JP2012053238A - 走査型画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間像面位置の調整のために光伝送部の光束の出射位置が移動することによっても、走査部に入射する光束の光量の変動を抑制することができ、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる走査型画像表示装置を提供する。
【解決手段】光源部7と、レーザ光を走査する走査部と、レーザ光の出射位置が位置調整可能に設けられる光ファイバケーブル4と、光ファイバケーブル4から出射されたレーザ光に作用するコリメートレンズ40を有するコリメート部31と、コリメート部31によりコリメートされたレーザ光のビーム径を絞る絞り孔61を形成するアパーチャ60とを備える構成において、アパーチャ60は、レーザ光の出射位置の変化に拘わらずコリメートレンズ40を通過したレーザ光のビーム径が略一致する所定の位置に、絞り孔61を位置させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源部から出射した光束を走査して投射対象に投射する走査型画像表示装置に関する。
従来、画像信号に応じた強度のレーザ光等の光束を出射する光源部と、この光源部から出射された光束を2次元走査する走査部とを有し、この走査部により走査された光束を投射部から投射対象に投射して画像を表示する走査型画像表示装置が知られている。走査型画像表示装置としては、例えば、投射対象を観察者の眼の網膜とした網膜走査型の画像表示装置や、投影対象をスクリーンとしたスクリーン走査型の画像表示装置等がある。
このような走査型画像表示装置には、光源部から出射された光束を走査部へと伝送する光伝送部として光ファイバを備えるものがある。かかる構成においては、例えば、光源部から出射された光束が、コリメートされて光ファイバに入射し、光ファイバによって伝送された後、あらためてコリメートされ、走査部に入射する。
また、走査型画像表示装置の光学系においては、投影対象上に形成される最終像面と光学的に共役な関係を有する中間像面が形成される。例えば、網膜走査型の画像表示装置の場合、光学系において中間像面を形成する光束は、接眼レンズ等を介して観察者の眼に入射し、網膜上に最終像面を形成する。中間像面は、網膜走査型の画像表示装置の場合、走査部から出射された光束により、走査部と接眼レンズ系との間に形成される。
このように光学系において形成される中間像面の位置は、投影対象に表示される画像の画質を維持する観点から重要な因子である。そこで、中間像面の位置の調整が、光ファイバの光束の出射位置を移動させることにより行われる。つまり、光学系における組付けのバラツキや公差等により変動する中間像面の位置が、光ファイバの出射位置の調整によって、適切な位置に決定される。このように、光ファイバの出射位置の移動によって、光学系における組付けのバラツキや公差等がコンペンセートされる。
一方で、投射対象に表示される画像について高い解像度を得るためには、中間像面の位置における集光角度が大きいほど良い。この集光角度は、光ファイバから出射される光束の広がり角が大きいほど大きくなる。しかし、光ファイバから出射される光束の広がり角が大きくなると、光ファイバの出射位置による中間像面の位置の調整の感度が高くなるため、中間像面の位置を決定するための光ファイバの組付け等が難しくなる。
そこで、中間像面位置の調整の感度を改善するため、例えばアパーチャによって光束をトランケートすることで、走査部に入射する光束のビーム径を小さくし、調整感度を低くすることが有効である。こうした中間像面位置の調整の感度改善を行うため、例えば特許文献1の技術を採用することが考えられる。特許文献1には、光源部からの光束を伝送する光ファイバからの出射光をコリメートするコリメートレンズと走査部との間に、光束のビーム径を調整する手段を備える構成が開示されている。
特開2006−251509号公報
しかしながら、上述したように光学系における組付けのバラツキや公差等をコンペンセートするため、光ファイバの出射位置が移動することにより、例えばアパーチャの配置位置等の、ビーム径の調整位置におけるビーム径が大幅に変動する。
すなわち、アパーチャ等のビーム径を絞るための構成によれば、光束がトランケートされて光量損失が発生するが、光ファイバの出射位置が移動することにより、ビーム径の調整位置におけるビーム径が変動することで、光量の損失量が変動して不安定となる。このようにアパーチャ等による光量の損失量が不安定となることは、表示輝度が変化するなど画質の低下を招いたり、例えば光束の走査タイミングを検出するために光学系に配置される光検出器の正常動作を損なう原因となったりする。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、中間像面位置の調整のために光伝送部の光束の出射位置が移動することによっても、走査部に入射する光束の光量の変動を抑制することができ、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる走査型画像表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の走査型画像表示装置は、画像信号に応じた強度の光束を出射する光源部と、前記光源部から出射された光束を2次元走査する走査部と、前記光源部から出射された光束を前記走査部へと伝送し、光束の出射位置が少なくとも出射する光束の光軸方向に位置調整可能に設けられる光伝送部と、前記走査部で走査された光束を投射対象に投射する投射部と、前記光伝送部から出射された光束をコリメートするコリメートレンズを有するコリメート部と、前記コリメート部によりコリメートされた光束のビーム径を絞る絞り孔を形成する絞り部と、を備え、前記絞り部は、前記光束の出射位置の変化に拘わらず前記コリメートレンズを通過した光束のビーム径が略一致する所定の位置に、前記絞り孔を位置させるものである。
また、請求項2に記載の走査型画像表示装置は、請求項1に記載の走査型画像表示装置において、前記所定の位置は、前記コリメートレンズの中心位置から前記コリメートレンズの光軸方向に前記コリメートレンズの焦点距離を隔てた位置またはその近傍の位置である。
また、請求項3に記載の走査型画像表示装置は、請求項1に記載の走査型画像表示装置において、前記所定の位置は、前記コリメートレンズを薄肉レンズと仮定し、前記コリメートレンズの中心位置を原点とし、前記コリメートレンズの光軸方向をx軸方向、該x軸方向に垂直な方向をy軸方向とした場合、前記コリメートレンズ以降の光束のビーム径の変化を、前記光伝送部から出射される光束の広がり角に基づいて傾きa、切片bとしてy=ax+bにより一次近似することで求まる位置であり、前記傾きaおよび前記切片bが、次式(1)、(2)により表わされるものである。
a=Δz・tanθ/f ・・・(1)
b=(f−Δz)・tanθ ・・・(2)
ここで、f:前記コリメートレンズの焦点距離、θ:前記広がり角、Δz:前記光伝送部の前記光軸方向の位置調整幅である。
また、請求項4に記載の走査型画像表示装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置において、前記投射対象を、観察者の少なくとも一方の眼の網膜とし、前記走査部によって走査された光束を、前記投射部により前記網膜に入射して、画像を表示するものである。
本発明によれば、中間像面位置の調整のために光伝送部の光束の出射位置が移動することによっても、走査部に入射する光束の光量の変動を抑制することができ、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる。
本発明の一実施形態に係る走査型画像表示装置の全体的な構成を示す図。 本発明の一実施形態に係る走査型画像表示装置における光路を示す図。 本発明の一実施形態に係る走査型画像表示装置におけるビーム径の変動についての説明図。 本発明の一実施形態に係るアパーチャの配置についての説明図。 本発明の一実施形態に係るビーム径のシミュレーション結果の一例を示す図。
本発明は、光伝送部の光束の出射位置を移動させることで中間像面の位置を調整する構成において、中間像面位置の調整について適正な感度を得るために走査部に入射する光束のビーム径を小さくするための構成の配置を工夫することで、光伝送部の位置の移動にともなう光束の光量の変動を抑制しようとするものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する本発明の実施の形態は、本発明を、走査型画像表示装置の一例である網膜走査ディスプレイ(Retinal Scanning Display、以下「RSD」とする。)に適用した場合のものである。なお、本発明は、網膜走査型の画像表示装置であるRSDに限らず、例えば投影対象をスクリーンとした光走査型の画像表示装置(レーザディスプレイ)等の、他の走査型画像表示装置にも適用可能である。
[RSDの構成]
まず、本実施形態に係る走査型画像表示装置としてのRSD1の構成について、図1及び図2を用いて説明する。本実施形態に係るRSD1は、投影対象を、観察者の少なくとも一方の眼10の網膜10bとし、光束としてのレーザ光を走査する走査部によって走査したレーザ光を、レーザ光を投射する投射部により網膜10bに入射して、画像を表示する。つまり、RSD1は、微弱な光を高速で走査しながら観察者の網膜10bに照射することで、網膜10b上に走査された光の残像を映像として観察者に認識させる網膜走査型の画像表示装置である。
図1に示すように、RSD1は、コントロールユニット2と、投影ユニット3とを備える。コントロールユニット2は、画像信号に応じた強度のレーザ光を画像光として出射する。コントロールユニット2から出射された画像光は、光ファイバケーブル4により、投影ユニット3に伝送される。
コントロールユニット2は、記憶部を内蔵し、この記憶部に記憶されたコンテンツ情報等に基づいて画像信号を形成する。コントロールユニット2は、形成した画像信号に応じた強度のレーザ光を画像光として光ファイバケーブル4へ出射する。
投影ユニット3は、光ファイバケーブル4により伝送されてきた画像光を、観察者が表示画像として認識可能とするために走査する。投影ユニット3は、コントロールユニット2においてR(赤色)、G(緑色)、B(青色)の色毎に強度変調された画像光を、2次元方向に走査し、観察者の眼10に入射させる。
RSD1の電気的構成及び光学的構成について具体的に説明する。コントロールユニット2は、制御部5と、光源ユニット6とを有する。光源ユニット6は、光源部7と、駆動信号供給回路8とを含む。
制御部5は、RSD1の各部を統括的に制御する。制御部5は、予め記憶されている制御プログラムにしたがって所定の処理を実行することにより、RSD1を制御する。制御部5は、データ通信用のバスにより接続されるCPU、フラッシュメモリ、RAM、VRAM、複数の入出力インターフェース等の各種機能部分を有し、バスを介して各種情報の送受信を行う。
制御部5は、入出力端子等を介して外部接続された図示しない機器類から供給される画像データや、予め記憶されたコンテンツ情報に基づく画像データ等の各種画像データの入力を受ける。制御部5は、入力された画像データに基づいて、画像信号5Sを生成する。制御部5により生成された画像信号5Sは、駆動信号供給回路8に送られる。つまり、制御部5は、画像信号5Sに応じた強度のレーザ光を光源部7から出射させる。
駆動信号供給回路8は、画像信号5Sに応じた駆動信号を生成する駆動信号生成部として機能する。駆動信号供給回路8は、画像信号5Sに基づいて、表示画像を形成するための要素となる各信号を画素単位で生成する。
光源部7は、駆動信号供給回路8により生成された駆動信号に応じた強度の光束としてのレーザ光を出力する。光源部7は、赤色レーザ光を生成して出射する赤色レーザ部11と、緑色レーザ光を生成して出射する緑色レーザ部12と、青色レーザ光を生成して出射する青色レーザ部13とを有する。
各色のレーザ部11,12,13は、各色のレーザ光を発生させるレーザ11a,12a,13aと、このレーザ11a,12a,13aを駆動させるためのレーザドライバ11b,12b,13bとを含む。各色のレーザ11a,12a,13aは、例えば、半導体レーザや高調波発生機構付き固体レーザである。各色のレーザドライバ11b,12b,13bは、駆動信号供給回路8から入力される駆動信号に基づき、それぞれ対応するレーザ11a,12a,13aに駆動電流を供給する。そして、各色のレーザ11a,12a,13aは、対応するレーザドライバ11b,12b,13bから各レーザ11a,12a,13aに供給する駆動電流に応じて強度変調されたレーザ光を出射する。
したがって、赤色レーザ部11は、駆動信号供給回路8からの駆動信号14Rに基づき、レーザドライバ11bによってレーザ11aを駆動させ、赤色のレーザ光を出射する。また、緑色レーザ部12は、駆動信号供給回路8からの駆動信号14Gに基づき、レーザドライバ12bによってレーザ12aを駆動させ、緑色のレーザ光を出射する。また、青色レーザ部13は、駆動信号供給回路8からの駆動信号14Bに基づき、レーザドライバ13bによってレーザ13aを駆動させ、青色のレーザ光を出射する。なお、各色のレーザ11a,12a,13aが半導体レーザである場合は、駆動電流を直接変調してレーザ光の強度変調を行うことができるが、各色のレーザ11a,12a,13aが固体レーザである場合は、各レーザ11a,12a,13aそれぞれに外部変調器を備えてレーザ光の強度変調を行う必要がある。
光源部7は、各色のレーザ部11,12,13により出射したレーザ光を、合波してから、光ファイバケーブル4に出射する。このため、光源部7は、コリメート光学系16,17,18と、ダイクロイックミラー19,20,21と、結合光学系22とを有する。
各色のレーザ部11,12,13から出射した各色のレーザ光は、それぞれコリメート光学系16,17,18によって平行光化された後、それぞれ対応するダイクロイックミラー19,20,21に入射する。各ダイクロイックミラー19,20,21に入射する赤色,緑色,青色の3色のレーザ光は、3個のダイクロイックミラー19,20,21により、波長に関して選択的に反射・透過させられて結合光学系22に達し、合波されて集光される。結合光学系22により集光されたレーザ光は、光ファイバケーブル4に入射する。
このように、光源部7から光ファイバケーブル4に入射するレーザ光は、強度変調された各色のレーザ光が合波されたものである。なお、各色のレーザ部11,12,13からのレーザ光を光源部7からの出射光として出射させるための光学系の構成は、各色のレーザ部11,12,13から出射される各色のレーザ光が波長に関して選択的に反射・透過させられる構成であれば限定されるものではない。以上のように、光源部7は、制御部5から入力される画像信号5Sに応じた強度のレーザ光を出射する。
投影ユニット3は、RSD1において光源部7と観察者の眼10との間に位置する。投影ユニット3は、コリメート部31と、水平走査部32と、第1リレー光学系33と、垂直走査部34と、第2リレー光学系35とを有する。
コリメート部31は、光ファイバケーブル4から出射されたレーザ光をコリメートするコリメートレンズ40を有する。つまり、コリメート部31は、コリメートレンズ40により、光源部7で生成され光ファイバケーブル4から出射されるレーザ光を平行光化する光学系である。コリメートレンズ40により、コリメートレンズ系が構成される。
水平走査部32は、コリメート部31で平行光化されたレーザ光を画像表示のために水平方向に往復走査する。第1リレー光学系33は、水平走査部32と垂直走査部34との間に設けられ、走査レンズ系を構成し、水平走査部32と垂直走査部34との間でレーザ光を中継する。
垂直走査部34は、水平走査部32で水平方向に走査されたレーザ光を垂直方向に走査する。第2リレー光学系35は、水平走査部32及び垂直走査部34によって水平方向と垂直方向に走査されたレーザ光を、投影ユニット3から外部へと出射させるためのものである。
水平走査部32及び垂直走査部34、ならびに第1リレー光学系33は、光ファイバケーブル4から出射したレーザ光を、画像として観察者の網膜10bに投影可能な状態とするために、水平方向と垂直方向に走査して走査光束とするための光走査装置及び光学系である。つまり、本実施形態では、水平走査部32及び垂直走査部34を含む構成が、光源部7から出射されたレーザ光を2次元走査する走査部として機能する。以下の説明では、水平走査部32及び垂直走査部34を含む構成を総称して「走査部」という。
水平走査部32は、走査部において高速スキャナとして機能するものであり、共振型の偏向素子32aと、水平走査駆動回路32bとを備える。偏向素子32aは、レーザ光を水平方向に走査するため偏向面(反射面)を有する。水平走査駆動回路32bは、偏向素子32aを共振させて偏向素子32aの偏向面を揺動させる駆動信号を生成する。水平走査駆動回路32bは、偏向素子32aに対する駆動信号を、駆動信号供給回路8から入力される水平駆動信号36に基づいて生成する。
一方、垂直走査部34は、走査部において低速スキャナとして機能するものであり、非共振型の偏向素子34aと、垂直走査駆動回路34bとを備える。偏向素子34aは、レーザ光を垂直方向に走査するため偏向面(反射面)を有する。垂直走査駆動回路34bは、偏向素子34aの偏向面を非共振状態で揺動させる駆動信号を生成する。垂直走査駆動回路34bは、偏向素子34aに対する駆動信号を、駆動信号供給回路8から入力される垂直駆動信号37に基づいて生成する。
垂直走査部34は、表示すべき画像の1フレーム毎に、画像を形成するためのレーザ光を最初の水平走査線から最後の水平走査線に向かって垂直に走査する。これにより、2次元走査された画像が形成される。ここで「水平走査線」とは、水平走査部32による水平方向への1走査を意味する。
第1リレー光学系33は、水平走査部32が有する偏向素子32aの偏向面によって水平方向に走査されたレーザ光を、垂直走査部34が有する偏向素子34aの偏向面に収束させる。そして、偏向素子34aの偏向面に収束したレーザ光が、偏向素子34aの偏向面によって垂直方向に走査され、画像光Lxを形成する。
第2リレー光学系35は、正の屈折力を持つ2つのレンズとして、直列配置される補正レンズ38と接眼レンズ50とを有する。接眼レンズ50により、接眼レンズ系が構成される。なお、接眼レンズ系は、複数のレンズにより構成されてもよい。画像光Lxとしてのレーザ光は、第2リレー光学系35を介した後、RSD1が備えるハーフミラー15により反射させられて、観察者の瞳孔10aに入射する。画像光Lxが瞳孔10aに入射することにより、網膜10b上に、画像信号5Sに応じた表示画像が投影される。このようにして、観察者は、画像光Lxを表示画像として認識する。
本実施形態では、第2リレー光学系35を構成する接眼レンズ50、及びハーフミラー15を含む構成が、走査部で走査されたレーザ光を投射対象に投射する投射部として機能する。本実施形態では、投射部によりレーザ光が投射される投射対象は、観察者の眼10の網膜10bである。
また、ハーフミラー15は、外光Lyを透過させて観察者の眼10に入射させる。これにより、観察者は、外光Lyにより認識される背景に、画像光Lxによる画像を重ねて視認することができる。このように、本実施形態のRSD1は、投影ユニット3から出射される画像光Lxを観察者の眼10に走査しつつ投射するとともに、外光Lyを透過させるシースルー型である。ただし、RSD1はシースルー型である必要はない。
第2リレー光学系35の光の入射側に位置する補正レンズ38は、画像光により表示される画像の曲面補正を行うためのレンズである。接眼レンズ50は、走査部で走査されたレーザ光である画像光Lxを観察者の眼10に入射させる。このように、接眼レンズ50は、観察者の網膜10b上に画像信号5Sに応じた画像を投影する接眼光学系として機能する。
第2リレー光学系35においては、補正レンズ38と接眼レンズ50との間に、中間像面41が形成される(図2参照)。中間像面41は、観察者の眼10の網膜10b上に形成される最終像面42と光学的に共役な関係を有する。つまり、RSD1の光学系において中間像面41を形成するレーザ光は、接眼レンズ50を介して観察者の眼10に入射し、網膜10b上にて最終像面42を形成する。
また、図示は省略するが、RSD1は、第1リレー光学系33において、光検出部を有する。光検出部は、タイミング検出用のレーザ光を検出するため、受光した光の強度に応じた電流をBD信号として出力するBDセンサを有し、走査部によるレーザ光の走査タイミングを検出する。この光検出部により、駆動信号供給回路8からの駆動信号に基づいて光源部7から出射されるタイミング検出用のレーザ光が検出されることで、光源部7からの画像形成用レーザ光の出射タイミングが調整される。
以上のような構成を備えるRSD1は、例えば、投影ユニット3を含む構成を支持する眼鏡型のフレームを備えることで、観察者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイを構成する。
そして、本実施形態のRSD1においては、光ファイバケーブル4は、走査部に入射させるレーザ光の光軸方向に位置調整可能に設けられる。具体的には、光ファイバケーブル4においては、出射側の端部における光ファイバの端面が、レーザ光の出射位置となる。つまり、光ファイバケーブル4が出射するレーザ光の光軸方向については、光ファイバケーブル4のレーザ光の出射位置(以下「ファイバ出射位置」という。)と、光ファイバケーブル4の出射側の端部の位置とは略同じ位置である。光ファイバケーブル4から出射されたレーザ光は、コリメートレンズ40を介して、走査部の水平走査部32を構成する偏向素子32aの反射面に入射する。
このような構成において、ファイバ出射位置が、コリメートレンズ40に向けて出射するレーザ光の光軸方向に移動可能に設けられる。つまり、レーザ光の進む方向を前側とすると、ファイバ出射位置は、出射するレーザ光の光軸方向に沿って前進・後退可能に設けられる。
ファイバ出射位置を移動させるための構成は、例えば、機械的な構成によって手動により移動する構成や、電気的な制御によって自動的に移動する構成等であり、特に限定されない。つまり、光ファイバケーブル4は、出射するレーザ光の光軸方向についてファイバ出射位置が所定の範囲で所望の位置となるように組み付けることができ、ファイバ出射位置を調整することができるように設けられればよい。
このように、本実施形態では、光ファイバケーブル4が、光源部7から出射されたレーザ光を走査部へと伝送し、ファイバ出射位置が少なくとも出射するレーザ光の光軸方向に位置調整可能に設けられる光伝送部として機能する。
ファイバ出射位置の移動は、中間像面41の位置を調整するために用いられる。なお、以下の説明において、ファイバ出射位置及び中間像面41の位置は、光ファイバケーブル4から出射され走査部による偏向等を経て観察者の眼10に入射するレーザ光の光軸O1に沿う方向の位置である(図2、1点鎖線参照)。
中間像面41の位置は、観察者の眼10の網膜10bに表示される画像(最終像面42)の画質を維持する観点から重要な因子である。そこで、中間像面41の位置の調整が、ファイバ出射位置を移動させることにより行われる。つまり、光学系における組付けのバラツキや公差等により変動する中間像面41の位置が、ファイバ出射位置の調整によって、適切な位置に決定される。
具体的には、図3に示すように、ファイバ出射位置は、所定の位置を基準位置として、出射するレーザ光の光軸に沿って前後方向に移動する(矢印A1参照)。図3では、ファイバ出射位置が基準位置にある状態、及びその状態での中間像面41の位置を示している。
図3に示すように、ファイバ出射位置が、基準位置から前進、つまり図3において右側に移動すると、ファイバ出射位置が基準位置にある状態との比較において、コリメートレンズ40の位置でのレーザ光のビーム径は小さくなる反面、第1リレー光学系33のレンズの位置でのレーザ光のビーム径は大きくなる(2点鎖線で示すビーム径参照)。このため、中間像面41の位置は、ファイバ出射位置が基準位置のときよりも前側(奥側)に移動する(符号41a参照)。
一方、ファイバ出射位置が、基準位置から後退、つまり図3において左側に移動すると、ファイバ出射位置が基準位置にある状態との比較において、コリメートレンズ40の位置でのレーザ光のビーム径は大きくなる反面、第1リレー光学系33のレンズの位置でのレーザ光のビーム径は小さくなる(破線で示すビーム径参照)。このため、中間像面41の位置は、ファイバ出射位置が基準位置のときよりも後側(手前側)に移動する(符号41b参照)。
このようにファイバ出射位置により中間像面41の位置が変化する現象においては、コリメートレンズ40による作用に着目した場合、ファイバ出射位置によってビーム径が拡散・集光・平行の3パターンで進行することに基づく。このようにファイバ出射位置の移動にともなって移動する中間像面41の位置が、ファイバ出射位置によって調整される。このように、本実施形態のRSD1においては、中間像面41の位置に関し、ファイバ出射位置の移動によって、光学系における組付けのバラツキや公差等がコンペンセートされる。
そして、本実施形態のRSD1においては、観察者の眼10の網膜10bに表示される画像について高い解像度を得るためには、中間像面41の位置における集光角度が大きいほど良い。この集光角度は、光ファイバケーブル4から出射されるレーザ光の広がり角が大きいほど大きくなる。しかし、光ファイバケーブル4から出射されるレーザ光の広がり角が大きくなると、ファイバ出射位置を移動させることによる中間像面41の位置の調整の感度が高くなるため、中間像面41の位置を決定するための光ファイバケーブル4の組付け等が難しくなる。
そこで、図1〜図3に示すように、本実施形態のRSD1は、中間像面41の位置調整の感度を改善するため、アパーチャ60を備える。アパーチャ60は、光ファイバケーブル4からの出射光をコリメートするコリメートレンズ40と、走査レンズ系を構成する第1リレー光学系33との間に設けられる。
アパーチャ60は、走査部に入射するレーザ光のビーム径を絞るための絞り孔61を有する。アパーチャ60は、例えば、中心部に絞り孔61を有する板状の部材である。このようにコリメート部31と第1リレー光学系33との間にアパーチャ60が配置されることにより、コリメートレンズ40を通過したレーザ光がアパーチャ60によってトランケートされ、走査部に入射するレーザ光のビーム径が小さくなる。これにより、中間像面41の位置調整の感度が低くなり、中間像面41の位置調整が容易となる。
このように、本実施形態のRSD1においては、アパーチャ60が、コリメート部31によりコリメートされたレーザ光のビーム径を絞る絞り孔61を形成する絞り部として機能する。
このようにアパーチャ60を備える構成においては、上述したように光学系における組付けのバラツキや公差等をコンペンセートするためにファイバ出射位置が移動することにより、アパーチャ60によるレーザ光の絞り位置におけるビーム径が大幅に変動する。すなわち、レーザ光のビーム径を一定の値よりも絞るアパーチャ60によれば、レーザ光がトランケートされて光量損失が発生するが、ファイバ出射位置が移動することにより、レーザ光の絞り位置におけるビーム径が変動し、これにより光量の損失量が変動して不安定となる。
具体的に、例えば、アパーチャ60が、単に機械的な配置のしやすさから、コリメートレンズ40に近接させて配置された場合について説明する。この場合、図3に示すように、ファイバ出射位置が前進した位置にある状態(2点鎖線のビーム径)では、ファイバ出射位置が基準位置にある状態(実線のビーム径)との比較において、光量の損失が小さくなる。一方、ファイバ出射位置が後退した位置にある状態(破線のビーム径)では、ファイバ出射位置が基準位置にある状態(実線のビーム径)との比較において、光量の損失が大きくなる。
このようにアパーチャ60による光量の損失量が不安定となることは、表示輝度が変化するなど画質の低下を招いたり、レーザ光の走査タイミングを検出するために光学系に配置される光検出部のBDセンサ等の正常動作を損なう原因となったりする。そこで、本実施形態のRSD1においては、アパーチャ60が、以下に説明するような位置に設けられている。
[アパーチャの配置位置]
本実施形態のRSD1においては、アパーチャ60は、ファイバ出射位置の変化に拘わらずコリメートレンズ40を通過したレーザ光のビーム径が略一致する所定の位置に、絞り孔61を位置させるように設けられる。絞り孔61についての所定の位置は、例えば、コリメートレンズ40の焦点距離と、光ファイバケーブル4から出射されるレーザ光の広がり角と、光ファイバケーブル4の光軸方向の位置調整幅とに基づいて定められる。
具体的には、図4に示すように、コリメートレンズ40の焦点距離fは、コリメートレンズ40を薄肉レンズとして近似した場合(レンズの厚みをゼロとみなした場合)における、光軸方向についてのコリメートレンズ40と焦点F0との距離である。原理的には、コリメートレンズ40の焦点F0の位置に点光源の存在を仮定すると、図4において実線で示すビーム径のように、点光源からコリメートレンズ40に入射した光は、コリメートレンズ40の出射側から完全に平行な平行光として出射される。コリメートレンズ40の焦点距離fは、コリメートレンズ40によって定まる値である。
図4に示すように、光ファイバケーブル4から出射されるレーザ光の広がり角(以下「ビーム広がり角」という。)θは、ファイバ出射位置から光軸を中心として放射状に広がって出射されるレーザ光についての光軸O1を基準とするビームの広がりの半角度である。したがって、ビーム広がり角θは、図4に示すような光路図においてファイバ出射位置を起点として光軸O1とビームの広がりの勾配を示す直線とのなす角度(θ)となる。ビーム広がり角θは、光ファイバケーブル4の種類やレーザ光の種類等によって定まる値である。
図4に示すように、光ファイバケーブル4の光軸方向の位置調整幅Δzは、上述したようにファイバ出射位置が移動可能に設けられる光ファイバケーブル4において、ファイバ出射位置の基準位置からの移動量に相当する。したがって、ファイバ出射位置の基準位置が焦点F0の場合において、ファイバ出射位置が位置調整幅Δzだけ前進したときには、コリメートレンズ40と光軸O1との交点を原点Oとすると、原点Oからファイバ出射位置までの距離は、f−Δzとなる。
以上のように、コリメートレンズ40によって定まる焦点距離f、光ファイバケーブル4等によって定まるビーム広がり角θ、及びファイバ出射位置の基準位置からの移動量である位置調整幅Δzに基づいて、絞り孔61が所定の位置となるように、アパーチャ60が配置される。すなわち、RSD1においては、コリメートレンズ40の焦点距離f、ビーム広がり角θ、及びファイバ出射位置の位置調整幅Δzの値が用いられ、RSD1の各部の構造から導かれる所定の位置に、アパーチャ60が設けられる。
具体的には、上述したように、コリメートレンズ40を通過するレーザ光は、ファイバ出射位置の移動によって、ビーム径が拡散・集光・平行の3パターンで進行する。このため、コリメートレンズ40を通過したレーザ光については、ファイバ出射位置に拘わらずビーム径がほぼ同一となる(略一致する)位置が存在する。つまり、このビーム径がほぼ同一となる位置とは、ファイバ出射位置の変化にともなうビーム径の変動量が最小となる位置である。
図5に、ファイバ出射位置を変化させた場合の、コリメートレンズ40以降のレーザ光のビーム径の変動についてのシミュレーション結果の一例を示す。図5に示すグラフにおいて、横軸はコリメートレンズ40の位置(詳しくは面頂位置)を基準(0mm)とした場合の距離[mm]であり、縦軸はビーム径である。また、距離が約10mmの位置P1に、水平走査部32の偏向素子32aの反射面が位置する。
図5に示すシミュレーション結果例から分かるように、ファイバ出射位置の移動量に拘わらず、ビーム径がほぼ一定となる位置P0が存在する。本例では、距離が約7mmの位置に、ビーム径がほぼ一定となる位置が存在する。
このようにビーム径がほぼ同一となる位置が、例えば上記のとおり焦点距離f、ビーム広がり角θ、及び位置調整幅Δzの各値をパラメータとして導かれる。そして、このファイバ出射位置に拘わらずビーム径がほぼ同一となる位置あるいはその近傍に絞り孔61が位置するように、アパーチャ60の配置位置が決定される。
以上のようにファイバ出射位置の変化に拘わらずコリメートレンズ40を通過したレーザ光のビーム径が略一致する所定の位置に配置されるアパーチャ60を備えるRSD1によれば、中間像面41の位置の調整のためにファイバ出射位置が移動することによっても、走査部に入射するレーザ光の光量の変動を抑制することができ、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる。
すなわち、上述したように中間像面41の位置調整の感度を改善するためにコリメートレンズ40を通過したレーザ光のビーム径を絞るための構成を設けるに際し、コリメートレンズ40のビーム径が指標とされ、焦点距離f、ビーム広がり角θ、及び位置調整幅Δzが用いられる。そして、ファイバ出射位置の変化にともなうビーム径の変動量が最小となる所定の位置が、ビーム径の絞り位置として導かれる。
これにより、ファイバ出射位置の変動がアパーチャ60による光量の損失量に与える影響を最小限に抑えることが可能となる。結果として、アパーチャ60の配置位置が単に機械的な配置のしやすさ等に基づいて決められる場合との比較において、確実に、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる。
なお、コリメートレンズ40を通過したレーザ光のビーム径を絞るための絞り部としては、本実施形態のアパーチャ60に限定されず、レーザ光のビーム径を一定以下に絞ることができる構成であれば、適宜周知の構成を採用することができる。
上述したように、コリメートレンズ40を通過したレーザ光のビーム径を指標として定まる、絞り孔61についての所定の位置は、好ましくは、コリメートレンズ40の中心位置からコリメートレンズ40の光軸方向に焦点距離fを隔てた位置またはその近傍の位置である。
この場合、図4に示すように、コリメートレンズ40の位置である原点Oから、焦点距離fだけ前側の位置あるいはその近傍の位置に絞り孔61が位置するように、アパーチャ60が配置される。ここで、焦点距離fだけ前側の位置の近傍の位置とは、コリメートレンズ40の位置(原点O)から水平走査部32の偏向素子32aの反射面の位置(図5、符号P1参照)までの距離に対して短い距離αについて、焦点距離f±αの範囲内の位置である。
つまり、アパーチャ60による絞り位置については、理想的には原点Oから焦点距離fを隔てた位置であるが、RSD1における画質や光検出器の正常動作を確保することができる範囲内の位置が許容される。
このように、アパーチャ60の絞り孔61についての所定の位置として、焦点距離fの位置が望ましいことの根拠について、図4を用いて説明する。
図4に示すように、本実施形態に係るアパーチャ60の配置位置の求め方では、レーザ光の光線を幾何学的に扱い、コリメートレンズ40以降の光線を、y=a・x+bとして1次近似する。また、コリメートレンズ40は薄肉レンズとして扱い、コリメートレンズ40と光軸O1との交点を原点Oとする。また、ファイバ出射位置の基準位置、つまりΔz=0の状態でのファイバ出射位置を、コリメートレンズ40の焦点F0の位置とする。このような条件によると、切片bはコリメートレンズ40の位置(x=0の位置)でのビーム半径となることから、次式(3)、(4)が成立する。
ω/2=f・tanθ ・・・(3)
b=ω’/2=(f−Δz)・tanθ ・・・(4)
ここで、ωは、ファイバ出射位置が基準位置(焦点F0)にある状態でのビーム径(実線参照)であり、ω’は、ファイバ出射位置が位置調整幅Δz前側に移動した状態でのビーム径(2点鎖線参照)である。
結像関係式(レンズの公式)から、次式(5)が得られる。
Figure 2012053238
式(5)において、S(−)は、原点Oからファイバ出射位置までのx座標の値である。また、S’(+)は、原点Oから結像位置F1までのx座標の値である。これらのことから、式(5)は、次式(6)のように変形できる。
Figure 2012053238
式(6)から、次式(7)が導かれる。
Figure 2012053238
また、上記1次近似式y=a・x+bにおける傾きaは、次式(8)により表わされる。
a=(0−b)/(S’−0)=−b/S’・・・(8)
上記式(4)、(7)、(8)より、次式(9)が得られる。
a=Δz・tanθ/f ・・・(9)
したがって、1次近似式y=a・x+bは、上記式(4)、(9)より、次式(10)で表わされる。
Figure 2012053238
以上より、上記式(10)と、y=f・tanθで表わされるコリメート光線、つまり上記ビーム径についての3パターンのうちのビーム径が平行となるパターン(実線で示すビーム径参照)との交点を求めると、結論として、次式(11)が得られる。
x=f ・・・(11)
以上のようにして、アパーチャ60の絞り孔61について望ましい所定の位置として、コリメートレンズ40の中心位置に対応する原点Oからレーザ光の進行方向に焦点距離fを隔てた位置Paが求められる。そして、この位置Paを目標としてアパーチャ60が配置されることで、上述したように、レーザ光の光量の変動を抑制することができ、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる。
[RSDの別構成]
RSDの別構成について説明する。本構成に係るRSDは、中間像面41の位置調整の感度を改善するための構成として、アパーチャ60を備える代わりに、高速スキャナとしての水平走査部32の偏向素子32aの偏向面(反射面)32c(図1参照)を用いる。
水平走査部32の偏向面32cは、ミラー面として形成される。そこで、この偏向面32cを、中間像面41の位置調整の感度についての改善効果が得られる程度の大きさの径を有する円形状とする。つまり、水平走査部32の偏向面32cの全面により反射されるレーザ光のビーム径が、中間像面41の位置調整の感度についての改善効果が得られる大きさとなるように、偏向面32cの径が設定される。これにより、アパーチャ60によるレーザ光のビーム径の絞り作用と同様の作用が得られる。
そして、上述したようなアパーチャ60の絞り孔61についての所定の位置に偏向面32cが位置するように、水平走査部32が設けられる。本構成に係るRSDによれば、水平走査部32に、アパーチャ60の機能を兼ねることにより、中間像面41の位置調整の感度を改善するための構成を別途設ける必要がなく、構造の簡略化を図ることができる。つまり、本構成に係るRSDによれば、RSDの既存の構成を利用して、中間像面41の位置調整の感度の改善を図りながら、上述したように、レーザ光の光量の変動を抑制することができ、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るRSD1によれば、以下の効果が期待できる。
(1)本実施形態に係るRSD1は、画像信号5Sに応じた強度のレーザ光を出射する光源部7と、光源部7から出射されたレーザ光を2次元走査する走査部(水平走査部32、垂直走査部34)と、光源部7から出射されたレーザ光を走査部へと伝送し、レーザ光の出射位置が少なくとも出射するレーザ光の光軸方向に位置調整可能に設けられる光ファイバケーブル4と、走査部で走査されたレーザ光を観察者の眼10の網膜10bに投射する投射部と、光ファイバケーブル4から出射されたレーザ光をコリメートするコリメートレンズ40を有するコリメート部31と、コリメート部31によりコリメートされたレーザ光のビーム径を絞る絞り孔61を形成するアパーチャ60と、を備える。そして、アパーチャ60は、レーザ光の出射位置の変化に拘わらずコリメートレンズ40を通過したレーザ光のビーム径が略一致する所定の位置に、絞り孔61を位置させる。これにより、中間像面41の位置の調整のためにファイバ出射位置が移動することによっても、絞り孔61を通過し走査部に入射するレーザ光の光量の変動を抑制することができ、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる。
(2)また、本実施形態のRSD1においては、アパーチャ60の絞り孔61についての所定の位置は、コリメートレンズ40の中心位置(原点O)からコリメートレンズ40の光軸方向にコリメートレンズ40の焦点距離fを隔てた位置またはその近傍の位置である。これにより、コリメート部31の構成に応じて、効果的に、走査部に入射するレーザ光の光量変動の抑制、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作の確保が実現される。
(3)また、本実施形態のRSD1においては、アパーチャ60の絞り孔61についての所定の位置は、コリメートレンズ40を薄肉レンズと仮定し、コリメートレンズ40の中心位置を原点Oとし、コリメートレンズ40の光軸方向をx軸方向、x軸方向に垂直な方向をy軸方向とした場合、コリメートレンズ40以降のレーザ光のビーム径の変化を、ビーム広がり角θに基づいて傾きa、切片bとしてy=ax+bにより一次近似することで求まる位置であり、傾きa及び切片bが、次式(12)、(13)により表わされる。
a=Δz・tanθ/f ・・・(12)
b=(f−Δz)・tanθ ・・・(13)
これにより、焦点距離f、ビーム広がり角θ、及び位置調整幅Δzに基づき、絞り孔61についての所定の位置として、ファイバ出射位置の変化にともなうビーム径の変動量が最小となる位置を確実かつ容易に求めることができる。
(4)また、本実施形態のRSD1は、投射部による投射対象を、観察者の少なくとも一方の眼10の網膜10bとし、走査部によって走査されたレーザ光を、投射部により網膜10bに入射して、画像を表示する。これにより、観察者の眼10の網膜10bに表示される画像(最終像面42)の画質を維持する観点から中間像面41の位置の重要度が高い網膜走査型の画像表示装置において、効果的に、レーザ光の光量の変動を抑制することができ、画質の維持・向上、及び光学系に配置される光検出器の正常動作を確保することができる。
1 RSD(走査型画像表示装置)
4 光ファイバケーブル(光伝送部)
5S 画像信号
7 光源部
10 眼
10b 網膜
15 ハーフミラー
31 コリメート部
32 水平走査部
34 垂直走査部
40 コリメートレンズ
50 接眼レンズ
60 アパーチャ(絞り部)
61 絞り孔

Claims (4)

  1. 画像信号に応じた強度の光束を出射する光源部と、
    前記光源部から出射された光束を2次元走査する走査部と、
    前記光源部から出射された光束を前記走査部へと伝送し、光束の出射位置が少なくとも出射する光束の光軸方向に位置調整可能に設けられる光伝送部と、
    前記走査部で走査された光束を投射対象に投射する投射部と、
    前記光伝送部から出射された光束をコリメートするコリメートレンズを有するコリメート部と、
    前記コリメート部によりコリメートされた光束のビーム径を絞る絞り孔を形成する絞り部と、を備え、
    前記絞り部は、前記光束の出射位置の変化に拘わらず前記コリメートレンズを通過した光束のビーム径が略一致する所定の位置に、前記絞り孔を位置させる、
    走査型画像表示装置。
  2. 前記所定の位置は、前記コリメートレンズの中心位置から前記コリメートレンズの光軸方向に前記コリメートレンズの焦点距離を隔てた位置またはその近傍の位置である、
    請求項1に記載の走査型画像表示装置。
  3. 前記所定の位置は、前記コリメートレンズを薄肉レンズと仮定し、前記コリメートレンズの中心位置を原点とし、前記コリメートレンズの光軸方向をx軸方向、該x軸方向に垂直な方向をy軸方向とした場合、前記コリメートレンズ以降の光束のビーム径の変化を、前記光伝送部から出射される光束の広がり角に基づいて傾きa、切片bとしてy=ax+bにより一次近似することで求まる位置であり、前記傾きa及び前記切片bが、次式(1)、(2)により表わされる請求項1に記載の走査型画像表示装置。
    a=Δz・tanθ/f ・・・(1)
    b=(f−Δz)・tanθ ・・・(2)
    ここで、f:前記コリメートレンズの焦点距離、θ:前記広がり角、Δz:前記光伝送部の前記光軸方向の位置調整幅である。
  4. 前記投射対象を、観察者の少なくとも一方の眼の網膜とし、
    前記走査部によって走査された光束を、前記投射部により前記網膜に入射して、画像を表示することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の走査型画像表示装置。
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