JP2012056717A - エレベータロープ傷検出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータロープの傷検出作業を効率よく行う。
【解決手段】実施形態によれば、エレベータロープ傷検出装置は、メインロープ10の上下に延びる部位の付近に、互いに間隔をあけて配置された軸部材8a、8bと、軸部材8a、8bに取り付けられた傷検出ユニット21〜26と、スペーサ部材31〜35と、を有する。スペーサ部材31〜35は、軸部材8a、8bに着脱可能で、隣り合う傷検出ユニット同士の間に形成される間隙に挿入可能である。スペーサ部材31〜35は、隣り合う単ロープ11〜16同士のロープ間隔の幅に基づいて軸部材8a、8bの軸方向幅を調整可能である。
【選択図】 図2

Description

本発明の実施形態は、エレベータロープの傷を検出するエレベータロープ傷検出装置に関する。
ロープ式のエレベータは、例えば昇降路内の上方に配置されたメインシーブを有し、このメインシーブにメインロープが懸架される。このメインロープは、複数の単ロープからなり、乗りかごや釣合い錘を吊った状態で昇降路内を上下移動させる。これらの単ロープは、上下に延びる部位が互いに間隔をあけて互いに平行に配置されている。
また、当該エレベータは、乗りかごおよび釣合い錘の下方端部同士を連結するコンペンゼーションロープが取り付けられているものがある。このコンペンゼーションロープは、乗りかご側および釣合い錘側に作用するメインロープの重量のアンバランスを緩和するためのものである。このコンペンゼーションロープは、メインロープと同様に、複数の単ロープからなる。これらの単ロープの上下に延びる部分は、互いに間隔をあけて平行に配置される。
当該エレベータのメンテナンス作業には、エレベータロープ傷検出装置を用いて、メインロープやコンペンゼーションロープを含むエレベータロープに傷が発生しているか否かを検出する作業がある。
特開2008−24454号公報
メインロープ等のエレベータロープに発生する傷を検出する装置は、メインロープを構成する単ロープと同数の傷検出ユニットを有する。これらの傷検出ユニットが、単ロープが配列される方向に沿って、互いに間隙を形成するように配列される。このとき、隣り合う傷検出ユニット同士の間隙の幅は、隣り合う単ロープ同士のロープ間隔の幅に基づいて定まるものである。
ところが、隣り合う単ロープ同士のロープ間隔の幅は、エレベータの機種やロープ径等により異なるものである。このため、傷検出ユニット同士の間隙が所定の幅になるように調整する必要がある。
この調整作業は、通常、厚みが異なる複数種類のスペーサを準備して、これらから適切なものを選定して調整する。この調整作業は、エレベータロープの傷を検出する作業の効率を低下させる要因になる。また、エレベータの機種ごとに用いるスペーサが異なるため、作業ミスを誘発する可能性がある。
本発明に係る実施形態は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、エレベータロープの傷検出作業を効率よく行えるようにすることである。
上記目的を達成するための実施形態に係るエレベータロープ傷検出装置は、巻上げ機と、前記巻上げ機により回転駆動されて、昇降路上方に配置されたメインシーブと、前記メインシーブよりも下方で、前記昇降路内を上下移動可能に構成された乗りかごと、前記メインシーブよりも下方で、前記昇降路内を上下移動可能で、前記乗りかごが上方へ移動するときに下方に移動して、前記乗りかごが下方に移動するときに上方に移動するように構成された釣合い錘と、それぞれが、前記メインシーブに懸架されて且つ前記昇降路内に互いに水平方向間隔をあけて平行に配置されて、前記乗りかごおよび釣合い錘を上下移動させる複数のメインロープを含む複数のエレベータロープと、を有するエレベータの、前記エレベータロープの損傷を検出するエレベータロープ傷検出装置において、前記各エレベータロープの配列方向に沿って水平に延びて、前記各エレベータロープの上下に延びる部位の付近に、互いに間隔をあけて配置された軸部材と、それぞれに、前記軸部材が貫通する貫通穴と、前記各エレベータロープの前記上下に延びる部位の一部を収容可能なロープ受溝と、が形成されて、前記各エレベータロープが駆動されているときに前記ロープ受溝内にある前記上下に延びる部位に傷があるか否かを検出可能で、前記軸部材の軸方向に互いに間隙を形成するように配列された複数の傷検出ユニットと、前記軸部材に着脱可能で、隣り合う前記傷検出ユニット同士の間に形成される前記間隙に挿入可能で、隣り合う前記エレベータロープ同士の水平方向間隔の幅に基づいて前記軸部材の軸方向幅を調整可能に構成された少なくとも1つのスペーサ部材と、前記傷検出ユニットが軸部材から外れないように前記軸部材の両端それぞれに着脱可能に取り付けられたブラケットと、を有することを特徴とする。
本発明に係る第1の実施形態のエレベータロープ傷検出装置が設置されるエレベータの概略正面図である。 図1のメインロープ付近にエレベータロープ傷検出装置を設置した状態を示す概略斜視図である。 図2の平断面図である。 本発明に係る第2の実施形態のエレベータロープ傷検出装置の第1スペーサ部材の概略斜視図である。 図4の実施形態のエレベータロープ傷検出装置を設置した状態を示す概略斜視図で、各スペーサ部材の第2板部が隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持している。 図5の平断面図である。 図4の第1スペーサ部材を含む各スペーサ部材の第1板部が、隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持している状態を示す平断面図である。 図4の第1スペーサ部材を含む各スペーサ部材の第3板部が、隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持している状態を示す平断面図である。 本発明に係る第3の実施形態のエレベータロープ傷検出装置の第1スペーサ部材の概略斜視図である。 図9の実施形態のエレベータロープ傷検出装置を設置した状態を示す概略斜視図で、各スペーサ部材の挿入量が最大の状態を示している。 図10の平断面図である。 各スペーサ部材の挿入量が、図11の場合に比べて小さい状態を示す平断面図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態のエレベータロープ傷検出装置について、図1〜図3を用いて説明する。図1は、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置が設置されるエレベータの概略正面図である。図2は、図1のメインロープ10付近にエレベータロープ傷検出装置を設置した状態を示す概略斜視図である。図3は、図2の平断面図である。
先ず、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置の構成と、この装置を用いて傷検出を行うエレベータロープを有するエレベータの構成について説明する。
上記エレベータは、巻上げ機1と、この巻上げ機1に連結されたメインシーブ2と、このメインシーブ2に懸架されたメインロープ10と、このメインロープ10に吊られた乗りかご3および釣合い錘4と、を有する。さらに、このエレベータは、昇降路6の下方に配置されたコンペンゼーションシーブ5aと、このコンペンゼーションシーブ5aに懸架されたコンペンゼーションロープ5と、を有する(図1)。
巻上げ機1は、昇降路6上方にある機械室1a内の所定位置に設置される。この巻上げ機1は、駆動力を発生させる駆動用モータ(図示せず)を備えている。この巻上げ機1に取り付けられたメインシーブ2は、駆動用モータの回転力が伝達される。このメインシーブ2の回転軸は、水平に配置される。メインシーブ2の外周面には、後述する6本の単ロープがそれぞれ掛けられる6個の溝(図示せず)が形成されている。
メインロープ10は、6本の単ロープ、すなわち、第1単ロープ11、第2単ロープ12、第3単ロープ13、第4単ロープ14、第5単ロープ15および第6単ロープ16からなる。本実施形態では、図2における左方から右方に向かって、第1単ロープ11、第2単ロープ12、第3単ロープ13、第4単ロープ14、第5単ロープ15、第6単ロープ16の順に配列されている。
第1〜第6単ロープ11〜16それぞれの上下に延びる部位は、水平方向に互いに等しい水平方向間隔(ロープ間隔)をあけて平行に配置される。当該ロープ間隔は、エレベータの型式(機種)や、単ロープの直径等により定まる。
コンペンゼーションロープ5は、メインロープ10を構成する単ロープと同数、すなわち6本の単ロープからなり、乗りかご3側および釣合い錘4側に作用するメインロープ10の重量のアンバランスを緩和する。
乗りかご3は、メインロープ10が懸架されたかごシーブ(図示せず)が取り付けられている。この乗りかご3は、メインロープ10を介してメインシーブ2の回転駆動力が伝達されて、昇降路6内に鉛直に配置されたかごレール7に沿って走行する。
釣合い錘4は、昇降路6内を上下移動可能で、乗りかご3が上方へ移動するときに下方に移動して、乗りかご3が下方に移動するときに上方に移動する。この釣合い錘4は、カウンタウェイトレール(図示なし)に沿って走行する。
本実施形態のエレベータロープ傷検出装置は、上述したメインロープ10を構成する第1〜第6単ロープ11〜16それぞれに発生する傷を検出する装置である。以下に、当該エレベータロープ傷検出装置の構成について説明する。
エレベータロープ傷検出装置は、図示しない架台上に配置されて、2本の軸部材8a、8bと、6個の傷検出ユニット21〜26と、5個のスペーサ部材31〜35と、2個のブラケット41、42と、を有する。
2本の軸部材、すなわち、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれは、第1単ロープ11の上下方向に互いに間隔をあけて平行に配置されている。また、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれは、第1〜第6単ロープ11〜16の配列方向に沿って水平に延びて、第1〜第6単ロープ11〜16の上下に延びる部位に、互いに間隔をあけて配置されている。また、これらの上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれは、後述する第1〜第6傷検出ユニット21〜26それぞれの上側貫通部および下側貫通穴(共に図示なし)を貫通する。
6個の傷検出ユニット、すなわち、第1傷検出ユニット21、第2傷検出ユニット22、第3傷検出ユニット23、第4傷検出ユニット24、第5傷検出ユニット25および第6傷検出ユニット26は、第1〜第6単ロープ11〜16にそれぞれ対応している。すなわち、第1〜第6傷検出ユニット21〜26は、軸部材の軸方向に図2における左方から右方に向かって互いに間隙を形成して、第1傷検出ユニット21、第2傷検出ユニット22、第3傷検出ユニット23、第4傷検出ユニット24、第5傷検出ユニット25、第6傷検出ユニット26の順に配列される。
第1傷検出ユニット21は、上下に長い直方体状で、第1単ロープ11に対向する側面には、上下に貫通するロープ受溝27が形成されている。このロープ受溝27内に第1単ロープ11が収容可能である。第1単ロープ11は、ロープ受溝27の上下に貫通する部位から飛び出すように配置される。また、この第1傷検出ユニット21には、上側貫通穴および下側貫通穴が形成される。
第1傷検出ユニットは、第1単ロープ11が駆動されているときに、第1単ロープ11のロープ受溝27内にある部位に傷があるか否かを検出する機能を有する。
上側貫通穴は、第1傷検出ユニット21の上部に形成されて上側軸部材8aが貫通する。下側貫通穴は、上側貫通穴の下方に形成されて下側軸部材8bが貫通する。
第1傷検出ユニット21は、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれの軸方向に沿って移動可能に構成される。
第2〜第6傷検出ユニット22〜26それぞれは、第1傷検出ユニット21と同様に、略直方体状で、側面にロープ受溝27が形成されている。
第2〜第6傷検出ユニット22〜26それぞれのロープ受溝27は、第2〜第6単ロープ12〜16それぞれの上下に延びる部位を収容可能である。第2〜第6傷検出ユニット22〜26それぞれは、第2〜第6単ロープ12〜16それぞれが駆動されているときに各ロープ受溝27内にある部位に傷があるか否かを検出可能である。
第2〜第6傷検出ユニット22〜26それぞれの上側貫通穴は、第2〜第6傷検出ユニット22〜26それぞれの上部に形成されて上側軸部材8aが貫通する。第2〜第6傷検出ユニット22〜26それぞれの下側貫通穴は、各上側貫通穴の下方に形成されて下側軸部材8bが貫通する。
また、第2〜第6傷検出ユニット22〜26それぞれは、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれの軸方向に沿って移動可能に構成される。
5個のスペーサ部材、すなわち、第1スペーサ部材31、第2スペーサ部材32、第3スペーサ部材33、第4スペーサ部材34および第5スペーサ部材35は、隣り合う傷検出ユニットの間に形成された間隙内に配置される。
第1スペーサ部材31は、第1および第2傷検出ユニット21、22の間の間隙内に配置された略直方体状で、ゴム等の弾性部材により形成されている。この第1スペーサ部材31は、軸方向に弾性変形可能である。この第1スペーサ部材31は、第1傷検出ユニット21等と同様に、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bが貫通する2個の貫通穴が形成されている。第1スペーサ部材31が、第1および第2傷検出ユニット21、22の間の間隙内に配置されているときに、当該各貫通穴に、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれが貫通している。
第2〜第5スペーサ部材32〜35は、第1スペーサ部材31と同様に形成されている。また、第2スペーサ部材32は、第2および第3傷検出ユニット23の間に形成される間隙内に配置される。同様に、第3〜第5スペーサ部材33〜35は、第3および第4傷検出ユニット24の間、第4および第5傷検出ユニット25の間、第5および第6傷検出ユニット26の間に形成される間隙内に、それぞれ配置される。
第1〜第5スペーサ部材31〜35は、同じ材質で、同じ弾性特性を有している。
2個のブラケット、すなわち、第1ブラケット41および第2ブラケット42は、第1傷検出ユニット21および第6傷検出ユニット26の軸方向外側にそれぞれ配置される。
第1ブラケット41は、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれが貫通する貫通穴が上下に形成されている。第1ブラケット41の各貫通穴から軸方向外側(図2の左方)に飛び出した上側軸部材8aおよび下側軸部材8bには、ねじ部が形成されている。これらのねじ部にナット98を取り付けることで、第1ブラケット41は、第1傷検出ユニット21を軸方向内側(図2の右方)に締め付け可能となる。
第2ブラケット42は、第1ブラケット41と同様に、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれが貫通する貫通穴が上下に形成されている。第2ブラケット42の各貫通穴から軸方向外側(図2の右方)に飛び出した上側軸部材8aおよび下側軸部材8bには、ねじ部が形成されている。これらのねじ部にナット98を取り付けることで、第2ブラケット42は、第6傷検出ユニット26を軸方向内側(図2の左方)に締め付け可能となる。
すなわち、第1および第2ブラケット41、42は、互いに近づく方向に軸方向に沿って締め付け可能に構成される。これにより、第1〜第6傷検出ユニット21〜26および第1〜第5スペーサ部材31〜35が、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bの所定位置に固定される。
また、第1ブラケット41は、第1固定部材51によって支持される。第2ブラケット42は、第2固定部材52によって支持される。第1および第2固定部材51、52は、図示しない架台上に取り付けられている。
続いて、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置を用いて、第1〜第6単ロープ11〜16の外表面に傷があるか否かを検出する手順を説明する。
先ず、第1〜第6傷検出ユニット21〜26および第1〜第5スペーサ部材31〜35を上側軸部材8aおよび下側軸部材8bに貫通させる。このとき、図2に示すように、左方から、第1ブラケット41、第1傷検出ユニット21、第1スペーサ部材31、第2傷検出ユニット22、第2スペーサ部材32、第3傷検出ユニット23、第3スペーサ部材33、第4傷検出ユニット24、第4スペーサ部材34、第5傷検出ユニット25、第5スペーサ部材35、第6傷検出ユニット26、第2ブラケット42の順に配置する。
なお、このときは、第1および第2ブラケット41、42は、架台上に配置され、架台上を平行移動可能な状態である。
この後に、第1および第2ブラケット41、42それぞれから軸方向外側に飛び出す上側軸部材8aおよび下側軸部材8bそれぞれにナット98を取り付ける。次に、第1および第2ブラケット41、42が互いに近づくように、各ナット98を締め付ける。このとき、第1〜第6傷検出ユニット21〜26それぞれのロープ受溝27内に、第1〜第6単ロープ11〜16それぞれの上下に延びる部位があるように、締め付け力を調整する。第1〜第5スペーサ部材31〜35がほぼ同じ形状で且つ同じ弾性特性を有しているため、第1〜第6傷検出ユニット21〜26の隣り合うもの同士の間に形成される間隙の幅を一様に増減させることができる。
これにより、エレベータロープ傷検出装置の設置が完了する。
この後に、巻上げ機1を駆動してメインシーブ2を回転させて、第1〜第6単ロープ11〜16を所定の速度で駆動する。第1〜第6単ロープ11〜16それぞれが、第1〜第6傷検出ユニット21〜26それぞれのロープ受溝27を通過するときに、第1〜第6単ロープ11〜16の表面に傷があるか否かを確認する。傷発生の有無を、図示しない表示手段等で、表示させる。
以上の手順により、第1〜第6単ロープ11〜16の傷検査が完了する。
以上の説明からわかるように、本実施形態によれば、エレベータロープ傷検出装置は、第1〜第6傷検出ユニット21〜26の隣り合うもの同士の間に形成される間隙が同じ幅で配置可能で、且つ当該間隙の幅を一様に増減させることが可能になる。また、このエレベータロープ傷検出装置は、スペーサ部材を複数種類準備する必要がないため、複数のスペーサ部材の中から適切なもの選定する作業が不要になる。
したがって、エレベータロープの傷を検出する作業の効率を向上させることが可能になる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態のエレベータロープ傷検出装置について、図4〜図8を用いて説明する。図4は、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置の第1スペーサ部材31の概略斜視図である。図5は、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置を設置した状態を示す概略斜視図で、第1〜第5スペーサ部材31〜35それぞれの第2板部62が、隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持している状態を示している。図6は、図5の平断面図である。
図7は、第1〜第5スペーサ部材31〜35それぞれの第1板部61が、隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持している状態を示す平断面図である。図8は、第1〜第5スペーサ部材31〜35それぞれの第3板部63が、隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持している状態を示す平断面図である。
なお、本実施形態は、第1の実施形態(図1〜図3)の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
第1の実施形態で説明したように、第1〜第6単ロープ11〜16の隣り合うもの同士の水平方向間隔(ロープ間隔)は、通常、予め把握されている。本実施形態の第1〜第5スペーサ部材31〜35は、3種類の水平方向間隔、すなわち、3種類のエレベータに用いるためのものである。
以下に、本実施形態の第1〜第5スペーサ部材31〜35の形状等について説明する。
本実施形態の第1スペーサ部材31は、板厚の異なる3つの部位、すなわち、第1板部61、第2板部62および第3板部63、が一体に形成される。第1板部61は板厚が最も薄く、第2板部62、第3板部63の順に板厚が厚くなる。第1板部61には、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bがそれぞれ貫通可能な2個の貫通穴65が形成される。同様に、第2および第3板部63それぞれにも、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bがそれぞれ貫通可能な2個の貫通穴65が形成される(図4)。
この第1スペーサ部材31の第1〜第3板部61〜63が、第1および第2傷検出ユニット21、22の間に形成される間隙に挿入される。このとき、第1〜第3板部61〜63のうちいずれかが、第1および第2傷検出ユニット21、22に接する状態になる。第1〜第3板部61〜63のうち第1および第2傷検出ユニット21、22に接している板部に形成される2個の貫通穴65に、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bがそれぞれ貫通する。
第2〜第5スペーサ部材32〜35それぞれは、第1スペーサ部材31と同様に形成されている。
以下に、3種類のエレベータそれぞれに、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置を設置する手順を説明する。ここで、3種類のエレベータは、それぞれのロープ間隔が異なるように構成されるものとする。
3種類のロープ間隔のうち、2番目に小さいものは、図5および図6に示すように、第1〜第5スペーサ部材31〜35それぞれの第2板部62が、隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持する。このとき、各第2板部62に形成された2つの貫通穴65に、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bがそれぞれ貫通する。この状態で、第1および第2ブラケット41、42が互いに近づく方向に、ナット98等を締め付ける。
また、3種類のロープ間隔のうち、最も小さいものは、図7に示すように、第1〜第5スペーサ部材31〜35それぞれの第1板部61が、隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持する。
また、3種類のロープ間隔のうち、最も大きいものは、図8に示すように、第1〜第5スペーサ部材31〜35それぞれの第3板部63が、隣り合う傷検出ユニット同士を水平に支持する。
これにより、上述した3種類のエレベータについて、第1の実施形態と同様の効果を得ることが可能になる。
また、ナット98を締め付けるときは、第1〜第3板部61〜63の板厚が決まっているので、各部材が動かない程度に締め付ければよい。このため、第1の実施形態よりも、エレベータロープ傷検出装置の設置作業が容易になる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態のエレベータロープ傷検出装置について、図9〜図12を用いて説明する。図9は、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置の第1スペーサ部材31の概略斜視図である。図10は、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置を設置した状態を示す概略斜視図で、各スペーサ部材の挿入量が最大の状態を示している。図11は、図10の平断面図である。図12は、第1〜第5スペーサ部材31〜35の挿入量が、図11の場合に比べて小さい状態を示す平断面図である。
なお、本実施形態は、第1の実施形態(図1〜図3)の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
以下に、本実施形態の第1〜第5スペーサ部材31〜35の形状等について説明する。
本実施形態の第1スペーサ部材31は、第1傷検出ユニット21に接する部位に第1傾斜面71が形成されて、第2傷検出ユニット22に接する部位に第2傾斜面72が形成される。
第1および第2傾斜面71、72それぞれは、第1スペーサ部材31が、第1および第2傷検出ユニット21、22の間に形成される間隙に挿入される挿入方向に対して、所定の角度をなすように形成される。また、第1および第2傾斜面71、72は、当該挿入方向を含む仮想的な鉛直面に対して、対称になるように形成されている。
第1および第2傾斜面71、72それぞれのロープ側には、平坦面(ロープ側平坦部75)が形成される。また、これらの背面側には、背面側平坦部76が形成される。これらのロープ側平坦部75および背面側平坦部76は、互いに平行である。すなわち、第1スペーサ部材31の平断面は、二等辺三角形の頂角を含む部位がカットされた台形状である。
また、第1スペーサ部材31は、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bが挿入可能なU字形の上側溝77aおよび下側溝77bが形成されている。上側溝77aは、ロープ側平坦部75が開口し、底部が上側軸部材8aの周方向面と同じ曲率の形状である。下側溝77bは、上側溝77aと同様の形状で、上側溝77aの下方に形成されている。
背面側平坦部76には、ボルト穴が形成されて、このボルト穴には調整ボルト97が挿入されている。
第2〜第5スペーサ部材32〜35それぞれは、第1スペーサ部材31と同様に形成されて、それぞれに調整ボルト97が挿入されている。
また、本実施形態の第1〜第6傷検出ユニット21〜26それぞれは、第1〜第5スペーサ部材31〜35の第1および第2傾斜面71、72に対向して接触可能に形成された受側傾斜面73が設けられている。
続いて、本実施形態のエレベータロープ傷検出装置の構成について説明する。
このエレベータロープ傷検出装置は、第1〜第5スペーサ部材31〜35を連結する連結部材90と、第1上側弾性部材81aと、第1下側弾性部材81bと、第2上側弾性部材82aと、第2下側弾性部材82bと、を有する。
第1上側弾性部材81aおよび第1下側弾性部材81bは、それぞれ略直方体状で、第1ブラケット41および第1傷検出ユニット21の間に配置される。これらの第1上側弾性部材81aおよび第1下側弾性部材81bそれぞれは、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bが貫通する貫通穴が形成されている。
第2上側弾性部材82aおよび第2下側弾性部材82bは、それぞれ略直方体状で、第2ブラケット42および第6傷検出ユニット26の間に配置される。これらの第2上側弾性部材82aおよび第2下側弾性部材82bそれぞれは、上側軸部材8aおよび下側軸部材8bが貫通する貫通穴が形成されている。
連結部材90は、上側軸部材8a等に互いに平行に延びる背面板部95と、この背面板部95の軸方向両側それぞれに第1端部91および第2端部92と、が一体に形成されている。この第1端部91は、背面板部95の第1傷検出ユニット21側の端部が、第1単ロープ11に向かって折り曲げられて形成される。また、第2端部92は、背面板部95の第6傷検出ユニット26側の端部が、第6単ロープ16に向かって折り曲げられて形成される。
第1端部91は、第1ブラケット41にボルト等で連結されて、第2端部92は、第2ブラケット42にボルト等で連結されている。
背面板部95には、第1〜第5スペーサ部材31〜35に挿入される調整ボルト97がそれぞれ貫通する5つの貫通穴が形成されている。
各調整ボルト97は、5つの貫通穴それぞれを貫通して、第1〜第5スペーサ部材31〜35それぞれに取り付けられる。このとき、調整ボルト97のボルト頭部が、背面板部95に対して各スペーサ部材の反対側にある。また、各調整ボルト97は、ボルト穴から所定の量だけ飛び出している状態が保たれている。
第1〜第6単ロープ11〜16の隣り合うもの同士のロープ間隔が大きいときは、図11に示すように、第1〜第5スペーサ部材31〜35の挿入量を大きくする。また、当該ロープ間隔が小さいときは、図12に示すように、当該挿入量を小さくする。
当該挿入量に応じて、4つの弾性部材、すなわち、第1上側弾性部材81a、第1下側弾性部材81b、第2上側弾性部材82aおよび第2下側弾性部材82bが、軸方向に弾性変形する。
これにより、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、第2および第3の実施形態の第1〜第5スペーサ部材31〜35を、軸方向に弾性変形可能な弾性部材にしてもよい。
また、第3の実施形態で説明した調整ボルト97を回転させることで、第1〜第5スペーサ部材31〜35の挿入量を調整するように構成してもよい。この場合、第1〜第5スペーサ部材31〜35に挿入される調整ボルト97それぞれを回転させて、各スペーサ部材に挿入していくと、各ボルト頭部が背面板部95の貫通穴の縁を押し付ければよい。
これにより、各スペーサ部材は、ロープから離れる方向に移動する。すなわち、調整ボルト97の挿入量が増えるように調整ボルト97を回転させると、各スペーサ部材は、各間隙から抜け出る方向に移動する。その結果、各間隙からスペーサ部材が抜け出され、隣り合う傷検出ユニットは互いに近づく方向に移動する。
また、上記実施形態は、メインロープ10を構成する単ロープに発生する傷を検出する例について説明したが、これに限らない。コンペンゼーションロープ5にも用いることができる。また、当該エレベータロープ傷検出装置は、コンペンゼーションロープ5を有さないエレベータに用いてもよい。
1…巻上げ機、1a…機械室、2…メインシーブ、3…乗りかご、4…釣合い錘、5…コンペンゼーションロープ、5a…コンペンゼーションシーブ、6…昇降路、7…かごレール、8a…上側軸部材、8b…下側軸部材、10…メインロープ、11…第1単ロープ、12…第2単ロープ、13…第3単ロープ、14…第4単ロープ、15…第5単ロープ、16…第6単ロープ、21…第1傷検出ユニット、22…第2傷検出ユニット、23…第3傷検出ユニット、24…第4傷検出ユニット、25…第5傷検出ユニット、26…第6傷検出ユニット、27…ロープ受溝、31…第1スペーサ部材、32…第2スペーサ部材、33…第3スペーサ部材、34…第4スペーサ部材、35…第5スペーサ部材、41…第1ブラケット、42…第2ブラケット、51…第1固定部材、52…第2固定部材、61…第1板部、62…第2板部、63…第3板部、65…貫通穴、71…第1傾斜面、72…第2傾斜面、73…受側傾斜面、75…ロープ側平坦部、76…背面側平坦部、77a…上側溝、77b…下側溝、81a…第1上側弾性部材、81b…第1下側弾性部材、82a…第2上側弾性部材、82b…第2下側弾性部材、90…連結部材、91…第1端部、92…第2端部、95…背面板部、97…調整ボルト、98…ナット

Claims (7)

  1. 巻上げ機と、
    前記巻上げ機により回転駆動されて、昇降路上方に配置されたメインシーブと、
    前記メインシーブよりも下方で、前記昇降路内を上下移動可能に構成された乗りかごと、
    前記メインシーブよりも下方で、前記昇降路内を上下移動可能で、前記乗りかごが上方へ移動するときに下方に移動して、前記乗りかごが下方に移動するときに上方に移動するように構成された釣合い錘と、
    それぞれが、前記メインシーブに懸架されて且つ前記昇降路内に互いに水平方向間隔をあけて平行に配置されて、前記乗りかごおよび釣合い錘を上下移動させる複数のメインロープを含む複数のエレベータロープと、
    を有するエレベータの、前記エレベータロープの損傷を検出するエレベータロープ傷検出装置において、
    前記各エレベータロープの配列方向に沿って水平に延びて、前記各エレベータロープの上下に延びる部位の付近に、互いに間隔をあけて配置された軸部材と、
    それぞれに、前記軸部材が貫通する貫通穴と、前記各エレベータロープの前記上下に延びる部位の一部を収容可能なロープ受溝と、が形成されて、前記各エレベータロープが駆動されているときに前記ロープ受溝内にある前記上下に延びる部位に傷があるか否かを検出可能で、前記軸部材の軸方向に互いに間隙を形成するように配列された複数の傷検出ユニットと、
    前記軸部材に着脱可能で、隣り合う前記傷検出ユニット同士の間に形成される前記間隙に挿入可能で、隣り合う前記エレベータロープ同士の水平方向間隔の幅に基づいて前記軸部材の軸方向幅を調整可能に構成された少なくとも1つのスペーサ部材と、
    前記傷検出ユニットが軸部材から外れないように前記軸部材の両端それぞれに着脱可能に取り付けられたブラケットと、
    を有することを特徴とするエレベータロープ傷検出装置。
  2. 前記スペーサ部材は、前記傷検出ユニットがある側から前記各エレベータロープの方向に挿入可能で、当該方向に向かうにしたがって前記軸部材の軸方向の幅が小さくなるように形成されて、
    前記スペーサ部材が前記間隙に挿入される挿入量が増えるにしたがって、前記間隙の水平方向幅が大きくなるように構成されていること、
    を特徴とする請求項1に記載のエレベータロープ傷検出装置。
  3. 前記スペーサ部材の平断面が、上底辺および下底辺がそれぞれ前記軸部材の軸方向に延びるように形成された台形であること、を特徴とする請求項2に記載のエレベータロープ傷検出装置。
  4. 前記スペーサ部材は、板厚の異なる複数の板部が一体に形成されて、
    前記複数の板部は、前記エレベータロープから離れる方向にいくにしたがって大きくなるように形成されていること、
    を特徴とする請求項2に記載のエレベータロープ傷検出装置。
  5. 前記軸部材に平行に配置された連結部材を有し、
    前記連結部材に、複数の前記スペーサ部材が互いに前記軸部材の軸方向に間隔をあけて取り付けられて、
    前記各スペーサ部材は、前記連結部材と共に前記エレベータロープに向かって移動可能に構成されていること、
    を特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか一項に記載のエレベータロープ傷検出装置。
  6. 前記スペーサ部材は、前記軸方向に弾性変形可能な弾性部材により形成されていること、を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のエレベータロープ傷検出装置。
  7. 前記エレベータロープは、前記メインロープを構成する前記単ロープとは別の複数の単ロープからなり、前記乗りかごおよび前記釣合い錘の下方同士を連結するコンペンゼーションロープを含むこと、を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のエレベータロープ傷検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015036319A (ja) * 2013-08-12 2015-02-23 東芝エレベータ株式会社 エレベータのメインロープ点検装置
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