JP2012052260A - カップ付き衣類 - Google Patents

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Abstract

【課題】バストを下から持ち上げて保持すると共に、バストが外側へ流れるのを阻止して前中心側への寄せ上げ機能を発揮し、バスト全体のボリュームアップを図って美しいバストラインを造形することができると共に、着用した時に肩にかかる負担が少なく肩紐がずれ動いたりしない極めて着け心地の良いカップ付き衣類を提供する。
【解決手段】 左右カップ2,2の裏面側の前中心から下辺部、側辺部および上辺部にかけてリフトアップ布6を重ね外側縁のみを縫着する。そのリフトアップ布6をカップ上端縁から延ばして肩紐7とする。さらにその先部をバック布5の後端縁5aに沿って縫着する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ブラジャー、ボディスーツ、ブラスリップ、ブラトップス、レオタード、水着などバストカップを備えた衣類に関し、さらに詳しくは、ワイヤーを使用せずにバストの形を整えることができて着用感のよいカップ付き衣類に関するものである。
従来、カップを備えた代表的な衣類であるブラジャーは、バストを美しく整容すると同時に、着用安定性を得るため、バストカップ周縁の下辺部から側辺部に沿って湾曲する略U字状で、断面が矩形状の金属製芯材が装着されているのが一般的である。この芯材は、平面的に形成されており、バストの膨らみによる曲面状に沿わせるものであるから、どうしてもフィット性に優れないばかりでなく、芯材が肌に当たったり、喰い込んだりするので着用感が悪いといった問題点があった。
そこで、着用感の良いノンワイヤーにも拘わらず、バストアップができ美しいバストラインを造形できるブラジャーが種々提案されている。その中の一つに、例えば、カップの内側面において、下辺部のみをカップの下縁部から脇側縁部にかけて縫着し、上辺部はカップ上面に掛け渡してカップ内面から浮かせた略三日月形のパワーネットからなるリフト布を設けてなるブラジャーが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このブラジャーは、パワーネットのリフト布により、脇方向へ逃げる乳房を押し上げると共に、胸中心側へ寄せて形のよいバストに補整し、カップ自体の形もノンワイヤータイプにありがちなカップの広がりをパワーネットのリフト布による収縮力で防止されると共に、パワーネットを用いたことにより通気性がよくて着用感も良好になるというものである。
また、同じようなブラジャーとして、左右のカップ布の下部から側部にかけてバストを支える概略三日月形のダブルアップサポートを重ね合わせ、そのダブルアップサポートの外側縁をカップ布の下側縁に縫着し、上端をストラップに連結して、上記ダブルアップサポートによる吊設力により、バストを下から持ち上げると共に、脇側から内側に寄せてバストを補整するブラジャーが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このブラジャーは、着用した場合にダブルアップサポートがバストの下側から外側に面し、ストラップでその上端が吊設された状態となり、バストを下側から持ち上げ、また側面から内側へ寄せるように機能することによって、バストの垂れ下がりおよび外側への広がりを防止するものである。
登録実用新案第3016829号公報 実開平6−47303号公報
しかしながら、前記特許文献1、2のブラジャーは、ともに概略三日月形のリフトア
ップ布を用いているが、このリフトアップ布は伸長しやすく、サポート力が弱くて力が分散するから脇部の補整効果が劣っていた。また、リフトアップ布の先端部の位置も前中心でなく、下辺部であることからバストを下から十分に持ち上げる保持力が弱かった。さらに、バストの膨らみが小さい場合には、バストを下から上に持ち上げると共に、脇側から内側に寄せても、バスト自体小さいためにバストを豊かに見せることはできず、左右のバストの間にくっきりとした谷間を現出させることはできない。また、リフトアップ布と肩紐の素材が異なることから、パワーに差が生じ着用した時に、肩への負担が大きくなるばかりでなく、肩紐がずれ動いたりするといった問題点があった。
本発明は、上記のような問題点を解決することを課題として開発されたもので、バストを下から持ち上げて保持すると共に、バストが外側へ流れるのを阻止して前中心側への寄せ上げ機能を発揮し、バスト全体のボリュームアップを図って美しいバストラインを造形することができると共に、着用した時に肩紐がずれ動いたり、あるいは肩への負担が少なくなり極めて着け心地の良いカップ付き衣類を提供することを目的とするものである。
上記の課題を解決し、その目的を達成する手段として、本発明は、左右カップの裏面側の前中心から下辺部、側辺部および上辺部にかけてリフトアップ布を重ね外側縁のみを縫着し、そのリフトアップ布をカップ上端縁から延ばして肩紐とすると共に、さらにその先部をバック布の後端縁に沿って縫着したことを特徴とするカップ付き衣類を開発し、採用した。
本発明は、上記のように構成したカップ付き衣類において、前記リフトアップ布は、左右カップの裏面側の前中心から下辺部、側辺部および上辺部を越えて延び肩紐を経て、バック布の後端縁の後中心まで同一素材の一連生地で構成されていることを特徴とするカップ付き衣類を開発し、採用した。
また、本発明は、左右カップの表面側の前中心から下辺部、側辺部および上辺部にかけてリフトアップ布を重ね外側縁のみを縫着し、そのリフトアップ布をカップ上端縁から延ばして肩紐としたことを特徴とするカップ付き衣類を開発し、採用した。
本発明は、上記のように構成したカップ付き衣類において、前記カップ部は、表布と裏布で構成し、その表布と裏布の間をポケット部としてパットを収納してあることを特徴とするカップ付き衣類、および前記リフトアップ布は、縦方向に伸縮するが横方向に伸縮し難い布であることを特徴とするカップ付き衣類を開発し、採用した。
本発明によれば、左右カップの裏面の前中心から下辺部、側辺部、上辺部にかけてリフトアップ布を重ねて外側縁のみを縫着してあるから、バストを下方向から十分持ち上げて保持することができると共に、脇方向から前中心側に寄せてバストのボリュームアップを実現することができる。また、リフトアップ布をカップ上端縁から延ばして肩紐としてあるから、肩にかかる肩紐の力が軽くなって装着感がよくなる。さらにその先部をバック布の上端でなく、バック布の後端縁に沿って縫着してあるから、肩紐に内側への引っ張り力が働き、肩紐のずれ落ちがなくなる。
また、左右カップの裏面の前中心からバック布の後端縁の後中心まで同一素材の一連生地で形成されているから、胸部、肩部、背中部などにおいてよく沿ってフィットし、パワーにロスを生じることがない。また、パッドを用いることにより、バストが小さい女性やバストの形や大きさの違う女性、あるいは時期によってバストの大きさに変化が生じる女性などのバストに対応でき、ボリュームアップを図って美しいバストラインになる。
本発明の第1実施形態を示すブラジャーの斜視図である。 図1の背面側の斜視図である。 第1実施形態を示すブラジャーの背面図である。 本発明の第2実施形態を示すブラジャーの背面図である。 ポケット部の縦断面図である。 リフトアップ布とパッドとの関係を示す説明図である。 本発明の第3実施形態を示すブラトップの正面図である。 図7の背面図である。
以下に、本発明の第1実施の形態を添付の図1〜図3に基づいて説明すれば、ブラジャー1は、左右の乳房を覆うカップ2,2と、この両カップ2,2を連結するカップ下布3と、両カップ2,2の外縁に形成されるカップ脇布4,4と、背中に当接するバック布5,5とがそれぞれ縫合一体化されている。
6は熱融着ウレタン糸の織物からなる縦方向に伸縮するが横方向に伸縮し難いフリーカット地のリフトアップ布で、このリフトアップ布6は、カップ2の内面側の前中心から横方向に延びて屈曲部を経て上方に延びる略L字状に形成され下辺部、側辺部および上辺部を覆っており、側辺部の幅広部分はかなりのパワーがあって張り腰があるが、その先部の細い部分はそれだけパワーが落ちてしなやかになっている。そして、リフトアップ布6の外側縁のみを縫着してカップ2と一体にしてある。ここでいうフリーカット地とは、裁断したままの状態でも、切断縁が解れの生じない縁始末不要の生地をさしている。
前記リフトアップ布6は、カップ上端縁を越えて延びており幅広の部分を形成して肩紐7とし、その肩紐7にはアジャスター8が取り付けられ肩紐7の長さを調節できるようになっている。さらにその先部は細幅テープ9に形成され、バック布5の後端縁5aに沿って縫着されている。すなわち、リフトアップ布6は、左右カップ2,2の内面の前中心から、バック布5の後端縁5aの後中心まで同一素材で一連の生地で構成されている。
上記のように構成されたブラジャー1を着用すると、リフトアップ布6の先端部6aが裏面の前中心から下辺部、側辺部、上辺部を重ね外側縁のみを縫着してあるから、バストの下部を充分に持ち上げて保持すると共に、内側に引き寄せ上げられてバスト間に谷間ができ、バストアップした状態となりバストラインを美しく見せることができる。また、肩紐7はリフトアップ布6と同一の素材で、しかも一連になっているから、着用時のブラジャーに加わる力および肩紐7に加わる力のバランスがよく、肩に負担を与えずぴったりとフィットしてズレ動いたり肩から外れたりすることがなくなる。
つぎに、図4〜図6に示すのは、本発明の第2実施の形態を示すものであり、左右の乳房を覆うカップ2,2、カップを連結するカップ下布3、カップ脇布4,4、背中に当接するバック布5がそれぞれ縫合一体化されているブラジャー1である点は前記実施の形態1と同じである。また縦方向に伸縮するが横方向に伸縮し難いフリーカット地のリフトアップ布6を、カップ2の内面の前中心から下辺部、側辺部および上辺部を覆う略L字状で、かつリフトアップ布6の外側縁のみを縫着してカップ2と一体にしてある点、およびカップ上端縁を越えて延び幅広の部分を形成して肩紐7に、その肩紐7にアジャスター8を取り付けて肩紐7の長さを調節でき、さらにその先部の細幅テープ9をバック布5の後端縁5aに沿って縫着されている点についても前記第1実施の形態と全く同じであり同一部分に同一符号を付して説明は省略してある。
相違している点は、カップ2にモールド製のパッド10が収容されている点である。すなわち、カップ部2を表布2aと裏布2bとで構成し、その表布2aと裏布2bの間をパッド10の収容するポケット部11とすると共に、裏布2aの一側部にパッド10を出し入れするための開口部12を設けたものである。ポケット部11は、収納されたパッド10が胸中心側へ可動できる余裕のある大きさに形成されている。
上記のように構成されたブラジャーを着用すると、図6に示すように、リフトアップ布6の上端部6aが矢印A方向に、下端部6bが矢印B方向に引っ張られ、それに伴って中間部6cが矢印C方向の力が発生しカップ2をサポートする。そして、カップ2内の表布2aと裏布2bとの間のポケット11に収容されているパッド10は、リフトアップ布6に縫着されていないので、リフトアップ布6によって内側に寄せられたり、バストボリュームにあわせてフレシキブルに可動することになり、小さい乳房、左右の乳房の形や大きさの違い、あるいは時期によって乳房の大きさが変化する場合などにも対応でき美しいバストラインを造形がすることができる。ボリュームアップする必要がない着用者の場合には、ポケット部の中からモールドパットを取り出しておけばよい。
つぎに、図7、図8に示すのは、本発明の第3実施の形態を示すものであり、前記第1、第2実施の形態では、ブラジャーの例で示したが、この実施の形態ではキャミソールやタンクトップなどの内面側にカップが装着されたブラトップス21の例を示している。
すなわち、前記第1、第2実施の形態においては、リフトアップ布6がカップ2,2の裏面側に縫着されていたが、この第3実施の形態では、リフトアップ布6をカップ2,2の表面側に縫着した点が相違しているだけであり、リフトアップ布6は、カップ上端縁を越えて延び肩紐7としてある点、さらに、カップ2の表布2aと裏布2bの間のポケット部11にパッド10を収納する点などは同じであり、同一部分に同一符号を付して説明は省略してある。
このブラトップス21を着用すると、図7、図8に示す矢印方向に力がかかって正面側のリフトアップ布6でバストは下方向から持ち上げられると共に、脇方向から前中心側に寄せて形のよいバストに補整すると共に、肩紐7で吊り下げてバスト全体のボリュームアップを図ることができる。また、バストが小さい女性やバストの形や大きさの違う女性、あるいは時期によってバストの大きさに変化が生じる女性などのバストに対応でき、ボリュームアップを実現して美しいバストラインになる。また、リフトアップ6と同一の素材でしかも一連になっている肩紐7により、着用時のブラジャーに加わる力および肩紐7に加わる力のバランスがとれて、身体にぴったりとフィットして肩紐7がずれ動くことがない。
以上、本発明は、カップ付き衣類として、ブラジャーとブラトップスの例で説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の目的を達成でき、且つ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
本発明は、ブラジャーだけでなく、ボディスーツ、ブラスリップ、ブラトップス、レオタード、水着などバストカップとショルダーストラップを備えた各種の女性用衣類に適用可能である。
1 ブラジャー
2 カップ
2a 表布
2b 裏布
5 バック布6
5a バック布後端縁
6 リフトアップ布
7 肩紐
10 パッド
11 ポケット部

Claims (5)

  1. 左右カップの裏面側の前中心から下辺部、側辺部および上辺部にかけてリフトアップ布を重ね外側縁のみを縫着し、そのリフトアップ布をカップ上端縁から延ばして肩紐とすると共に、さらにその先部をバック布の後端縁に沿って縫着したことを特徴とするカップ付き衣類。
  2. 前記リフトアップ布は、左右カップの裏面側の前中心から下辺部、側辺部および上辺部を越えて延び肩紐を経て、バック布の後端縁の後中心まで同一素材の一連生地で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のカップ付き衣類。
  3. 左右カップの表面側の前中心から下辺部、側辺部および上辺部にかけてリフトアップ布を重ね外側縁のみを縫着し、そのリフトアップ布をカップ上端縁から延ばして肩紐としたことを特徴とするカップ付き衣類。
  4. 前記カップ部は、表布と裏布とで構成し、その表布と裏布の間をポケット部としてパットを収納してあることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のカップ付き衣類。
  5. 前記リフトアップ布は、縦方向に伸縮するが横方向に伸縮し難い布であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のカップ付付き衣類。
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