データ取得装置4は、通過口1aを入側から通過しようとする通過者の認証データを取得して扉開閉装置8Cに送る役割りを担っている。またこれと同様に、認証データ取得装置5は、通過口1aを出側から通過しようとする通過者の認証データを取得して扉開閉装置8Cに送る役割りを担っている。
これらの認証データ取得装置4,5は、そこに翳されたICカード2から認証データを読み取る。ここではICカードから認証データを読み取ることを例に挙げているが、認証データ取得装置4,5は、ICカードから認証データを読み取る装置に限られるものではない。例えば、これらの認証データ取得装置4,5は、テンキーを備えて認証データとしてのパスワード入力を受ける装置であってもよく、あるいは、指紋、手のひら、瞳等から生体情報を取得してその生体情報を認証データとして扱う装置であってもよい。
また、通過口1aの入側の壁面と出側の壁面には、それぞれ、スピーカ17,18が設置されている。スピーカ17は、通過口1aを入側から通過しようとする通過者に向けて音を発するスピーカである。また、スピーカ18は、通過口1aを出側から通過しようとする通過者に向けて音を発するスピーカである。これらのスピーカ17,18は、それぞれ、各認証データ取得装置4,5に組み込まれていてもよい。
認証データ取得装置4,5のそれぞれで得られた認証データは、扉開閉装置8Cに送られる。ここで、扉開閉装置8Cは、許可判定部81と、扉制御部82と、人数計数部84と、警報報知部85とを有する。これらのうち、人数計数部84と警報報知部85とを合わせた構成が、本件の第1の注意喚起装置の一実施形態である。
許可判定部81は、入側の認証データ取得装置4および出側の認証データ取得装置5のそれぞれから認証データを受け取って、通過口1aの通過を許可するか否かを判定する。
また、扉制御部82は、許可判定部81により通過口1aの通過の許可があったことを受けて扉開閉機構3を制御することにより、開閉扉6を通過可能状態に移行させた後通過不能状態に移行させる。
また、人数計数部84は、通過口1a近傍に同時に存在する通過者の人数を推定又は測定により計数する。ここでは、この人数計数部84は、通過口1aの近傍に同時に存在する通過者の人数を、以下のようにして、通過口1aの入側に存在する通過者の人数と通過口1aの出側に存在する通過者の人数とに分けて計数する。すなわち、この人数計数部84は、入側の認証データ取得装置4で取得された認証データに基づく通過許可があった時点から第1の閾値時間以内は、その通過許可を求めた通過者が通過口1aの近傍の、通過口1aの入側に存在するものと推定する。またこれと同様に、人数計数部84は、出側の認証データ取得装置5で取得された認証データに基づく通過許可があった時点から第2の閾値時間以内は、その通過許可を求めた通過者が通過口1a近傍の、通過口1a出側に存在するものと推定する。ここで、第2の閾値時間は第1の閾値時間と同一であってもよく異なっていてもよい。これら第1の閾値時間および第2の閾値時間は、通過口1aの周囲の構造や認証データ取得装置4,5と通過口1aとの位置関係等により定められる。この人数計数部84は、このような推定に基づいて、通過口1aの近傍に同時に存在する通過者の人数を、通過口1aの入側に存在する通過者の人数と通過口1aの出側に存在する通過口の人数とに分けて計数する。
また、警報報知部85は、人数計数部84により通過者どうしの衝突の可能性がある人数が推定又は測定された場合に、スピーカ17,18に注意喚起用の音信号を送って、スピーカ17,18に、通過者に向けて、注意喚起用の音を出力させる。
図3に示す第3実施形態の扉開閉システム100Cは、通過口1aを入側から通過しようとする通過者に向けて音を発する入側のスピーカ17と、通過口1aを出側から通過しようとする通過者に向けて音を発する出側のスピーカ18とを有する。
そこで、警報報知部85は、通過口1aを入側から通過しようとする通過者の通過許可があったことを受けて、通過口1aの出側に他の通過者が存在することが推定又は測定されていた場合に、入側のスピーカ17に注意喚起用の音を出力させる。またこれと同様に、警報報知部85は、通過口1aを出側から通過しようとする通過者の通過許可があったことを受けて、通過口1aの入側に他の通過者が存在することが推定又は測定されていた場合に、出側のスピーカ18に注意喚起用の音を出力させる。
この第3実施形態の扉開閉システム100Cによれば、衝突の可能性がある状況下にある場合に、音で注意喚起がなされるため、衝突を回避することができる。
ここで、図3に示す第3実施形態の扉開閉システム100Cの場合、通過口1aの入側と出側のそれぞれにスピーカ17,18を設置している。例えば壁1が単なる間仕切りした程度の薄い壁であって、スピーカ17,18のいずれから発せられる音も通過口1aの出側および入側のいずれにいる人にも聞こえるような状況にあるときは、スピーカは入側又は出側の1台のみとし、その1台のスピーカで注意喚起用の音を出力してもよい。
また、図3に示す第3実施形態の扉開閉システム100Cの人数計数部は、通過口1aの近傍に同時に存在する通過者の人数を、通過口1aの入側と出側とに分けて計数するものであるが、入側と出側の通過者を分けずに人数を計数してもよい。その場合、精度は多少低下するものの、2人以上の通過者が同時に存在する場合に注意喚起を行なうことにより、衝突の危険を避けることができる。
さらに、図3に示す第3実施形態の扉開閉システム100Cの場合、スピーカからの音のみで注意喚起が行なわれるが、音による注意喚起と表示による注意喚起とを併用してもよい。すなわち、この場合、通過者に向けて表示を行なう表示部を設ける。そして、警報報知部85は、1つには、人数計数部84により通過者どうしの衝突の可能性がある人数が推定又は測定された場合に、スピーカに注意喚起用の音を出力させる。この警報報知部85はさらに、表示部に、人数計数部84により推定又は測定された人数に応じた表示態様の表示を行なわせる。
音と表示との双方で注意喚起を行なう場合、さらに、通過口1a入側の通過者に向けて表示を行なう入側表示部と、通過口1a出側の通過者に向けて表示を行なう出側表示部とを有する構成とすることが好ましい。
この場合、警報報知部85は、以下の態様により注意喚起を行なうことが好ましい。
(1)許可判定部81により、通過口1aを入側から通過しようとする通過者の通過許可があり、人数計数部84により通過口1aの出側に他の通過者が存在することが推定又は測定されていた場合。
この場合は、入側のスピーカ17に注意喚起用の音を出力させるとともに、入側の表示部に、人数計数部84により計数された、通過口1aの出側に存在する他の通過者の人数に応じた表示態様の表示を行なわさせる。
(2)許可判定部81により、通過口1aを出側から通過しようとする通過者の通過許可があり、人数計数部84により通過口1aの入側に他の通過者が存在することが推定又は測定されていた場合。
この場合は、出側のスピーカ18に注意喚起用の音を出力させるとともに、出側の表示部に、人数計数部84により計数された、通過口1aの入側に存在する他の通過者の人数に応じた表示態様の表示を行なわさせる。
さらに、図3に示す第3実施形態の扉開閉システム100Cでは、通過許可があった時点から第1の閾値時間や第2の閾値時間以内のときに、その通過許可を求めた通過者が通過口1a近傍に存在するものと推定して人数を計数している。ただし、人数計数のアルゴリズムはこれに限られるものではなく、通過口1aの近傍に存在する通過者を検出する人検出センサを有し、その人検出センサで検出された通過者の人数を計数する構成としてもよい。
図4は、第4実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
この第4実施形態の扉開閉システム100Dは、本件の第4の扉開閉システムの一実施形態および本件の第2の注意喚起装置の一実施形態である。
ここには、壁1に通過口1aが設けられている。この通過口1aは、セキュリティゾーンへの入口とセキュリティゾーンからの出口との双方として利用される。ここでは、この壁1の左側がセキュリティゾーンの外側、すなわち通過口1aを通ってセキュリティゾーンに入る入側である。また、この壁1の右側はセキュリティゾーンの内側、すなわち、通過口1aを通ってセキュリティゾーンの外に出る出側である。
この通過口1aには、開閉扉6が設置されている。また、ここには、扉開閉機構3が配備されている。この扉開閉機構3は、後述する扉開閉装置8Dの制御を受け、その制御に応じて、開閉扉6を、通過口1aの通過が可能な通過可能状態と通過口1aの通過が不能な通過不能状態との間で移行させる。
ここで、一例として、開閉扉6が手動の扉であるときは、開閉扉6の施錠、解錠を担う扉開閉機構3が採用される。開閉扉6は、扉開閉機構3に施錠されることにより通過不能状態となり、解錠されることにより通過可能状態となる。
また、別の例として、開閉扉6が自動開閉の扉であるときは、扉開閉機構3としては、その開閉扉6を開放、閉鎖する機構が採用される。この場合は、開閉扉6は扉開閉機構3により開放されることにより通過可能状態となり、閉鎖されることにより通過不能状態となる。
また、この図4に示す扉開閉システム100Dには、通過口1aの入側の壁面と通過口1aの出側の壁面にそれぞれ認証データ取得装置4,5が設置されている。
認証データ取得装置4は、通過口1aを入側から通過しようとする通過者の認証データを取得して扉開閉装置8Dに送る役割りを担っている。またこれと同様に、認証データ取得装置5は、通過口1aを出側から通過しようとする通過者の認証データを取得して扉開閉装置8Dに送る役割りを担っている。
これらの認証データ取得装置4,5は、そこに翳されたICカード2から認証データを読み取る。ここではICカードから認証データを読み取ることを例に挙げているが、認証データ取得装置4,5は、ICカードから認証データを読み取る装置に限られるものではない。例えば、これらの認証データ取得装置4,5は、テンキーを備えて認証データとしてのパスワード入力を受ける装置であってもよく、あるいは、指紋、手のひら、瞳等から生体情報を取得してその生体情報を認証データとして扱う装置であってもよい。
また、通過口1aの入側の壁面と出側の壁面には、それぞれ、スピーカ17,18が設置されている。スピーカ17は、通過口1aを入側から通過しようとする通過者に向けて音を発するスピーカである。また、スピーカ18は、通過口1aを出側から通過しようとする通過者に向けて音を発するスピーカである。これらのスピーカ17,18は、それぞれ、各認証データ取得装置4,5に組み込まれていてもよい。
さらに、この図4に示す扉開閉システム100Dには、通過口1aの近傍領域の通過者の動きを検出する動き検出センサ13,14が設置されている。これら2台の動き検出センサ13,14のうちの一方の動き検出センサ13は、通過口1aの近傍領域を、通過口1aの入側の入口領域と通過口1aの出側の出口領域とに分けたときの入口領域の通過者の動きを検出するセンサである。また、もう一方の動き検出センサ14は、出口領域の通過者の動きを検出するセンサである。
認証データ取得装置4,5のそれぞれで得られた認証データは、扉開閉装置8Dに送られる。ここで、扉開閉装置8Dは、許可判定部81と、扉制御部82と、警報報知部86とを有する。動き検出センサ13,14と、警報報知部86とを合わせた構成は、本件の第2の注意喚起装置の一実施形態である。
許可判定部81は、入側の認証データ取得装置4および出側の認証データ取得装置5のそれぞれから認証データを受け取って、通過口1aの通過を許可するか否かを判定する。
また、扉制御部82は、許可判定部81により通過口1aの通過の許可があったことを受けて扉開閉機構3を制御することにより、開閉扉6を通過可能状態に移行させた後通過不能状態に移行させる。
また、警報報知部86は、動き検出センサ13、14により通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、スピーカ17,18に注意喚起用の音信号を送って、スピーカ17,18に、該通過者に向けて、注意喚起用の音を出力させる。
ここで、本実施形態では、入口領域の通過者の動きを検出する動き検出センサ13と、出口領域の通過者の動きを検出する動き検出センサ14を有する。そこで、本実施形態の警報報知部86は、入側の動き検出センサ13により通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、入側のスピーカ17に注意喚起用の音を出力させる。またこれと同様に、本実施形態の警報報知部86は、出側の動き検出センサ14により通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、出側のスピーカ18に注意喚起用の音を出力させる。
早足あるいは駆足など、速い速度で移動している通過者がいると衝突の危険が高まる。そこで、本実施形態は、通過者の動きの速度を検出して閾値速度以上のときにスピーカで注意を喚起するものである。こうすることにより、衝突を回避することが可能となる。
ここで、図4に示す第4実施形態の扉開閉システム100Dの場合、通過口1aの入側と出側のそれぞれにスピーカ17,18を設置している。例えば壁1が単なる間仕切りした程度の薄い壁であって、スピーカ17,18のいずれかから発せられる音は通過口1aの出側および入側のいずれにいる人にも聞こえるような状況にあるときは、スピーカは入側又は出側の1台のみとし、その1台のスピーカで注意喚起用の音を出力してもよい。
また、図4に示す第4実施形態の扉開閉システム100Dの場合、2台の動き検出センサ13,14を設置し、通過者の動きを入口領域と出口領域とに分けて検出している。例えば、壁1が天井までの高さがなく、天井から眺めたときに通過口1aの入側と出側との双方が見渡すことができる構造の場合もある。例えばこのような構造の場合、通過口1aの入側と出側との双方を見渡すことができる位置に1台の動き検出センサを設置し、入側と出側とを区別せずに速い動きの通過者の存在を検出する構成としてもよい。この場合も、多少精度は低下するものの、衝突のおそれがある状態を捉えてスピーカで注意喚起することができる。
さらに、図4に示す第3実施形態の扉開閉システム100Dの場合、スピーカからの音のみで注意喚起が行なわれているが、音による注意喚起と表示による注意喚起とを併用してもよい。すなわち、この場合、通過者に向けて表示を行なう表示部を設ける。そして、警報報知部86は、1つには、動き検出センサ13,14により通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、スピーカ17,18に注意喚起用の音を出力させる。この警報報知部86はさらに、表示部に注意喚起用の表示を行なわさせる。
音と表示との双方で注意喚起を行なう場合、さらに、通過口1aの入側の通過者に向けて表示を行なう入側の表示部と、通過口1aの出側の通過者に向けて表示を行なう出側の表示部とを有する構成とすることが好ましい。
この場合、警報報知部86は、以下の態様により注意喚起を行なうことが好ましい。
(1)入側の動き検出センサ13により通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、入側のスピーカ17に注意喚起用の音を出力させるとともに入側の表示部に注意喚起用の表示を行なわさせる。
(2)また、出側の動き検出センサ14により通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、出側のスピーカ18に注意喚起用の音を出力させるとともに出側の表示部に注意喚起用の表示を行なわさせる。
以上で基本的な実施形態の説明を終了し、次いで、より具体的な各種の実施形態の説明に移る。以下に説明する各種の実施形態には、これまで説明した第1〜第4の実施形態のうちのいずれか1つの実施形態を具体化した実施形態や、第1〜第4の実施形態のうちの複数の実施形態を複合して具体化した実施形態が含まれている。
図5は、第5実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
この図5には、出入口7aを有し、周囲が壁に囲まれたセキュリティゾーン7が示されている。このセキュリティゾーン7への出入口は、図7に示す1箇所の出入口7aのみである。また、ここには、このセキュリティゾーン7に出入りする人を管理する扉開閉システム100Eが配備されている。
セキュリティゾーン7の出入口7aには、開閉扉10が設置されている。この開閉扉10は、手動で開ける扉である。この開閉扉10は、閉鎖方向に付勢されており、開いた状態で手を離すと、その付勢力によって自動的に閉鎖する。
また、ここには、その開閉扉10の開閉を検出する開閉センサ11と、その開閉扉10に施錠する開閉機構12が配備されている。この開閉機構12は、前述の第1〜第4実施形態における扉開閉機構3(例えば図1参照)に対応する装置である。この扉開閉システム100Eは、開閉扉10に施錠することで、その開閉扉10が設置された出入口7aを通過不能状態とし、その開閉扉10を解錠することで出入口7aを通過可能状態とする。
このセキュリティゾーン7の外壁の、出入口7aの近傍には、入側の読取装置20Aが備えられている。認証データが記録されているICカード8をこの読取装置20Aに翳すと、この読取装置20Aは、その翳されたICカード8からそこに記録されている認証データを読み取る。
また、この外壁の、読取装置20Aの近傍には、電話機30Aが設置されている。この電話機30Aは、何か不測の事態があったときにこのセキュリティシステム100Eの管理者に電話をかけるためのものである。
また、このセキュリティゾーン7の内壁にも、出入口7aの近傍に、出側の読取装置20Bと電話機30Bが備えられている。この出側の読取装置20Bは、入側の読取装置20Aと同じく、翳されたICカード8から認証データを読み取る装置である。また、電話機30Bは、電話機30Aと同じく、このセキュリティゾーン7の管理者に電話をかけるためのものである。
開閉センサ11、開閉機構12、および2台の読取装置20A,20Bは、制御装置40に接続されている。この制御装置40は、前述の第1〜第4実施形態における扉開閉装置(例えば図1の扉開閉装置8Aなど)に対応する装置であり、読取装置20A,20Bから認証データを受け取って、出入口1aを通過させてよいか否かの通過許可判定処理を行なう。そして、この制御装置40は、正しく認証され、さらに所定の条件(後述する)を満足した場合に、開閉機構12を制御して開閉扉10を解錠する。
また、このセキュリティゾーン7の室内には、情報装置50が置かれている。ここでは、この情報装置50の種別を問うものではないので、情報装置50による情報処理内容については説明を割愛する。この情報装置50も、読取装置20A,20Bと同様に、翳されたICカード8から認証データを読み取る機能を有する。この情報装置50はネットワーク60を介して制御装置40に接続されている。情報装置50は、ICカード8から読み取った認証データを制御装置40に送る。すると制御装置40は、その認証データを元にその情報装置50を利用する権限の有無を判定し、その判定結果を情報装置50に送る。情報装置50は、その判定結果に基づいて、利用権限のある人であった場合にその利用を可能にする。
このネットワーク60には、管理装置70も接続されている。この管理装置70は、出入口1aの出入りの履歴や情報装置50の利用履歴などの履歴情報の蓄積や、この扉開閉システム100Eで発生したトラブルやその回復の履歴等の蓄積などを担っている。ここでは、この管理装置70は、セキュリティゾーン7の室内に配置されているように示されている。ただし、この管理装置70の配置場所はセキュリティゾーン7の内部である必要はなく、例えば、この扉開閉システム100Bの管理者が駐在する管理室(図示せず)等に配置されていてもよい。
このセキュリティゾーン7に入るには、外壁に備えられた入側の読取装置20Aに自分が持っているICカード8を翳して認証を受けてからセキュリティゾーン7に入る。情報装置50を利用するには、情報装置50を利用する権限を持っている人であってもセキュリティゾーン7に正規に認証を受けて入室したときでない場合は、利用できない。たとえば開閉扉10が開いたときに認証を受けずに前の人と一緒に入室してしまったときは、その人が本来は情報装置50を利用できる権限を有する人であっても利用することはできない。
また、正規に入室し、情報装置50を正規に利用した人でないと、内壁に設置された出側の読取装置20Bで認証を受けても開閉扉10は解錠されない。すなわち、ここでは、セキュリティゾーン7への入室、情報装置50の利用、セキュリティゾー7からの退出について、アンチパスフォワードによるセキュリティが採用されている。また、このセキュリティゾーン7への入室とセキュリティゾーン7からの退出との観点からは、正規に入室して初めて正規に退出することが可能であることから、アンチパスバックによるセキュリティが採用されている。
図6は、図5に全体構成を示す第5実施形態の扉開閉システムで採用されている読取装置の外観正面図である。図5には、2つの読取装置20A,20Bが示されているが、その外観・構造は互いに同一であり、ここでは代表的に一方の読取装置20Aを示している。
ここには、受信部21と、OKランプ27aと、NGランプ27bと、スピーカ29が示されている。これらの作用については、図7を参照しながら説明する。
図7は、図5に示す扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
ここには、2台の読取装置20A,20Bおよび制御装置40の内部構成が示されている。情報装置50および管理装置70は、本実施形態の特徴部分には直接には関係しないため、図5と同様、それぞれ1つのブロックで示されている。
読取装置20A,20Bは、それぞれ、受信部21、受信インタフェース22、CPU23、RAM24、ROM25、および送受信インタフェース26を有する。
受信部21(図6を合わせて参照)は、ICカード8から認証データを受信する。受信した認証データは、受信インタフェース22を介してCPU23に伝えられる。このCPU23は、RAM24を作業領域として使用しながらROM25に記憶されているプログラムを実行する中央演算処理装置である。CPU23が受け取った認証データは、送受信インタフェース26を介して制御装置40に送られる。制御装置40の動作の詳細については後述するが、この制御装置40ではその認証データを元に認証処理が行なわれて、その認証処理を踏まえ、出入口7aの通過を許可するか否かが判定される。その判定結果は、認証データを送信してきた読取装置20A,20Bに送信される。制御装置40から送信されてきた判定結果は送受信インタフェース26で受信されてCPU23に受け渡される。
読取装置20A,20Bには、さらに、ランプ制御部27、OKランプ27a、NGランプ27b、警報音制御部28、およびスピーカ29を有する。OKランプ27a,NGランプ27b,およびスピーカ29は図6にも示されている。
CPU23に受け渡された判定結果が通行許可を与える判定結果であったときは、CPU23はランプ制御部27と警報音制御部28に指令を出して、OKランプを点灯させるとともに、通行許可に対応する警報音をスピーカ29から出力させる。
一方、CPUに受け渡された判定結果が通行不許可の判定結果であったときは、CPU23は、ランプ制御部27と警報音制御部28に指令を出して、NGランプを点灯させるとともに、通行不許可に対応する警報音をスピーカから出力させる。
また、制御装置40には、開閉指令通信部41、CPU42、メモリ43、タイマ部44、2つの通信部45,46および記憶部47を有する。
開閉指令通信部41は開閉機構12に指令を送り、開閉扉10を施錠、解錠する。
CPU42は、メモリ43に格納されているプログラムを実行する中央演算処理装置である。
メモリ43には、許可判定部431、開閉制御部432、および通信制御部433の各プログラムが格納されている。これらのプログラムは、メモリ43上に最初から置かれていてもよく、記憶部47に記憶され実行に先立ってメモリ43上に展開されてもよい。
許可判定部431は、CPU42で実行されることにより、CPU42に、第1〜第4実施形態における許可判定部81(例えば図1参照)に対応する処理を行なわさせるプログラムである。
また、開閉制御部432は、CPU42で実行されることにより、CPU42に、第1〜第4実施形態における扉制御部82(例えば図1参照)に対応する処理を行なわさせるプログラムである。
さらに通信制御部433は、CPU42で実行されて、CPU42に開閉指令通信部41や2つの通信部45,46を制御させて、それら開閉指令通信部41や2つの通信部45,46に外部との間でのデータの送受信を行なわさせるプログラムである。
タイマ部44は、時間を計測する要素である。
通信部45は、開閉センサ11に接続され、開閉センサ11で検出された開閉扉10の開閉状態を表わす情報を受信する。尚、後述する実施形態では、この通信部45には、開閉センサ11のほか、さらに他のセンサなどにも接続されている。
また通信部46は、読取装置20A,20Bと通信を行ない、また、ネットワーク60を介して情報装置50や管理装置70と通信を行なう要素である。
さらに、記憶部47は、各種データ等を記憶しておく要素である。ここには、具体的には、登録個人識別情報データベース(DB)471、通行許可判定テーブル472、および警報音設定テーブル473が記憶されている。
登録個人識別情報DB471には、個人IDや、各個人別のICカード8に記録されているカードIDなどが登録されているデータベースである。
このデータベース中のカードIDは、ICカード8から新たに読み込まれた認証データとしてのカードIDと照合される。
また通行許可判定テーブル472は、出入口7aの通行許可判定に必要な情報が記録されるテーブルである。
許可判定部431は、CPU42での実行により、CPU42に、登録個人識別情報DB471と通行許可判定テーブル472を参照させ、カードIDの照合、および通行許可判定を行なわさせる。
警報音設定テーブル473は、通行許可時および通行不許可時の警報音が設定されたテーブルである。
図8は、登録個人識別情報DBの一例を示した図である。
ここには、各行ごとに特定の各個人についての、「個人ID」、「カードID」、「所属」、「名前」、「累積通行許可失敗回数」、「所在エリア区分」が記録されている。さらにここには、各行ごとに特定の各個人についての、「入側通行許可(年月日および時刻)」、「情報装置使用許可(年月日および時刻)」、「出側通行許可(年月日および時刻)」が記録されている。
ここで、「累積通行許可失敗回数」は、カードIDの照合による認証や通行判定で、過去の累積通行許可を受けることができなかった失敗回数を示している。これが10回に達すると、通行許可を受けることができない。
また、「所在エリア区分」は、ここでは、セキュリティゾーン7の外にいる場合を「0」、入側通行許可を得たが情報装置50の使用許可を未だ受けていない場合を「1」、入側通行許可および情報装置50の使用許可は得たが、出側通行許可を未だ受けていない場合を「2」として区別している。
尚、前述の通り、エリア区分0→1→2はアンチパスフォワード、エリア区分0とエリア区分1または2との間ではアンチパスバックによるセキュリティが採用されている。
図9は、通行許可判定テーブルの一例を示す図である。
ここには、「登録個人識別情報DB」に登録されている各個人ごとに、「認証(年月日および時刻)」、「認証判定結果」、「累積通行許可失敗回数」、「認証エリア区分」、「所在エリア区分」、「通行(使用)許可経過時間」、「経過時間判定結果」、および「通行許可判定結果」が記録されている。ここで、「認証判定結果」は、読取装置20A又は読取装置20BでICカードから今回読み取ったカードIDとが照合されてそれらのカードIDが一致したときに「OK」となる。
「累積通行許可失敗回数」は、登録個人識別情報DB471から転記された情報である。
「認証エリア区分」は、認証を行なって通行あるいは使用許可を求めているエリアの区分をいい、入側読取装置20Aで認証を求めている状態を「0」、情報装置50で認証を求めている状態を「1」、出側読取装置20Bで認証を求めている状態を「2」として区別している。
「所在エリア区分」は、登録個人識別情報DB471に記録されている情報と同じ情報である。
また、「通行(使用)許可経過時間」は、前回の通行(使用)許可後の経過時間を表わしている。例えば、所在エリア区分:2の場合、情報装置50の使用許可を得た日時からの経過時間を表わしている。認証エリア区分:0の場合のみ制限なし、認証エリア区分1又は2の場合は、8時間を越えると、次の通行(使用)許可を与えないようになっている。
通行(使用)許可は、以下の(1)〜(4)の条件を全て満足する場合に与えられる。
(1)「認証判定結果」が「OK」であること、
(2)「累積通行許可失敗回数」が「9回以下」であること、
(3)「認証エリア区分」と「所在エリア区分」が一致していること、
(4)「認証エリア区分」が「0」以外の場合は、「通行(使用)許可経過時間」が「8時間以内」であること。
図9の通行許可判定テーブルにおいて、「個人ID」=0001の人は、「認証判定結果」が「OK」であり、「累積許可失敗回数」が「9回」である。また、この「個人ID」=0001の人は、情報装置50の使用許可を得た状態にあり(「所在エリア区分」=2)、出側読取装置20Bで認証を求めている(「認証エリア区分」=2)ことから、「所在エリア区分」と「認証エリア区分」とが一致している。さらに、「通行(使用)許可経過時間」の欄から、情報装置50の使用許可を得てから未だ1時間未満であり、したがって、「経過時間判定結果」は「OK」である。
以上の結果から「個人ID」=0001の人は、出側読取装置20BでICカード8を翳した結果、「通行許可判定結果」が「OK」となる。
図10は、警報音設定テーブルの一例を示す図である。
ここには、「機器識別番号」、「入/出」、「通行許可OK音」、および「通行許可NG音」が記録されている。
「機器識別番号」は、図5,図7に示す2台の読取装置20A,20Bを互いに区別する番号である。ここでは、「機器識別番号」=「00001」は、入側の読取装置20Aを指し、「機器識別番号」=「00002」は、出側の読取装置20Bを指している。
「入/出」は、その「機器識別番号」の読取装置が入側に配置された読取装置であるか出側に配置された読取装置であるかを区別する情報である。
「通行許可OK音」は、図9に示す通行許可判定テーブルに従って判定した結果通行許可OKであったときに読取装置20A又は読取装置20Bに発出を指示する音を表わす音信号を表わしている。ここでは、「機器識別番号」=「00001」の読取装置20AにICカード8を翳した結果通行許可OKとなった場合は、「ピー」という音を表わす音信号が採用されている。一方、「機器識別番号」=「00002」の読取装置20BにICカード8を翳した結果通行許可OKとなった場合は、「ピロピロ」という音を表わす音信号が採用されている。
また、「通行許可NG音」は、図9に示す通行許可判定テーブルに従って判定した結果通行許可NGであったときに読取装置20A又は読取装置20Bに発出を指示する音を表わす音信号を表わしている。ここでは、「機器識別番号」が「00001」の読取装置20Aと「00002」の読取装置20Bとの双方の読取装置について「ビー」という音を表わす音信号が採用されている。
入側の読取装置20AにICカード8を翳した結果通行許可OKとなった場合は、制御装置40から入側の読取装置20Aに、通行許可OKを表わす情報が送られる。また、この情報とともに、図10の警報音設定テーブルに従って、「ピー」という音の発出を指示する信号が制御装置40から入側の読取装置20Aに送られる。入側の読取装置20Aでは、その指示信号に基づいて「ピー」という音をスピーカ29から発するとともにOKランプ27aを点灯させる。
また、出側の読取装置20BにICカードを翳した結果通行許可OKとなった場合は、「ピロピロ」という音の発出を指示する信号が、通行許可OKを表わす情報とともに制御装置40から出側の読取装置20Bに送られる。出側の読取装置20Bでは、その指示信号に基づいて「ピロピロ」という音をその読取装置20Bのスピーカ29から発するとともに、OKランプ27aを点灯させる。
ここで、図5に示すセキュリティゾーン7の出入口7aの近傍の壁はそのセキュリティゾーン7の内外のいずれにいる人にとっても双方の読取装置20A,20Bから発せられた音を十分に聞き取ることができる程度に薄い壁である。したがって、「ピー」音が聞こえるとセキュリティゾーン7の内側にいるに人も、これから出入口7aを通ってセキュリティゾーン7に入ってくる人がいることが分かる。またこれと同様に、「ピロピロ」音が聞こえると、セキュリティゾーンの外にいる人にも、これから出入口7bを通ってセキュリティゾーン7から出てくる人がいることが分かる。したがって、この音を聞き分けることにより衝突の危険を察知し衝突を回避することができる。
また、入側の読取装置20AにICカード8を翳した結果、通行許可NGと判定された場合は、「ビー」という音の発出を指示する音信号が、通行許可NGを表わす情報とともに制御装置40から入側の読取装置20Aに送られる。入側の読取装置20Aでは、その音信号に基づいて「ビー」という音をスピーカ29から発するとともにNGランプ27bを点灯させる。
また、出側の読取装置20BにICカード8を翳した結果、通行許可NGと判定された場合は、「ビー」という音の発出を指示する信号が通行許可NGを表わす情報とともに制御装置40から出側の読取装置20Bに送られる。出側の読取装置20Bでは、その音信号に基づいて「ビー」という音を出側の読取装置20Bのスピーカ29から発するとともに、NGランプ27bを点灯させる。
通行許可NGの場合は出入口7aで衝突する可能性が低いので、この第5実施形態では、通行許可NGの場合の警報音については双方の読取装置20A,20Bで同じ音が採用されている。ただし、通行許可NGの場合も、通行許可NGを表わす音であって、かつ双方の読取装置20A,20Bで互いに異なる音を発するようにしてもよい。
図11は、図5に示す扉開閉システムで実行される動作シーケンスの一例を示したフローチャートである。
この第1例では、図5の開閉扉10は、手動で開放する扉であることを前提としている。また、この開閉扉10は、閉鎖方向に付勢されており、この開閉扉10を手で開けた状態で手を離すと、その付勢力により自動的に閉鎖する。また、ここでは、扉開閉機構12として、開閉扉10の施錠、解錠を行なう機構が採用されており、開閉扉10が閉じると、その閉じた時点で開閉扉10を施錠する。
図11に示すフローチャートに従い、先ずここでは入側の読取装置20AにICカード8が翳されて認証データの取得が行われ(ステップS101)、次いで通過許可判定が行われる(ステップS102)。通過が許可されなかったときは(ステップS103)、通行不許可に対応する処理が行なわれる。すなわちここでは、通行許可NGであるという情報とともに「ビー」音を表わす音信号が入側の読取装置20Aに送られ、入側の読取装置20AでNGランプの点灯と「ビー」という警報音の発音が行なわれる。
通行許可OKのときは(ステップS103)、通行許可OKに対応する処理(ステップS105)が行なわれるとともに開閉扉10の解錠が行なわれる(ステップS106)。通行許可OKに対応する処理として、ここでは、通行許可OKを表わす情報とともに「ピー」音を表わす音信号が入側の読取装置20Aに送られる。入側の読取装置ではOKランプの点灯と「ピー」という警報音の発音が行なわれる。
また、扉開錠(ステップS106)のタイミングでタイマT1のカウントが開始される。このタイマT1は、解錠後、開閉扉10が開かれずに時間が経過したときに施錠するまでの時間であり、例えば10秒程度に設定されている。
解錠後、開閉扉10が開放される(ステップS108)。前述の通り、この開閉扉10は手で開けられる。
次に開閉扉10が開いている途中で、ここでは今度は出側の読取装置20BにICカード8が翳されて認証データの取得が行なわれ(ステップS109)、次いで通行許可判定が行なわれる(ステップS110)。通行許可NGだったときは、上記と同様にして、ただし今度は出側の読取装置20BでNGランプの点灯と「ビー」という警報音の発音が行なわれる。一方、通行許可OKであったときは(ステップS111)、通行許可OKに対応する処理が行なわれる(ステップS113)。通行許可OKに対応する処理として、ここでは、上記と同様にして、出側の読取装置20Bで、OKランプの点灯と「ピロピロ」という警報音の発音が行なわれる。
その後開閉扉10が閉鎖されると(ステップS114)、その開閉扉10が施錠される(ステップS115)。
尚、この図11では、入側の方で先に認証を行ないそれより僅かに遅れて出側の方で認証が行なわれた場合を示したが、出側の方で先に認証が行なわれた場合も、発せられる警報音の順序が逆になる点を除き、この図11の動作と同様である。
このように、図5に示す第5実施形態の扉開閉システム100Eの場合、通行許可OKであったときに、通行許可OKであることが入側と出側とで互いに別々の警報音で通知されるため、通行者がその音を聞き分けることにより、出入口7aでの衝突を回避することができる。
ここで、この第5実施形態の扉開閉システムにおいても、通行許可OKの場合の「ピー」音と「ピロピロ」音の双方を2台の読取装置20A,20Bの双方で出力するようにしてもよい。こうすれば、セキュリティゾーン7を仕切る壁の存在により聞こえにくくなるおそれがなく、常に明瞭な音で通過者に通知することができる。
あるいは、2台の読取装置20A,20Bの双方にスピーカが備えられているが、発せられた音が出入口7aの入側、出側の双方に聞こえる位置にスピーカを1台のみ配置し、「ピー」音および「ピロピロ」音のいずれを出力する場面においてもその1台のスピーカから音を出力させるように構成してもよい。
図12は、第6実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図13は、第6実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。この第6実施形態は、第5実施形態と近似しているため、第5実施形態との相違点を中心に説明する。
図12,図13から分かるように、この第6実施形態は、第5実施形態と比べ、情報装置50(図5,図7参照)が存在しない点が異なる。
すなわち、この第6実施形態の扉開閉システム100Fは、セキュリティゾーン7への入室、退室のみを取扱うシステムである。
図14は、第6実施形態の扉開閉システムにおける、登録個人識別情報DBの一例を示した図である。この図14は、前述の第5実施形態の扉開閉システムにおける、登録個人識別情報DBを示した図8に対応する図である。
「所在エリア区分」は図8の場合と異なり、セキュリティゾーンの外にいる場合:0とセキュリティゾーンの中にいる場合:1のみ存在する。また、所在エリア区分0と1との間ではアンチパスバックが採用されている。すなわち、入側の読取装置20Aで正規に許可を受けてセキュリティゾーン7に入った人のみ、出側の読取装置20Bで認証を受けることができ、また、出側の読取装置20Bで正規に許可を受けて退室した人のみ、入側の読取装置20Aで次の入室の許可を受けることができる。
図15は、第6実施形態の扉開閉システムにおける、通行許可判定テーブルの一例を示した図である。この図15は、前述の第5実施形態の扉開閉システムにおける、通行許可判テーブルを示した図9に対応する図である。
ここでも、第2実施形態における情報装置50が存在しないことから、「認証エリア区分」は、入側の認証装置:0と、出側の認証装置:1との2区分のみである。
通行許可判定のアルゴリズムは、情報装置50が存在しないことを除き、前述の第5実施形態の場合と同じである。この第6実施形態では、その他の点、すなわち、警報音設定テーブルの構造(第5実施形態における図10参照)や動作シーケンス(第5実施形態における図11参照)は、第5実施形態の場合と同じであり、重複した図示および説明は省略する。
この第6実施形態に示すように、本件は、セキュリティゾーン7の内側での機器(第5実施形態における情報装置50など)の操作とは無関係に、扉の出入りのみでも成立する。
図16は、第7実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
この図16に示す第7実施形態の扉開閉システム100Gは、前述の第5実施形態の扉開閉システム100E(図5参照)と比べ、カメラ15が追加され、かつ入側および出側の読取装置20C,20Dの構造が多少異なっている。
カメラ15は、出入口7aの入側の映像を撮影するカメラである。
図17は、図16に全体構成を示す第7実施形態の扉開閉システムで採用されている読取装置の外観斜視図である。ここでは、第5実施形態の扉開閉システム100Eで採用されている読取装置20A,20B(図6参照)と同じ構成要素には、同じ符号を付して示し、相違点について説明する。
図17(A)は、入側の読取装置20Cを表わしている。ここには、図6に示す読取装置20Aと比べ、マイクロホン30が追加されている。
このマイクロホン30は、出入口7aの入側の音をピックアップするマイクロホンである。また、図17(B)は出側の読取装置20Dを表わしている。ここには、図6に示す読取装置20Aと比べ、モニタ31とスピーカ32が追加されている。
モニタ31は、図16に示すカメラで撮影された、出入口7aの入側の映像を表示するモニタである。またスピーカ32は、図17(A)に示すマイクロホン30でピックアップされた、出入口7aの入側の音を出力するスピーカである。
図17(A)、図17(B)の読取装置20C,20Dの他の構成要素は、図6に示す読取装置20Aの対応する構成要素と同一であり、説明は省略する。
図18は、図16,図17に示す第7実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この図18に示す扉開閉システム100Gは、前述の第5実施形態の扉開閉システム100Eに関する内部構成図(図7参照)と比べ、図16,図17を参照して説明したカメラ15、マイクロホン30、モニタ31、およびスピーカ32が追加されている。また、以下に説明する警報音判定テーブル473の内容が異なっている。他の構成要素は図7に示す内部構成図と同一であり、説明は省略する。
図19は、図16〜図18に示す第7実施形態の扉開閉システムで採用されている警報音設定テーブルの一例を示す図である。
前述の第5実施形態で採用した警報音設定テーブル(図10参照)と比べると分かるように、ここでは、「通行許可OK音」は、入側の読取装置20Cと出側の読取装置20Dの双方で同一である。すなわち、入側と出側とで警報音では区別不能である。
しかしながら、この第7実施形態の扉開閉システム100Gでは、出入口7aの入側の映像と音が出側で監視されており、これにより、衝突の回避が行なわれる。尚、出入口7aの出側の映像や音を入側で監視するように構成されていない理由は、セキュリティゾーン7の内部の様子が外部に筒抜けになるのを防止するためである。
尚、この第7実施形態の扉開閉システム100Gでも、図19に示した警報音設定テーブルに代えて、図10に示した警報音設定テーブルを採用し、入側と出側で互いに異なる音で通行許可OKの警報音を出力するようにしてもよい。その場合、衝突回避が一層確実に行なわれる。
図20は、第8実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図21は、第8実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。この第8実施形態は第7実施形態と近似しており、第7実施形態との相違点を説明する。
図20,図21を、第7実施形態における図16,図18と比べると分かるように、この第8実施形態の扉開閉システム100Hは、セキュリテゾーンへの入室、退室のみを取扱うシステムである。
情報装置50が存在しないときの登録個人識別情報DB471および通行許可判定テーブル472については、第6実施形態で説明済であるので(図14,図15参照)、ここでの重複説明は省略する。また、警報音設定テーブルは、第7実施形態と同じテーブルが採用される。
図22は、第9実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
この図22に示す扉開閉システム100Iは、前述の第5実施形態の扉開閉システム100E(図5参照)と比べ、入側および出側の読取装置20E,20Fの構成が異なっている。他の構成要素は、図5と同一であり。重複説明は省略する。
図23は、図22に全体構成を示す第9実施形態の扉開閉システムで採用されている読取装置の外観正面図である。図22には2つの読取装置20E,20Fが示されているが、その外観・構造は互いに同一であり、ここでは、代表的に一方の読取装置20Eを示している。
ここには、受信部21と、OKランプ27aと、NGランプ27bと、衝突警報表示ランプ27cと、スピーカ29が示されている。図6に示す読取装置20Aと比べると、衝突警報表示ランプ27cが追加されている。この衝突警報表示ランプ27cは、3つ連なった形のオレンジ色で点灯するランプである。後述するように、衝突の可能性のある人が1人、2人、あるいは3人以上のときに、3つ連なったランプのうちの、それぞれ左側の1個のランプのみ、左側と中央の2個のランプ、あるいは、3個のランプが点灯する。
図23に示す読取装置20Eの、他の構成要素は、図6に示す読取装置20Aの対応する構成要素とそれぞれ同一であり、重複説明は省略する。
図24は、図22に全体構成を示した第9実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この図24に示すように、読取装置20E,20Fには、衝突警報表示ランプ27cが追加されている。読取装置20E,20Fの他の構成要素は、第5実施形態(図7参照)の読取装置20A,20Bと同一であり、重複説明は省略する。
また、図24には、図7と比べ、制御装置40を構成する記憶部47内に衝突警報判定テーブル474が追加されている。また、警報音設定テーブル473も、この実施形態に適合したテーブルが採用されている。
図25は、衝突警報判定テーブルの第1例を示す図である。
ここには、「時刻」、「通行許可」、「入/出」、「Tw時間の通行許可者(入側/出側)」、および「衝突警報値(入側/出側)」の各欄が設けられている。
ここでは、通行許可があった時点からタイムウインドTw=3秒以内は、その通行許可を求めた通過者が出入口7aの近傍にとどまっているものと推定して、その出入口7aに同時に存在する人数を計数している。この実施形態では、その人数の計数にあたり、出入口7aからセキュリティゾーン7に入ろうとしている人とセキュリティゾーン7から出ようとしている人とに分けて人数を計数している。「時刻」には、1分ごとの時刻が示されている。ここでは、1分間隔で通行許可の有無が監視されている。「通行許可」は、その時刻(1分間)に通行許可があったか否かが示されている。
「入/出」は、通行許可があった場合に、その通行許可が入側の読取装置20EにICカード8を翳して通行許可を得た場合を「入」、出側の読取装置20FにICカード8を翳して通行許可を得た場合を「出」として区別している。
「Tw時間の通行許可者」は、「入側」と「出側」とに分けて、過去3秒以内の通行許可を受けた通行者の人数をカウントした欄である。
「衝突警報値」は「入側」と「出側」とに分けて、出入口7aにとどまっていると推定される人数に基づいて求められた、衝突の可能性の程度を示す値である。
このテーブルは、「時刻」=「11:59:59」までは、通行許可がなく、過去Tw=3秒以内に通行許可を受けた人もいなかったことを表わしている。
また、このテーブルによれば、「時刻」=「12:00:00」に通行許可があって、その通行許可は入側で行なわれ、入側に1人とどまった状態にある。
同様に、「時刻」=「12:00:01」にも入側で通行許可があり、出入口7aの入側に2名とどまっている。
「時刻」=「12:00:03」にも入側で通行許可があり、出入口7aの入側に3名がとどまっている。
「時刻」=「12:00:04」に、今度は出側で通行許可があり、出入口7aの出側に1人とどまった状態となる。出入口7aの入側では、過去Tw=3秒から1人外れるため2人がとどまった状態となる。
ここで、この「時刻」=「12:00:03」には、出側で通行許可があり、入側に2人がとどまっているため、「出側」の「衝突警報値」が「2」となる。この場合、出側の読取装置20Fの衝突警報表示ランプ27cは、左から2つのランプが点灯する。スピーカから発せられる音については後述する。
「時刻」=「12:00:04」にも出側で通行許可があり、「Tw時間の通行許可者」は「入側」ではさらに1人減って1人となり、「出側」では1人増えて2人となる。またこのとき「衝突警報値」は、「出側」で「1」となり、出側の読取装置20Fの衝突警報表示ランプ27cは、左の1つが点灯する。
「時刻」=「12:00:05」には今度は入側で通行許可があり、「Tw時間の通行許可者」は、「入側」では、Tw=3秒経過した人が1人減るとともに今回新たに通行許可を受けた人が1人増えて変わらずに1人となる。このとき「出側」では、Tw=3秒の制限で抜ける人数はなく、2人のままとどまる。
ここでは、「入側」で通行許可があったため、「入側」の「衝突警報値」はその時点の「出側」にとどまっている人数(2人)に基づき「2」となり、入側の読取装置20Eの衝突警報表示ランプ27cは、左から2つのランプが点灯する。
さらに、その同じ「時刻」=「12:00:05」の時間帯内で、入側の通行許可から少し遅れて出側でも通行許可があり、「Tw時間の通行許可者」は「入側」で「1人」、「出側」で「3人」となる。今度は出側で通行許可があったので、「衝突警報値」は「出側」で「1」となり、出側の読取装置20Fの衝突警報表示ランプ27cは左側の1つが点灯する。
尚、Tw=3秒以内の通行許可者が4人以上であっても「衝突警報値」は「3」にとどまる。
図26は、ここで説明している第9実施形態の警報音設定テーブルの第1例を示す図である。
ここには、図10あるいは図19に示す警報音設定テーブルにも存在する、「機器識別番号」、「入/出」、「通行許可OK音」、「通行許可NG音」の各欄に、さらに、「衝突警報メッセージ」の欄が追加されている。「衝突警報メッセージ」を除く各欄は、図10を参照して説明済みあり、重複説明は省略する。「衝突警報メッセージ」は、出入口7aの対向側に人がいる場合に発せられるメッセージを表わす音信号を表わしている。
この図26の警報音設定テーブルでは、「通行許可OK音」「通行許可NG音」「衝突警報メッセージ」のいずれについても入側と出側とで同一となっている。
図25に示す衝突警報判定テーブルと図26の警報音設定テーブルを合わせて音の発生について説明すると以下の通りとなる。ここでは、ランプの点灯についても再度説明する。
「時刻」=「12:00:00」に入側で通行許可があり、「衝突警報値」は「0」である。したがって、ここでは、入側の読取装置20Eでは、通行許可OKを表わす「ピー」音が発せられ、OKランプ27aが点灯する。
「時刻」=「12:00:01」、および「時刻」=「12:00:02」にも、同様に、入側の読取装置20Eにおいて通行許可OKを表わす「ピー」音が発せられ、OKランプ27aが点灯する。
「時刻」=「12:00:03」には、出側で通行許可があり、「出側」の「衝突警報値」が「2」である。したがってここでは、出側の読取装置20Fで、通行許可OKを表わす「ピー」音が発せられ、OKランプ27aが点灯する。この出側の読取装置20Fでは、さらにその「ピー」音に続き「対向者にご注意ください」というメッセージ音が発せられ、衝突警報ランプ27cが2つ点灯する。
「時刻」=「12:00:04」には出側で通行許可があり、「出側」の「衝突警報値」が「1」である。したがってここでは、出側の読取装置20Fで通行許可OKを表わす「ピー」音と、その「ピー」音に続く「対向者にご注意ください」というメッセージ音が発せられる。さらに、OKランプ27aが点灯し、衝突警報ランプ27cが1つ点灯する。
「時刻」=「12:00:05」の1秒間のうちの早い時刻には、入側で通行許可があり、入側の「衝突警報値」は「2」である。このため、このタイミングでは、入側の読取装置20Eで通行許可OKを表わす「ピー」音とそれに続く「対向者のご注意ください」というメッセージ音が発せられる。
ランプに関しては、入側の読取装置20EでOKランプ27aが点灯し、さらに、衝突警報ランプ27cが2つ点灯する。
「時刻」=「12:00:05」の1秒間のうちの出側の通行許可があったタイミングでは出側の「衝突警報値」が「1」である。したがって、このタイミングでは、出側の読取装置20Fで通行許可を表わす「ピー」音が発せられ、それに続いて「対向者にご注意ください」というメッセージ音が発せられる。ランプに関しては、出側の読取装置20FでOKランプ27aが点灯し、さらに衝突警報ランプ27cが1つ点灯する。
以上のように、この第9実施形態の扉開閉システム100Iによれば、通行許可の時点からの経過時間によって対向者の人数が推定される。そして対向者が存在するときに衝突警報メッセージ音が発せられるとともに、衝突警報ランプ27cが推定された人数に応じた数だけ点灯する。したがって出入口7aを通行しようとしている通行者は、対向者の存在を認識することができ、衝突を回避することができる。
図27は、衝突警報判定テーブルの第2例を示す図である。
図25に示す第1例の衝突警報判定テーブルの場合は、入側と出側のいずれについても、通行許可OKの判定からTw=3秒間はそこにとどまっていると推定している。これに対し、図27に示す第2例の衝突警報判定テーブルの場合は、入側と出側とを区別し、入側についてはTw=3秒、出側についてはTw=2秒としている。このため、図25の場合と同一タイミングで通行許可であった場合、図25と比べ「出側」の「Tw時間の通行許可者」と、「入側」の「衝突警報値」が異なっている。
出入口7aの入側と出側のレイアウト等が互いに異なり、出入口7aの通過までに要する時間が入側と出側とで異なる場合は、図27に示すように、入側と出側とでTwの値をそれぞれ最適化することが好ましい。
図28は、第9実施形態の警報音設定テーブルの第2例を示す図である。
この図28の警報音設定テーブルでは、入側と出側とで「通行許可OK音」が互いに異なっている。この場合、前述した第5実施形態の場合(図10の警報音設定テーブルを参照)と同様に、通行許可OK音を聞き分けることによっても衝突の回避が図られる。このため、入側と出側とで通行許可OK音を同一とした場合よりも一層確実に衝突の回避が図られる。
次に、この第9実施形態の扉開閉システムの変形例について説明する。この変形例としての第9実施形態の扉開閉システムは、これまで説明してきた第9実施形態の扉開閉システム100I(図22〜図28参照)警報音設定テーブルとその利用法が若干異なり、その他の点はこれまでの説明の第9実施形態の扉開閉システム100Iと同じである。そこでこの変形例については警報音設定テーブルのみ図示し、第9実施形態についてのこれまでの説明との相違点のみの説明にとどめる。
図29は、第9実施形態の変形例で採用される警報音設定テーブルの第1例を示す図である。
この図29に示す警報音設定テーブルには、「機器識別番号」、「入/出」、「通行許可OK音」、「通行許可NG音」に加え、「通行許可OK音+衝突警報メッセージの代用音」の欄がある。
ここで、これまでの例では「通行許可OK音」は、通行許可OKであれば、例えば図25に示す衝突警報判定テーブルの該当する衝突警報値が「0」であっても「1〜3」であっても、発音される。衝突警報値が「1〜3」のときは、その通行許可OK音に続き衝突警報メッセージ音が出力される。
これに対し、この図29の警報音設定テーブルを採用したときは、「通行許可OK音」は、衝突警報値が「0」のときの通行許可OKの音として使用される。
通行許可OKであって、衝突警報値が「0」ではなく、「1〜3」であるときは、「通行許可OK音」は使用されずに、「通行許可OK音+衝突警報メッセージの代用音」が使用される。
図25の衝突警報判定テーブルを組み合せたときは、以下のように音が発せられる。なおここでは、ランプの点灯についての説明は省略する。
「時刻」=「12:00:00」には、入側で通行許可があり、「衝突警報値」は「0」である。したがってこのタイミングでは、入側の読取装置20Eにおいて、「通行許可OK音」である「ピー」音が発せられる。
「時刻」=「12:00:01」および「時刻」=「12:00:02」においても同様に、入側の読取装置20Eいにおいて、「通行許可OK音」である「ピー」音が発生される。
「時刻」=「12:00:03」には、出側で通行許可があり、「衝突警報値」は「2」である。そこで。このタイミングでは、出側の読取装置20Fにおいて、通行許可OKであって、かつ衝突警報メッセージを兼ねた「ピーポー」という音が発せられる。
「時刻」=「12:01:04」には、出側で通行許可があり、「衝突警報値」は「1」である。そこでこのタイミングにおいても、出側の読取装置20Fにおいて、通行許可OKであって、かつ衝突警報メッセージを兼ねた「ピーポー」音が発せられる。
「時刻」=「12:01:05」の1秒間の早い方のタイミングに、入側で通行許可OKがあり、「衝突警報値」は「2」である。そこで、このタイミングでは、入側の読取装置20Eにおいて、通行許可OKであって、かつ衝突警報メッセージを兼ねた「ピーポー」音が発せられる。さらに、「時刻」=「12:00:05」の1秒間の遅い方のタイミングには、出側で通行許可OKがあり、「衝突警報音」は「1」である。したがってこのタイミングでは、出側の読取装置20Fにおいて、通行許可OK+衝突警報メッセージとして「ピーポー」音が発せられる。
例えば図26に示す第1例の警報音設定テーブルを参照しての説明では、通行許可OKであって衝突警報音が「1〜3」のときは、先ず「ピー」音を発生させ、それに続いて「対向者にご注意ください」というメッセージ音を発する。この場合、通行者が多いと、「対向者に注意ください」というメッセージ音を発音する時間がなく直ぐに次の通行者の通行許可OK音を発音する必要が生じるおそれがある。そうすると、「対向者にご注意ください」というメッセージ音による注意が十分には機能しなくなるおそれがある。
これに対し、図29に示す第3例の警報音設定テーブルを参照した説明では、「通行許可OK音」である「ピー」音は、通行許可OKであって「衝突警報値」が「0」のときのみ使用される。また、通行許可OKであっても、「衝突警報値」が「1〜3」のときは、「通行許可OK音+衝突警報メッセージの代用音」である「ピーポー」音が使用される。ここでは、このように「衝突警報値」が「1〜3」のときも、短い音で通行許可OKと衝突警報メッセージとを知らせることができ、通行者が多い場合にも、対応可能である。
図30は、この第9実施形態の変形例で採用可能な警報音設定テーブルの第2例を示す図である。
この第2例の警報音設定テーブルは、「通行許可OK音」と「通行許可OK+衝突警報メッセージ代用音」に関し、入側と出側とで互いに音を変えている。
この場合、代用者を採用することにより多数の通行者がいる場合にも対応でき、かつ入側と出側とで音を変えることにより、衝突に対する一層の注意が促され、衝突の回避にさらに貢献する。
図31は、第10実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図32は、第10実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この第10実施形態は、第9実施形態と近似しており、第9実施形態との相違点を中心に説明する。
図31,図32を第9実施形態における図22,図24と比べると分かるように、この第10実施形態は、第9実施形態と比べ、情報装置50が存在していない。すなわち、この第10実施形態の扉開閉システム100Jは、セキュリティゾーン7への入室、退室のみを取扱うシステムである。
情報装置50が存在しないときの登録個人識別情報DB471および通行許可判定テーブル472については、第6実施形態で説明済であるので(図14,図15参照)、ここでの重複説明は省略する。また、警報音設定テーブル473や衝突警報判定テーブル474は、第9実施形態やその変形例と同じテーブルが採用される。
図33は、第11実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
この第11実施形態の扉開閉システム100Kでは、入側および出側の読取装置20A,20Bとして、第5実施形態の扉開閉システム100Eで採用されている読取装置20A,20B(図6参照)と同じ構成のものが採用されている。
また、この図33に示す第11実施形態の扉開閉システム100Kの場合、衝突警報表示器70Aが配備されている。
図34は、衝突警報表示器70Aの配置および外観平面を示す図である。
この図34には、出入口7aを入側から見た図が示されている。衝突警報表示器70Aは出入口7aの上部の壁に設置されている。この衝突警報表示器70Aには、衝突警報表示ランプ71とスピーカ182が設けられている。衝突警報表示ランプ71は、3つのランプが横に並んだ構造を有する。この衝突警報表示ランプ71は、前述の第9実施形態の扉開閉システム100I(図22〜図30)における読取装置20E,20F(図23参照)に設けられた衝突警報表示ランプ27cと同じ作用を成すランプである。
スピーカ182は、一例として、読取装置20A,20Bのスピーカ29と役割りを分担せずに同じ音が発せられる。あるいは、読取装置20A,20Bのスピーカ29は「通行許可OK音」と「通行許可NG音」を発音し、スピーカ182は、衝突警報メッセージ(図26,図28参照)を発音するように役割りを分担させてもよい。「通行許可OK音+衝突警報メッセージの代用音」(図29,図30参照)を採用したときは、その音をスピーカ29とスピーカ182との双方で出力することが好ましい。
この衝突警報表示器70Aを読取装置20A,20Bとは別に設けると、読取装置20A,20Bを衝突警報を行なうために改造する必要はない。また、この衝突警報表示器70Aを出入口7aの直上に設置したため、読取装置20Aよりも出入口7aにより近づいた位置で衝突の危険が知られることになり、衝突の回避に一層効果的である。
図35は、図33に全体構成を示す第11実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
図7に示す第5実施形態と比べ、衝突警報表示器70Aが追加されている点が異なる。また、ここでは、衝突警報判定テーブル474として以下のテーブルが採用される。
図36,図37は、この第11実施形態で採用される衝突警報判定テーブルの第1例,第2例を示した図である。
図25,図27に示す第9実施形態で採用した衝突警報判定テーブルと比べると、図25,図27では「衝突警報値」が「入側」と「出側」とに分かれている。これに対し、図36,図37の衝突警報判定テーブルでは、「衝突警報値」は、「入側」や「出側」の区別なく1つの欄に記録されている。
図36,図37の「衝突警報値」の各値は、それぞれ、図25,図27の「入側」と「出側」との「衝突警報値」の論理和となっている。
これは、この第11実施形態では、衝突警報表示器70Aは出入口7aの入側に1台のみ設置されていることと対応している。すなわち、この第11実施形態では、衝突警報は入側と出側と区別せずに、衝突警報器70Aで行なわれる。
その他の点は、前述の第9実施形態やその変形例と同一であり、重複説明は省略する。
図38は、第12実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図39は、第12実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この第12実施形態は、第11実施形態と近似しており、第11実施形態との相違点を中心に説明する。
図38,図39を第11実施形態における図33,図35と比べると分かるように、この第12実施形態は、第11実施形態と比べ、情報装置50が存在していない。すなわち、この第12実施形態の扉開閉システム100Lは、セキュリティゾーン7への入室、退室のみを取扱うシステムである。
情報装置50が存在しないときの登録個人識別情報DB471および通行許可判定テーブル472については、第6実施形態で説明済であるので(図14,図15参照)、ここでの重複説明は省略する。また、警報音設定テーブル473や衝突警報判定テーブル474は、第11実施形態やその変形例と同じテーブルが採用される。
図40は第13実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図41は第13実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
図40,図41に示す第13実施形態の扉開閉システム100Mの場合、出入口7aの入側の衝突警報表示器70Aだけでなく、出入口7aの出側にも衝突警報表示器70Bが配置されている。これら2台の衝突警報表示器70A,70Bは、出入口7aの入側と出側という違いはあるものの、いずれも図34に示すように、出入口7aの真上に配置されている。 またそれら2台の衝突警報表示器70A,70Bは、いずれも図34に示す衝突警報表示器70A,70Bと同様、衝突警報表示ランプ71とスピーカ182とを有する。
ここで前述の第11実施形態の場合、1台の衝突警報表示器70Aのみが設けられているため、図36,図37に示した「衝突警報判定テーブル」のように、「衝突警報値」は「入側」と「出側」との区別なしに1つにまとめられている。これに対し、この第13実施形態の場合、2台の衝突警報表示器70A,70Bを備えているため、「入側」と「出側」と区別したままの「衝突警報値」(図25,図27参照)が使用される。
すなわち、この第13実施形態では、衝突警報表示器70A,70Bが読取装置20A,20Bとは別に備えられている点を除き、前述の第9実施形態と同じである。この第1実施形態についての他の点については、これまでの各実施形態の説明、特に第9実施形態と第11実施形態との説明から明らかであるため、第13実施形態についてのこれ以上の説明は省略する。
2台の衝突警報表示器70A,70Bを備えたことにより、前述の第11実施形態と比べ、衝突についての危険が一層明確に通過者に伝わりやすく、衝突の回避に一層役立てることができる。
図42は、第14実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図43は、第14実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この第14実施形態は、第13実施形態と近似しており、第13実施形態との相違点を中心に説明する。
図42,図43を第13実施形態における図40,図41と比べると分かるように、この第14実施形態は、第13実施形態と比べ、情報装置50が存在していない。すなわち、この第14実施形態の扉開閉システム100Nは、セキュリティゾーン7への入室、退室のみを取扱うシステムである。
情報装置50が存在しないときの登録個人識別情報DB471および通行許可判定テーブル472については、第6実施形態で説明済であるので(図14,図15参照)、ここでの重複説明は省略する。また、警報音設定テーブル473や衝突警報判定テーブル474は、第13実施形態やその変形例と同じテーブルが採用される。
図44は第15実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。
ここでは、入側および出側の読取装置20E,20Fとして、前述の第9実施形態で採用した構成の読取装置(図23参照)が採用されている。また、ここには人検出センサ73が配置されている。この人検出センサ73は、人感センサや画像センサや、それらの両方で実現される。人感センサは、赤外線センサと超音波センサの組合せで人の存在を検出するものである。また、画像センサは人の顔、足等をマークして人の存在を検出するものである。
図45は、人検出センサの配置図である。
人検出センサ73は、図44に示す出入口7aの入退室者間の衝突発生予測エリアD1と、入退室者間で通行上互いに死角になるエリアD2,D3を含むエリア内の人の検出が可能なように、入側に設置されている。
図46は、第15実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
第9実施形態における構成(図24参照)と比べ人検出センサ73が追加されている点が異なる。
第9実施形態では、入側や出側で通行許可があってからTw時間以内はその通行者は入側あるいは出側にとどまっているものと推定して、出入口7aの近傍にいる人の人数を計数している。これに対し、この第15実施形態の場合は、人検出センサ73を導入して、人の存在および人数が直接に計数されている。
図47は、この第15実施形態における衝突警報判定テーブルの第1例を示す図である。
この図47に示す衝突警報判定テーブルを、図25に示した衝突警報判定テーブルと比べると、図25における「Tw時間の通行許可者」の欄に代わり「人検出センサ検出人数」の欄が存在する。この「人検出センサ検出人数」の欄には、各時刻における、人検出センサ73で検出された人数が記録されている。
「時刻」=「12:00:00」には入側で通行許可OKがあり、そのときには「人検出センサ検出人数」は「2」なので、その「2」がそのまま「入側」の「衝突警報値」となっている。すなわち、この場合、入側の読取装置20Eで衝突警報表示ランプ27c(図23参照)を構成する3つのランプのうちの2つが点灯する。
また、「時刻」=「12:00:03」には、出側で通行許可OKがあり、そのときには、「人検出センサ検出人数」は「3」となっている。このときは、その「3」がそのまま「出側」の「衝突警報値」となり、出側の読取装置20Fで衝突警報表示ランプ27cが3つとも点灯する。
尚、「時刻」=「12:00:05」の1秒間の遅い方のタイミングでは、「人検出センサ検出人数」が「4」となっているが、「衝突警報値」は最大が「3」であるので、ここでは「衝突警報値」は「3」となっている。
読取装置20E,20Fに備えられたスピーカ29から発せられる音については、前述の第9実施形態やその変形例のものが全て適用可能である。すなわち、警報音設定テーブル473としては、図26,図28に例示したものや、図29,図30に例示した代用音を使用するものなどが使用可能である。
ここで、この第15実施形態の更なる変形例について説明する。
(1)図44〜図46では、読取装置20E,20Fとして、図23に示す構成のものが使用されている。これに代えて、図6に示す構成の読取装置20A,20Bを採用し、出入口7aの入側の上部に、図34に示すような衝突警報表示器70Aを配置してもよい。
図48は、人検出センサを用いたときの衝突警報判定テーブルの第2例である。
図47に示す第1例の衝突警報判定テーブルと比較すると、「衝突警報値」が「入側」と「出側」とで分かれずに1つになっている。この図48の「衝突警報値」は、「人検出センサ検出人数」と同一の数値(ただし、「人検出センサ検出人数」が「4」以上のときは「3」に置き換える)である。
出入口7aの入側上部に衝突警報表示器70A(図34参照)を配置すると、入側と出側との区別なしにその1つの衝突警報表示器70Aで警報を出力するため、図48に例示するような衝突警報判定テーブルが採用される。
(2)図6に示す構成の読取装置20A,20Bを採用し、出入口7aの入側と出側とのそれぞれの上部に図34に示すような衝突警報表示器70A,70Bを設ける(図40参照)。
このように、人検出センサ73を採用した場合も、通行許可OKの時刻からTw時間以内という条件で人数を検出した場合と同様の様々な変形が可能である。
図49は、第16実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図50は、第16実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この第16実施形態は、第15実施形態と近似しており、第15実施形態との相違点を中心に説明する。
図49,図50を第15実施形態における図44,図46と比べると分かるように、この第16実施形態は、第15実施形態と比べ、情報装置50が存在していない。すなわち、この第16実施形態の扉開閉システム100Qは、セキュリティゾーン7への入室、退室のみを取扱うシステムである。
情報装置50が存在しないときの登録個人識別情報DB471および通行許可判定テーブル472については、第6実施形態で説明済であるので(図14,図15参照)、ここでの重複説明は省略する。また、警報音設定テーブル473や衝突警報判定テーブル474は、第15実施形態やその変形例と同じテーブルが採用される。
図51は、第17実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図52は、第17実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この第17実施形態の扉開閉システム100Rには、入側および出側の読取装置20A,20Bとして、第5実施形態と同様の読取装置(図6参照)が採用されている。また、ここには、第13実施形態(図40参照)と同様、衝突警報表示器70A,70Bが採用されている。これらの衝突警報表示器70A,70Bは、図34に示すように、出入口7aの真上に配置されており、衝突警報表示ランプ71とスピーカ182とを備えた構成となっている。
また、ここではさらに、人を追跡して歩行速度を監視する人追跡歩行速度監視センサ74A,74Bが、出入口7aの入側と出側の天井に設置されている。入側の人追跡歩行速度監視センサ74Aは、ハッチングを付した領域D4を監視してその領域内の人の歩行速度を監視するセンサである。また、出側の人追跡歩行速度監視センサ74Bは、ハッチングを付した領域D5を監視してその領域内の人の歩行速度を監視するセンサである。
図53は、この第17実施形態で採用される衝突警報判定テーブルの第1例を示す図である。
ここには「危険歩行速度検出時刻」、「検出歩行速度(m/秒)」、「入/出」、および「衝突警報値(入側/出側)」の各欄が示されている。ここでは、1.8m/秒以上の速度での歩行を危険歩行速度としている。
「危険歩行速度検出時刻」は、その危険歩行速度が検出された時刻を表わしている。
また、「検出歩行速度(m/秒)」は、その検出された危険歩行速度を表わしている。
「入/出」は、その危険歩行速度が入側の人追跡歩行速度監視センサ74Aで検出された場合を「入」、出側の人追跡歩行速度監視センサ74Bで検出された場合を「出」として区別している。
「衝突警報値」は、危険速度が検出された場合は、全て「3」として取り扱っている。
図54は、この第17実施形態で採用可能な警報音設定テーブルの第1例を示す図である。
この図54の警報音設定テーブルは、前述の第5実施形態で用いた警報音設定テーブル(図10参照)と同じ警報音設定テーブルに「危険歩行警告メッセージ」の欄を追加した構造を有する。
この場合、第5実施形態と同様に、入側と出側とで互いに異なる「通行許可OK音」を採用して衝突回避のための注意を喚起するとともに、危険歩行が検出された場合は、危険歩行が検出された入側又は出側の衝突警報表示器70A,70Bにより衝突警報表示ランプ71が3つとも点灯し、「危険な歩行はおやめください」というメッセージ音が出力される。
図55は、この第17実施形態で採用可能な警報音設定テーブルの第2例を示す図である。この図55に示す警報音設定テーブルは、前述の第9実施形態において使用した警報音設定テーブルの第1例(図26参照)と同じ警報音設定テーブルに「危険歩行警告メッセージ」が追加された構造を有する。
すなわち、この場合、前述の第9実施形態と同様に、通行許可からTw時間以内という推定により通行者の人数を計数して、必要に応じて「対向者にご注意ください」というメッセージ音が出力される。さらに、これに追加して、危険歩行が検出された場合には、「危険な歩行はおやめください」というメッセージ音が出力される。
図56は、この第17実施形態で採用可能な警報音設定テーブルの第3例である。この図56に示す警報音設定テーブルは、前述の第9実施形態における警報音設定テーブルの第2例(図28参照)と同じ警報音設定テーブルに「危険歩行警告メッセージ」が追加された構造を有する。すなわちここでは、前述の第9実施形態において図28の警報音設定テーブルを採用したときの動作にさらに、危険歩行が検出されたときに危険歩行警告メッセージ音を出力する点が追加されている。
さらに、図57,図58は、第17実施形態の変形例で採用可能な警報音設定テーブルの第1例および第2例を示す図である。
これら図57,図58は、第9実施形態の変形例で使用される図29,図30に示す警報音設定テーブルに、「危険歩行警告メッセージ」が追加された構造を有する。
ここでは、第9実施形態の図29,図30が採用される変形例と同様な動作に加え、さらに、危険歩行警告メッセージ音を出力する点が追加されている。
尚、図54〜図58の警報音設定テーブルの説明では、音の出力のみに着目して説明したが、ランプの点灯についても引用した各実施形態とそれぞれ同様である。
また、危険歩行が検出されたときは、前述の通り、危険歩行警告メッセージ音が出力されるほか、衝突警報表示ランプが3つとも点灯される。
また、ここでは引用した各実施形態で使用されている衝突警報判定テーブルも合わせて採用される。
この第17実施形態では、出入口7aの入側と出側との双方に衝突警報表示器70A,70Bが配置されている。これを図33に示す第11実施形態のように、出入口7aの入側にのみ衝突警報表示器70Aを配置してもよい。
図59は、人追跡歩行速度監視センサを用いたときの衝突警報判定テーブルの第2例である。
図53に示す第1例の衝突警報判定テーブルと比較すると、「衝突警報値」が「入側」と「出側」とに分かれずに1つになっている。出入口7aの入側上部にのみ衝突警報表示器70A(図34参照)を配置すると、入側と出側との区別なしにその1つの衝突警報表示器70Aで警報を出力するため、図59のような衝突警報判定テーブルが採用される。
図60は、第18実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図61は、第18実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この第18実施形態は、第17実施形態と近似しており、第17実施形態との相違点を中心に説明する。
図60,図61を第17実施形態における図51,図52と比べると分かるように、この第18実施形態は、第17実施形態と比べ、情報装置50が存在していない。すなわち、この第18実施形態の扉開閉システム100Sは、セキュリティゾーン7への入室、退室のみを取扱うシステムである。
情報装置50が存在しないときの登録個人識別情報DB471および通行許可判定テーブル472については、第6実施形態で説明済であるので(図14,図15参照)、ここでの重複説明は省略する。また、警報音設定テーブル473や衝突警報判定テーブル473は、第17実施形態やその変形例と同じテーブルが採用される。
図62は、第19実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。この第19実施形態の扉開閉システム100Tには、カメラ15(図16参照)、衝突警報表示器70A,70B(図40参照)、人検出センサ73(図44参照)、および、人追跡歩行速度監視センサ74A,74B(図51参照)の全てが採用されている。
図63は、第19実施形態の扉開閉システムで採用されている入側および出側の読取装置の外観正面図である。
図63(A)は、入側の読取装置20Gであり、これは図17(A)に示す読取装置20Cと、図23に示す読取装置20Eの双方の要素を集めた構成を有する。また図63(B)は出側の読取装置20Hであり、これは、図17(B)に示す読取装置20Dと図23に示す読取装置20Eの双方の構成要素を集めた構成を有する。各構成要素については、図6,図17,図23を参照して説明済であり、重複説明は省略する。
図64は、第19実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この第19実施形態の扉開閉システム100Tは、前述の複数の実施形態を複合した構成の実施形態であり、各構成要素については説明済であり、重複説明は省略する。
この図62〜図64の第19実施形態に示すように、本件は複数の実施形態を自由に複合させることができ、衝突の回避に役立てることができる。
図65は、第20実施形態の扉開閉システムの全体構成図である。また、図66は、第20実施形態の扉開閉システムを構成する各装置の内部構成図である。
この第20実施形態は、第19実施形態と近似しており、第19実施形態との相違点を中心に説明する。
図65,図66を第19実施形態における図62,図64と比べると分かるように、この第20実施形態は、第19実施形態と比べ、情報装置50が存在していない。すなわち、この第20実施形態の扉開閉システム100Uは、セキュリティゾーン7への入室、退室のみを取扱うシステムである。
情報装置50が存在しないときの登録個人識別情報DB471および通行許可判定テーブル472については、第6実施形態で説明済であるので(図14,図15参照)、ここでの重複説明は省略する。また、警報音設定テーブル473や衝突警報判定テーブル474は、第19実施形態やその変形例と同じテーブルが採用される。
以下、本件についての各種形態を付記する。
(付記1)
入口と出口との双方として利用される通過口に設置された開閉扉と、
制御を受け、該制御に応じて、前記開閉扉を、前記通過口の通過が可能な通過可能状態と該通過口の通過が不能な通過不能状態との間で移行させる扉開閉機構と、
前記通過口の入側に設置され該通過口を入側から通過しようとする通過者の認証データを取得する入側認証データ取得部と、
前記通過口の出側に設置され該通過口を出側から通過しようとする通過者の認証データを取得する出側認証データ取得部と、
前記入側認証データ取得部および前記出側認証データ取得部のそれぞれから認証データを受け取って、前記通過口の通過を許可するか否かを判定する許可判定部と、
前記許可判定部により前記通過口の通過の許可があったことを受けて前記扉開閉機構を制御することにより、前記開閉扉を前記通過可能状態に移行させた後前記通過不能状態に移行させる扉制御部と、
前記通過者に向けて音を発するスピーカと、
前記許可判定部により前記通過口の通過の許可があったことを受けて、前記スピーカに、いずれも通過許可を表わす音信号であって、かつ、前記入側認証データ取得部で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合と、前記出側認証データ取得部で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合とで互いに異なる音信号を送って、該スピーカに、前記通過者に向けて、該通過口の通過の許可を音で通知させる通過許可通知部とを有することを特徴とする扉開閉システム。
(付記2)
前記スピーカとして、前記通過口を入側から通過しようとする通過者に向けて音を発する入側スピーカと、前記通過口を出側から通過しようとする通過者に向けて音を発する出側スピーカとを有し、
前記通過許可通知部は、前記入側認証データ取得部で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合に、該通過口の通過の許可を表わす第1の音信号を前記入側スピーカに送って、該入側スピーカに、前記通過者に向けて、該第1の音信号に基づく第1の音で該通過口の通過の許可を通知させ、前記出側認証データ取得部で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合に、該通過口の通過の許可を表わす、前記第1の音信号とは異なる第2の音信号を前記出側スピーカに送って、該出側スピーカに、前記通過者に向けて、該第2の音信号に基づく第2の音で該通過口の通過の許可を通知させるものであることを特徴とする付記1記載の扉開閉システム。
(付記3)
前記スピーカとして、前記通過口を入側から通過しようとする通過者に向けて音を発する入側スピーカと、前記通過口を出側から通過しようとする通過者に向けて音を発する出側スピーカとを有し、
前記通過許可通知部は、前記入側認証データ取得部で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合に、該通過口の通過の許可を表わす第1の音信号を前記入側スピーカと前記出側スピーカとの双方に送って、該入側スピーカと該出側スピーカとの双方に、前記通過者に向けて、該第1の音信号に基づく第1の音で該通過口の通過の許可を通知させ、前記出側認証データ取得部で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合に、該通過口の通過の許可を表わす、前記第1の音信号とは異なる第2の音信号を前記入側スピーカと前記出側スピーカとの双方に送って、該入側スピーカと該出側スピーカとの双方に、前記通過者に向けて、該第2の音信号に基づく第2の音で該通過口の通過の許可を通知させるものであることを特徴とする付記1記載の扉開閉システム。
(付記4)
入口と出口との双方として利用される通過口に設置された開閉扉と、
制御を受け、該制御に応じて、前記開閉扉を、前記通過口の通過が可能な通過可能状態と該通過口の通過が不能な通過不能状態との間で移行させる扉開閉機構と、
前記通過口の入側に設置され該通過口を入側から通過しようとする通過者の認証データを取得する入側認証データ取得部と、
前記通過口の出側に設置され該通過口を出側から通過しようとする通過者の認証データを取得する出側認証データ取得部と、
前記入側認証データ取得部および前記出側認証データ取得部のそれぞれから認証データを受け取って、前記通過口の通過を許可するか否かを判定する許可判定部と、
前記許可判定部により前記通過口の通過の許可があったことを受けて前記扉開閉機構を制御することにより、前記開閉扉を前記通過可能状態に移行させた後前記通過不能状態に移行させる扉制御部と、
前記通過口入側の音をピックアップするマイクロホンと、
前記通過口入側の映像を撮影するカメラと、
前記通過口の出側に設置され前記マイクロホンでピックアップされた音を出力するスピーカと、
前記通過口の出側に設置され、前記カメラで撮影された映像を表示するモニタとを有することを特徴とする扉開閉システム。
(付記5)
入口と出口との双方として利用される通過口に設置された開閉扉と、
制御を受け、該制御に応じて、前記開閉扉を、前記通過口の通過が可能な通過可能状態と該通過口が不能な通過不能状態との間で移行させる扉開閉機構と、
前記通過口の入側に設置され該通過口を入側から通過しようとする通過者の認証データを取得する入側認証データ取得部と、
前記通過口の出側に設置され該通過口を出側から通過しようとする通過者の認証データを取得する出側認証データ取得部と、
前記入側認証データ取得部および前記出側認証データ取得部のそれぞれから認証データを受け取って、前記通過口の通過を許可するか否かを判定する許可判定部と、
前記許可判定部により前記通過口の通過の許可があったことを受けて前記扉開閉機構を制御することにより、前記開閉扉を前記通過可能状態に移行させた後前記通過不能状態に移行させる扉制御部と、
前記通過口近傍に同時に存在する通過者の人数を推定又は測定により計数する人数計数部と、
前記通過者に向けて音を発するスピーカと、
前記人数計数部により通過者どうしの衝突の可能性がある人数が推定又は測定された場合に、前記スピーカに注意喚起用の音信号を送って、該スピーカに、該通過者に向けて、注意喚起用の音を出力させる警報報知部とを有することを特徴とする扉開閉システム。
(付記6)
前記人数計数部が、前記入側認証データ取得部で取得された認証データに基づく通過許可があった時点から第1の閾値時間以内は、該通過許可を求めた通過者が該通過口近傍に存在するものと推定し、かつ、前記出側認証データ取得部で取得された認証データに基づく通過許可があった時点から第2の閾値時間以内は、該通過許可を求めた通過者が該通過口近傍に存在するものと推定して、該通過口近傍に同時に存在する通過者の人数を計数するものであることを特徴とする付記5記載の扉開閉システム。
(付記7)
前記人数計数部が、前記通過口近傍に存在する通過者を検出する人検出センサを有し、該人検出センサで検出された通過者の人数を計数するものであることを特徴とする付記5記載の扉開閉システム。
(付記8)
前記通過者に向けて表示を行なう表示部を有し、
前記警報報知部が、前記人数計数部により前記通過者どうしの衝突の可能性がある人数が推定又は測定された場合に、前記スピーカに注意喚起用の音を出力させるとともに、前記表示部に、該人数計数部により推定又は測定された人数に応じた表示態様の表示を行なわさせるものであることを特徴とする付記5から7のうちいずれか1項記載の扉開閉システム。
(付記9)
前記スピーカとして、前記通過口を入側から通過しようとする通過者に向けて音を発する入側スピーカと、前記通過口を出側から通過しようとする通過者に向けて音を発する出側スピーカとを有し、
前記人数計数部が、前記通過口近傍に同時に存在する通過者の人数を、該通過口入側に存在する通過者の人数と該通過口出側に存在する通過者の人数とに分けて計数するものであり、
前記警報報知部が、前記許可判定部により、前記通過口を入側から通過しようとする通過者の通過許可があったことを受けて、前記人数計数部により前記通過口の出側に他の通過者が存在することが推定又は測定されていた場合に、前記入側スピーカに注意喚起用の音を出力させ、前記許可判定部により、前記通過口を出側から通過しようとする通過者の通過許可があったことを受けて、前記人数計測部により前記通過口の入側に他の通過者が存在することが推定又は測定されていた場合に、前記出側スピーカに注意喚起用の音を出力させるものであることを特徴とする付記5記載の扉開閉システム。
(付記10)
前記人数計数部が前記入側認証データ取得部で取得された認証データに基づく通過許可があった時点から第1の閾値時間以内は、該通過許可を求めた通過者が該通過口近傍の該通過口入側に存在するものと推定し、かつ、前記出側認証データ取得部で取得された認証データに基づく通過許可があった時点から第2の閾値時間以内は該通過許可を求めた通過者が該通過口近傍の該通過口出側に存在するものと推定して、該通過口近傍に同時に存在する通過者の人数を、該通過口入側に存在する通過者の人数と該通過口出側に存在する通過口の人数とに分けて計数するものであることを特徴とする付記9記載の扉開閉システム。
(付記11)
前記通過口入側の通過者に向けて表示を行なう入側表示部と、
前記通過口出側の通過者に向けて表示を行なう出側表示部とを有し、
前記警報報知部が、前記許可判定部により、前記通過口を入側から通過しようとする通過者の通過許可があったことを受けて、前記人数計数部により前記通過口の出側に他の通過者が存在することが推定又は測定されていた場合に、前記入側スピーカに注意喚起用の音を出力させるとともに、前記入側表示部に、該人数計数部により計数された、該通過口出側に存在する他の通過者の人数に応じた表示態様の表示を行なわさせるものであり、前記許可判定部により、前記通過口を出側から通過しようとする通過者の通過許可があったことを受けて、前記人数計数部により前記通過口の入側に他の通過者が存在することが推定又は測定されていた場合に、前記出側スピーカに注意喚起用の音を出力させるとともに、前記出側表示部に、該人数計数部により計数された、該通過口の入側に存在する他の通過者の人数に応じた表示態様の表示を行なわさせるものであることを特徴とする付記9又は10記載の扉開閉システム。
(付記12)
入口と出口との双方として利用される通過口に設置された開閉扉と、
制御を受け、該制御に応じて、前記開閉扉を、前記通過口の通過が可能な通過可能状態と該通過口の通過が不能な通過不能状態との間で移行させる扉開閉機構と、
前記通過口の入側に設置され該通過口を入側から通過しようとする通過者の認証データを取得する入側認証データ取得部と、
前記通過口の出側に設置され該通過口を出側から通過しようとする通過者の認証データを取得する出側認証データ取得部と、
前記入側認証データ取得部および前記出側認証データ取得部のそれぞれから認証データを受け取って、前記通過口の通過を許可するか否かを判定する許可判定部と、
前記許可判定部により前記通過口の通過の許可があったことを受けて前記扉開閉機構を制御することにより、前記開閉扉を前記通過可能状態に移行させた後前記通過不能状態に移行させる扉制御部と、
前記通過口近傍領域の通過者の動きを検出する動き検出センサと、
前記通過者に向けて音を発するスピーカと、
前記動き検出センサにより通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、前記スピーカに注意喚起用の音信号を送って、該スピーカに、該通過者に向けて、注意喚起用の音を出力させる警報報知部とを有することを特徴とする扉開閉システム。
(付記13)
前記通過者に向けて表示を行なう表示部を有し、
前記警報報知部が、前記動き検出センサにより通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、前記スピーカに注意喚起用の音を出力させるとともに、前記表示部に注意喚起用の表示を行なわさせるものであることを特徴とする付記12記載の扉開閉システム。
(付記14)
前記スピーカとして、前記通過口を入側から通過しようとする通過者に向けて音を発する入側スピーカと、前記通過口を出側から通過しようとする通過者に向けて音を発する出側スピーカとを有し、
前記動き検出センサとして、前記通過口近傍領域を、該通過口入側の入口領域と該通過口出側の出口領域とに分けたときの該入口領域の通過者の動きを検出する入側動き検出センサと、該出口領域の通過者の動きを検出する出側動き検出センサとを有し、
前記警報報知部が、前記入側動き検出センサにより通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、前記入側スピーカに注意喚起用の音を出力させ、前記出側動き検出センサにより通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、前記出側スピーカに注意喚起用の音を出力させるものであることを特徴とする付記12記載の扉開閉システム。
(付記15)
前記通過口入側の通過者に向けて表示を行なう入側表示部と、
前記通過口出側の通過者に向けて表示を行なう出側表示部とを有し、
前記警報報知部が、前記入側動き検出センサにより通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、前記入側スピーカに注意喚起用の音を出力させるとともに前記入側表示部に注意喚起用の表示を行なわさせ、前記出側動き検出センサにより通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、前記出側スピーカに注意喚起用の音を出力させるとともに前記出側表示部に注意喚起用の表示を行なわさせるものであることを特徴とする付記14記載の扉開閉システム。
(付記16)
入口と出口との双方として利用される通過口の入側および出側のそれぞれに設置された入側認証データ取得装置および出側認証データ取得装置のそれぞれで取得された認証データを受け取って、該通過口の通過を許可するか否かを判定する許可判定部と、
前記許可判定部により前記通過口の通過の許可があったことを受けて、該通過口を通過しようとする通過者に向けて音を発するスピーカに、いずれも通過許可を表わす音信号であって、かつ、前記入側認証データ取得装置で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合と、前記出側認証データ取得装置で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合とで互いに異なる音信号を送って、該スピーカに、前記通過者に向けて、該通過口の通過の許可を音で通知させる通過許可通知部とを有することを特徴とする通過許可通知装置。
(付記17)
入口と出口との双方として利用され開閉扉が設置された通過口の入側の音をピックアップするマイクロホンと、
前記通過口の入側の映像を撮影するカメラと、
前記通過口の出側に設置され前記マイクロホンでピックアップされた音を出力するスピーカと、
前記通過口の出側に設置され、前記カメラで撮影された映像を表示するモニタとを有することを特徴とする監視システム。
(付記18)
入口と出口との双方として利用される通過口近傍に同時に存在する通過者の人数を推定又は測定により計数する人数計数部と、
前記人数計数部により通過者どうしの衝突の可能性がある人数が推定又は測定された場合に、前記通過者に向けて音を発するスピーカに注意喚起用の音信号を送って、該スピーカに、該通過者に向けて、注意喚起用の音を出力させる警報報知部とを有することを特徴とする注意喚起装置。
(付記19)
入口と出口との双方として利用される通過口近傍領域の、該通過口を通過しようとする通過者の動きを検出する動き検出センサと、
前記動き検出センサにより通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、前記通過者に向けて音を発するスピーカに注意喚起用の音信号を送って、該スピーカに、該通過者に向けて、注意喚起用の音を出力させる警報報知部とを有することを特徴とする注意喚起装置。
(付記20)
プログラムを実行する演算処理装置に、
入口と出口との双方として利用される通過口の入側および出側のそれぞれに設置された入側認証データ取得装置および出側認証データ取得装置のそれぞれで取得された認証データを受け取って、該通過口の通過を許可するか否かを判定し、
前記通過口の通過の許可があったことを受けて、該通過口を通過しようとする通過者に向けて音を発するスピーカに、いずれも通過許可を表わす音信号であって、かつ、前記入側認証データ取得装置で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合と、前記出側認証データ取得装置で取得した認証データに基づいて前記通過口の通過が許可された場合とで互いに異なる音信号を送って、該スピーカに、前記通過者に向けて、該通過口の通過の許可を音で通知させる処理を実行させることを特徴とする通過許可通知プログラム。
(付記21)
プログラムを実行する演算処理装置に、
入口と出口との双方として利用される通過口近傍に同時に存在する通過者の人数を推定又は測定により計数し、
通過者どうしの衝突の可能性がある人数が推定又は測定された場合に、前記通過者に向けて音を発するスピーカに注意喚起用の音信号を送って、該スピーカに、該通過者に向けて、注意喚起用の音を出力させる処理を実行させることを特徴とする注意喚起プログラム。
(付記22)
プログラムを実行する演算処理装置に、
入口と出口との双方として利用される通過口近傍領域の、該通過口を通過しようとする通過者の動きを検出する動き検出センサにより通過者の閾値速度以上の移動速度での動きが検出された場合に、前記通過者に向けて音を発するスピーカに注意喚起用の音信号を送って、該スピーカに、該通過者に向けて、注意喚起用の音を出力させる処理を実行させることを特徴とする注意喚起プログラム。