JP2012056793A - 有機修飾無機微粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制できるようにした有機修飾無機微粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】アシル化された無機微粒子前駆体とカルボキシル基を有する有機修飾剤とが混合された混合液を反応液とし、前記反応液を高温高圧水熱処理する工程、を含む。予めアシル化された無機微粒子前駆体が反応液中に含まれていることで、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制することができる。その結果、高温高圧水熱処理前と同程度以下の粒径を有する有機修飾無機微粒子を製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機修飾無機微粒子の製造方法に関する。
例えば、下記の特許文献1に記載されているように、粒径が数μm以下の微粒子、特には粒径がナノメーターサイズの粒子(ナノ粒子)は、セラミックスのナノ構造改質材、光機能コーティング材、電磁波遮蔽材料、二次電池用材料、蛍光材料、電子部品材料、磁気記録材料、研摩材料などの産業・工業材料や、医薬品・化粧品材料として、優れた機能を発揮するものとして注目されており、幅広い分野でその利用が期待されている。
ナノ粒子の実用化のためには、それぞれの微細粒子に特有の機能を付加せしめることが必要であり、そのためにはその機能の付加を可能にするため粒子の表面を修飾する技術の確立が求められている。ここで、微粒子、特にはナノ粒子に安定して使用・利用できる機能を付加する方法として、有機修飾が挙げられる。
例えば、下記の特許文献1や非特許文献1には、無機微粒子前駆体を水に分散させた水分散液と有機修飾剤とを反応管に導入し、超臨界水熱合成反応を行うことで、無機微粒子の表面を有機基で修飾する方法が記述されている。
特開2006−282503号公報
J.Zhang、外5名,「ADVANCED MATERIALS」,2007年, 第19巻, 第2号,p.203−206
ところで、上記の文献等で記述された方法について、本発明者が実験を行ってみたところ、有機修飾の過程で粒径が粗大化する傾向があり、有機修飾剤の添加量を調整するのみでは粒径を十分に制御できない可能性がある、ということが分かった。
そこで、この発明は、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制できるようにした有機修飾無機微粒子の製造方法の提供を目的の一つとする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る有機修飾無機微粒子の製造方法は、アシル化された無機微粒子前駆体とアシル化に使用したカルボキシル基を有する有機修飾剤とが混合された混合液を反応液とし、前記反応液を高温高圧水熱処理する工程、を含むことを特徴とする。このような方法であれば、アシル化された無機微粒子前駆体が反応前に予め含まれていることで、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制することができる。その結果、高温高圧水熱処理前と同程度以下の粒径を有する有機修飾無機微粒子を製造することができる。なお、「混合液」としては、後述の混合分散液3が該当する。
また、上記の有機修飾無機微粒子の製造方法において、前記高温高圧水熱処理する工程の前に、前記無機微粒子前駆体と前記有機修飾剤とを反応させて当該無機微粒子前駆体をアシル化する工程、をさらに含むことを特徴としてもよい。このような方法であれば、無機微粒子前駆体をアシル化する過程で、無機微粒子前駆体と有機修飾剤とを含む混合液(即ち、反応液)が自ずと作製される。このため、混合液の作製の手間を省く、又は少なくすることができる。
また、上記の有機修飾無機微粒子の製造方法において、前記無機微粒子前駆体をアシル化する工程の前に、加水分解反応により前記無機微粒子前駆体を生ずる金属化合物と水とを混合して原料ゾルを作製する工程、をさらに含み、前記無機微粒子前駆体をアシル化する工程では、前記原料ゾルに前記有機修飾剤を添加することを特徴としてもよい。このような方法であれば、例えば、加水分解反応により無機微粒子前駆体を生ずる金属化合物としてチタニウムテトライソプロポキシドTi(OPr)を用いた場合でも、そのイソプロポキシ基をヒドロキシル基に置換することができる。そして、このヒドロキシル基は、有機修飾剤によってアシル基に容易に置換することができる。このため、Ti(OPr)のアシル化を容易に行うことができ、高温高圧水熱処理中に生ずる粒子径の粗大化を抑制することができる。
なお、本発明は、例えば、レンズコーティング材料、電子部品材料、二次電池用材料、などの表面修飾された無機微粒子材料に関わる分野に応用可能である。
本発明の実施形態に係る有機修飾無機微粒子10の製造方法を示す図。 比較形態に係る有機修飾無機微粒子20の製造方法を示す図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する各図において、同一の構成を有する部分には同一の符号を付し、その重複する説明は省略する
(1)実施形態について
図1(a)〜(c)は、本発明の実施形態に係る有機修飾無機微粒子10の製造方法を示す概念図である。
まず始めに、図1(a)において、原料である無機微粒子前駆体1と有機修飾剤2とを混合して、無機微粒子前駆体1をアシル化する。ここで、無機微粒子前駆体1は、例えば、無機金属酸化物又は無機金属水酸化物であり、その粒径は数μm以下である。また、有機修飾剤2はカルボキシル基を有する修飾剤であり、例えば、長鎖アルキル基を有するカルボン酸である。次に、このアシル化された無機微粒子前駆体1と有機修飾剤2とが混合され、アシル化された無機微粒子前駆体1が有機修飾剤2中で分散された混合分散液3を反応液とし、この反応液を純水4と共に反応容器内に入れる。
次に、密閉された反応容器を加熱して、混合分散液3を高温高圧水熱処理する。図1(b)に示すように、高温高圧水熱処理では、反応容器内の純水4は超臨界又は亜臨界となり、混合分散液3と混ざり合って均一相5をなす。つまり、水相と有機相とが均一に混ざる。この水相と有機相とが均一に混ざった均一相5が反応場となって、無機微粒子前駆体1の表面が有機修飾される。また、このとき、無機微粒子前駆体1の粒成長(即ち、粒子径の粗大化)は抑制される。
次に、反応容器を急冷して、反応容器内での有機修飾の反応を停止させる。図1(c)に示すように、温度が低下することによって、水相と有機相とが分離する。その後、反応容器内から有機修飾無機微粒子10を回収する。
このような製造方法によれば、アシル化された無機微粒子前駆体1が反応前駆体として含まれていることで、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制することができる。その結果、高温高圧水熱処理前と同程度以下の粒径を有する有機修飾無機微粒子10を製造することができる。即ち、反応前駆体の粒径を制御しておけば、反応生成物である有機修飾無機微粒子10の粒径を制御することができる。
次に、第1実施例及び第2実施例を説明する。第1実施例及び第2実施例は、上記の実施形態に係る製造方法により得られる有機修飾無機微粒子10の粒径を確認するために、本発明者が実際に行った実験とその結果である。
(1−1)第1実施例
第1実施例では、無機微粒子前駆体(金属酸化物)1としてアモルファス二酸化チタン(a‐TiO)を選択し、有機修飾剤2としてオレイン酸(C1733COOH)を選択した。
まず始めに、アモルファス二酸化チタン(和光純薬工業株式会社製)0.003gをオレイン酸(関東化学株式会社製)0.5mLにて超音波処理によりアシル化し、アシル化されたアモルファス二酸化チタンを分散した状態で含む混合分散液を作製した。この混合分散液が、第1実施例における反応液である。
ここで、高温高圧水熱処理前の、アシル化されたアモルファス二酸化チタンの粒径を確認するために、上記の混合分散液に含まれる粒子を遠心分離し、ヘキサン(C14)中に再分散させ、日機装株式会社製マイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX250)を用いて粒度分布測定を行った(※A1を参照)。
次に、上記の混合分散液0.5mLを純水2.0mLと共に内容積5ccの管型耐圧反応容器(以下、単に反応容器ともいう。)に仕込んだ。高温高圧水熱処理は、400℃に加熱した炉に反応容器を入れ、反応容器内の温度を室温から400℃まで2分で昇温する速度(約3℃/秒)で加熱し、400℃で10分間保持することで行った。
その後、反応容器を炉から取り出して水浴に浸漬し急冷することで、反応容器内での有機修飾の反応を停止させた。反応容器内から反応生成物を回収し、これを遠心分離することで有機修飾されたチタニア粒子を得た。この有機修飾されたチタニア粒子の結晶構造は粉末X線回折測定よりアナターゼ型酸化チタンであった。
ここで、高温高圧水熱処理後の有機修飾アナターゼ型酸化チタンの粒径を確認するために、得られた粒子をヘキサン中に再度分散させ、上記のマイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX250)を用いて粒度分布測定を行った(※A2を参照)。
高温高圧水熱処理の前後における、粒度分布測定の結果は下記の通りであった。
※A1 高温高圧水熱処理前のヘキサン分散液中のアモルファス二酸化チタンの粒径…0.1μm
※A2 高温高圧水熱処理後のヘキサン分散液中の有機修飾アナターゼ型酸化チタンの粒径…0.15μm
この結果及び後述の第1比較例の結果(※C1、C2を参照。)から、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制することができ、有機修飾アナターゼ型酸化チタンの粒径を抑制することができる、ということが確認された。
(1−2)第2実施例
第2実施例では、無機微粒子前駆体(金属水酸化物)1として水酸化ランタン(La(OH))を選択し、有機修飾剤2としてオレイン酸を選択した。
まず始めに、水酸化ランタン(III)(株式会社高純度化学研究所製)0.008gをオレイン酸(関東化学株式会社製)0.5mLにて超音波処理によりアシル化し、アシル化された水酸化ランタンを分散した状態で含む混合分散液を作製した。この混合分散液が第2実施例における反応液である。
ここで、高温高圧水熱処理前の、アシル化された水酸化ランタンの粒径を確認するために、上記の混合分散液に含まれる粒子を遠心分離し、ヘキサン中に再分散させ、実施例1と同じマイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX250)を用いて粒度分布測定を行った(※B1を参照)。
次に、上記の混合分散液0.5mLを純水2.0mLと共に内容積5ccの管型耐圧反応容器に仕込んだ。この後に続く、高温高圧水熱処理の加熱方法と冷却方法は実施例1と同じである。冷却後に、反応容器内から反応生成物を回収し、これを遠心分離することで有機修飾水酸化ランタンを得た。
ここで、高温高圧水熱処理後の有機修飾水酸化ランタンの粒径を確認するために、得られた粒子をヘキサン中に再度分散させ、上記のマイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX250)を用いて粒度分布測定を行った(※B2を参照)。
高温高圧水熱処理の前後における、粒度分布測定の結果は下記の通りであった。
※B1 高温高圧水熱処理前のヘキサン分散液中の水酸化ランタンの粒径…2μm
※B2 高温高圧水熱処理後のヘキサン分散液中の有機修飾水酸化ランタンの粒径…0.003μm
この結果及び後述の第2比較例の結果(※D1、D2を参照)から、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制することができ、有機修飾水酸化ランタンの粒径を抑制することができる、ということが確認された。
(2)他の実施形態について
(2−1)別途のアシル化
上記の実施形態では、アシル化された無機微粒子前駆体1を得るために、無機微粒子前駆体1と有機修飾剤2とを反応させる場合について説明した。このような方法であれば、無機微粒子前駆体をアシル化する過程で、無機微粒子前駆体と有機修飾剤とを含む混合分散液(即ち、反応液)が自ずと作製されるため、混合分散液の作製の手間を省く、又は少なくすることができる。
しかしながら、本発明はこれに限られることはない。本発明では、上記以外の他工程で、無機微粒子前駆体をアシル化剤と反応させて、アシル化された無機微粒子前駆体を別途得るようにしてもよい。そして、この別途得られた無機微粒子前駆体1を有機修飾剤2と混合し分散させて、混合分散液3を作製してもよい。この混合分散液3を反応液として、高温高圧水熱処理を行う場合でも、上記の実施形態と同様に、粒成長が抑制された有機修飾無機微粒子を製造することができる。
(2−2)前処理としてのゾル化
また、本発明では、無機微粒子前駆体をアシル化する前に、このアシル化を容易にするための無機微粒子前駆体をゾル化してもよい。即ち、アシル化の前処理として、加水分解反応により無機微粒子前駆体を生ずる金属化合物に純水を加え、これを例えば超音波処理することにより、無機微粒子前駆体を含む原料ゾルを形成する。そして、この原料ゾルに有機修飾剤を添加して、反応液としてもよい。
このような方法であれば、例えば、金属化合物としてチタニウムテトライソプロポキシド(Ti(OPr))を用いた場合でも、加水分解により、そのイソプロポキシ基をヒドロキシル基に置換することができる。そして、このヒドロキシル基は、有機修飾剤によってアシル基に容易に置換することができる。このため、Ti(OPr)のアシル化を容易に行うことができ、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制することができる。
(2−3)無機微粒子前駆体の他の例
なお、上記の説明では、無機微粒子前駆体(金属酸化物)として、アモルファス二酸化チタンを選択する場合について説明した。また、無機微粒子前駆体(金属水酸化物)として、水酸化ランタンを選択する場合についても説明した。しかしながら、本発明において、無機微粒子前駆体の種類はこれに限定されるものではない。
例えば、金属酸化物としては、ジルコニア(二酸化ジルコニウム:ZrO)、酸化セリウム(CeO)、酸化鉄(Fe、Fe)、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)等を選択することができる。また、金属水酸化物としては、水酸化ジルコニウム(Zr(OH)4)、水酸化セリウム(Ce(OH)4)、水酸化コバルト(Co(OH))、水酸化ガドリニウム(Gd(OH))等を選択することができる。このような場合であっても、これらの無機微粒子前駆体を予めアシル化することにより、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制することができる。
(2−4)金属化合物の他の例
同様に、加水分解反応により無機微粒子前駆体を生ずる金属化合物の種類も、チタニウムテトライソプロポキシド(Ti(OPr))に限定されるものではない。本発明では、種々の金属化合物として金属有機化合物や金属の無機塩を選択することができる。例えば、金属有機化合物としては、金属のアルコキシド、アセチルアセトナト、酢酸塩等が挙げられ、金属の無機塩としては、硝酸セリウム(Ce(NO)、硝酸鉄(Fe(NO)、硝酸亜鉛(Zn(NO)等の硝酸塩が挙げられる。これらの金属化合物に、加水分解に必要な水、pH制御や反応触媒としての酸又は塩基を加え、例えば超音波処理することにより、原料ゾルを作製することができる。
例えば、金属化合物として硝酸塩を選択した場合は、加水分解反応により、その金属の水酸化物にすることができる。そして、この金属の水酸化物のヒドロキシル基は、有機修飾剤によってアシル基に容易に置換することができる。このため、硝酸塩のアシル化を容易に行うことができ、高温高圧水熱処理時の粒成長を抑制することができる。
(3)本発明と比較される比較形態について
次に、比較形態について説明する。
図2(a)〜(c)は、比較形態に係る有機修飾無機微粒子の製造方法を示す概念図である。
まず始めに、図2(a)において、原料である無機微粒子前駆体11と純水14とが混合され、無機微粒子前駆体11が純水14中で分散された水分散液13を作製する。次に、この水分散液13を有機修飾剤12と共に反応容器内に入れる。
次に、密閉された反応容器を加熱して、水分散液13と有機修飾剤12とを高温高圧水熱処理する。図2(b)に示すように、高温高圧水熱処理では、反応容器内の純水14は超臨界となり、有機修飾剤12と混ざり合って均一相15をなす。つまり、水相と有機相とが均一に混ざる。この水相と有機相とが均一に混ざった均一相15が反応場となって、無機微粒子前駆体11の表面が有機修飾される。次に、反応容器を急冷して、反応容器内での有機修飾の反応を停止させる。図2(c)に示すように、温度が低下することによって、水相と有機相とが分離する。その後、反応容器内から有機修飾無機微粒子20を回収する。
次に、第1比較例及び第2比較例を説明する。第1比較例及び第2比較例は、上記の比較形態に係る製造方法により得られる有機修飾無機微粒子20の粒径を確認するために、本発明者が実際に行った実験とその結果である。
(3−1)第1比較例
この第1比較例は、第1実施例と同様、無機微粒子前駆体(金属酸化物)11としてアモルファス二酸化チタンを選択し、有機修飾剤12としてオレイン酸を選択した。また、第1実施例で説明した混合分散液の替わりに、純水2.0mL中にアモルファス二酸化チタン0.003gを分散させて水分散液を作製した。つまり、この第1比較例では、アモルファス二酸化チタンを予めアシル化することなく、これを純水中に分散させて水分散液を作製した。
ここで、高温高圧水熱処理前の、アモルファス二酸化チタンの粒径を確認するために、上記の水分散液に含まれる粒子を第1実施例と同じマイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX250)を用いて粒度分布測定を行った(※C1を参照)。
次に、上記の水分散液2.0mLを、オレイン酸と共に内容積5ccの管型耐圧反応容器に仕込んだ。なお、オレイン酸の量については、0.1mLと0.5mLの2種類のサンプルを用意した。この後に続く、高温高圧水熱処理の加熱方法と冷却方法は第1実施例と同じである。冷却後に、反応容器内から反応生成物を回収し、これを遠心分離することで有機修飾二酸化チタンを得た。この有機修飾二酸化チタンの結晶構造は粉末X線回折測定よりアナターゼ型酸化チタンであった。
ここで、高温高圧水熱処理後の有機修飾アナターゼ型酸化チタンの粒径を確認するために、得られた粒子をヘキサン中に再度分散させ、上記のマイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX250)を用いて粒度分布測定を行った(※C2を参照)。
高温高圧水熱処理の前後における、粒度分布測定の結果は下記の通りであった。
※C1 高温高圧水熱処理前の水分散液中のアモルファス二酸化チタンの粒径…0.1μm
※C2 高温高圧水熱処理後のヘキサン分散液中の有機修飾アナターゼ型酸化チタンの粒径…オレイン酸0.1mL添加時:1μm、オレイン酸0.5mL添加時:1.5μm
第1比較例では、高温高圧水熱処理の前後で粒径は10倍以上に成長している。また、オレイン酸の添加量を調整することにより有機修飾アナターゼ型酸化チタンの粒径を制御することができる、ということが確認された。さらに、粒径の抑制量は上記の第1実施例には及ばない、ということも確認された。
(3−2)第2比較例
この第2比較例は、第2実施例と同様、無機微粒子前駆体(金属水酸化物)11として水酸化ランタンを選択し、有機修飾剤12としてオレイン酸を選択した。また、第2実施例で説明した混合分散液の替わりに、純水2.0mL中に水酸化ランタン0.008gを分散させて水分散液を作製した。つまり、この第2比較例では、水酸化ランタンを予めアシル化することなく、これを純水中に分散させて水分散液を作製した。
ここで、高温高圧水熱処理前の、水酸化ランタンの粒径を確認するために、上記の水分散液に含まれる粒子を第2実施例と同じマイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX250)を用いて粒度分布測定を行った(※D1を参照)。
次に、上記の水分散液2.0mLを、オレイン酸と共に内容積5ccの管型耐圧反応容器に仕込んだ。なお、オレイン酸の量については、0.1mLと0.5mLの2種類のサンプルを用意した。この後に続く、高温高圧水熱処理の加熱方法と冷却方法は第2実施例と同じである。冷却後に、反応容器内から反応生成物を回収し、遠心分離することで有機修飾水酸化ランタンを得た。
ここで、高温高圧水熱処理後の有機修飾水酸化ランタンの粒径を確認するために、得られた粒子をヘキサン中に再度分散させ、上記のマイクロトラック超微粒子粒度分析計(UPA−EX250)を用いて粒度分布測定を行った(※D2を参照)。
高温高圧水熱処理の前後における、粒度分布測定の結果は下記の通りであった。
※D1 高温高圧水熱処理前の水分散液中の水酸化ランタンの粒径…2μm
※D2 高温高圧水熱処理後のヘキサン分散液中の有機修飾水酸化ランタンの粒径…オレイン酸0.1mL添加時:1.5μm、オレイン酸0.5mL添加時:0.02μm
第2比較例では、高温高圧水熱処理の前後で粒径はいずれも小さくなっている。また、オレイン酸の添加量を調整することにより粒径を制御することができる、ということが確認された。さらに、粒径の抑制量は上記の第2実施例には及ばない、ということも確認された。
1 無機微粒子前駆体、2 有機修飾剤、3 混合分散液、4 純水、5 均一相、10 有機修飾無機微粒子、11 無機微粒子前駆体、12 有機修飾剤、13 水分散液、15 均一相、20 有機修飾無機微粒子

Claims (3)

  1. アシル化された無機微粒子前駆体とアシル化反応に使用したカルボキシル基を有する有機修飾剤とが混合された混合液を反応液とし、前記反応液を高温高圧水熱処理する工程、を含むことを特徴とする有機修飾無機微粒子の製造方法。
  2. 前記高温高圧水熱処理する工程の前に、
    前記無機微粒子前駆体と前記有機修飾剤とを反応させて当該無機微粒子前駆体をアシル化する工程、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機修飾無機微粒子の製造方法。
  3. 前記無機微粒子前駆体をアシル化する工程の前に、
    加水分解反応により前記無機微粒子前駆体を生ずる金属化合物と水とを混合して原料ゾルを作製する工程、をさらに含み、
    前記無機微粒子前駆体をアシル化する工程では、
    前記原料ゾルに前記有機修飾剤を添加することを特徴とする請求項2に記載の有機修飾無機微粒子の製造方法。
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