JP2012053172A - 画像形成装置及びキャリブレーション方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリブレーションの精度を低下させることなく、当該キャリブレーションに要する時間を短縮することが可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】前記キャリブレーションの開始時点から、中間転写体の一回転時間が経過する時点までの間にわたって、当該中間転写体の地肌濃度を取得するとともに、前記開始時点から当該地肌濃度を取得した時点までの経過時間を取得する地肌濃度取得手段403と、パッチ形成手段404により形成されたパッチのパッチ濃度を取得するとともに、前記一回転時間が経過した時点から当該パッチ濃度を取得した時点までの経過時間を取得するパッチ濃度取得手段410と、前記パッチ濃度の経過時間に近似する経過時間の地肌濃度を、当該パッチ濃度が取得された位置における地肌濃度として決定する地肌濃度決定手段412とを備えることを特徴とする画像形成装置1を提供する。
【選択図】図4

Description

本発明は、画像形成装置及びキャリブレーション方法に関し、詳しくは、キャリブレーションの精度を低下させることなく、当該キャリブレーションに要する時間を短縮することが可能な画像形成装置及びキャリブレーション方法に関する。
近年、電子写真方式の画像形成装置は、高速化、高機能化、カラー化が進められてきており、各種のプリンタが実用化されている。プリンタの高速化という観点からは、異なる色画像を形成する複数の画像形成ユニットを直列に配置し、これらを同時に駆動することによって画像形成を行うインライン方式の装置の研究、開発が進んでおり、高速でカラー画像の形成が可能であることからビジネスユースでの広い可能性を秘めている。
前記インライン方式の画像形成装置は、主として中間転写方式が採用されており、当該中間転写方式は、中間転写体(中間転写ベルト)上に一旦複数の色のトナー像を重ね合わせ(一次転写)、その後一括してトナー像を転写材、例えば、転写紙(用紙、シート)上に二次転写して最終画像を形成する方式である。
ところで、前記中間転写方式を採用する画像形成装置では、画像の濃度を読み取るプロセス制御用光センサの温度特性や経時変化による性能の劣化が発生する場合がある。そのため、前記プロセス制御用光センサに基準パッチを読み取らせてキャリブレーション(補正)を行う必要がある。従来では、プロセス制御用光センサの他に基準パッチを読み取る校正用光センサを別に設けたり、又は、基準パッチが設けられた可動基準板の位置を駆動手段により切り替えて、1個のプロセス制御用光センサで画像の読み取りと、基準パッチの読み取りを行うように構成されている。
しかしながら、前記プロセス制御用光センサのキャリブレーション専用の校正用光センサを設けたり、基準パッチの位置を切り替えるための駆動手段を設けることは、装置の構成部品及び制御部品の増加となり、装置自体の価格が高くなってしまうという問題がある。
当該問題を解決するために、特開2002−229296号公報(特許文献1)には、プロセス制御用光センサが、転写担持体の離接動作に応じて、所定の基準部に形成された基準パッチと画像濃度パッチ形成部に形成された画像パッチを切り替えて検出し、プロセス制御手段が、プロセス制御用光センサの検出結果に基づいてキャリブレーション及び画像濃度調整を行うことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
当該構成により、転写担持体の離接動作に応じて、プロセス制御用光センサの検出対象を基準パッチと画像パッチに自動的に切り替えることができ、1個のプロセス制御用光センサで、基準パッチと画像パッチを切り替えて読み取ることができるとしている。そのため、従来のように、プロセス制御用光センサの他に基準パッチを読み取る校正用光センサや、プロセス制御用光センサの検出対象を切り替えるための専用の駆動手段を別に設ける必要がない。その結果、装置の構成部品および制御部品が増加することがなく、製造コストの低減が可能であるとしている。
特開2002−229296号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、プロセス制御用光センサのキャリブレーションに適用される技術であり、所定の試験画像(試験パッチ、パッチともいう)を用いてなされる他のキャリブレーションにそのまま適用出来ないという問題がある。
ここで、他のキャリブレーションには、現像器(現像ローラ)に印加されるバイアス値(現像バイアス値)をパッチの濃度に応じて補正するバイアスキャリブレーション、画像データの所定の色の濃度(入力濃度)に対して実際に画像形成された画像の色の濃度(出力濃度)を補正する場合、当該色の出力濃度の傾き(γテーブルともいう)を補正するI/Oキャリブレーション(濃度階調キャリブレーションともいう)等が数種類存在する。
このようなキャリブレーションを実行する場合、キャリブレーション用のパッチパターンが形成される前の段階で、当該パッチパターンの形成予定の中間転写体の位置から地肌濃度を取得する必要がある。これは、中間転写体が使用とともに磨耗し、汚損されるため、中間転写体の位置に応じてその輝度、即ち、地肌濃度が大きく異なるからである。そのため、従来より、中間転写体の特定の位置を決定する位置検知部材を当該中間転写体に予め設けておき、当該位置検知部材が所定の検知部により検知された時点から、先ず、地肌濃度の取得がなされていた。次に、中間転写体が少なくとも一回転した後に、再度、位置検知部材が検知された時点から、上述したキャリブレーション用のパッチパターンが形成されていた。これにより、同一の位置における地肌濃度の取得(検知)と、当該位置に形成されたパッチのパッチ濃度の取得(検知)とを実現することが可能となり、精度の高いキャリブレーションを実行していた。
しかしながら、従来技術では、地肌濃度の取得、又はパッチパターンの形成を実行する前の段階で、一度、位置検知部材の検知を行う必要があった。そのため、キャリブレーションの開始時点から、位置検知部材の検知時点までの間、無駄な時間が発生しており、キャリブレーションに要する時間を長期化しているという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、キャリブレーションの精度を低下させることなく、当該キャリブレーションに要する時間を短縮することが可能な画像形成装置及びキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る画像形成装置は、パッチが中間転写体に形成されるキャリブレーション時に、当該中間転写体の所定の位置における地肌濃度と、当該位置に形成されたパッチのパッチ濃度とに基づいてキャリブレーションを実行する画像形成装置を前提とする。
当該画像形成装置において、前記キャリブレーションの開始時点から、中間転写体の一回転時間が経過する時点までの間にわたって、当該中間転写体の地肌濃度を取得するとともに、前記開始時点から当該地肌濃度を取得した時点までの経過時間を取得する地肌濃度取得手段と、パッチ形成手段により形成されたパッチのパッチ濃度を取得するとともに、前記一回転時間が経過した時点から当該パッチ濃度を取得した時点までの経過時間を取得するパッチ濃度取得手段と、前記パッチ濃度の経過時間に近似する経過時間の地肌濃度を、当該パッチ濃度が取得された位置における地肌濃度として決定する地肌濃度決定手段とを備える。
当該構成により、中間転写体における位置検知部材の検知を待つことなく、地肌濃度の取得や、パッチパターンの形成を即時に実行することが可能となる。そのため、従来から発生していた、位置検知部材の検知のための待ち時間を無くすることが可能となり、キャリブレーションに要する時間を大幅に短縮することが可能となる。更に、決定された地肌濃度は、パッチ濃度が取得された位置に対応するため、キャリブレーションの精度を殆ど低下させることがない。
又、前記地肌濃度決定手段は、地肌濃度を決定する際に、パッチ濃度の経過時間が前記一回転時間よりも長い場合、当該経過時間から当該一回転時間を数回減算することにより、一回転時間よりも短くなった経過時間を用いて地肌濃度を決定するよう構成することができる。
当該構成により、パッチパターンの回転方向の長さが中間転写体の回転方向の長さよりも長くなる場合であっても、パッチ濃度の経過時間を一回転時間よりも短くすることで、短くなった経過時間に近似する経過時間の地肌濃度を確実に決定することが可能となる。
更に、前記パッチ形成手段は、地肌濃度を必要とする複数のキャリブレーション用のパッチパターンを中間転写体の回転方向に沿って直列に連続して形成するよう構成することができる。
当該構成により、地肌濃度を必要とする複数のキャリブレーションを、中間転写体における位置検知部材の検知を待つことなく、連続的に実行することが可能となる。その結果、複数のキャリブレーションに要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
更に、中間転写体が一回転する際に、当該中間転写体に予め設けられた位置検知部材と、当該位置検知部材を検知する検知部とに基づいて前記一回転時間を測定する一回転時間測定手段を備えるよう構成することができる。
当該構成により、熱膨張、磨耗緩和等により中間転写体の一回転時間が経時的に変動したとしても、当該一回転時間を随時測定することにより、上述した経時的な変動の影響を受けることなく地肌濃度の決定を精度高く実行することが可能となる。その結果、キャリブレーションの精度を高めることが可能となる。
尚、本発明は、パッチが中間転写体に形成されるキャリブレーション時に、当該中間転写体の所定の位置における地肌濃度と、当該位置に形成されたパッチのパッチ濃度とに基づいてキャリブレーションを実行するキャリブレーション方法として提供することが出来る。即ち、当該キャリブレーション方法において、前記キャリブレーションの開始時点から、中間転写体の一回転時間が経過する時点までの間にわたって、当該中間転写体の地肌濃度を取得するとともに、前記開始時点から当該地肌濃度を取得した時点までの経過時間を取得する地肌濃度取得ステップと、パッチ形成ステップにより形成されたパッチのパッチ濃度を取得するとともに、前記一回転時間が経過した時点から当該パッチ濃度を取得した時点までの経過時間を取得するパッチ濃度取得ステップと、前記パッチ濃度の経過時間に近似する経過時間の地肌濃度を、当該パッチ濃度が取得された位置における地肌濃度として決定する地肌濃度決定ステップとを含むことを特徴とするキャリブレーション方法を提供出来る。当該構成としても、上述と同様の効果を得ることが可能となる。
本発明の画像形成装置及びキャリブレーション方法によれば、キャリブレーションの精度を低下させることなく、当該キャリブレーションに要する時間を短縮することが可能となる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略模式図である。 本発明の実施形態に係る現像ユニットの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の制御系ハードウェアの概略構成図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。 本発明の実施形態の実行手順を示すための第一のフローチャートである。 本発明の実施形態の実行手順を示すための第二のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るバイアスキャリブレーション開始時点の中間転写ベルトB1の概略図(図7(a))であり、本発明の実施形態に係る地肌濃度取得時点の中間転写ベルトB1の概略図(図7(b))である。 本発明の実施形態に係る地肌濃度テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るパッチパターンテーブルの一例を示す図(図9(a))であり、本発明の実施形態に係るバイアスキャリブレーション用のパッチパターンの概略図(図9(b))である。 本発明の実施形態に係る所定の色の濃度−バイアス値グラフの一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るパッチ濃度テーブルの一例を示す図である。 中間転写ベルトにおいて一回転時間よりも短いパッチ濃度経過時間のパッチの位置関係を示す概略図(図12(a))であり、中間転写ベルトにおいて一回転時間よりも長いパッチ濃度経過時間のパッチの位置関係を示す概略図(図12(b))である。 中間転写ベルトにおいて第一の地肌濃度経過時間がパッチ濃度経過時間よりも長い場合のパッチの位置関係を示す概略図(図13(a))であり、中間転写ベルトにおいてパッチ濃度経過時間が第一の地肌濃度経過時間よりも長い場合のパッチの位置関係を示す概略図(図13(b))である。 実施例画像形成装置に係るバイアスキャリブレーションが開始されてから終了するまでに要する中間転写ベルトの長さを示す概略図(図14(a))であり、比較例画像形成装置に係るバイアスキャリブレーションが開始されてから終了するまでに要する中間転写ベルトの長さを示す概略図(図14(b))である。
以下に、添付図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。また、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
<画像形成装置>
図1は、本実施形態の画像形成装置の概略構成図である。図1に示すように、本発明が適用されるタンデム型の画像形成装置は、カラー印刷のトナー画像を形成するための画像形成ユニットFM,FC,FY及びFKを備えている。この画像形成ユニットFM−FKには、中間転写ベルトB1と、中間転写ベルトB1の表面を清掃するためのクリーニング部B2と、中間転写ベルトB1の移動方向に沿って中間転写ベルトB1に接するように配列されたマゼンタ、シアン、イエロー及びブラックの各感光体ドラム10M、10C、10Y、10Kが設けられている。
マゼンタ用の感光体ドラム10Mには、感光体ドラム10Mの周面に形成された静電潜像をトナーで現像するための現像装置HM、静電潜像を形成させるための露光装置12Mおよび当該感光体ドラム10Mの周面を帯電させるための帯電器11Mが隣設されている。同様に、シアン、イエロー、ブラック用の感光体ドラム10C−10Kに対して現像装置HC−HK、露光装置12C−12K、各感光体ドラム10C−10Kの周面を帯電させるための帯電器11C−11Kが設けられる。さらに、各感光体ドラム10M−10Kの周面に担持される各トナー画像を中間転写ベルトB1に転写するために、各感光体ドラム10M−10Kの周面には、中間転写ベルトB1を隔てて転写ローラ20M、20C、20Y、20Kが配置されている。
中間転写ベルトB1は、駆動ローラ21および従動ローラ22間に張設されており、テンションローラ23によって所定の張力が与えられている。中間転写ベルトB1は、矢印方向に移動し、このため、4つの感光体ドラム10M−10Kは、それぞれ、図1において反時計周りに回転する。
図2に示すように、各感光体ドラム10M−10Kは、帯電器11M−11Kによって、その周面がそれぞれ予め定める電位に帯電され、露光装置12M−12Kにより原稿画像に対応した画像が書き込まれ、それによって静電潜像が形成される。前記静電潜像は、現像装置HM−HKによって互いに異なる色のトナー画像にそれぞれ現像される。そして、各色のトナー画像は、転写ローラ20M−20Kによって中間転写ベルトB1上に転写されて、中間転写ベルトB1上で、各トナー画像が重ね合わされる。
上記のように転写がなされた後の感光体ドラム10M−10Kの表面に残っているトナーはブレード35によって拭き取られ、排出ローラ31で所定の容器に排出され、その後、感光体ドラム10M−10Kの表面は除電装置13によって除電される。
一方で、用紙Pは、複数枚の用紙Pを収容可能なカセット2から、搬送部6によって、画像形成ユニットFM−FKに向けて複数枚の用紙Pが所定の間隔をあけて搬送される。この画像形成ユニットFM−FKに搬送される用紙Pに対して、中間転写ベルトB1に転写されたトナー画像が2次転写部3によって転写される。
制御手段30は、各感光体ドラム10M−10K、各現像装置HM−HK、各帯電器11M−11K、及び各転写ローラ20M−20Kを含む画像形成ユニットFM−FKにおける各画像形成部材の動作制御を制御する。また、搬送ローラ21−23を含む搬送機構の動作制御を行う。
次に、現像装置HMの構成について説明する。なお、各色の現像装置HC−HKの構成は同等であるため省略する。
現像装置HMは、現像容器40、現像ローラ40aを備え、現像容器40は、内部に黄色のトナー粒子とキャリアからなる粉体の現像剤を貯留する。
前記現像ローラ40aは感光体ドラム10Mと接し、当該感光体ドラム10Mの表面の静電潜像の電位と現像ローラ40aに印加される現像バイアスの電位差によって上位装置から形成指示された画像に応じたトナー画像が当該感光体ドラム10Mの表面に形成される(現像動作)。
このような構成の下、パーソナルコンピュータ等の上位装置から画像形成の指示を受けた画像形成装置1は、画像形成ユニットFM−FKを用いて、指示を受けた画像データに対応した各色のトナー画像を形成する。各画像形成ユニットFM−FKで形成されたトナー画像は中間転写ベルトB1に転写されて、当該中間転写ベルトB1上で重ね合わされてカラートナー画像となる。
このカラートナー画像の形成と同期して用紙収容部2に収容されている用紙が図示しない給紙装置により用紙収容部2から一枚ずつ取り出されて、用紙搬送部6上を搬送される。そして、用紙は中間転写ベルトB1への一次転写とタイミングを合わせて二次転写部3に送り込まれ、当該二次転写部3で当該中間転写ベルトB1上のカラートナー画像が用紙に二次転写される。前記カラートナー画像が転写された用紙は、さらに定着部4に搬送されて、熱と圧力により当該カラートナー画像を定着される。さらに前記用紙は排紙装置5によって画像形成装置1の外周に設けられた排紙トレイ部7に排紙される。二次転写後、中間転写ベルトB1に残留したトナーは、中間転写ベルトのクリーニング部B2によって中間転写ベルトB1から除去される。
又、所定のタイミングで中間転写ベルトB1に形成されたパッチ(試験パッチ)のパッチ濃度及び中間転写ベルトB1の地肌濃度を検出するための濃度検出センサ400a、400bが、ブラックの画像形成ユニットFBと二次転写部3との間の所定の位置に設けられている。ブラックの画像形成ユニットFBは、他の画像形成ユニットFY、FM、FCと比較すると、中間転写ベルトB1の回転方向に対して最下流に位置する。そのため、濃度検出センサ400a、400bは、複数の画像形成ユニットFY、FM、FC、FBのうち、いずれかによってパッチが中間転写ベルトB1上に形成されたとしても、いずれのパッチのパッチ濃度を検出できるよう構成されている。又、当該濃度検出センサ400a、400bは、通常、パッチが形成される中間転写ベルトB1の位置に対応した位置に予め設けられる。本発明の実施形態では、濃度検出センサ400a、400bが、中間転写ベルトB1の両端近傍にそれぞれ二つ設けられる。濃度検出センサ400a、400bは、各色毎のパッチのパッチ濃度又は地肌濃度を検出可能なセンサであれば、どのような形態でも構わないが、例えば、パッチ又は中間転写ベルトB1上の地肌を光源からの光で照射し、反射光強度を受光センサで検出して光の強度情報を濃度に変換する反射型の濃度検出センサが採用される。
又、中間転写ベルトB1には、当該中間転写ベルトB1の特定の位置を示す位置検知部材50(例えば、金属膜、金属片、切欠等)が予め設けられているとともに、画像形成装置1には、当該位置検知部材50を検出可能な位置に検知部51(例えば、フォトセンサ)が配置されている。当該検知部51が中間転写ベルトB1の位置検知部材50を検出することにより、回転する中間転写ベルトB1の特定の位置が決定される。
図3は、本実施形態における前記画像形成装置1の制御部30のハードウェア構成図を示すものである。
画像形成装置1は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304及び前記印刷における各駆動部に対応するドライバ305、内部バス306を介して接続されている。前記CPU301は、例えばRAM302を作業領域として利用し、ROM303やHDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305とデータや命令を授受することにより図1に示した各駆動部の動作を制御する。さらに、前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、CPU301がプログラムを実行することで各手段として動作する。
<本発明の実施形態>
次に、図4−図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る実行手順について説明する。図4は、本発明の画像形成装置の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートである。図6は、本発明の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
まず、ユーザが、カラー印刷を画像形成装置1に実行させるために、当該画像形成装置1の電源を投入すると、画像形成制御手段401が、駆動ローラ21等を制御し、中間転写ベルトB1を所定の回転速度で回転させる。すると、キャリブレーション開始検知手段402が、画像形成制御手段401から前記電源投入時点(又は、中間転写ベルトB1の回転時点)をキャリブレーション開始時点(例えば、バイアスキャリブレーション開始時点)として検知し(図5:S101)、その旨を地肌濃度取得手段403と、パッチ形成手段404とに通知する。当該通知を受けた地肌濃度取得手段403は、予め設けられたタイマ405を起動し、当該タイマ405に、バイアスキャリブレーションの開始時点からの経過時間を計時させる(図5:S102)。パッチ形成手段404の手順については後述する。
次に、地肌濃度取得手段403は、二つの濃度検知センサ400a、400bを起動して、バイアスキャリブレーションの開始時点から所定の位置(二つの濃度検知センサ400a、400bの検知部に対応する位置)における地肌濃度の読み取り(取得)を開始する(図5:S103)。
図7(a)は、本発明の実施形態に係るバイアスキャリブレーション開始時点の中間転写ベルトB1の概略図である。図7(b)は、本発明の実施形態に係る地肌濃度取得時点の中間転写ベルトB1の概略図である。
ここで、地肌濃度取得手段403が、所定の位置における地肌濃度を読み取る場合、図7(a)に示すように、予め設定された所定の長さ700(中間転写ベルトB1の回転方向の長さ、例えば、数cm)だけ、一方の濃度検知センサ400a(幅方向右端の濃度検知センサ)の検知部701aにより中間転写ベルトB1の地肌濃度702aを読み取る。そして、地肌濃度取得手段403は、読み取った地肌濃度702aの平均値を、地肌濃度の読み取り開始地点から所定の長さ700だけ上流側に移動した地点までの位置703における地肌濃度とする。所定の長さ700は、例えば、バイアスキャリブレーション用の一パッチ分の回転方向の長さに対応する。尚、他方の濃度検知センサ400b(一方の濃度検知センサ400aの幅方向に対向する位置の幅方向左端の濃度検知センサ)も同様である。
地肌濃度取得手段403が、所定の位置における地肌濃度の取得を完了すると、前記タイマ405から、バイアスキャリブレーションの開始時点から当該地肌濃度の取得を完了した時点までの経過時間を地肌濃度経過時間として取得する(図5:S104)。ここで、所定の地肌濃度に対応する地肌濃度経過時間では、図7(b)に示すように、中間転写ベルトB1が、当該地肌濃度の取得開始時点から所定の長さ700だけ下流側へ回転した時点(当該地肌濃度の取得完了時点)までの経過時間に対応する。
更に、所定の位置における地肌濃度と地肌濃度経過時間とを取得すると、地肌濃度取得手段403は、当該地肌濃度を、当該地肌濃度経過時間と関連付けて地肌濃度テーブルとして地肌濃度記憶手段406に記憶させる(図5:S105)。
図8は、本発明の実施形態に係る地肌濃度テーブルの一例を示す図である。
地肌濃度テーブル800には、図8に示すように、濃度検知センサ400a、400bの検知部701a、701bに対応する位置を示す位置情報801(例えば、「幅方向右端」、「幅方向左端」)と、取得された地肌濃度802(例えば、「Dr00」、「Dl00」)と、取得された地肌濃度経過時間803(例えば、「T01」)とが関連付けて記憶される。
次に、地肌濃度取得手段403は、一回転時間記憶手段407に予め記憶されている、中間転写ベルトB1が一回転(一周)するのに要する時間(一回転時間とする)を取得する。そして、地肌濃度取得手段403は、前記タイマ405が計時しているバイアスキャリブレーションの開始時点からの経過時間が、取得した一回転時間を超過したか否かを判定する(図5:S106)。
当該判定の結果、バイアスキャリブレーションの開始時点からの経過時間が前記一回転時間を超過していない場合(図5:S106NO)、地肌濃度取得手段403は、上述した所定の位置における(所定の長さ毎の)地肌濃度と地肌濃度経過時間の取得、前記地肌濃度テーブル800への記憶を繰り返す(図5:S103→S104→S105)。これにより、図7(b)に示すように、地肌濃度取得手段403が、前記バイアスキャリブレーションの開始時点から一回転時間が経過する時点までの間にわたって、中間転写ベルトB1の地肌濃度(つまり、中間転写ベルトB1の回転方向の一回転分の地肌濃度)を取得する。
尚、前記判定の結果、バイアスキャリブレーションの開始時点からの経過時間が前記一回転時間を超過した場合(図5:S106YES)は後述する。
ところで、キャリブレーション開始検知手段402から前記通知を受けたパッチ形成手段404は、パッチパターン記憶手段408に予め記憶されたパッチパターンテーブルと、濃度−バイアス値記憶手段409に予め記憶された濃度−バイアス値グラフとを参照する。
図9(a)は、本発明の実施形態に係るパッチパターンテーブルの一例を示す図であり、図9(b)は、本発明の実施形態に係るバイアスキャリブレーション用のパッチパターンの概略図である。又、図10は、本発明の実施形態に係る所定の色の濃度−バイアス値グラフの一例を示す図である。
ここで、パッチパターンテーブル900とは、図9(b)に示すバイアスキャリブレーション用のパッチパターン905を形成するためのテーブルである。当該パッチパターンテーブル900には、図9(a)に示すように、濃度検知センサ400a、400bの検知部701a、701bに対応する位置を示す位置情報901(「幅方向右端」等)と、当該パッチパターン905を構成するパッチの順番902(例えば、「1」)と、当該パッチの色903(例えば、「マゼンタ」)と、当該パッチの色の濃度904(例えば、「40%」)(目標濃度ともいう)とが関連付けて記憶されている。尚、前記パッチの順番902は、例えば、画像形成ユニットFY、FM、FC、FBの配置に基づいたパッチ形成のタイミングでもよい。
又、濃度−バイアス値グラフ1000とは、図10に示すように、所定の濃度1001(単位:%)に対して所定のバイアス値1002(単位:V(電圧値))が増加(例えば、単調増加、リニアに増加)するように関連付けられたグラフである。本発明の実施形態では、各色毎に画像形成ユニットFY、FM、FC、FBが存在するため、濃度−バイアス値グラフ1000も各色毎に存在する。濃度−バイアス値グラフ1000は、各色毎の画像形成ユニットFY、FM、FC、FBが画像データに基づいて画像形成する際に使用されるため、バイアスキャリブレーションの対象となる。
パッチ形成手段404が、パッチパターンテーブル900のパッチの順番902(「1」)に従ってパッチの色903(「マゼンタ」)とパッチの目標濃度904(「40%」)とを位置情報901(「幅方向右端」、「幅方向左端」)毎に取得する。次に、パッチ形成手段404は、当該色903(「マゼンタ」)の濃度−バイアス値グラフ1000において当該目標濃度904(「40%」)に対応するバイアス値(例えば、「VM40」)を取得する。そして、パッチ形成手段404は、所定のタイミングから、取得したバイアス値(「VM40」)を用いて、前記色903(「マゼンタ」)の画像形成ユニットFMを制御し、前記位置情報901(「幅方向右端」、「幅方向左端」)に対応する中間転写ベルトB1の位置にパッチをそれぞれ形成する。パッチ形成手段404は、パッチパターンテーブル900に基づいて全てのパッチを形成することにより、バイアスキャリブレーション用のパッチパターン905を中間転写ベルトB1に形成する。
ここで、所定のタイミングとは、例えば、中間転写ベルトB1が一回転した際に、パッチパターン905の先頭のパッチ905a、905bが、二つの濃度検知センサ400a、400bの検知部701a、701bに達するタイミングである。当該タイミングとすると、地肌濃度取得手段403が、中間転写ベルトB1の回転方向の一回転分の地肌濃度を取得し終えると、後述するパッチ濃度取得手段410が、即時に、先頭のパッチ905a、905bパッチのパッチ濃度を取得することが可能となり、レジストキャリブレーションに要する時間を短縮する。尚、パッチ形成手段404は、地肌濃度取得手段403が中間転写ベルトB1の一回転分の地肌濃度を取得し終えた時点から、パッチパターンの形成を開始しても構わない。
さて、地肌濃度取得手段403による前記判定の結果、バイアスキャリブレーションの開始時点からの経過時間が前記一回転時間を超過した場合(図5:S106YES)、中間転写ベルトB1の回転方向の一回転分の地肌濃度が得られたことになる。又、中間転写ベルトB1の回転により、二つの濃度検知センサ400a、400bの検知部701a、701bを基準として、最初にバイアスキャリブレーションが開始された中間転写ベルトB1の地点(位置)が、再度、元に戻ってくることになる。そこで、地肌濃度取得手段403は、その旨をパッチ濃度取得手段410に通知する。当該通知を受けたパッチ濃度取得手段410は、前記タイマ405を再起動して、当該タイマ405に、前記一回転時間が経過した時点からの経過時間を計時させる(図5:S107)。
一方、所定のタイミングで、パッチ形成手段404が、バイアスキャリブレーション用のパッチパターン905を中間転写ベルトB1に形成している(又は形成を継続している)ため(図5:S108)、パッチ濃度取得手段410は、二つの濃度検知センサ400a、400bから当該パッチ905a、905bのパッチ濃度をそれぞれ同時に取得する(図5:S109)。
ここで、パッチ濃度取得手段410がパッチ濃度を取得する場合、例えば、当該パッチの回転方向の長さ906だけ当該パッチ濃度を読み取り、読み取ったパッチ濃度の平均値を当該パッチのパッチ濃度とする。
次に、パッチ濃度取得手段410は、前記パッチ濃度の取得を完了すると、前記タイマ405から、前記一回転時間が経過した時点から当該パッチ濃度を取得した時点までの経過時間をパッチ濃度経過時間として取得する(図5:S110)。
更に、パッチ濃度とパッチ濃度経過時間とを取得すると、パッチ濃度取得手段410は、当該パッチ濃度を取得した順番(例えば、「1」)とともに、当該パッチ濃度を、当該パッチ濃度経過時間と関連付けてパッチ濃度テーブルとしてパッチ濃度記憶手段411に記憶させる(図5:S111)。
図11は、本発明の実施形態に係るパッチ濃度テーブルの一例を示す図である。
パッチ濃度テーブル1100には、図11に示すように、濃度検知センサ400a、400bの検知部701a、701bに対応する位置を示す位置情報1101(「幅方向右端」、「幅方向左端」)と、取得されたパッチの順番1102(「1」)と、取得されたパッチ濃度1103(例えば、「Dr10」、「Dl10」)と、取得されたパッチ濃度経過時間1104(例えば、「T11」)とが関連付けて記憶される。
パッチ濃度取得手段410は、上述したパッチ濃度とパッチ濃度経過時間との取得、前記パッチ濃度テーブル1100への記憶を、前記パッチ形成手段404が形成した全てのパッチ(パッチパターン)について繰り返す(図5:S112NO→S109→S110→S111)。
全てのパッチについて前記パッチ濃度とパッチ濃度経過時間との取得、前記パッチ濃度テーブル1100への記憶が完了すると(図5:S112YES)、パッチ濃度取得手段410は、前記タイマ405を停止して、その旨を地肌濃度決定手段412に通知する。当該通知を受けた地肌濃度決定手段412は、前記一回転時間記憶手段406から一回転時間を取得するとともに、パッチ濃度テーブル1100の所定のパッチ濃度経過時間1104(例えば、「T11」)を取得する。次に、地肌濃度決定手段412は、一回転時間とパッチ濃度経過時間1104とを比較し、パッチ濃度経過時間1104が一回転時間よりも短いか否か(パッチ濃度経過時間1104が一回転時間よりも先か後か)を判定する(図6:S201)。
図12(a)は、中間転写ベルトにおいて一回転時間よりも短いパッチ濃度経過時間のパッチの位置関係を示す概略図であり、図12(b)は、中間転写ベルトにおいて一回転時間よりも長いパッチ濃度経過時間のパッチの位置関係を示す概略図である。
当該判定の結果、パッチ濃度経過時間1104が一回転時間よりも短い場合(図6:S201YES)、図12(a)に示すように、当該パッチ濃度経過時間1104のパッチ濃度1103を有するパッチ1201は、最初に一回転時間が経過した時点1200における二つの濃度検知センサ400a、400bの検知部701a、701bの位置から中間転写ベルトB1が一回転するまでの間に形成されたパッチとなる。そのため、前記パッチ濃度経過時間1104は、一回転時間分の地肌濃度が記憶された地肌濃度テーブル800の地肌濃度経過時間803のうち、いずれかに近似(パッチ濃度経過時間が地肌濃度経過時間と一致する場合も含む)することになる。この場合、地肌濃度決定手段412は、地肌濃度テーブル800から、パッチ濃度経過時間1104に近似する地肌濃度経過時間803の検索を開始する(図6:S203)。当該検索については、後述する。
一方、前記判定の結果、パッチ濃度経過時間1104が一回転時間よりも長い場合(図6:S201NO)、図12(b)に示すように、当該パッチ濃度経過時間1104のパッチ濃度1103を有するパッチ1202は、最初に一回転時間が経過した時点1200における前記検知部701a、701bの位置から中間転写ベルトB1が一回転した後に形成されたパッチとなる。そのため、前記パッチ濃度経過時間1104は、上述した地肌濃度テーブル800の地肌濃度経過時間803のいずれにも近似しない。そこで、地肌濃度決定手段412は、当該パッチ濃度経過時間1104から当該一回転時間を一回減算することにより、当該パッチ濃度経過時間1104を一回転時間よりも短くする(図6:S202)。
ここで、パッチ濃度経過時間1104から一回転時間を一回減算しても、当該パッチ濃度経過時間1104が一回転時間よりも短くならない場合、地肌濃度決定手段412が、パッチ濃度経過時間1104から一回転時間を複数回(例えば、二回)減算することにより、当該パッチ濃度経過時間1104を一回転時間よりも短くする。これにより、パッチ濃度経過時間1104に近似する地肌濃度経過時間803を確実に検索することが可能となる。尚、一回転時間を減算する回数は、例えば、減算前のパッチ濃度経過時間1104(一回転時間よりも長いパッチ濃度経過時間)から一回転時間を除算することにより得られる商(整数部)とすればよい。
さて、地肌濃度決定手段412が、パッチ濃度経過時間1104に近似する地肌濃度経過時間803を検索する場合(図6:S203)、先ず、地肌濃度テーブル800の地肌濃度経過時間803のうち、最も短い地肌濃度経過時間(例えば、「T01」、第一の地肌濃度経過時間とする)を取得する。次に、地肌濃度決定手段412は、取得した第一の地肌濃度経過時間(「T01」)と、パッチ濃度経過時間(「T11」)とを比較する。
図13(a)は、中間転写ベルトにおいてパッチ濃度経過時間が第一の地肌濃度経過時間よりも短い場合のパッチの位置関係を示す概略図であり、図13(b)は、中間転写ベルトにおいてパッチ濃度経過時間が第一の地肌濃度経過時間よりも長い場合のパッチの位置関係を示す概略図である。
当該比較の結果、パッチ濃度経過時間(「T11」)が第一の地肌濃度経過時間(「T01」)よりも短い場合(パッチ濃度経過時間が第一の地肌濃度経過時間よりも先である場合)、当該パッチ濃度経過時間(「T11」)は、キャリブレーション開始時点「0sec」から第一の地肌濃度経過時間(「T01」)までの間の時間となる。この場合、図13(a)に示すように、当該パッチ濃度経過時間1104のパッチ濃度1103を有するパッチ1300は、キャリブレーション開始時点1301から第一の地肌濃度経過時間(「T01」)が経過した時点1302までに対応する中間転写ベルトB1の位置1303(領域)に重複して形成されたことになる。そのため、地肌濃度決定手段412は、第一の地肌濃度経過時間(「T01」)を、パッチ濃度経過時間(「T11」)に近似する地肌濃度経過時間とする。
一方、前記比較の結果、パッチ濃度経過時間(「T11」)が第一の地肌濃度経過時間(「T01」)よりも長い場合(パッチ濃度経過時間が第一の地肌濃度経過時間よりも後である場合)、地肌濃度決定手段412は、第一の地肌濃度経過時間(「T01」)よりも次に長い地肌濃度経過時間(例えば、「T02」、第二の地肌濃度経過時間とする)を地肌濃度テーブル800から取得する。そして、地肌濃度決定手段412は、取得した第二の地肌濃度経過時間(「T02」)と、パッチ濃度経過時間(「T11」)とを更に比較し、パッチ濃度経過時間(「T11」)が第二の地肌濃度経過時間(「T02」)よりも短くなるか否か(パッチ濃度経過時間が第二の地肌濃度経過時間よりも先か後か)判定する。
仮に、パッチ濃度経過時間(「T11」)が第二の地肌濃度経過時間(「T02」)よりも短い場合、図13(b)のように、当該パッチ濃度経過時間1104のパッチ濃度1103を有するパッチ1304は、第一の地肌濃度経過時間(「T01」)が経過した時点1305から第二の地肌濃度経過時間(「T02」)が経過した時点1306までに対応する中間転写ベルトB1の位置1307(領域)に重複して形成されたことになる。そのため、地肌濃度決定手段412は、第二の地肌濃度経過時間(「T02」)を、パッチ濃度経過時間(「T11」)に近似する地肌濃度経過時間とする。
このように、地肌濃度決定手段412は、段階的に長くなる地肌濃度経過時間803とパッチ濃度経過時間1104との比較を繰り返すことにより、パッチ濃度経過時間1104に最も近似する地肌濃度経過時間803を検索する(図6:S203)。
前記検索が完了すると、地肌濃度決定手段412が、検索した地肌濃度経過時間803(例えば、「T01」)に対応する地肌濃度テーブル800の地肌濃度802(「Dr00」、「Dl00」)を、当該パッチ濃度経過時間1104(「T11」)のパッチ濃度1103(「Dr10」、「Dl10」)が取得された位置における地肌濃度として決定する(図6:S204)。これにより、従来からなされていた、中間転写ベルトB1の位置検知部材50の検知を行うことなく、所定のパッチ濃度を有するパッチが形成された略同一位置における地肌濃度を取得することが可能となる。
尚、地肌濃度経過時間相互の時間間隔と、パッチ濃度経過時間相互の時間間隔との大小関係により、地肌濃度が取得された位置(領域)と、パッチ濃度が取得された位置(領域)とが完全に一致しない場合がある。つまり、地肌濃度が取得された位置と、パッチ濃度が取得された位置とが重複しない部分が多少発生する。しかしながら、地肌濃度の変動は、中間転写ベルトB1の回転方向の長さに対して比較的緩やかであり(数cm当たり数%に満たない)、パッチ濃度が取得された位置に近似する位置の地肌濃度を確実に決定しているから、上述した地肌濃度の変動によるキャリブレーションの精度低下は問題とならない。
地肌濃度決定手段412は、上述したパッチ濃度経過時間と一回転時間との比較、地肌濃度経過時間の検索、地肌濃度の決定を、パッチ濃度テーブル1100に記憶された全てのパッチ濃度経過時間について繰り返す(図6:S205NO→S201)。
全てのパッチ濃度経過時間について前記比較、検索、決定が完了すると(図6:S205YES)、地肌濃度決定手段412は、その旨をキャリブレーション実行手段413に通知する。当該通知を受けたキャリブレーション実行手段413は、パッチ濃度テーブル1100の位置情報1101と、地肌濃度テーブル800の位置情報801とを一致させて、当該パッチ濃度テーブル1100のパッチ濃度1103(例えば、「Dr10」)から、先ほど決定された(地肌濃度テーブル800の)地肌濃度802(例えば、「Dr09」)を減算する。そして、キャリブレーション実行手段413は、当該減算値をパッチの測定濃度として算出する(図6:S206)。キャリブレーション実行手段413は、このような測定濃度の算出をパッチ濃度テーブル1100のパッチ濃度1103毎に実行する。
次に、キャリブレーション実行手段413は、パッチ濃度テーブル1100の順番1102と、パッチパターンテーブル900の順番902とを一致させて、先ほど算出した(所定順番の)パッチの測定濃度に対応するパッチパターンテーブル900の目標濃度904を取得する。更に、キャリブレーション実行手段413は、当該順番のパッチを形成した際に画像形成ユニットFY、FM、FC、FBに用いたバイアス値(補正前のバイアス値、例えば、「VM40」)を濃度−バイアス値グラフ1000から取得する。そして、キャリブレーション実行手段413は、補正前のバイアス値を基準として前記測定濃度と前記目標濃度とが一致するバイアス値を前記濃度−バイアス値グラフ1000から算出する。算出されたバイアス値が補正後のバイアス値となる。
キャリブレーション実行手段413は、所定の色のパッチにおける複数の測定濃度について補正後のバイアス値を全て算出する。そして、キャリブレーション実行手段413は、複数の測定濃度と、複数の補正後のバイアス値とに基づいて濃度−バイアス値グラフを再構築し、濃度−バイアス値記憶手段410に記憶されている(補正前の)濃度−バイアス値グラフ1000を、再構築後の濃度−バイアス値グラフに書き換え(補正)する(図6:S207)。これにより、バイアス値の補正が完了する。尚、全ての色について、当該バイアス値の補正がなされる。
バイアス値の補正が完了すると、キャリブレーション実行手段413は、その旨を画像形成制御手段401に通知する。当該通知を受けた画像形成制御手段401は、ユーザから受け付けた画像データ、補正後の濃度−バイアス値グラフ1000、画像形成ユニットFY、FM、FC、FBに基づいて画像形成を実行する。これにより、画像品質のより画像形成が実現される。
<本発明の実施形態の作用・効果、実施例、比較例について>
上述した効果を示す一例を挙げるとすると、中間転写ベルトB1の一回転分の長さ、パッチパターンの回転方向の長さ等に応じて結果が多少異なるとは考えられるものの、本発明の実施形態の構成(地肌濃度取得手段403、パッチ形成手段404、パッチ濃度取得手段410、地肌濃度決定手段412)を備えた画像形成装置1(実施例画像形成装置)と、本発明の実施形態の構成を備えていないこと以外は実施例画像形成装置と構成を同等とする画像形成装置(比較例操作部)とにおいて、バイアスキャリブレーションを実行した際のキャリブレーションに要する時間と、キャリブレーション後の画像の品質結果とを示す。
図14(a)は、実施例画像形成装置に係るバイアスキャリブレーションが開始されてから終了するまでに要する中間転写ベルトの長さを示す概略図であり、図14(b)は、比較例画像形成装置に係るバイアスキャリブレーションが開始されてから終了するまでに要する中間転写ベルトの長さを示す概略図である。
ここで、実施例画像形成装置では、図14(a)に示すように、バイアスキャリブレーションが開始されると、即時に中間転写ベルトB1の一回転分の地肌濃度1400が取得される。そして、予めパッチパターン1401の形成がなされ、中間転写ベルトB1が一回転すると(一回転時間が経過すると)、パッチパターン1401の先頭のパッチの濃度検出が開始される。そのため、キャリブレーションが迅速に進行した。キャリブレーション開始時点1402aからキャリブレーション終了時点1402bまでの時間T1を測定すると、数十秒(例えば、30秒−40秒等)であり、迅速にキャリブレーションを実行することが出来た。又、キャリブレーション実施直後の実施例画像形成装置において、所定の画像データに基づいてフルカラー印刷を実行すると、視覚的に違和感が無い画像を得ることが出来、キャリブレーションの精度に問題がないことが確認できた。
これに対して、従来技術に対応する比較例画像形成装置では、図14(b)に示すように、キャリブレーションが開始されると、まず、中間転写ベルトB1の位置検知部材50が検知部51により検知されるまでの待ち時間T2が発生した。仮に、キャリブレーションの開始時点が、中間転写ベルトB1の位置検知部材50が検知部51により検知された直後である場合には、中間転写ベルトB1の一回転時間分だけ、待ち時間T2が発生することになる。
次に、中間転写ベルトB1の位置検知部材50が検知部51により検知されると、地肌濃度の取得1403が開始された。更に、形成予定のパッチパターンの回転方向の長さに対応する長さ分だけ地肌濃度の取得が完了すると、当該地肌濃度を取得した同一位置に正確にパッチパターンを形成させるために、再度、中間転写ベルトB1の位置検知部材50の検知がなされた。そのため、再度、中間転写ベルトB1の位置検知部材50が検知部51により検知されるまでの待ち時間T3が発生した。
そして、位置検知部材50が検知されると、パッチパターン1404の形成が開始され、当該パッチパターン1404に基づいてキャリブレーションが実行された。当該キャリブレーション開始時点1405a(1402a)からキャリブレーション終了時点1405bまでの時間T4を測定すると、数十秒−数百秒(例えば、70秒−100秒等)であった。又、キャリブレーション実施直後の比較例画像形成装置において、実施例画像形成装置で印刷した画像データと同一の画像データに基づいてフルカラー印刷を実行すると、実施例画像形成装置で得られた画像とほぼ同等の画像を得ることが出来た。
従って、実施例画像形成装置が、比較例画像形成装置と比較して、キャリブレーションの精度を低下させることなく、当該キャリブレーションに要する時間を短縮することが出来ることが理解される。
このように、本発明の実施形態では、前記キャリブレーションの開始時点から前記一回転時間が経過する時点までの間にわたって、当該中間転写体の地肌濃度を取得するとともに、前記開始時点から当該地肌濃度を取得した時点までの経過時間(地肌濃度経過時間)を取得する地肌濃度取得手段403と、パッチ形成手段404により形成されたパッチのパッチ濃度を取得するとともに、前記一回転時間が経過した時点から当該パッチ濃度を取得した時点までのパッチ濃度経過時間を取得するパッチ濃度取得手段410と、前記パッチ濃度のパッチ濃度経過時間に近似する地肌濃度経過時間の地肌濃度を、当該パッチ濃度が取得された位置における地肌濃度として決定する地肌濃度決定手段412とを備える。
これにより、中間転写ベルトB1における位置検知部材50の検知を待つことなく、地肌濃度の取得や、パッチパターンの形成を即時に実行することが可能となる。そのため、従来から発生していた、位置検知部材50の検知のための待ち時間を無くすることが可能となり、キャリブレーションに要する時間を大幅に短縮することが可能となる。更に、決定された地肌濃度は、パッチ濃度が取得された位置に対応するため、キャリブレーションの精度を殆ど低下させることがない。
尚、本発明の実施形態では、キャリブレーションとして、バイアスキャリブレーションを一例として挙げたが、地肌濃度を必要とする他のキャリブレーション、例えば、I/Oキャリブレーションにも適用することが可能である。
又、本発明の実施形態において、更に、前記パッチ形成手段404は、地肌濃度を必要とする複数のキャリブレーション用のパッチパターンを中間転写ベルトB1の回転方向に沿って直列に連続して形成するよう構成することができる。
当該構成により、地肌濃度を必要とする複数のキャリブレーションを、中間転写ベルトB1における位置検知部材50の検知を待つことなく、連続的に実行することが可能となる。ここで、中間転写ベルトB1の回転方向の一回転分の地肌濃度を既に取得しているため、当該中間転写ベルトB1のいずれの位置にパッチが形成されたとしても、当該位置における地肌濃度を適切に決定することが出来る。そのため、位置検知部材50の検知のための無駄な待ち時間をなくし、複数のキャリブレーションに要する時間を大幅に短縮することが可能となる。
更に、本発明の実施形態において、中間転写ベルトB1が一回転する際に(例えば、カラー/モノクロ印刷する際、画像形成に要する駆動部をウォーミングアップする際等)、当該中間転写ベルトB1に予め設けられた位置検知部材50と、当該位置検知部材50を検知する検知部51とに基づいて前記一回転時間を測定する一回転時間測定手段を備えるよう構成することができる。
当該構成により、キャリブレーションの精度を高めることが可能となる。即ち、本発明では、前記一回転時間の精度が高ければ高いほど、パッチ濃度が取得された同一位置における地肌濃度を適切に(正確に)決定することが出来、その結果、キャリブレーションの精度も向上する。ここで、中間転写ベルトB1は、印刷等により発生した熱で熱膨張したり、磨耗等で緩和したりする。そのため、中間転写ベルトB1の一回転時間は経時的に変動する。そこで、熱膨張、磨耗緩和等により中間転写体の一回転時間が経時的に変動したとしても、当該一回転時間を随時測定することにより、上述した経時的な変動の影響を受けることなく地肌濃度の決定を精度高く実行することが可能となる。尚、地肌濃度取得手段403、地肌濃度決定手段412が使用する一回転時間は、キャリブレーションの開始直前に測定された一回転時間であると好ましい。
本発明の実施形態では、キャリブレーション開始検知手段402が、前記電源投入時点をキャリブレーション開始時点として検知するよう構成したが、他の構成でも構わない。例えば、キャリブレーション開始検知手段402が、画像形成制御手段401による印刷枚数が所定の閾値を超過した時点、画像形成制御手段401による印刷の印字率が所定の閾値を超過した時点、画像形成に要する駆動部をウォーミングアップする時点等をキャリブレーション開始時点として検知するよう構成してもよい。
尚、本発明の実施形態では、パッチ形成手段404が、中間転写ベルトB1が一回転した際に、パッチパターン905の先頭のパッチ905a、905bが、二つの濃度検知センサ400a、400bの検知部701a、701bに達するタイミングで、バイアスキャリブレーション用のパッチパターン905を中間転写ベルトB1に形成するよう構成したが、他の構成であっても構わない。パッチ形成手段404がパッチパターン905を形成する際に、地肌濃度取得手段403が、中間転写ベルトB1の回転方向の一回転分の地肌濃度を取得するため、パッチパターン905(パッチ)が、中間転写ベルトB1のいずれの位置に形成されたとしても、当該位置に対応する地肌濃度を決定することが出来るからである。
又、本発明の実施形態では、タンデム型の画像形成装置の場合を例として説明したが、本発明はこれに限られず、ロータリー現像器を用いる画像形成装置でも、複数色の印刷を行うすべての画像形成装置に適用可能であることは言うまでもない。
又、本発明の実施形態では、画像形成装置1が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、上記プログラムを複合機に読み出させ、その画像形成装置が上記各手段を実現する。その場合、上記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをキャリブレーション方法として提供することも可能である。又、プログラムは、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で流通させることも可能である。
以上のように、本発明に係る画像形成装置及びキャリブレーション方法は、複合機はもちろん、複写機、プリンタ等に有用であり、キャリブレーションの精度を低下させることなく、当該キャリブレーションに要する時間を短縮することが可能な画像形成装置及びキャリブレーション方法として有効である。
1 画像形成装置
FY、FM、FC、FB 画像形成ユニット
400a、400b 濃度検出センサ
401 画像形成制御手段
402 キャリブレーション開始検知手段
403 地肌濃度取得手段
404 パッチ形成手段
405 タイマ
406 地肌濃度記憶手段
407 一回転時間記憶手段
408 パッチパターン記憶手段
409 濃度−バイアス値記憶手段
410 パッチ濃度取得手段
411 パッチ濃度記憶手段
412 地肌濃度決定手段
413 キャリブレーション実行手段

Claims (5)

  1. パッチが中間転写体に形成されるキャリブレーション時に、当該中間転写体の所定の位置における地肌濃度と、当該位置に形成されたパッチのパッチ濃度とに基づいてキャリブレーションを実行する画像形成装置において、
    前記キャリブレーションの開始時点から、中間転写体の一回転時間が経過する時点までの間にわたって、当該中間転写体の地肌濃度を取得するとともに、前記開始時点から当該地肌濃度を取得した時点までの経過時間を取得する地肌濃度取得手段と、
    パッチ形成手段により形成されたパッチのパッチ濃度を取得するとともに、前記一回転時間が経過した時点から当該パッチ濃度を取得した時点までの経過時間を取得するパッチ濃度取得手段と、
    前記パッチ濃度の経過時間に近似する経過時間の地肌濃度を、当該パッチ濃度が取得された位置における地肌濃度として決定する地肌濃度決定手段と
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記地肌濃度決定手段は、地肌濃度を決定する際に、パッチ濃度の経過時間が前記一回転時間よりも長い場合、当該経過時間から当該一回転時間を数回減算することにより、一回転時間よりも短くなった経過時間を用いて地肌濃度を決定する
    請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記パッチ形成手段は、地肌濃度を必要とする複数のキャリブレーション用のパッチパターンを中間転写体の回転方向に沿って直列に連続して形成する
    請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 更に、中間転写体が一回転する際に、当該中間転写体に予め設けられた位置検知部材と、当該位置検知部材を検知する検知部とに基づいて前記一回転時間を測定する一回転時間測定手段を備える
    請求項1−3のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  5. パッチが中間転写体に形成されるキャリブレーション時に、当該中間転写体の所定の位置における地肌濃度と、当該位置に形成されたパッチのパッチ濃度とに基づいてキャリブレーションを実行するキャリブレーション方法において、
    前記キャリブレーションの開始時点から、中間転写体の一回転時間が経過する時点までの間にわたって、当該中間転写体の地肌濃度を取得するとともに、前記開始時点から当該地肌濃度を取得した時点までの経過時間を取得する地肌濃度取得ステップと、
    パッチ形成ステップにより形成されたパッチのパッチ濃度を取得するとともに、前記一回転時間が経過した時点から当該パッチ濃度を取得した時点までの経過時間を取得するパッチ濃度取得ステップと、
    前記パッチ濃度の経過時間に近似する経過時間の地肌濃度を、当該パッチ濃度が取得された位置における地肌濃度として決定する地肌濃度決定ステップと
    を含むことを特徴とするキャリブレーション方法。
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