JP2012056232A5 - - Google Patents
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本発明者らは、鋭意検討した結果、上記課題を解決することができる、次の複合強化繊維束の製造方法を発明するに至った。すなわち、強化繊維束(A)50〜87質量%に、下記構造式(1)であらわされ、条件(1)を満たし、10℃/min昇温(空気中)の300℃における加熱減量が5%以下である化合物(B)13〜50質量%を含浸させてなる複合強化繊維束の製造方法であって、成分(A)に成分(B)を供給し、成分(B)を100〜300℃の溶融状態で成分(A)と接触させる工程(I)と、成分(B)と接触している成分(A)を加熱して成分(B)の供給量の80〜100質量%を成分(A)に含浸させる工程(II)を有する複合強化繊維束の製造方法である。
(式(1)中のXはビスフェノール類の残基であり、複数のXは同一でも異なっていてもよい。また、Yは水素原子またはグリシジル基であり、複数のYは同一でも異なっていてもよい。平均重合度nは繰り返し単位数で、n≧0である。
条件(1):200℃における溶融粘度は0.01〜10Pa・sであり、かつ200℃にて2時間加熱後の溶融粘度変化率が2以下である。
条件(1):200℃における溶融粘度は0.01〜10Pa・sであり、かつ200℃にて2時間加熱後の溶融粘度変化率が2以下である。
炭素繊維の表面酸素濃度比は、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めるものである。まず、溶剤で炭素繊維表面に付着しているサイジング剤などを除去した炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10 −8 Torrに保つ。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせる。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求める。
ここで、式(1)中のXはビスフェノール類の残基であり、複数のXは同一でも異なっていてもよい。ビスフェノール類としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、もしくはこれらビスフェノールのアルキル置換体、水添品等が用いられる。中でも、粘度と耐熱性のバランスが良いことから、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型が好ましい。また、Yは水素原子またはグリシジル基である。水素原子またはグリシジル基であることで、強化繊維と馴染みやすく、含浸し易いだけでなく、成形時の強化繊維の分散性を向上し易いため、好ましい。また、複数のYは同一でも異なっていてもよいが、同一であると樹脂の粘度安定性が保ちやすいことから好ましい。なお、平均重合度nは繰り返し単位数で、n≧0である。
ここで、表面酸素濃度比は、表面酸化処理を行ったあとの炭素繊維を用いて、X線光電子分光法により、次の手順にしたがって求めた。まず、炭素繊維束を20mmにカットして、銅製の試料支持台に拡げて並べた後、X線源としてA1Kα1、2を用い、試料チャンバー中を1×10 −8 Torrに保った。測定時の帯電に伴うピークの補正値としてC1sの主ピークの運動エネルギー値(K.E.)を1202eVに合わせた。C1sピーク面積をK.E.として1191〜1205eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積をK.E.として947〜959eVの範囲で直線のベースラインを引くことにより求めた。O1sピーク面積とC1sピーク面積の比から装置固有の感度補正値を用いて原子数比として算出した。X線光電子分光法装置として、国際電気社製モデルES−200を用い、感度補正値を1.74とした。
参考例14
被含浸化合物として、成分(B)である(B)−7(三菱化学(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合物、jER828/jER1006FS=90/10)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合体、成形材料、成形品を得た。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
被含浸化合物として、成分(B)である(B)−7(三菱化学(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合物、jER828/jER1006FS=90/10)を用いた以外は実施例1と同様にして、複合体、成形材料、成形品を得た。特性評価結果はまとめて表1に記載した。
以上のように、実施例1〜13においては、本発明における複合強化繊維束の製造方法により、含浸性が良好であり、かつボイドの少ない複合強化繊維束が得られる。また、得られた複合強化繊維束を用いた成形材料は、成形時に揮発分が少なく、強化繊維の成形品中への分散が良好である成形材料を得ることができた。
一方比較例1〜6においては、含浸不足な強化繊維束、または、含浸が十分であっても成形時の揮発分が多く、良好な成形材料は得られなかった。
Claims (12)
- 強化繊維束(A)50〜87質量%に、下記構造式(1)であらわされ、条件(1)を満たし、10℃/min昇温(空気中)の300℃における加熱減量が5%以下である化合物(B)13〜50質量%を含浸させてなる複合強化繊維束の製造方法であって、成分(A)に成分(B)を供給し、成分(B)を100〜300℃の溶融状態で成分(A)と接触させる工程(I)と、成分(B)と接触している成分(A)を加熱して成分(B)の供給量の80〜100質量%を成分(A)に含浸させる工程(II)を有する複合強化繊維束の製造方法。
条件(1):200℃における溶融粘度は0.01〜10Pa・sであり、かつ200℃にて2時間加熱後の溶融粘度変化率が2以下である。 - 成分(A)は、サイジング剤が付与されてなり、サイジング剤と成分(B)の質量比が0.001〜0.5/1である請求項1に記載の複合強化繊維束の製造方法。
- サイジング剤のエポキシ当量、または水酸基当量が、成分(B)のエポキシ当量または水酸基当量よりも小さい請求項2に記載の複合強化繊維束の製造方法。
- 前記サイジング剤が3官能以上の多官能脂肪族エポキシである請求項2または3に記載の複合強化繊維束の製造方法。
- 成分(B)は、水酸基当量が200〜2000g/eqである請求項1〜4いずれかに記載の複合強化繊維束の製造方法。
- 成分(B)は、エポキシ当量が300〜3000g/eqである請求項1〜4いずれかに記載の複合強化繊維束の製造方法。
- 強化繊維束が炭素繊維束である請求項1〜6いずれかに記載の複合強化繊維束の製造方法。
- 炭素繊維束のフィラメント数が20,000〜100,000本である請求項7に記載の複合強化繊維束の製造方法。
- 工程(II)において、成分(B)の最高温度が150〜400℃である請求項1〜8いずれかに記載の複合強化繊維束の製造方法。
- 請求項1〜9いずれかに記載の方法で製造される複合強化繊維束に、熱可塑性樹脂(C)が接着されている成形材料。
- 複合強化繊維束が芯構造であり、その周囲を成分(C)が被覆した芯鞘構造である請求項10に記載の成形材料。
- 長さ1〜50mmに切断されてなる請求項10または11に記載の成形材料。
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